ブリッジレポート
(6844) 新電元工業株式会社

プライム

ブリッジレポート:(6844)新電元工業 2024年3月期上期決算

ブリッジレポートPDF

 

田中 信吉社長

新電元工業株式会社(6844)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

電気機器(製造業)

代表取締役社長

田中 信吉

本店の所在の場所

東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル

最寄りの連絡場所

埼玉県朝霞市幸町三丁目14番1号

※本店の所在の場所は登記上の本店所在地で実際の業務は最寄りの連絡場所で行っている。

決算月

3月

HP

https://www.shindengen.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

3,035円

10,338,884株

31,378百万円

2.7%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

130.00円

4.3%

-67.88

-

6,066.34円

0.5倍

*株価は11/28終値。各数値は24年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは23/3期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

19年3月(実)

94,703

5,638

5,980

3,876

376.41

125.00

20年3月(実)

92,965

1,757

1,598

-4,156

-403.48

62.50

21年3月(実)

80,437

-1,080

-1,164

-5,561

-539.73

0.00

22年3月(実)

92,168

5,562

5,828

5,902

572.70

100.00

23年3月(実)

101,007

3,621

4,326

1,644

159.56

130.00

24年3月(予)

100,900

1,000

1,300

-700

-67.88

130.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益、以下同様。

 

新電元工業株式会社の2024年3月期上期の業績動向及び2024年3月期の見通しなどについて報告します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2024年3月期上期決算概要
3.2024年3月期業績予想
4.長期ビジョン2030/第16次中期経営計画
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」を企業ミッションに掲げ、テクノロジーの進化と地球環境保護に適う製品を多数ラインナップしているパワーエレクトロニクスメーカー。車・バイクのEV化、スマート家電や産業用ロボットの進展に貢献し、特にブリッジダイオードや二輪車向け電装品は世界トップクラスのシェアを誇る。

     

  • 24/3期上期の売上高は前年同期比3.1%増の496億2百万円。中華圏景気減速等によりパワー半導体需要が大幅に減少してデバイス事業が減収。二輪向け製品好調で電装事業が増収。円安効果もあった。営業利益は同72.5%減の4億6百万円。電装事業の増収効果があるも、デバイス事業の減収影響が全体を押し下げて減益となった。繰延税金資産の取り崩しや投資有価証券売却損計上により四半期純損益は9億58百万円の損失(前年同期は15億40百万円の利益)。

     

  • 24/3期通期の売上高は前期比0.1%減の1,009億円の予想。モビリティ分野が堅調も、デバイス事業の回復遅れにより横ばい見通し。営業利益は同72.4%減の10億円を予想。デバイス事業の減収影響が大きく減益を見込む。当期純損失は7億円(前期は16億44百万円の利益)を計画。上期に計上した繰延税金資産の取り崩しや特別損失等が影響。

     

  • 24/3期通期見通しは、8月8日に発表した前回予想から売上高、各段階利益は減額修正となった。下期の売上高はデバイス製品が家電・産機市場の回復遅れにより低迷し、二輪向け製品がベトナムやタイの市況悪化に伴い減少する。また、EV充電器が伸び悩むことなどから、前回予想を下回る見通し。配当は修正なく、前期と同じ130.00円/株の期末配当を予定。

     

  • 2022年5月に策定した、2030 年度を見据えた「長期ビジョン 2030」及び 2022 年度から 2024 年度までの3ヶ年を期間とする「第 16 次中期経営計画」が進行中。「長期ビジョン2030」では、既存事業や既存製品の拡充と、新規事業や新規製品の創出を進め、製品ポートフォリオの最適化を図る。「第 16 次中期経営計画」では、長期ビジョンの実現に向けた基盤づくりを進めていく。

     

