ブリッジレポート:(3490)アズ企画設計 2025年2月期決算
![]() 松本 俊人 社長 | 株式会社アズ企画設計(3490) |
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企業情報
市場 | 東証スタンダード市場 |
業種 | 不動産業 |
代表者 | 松本 俊人 |
所在地 | 東京都千代田区丸の内1丁目6番2号 新丸の内センタービル17階 |
決算月 | 2月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(期末) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
2,490円 | 1,208,000株 | 3,007百万円 | 16.9% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
30.00円 | 1.2% | 422.27円 | 5.9倍 | 2,449.29円 | 1.0倍 |
*株価は4/10終値。各数値は25年2月期決算短信より。
業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | DPS |
2022年2月 | 9,592 | 359 | 303 | -526 | -553.41 | 0.00 |
2023年2月 | 9,374 | 495 | 349 | 493 | 515.35 | 0.00 |
2024年2月 | 11,506 | 663 | 454 | 620 | 567.37 | 20.00 |
2025年2月 | 12,430 | 975 | 740 | 461 | 383.89 | 30.00 |
2026年2月(予) | 13,500 | 1,080 | 800 | 510 | 422.27 | 30.00 |
*予想は会社予想。単位:百万円、円。24年2月期より連結。24年2月期以降の当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
(株)アズ企画設計の2025年2月期決算概要、2026年2月期業績予想、成長戦略などをご紹介致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2025年2月期決算概要
3.2026年2月期業績予想
4.中期経営計画(25年2月期~27年2月期)
5.松本社長に聞く
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 2025年2月期の売上高は前期比8.0%増の124億30百万円。主力の不動産販売事業は同8.0%増。販売件数は27件と前期比4件の増加。平均販売金額も前期比1.4億円増加の6.5億円。不動産賃貸事業は同13.2%増と2桁の増収。営業利益は同46.9%増の9億75百万円。好採算案件の取扱い増などで売上総利益は同19.7%増加し、粗利率は同1.5ポイント上昇。販管費はほぼ前年同水準にとどまったことで大幅な増益となり、過去最高を更新した。
- 2026年2月期の売上高は前期比8.6%増の135億円、営業利益は同10.8%増の10億80百万円と増収増益を予想している。引き続き、中期経営計画で掲げているように「1人当たり営業利益」や「営業利益」を重視した取り組みを進める。「営業利益10億80百万円」は中期経営計画における2027年2月期計画値であり、1年前倒しでの達成を目指す。配当は前期同水準の30円/株を予想。予想配当性向は7.1%。
- 同社では「1人あたり営業利益」を重視しており、重要指標として「営業利益」の目標値を公表することとした。2026年2月期においては、最終年度2027年2月期の計画値10.8億円の1年前倒しでの達成を目指している。2027年2月期については現時点では据え置いているが、営業利益率の推移や金融環境を踏まえつつ、2026年2月期の決算を発表する2026年4月に修正計画値を発表する考えだ。
- 成長に向けた事業戦略は、「(1)営業利益率の向上」「(2)社外との連携」「(3)販売事業の規模拡大」の3つ。前中期経営計画時(22年2月期~24年2月期)に開始した「(3)販売事業の規模拡大」に引き続き注力するとともに、新たに「(1)営業利益率の向上」「(2)社外との連携」を開始する。
- 松本俊人社長に、事業環境、25年2月期決算概要、中期経営計画のポイント、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。「以前に比べてはるかに多くの情報を入手することができるようになった結果、物件を選別することができるようになってきました。今までは、物件の選択の余地も少なく、言ってみれば「時間に追われる経営」だったのですが、現在は、「時間を有効に使う経営」「より攻撃的な経営」が可能になっています。今後も、大型化、下期偏重の解消、種別の多様化を進め、利益率の更なる向上を追求してまいりますので、是非引き続き当社を応援していただきたいと思います。」とのことだ。
- 収益性の向上が着実に進んでいる。上場した2019年2月期の営業利益率は5.5%、コロナ禍の21/2期は0.6%まで低下したが、25年2月期は過去最高の7.8%を記録し、26年2月期は8%台に乗る見込みだ。松本社長へのインタビューにあるように、物件を選ぶことができるようになったことが最大の要因であり、こうした流れは今後も続き、適切なリスク管理を実施しながら大型化を進めれば、更なる向上が期待できるだろう。
- また、近年は海外マネーの流入を図り中華系社員を採用している他、香港、台湾、タイにおけるアライアンス構築の準備も進めているという。こちらの進捗にも注目していきたい。
