ブリッジレポート:(2935)ピックルスホールディングス 2025年2月期第2四半期決算
影山 直司 社長 | 株式会社ピックルスホールディングス(2935) |
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企業情報
市場 | 東証プライム市場 |
業種 | 食料品(製造業) |
代表者 | 影山 直司 |
所在地 | 埼玉県所沢市東住吉7-8 |
決算月 | 2月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(期末) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
1,067円 | 12,858,430株 | 13,719百万円 | 6.7% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
24.00円 | 2.2% | 96.49円 | 11.1倍 | 1,438.45円 | 0.7倍 |
*株価は10/9終値。発行済株式数、DPS、EPSは25年2月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。
連結業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | DPS |
2021年2月 | 46,020 | 2,711 | 2,829 | 1,832 | 142.96 | 17.50 |
2022年2月 | 45,006 | 2,942 | 3,068 | 2,128 | 165.59 | 20.00 |
2023年2月 | 41,052 | 1,538 | 1,650 | 1,138 | 88.80 | 22.00 |
2024年2月 | 43,028 | 1,668 | 1,771 | 1,175 | 94.29 | 24.00 |
2025年2月(予) | 43,500 | 1,700 | 1,780 | 1,200 | 96.49 | 24.00 |
* 2022年2月期までは (株) ピックルスコーポレーションの実績、以降は (株)ピックルスホールディングスの実績及び予想。単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。EPS、DPSは2021年9月1日付で実施した1:2の株式分割を遡及して調整。23年2月期第1四半期から収益認識に関する会計基準(以下、「収益認識会計基準」という。)等を適用。
(株)ピックルスホールディングスの2025年2月期第2四半期決算概要、2025年2月期業績予想などをご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2025年2月期第2四半期決算概要
3.2025年2月期業績予想
4.中長期経営戦略
5.今後の注目点
_<参考:コーポレート・ガバナンスについて>_
今回のポイント
- 25年2月期第2四半期の売上高は前年同期比6.1%減の216億94百万円。物価上昇に伴う消費者の節約志向の影響を受けたほか、前年同期に好調だったコンビニエンスストア向け売上が減少した。営業利益は同12.7%減の11億17百万円。販管費は前年同期並みであったが、減収に加え、暖冬や春先の天候不順などの天候要因により原料となる白菜や胡瓜などの野菜の価格が高騰し、売上総利益が減少した。四半期ベースで第2四半期(6‐8月)は、前年同期比では減収・増益も、前四半期比では2四半期連続の増収増益。
- 業績予想に変更は無い。25年2月期の売上高は前期比1.1%増の435億円、営業利益は同1.9%増の17億円、EBITDAは同6.1%増の27億66百万円の予想。各種キャンペーンなどの販促活動や得意先の開拓及び深耕拡大などにより増収を見込む。24年12月稼働予定の茨城新工場の影響や、広告宣伝費及び物流費の増加はあるが、増収効果や製品の集約・見直し、生産コストの改善などにより増益を計画している。茨城工場の新規稼働による減価償却費の発生もあり、EBITDAの開示・説明を行っていくこととした。配当は前期同水準の24.00円/株を予定。今期から中間配当を実施する。通期の予想配当性向は24.9%。
- 中長期経営戦略について、「原材料価格や人件費の上昇を踏まえた収益性の改善」「PBRの改善」「新たな成長ドライバーの創出によるグループ全体の事業規模拡大」といった経営課題を踏まえ、重点戦略である「収益性の向上」「資本効率を意識した経営」「新商品・新領域への挑戦」を推進。ありたい姿を実現し、企業価値向上を図る。2027年2月期の目標は「売上高445億円、営業利益17.4億円」。
- PBRは、22年2月期まで1倍以上で推移していたが、巣ごもり需要の反動減もあり、その後は1倍割れで推移。株主資本コストは、5.5~7.0%程度であると推定。ROEは23年2月期、24年2月期と8%を下回っている。ROEの引き上げとともに、中期経営目標の達成、IR活動の充実、株主還元の強化などにより、PBR1倍以上への改善を目指す。
- 中間期も第1四半期に続き減収減益となり、通期業績予想に対する進捗率は、売上高で49.9%、営業利益で65.7%と、第1四半期同様例年に比べ低水準となっているが、四半期ベースでは前四半期比で2四半期連続の増収増益となった。引き続き消費者の節約志向は強く、事業環境は厳しいが、第3四半期以降の巻き返しを期待したい。
- 今回公表した中長期経営戦略は、基本路線は従来の戦略と大きな変化はないようだが、方針や取り組みをより明確化、具体化したようだ。27年2月期「売上高445億円、営業利益17.4億円」実現に向けた進捗に注目していきたい。
1.会社概要
持株会社として、浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行う(株) ピックルスコーポレーションを中心に、(株)ピックルスコーポレーション札幌、(株)ピックルスコーポレーション関西、(株)フードレーベル等のグループ会社により全国的な製造・販売ネットワークを構築している。