  • 24/3期上期は増収ながら、大幅な減益となった。ただし、1Q決算発表時に減額修正された予想を特に利益面で大きく上回っており、コスト面での対応は進めている。下期はまずは自動車市場の回復持続が牽引するだろう。デバイス事業では流通在庫の調整が収束に向かうと考えられる。来期は中期計画最終年度。EVの本格普及、生産ラインの自動化加速など、中長期のトレンドは変わっていない。PBRが1倍を大きく割り込んでおり、今後は株価も意識した事業展開も進めていくだろう。

1.会社概要

「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」を企業ミッションに掲げ、テクノロジーの進化と地球環境保護に適う製品を多数ラインナップしているパワーエレクトロニクスメーカー。
車・バイクのEV化、スマート家電や産業用ロボットの進展に貢献し、特にブリッジダイオードや二輪車向け電装品は世界トップクラスのシェアを誇る。

 

【1-1沿革】

1949年、設立。1958年に東京証券取引所場外店頭銘柄として売買を開始。1968年東証1部に指定替。
2021年4月、新電元グループの研究開発機能および事業運営機能を担っていた飯能工場(埼玉県飯能市)の事業本部・部門の各機能と大手町本社の各種機能を集約した朝霞事業所(埼玉県朝霞市)を開業。
2022年4月、市場再編に伴い、東証プライム市場に移行した。

 

 

【1-2 理念】

以下のような経営理念、企業ミッションを掲げている。

経営理念

「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」

*社会の発展と人類の繁栄に寄与する

*品質の向上に徹しお客様の信頼に応える

*従業員の物的、精神的豊かさを追求する

企業ミッション

エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する

 

【1-3市場環境】

同社サイト情報によると、EVの世界市場が急成長するに伴い、同社の主力製品の一つであるパワー半導体も大きく拡大すると見込まれている。
https://www.shindengen.co.jp/column/vol2/

 

EVの世界市場は2021年の2,298億ドルから、2050年には72兆7,980億ドルに成長すると予測されている。EV市場のCAGR(年平均成長率)は21.73%

(ASTUTE ANALYTICA)

SiCパワー半導体の市場規模は2020年493億円から、2030年1,859億円と3.8倍に増加と予想。

(株式会社富士経済)

GaNパワー半導体の市場規模は2020年の22億円から2030年には166億円と7.5倍に増加すると予想。GaNは量産化が難しいとされてきたが、2022年以降は自動車・電装分野でMOSFETに近い用途での採用が期待されている。

(株式会社富士経済)

酸化ガリウムパワー半導体は、2030年にGaNを上回る465億円ほどの市場規模になるのではと予測されている。

(株式会社富士経済)

(同社ウェブサイトより)

 

【1-4 事業内容】

同社、連結子会社18社、非連結子会社2社、関連会社1社によりグループを構成。半導体製品、電装製品、電源製品などの製造、販売を主たる業務としている。(2023年9月末時点)

 

(1)セグメント
報告セグメントは「デバイス事業」「電装事業」「エネルギーシステム事業」の3つ。3つに分類されない「その他」がある。

 

①デバイス事業
ダイオード、サイリスタ、パワーMOSFET、パワーICおよびパワーモジュールなどを生産している。
ダイオードがセグメント売上の約8割を占める。
分野別には、自動車、家電、産業機器がそれぞれ、4割、3割、2割。
自動車分野ではTier1へ直接納入。家電の4割強がエアコン向けに国内空調メーカーへ、産業機械も工作機械メーカーへ直接納入している。

 

②電装事業
二輪車用電装品、四輪車用電装品および発電機用インバータなどを生産している。
セグメント売上の約7割が二輪車向けで、株主であり二輪車の世界シェアトップのHONDA向けが大半である。

 

③エネルギーシステム事業
通信向けの整流装置。NTTの基地局用電源などネットワークのコアとなる電源装置などがセグメント売上の7割程度。
EV向け充電器も含まれる。同社は90キロワット以上という、急速充電器の中でも大出力の充電器に強みを持つ。出力が大きいほど給電時間も短縮されるため、ユーザーにメリットが大きい。

 