1.会社概要
東京都心部を中心に一都三県で収益不動産を取得し、リノベーションによるバリューアップやリーシング(賃貸募集)を行い、不動産投資家へ販売する不動産販売事業が柱。埼玉県川口市で賃貸・管理事業からスタートしており、その経験からリーシングを中心としたバリューアップを得意とし、賃貸・管理事業を併営。現在は東京本社(千代田区丸の内)と埼玉本店(川口市)の2拠点体制としている。
【1-1上場までの沿革】
学生時代から起業精神が旺盛で、なおかつ周りの人々を元気にしたいと常に思っていた松本俊人氏(現株式会社アズ企画設計代表取締役社長)は、父親が所有する不動産の管理を手伝い、「トラブル物件」の対応に関わったことから、不動産業に興味を抱くようになる。
不動産会社に就職後、バブル崩壊から2年ほど経った頃、景気は不況の真っ只中であったが、そんな街を「元気」にしたいという強い想いのもと、1993年5月、1989年に設立していた会社を、株式会社アズ企画設計へ社名変更し、不動産の売買、賃貸、管理等を開始する。
当初は自宅を本社として売買仲介をメインに行っていたが、その後賃貸管理を視野に入れて東川口に店舗を構え、賃貸や売買のみならず、貸しコンテナ事業やビジネスホテル事業など多岐に渡る事業展開で規模を拡大する。
中でも、好不況の波が大きい不動産業界において「資金回転の速さ=リスクの低減」を重視して、収益不動産を取得後、リノベーションによるバリューアップやリーシングを行い不動産投資家へ再販する不動産販売事業に注力する。
また、当時は不動産会社としては珍しかったオリジナルキャラクター「ハウスくん」をはじめいくつかのキャラクターを商標登録し、地域情報誌「ハウスくん通信」を発行するなど、ユニークな経営戦略で地域密着型ビジネスを展開する。
2015年3月に事業規模拡大に伴い東京支社を開設(2020年に東京支社を東京本社とし、本社を本店に変更)。不動産販売事業の急成長を背景に、2018年3月、東証JASDAQ(スタンダード)市場に上場した。
2022年4月、市場再編に伴い東証スタンダード市場に移行。2023年8月、更なる成長に向け、東京本社を千代田区丸の内に移転した。
【1-2 理念】
以下の企業理念、行動規範を掲げている。
社名の「アズ」には、「A」から「Z」まで世の中の幅広くあらゆるニーズに対応できる会社に.なりたいという想いが込められている。
企業理念 | 「空室のない元気な街を創る」 |
行動規範 | Vision 私達は法令を遵守し使命感を持って社会の発展に貢献します。
Mission 私達はアイデアと自由な発想で商品・サービスを生み出し、夢や喜びを提供する魅力ある企業を目指します。
Value 私達は常に感謝の気持ちを大切にし、迅速かつ柔軟な対応をもって快適な環境を追求します。
Member 私達は、社員を大切にして、個々が成長できる企業を創ります。 |
【1-3 事業内容】
主に東京都心部を中心として、東京、埼玉、千葉、神奈川エリアで、「不動産販売事業」「不動産賃貸事業」「不動産管理事業」を展開している。

(1)不動産販売事業
◎収益不動産売買
入居率の低下や賃料水準の低下等が発生し、収益の改善を要する中古不動産を取得し、同社が保有時にリノベーション(主に間取り変更を伴う内装工事)、リーシング(賃貸募集活動)、物件管理状況の改善等を通じて不動産としての収益改善を行い、不動産投資家へ販売している。
物件エリアの市場環境調査や周辺対抗物件調査、物件及び物件の管理状況の把握を行った上で、リノベーションやリーシングによる具体的な収益改善プランを作成・実行している。
エリアや価格帯を加味した資産性についての目利き力をベースに、再販時に投資家がどのような目線であればその物件に投資したくなるかというストーリーを取得前に構築し、判断を下している。
また、開発用地を取得し、賃貸ニーズに合致するような不動産を建設・リーシングすることでバリューアップを施し、収益不動産として販売もしている。
これらを速やかに実行することで、販売用不動産の保有期間の短縮化を図り、リスク低減に努めている。

(同社資料より)
(2)不動産賃貸事業
① 不動産賃貸
リニューアルにより高収益が見込める中古不動産を不動産オーナーより借り上げ、施設利用者へ転貸している。
同社が不動産賃貸事業及び不動産管理事業で培ってきたリーシングやリノベーションの手法により、賃貸物件の稼働率向上や賃料水準の改善を図り、オーナーは同社の一括借り上げにより安定した賃料収入を得ることができる。
同社においては、上記借り上げ不動産からの賃料収入や不動産販売事業において取得した販売用不動産の売却までの期間に得られる賃料収入が同領域の収益になる。収益改善や稼働率向上に伴う収入増も見込むことができる。
良質な不動産の増加で街の賑わいがつくれるため、地域社会への貢献にもつながると考えている。
② 空間再生
長期不稼働になっている建物や遊休地を保有する不動産所有者に対し、有効活用を提案し、不動産所有者から未利用建物又は土地を賃借し、再生利用している。
店舗、事務所、倉庫等の不稼働の事業用建物は、造作を加えて内部を区切り、収納スペースや事業スペースとして施設利用者に提供している。
遊休地については、貸コンテナの設置、コインパーキングや月極駐車場、一括貸し地等として施設利用者に提供している。
また、一部の不動産については、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく住宅宿泊事業として、同社が賃借し、運営会社協力のもと宿泊サービスを提供する民泊施設として活用している。

(同社資料より)
(3)不動産管理事業
① 不動産管理仲介