「野菜の元気をお届けします。」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約80%が契約栽培)が中心で、保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、5S活動への取り組み、更にはFSSC22000やJFS-Bの認証取得等、「安全な食へのこだわり」は強い。
【1-1 経営理念とありたい姿】
経営理念は「おいしくて安全、安心な商品を消費者にお届けし、同時に地球環境に配慮した企業経営を目指します」。その上で、①安全でおいしい製品を作るための品質管理、②地球環境に配慮した企業経営、③従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり、を経営方針として掲げている。この方針に則り、食品安全の規格であるFSSC22000、JFS-Bや環境管理の国際規格であるISO14001に取り組んでいる他、人事制度や教育制度等の充実を図る等で従業員教育にも力を入れ、チャレンジを奨励する姿勢・社風の醸成に努めている。
「SDGs」や「サステナビリティ経営」にも注力しており、ESGに関する取り組み・課題と、企業価値向上に向けたストーリーを伝えるためにESGレポートを作成している。
「ESG Bridge Report」
https://www.bridge-salon.jp/report_bridge/archives/2024/03/240326_2935.html
こうした経営理念の下、中長期で目指すありたい姿として、新たな価値を創造し続ける「野菜・発酵・健康の総合メーカー」を掲げている。
【1-2 市場環境】
(1)浅漬・キムチ
食品新聞記事を基に同社が作成した漬物業界における売上ランキングをみると、連結売上高430億円の同社がトップで、以下、東海漬物238億円、秋本食品130億円、備後漬物124億円、山本食品工業107億円となり、売上高が100億円を超えるのは、この5社のみである。
食生活の変化や米飯の需要減の影響により、漬物市場全体は2000年の4,800億円から2022年には3,200億円まで縮小。企業数も減少が続き集約が進んでいるが、市場全体としては下げ止まりの傾向にある。そうした環境下、浅漬とキムチの漬物市場における構成比は約50%を占めており、市場規模は安定している。
また、同社のシェアは13.4%と2位以下を大きく引き離しており、以前から掲げている15%達成を目指している。
POSデータでは、漬物の買上単価は前年を上回って推移しているが、物価上昇に伴う消費者の買い上げ点数減少などの影響を受け、買上数量は減少している。同社の主力商品である浅漬・キムチの市場動向も同じ傾向にある。
引き続き商品開発を強化し、シェアアップを図る。
(2)惣菜
同社資料(日本チェーンストア協会調べ)によると、2022年の惣菜市場(和・洋・中華惣菜、弁当、サンドウィッチ等の惣菜類)の市場規模は1兆2,117億円と、2015年からはCAGR2.9%で成長している。
単身世帯増加、高齢化、女性の社会進出、健康や栄養バランス等の食への関心の高まり、更には家事の簡便化や時間短縮ニーズなどが成長の背景にあると思われる。
この分野では、フジッコ(前期実績、以下同様。売上高557億円、純利益11億円)、ケンコーマヨネーズ(売上高887億円、純利益27億円)、エバラ食品(売上高452億円、純利益18億円)といった上場企業や、デリア食品(キユーピーグループ)、イニシオフーズ(日清製粉グループ)といった上場企業の子会社等と競合している。
(同社資料を基に(株)インベストメントブリッジが作成)
【1-3 事業内容】
2024年2月期の品目別売上構成は、製品(自社工場で生産)売上が68.0%(浅漬・キムチ40.8%、惣菜26.1%、ふる漬1.1%)、グループ会社(株)フードレーベル製品や他社仕入商品(自社工場以外での生産)売上が32.0%。
(同社資料基に㈱インベストメントブリッジ作成)
(1)製品・商品概要
◎浅漬・キムチ
サラダ感覚で食べられる浅漬を野菜の旬の時期に合わせたラインナップで提供している。近年は、消費者の健康志向の高まりにより、従来製品より低塩な「減塩浅漬」なども販売。
「安全・安心」な食品の提供を重視する同社グループとして、主要原料の白菜、キュウリは国産を使用。保存料・合成着色料は一切使用していない。
2009年10月に販売を開始し、現在までの累計売上は主力定番3製品で約5億パックを超え、世代を超えてロングセラーとなった主力商品「ご飯がススムキムチ」は、キムチは辛いという従来の基本概念を捨てて、「家族みんなで食べられる辛くないキムチ」という若手社員のアイデアを同社のチャレンジ精神をもとに具現化したもの。
日本人の嗜好に合わせて、甘みやうま味を際立たせるオリジナルの味として開発したほか、300~400グラムの容量が多いキムチ商品の中で、家族で食べ切れるようにと200 グラムに設定し、買いやすい量目と価格に設定。さらに、冷蔵庫内に収まりやすいスリムな形状とするとともに、赤やオレンジ色のデザインが多かったキムチ売場で、黒をメインカラーとしたパッケージデザインを採用した。この結果、当初の狙い通り女性や子供を中心に支持を集めている。
キャラクターや食品メーカーとのコラボレーション商品を開発するほか、惣菜・調味料、冷凍食品、ロングライフ製品など「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力を活用した製品領域を拡大させている。
浅漬・キムチは野菜を主原料としており、食物繊維が豊富な低カロリー食品として見直され、今後の需要の伸びが期待されている。
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ご飯がススムキムチ | 叙々苑ポギキムチ | 4種のぬか野菜 |
(同社資料より)
◎惣菜
2002年8月から惣菜の取扱いを開始し、着実に売上高を拡大している。近年は、消費者が節約志向を強めて外食を控え、惣菜を買って家庭内で食事をする中食の傾向が強まっている他、高齢者・単身者世帯や共働き世帯の増加により食事のスタイルが変化しており、惣菜の需要は今後も拡大が見込まれている。