(2)主な利用分野
同社の取り扱う、半導体製品、電装部品は主に「モビリティ」「家電」「産業機器」などの分野で用いられている。今後もセグメントの枠を超えて魅力ある製品を手掛けていきたいと考えている。

 

主要製品の一つ、パワー半導体の概要は以下のとおりである。

 

高耐圧・大電流に対応するパワー半導体
大きな電流や電力を扱うことを目的に作られた半導体。おおむね定格電流が1A以上のものをパワー半導体と分類している。
通常の半導体に比べ高耐圧、大電流に対応でき、大電力の制御に欠かせないアイテムとして、需要が増加している。
半導体は電力損失が発生すると、発熱して高温になり、故障しやすくなるが、パワー半導体には電力損失の低減に加えて放熱性を高める工夫が施されており、高電圧・大電流を扱うことができる。
大電力の分野ではEV(電気自動車)、電車、5G基地局、産業機器、太陽光発電などの電力制御に幅広く用いられている。
CASEが進む自動車・モビリティ分野では、EVのモータの駆動やバッテリーからの電源供給の制御などにパワー半導体が使われている。
EVのバッテリーには直流の電気が蓄えられているため、インバータを使って交流に変換した上で電流の周波数を調整し、モータの回転速度をコントロールする。このインバータを構成しているデバイスがパワー半導体であり、高速スイッチングが可能で高耐圧という特長がある。
パワー半導体は、EV開発で課題とされてきた車体の軽量化や走行距離の延長を実現するカギとして注目されており、【1-3 市場環境】で触れたとおり、今後EV化が急速に進む中、パワー半導体の需要も大きく拡大すると予想されている。

 

①モビリティ分野
地球環境に配慮した高効率・高品質の技術で、EV化が進むモビリティに安心を提供している。

 

EV/PHEV用充電器
内燃機関から電気モータへのシフトが進む中、CO2削減に向けて、インフラ面から貢献している。同社の充電器は、駐車場やショッピングセンターをはじめ、設置実績を増大させている。

EV急速充電器

高度な安全基準に基づく急速充電規格「CHAdeMO認証」を取得し、大出力で充電時間を短縮し、利用者の使いやすさ向上とEV社会の発展に貢献する。

 

<新発売>

小型で手軽に設置できる

6kW充電器

最もシンプルで洗練された普通充電器。「EV充電」の機能だけ欲しい場所には、そのまま壁や地面にポンと設置。「挿すだけ充電」モードでボタン操作もいらないスマートな充電体験。

 

<開発中>

非接触充電

ケーブルを接続することなく充電する現在開発中のこのシステムが実用化されると、自宅や駐車場の送電コイルの上に停車するだけで自動車の充電が可能となり、利便性が飛躍的に向上する。(詳細は【1-5 特長・強み・競争優位性】で後述)

 

 

 

 

自動車(四輪車)
高効率・低損失のパワー半導体から、DC/DCコンバータまで、電力が必要とされる場面で同社の製品が活躍している。環境対応車の普及により、CO2排出量削減に貢献する。

エンジン・モータ制御

自動運転など自動車に求められる機能が増加し、車の電装化が加速するなか、燃費を向上させるため同社の高効率で高品質の製品が活躍している。

バッテリー電源

走行用のエネルギーを、高圧バッテリーから低圧バッテリーへ、そして車内へ。自動車の高機能化が進むなか、同社の高効率電源テクノロジーが車両の燃費改善と快適性を支える。

ダンパー

車の走行を安定させたり、乗り心地を良くしたりするために使われているダンパーを制御する。同社のECUと組み合わせることでダンパーの軽量化に寄与し、車両全体の省資源化につなげる。

パワーステアリング

ハンドルの操舵の補助をするパワーステアリングも、燃費向上のため電動化が進んでいる。同社ではパワステの制御用デバイスを提供している。

 

バイク(二輪車)
バイクが交通手段として一般的なアジアでは、大気汚染が社会的な問題となり、バイクの世界でもEV化が進んでいる。同社では充電・点火・制御分野を中心にバイクの動力をサポートし、クリーンな環境社会作りに貢献する。