同社から不動産物件を購入した顧客や、その他の不動産所有者に対して所有不動産における建物管理、入居者管理、賃貸借契約管理等のサービスを提供している。
不動産所有者と入居者の賃貸仲介も行っている。
入居者には「快適な暮らし」を、オーナーには不動産賃貸経営の「安心経営」を提供している。
② 建築リフォーム
賃貸不動産物件や一般家庭に対して大規模な修繕工事やリノベーション、リフォーム、クリーニング、原状回復工事等のサービスを提供している。
③ 不動産管理付帯
賃貸仲介等から生じる鍵等の付帯商品販売を通じた収益や、少額短期保険の代理店手数料等を計上している。
【1-4 特長・強み】
同社の主要な強みは「リーシングを中心としたバリューアップ」と「収益不動産の回転の速さ」である。
(1)リーシングを中心としたバリューアップ
賃貸・管理からスタートした強みを活かし、収益不動産を取得後直ちにリノベーションなどを行うことで賃貸収入の引き上げを図り、リーシングにより満室稼働にすることでバリューアップを実現している。
(2)収益不動産の回転の速さ
収益不動産の平均保有日数(25年2月期までの過去5期平均)は194日と、他社平均の半年から2年に比較して短期間。社内連携の早さやリーシングの早さが起因しており、回転が速いためリスクが少なく、金融機関も貸金実行の判断がしやすい。
また、急激な金融情勢の悪化の際にも、影響を最小限に抑えることができる。
このスピードの源泉は、『仕入 - 商品化 - 販売』 までの業務サイクルを同一社員が主担当者として行うワンストップの営業スタイルである。
競合他社では仕入担当や商品化担当、賃貸担当、販売担当など、業務が専業化していることが多いのに対し、同社ではワンストップで対応しているため、担当者は販売を念頭に置いた仕入を実施するため良質な仕入が可能である。
加えて、「仕入~販売」が1担当者の中で完結しているため、仕入後の動きを事前に想定して取り組むことができ、スピード感を持って商品化(リノベーションや大規模修繕、リーシング)を実行することが可能である。
また、チームのフォローがあるものの、新卒社員にも徹底して全行程を任せるため、社員の成長速度が早いという効能も生み出している。
【1-5 株主還元】
24年2月期より、配当の実施については、業績に基づきより機動的に実施することとしている。
また、より多くの投資家に同社への投資魅力を訴求することを目的に、株主優待としてQUOカードを贈呈している。
贈呈回数は、8月末、2月末の年2回。
100株以上保有の株主は額面3,000円のQUOカードを8月末、2月末にそれぞれ3,000円、合計6,000円受け取ることができる。
<実質配当利回り>
*100株保有
株価 | 2,490円(2025/4/10終値) |
保有金額(A) | 2,490円/株×100株=249,000円 |
配当金額(B) | 30.00円/株×100株=3,000円 |
株主優待(C) | 6,000円 |
配当+優待(D=A+B) | 9,000円 |
実質配当利回り(D÷A×100) | 3.6% |
*インベストメントブリッジ計算
【1-6 サステナビリティ】
2021年11月、同社では以下のようなサステナビリティ基本方針を策定。様々な取り組みを進めている。
サステナビリティ基本方針 | 私たちアズ企画設計は、「空室のない元気な街を創る」という企業理念のもと、すべてのステークホルダーに配慮し事業活動を行うことによって、持続的な成長の実現を目指します。また、自らの持続的な成長とともに、持続可能な社会の実現に貢献するために、以下の課題に取り組み、企業価値の向上を目指して参ります。 |
◎不動産事業を通じた取り組み
住みやすい居住空間づくり
●賃貸物件のリノベーション リフォーム(原状回復工事)・リノベーション(性能向上を含む大規模工事)・コンバージョン(用途変換工事)を行い物件の価値を最大化することにより、住みやすい住環境つくりを目指します。また、「リノベーション」を行う際は、環境に優しい資材を採用することを目指し環境保護にも力を入れております。 |
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住み続けられるまちづくり
●レジデンスやビルのリノベーション 経年劣化したレジやビルを当社で買取り、外装や内装をリノベーションし、付加価値をつけて売却を行っております。新築をする場合は劣化した建物を撤去するために多大な産業廃棄物を放出しますが、建物を再生させることにより環境負荷を低減させます。また、中古不動産の寿命を延長し、地域社会の発展に貢献します。 |
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不動産の再生活用
●遊休地や空き家、空きビルのリノベーション 稼働率の低下している不動産や空き家をはじめとした遊休不動産などに、新たな価値を付与して時代のニーズにあった優良不動産として再生させることで、地域社会の発展に貢献します。 |
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◎社会への取り組み
多様性の尊重と調和
●不動産エージェント制度の導入 多様なバックグランドの人材がポテンシャルを最大限に発揮して働ける環境を整備しております。そのひとつとして、不動産営業を志すすべての方に労働の機会を創出するため、不動産エージェント制度を導入しました。エージェント制度の社会的認知度を向上させることを目指します。 |
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生涯学習の促進