同社グループでは強みである「野菜」をキーワードに開発を行っており、現在は、サラダなどが好調。また、野菜の品種にこだわった製品を展開したり、サラダのドレッシングを自社開発したりするなど、惣菜にオリジナリティ・付加価値をつけ開発している。この他、製品のpHコントロールによる緑色野菜の変色防止などの技術を活用している。
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4種ナムルセット | たんぱく質が摂れる棒棒鶏サラダ | キャベツのうま塩サラダ |
(同社資料より)
(販売先)
全国の量販店、小売店、卸などが販売先であり、販路別構成(24年2月期)は、量販店・問屋等75.6%、コンビニ15.5%、外食・その他8.9%となっている。
(同社資料基に㈱インベストメントブリッジ作成)
【1-4 特長・強み・競争優位性】
同社は、以下のような特長・強み・競争優位性を有している。
(1)漬物業界でトップシェア
食品新聞記事を基に同社が作成した売上ランキングでは、同社は連結売上高430億円で、2位以下を大きく引き離し、シェア13.4%のトップである。以前から掲げている15%達成を目指しており、M&Aを含めてシェアアップを図っていく考えだ。
(同社資料より)
(2)独自性の高い商品開発力
年間約400アイテムに上る製品開発を迅速かつ柔軟に実現するため、コンビニエンスストア、量販店、外食産業など、取引先ごとに開発担当と営業担当によるチーム体制を構築し、顧客の意見を反映することで他社とは差別化された商品を開発。野菜、調味料などの素材選びから、加工方法、味、パッケージなど、多面的に開発を推進している。
全国の事業所に開発人材を配置しており、エリアごとのニーズの吸い上げにも対応している。
基礎研究を担う研究開発室では、独自に開発した植物由来の乳酸菌Pne-12(ピーネ乳酸菌)をはじめとした乳酸菌に関する研究など、将来を見据えた取り組みを行っている。
(3)全国をカバーする生産・物流体制
製造拠点は約20か所で、1日当たり約60万パックの生産能力を有する。(株)ピックルスコーポレーションを中心としたグループ会社で全国を網羅し、365日生産出荷が可能である。漬物業界で唯一、製造、物流、開発、営業機能の全国ネットワークを構築しており、全国展開している顧客の各店舗に同一の浅漬・キムチや惣菜の提供が可能で、営業上の大きな訴求ポイントにもなっている。
製造においては、食品安全の規格であるFSSC22000やJFS-Bを導入しているほか、漬物や惣菜製造における工場ごとのHACCPプランを作成しており、より安全・安心な製品を供給する体制を整えている。
(同社資料より)
(4)販売先に密着した提案型営業
顧客は大手全国チェーンから地場の小規模小売まで幅広い。全国に展開する販売拠点では、2024年3月時点で約60名の営業スタッフが、長年築き上げた販売先との信頼関係や販売ネットワークをベースに、それぞれの地域・販売先に密着した提案型営業を実施し、直接取引を行っている。
主力の浅漬、キムチをはじめ、惣菜売場向けの商品ラインナップの充実を進め、営業担当が販売方法を提案し、売場づくり・漬物フェアの開催など、消費者への様々なアプローチを販売先とともに考えている。加えて販売先とのコミュニケーションから得た情報を社内にフィードバックし、消費者動向を商品開発等に役立てている。
(5)販売先のニーズに対応するベンダー機能
浅漬、キムチ、惣菜等を自社で製造するメーカーとしての機能と、自社工場で製造できない梅干等の商品を全国各地の漬物メーカーから仕入れて販売する卸売機能の二つの機能を有している。自社製品、他社商品を同時に提供することができるベンダー機能を活かし、販売先のニーズに合わせたトータルな売場づくりを提案することが可能である。
【1-5 ROE分析】
| 17/2期 | 18/2期 | 19/2期 | 20/2期 | 21/2期 | 22/2期 | 23/2期 | 24/2期 |
ROE(%) | 6.5 | 8.6 | 8.0 | 10.4 | 13.3 | 13.7 | 6.8 | 6.7 |
売上高当期純利益率(%) | 1.53 | 2.32 | 2.26 | 3.11 | 3.98 | 4.73 | 2.77 | 2.73 |
総資産回転率(回) | 2.02 | 1.90 | 1.88 | 1.79 | 1.83 | 1.73 | 1.57 | 1.59 |
レバレッジ(倍) | 2.10 | 1.95 | 1.89 | 1.88 | 1.83 | 1.67 | 1.55 | 1.54 |
*(株)インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
22年2月期まで3期連続で10%を超えていたが、23年2月期、24年2月期と連続して日本企業が一般的に目標とすべきとされている8%を下回った。収益性及び資産効率の改善が必要である。
2.2025年2月期第2四半期決算概要
【2-1 連結業績】
| 24/2期2Q | 構成比 | 25/2期2Q | 構成比 | 前年同期比 | 予想比 |
売上高 | 23,111 | 100.0% | 21,694 | 100.0% | -6.1% | -5.0% |
売上総利益 | 4,795 | 20.7% | 4,620 | 21.3% | -3.7% | - |
販管費 | 3,515 | 15.2% | 3,502 | 16.1% | -0.3% | - |
営業利益 | 1,280 | 5.5% | 1,117 | 5.2% | -12.7% | -15.7% |
経常利益 | 1,355 | 5.9% | 1,171 | 5.4% | -13.6% | -14.1% |
四半期純利益 | 915 | 4.0% | 798 | 3.7% | -12.8% | -12.7% |
EBITDA | 1,741 | 7.5% | 1,557 | 7.2% | -10.6% | - |
* 単位:百万円
減収減益
売上高は前年同期比6.1%減の216億94百万円。物価上昇に伴う消費者の節約志向の影響を受けたほか、前年同期に好調だったコンビニエンスストア向けの売上が減少した。