エンジン・モータ制御

バイク(二輪車)の電動化に向けて、モータの駆動と制御を行うユニット開発をしている。エンジン車で培った技術をベースに、二輪車の世界でもEV普及に向けて取り組んでいる。

バッテリー電源

発電したエネルギーについて、不要な時は発電を止めることでエンジンの負荷を軽くし、燃費を改善する。

ヘッドライト・ウインカー制御

ヘッドライト・ウインカー・テールライトなどバルブ式からLED式に切り替わり、LEDの点滅を制御するユニットを開発している。

 

ECU

同社のアイドリングストップ対応ECUは、始動モータ制御とバッテリー充電制御の2つの役割を果たし、さらに二輪車電装品に必要な主要機能をすべて取り込んだ環境対応車用。

 

PCU(Power Control Unit)

二輪電動化を見据え量産開始。

 

 

②家電/ホームアプライアンス分野
エアコンでは、高機能化・多機能化による大電力化が進む一方で、地球温暖化や環境への影響の懸念からインバータ技術(※)などによる省エネ化や省スペース化ニーズが高まっている。
また、スティック掃除機・パワーツールなどバッテリーを搭載した製品が急増しており、機器の小型化や低消費電力化による長時間駆動が求められている。
これらのホームアプライアンス機器のキーパーツとなるパワー半導体製品には更なる小型化・高効率化が必要であり、同社では、ブリッジダイオード、パワーMOSFET、パワーICなど、白物家電やデジタル家電まで幅広い用途に応じたパワー半導体を多数ラインアップしており、機器の省エネ化・省スペース化に貢献している。

 

※ インバータ技術
電圧や周波数を変えることにより、モータの回転速度を細かく調節する技術。エアコンにおいては、運転開始時などすばやく冷房を効かせたい場合はモータの回転速度を高く、部屋が快適温度になったら必要最小限の回転速度というように、必要以上のエネルギーを使わないようモータを制御することで、省エネとCO2削減に貢献する。

 

③産業機器分野
ロボットの導入により省人化・無人化が進み、IoTやAIなどを活用するモノづくりの現場では、大量のデータを取得・分析し、製造から出荷まで行うようになっており、使用する電力量は増加の一途をたどっている。
同社では、デバイスの大電力化ニーズと小型・軽量化ニーズを両立させるパワーモジュールの開発を行っている。創業以来培ってきた半導体技術、回路技術、実装技術を融合し消費電力を削減する高効率デバイスを提供している。

 

産業機器

産業アプリケーションのモータ駆動や電力変換などに向けて高品質で高効率なパワー半導体ソリューションを取り揃え、モノづくりの無駄を減らしている。製造・物流のスマート化に向けた産業アプリケーションの実現に取り組んでいる。

LED照明

ブリッジダイオード、パワーMOSFET、LED駆動用ICをはじめ、高調波規制への対応のためのPFC回路用のデバイスなど、幅広い用途に応じたパワー半導体を多数用意しており、工場に設置される機器の省エネ化・長寿命化に貢献している。

AC/DC電源

創業以来パワーエレクトロニクスを主な事業領域として、電源市場で培った回路技術やノウハウを活かし、ブリッジダイオード、パワーMOSFET、パワーICなどで、高性能化する機器の小型化・高効率化で脱炭素社会に貢献している。

 

【1-5 特長・強み・競争優位性】

(1)ダイオードで高シェア
デバイス事業の売上高の約8割を占める(全社売上の約3割)ダイオードは世界シェア3位。PC、家電向けが中心だったが、近年は中国系メーカーの価格競争が激しい。ただ、同社ダイオードは、壊れにくい、長時間の稼働に耐える、高効率といった品質面の高さが評価されている。
こうした優位性は、家電のみでなく、モビリティ、産業機器など幅広い分野でも発揮されている。

 