●資格支援制度 不動産業に役立つ資格取得を目指す従業員に向けて、教育の場の提供、経済的支援を行っております。 |
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健康と安全
●健康企業宣言 従業員が心身ともに安心して健康的に働くことができる職場環境を目指しております。 ※健康企業を目指して、企業全体で健康づくりに取り組んだ結果、「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」として認定されています。 |
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地域との共生
●地元サッカー団体への支援 地元サッカーチームを支援し、地域のスポーツ文化振興とその先にある心身ともに健康的な未来を目指します。
●地域情報誌「ハウスくん通信」の発行 不動産情報に特化した地域情報誌を3か月に1回発行しております。地域情報誌として無料で配布し、地域の皆様への有用な情報発信を行っております。 |
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◎環境への取り組み
環境への負担を軽減
●ゼロカーボン電力の導入 秩父新電力株式会社よりCO2 フリー電気である『ちちぶゼロカーボン電力』を導入することで継続供給CO2の排出を削減し、地球温暖化問題に取り組みます。
●ペーパーレス活動 iPad支給や各種電子化によって書類の不要な印刷を防ぐことで森林を守ります。
●環境にやさしい機器の導入 社用車や複合機はCO2 排出量削減可能な製品を優先に採用しております。 |
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◎事業を支えるガバナンス・コンプライアンス
●持続可能な成長を実現するガバナンス体制の維持・強化 あらゆる法令、規程を遵守し、人権を尊重するとともに、高い倫理観に則った誠実かつ公正な企業活動を遂行します。ステークホルダーの皆様との健全かつ正常な関係を構築するとともに、公正な競争、企業情報の適切な開示等、社会の一員としての責任を果たします。 |
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2.2025年2月期決算概要
【2-1 業績概要】
| 24/2期 | 構成比 | 25/2期 | 構成比 | 前期比 | 計画比 |
売上高 | 11,506 | 100.0% | 12,430 | 100.0% | +8.0% | -4.4% |
売上総利益 | 1,622 | 14.1% | 1,941 | 15.6% | +19.7% | - |
販管費 | 958 | 8.3% | 966 | 7.8% | +0.8% | - |
営業利益 | 663 | 5.8% | 975 | 7.8% | +46.9% | +20.4% |
経常利益 | 454 | 3.9% | 740 | 6.0% | +63.0% | +30.0% |
当期純利益 | 620 | 5.4% | 461 | 3.7% | -25.5% | +15.5% |
*単位:百万円
増収、営業増益、過去最高の営業利益を更新。各段階利益は計画を上回る
売上高は前期比8.0%増の124億30百万円。主力の不動産販売事業は同8.0%増。販売件数は27件と前期比4件の増加。平均販売金額も前期比1.4億円増加の6.5億円。不動産賃貸事業は同13.2%増と2桁の増収。
営業利益は同46.9%増の9億75百万円。好採算案件の取扱い増などで売上総利益は同19.7%増加し、粗利率は同1.5ポイント上昇。販管費はほぼ前年同水準にとどまったことで大幅な増益となり、過去最高を更新した。
【2-2 セグメント別動向】
| 24/2期 | 構成比 | 25/2期 | 構成比 | 前期比 |
売上高 |
|
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不動産販売事業 | 10,639 | 92.5% | 11,494 | 92.5% | +8.0% |
不動産賃貸事業 | 629 | 5.5% | 712 | 5.7% | +13.1% |
不動産管理事業 | 237 | 2.1% | 223 | 1.8% | -5.7% |
売上高合計 | 11,506 | 100.0% | 12,430 | 100.0% | +8.0% |
セグメント利益 |
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|
|
不動産販売事業 | 760 | 7.1% | 1,031 | 9.0% | +35.7% |
不動産賃貸事業 | 71 | 11.4% | 128 | 18.1% | +79.8% |
不動産管理事業 | 96 | 40.6% | 81 | 36.3% | -15.6% |
調整 | -264 | - | -266 | - | - |
セグメント利益合計 | 663 | 5.8% | 975 | 7.8% | +46.9% |
*単位:百万円。セグメント利益の構成比は売上高利益率。
(1)不動産販売事業
前期比8.0%増収、同35.7%増益。
販売件数、平均販売金額とも前期を上回った。
◎在庫
販売が順調に伸長するのと並行して仕入も進めている。25年2月末の販売用不動産在庫残高は79億30百万円と期末残高としては過去最高を記録した。今期に入っても仕入が進んでおり、約38億円の仕入れを見込んでいる。

(同社資料より)
◎販売件数、平均販売金額、種別販売動向
販売件数は前期の23件から4件増の27件、平均販売金額は前期を上回る6.5億円となった。