営業利益は同12.7%減の11億17百万円。販管費は前年同期並みであったが、減収に加え、暖冬や春先の天候不順などの天候要因により原料となる白菜や胡瓜などの野菜の価格が高騰し、売上総利益が減少した。
四半期ベースで第2四半期(6‐8月)は、前年同期比では減収・増益。前四半期比では2四半期連続の増収増益。
①品目別・販路別動向
◎品目別売上高
| 23/2期2Q | 構成比 | 24/2期2Q | 構成比 | 25/2期2Q | 構成比 | 前年同期比 |
製品 | 14,535 | 68.2% | 15,721 | 68.0% | 14,819 | 68.3% | -5.7% |
浅漬・キムチ | 9,088 | 42.7% | 8,852 | 38.3% | 8,354 | 38.5% | -5.6% |
惣菜 | 5,209 | 24.4% | 6,608 | 28.6% | 6,254 | 28.8% | -5.3% |
ふる漬 | 237 | 1.1% | 260 | 1.1% | 210 | 1.0% | -19.1% |
商品 | 6,773 | 31.8% | 7,390 | 32.0% | 6,874 | 31.7% | -7.0% |
売上高合計 | 21,308 | 100.0% | 23,111 | 100.0% | 21,694 | 100.0% | -6.1% |
* 単位:百万円。23年2月期第1四半期から収益認識会計基準等を適用。
◎販路別売上高
| 23/2期2Q | 構成比 | 24/2期2Q | 構成比 | 25/2期2Q | 構成比 | 前年同期比 |
量販店・問屋等 | 16,293 | 76.5% | 17,265 | 74.7% | 16,664 | 76.8% | -3.5% |
コンビニ | 3,175 | 14.9% | 3,691 | 16.0% | 3,240 | 14.9% | -12.2% |
外食・その他 | 1,839 | 8.6% | 2,154 | 9.3% | 1,789 | 8.3% | -17.0% |
売上高合計 | 21,308 | 100.0% | 23,111 | 100.0% | 21,694 | 100.0% | -6.1% |
* 単位:百万円。23年2月期第1四半期から収益認識会計基準等を適用。
②売上総利益率と野菜価格の状況
(白菜価格)
春は、主産地において暖冬による生育・出荷の前進の後、3月下旬以降の低温により生育が遅延し、出荷が減少したことにより市場価格は高騰。夏は、猛暑のため、生育が停滞し、出荷量が減少し、市場価格は高騰した。
(胡瓜価格)
春は、主産地において3月以降の低温により生育が停滞し、後ろ倒しの出荷となったため、出荷が減少し、市場価格は高騰。夏は、主産地において定植時の低温や夏の猛暑のため出荷量が減少し、市場価格は高騰した。
引き続き契約農家の拡大や関係強化などにより、持続的な粗利率改善を図っている。
【2-2 財政状態】
◎財政状態
| 24年2月末 | 24年8月末 | 増減 |
| 24年2月末 | 24年8月末 | 増減 |
流動資産 | 12,622 | 14,917 | +2,295 | 流動負債 | 6,668 | 10,661 | +3,993 |
現預金 | 7,754 | 8,322 | +568 | 仕入債務 | 2,892 | 4,157 | +1,265 |
売上債権 | 4,119 | 5,738 | +1,619 | 短期有利子負債 | 1,505 | 2,548 | +1,043 |
たな卸資産 | 662 | 803 | +141 | 固定負債 | 2,791 | 2,105 | -685 |
固定資産 | 15,091 | 16,652 | +1,560 | 長期有利子負債 | 1,634 | 936 | -698 |
有形固定資産 | 13,436 | 15,037 | +1,601 | 負債合計 | 9,459 | 12,767 | +3,308 |
無形固定資産 | 326 | 256 | -70 | 純資産 | 18,254 | 18,802 | +548 |
投資その他 | 1,327 | 1,358 | +31 | 負債・純資産合計 | 27,713 | 31,570 | +3,856 |
資産合計 | 27,713 | 31,570 | +3,856 | 自己資本比率 | 64.6% | 58.3% | -6.3pt |
* 単位:百万円。有利子負債にはリース債務を含む。
売上債権及び、(株)ピックルスコーポレーションの茨城工場建設工事等による有形固定資産の増加等で総資産は前期末比38億円増の315億円。仕入債務の増加等で負債合計は同33億円増加し127億円。
純資産は同5億円増加の188億円。
自己資本比率は前期末より6.3ポイント低下し58.3%。
*(株)インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
3.2025年2月期業績予想
【連結業績予想】
主要損益計算書
| 24/2期 | 構成比 | 25/2期(予) | 構成比 | 前期比 | 進捗率 |
売上高 | 43,028 | 100.0% | 43,500 | 100.0% | +1.1% | 49.9% |
売上総利益 | 8,637 | 20.1% | 8,929 | 20.5% | +3.4% | 51.7% |
販管費 | 6,969 | 16.2% | 7,228 | 16.6% | +3.7% | 48.5% |
営業利益 | 1,668 | 3.9% | 1,700 | 3.9% | +1.9% | 65.7% |
経常利益 | 1,771 | 4.1% | 1,780 | 4.1% | +0.5% | 65.8% |
当期純利益 | 1,175 | 2.7% | 1,200 | 2.8% | +2.1% | 66.5% |
EBITDA | 2,608 | 6.1% | 2,766 | 6.4% | +6.1% | 56.3% |
* 単位:百万円。EBITDAは、営業利益 + 減価償却費で算出。
業績予想に変更なし、増収増益を予想
