サロン開催報告

2007年のサロン開催報告

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弊社アナリスト:廣井哲也による講演模様
株式会社フージャースコーポレーション:
廣岡社長
第1部として、弊社アナリストによる「最近の相場環境と本日の参加企業の見方(ポイント説明)」の講演後、第2部としてフージャースコーポレーションの廣岡社長による会社説明会を40分間おこないました。
その後おこないました質疑応答の時間においては、皆様活発なご意見や発言をいただきました。
その内容は以下のとおりです。
対象者
質疑応答内容
質問A(女性)
ご質問A:中期経営計画は全く変更がないということですが、住友不動産、東京建物のニュースを見ているとマンションの将来的な販売戸数を各社引き上げている状況ですので、そのあたりの展望を教えてください。
廣岡社長のご回答
ご回答A:短期的に他の会社が何戸に引き上げたということに対しては、あまり感想はございません。私どもが5年後10年後の供給戸数なぜにこだわっているかというと、お客様からの評価の象徴として供給戸数にこだわっているのであって、日々の事象でこだわるよりも、5年後、10年後に、顧客満足度=供給戸数でナンバーワンになろうと会社を経営しております。短期的、ここ2年、3年で他社さんの動きがどうとかいうのは、自分のスタンスとは違うところでもあるので、あまり考えていません。以上で宜しいでしょうか?
質問者B(男性)
ご質問B1:マンションが売れ残ったら、その分金利が負担になると思うがいかがでしょうか?
ご質問B2:駅から遠いとこにつくっているが、ここに住んでいる人はどういう交通手段があるのか?交通手段を御社が作られるとその費用は?
廣岡社長のご回答
ご回答B1:全てのプロジェクトで借り入れをしている訳ではありませんので、借入金利が事業収支に与える影響は少ないです。わかりやすくイメージで言いますと、例えば2500万の物件を200戸で合計売上50億のプロジェクトとしますと、土地代は15億円くらいなので、借り入れ金利が2%としても年間3000万円。3000万円は大きい金額ではありますが収支に与える比率としてはそんなに高くはありません。

ご回答B2:交通手段としては、ひとつはバスを使う、もうひとつは車を使って地元で通勤されております。物件によっては大規模化するとシャトルバスをひいて駅までお送りしております。一般的に駅前の物件ですと、千葉・埼玉から東京に電車で通われる方は6、7割というのが当社のデータですが、当社のマンション購入者は地元に通われる方が6、7割で、都心に通われる方が3、4割です。当社は主に地元通勤者向けの商品を提供しております。シャトルバスの費用についてはお客様からバス代をいただいて運用しております。
質問者C(男性)
ご質問C1:今期の下方修正の原因が時間軸の見誤りという感じだが、期ズレが結果的になったものなのか、途中で原価があがってきたものに対して将来的に対応したものか、聞きたい。

ご質問C2:見積もりが見誤ったのは金利の面などシミュレーションが甘いのではないかと思うのだが、具体的な数値を踏まえて将来予想を聞きたい。
廣岡社長のご回答
ご回答C1:原価の見通しに関しては、期初の段階でマンションだとほぼ着工しているので、原価はほぼ確定しております。ゼネコンから採算が合わないなどの理由により増額要請がないとは言い切れませんが、ほぼ確定しているものなので、当期の業績予想は売値の決定と回収の時期を期初に立てるというのが業績予想の立て方です。

ご回答C2:今回の修正理由は、販売ペースの見通しの違いによるものであり、金利等の経費につきましては、ほぼ予定通りという見通しであります。
質問者D(男性)
ご質問D1:話を聞いていて、資金回収に対する意識が低いと思いました。このまま販売を続けていけばこれまでと同じペースで売れていくだろうということですが、企業業績があがっても一般のサラリーが上がっていないというのは報道されていることだが、価格が上がった状態で、今後も同じペースで売れていくのは非常に楽観的すぎるのではないかと思う。