投資家の多様なニーズに対応すべく、取扱い物件の種別を増やしており、25年2月期は区分・居住用、区分・事業用が増加し、保有物件の偏りが解消されている。

(同社資料より)
(2)不動産賃貸事業
前期比13.1%増収、同79.8%増益。
収益不動産の保有中に発生する「収益不動産賃収」は、期初から在庫残高が高く積上がったまま推移したことから前期を上回った。
インバウンド増を背景に民泊は稼働が好調で、収益に貢献している。
(3)不動産管理事業
前期比5.7%減収、同15.6%減益。
オーナーの資産整理の影響や、条件の見合わない物件の整理を部分的に進めたことで、管理戸数が減少し減収減益。
販売事業で販売した物件の管理受託増加を目指す一方で、既存案件での管理手数料単価向上も目指している。質・量両面での拡大を目指すべく、サービス向上など取組みを進めている。
【2-3 財政状態とキャッシュ・フロー】
◎財政状態
| 24年2月 | 25年2月 | 増減 |
| 24年2月 | 25年2月 | 増減 |
流動資産 | 9,276 | 12,588 | +3,311 | 流動負債 | 4,432 | 3,038 | -1,394 |
現預金 | 3,906 | 4,373 | +466 | 短期有利子負債 | 3,835 | 2,222 | -1,612 |
販売用不動産 | 5,274 | 7,930 | +2,656 | 固定負債 | 3,003 | 7,243 | +4,239 |
固定資産 | 655 | 651 | -3 | 長期有利子負債 | 2,869 | 7,033 | +4,164 |
有形固定資産 | 498 | 466 | -31 | 負債合計 | 7,436 | 10,281 | +2,844 |
無形固定資産 | 2 | 1 | -0 | 純資産 | 2,495 | 2,958 | +463 |
投資その他の資産 | 154 | 183 | +29 | 利益剰余金 | 1,591 | 2,029 | +438 |
資産合計 | 9,931 | 13,239 | +3,308 | 負債純資産合計 | 9,931 | 13,239 | +3,308 |
*単位:百万円。販売用不動産は仕掛販売用不動産を含む。
販売用不動産在庫の積上げなどで資産合計は前期末比33億円増加の132億円。販売用不動産在庫は期末としては過去最高となった。
長期借入金の増加等で負債合計は同28億円増加の102億円。
利益剰余金の増加等で純資産は同4億円増加の29億円。
自己資本比率は前期末比2.8%低下の22.3%。
◎キャッシュ・フロー
| 24/2期 | 25/2期 | 増減 |
営業CF | -214 | -2,014 | -1,800 |
投資CF | -564 | -68 | +495 |
フリーCF | -779 | -2,083 | -1,304 |
財務CF | 713 | 2,487 | +1,773 |
現金同等物残高 | 2,972 | 3,376 | +404 |
*単位:百万円
営業CF及びフリーCFのマイナス幅は拡大。
キャッシュ・ポジションは上昇した。
3.2026年2月期業績予想
【業績予想】
| 25/2期 | 構成比 | 26/2期(予) | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 12,430 | 100.0% | 13,500 | 100.0% | +8.6% |
営業利益 | 975 | 7.8% | 1,080 | 8.0% | +10.8% |
経常利益 | 740 | 6.0% | 800 | 5.9% | +8.1% |
当期純利益 | 461 | 3.7% | 510 | 3.8% | +10.4% |
*単位:百万円。予想は会社側予想。
増収増益を予想
売上高は前期比8.6%増の135億円、営業利益は同10.8%増の10億80百万円と増収増益を予想している。
引き続き、中期経営計画で掲げているように「1人当たり営業利益」や「営業利益」を重視した取り組みを進める。
「営業利益10億80百万円」は中期経営計画における2027年2月期計画値であり、1年前倒しでの達成を目指す。
配当は前期同水準の30円/株を予想。予想配当性向は7.1%。
国内不動産市場は、空室率および賃料が安定的に推移しており、国内外の投資家の需要は堅調で、取引価格も高水準を維持している。この傾向は今後も継続すると見込んでいる。一方、日本銀行による段階的な政策金利の引き上げは不動産市場に対する懸念材料であり、今後も慎重に状況を注視していく必要があると、同社では考えている。
そうした事業環境の下、各事業における取組は以下の通り。
*不動産販売事業
大型の不動産の取扱いを増やすことで売上高の向上も目指しつつ、各案件の利益率向上による利益の積上げを図る。
*不動産賃貸事業
販売用不動産の長期保有による安定的な収益の獲得を図る。加えて、民泊施設でのインバウンド需要の取込みも積極的に行い、収益の向上を目指す。
*不動産管理事業
収益の原資となる管理戸数の増加を目指しつつ営業体制の強化、業務の効率化に取組み、利益率の向上を目指す。
4.中期経営計画(25年2月期~27年2月期)
25年2月期から27年2月期までの3ヵ年の中期経営計画における目指す姿、成長に向けた事業戦略等は以下のとおりである。
【4-1 目指す姿】
同社では「1人あたり営業利益」を重視しており、重要指標として「営業利益」の目標値を公表することとした。
前述のように、2026年2月期においては、最終年度2027年2月期の計画値10.8億円の1年前倒しでの達成を目指している。