業績予想に変更は無い。売上高は前期比1.1%増の435億円、営業利益は同1.9%増の17億円、EBITDAは同6.1%増の27億66百万円の予想。
各種キャンペーンなどの販促活動や新規得意先の開拓、既存得意先の深耕拡大などにより増収を見込む。24年12月稼働開始予定の茨城新工場の影響や、広告宣伝費及び物流費の増加はあるが、増収効果や製品の集約、不採算アイテムの見直し、生産コストの改善などにより増益を計画している。
茨城工場の新規稼働による減価償却費の発生もあり、EBITDAの開示・説明を行っていくこととした。
配当は前期同水準の24.00円/株を予定。今期から株式の流動性向上を目的として中間配当を実施する。通期の予想配当性向は24.9%。
(価格改定について)
価格改定の必要性は認識しているが、過去に値上げした商品の売上が大きく減少したこともあり、主力のご飯がススムキムチにおいては値上げをしてこなかったが、様々なコストの上昇を受け、9月以降、一部得意先について価格交渉を開始している。
キムチ以外では、浅漬や惣菜等は商品の切り替え時などに適宜価格を見直しているが、コストの上昇幅に対して値上げが追い付いていない状況となっており、継続して価格の見直しを行っていく。さらに、年間を通して定番として販売される主力商品についても、値上げや規格の見直しを行っていく。
◎品目別売上高計画
| 24/2期 | 構成比 | 25/2期(予) | 構成比 | 前期比 | 進捗率 |
製品 | 29,259 | 68.0% | 29,396 | 67.6% | +0.5% | 50.4% |
浅漬・キムチ | 17,545 | 40.8% | 17,571 | 40.4% | +0.2% | 47.5% |
惣菜 | 11,241 | 26.1% | 11,357 | 26.1% | +1.0% | 55.1% |
ふる漬 | 473 | 1.1% | 467 | 1.1% | -1.3% | 45.0% |
商品 | 13,768 | 32.0% | 14,103 | 32.4% | +2.4% | 48.7% |
売上高合計 | 43,028 | 100.0% | 43,500 | 100.0% | +1.1% | 49.9% |
* 単位:百万円
原料高騰の影響により、長芋を使用した製品の販売を前下期より停止していたが、下期から販売を再開する計画だ。
◎販路別売上高計画
| 24/2期 | 構成比 | 25/2期(予) | 構成比 | 前期比 | 進捗率 |
量販店・問屋等 | 32,537 | 75.6% | 32,834 | 75.5% | +0.9% | 50.8% |
コンビニ | 6,663 | 15.5% | 6,870 | 15.8% | +3.1% | 47.2% |
外食・その他 | 3,827 | 8.9% | 3,795 | 8.7% | -0.8% | 47.1% |
売上高合計 | 43,028 | 100.0% | 43,500 | 100.0% | +1.1% | 49.9% |
* 単位:百万円
コンビニ向け売上高は、今期もフェアが実施されることを前提としている。
◎販管費計画
| 24/2期 | 対売上比 | 25/2期(予) | 対売上比 | 前期比 | 進捗率 |
販管費合計 | 6,969 | 16.2% | 7,228 | 16.6% | +3.7% | 48.5% |
物流費 | 2,283 | 5.3% | 2,375 | 5.5% | +4.0% | 48.4% |
人件費 | 3,066 | 7.1% | 3,058 | 7.0% | -0.3% | 49.6% |
広告宣伝費 | 34 | 0.1% | 254 | 0.6% | +647.1% | 7.5% |
その他 | 1,585 | 3.7% | 1,539 | 3.5% | -2.9% | 53.0% |
売上高 | 43,028 | 100.0% | 43,500 | 100.0% | +1.1% | 49.9% |
* 単位:百万円
広告宣伝費を大幅に増大させる。
物流費は前期比4.0%増を計画。物流の2024年問題への対応として、店舗別仕分から総数納品への納品方法変更に伴う積載効率の向上や、配送便の集約、新規配送業者への切り替え、茨城の新工場稼働に伴うグループ内の物流網再構築などにより、物流の効率性を高める。
4.中長期経営戦略
【4-1 全体像】
「原材料価格や人件費の上昇を踏まえた収益性の改善」「PBRの改善」「新たな成長ドライバーの創出によるグループ全体の事業規模拡大」といった経営課題を踏まえ、重点戦略である「収益性の向上」「資本効率を意識した経営」「新商品・新領域への挑戦」を推進。ありたい姿を実現し、企業価値向上を図る。
【4-2 重点戦略】
(1)収益性の向上
「営業利益率の改善」と「原価低減」に取り組む。
営業利益率の改善に向け、具体的には「アイテム数の絞り込み」と「原価上昇と連動した販売価格の見直し」に取り組む。
原価低減のための具体的な施策は「生産体制の効率化・自動化」と「原材料調達の見直し・効率化」。
①営業利益率の改善
<アイテム数の絞り込み>
アイテム数は、小ロット・多品種生産が可能な同社の強みを活かし、得意先それぞれのニーズや要望に応えてきた結果、増え続けてきた。
一方、原価上昇が続く中、生産量が少なく収益性が低いアイテムの集約化・削減は避けられない課題となっている。
そこで、生産効率の高いアイテムへの集約を進めながら、売上高の維持・向上を図るために以下の取り組みを推進する。
*生産効率の観点から、売上規模が小さい少量・受注生産アイテムを順次見直し、得意先との取引内容を考慮しながら、削減や集約化を図る。
*主力アイテムは生産性向上の取り組みを推進し、売上高の拡大を狙う。
*浅漬製品などで、集中生産できるナショナルブランドの開発を推進する。「ご飯がススムキムチ」シリーズに次ぐブランドを確立する。
*ロングライフ等の製造技術を活かし、ロスを防ぎながら計画生産できたり、在庫が持てたりする商品の開発を強化する。
<原価上昇と連動した販売価格の見直し>
同社製品の場合、原材料価格の動きと比較して販売価格の変動は小さい。また、昨今の値上げラッシュにより消費者の節約志向が高まっていることから、価格を上げると売上が下がる可能性がある。