ご質問D2:賃貸に進出すると資金繰りを悪化させるわけなので、7割方ないという増資も今後予定通り売れていかなければありうるのではないかと心配している。

ご質問D3:来期の販売計画ですが、今期の期ズレの260戸は上乗せされるのか?販売が長期化すると販管費がかかるので折角の高い粗利率が台無しになってしまうのではないかと思うのだが、このあたりを答えてください。
廣岡社長のご回答
ご回答D1:資金回収に対する意識が低いというのは貴重なご意見として受け止めておきます。ただ、象徴的に言いますと、新価格物件と旧価格物件に大きくわかれておりまして、今期の物件は旧価格物件で、なおかつ現地を私が毎週行って、売れ行きをみて、こういう価値観に賛同して、こういう方が買っていただける方があと30件いるかどうかは感覚でわかりますので、あまり心配しておりません。これから出る新価格物件を同じ利益率を保ちながら、きちんと販売させていくのかということの難しさは感じております。それについても株の運用と不動産の事業とは決定的に違うのが、土地を買ってから汗をかいて、徹底的にものづくりをすれば、そこで大きく事業性が変わるわけです。例えば違うディベロッパーが同じ場所で同じ土地代で買っても、とても儲かるよい商品をつくるディベロッパーもあればそうでないディベロッパーもあるという意味では新価格物件については楽観せず緊張して望んでおりますが、きちんと利益を出していこうという緊張感の元でやっていますというのがお伝えし切れていないようでしたら、心もちは同じですということです。

ご回答D2:賃貸につきまして、資金が滞留するというのは、おっしゃるとおりだと思います。それによって学べるもの、机上だけでなく、きちんと実感をもって成長していける会社を志向しておりますので、賃貸のモデルルームをあけてお客様の顔を見て、お客様の意向を聞いて次の商品開発に活かすという意味では、決して無駄な事業になっているとは思っておりません。

ご回答D3:今期の未引渡し住戸260戸については、来期の引渡対象物件となります。来期は、元々予定していました約2,000戸と合わせますと約2,260戸になりますが、そのうち何戸を来期の利益計画の前提とするかを慎重に検討したいと思います。
質問者D(男性)
ご質問D4:賃貸について何がいいたいかというとあまりやり過ぎてもらいたくない。メリットはよくわかるが、売れないものを賃貸にまわすとかそういったことをなるべくしてもらいたくない。
廣岡社長のご回答
ご回答D4:時間軸との戦いで、TX沿線がどんどん成熟していくと、きちんと一棟でご購入していただけるチャンスがあるなと位置づけている。TX沿線の開発の成熟度とリンクしていくと思っていますので、勉強の為だけではなく、事業性もあると考えています。
質問者D(男性)
ご質問D5:計画自体ですが、粗利益率があがったというコメント、確保したというコメントがありましたが、そもそも販売計画自体が在庫を見越した上での売上ではないかと思うのですがその辺はどうですか?435億というのが1654戸に対する売上として考えていたのか、それとも100戸くらい在庫を計算した上での売上ではないかと思うのですが、とにかく割り算してみると2630万という数字になるが、これは低すぎるのではないかと思うのですが。
廣岡社長のご回答
ご回答D5:一定の(在庫)部分は(計画として)見ておりました。
質問者D(男性)
ご質問(続き)D6:ということは粗利もプラス0.7ではあるけども、ほぼ計画通りということですね。もともとの計画の粗利というのは在庫を見越した上でのものだと思うので、たぶん私の考えですけど。
回答(手嶋室長)
ご回答(補足)D6:年初の計画では、一定の在庫が出ても利益計画は達成できる計画になっておりました。ただし、期中で豊四季の物件を分譲から賃貸に変更したこともあり、豊四季を除いた1654戸については、ほぼ435億とほぼ対応するものとご理解いただければと思います。
質問者E(男性)
ご質問E:時間軸の話について、もう少し話を聞きたい。競合が厳しくなったのでユーザーが決められなくなったのではないかということを懸念しているが、もしそうであれば今後においても不安材料になるのかと思ったのだが、そのあたりはどうか?
廣岡社長のご回答
ご回答E:競合物件が増えてきてお客さんの意思決定が鈍っているというのが事実だと思います。ただ、他社を含めてゆっくり検討した結果、当社に戻ってきてくれるという自信をもっているというのが現場の状況を正確に表現していると思います。
質問者F(男性)
ご質問F1:同じように時間軸についての質問ですが、今期時間軸がズレて大量の在庫が発生したということで、来期に関しては、そのような在庫が発生しないように対策を取っていると思うが、その具体的な対策は?