2027年2月期については現時点では据え置いているが、営業利益率の推移や金融環境を踏まえつつ、2026年2月期の決算を発表する2026年4月に修正計画値を発表する考えだ。

「1人あたり営業利益」は、2026年2月期の計画値である「営業利益10.8億円」では「1,800万円」。近い将来には「営業利益18億円」「「1人あたり営業利益」3,000万円」の実現を目指す。
【4-2 成長に向けた事業戦略】
成長に向けた事業戦略は、「(1)営業利益率の向上」「(2)社外との連携」「(3)販売事業の規模拡大」の3つ。前中期経営計画時(22年2月期~24年2月期)に開始した「(3)販売事業の規模拡大」に引き続き注力するとともに、新たに「(1)営業利益率の向上」「(2)社外との連携」を開始する。
(1)営業利益率の向上
一部収益不動産の長期保有により、「内部成長(保有不動産の収益性向上)の充実」と「ストック収益(保有期間中の賃料収入)の拡充」に取り組む。
保有期間が約180日という短さが同社の強みではあるが、一方では、内部成長が小さく、利益率が相対的に低くなる傾向がある。
そこで、今後は大規模修繕工事を行った物件など賃料単価の引き上げが通りやすい物件等を選んで価格変更を進め、長期間保有による内部成長を充実させ利益を確保する。
加えて、保有期間を伸長させることで、保有期間中の賃料収入増加を図る。

(同社資料より)
(2)社外との連携
営業強化による持続的成長だけでなく、非連続的な成長に向けて取組むべき対象領域を10分野(賃貸管理5分野、流通・再生5分野)に分け、①戦略的業務提携やM&A、②連携(取引)先の拡充や提供サービスの活用などに取り組む。

(同社資料より)
*AM:アセットマネジメント、BM:ビルディングマネジメント、PM:プロパティマネジメント
M&Aに関しては既に複数件の交渉が進行しており、早期のクロージングが期待される。
また同社はこれまでも、不動産賃貸・管理事業において、オーナーや入居者・使用者の利便性向上の観点や、業務における作業量の削減に向け、外部のITシステムを積極的に導入しており、こうした外部リソースの取り込みにも引き続き注力する。
(3)販売事業の規模拡大
売上拡大に向け「価格帯の向上(大型化)」と「種別の多様化」に取組んでいる。
*価格帯の向上
富裕層や黒字企業など融資の付きやすい属性の不動産投資家への販売を目指し、取扱いの中心を5億円以上の高額な収益不動産へ移行している。
24年2月期及び25年2月期の2年間に販売した一棟収益不動産において、5億円以上の物件の構成比は、5割弱まで上昇。10億円以上の物件販売数も拡大している。
今後はさらに大型化を進め、20億円以上の物件にも取組んでいく。
*種別の多様化
投資家からの様々なニーズに応えるため、取扱物件の種別を増やしている。
主に、一棟・事業用(オフィス・店舗)の取扱い増に積極的に取組んできた結果、24年2月期及び25年2月期の2年間では、それまで大半を占めていた一棟・居住用(レジデンス)の構成比は約2割へと低下した。
今後も取組みを加速させ、一棟・区分を問わず、事業用不動産の取扱いを増やす方針である。
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(同社資料より)
【4-2 個別事業の概要】
販売事業においては、具体的な個別事業として、「不動産特定共同事業」「不動産開発事業」「不動産エージェント制度」「プレミアムマンション事業」「区分マンション事業」などに取り組んでいる。
①不動産特定共同事業
これまで不動産特定共同事業法(不特法)に基づき、匿名組合案件を複数組成してきたが、現在は任意組合第1号案件の組成を準備中である。
同社では、この任意組合型の不動産小口化商品を「AURAZONA(アウラゾーナ)」(※)と命名し、2025年7月ごろをめどに、販売を開始する予定だ。
※AURAZONA(アウラゾーナ):“誰にとっても存在感のある場所”という意味を込め、アウラ(オーラのラテン語読み)と、ゾーナ(イタリア語で場所、地域)を掛け合わせた造語。また、”アズ企画設計のブランドである”という意味も込め、AとZから始まる2単語を掛け合わせている。
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(同社資料より)
任意組合型不動産小口化商品は、投資家にとっては「都心の優良物件への投資が可能」「少額から出資が可能」「相続税や贈与税の圧縮効果について現物を所有する際と同様の効果を期待できる」といったメリットがある。
同社にとっては、一般投資家との関係創出の機会であるほか、特定条件を満たせば組成時に売上として計上が可能であり、運用期間中は理事長報酬等の安定収益が得ることができる。

(同社資料より)
②不動産開発事業
開発用地を購入し、建設する建物の企画段階から同社で行うスキーム。一定の時間を要するものの、将来の在庫を用意できるため翌期以降の不動産販売事業の売上の一部に目途が立つほか、ファイナンスが付きやすいというメリットもある。
25年2月期は、24年3月に台東区東上野プロジェクトが防音マンションとして竣工した。

(同社資料より)
③不動産エージェント制度
2020年9月より取組んできた不動産エージェント制度は、取引が安定的に発生しており、グループ内での戦略的重要性が向上している。
同制度は、同社が業務委託契約を締結したフリーランスの営業職である不動産エージェントが自身のネットワークにいる投資家などに物件販売の紹介を行い、成約した際には手数料をシェアするというもの。
米国の有力不動産エージェント会社であるケラー・ウイリアムズ社の日本法人ケラー・ウイリアムズ・ジャパン(KWJ)と同社が業務提携し、開設したケラー・ウイリアムズ・アズ(KWAZ)を子会社アズプランが運営している。