そのため、市場動向を勘案しながらになるが、原材料価格の上昇が著しいこともあり、値上げは実施していく方針である。
値上げの方法は2パターン想定している。
• 内容量は変わらず価格を上げる。
• 価格は変わらず、内容量を少なくする。
「どのパターンをとるか」や、「どの程度変更するか」は時期や市場動向を勘案しながら推進する。
②原価低減
<生産体制の効率化・自動化>
投資金額は約50億円で、24年12月稼働開始予定の茨城新工場では、キムチ等の白菜製品の製造工程の機械化・自動化を進める。時間当たり生産効率は、従来比2倍以上を見込んでいる。
同時に、所沢工場におけるご飯がススムキムチ生産の新工場への生産移管に伴い、既存工場は夜勤生産を日勤にシフトすることにより労務費率の改善を図るほか、新規商品を生産する原資となる人手・機械・スペースなどを確保し、生産体制を整備する。
茨城工場に導入する機械化・省人化の新ラインは、今後他の既存工場にも展開する考えだ。
(同社資料より)
<原材料調達の見直し・効率化>
原材料調達を担当する各部署がそれぞれ課題感を持ち、見直しや効率化を推進する。
◎野菜:原料課
天候リスクを踏まえた野菜の調達と地場原料野菜調達の仕組みづくりを方針としている。
主要な原料である白菜については、秋冬拡販に向け値決めに偏らない市場開拓と、天候リスクに対して春は貯蔵・夏は単価を下げた値決め取引と産地拡充を図るほか、青果市場の開拓による市場購買ができる仕組みづくりに取り組む。
◎調味料:食品資材課
産地情報・為替相場・原料相場を踏まえた安定購買の実施を方針としている。
そのために、為替相場の考慮、生産者との直接取引などによる仕入先や商流見直し、グループ規模や地域性を活かした仕入に取り組む。
◎包材:包装資材課
適時の交渉による供給コスト削減や、製造工程を見直したロス削減の徹底を方針としている。
具体的には、既存・新規業者からの情報収集や包材メーカー及び工場在庫のコントロールによる安定調達、原油価格・ナフサ価格・為替などを考慮した価格交渉、営業・開発との連携による廃棄ロス削減、工場・設備部門との連携による自社の製造工程上のロス削減に取り組む。
(2)資本効率を意識した経営
東証の要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について、同社の分析及び今後の取り組みは以下の通り。
(現状の分析)
*PBR
PBRは、コロナ禍においては巣ごもり需要などにより、業績が好調に推移し、22年2月期までは1倍以上で推移。その後、巣ごもり需要の反動減もあり、1倍割れで推移。
*資本コスト
株主資本コストは、5.5~7.0%程度であると同社では推定している。
*ROE
22年2月期までは8%を上回って推移していたが、23年2月期、24年2月期と8%を下回っている。
目標値は設定していないが、今後は、8%超まで戻していきたいと考えている。
(同社資料より)
(全体施策)
中長期戦略の推進によるROEの改善を軸に、PBR1倍以上への回復を目指す。
PBR改善に向けては、ROEの改善とPERの上昇が必要と考えており、ROE改善のために「利益率の向上」と「財務レバレッジの向上」、PER改善のために「成長期待の醸成」に取り組む。
(同社資料より)
「資本コストや株価を意識した経営の実現」に向けては、投資家に対しキャピタルアロケーションを示す事及び株主還元の拡充が重要な課題であると認識している。
◎キャピタルアロケーション
25年2月期から27年2月期の3年間に成長投資80億円を実施する。
内訳は茨城新工場50億円、M&A30億円。M&Aにおいては、既存事業とシナジーのある新規領域(マーケット、商品)や、生産能力の向上・販売エリアの拡張につながる案件をターゲットとする。
(同社資料より)
◎株主還元の拡充
配当と株主優待のセットで利益還元を充実させる。
(3)新商品・新領域への挑戦
グループ全体で事業規模を拡大させていくには、マーケット軸及び商品軸で「新規」領域をいかに開拓していくかが重要である。
(同社資料より)
①さつまいも商品の開発・拡販
これまでも、(株)ピックルスファームでは22年3月より埼玉県内でさつまいもと小松菜を生産しているほか、23年9月に設立した合弁会社の(株)ベジパルでは(株)ピックルスファームで生産したさつまいもを活用した商品を開発するなど、さつまいも商品の開発・販売を手掛けているが、売上規模は小さいため、今後は「外部調達を含めた高品質なさつまいもの安定調達」「グループシナジーを活用した商品開発と商品カテゴリに対応した生産体制の構築」「営業基盤の確立」を推進しながら売上規模の拡大を図る。
具体的には、生芋の青果販売、干し芋や冷凍焼き芋、スイーツやパン向けのペースト加工品、ペット向けの干し芋など幅広い商品展開を進める。
②冷凍食品関連商品の開発・拡販
調理時間が短縮できる、食材のロスを大きく削減できるといったメリットから、冷凍食品需要は緩やかな増加傾向にあり、消費額はここ約10年で最高額を記録するなど、今後も安定成長が見込まれる。
そこで、冷凍のご飯がススムキムチ炒飯や鍋シリーズ、トップシールの惣菜を量販店の冷凍食品売場へ展開するほか、キムチやナムルなどの業務用冷凍惣菜を飲食店向けに拡販する。
③「OH!!!」事業の推進
グループ会社の(株)OHは2020年10月より、発酵・健康の複合施設「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」(埼玉県飯能市)において外食事業及び小売事業を展開している。
同施設では、レストラン、ベーカリー、ショッピング、体験教室を運営しており、それぞれの施設を通じて同社グループの商品やものづくりの姿勢を多面的に訴求する場として位置付けている。
2024年3月にはカフェ棟を「飯能ベーカリー POCO-POCO」としてリニューアルオープンした。
地元客から観光客まで幅広い層から支持され、売上高は年々伸長している。
今後は、「ありたい姿」を象徴する施設としてグループシナジーを発揮しながら、新製品や新領域への挑戦を具現化する場として活用するほか、自社イベントや地域密着イベントに合わせた取り組みにより来場客数の増加・認知度向上を目指す。