(2)自社による半導体開発能力
同社は自社で半導体開発が可能であり、その優位性を活かした事業展開により顧客企業からの信頼も高い。
例えば、EV二輪車の心臓部ともいえるPCU(※)開発においてはユニットに必要とされる無駄を省いた高効率のパワー半導体を自社開発し実装できるため、価格、開発スピード、柔軟性といった点で大きなアドバンテージを有している。

 

※PCU(パワーコントロールユニット)
バッテリ電圧、車速、モータ回転数、アクセル開度等の車両情報をリアルタイムに検出し、車両状態に合わせた最適なモータ駆動制御を行うことで、発進、加速、減速、登坂、降坂の状況に応じて、滑らかな車両走行を実現する。

 

(3)長年の技術の蓄積をベースとしたトータルソリューションの提供
1949年創業の同社は70年以上の歴史の中で「半導体技術」「回路技術」「実装技術」を中心に多くの技術を培ってきた。これらの技術を融合させることで将来を見据えた新しい技術や製品を、トータルソリューションとして創出することができる。

 

その一例が、現在開発中の「非接触給電システム(Wireless Charging System)」である。
ケーブルが不要で、地上側の送電コイルと、自動車側の受電コイルにより、ワイヤレスで電力を伝送する同システムは、EV利用の利便性を飛躍的に向上させるものであるが、「駐車時における地上側(送電コイル)と車両側(受電コイル)の少しの位置ずれにも、一定以上の電力伝送効率が必要」「車高の異なる車両に対応するため、SUVのような車高の高い車種ほど送電コイルと受電コイルの間の距離が広く技術的なハードルが上がる」といった、課題もある。

 

これに対し、同社では磁界共鳴方式による非接触電力伝送技術の開発を行う米国のWiTricity Corporation(ワイトリシティ社)と、電動車両向けの非接触電力伝送技術に関するライセンス契約を締結した。
車高空間に対応できる非接触給電は大きく分けて、「電磁誘導方式」と「磁界共鳴方式」の二種類があるが、ワイトリシティ社の磁界共鳴方式は、電磁誘導方式よりも長い空間距離の電力伝送効率に優れているほか、送受電コイル相互の位置や向きなどの自由度が高いなどの特長がある。
このため、「人体への安全性が高い」ほか、「SUVなどの様々な車種に対応できる」「駐車位置が少しずれても充電可能」といった点から利便性も高い。

 

 

 

(同社ウェブサイトより)

 

同社では、製品化、普及に向けて、業界標準の規格、各種安全制御を採用・準拠するとともに、自社の半導体技術、回路技術、実装技術を活かした最適設計による高い商品性を目指し、開発を進めている。

 

長年に渡って培ってきた高信頼性車載機器における小型・軽量化技術およびインフラ機器における高効率・小型・耐環境設計技術と通信・制御技術を活かし、電動車両向けの非接触電力伝送システムの製品化を進めていく。

 

2.2024年3月期上期決算概要

【2-1業績概要】

 

23/3期 上期

売上高比

24/3期 上期

売上高比

前年同期比

予想比

売上高

48,124

100.0%

49,602

100.0%

+3.1%

+0.2%

売上総利益

8,584

17.8%

7,293

14.7%

-15.0%

販管費

7,105

14.8%

6,887

13.9%

-3.1%

営業利益

1,479

3.1%

406

0.8%

-72.5%

経常利益

2,244

4.7%

673

1.4%

-70.0%

四半期純利益

1,540

3.2%

-958

-

*単位:百万円。予想比は23年8月8日に公表された業績予想に対する増減。

(同社資料より)

 

 

増収減益
売上高は前年同期比3.1%増の496億2百万円。中華圏景気減速等によりパワー半導体需要が大幅に減少してデバイス事業が減収。二輪向け製品好調で電装事業が増収。円安効果もあった。
営業利益は同72.5%減の4億6百万円。電装事業の増収効果があるも、デバイス事業の減収影響が全体を押し下げて減益となった。繰延税金資産の取り崩しや持分法適用関連会社の投資有価証券売却損計上により四半期純損益は9億58百万円の損失(前年同期は15億40百万円の利益)。