KWAZはケラー・ウイリアムズのブランド、システム、教育プログラム等により不動産エージェントを支援するほか、同社の不動産ノウハウ、目利きなどの経験知、契約業務等で彼らをサポートする。
不動産以外の業界出身者も不動産エージェントとして募集することで、同社では従来持ちえなかった情報ルートで新たなビジネスを創出している。
FP、IFA、大家業、医者、経営者(リフォーム会社など)、不動産コンサルタント、翻訳家、デザイナー、主婦など、が25年2月末で31人がエージェントとして活動している。
今後は賃貸紹介、売買仲介だけでなく、同社の収益不動産の取得・販売の仲介等も進めていく。
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(左:同社資料より、右:同社資料よりインベストメントブリッジが作成)
④プレミアムマンション事業
需要が高い都心の高級感あるマンションの1区画を取得し、バリューアップ後に販売するスキームであるプレミアムマンション販売事業に取組んでいる。
リノベーションの企画力やリーシングの技術などのバリューアップ面での強みや、これらを短期間で実行できるスピード面での強みなど、同社がこれまで培ってきた強みを活かせる事業である。
これまでは1棟の収益不動産を取得し、バリューアップ後に不動産投資家を対象に販売していたが、プレミアムマンション事業ではマンションの1室をバリューアップし、主として実需向けに販売する点で、これまでとは異なるビジネスモデルとなる。
⑤区分マンション事業
更なる「商品種別の多様化」に向け、比較的高額な「プレミアムマンション」からの横展開により、一般的な価格帯の「区分マンション事業」へも取組んでいる。

(同社資料より)
区分オフィス、区分店舗など、商品バリエーションをより豊富にすべく取り組みを進めていく。
5.松本社長に聞く
松本俊人社長に、事業環境、25年2月期決算概要、中期経営計画のポイント、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。
まず、金利上昇下の事業環境についてどのような認識をお持ちかお聞かせください
まず、投資家や購入者サイドについてですが、当社の場合は富裕層向けの事業承継対策や節税対策などが中心で、実需は小さいので今のところ、影響はほぼないと言えます。
金融機関の姿勢ですが、金利が上昇する中で、貸出姿勢はより積極的になっていると感じています。
一方、建設会社の中には、人手不足、資材高騰、金利上昇などで経営環境が悪化しているところも出てきているようです。
当社がお付き合いしている先は現状、問題ありませんが、選択肢は増やしていきたいとは考えています。
続いて、2025年2月期の決算について伺います。「利益重視」の姿勢で経営を行っていらっしゃいますが、利益率が大きく上昇しました。この背景、要因についてお話しください。
上場後、着実に実績を積み上げてきたことで、多くの物件情報を金融機関や同業者、不動産オーナーなどから、以前とは比較にならないほどの多くの情報を入手することができており、その結果、十分な利益を確保できる優良な物件を選ぶことができるようになった点が最も大きな要因です。
数年前は物件情報も少なく、売上を作るために採算面では決して良好ではない物件も手掛けざるを得なかったのですが、現在では毎日のように情報が入ってきます。
当社の課題は下期偏重であるということなのですが、情報量の拡大は利益率の向上とともに、売上・利益の平準化も繋がってくるものと考えています。
事業戦略の一つである「価格帯の向上(大型化)」についての進捗はいかがでしょうか?
物件が東京の千代田・港・中央という都心3区へのシフトが加速していますので、価格帯は確実に上昇しており、今後も10億円以上の物件が増加してくるものと見ています。
そうした中、REITなどファンドやプロ投資家への販売を目指しているのですが、実際にはまだ数は少なく、超富裕層などが中心です。さらなる大型化に向けては、プロ投資家への販売は不可欠ですので、REITなどの経験豊富な社員の採用など、引き続き体制構築に取り組んでいきます。
当社の場合、社員は仕入れと販売の両面を見ながら仕事をしていますので、価格帯の向上に伴って、高額物件の相場観が身についてきた社員も増えており、その点は頼もしい限りです。
利益率向上に向け、26年2月期も引き続き大型化を進めていきますが、それに伴いリスクも高くなりますので、情報の収集を今まで以上に密にする、強化することが欠かせません。
そうした中、社員の成長のための教育という点で、何か取り組まれていることはございますか?
社長として意識しているのは、ビジネスに繋がる「人」の紹介です。
当社では以前から交流会を積極的に開催していますが、そうした場で、この人と付き合ったらいいのではないかという紹介をどんどん行っています。
案件の紹介というよりも、人の紹介ですね。紹介してもらった「人」をどう活かして、ビジネス拡大につなげていくかは社員自身の資質によることにはなりますが、自身の成長の重要なカギとしてフルに活用してもらいたいと思っています。
紹介できる先を増大させることが重要ですので、現在4名ほど採用している営業顧問を、今後はもっと増強していきたいと考えています。
続いて、中期経営計画について伺います。成長に向けた事業戦略として、「(1)営業利益率の向上」「(2)社外との連携」「(3)販売事業の規模拡大」の3つを掲げています。
「(1)営業利益率の向上」においては、「内部成長(保有不動産の収益性向上)の充実」において、取り組みとして「マーケットに合わせた賃料単価の引き上げ」を挙げていますが、具体的にはどんなことなのでしょうか?