今後の多店舗展開を目指した強固な組織体制の構築にも取り組む。
④その他
*西日本エリアへの販売拡大
連結売上高に対する地域別売上高構成比は、関東地区が50.0%、西日本エリア(近畿、中国・四国、九州・沖縄)は約25%。
これに対し、人口比率は関東34.4%、西日本エリアは約38%。人口を勘案すると西日本エリアの販売拡大余地は大きいため、同社では、業務用の売上拡大、量販店での高単価商品の拡大などにより同エリアでの販売拡大に注力し、地域別売上高構成比を30%以上に引き上げることを目指している。
(株)ピックルスコーポレーション西日本・佐賀工場や、(株)手柄食品など、西日本エリアにある4工場の供給力を活かして、近畿地区、中国・四国地区、九州地区での生産・販売を強化する。
業界で唯一の全国ネットワークを有する強みを活かして市場開拓を進める。
*新規売場への商品展開強化
コンビニエンスストアや量販店の漬物・惣菜売場や外食などでのシェアアップと共に、食料品を強化しているドラッグストアや量販店において、漬物売場・惣菜売場のみでなく、豆腐売場、納豆売場、たれ・ドレッシング売場、加工商品売場、冷凍食品売場など既存分野以外の売場への商品展開に注力する。
既存売場以外への商品展開は、既存の販売チャネルを活用できることや配送便の積載効率を高められることから、営業効率・物流効率の改善にもつながるため積極的に取り組んでいく。
【4-3 中期経営目標】
| 24/2期 | 構成比 | 25/2期 (計画) | 構成比 | 26/2期 (計画) | 構成比 | 27/2期 (計画) | 構成比 | CAGR |
売上高 | 43,028 | 100.0% | 43,500 | 100.0% | 44,000 | 100.0% | 44,500 | 100.0% | +1.1% |
売上総利益 | 8,637 | 20.1% | 8,928 | 20.5% | 8,972 | 20.4% | 9,221 | 20.7% | +2.2% |
販管費 | 6,969 | 16.2% | 7,228 | 16.6% | 7,372 | 16.8% | 7,481 | 16.8% | +2.4% |
営業利益 | 1,668 | 3.9% | 1,700 | 3.9% | 1,600 | 3.6% | 1,740 | 3.9% | +1.4% |
経常利益 | 1,771 | 4.1% | 1,780 | 4.1% | 1,670 | 3.8% | 1,810 | 4.1% | +0.7% |
当期純利益 | 1,175 | 2.7% | 1,200 | 2.8% | 1,120 | 2.5% | 1,220 | 2.7% | +1.3% |
* 単位:百万円。CAGRは24/2期を起点とした27/2期までの年平均成長率。(株)インベストメントブリッジが計算。
| 24/2期 | 27/2期 (計画) | CAGR |
浅漬・キムチ | 17,545 | 18,321 | +1.5% |
惣菜 | 11,241 | 11,613 | +1.1% |
ふる漬 | 473 | 507 | +2.3% |
商品 | 13,768 | 14,056 | +0.7% |
売上高 | 43,028 | 44,500 | +1.1% |
* 単位:百万円。CAGRは24/2期を起点とした27/2期までの年平均成長率。(株)インベストメントブリッジが計算。
| 22/2期 | 23/2期 | 24/2期 | 25/2期 (計画) | 26/2期 (計画) | 27/2期 (計画) |
設備投資 | 718 | 883 | 951 | 6,400 | 940 | 400 |
減価償却 | 963 | 980 | 940 | 1,056 | 1,325 | 1,315 |
* 単位:百万円
(売上・利益)
26年2月期は、茨城工場の減価償却費負担発生により減益を見込んでいる。売上高営業利益率も低下。
浅漬・キムチが売上を牽引。
(設備投資など)
今後3年間で77億円の設備投資を計画している。
主なものは、「25/2期 茨城工場、設備更新等」「26/2期 設備更新等」「27/2期 設備更新等」など。
ローリング前の計画において26年2月期に予定していた関西新工場については、建築費の高騰や今後の同社グループの事業環境を考慮して、M&Aや既存の工場取得を含めて検討していくこととしたため、今回の設備投資計画からは外している。
5.今後の注目点
中間期も第1四半期に続き減収減益となり、通期業績予想に対する進捗率は、売上高で49.9%、営業利益で65.7%と、第1四半期同様例年に比べ低水準となっているが、四半期ベースでは前四半期比で2四半期連続の増収増益となった。引き続き消費者の節約志向は強く、事業環境は厳しいが、第3四半期以降の巻き返しを期待したい。
今回公表した中長期経営戦略は、基本路線は従来の戦略と大きな変化はないようだが、方針や取り組みがより明確化、具体化したようだ。27年2月期「売上高445億円、営業利益17.4億円」実現に向けた進捗に注目していきたい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 8名、うち社外3名(うち独立役員3名) |
監査役 | 4名、うち社外3名(うち独立役員3名) |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2024年5月31日)
基本的な考え方
当社は、法律と社会倫理に基づいて行動し、経営方針を実現し、継続的な成長をするため、コーポレート・ガバナンスが経営の重要課題であると考えております。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
【原則1-4.政策保有株式】
当社は、上場株式については保有しないことを原則としております。しかしながら、取引関係の維持・強化等経営上の合理的な目的に基づき保有する場合には、その目的に応じた保有であることを定期的に確認しております。
なお、個別の政策保有株式の保有の適否の検証及びその内容の開示方法については、今後、検討してまいります。