 

◎設備投資等

 

23/3期 上期

24/3期 上期

前年同期比

設備投資

23

21

-11.8%

減価償却費

27

27

-2.7%

研究開発費

23

23

-2.2%

単位:億円

 

【2-2 セグメント別動向】

 

23/3期 上期

構成比

24/3期 上期

構成比

前年同期比

デバイス事業

19,011

39.5%

16,398

33.1%

-13.7%

電装事業

26,511

55.1%

30,765

62.0%

+16.0%

エネルギーシステム事業

2,523

5.2%

2,367

4.8%

-6.2%

その他

77

0.2%

70

0.1%

-8.9%

セグメント売上高合計

48,124

100.0%

49,602

100.0%

+3.1%

デバイス事業

1,830

9.6%

-196

-

-

電装事業

2,229

8.4%

3,158

10.3%

+41.7%

エネルギーシステム事業

-259

-

-285

-

-

その他

24

31.2%

23

32.9%

-4.2%

調整額

-2,346

-

-2,293

-

-

セグメント利益合計

1,479

3.1%

406

0.8%

-72.5%

*単位:百万円。利益の構成比は売上高営業利益率。

 

(同社資料より)

 

(1)デバイス事業
減収減益
中華圏景気が低迷し流通在庫調整が続いた。自動車市場は復調の兆しが出ている。
事業全体では、減収影響、生産稼働率の低下、電気料金上昇等により大幅減益となった。

 

(2)電装事業
増収増益
二輪市場は概ね堅調、二輪向け製品はベトナムやタイが低迷したが、インドネシア、インドで大きく伸びた。四輪向け製品はDC/DCコンバータが伸長。円安効果もあり増収増益。

 

(3)エネルギーシステム事業他
減収減益
通信インフラ向け整流装置は微増。EV充電器は売上拡大。太陽光発電向けパワーコンディショナの販売終息影響により事業全体としては減収となった。

 

【2-3 財務状態とキャッシュ・フロー】

◎主要BS

 

23年3月末

23年9月末

増減

 

23年3月末

23年9月末

増減

流動資産

85,440

92,372

+6,932

流動負債

32,462

31,677

-785

現預金

25,147

31,870

+6,723

仕入債務

17,668

17,274

-394

売上債権

19,421

18,222

-1,199

短期有利子負債

7,395

7,455

+60

棚卸資産

34,868

38,429

+3,561

固定負債

43,091

48,798

+5,707

固定資産

52,652

55,310

+2,658

長期有利子負債

29,130

34,170

+5,040

有形固定資産

35,553

35,947

+394

負債合計

75,553

80,475

+4,922

無形固定資産

684

643

-41

純資産

62,539

67,207

+4,668

投資その他の資産

16,414

18,719

+2,305

利益剰余金

30,563

28,264

-2,299

資産合計

138,092

147,683

+9,591

負債純資産合計

138,092

147,683

+9,591

*単位:百万円

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

現預金の増加などで資産合計は前期末比95億円増加の1,476億円。
長期借入金の増加などで負債合計は同49億円増加の804億円。
その他有価証券評価差額金の増加などで純資産は同46億円増加の672億円。
自己資本比率は同0.2ポイント上昇し45.5%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

23/3期 上期

24/3期 上期

増減

営業CF

1,193

2,252

+1,059

投資CF

-1,681

-158

+1,523

フリーCF

-488

2,094

+2,582

財務CF

-1,164

3,595

+4,759

現金同等物残高

28,901

31,870

+2,969

*単位:百万円

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

棚卸資産の増加額の減少により営業CFが増加し、フリーCFはプラスに転じた。
財務CFはプラスに転換し、キャッシュポジションは増加した。

 

3.2024年3月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

23/3期

構成比

24/3期(予)