ご質問F2:来期のものに関してはモデルルームのオープンを早くしているとか、販売開始を意図的に早くしているとか具体的にやっているのであれば教えて欲しい。

ご質問F3:モデルルームがオープンしている中で来期のモデルルームもオープンさせるとなると根本的に人が足らなくなってしまうのではないかと思うのだが、このあたりはいかがですか?
廣岡社長のご回答
ご回答F1:まず完成在庫についての考え方をお伝えしたいと思います。IPO以来、当社は「完成在庫セロ」を掲げてきて、それが美徳であると言い続けてまいりました。その背景としては、デフレ下であったということと、当社の財務基盤も上場直後で弱体であったことがありました。今この時代はどうなっているかというと、経済環境はデフレからインフレになり、当社の財務基盤も以前に比べて強固なものとなりました。今期が象徴的ですが、当然値引きをして売れば売れてしまうのですが、それでは利益が残らないのであまり意味がなくなります。そこで、最大利益を追おうと思うと、一定の在庫を持つことは、経営戦略としてあってもいい時代になっているのかなという想いは持ってます。それはインフレ下であるということ、財務基盤がある程度までは強固になったということです。

ご回答F2,3:ただ販売の対策をしないのかというと、そういうことでは全くございませんので人員の強化を計って、それから教育の強化を計って対策を施しております。また、モデルルームオープンにつきましても、来期物件は今期物件よりも早く進捗しております。
質問者G(男性)
ご質問G:数字で教えて欲しいのですが、来期2000戸販売ということで今期の実績と比べて600戸くらい増えてしまうが、人が足りない中で、さらに販売戸数を増やすのはかなり難しいと思うのだが、そのあたりが心配で、営業マンひとりあたりが年間20戸売るのであれば100人必要などの数字があると思うが、現状何人で、来期何人計画していて、どのくらい人の採用ができているのかなど、人の採用と教育が難しかったということで、今期下方修正してしまったわけですので、そのあたりを教えてください。
廣岡社長のご回答
ご回答G:販売だけで言うと人数を算出して、この人数が必要だからこれだけ採りましょうというやり方もできるが、それだとこちらの希望するレベルの採用ができなくなるので、販売戸数を増やしていく為には、販売委託活用していくことになると思います。
質問者H(男性)
ご質問H1:要望がひとつと質問がひとつあります。要望としては月次の販売状況を毎月発表されておりますが、内容的に数字だけでコメントが載っていないので、今回のように販売状況が進捗が悪い状況ですと、数字だけですので悪い憶測ばかりをしてしまい、不安になる。月次報告自体はありがたいが、それに対する解説やコメントをつけてくれるとありがたいです。

ご質問H2:質問は月次報告を見る限りではもっと早く下方修正がだせたのではないかと思うが、今回の下方修正は遅すぎたと思うが、このへんについてはいかが思われますか?
廣岡社長のご回答
ご回答H1:コメントについては、貴重なご意見として検討させていただきたいと思います。やはり国語というのは難しいので、ひとつのコメントを出しても百人百通りの受け止め方をされてしまうので、最低限の数字を発表するというスタイルをとらせていただいておりますので、慎重に検討したいと思います。一方で数字を発表しているのは他のディベロッパーはやっていないので、その点はぜひご評価もいただけるとありがたいと思います。

ご回答H2:下方修正のタイミングについてですが、一部大型の土地を売却して利益が出るという話も途中であったということ、数字を未確定な状態でいたずらな数字を出して、より混乱を出してしまうということも鑑みて、最終的には3月の月内の契約見通しが出た段階で発表させていただいた次第です。