政策保有株式に係る議決権行使については個別に判断いたしますが、当社及び投資先企業の中長期的な企業価値向上に資するものか等を総合的に判断し適切に行使しております。
【補充原則2-4①】
当社グループは、年齢、国籍、性別等を区別することなく、意欲と能力のある従業員を管理職(部長職以上)へ登用しております。管理職の登用について、管理職に占める女性の割合は10.1%であり、今後は、増加させてまいります。なお、上記の管理職に占める女性の割合については、株式会社ピックルスコーポレーション(当社の主要子会社)の数値を基準としております。外国人については、従業員に占める割合が小さいため目標を定めておりません。中途採用者については、経験・能力等を総合的に判断し、管理職に登用しているため、目標を定めておりません。
社員一人ひとりの能力向上を目指し、自ら学ぶ姿勢の醸成に努めており、自己啓発支援制度、資格取得報奨金制度などを導入しております。また、働きやすい職場環境作りを重要な経営課題と認識しており、当社グループにおいて、リフレッシュ休暇、ノー残業デーなどを導入しております。
【補充原則3-1③】
当社グループは、サステナビリティについて、環境、安全・安心などを重要課題と認識し、取り組みを行っております。また、人的資本への投資は、教育制度、従業員の働きやすさなどに、知的財産への投資は、乳酸菌の研究などを行っております。これらはホームページのサステナビリティサイトや、ESGレポート、IR資料を通じで公表しております。当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組みに関しては、当社ホームページをご覧ください。
国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示について、今後検討してまいります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則3-1.情報開示の充実】
(1)経営理念や経営方針を当社ホームページ等にて開示しております。
(2)コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方を本報告書に開示しております。
(3)当社の取締役の報酬は、企業業績と企業価値の持続的な向上に資することを基本とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各役位等を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としております。具体的には、業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、賞与及びストックオプションにより構成されております。社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみを支払うこととしております。なお、取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続の詳細については、本報告書にて開示しております。
(4)社内取締役候補者は、担当分野において高度な専門性を有するとともに、経営環境の変化に迅速且つ的確に対応できる人材を、社外取締役候補者は、経営陣や特定の利害関係者の利益に偏ることなく、客観的な立場から独立性をもって経営を監視することが可能な人材を、取締役会において決定しております。監査役候補者は、豊富な経験及び高い見識を有している人材を監査役会が検討し、同意した上で、取締役会において決定しております。取締役の解任については、上述の選任方針を充足しないと認められる場合、法令及び定款に違反する行為又はその恐れのある行為があった場合には、取締役会において解任を検討いたします。
(5)取締役候補者及び監査役候補者の選任理由を株主総会招集通知にて開示しております。
【補充原則 4-11①】
当社の取締役は、経営、財務等の各分野において専門的知識と豊富な経験を有した者で構成されており、取締役会としての役割・責務を実効的に果たすための、ジェンダー、職歴及び年齢を含む多様性と適正規模を両立した形で構成していると認識しております。なお、取締役の選任に関する方針・手続きは、【原則3-1】(4)に記載の通りであります。
本報告書にて、各取締役の知識・経験・能力等を一覧化したスキル・マトリックスを開示しております。なお、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者を含めております。
【原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主・投資家の皆様が当社を正しく理解できるよう、透明性、公平性、継続性を基本とした迅速な情報開示に努めております。
金融商品取引法などの関係諸法令及び金融商品取引所の定める適時開示規則に基づく情報開示を行うとともに、当社の理解のために有効と思われる情報についても適切な方法により積極的な情報開示に努めております。
具体的には、決算説明会を年2回、個人投資家向け説明会についても適宜実施しており、説明者は代表取締役社長が対応しております。個別取材については広報・IR 室が対応しております。
【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応につきましては、2024年4月19日開催の2024年2月期決算説明会資料(P33~P34)に記載しております。当該資料は、当社ホームページ(https://pickles-hd.co.jp/ir/)で開示しております。
当該資料では、「中期経営目標達成に向けた取り組み」「IR活動の充実」「サステナビリティ活動の充実」「株主還元の強化」などの取り組みにより、当社グループの成長する姿を示すこと、およびその実践による収益性の向上や資産効率化により、企業価値と株価の向上を目指してまいります。またこれらの取り組みによってPBRの改善を目指します。
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