構成比

前期比

前回予想

売上高

101,007

100.0%

100,900

100.0%

-0.1%

107,400

営業利益

3,621

3.6%

1,000

1.0%

-72.4%

2,200

経常利益

4,326

4.3%

1,300

1.3%

-70.0%

2,600

当期純利益

1,644

1.6%

-700

-

-

700

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

増収・営業減益を予想
売上高は前期比0.1%減の1,009億円の予想。モビリティ分野が堅調も、デバイス事業の回復遅れにより横ばい見通し。
営業利益は同72.4%減の10億円を予想。デバイス事業の減収影響が大きく減益を見込む。
当期純損失は7億円(前期は16億44百万円の利益)を計画。上期に計上した繰延税金資産の取り崩しや特別損失等が影響。
前提為替は1$=140円。

 

8月8日に発表した前回予想から売上高、各段階利益は減額修正となった。上期の売上高は概ね前回予想通り、利益面では予想を上回った。下期の売上高はデバイス製品が家電・産機市場の回復遅れにより低迷し、二輪向け製品がベトナムやタイの市況悪化に伴い減少する。また、EV充電器が国内における設置計画の後ろ倒しにより伸び悩むことなどから、前回予想を下回る見通し。なお、減収額の約8割がデバイス製品によるもの。利益面では減収による付加価値の減少に加え、価格転嫁や原価低減活動を進めていくものの減収の影響で想定していた効果を出せないことなどから前回予想を下回る見通し。
配当は修正なく、前期と同じ130.00円/株の期末配当を予定。

 

◎設備投資等

 

23/3期

24/3期(予)

前期比

設備投資

49

58

+17.5%

減価償却費

57

56

-2.9%

研究開発費

47

46

-1.3%

単位:億円

 

設備投資が大きく伸びる見通し。引き続き成長分野への投資を積極的に行う方針。

 

【3-2 セグメント別動向】

売上高

23/3期

24/3期(予)

前期比

デバイス事業

372

323

-13.2%

電装事業

570

616

+8.1%

エネルギーシステム他

68

70

+3.1%

セグメント利益

 

 

 

デバイス事業

29

-7

-

電装事業

53

65

+23.1%

エネルギーシステム他

-1

-3

-

*単位:億円

 

(1)デバイス事業
減収収減益
自動車市場は底を打ち上向くも、家電・産機市場低迷が響き全体で減収、損益面は減収影響大きく大幅減益見込み。

 

(2)電装事業
増収増益
アジア二輪市場および四輪市場伸長、円安効果もあり増収、損益面は増収・円安影響により増益見込み。

 

(3)エネルギーシステム他
太陽光パワーコンディショナは終息だが、通信向け整流器およびEV充電器は増加見込み。

 

【3-3 来期に向けた重点取組み】

(1)収益性改善

(同社資料より)

 

自動車市場が回復基調にあることに加え、家電市場ではエアコン向けの流通在庫調整も来夏に向けて回復見通し。中長期のトレンドは変わっていないとの考え。

 

(2)資本コストや株価を意識した経営

➢ 資本効率意識強化
➢ 事業別BS指標設定/管理(ROIC、ROE、ROA)
➢ ROIC向上に向けたテーマ抽出
➢ 次期中計への落とし込み

(同社資料より)

 

中長期的視点でステークホルダーの期待に応えていく。

 

4.長期ビジョン2030/第16次中期経営計画

昨年5月に2030 年度を見据えた「長期ビジョン 2030」及び 2022 年度から 2024 年度までの3ヶ年を期間とする「第 16 次中期経営計画」を策定した。

 

(策定の背景)
昨今、市場のニーズや価値観が多様化する一方、地球温暖化など気候変動や、資源枯渇といった地球規模で進行しつつある社会的課題は、市場経済にも影響を及ぼし始めている。このような状況下、自社が果たすべき役割を土台に、企業として「ありたい姿」を定めた長期的な経営ビジョンを策定し、それらに紐づく施策を中期経営計画や年次経営計画と連動させることで、中長期にわたる持続的な成長サイクルを確立していく。