相手のあることですから、やはり時間がかかります。ですので、ほぼすべての契約において、賃貸借契約更新時期に必ず賃料の値上げをお願いすることとしています。
特に、大規模修繕を実施した際は、バリューが上がることは理解いただいていますので、了承いただく良いタイミングとなっています。
「(2)社外との連携」では、M&Aへの取組みも挙げています。
現在、リフォーム、オフィスのリーシング、建築、買取再販など20件ほど、案件が進行中です。水平及び垂直統合により当社グループ内でワンストップ対応できる体制を構築していきたいと考えています。
お相手のいることですので、何とも言えませんが、できれば今期中に1件、2件クロージングできればと思っています。
実績が出れば、その後のスピードアップが期待できると考えています。
ありがとうございます。それでは最後に株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。
先程も申し上げましたように、以前に比べてはるかに多くの情報を入手することができるようになった結果、物件を選別することができるようになってきました。
今までは、物件の選択の余地も少なく、言ってみれば「時間に追われる経営」だったのですが、現在は、「時間を有効に使う経営」「より攻撃的な経営」が可能になっています。
今後も、大型化、下期偏重の解消、種別の多様化を進め、利益率の更なる向上を追求してまいりますので、是非引き続き当社を応援していただきたいと思います。
6.今後の注目点
収益性の向上が着実に進んでいる。上場した2019年2月期の営業利益率は5.5%、コロナ禍の21/2期は0.6%まで低下したが、25年2月期は過去最高の7.8%を記録し、26年2月期は8%台に乗る見込みだ。松本社長へのインタビューにあるように、物件を選ぶことができるようになったことが最大の要因であり、こうした流れは今後も続き、適切なリスク管理を実施しながら大型化を進めれば、更なる向上が期待できるだろう。
また、近年は海外マネーの流入を図り中華系社員を採用している他、香港、台湾、タイにおけるアライアンス構築の準備も進めているという。こちらの進捗にも注目していきたい。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査等委員会設置会社 |
取締役 | 8名、うち、社外3名(うち、独立役員3名) |
監査等委員 | 4名、うち、社外取締役3名(うち、独立役員3名) |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2024年5月31日)
基本的な考え方
当社は、社会的責任を自覚しコンプライアンスを徹底し、会社業務の執行の公平性、透明性及び効率性を確保することで、社会から信頼を得る企業として、全てのステークホルダーから評価いただけることをコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としております。この目的を永続的に高い再現性を持って実現し続けるために、コーポレート・ガバナンス体制を確立、強化し、有効に機能させることが不可欠であると認識し、今後も成長のステージに沿った見直しを図り「ディスクロージャー(情報開示)」及び「コンプライアンス体制」の強化を図っていく所存であります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
【原則1-4.政策保有株式】
当社は、取引関係の強化を目的として取得した株式については、取引関係の継続を前提として保有する方針であります。また、取得又は売却する場合は、個別銘柄毎に当社決済規定に基づき、保有の妥当性について適否を慎重に検討しています。保有の合理性については、保有目的や効果等を総合的に勘案し、定期的に検証することとしております。
【補充原則2-4①】
当社は、多様性の確保に関する重要性は認識しており、当社の考え方にマッチした人材が活躍することこそが重要であるという考えのもと、そのような人材を女性・外国人・中途採用者等の垣根を越えて活用しております。その中で測定可能な数値目標を持ってしまうと柔軟な人材活用を制限してしまう可能性があるため、指標や目標の作成・開示をしておりません。
一方で、人材育成方針と社内環境整備方針を下記のとおり開示しております。
(人材の育成に関する方針)
当社グループの発展を実現させるには人材が最も重要なもののひとつであると考えております。実績を出せる人材の採用と育成こそが重要であり、積極的な採用活動や、法改正等に伴う全社研修の実施と若年時向けの専門研修の実施による育成を行っています。また、資格手当の充実や、資格取得に向けた学習支援による社員からの自発的な成長促進も積極的に行っています。
(社内環境整備に関する方針)
多様な人材が定着するために、人種や性別・年齢・宗教・信条・経歴・価値観など関係なく様々な人材が活躍できる環境づくりを行っています。働きやすい社内環境の整備に向けた労働時間の管理や男性社員を含めた育休制度の周知、有給休暇取得の促進をしています。また、活躍している人材をより評価できる人事制度の不断の見直しを行う一方、健康促進にも配慮するなど多面的な取組みを実施しています。
なお、当社グループでは不動産エージェント制度を採り入れており、当社グループと業務提携を締結したフリーランスの営業社員を多く抱えています。この制度により、副業を含めた多様な働き方を許容できる体制となっています。
【補充原則3-1③】
当社は、ESGやSDGsへの取組みが重要な経営課題と認識しております。当社は「サステナビリティ基本方針」を策定し、持続可能な社会の実現に貢献するため様々な課題に取組んでおり、その内容を当社ホームページに掲載しています。
また今後、当社の経営戦略及び経営課題の整合性も意識しつつ、人的資本や知的財産への投資等について開示を行うことも検討してまいります。
【補充原則4-2②】
当社取締役会は、中長期的な企業価値向上の観点から、自社のサステナビリティを巡る取組みについて「サステナビリティ基本方針」を策定しております。
一方で、人的資本・知的財産への経営資源配分や事業ポートフォリオに関する戦略については、今後検討してまいります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【補充原則3-1③】
当社は、ESGやSDGsへの取組みが重要な経営課題と認識しております。当社は「サステナビリティ基本方針」を策定し、持続可能な社会の実現に貢献するため様々な課題に取組んでおり、その内容を当社ホームページに掲載しています(https://www.azplan.co.jp/company/sustainability/)。
また社員の業務知識や専門スキルの獲得に対しても当社で費用負担するなど、積極投資を進めています。
【原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、適時かつ公正な情報開示を行うこと、正確な情報を分かりやすく表現すること、開示情報の充実を図ることをIR活動の基本方針とし、本方針に基づいたIR活動を実施することで、株主・投資家の皆さまとの信頼関係を醸成し、企業価値の最大化を図ってまいりたいと考えております。
(1)株主・投資家との対話につきましては、管理部IR担当が窓口として対応し、代表取締役が統括しております。また、対話の方法につきましては、年2回の決算説明会を行っています。
(2)当社の事業内容に対する理解促進のため、当社ホームページ上でIR情報の発信を行っております。
(3)対話において掌握した株主や投資家の意見などは、取締役会にて報告する等、適切にフィードバックを行っており、関係部署へのフィードバックも合わせて行い、情報の共有・活用に努めています。
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