 

【4-1 長期ビジョン2030】

ありたい姿
「革新的な技術によって、地球環境に配慮した先進的なソリューションを生み出して、持続可能な社会に貢献し、あらゆるステークホルダーから必要とされ続けるパワーエレクトロニクスカンパニー」

 

方針
長期的な観点で、「脱炭素社会のキーパーツとなるパワーデバイス」「ヒトと環境の未来を託されるモビリティソリューション」「全事業のコア技術を融合した環境ソリューション」を創出し、環境貢献をより重視した製品ポートフォリオを継続的に整備する。
あわせて、持続的成長の前提となる安定的な経営基盤を構築するために資本効率を重視し、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を含む経営資源の最適配分を進める。

 

既存事業や既存製品の拡充と、新規事業や新規製品の創出を進め、製品ポートフォリオの最適化を図る。
製品別の方向性は以下のとおり。

 

 

パワーデバイス製品

脱炭素社会のキーパーツとなるパワーデバイスを創出する

モビリティ製品

ヒトと環境の未来を託されるモビリティソリューションを創出する

環境・エネルギー製品

全事業のコア技術を融合したソリューションを創出する

次世代製品

脱炭素化に向けたイノベーションを追求する

 

製品を「伸長事業」「基盤事業」「次世代事業」「再構築事業」の4象限に分類。
「基盤事業」であるダイオード、DCコンバータなどの競争力をさらに強化し優位性を確保しつつ、環境エネルギー関連、双方向インバータなど「伸長事業」に積極的に投資し、高付加価値製品を投入する。
「次世代事業」では小型EVなど、将来を見据え自社技術を活かせる分野にリソースを配分する。

 

(同社資料より)

 

【4-2 第16次中期経営計画】

経営方針

長期ビジョンの実現に向けた基盤づくり

主要テーマ

*稼ぐ体質づくり「安くつくる仕組み」

*伸長事業拡大の布石「特長ある製品開発」「市場投入のスピードアップ」

*温室効果ガス排出量削減分野へのリソース配分

 

「長期ビジョン 2030」で掲げるありたい姿に向け、事業の成長とサステナビリティを統合した製品ポートフォリオへの転換を促進する。経営方針の実現に向けて、各施策の遂行にあたっては、デジタルトランスフォーメーション(DX)を広く活用する。

 

(1)主要施策
①安くつくる仕組み
大口径化、自動化ラインの導入、DXの活用により、製販一体のビジネスプロセスの最適化を図る。

 

②R&D、マーケティング
戦略的マーケティングの実施、顧客目線、アジャイル開発志向、脱炭素推進に繋がる技術開発など、自社らしいソリューションにより、独自の付加価値を創出した製品を提供する。

 

③M&A、アライアンス
製造、営業、R&Dの各分野においてオープンイノベーションを取り入れ、提携・協業を積極的に展開する。

 

④高品質、安定供給
更なる品質向上を目指し、現場・現物重視、顧客目線、安定調達、デジタル化、安定供給に取り組む。

 

⑤ブランディング
ブランディング確立に向け、オンラインを活用したBtoBブランディングを展開する。
環境配慮型製品についての情報を積極的に発信する。

 

⑥資本効率の向上
株主資本コストを意識した経営を行う。2024年度のROE目標を8.3%としている。
また、事業別に資産効率を追求し、2024年度のROA 3.5%達成を目指す。

 

⑦ESG経営の高度化
脱炭素社会への貢献、循環型社会への貢献、自然共生社会への貢献を目指す「環境ビジョン2050」を推進する。
人財マネジメントの推進、コーポレート・ガバナンスの向上にも注力する。

 

(2)数値目標

 

23/3期

25/3期 目標

売上高

1,010

1,180

営業利益

36

78

営業利益率

3.6%

6.6%

ROE

2.7%

8.3%

ROA

1.2%

3.5%

*単位:億円。25/3期の営業利益は、営業利益率から株式会社インベストメントブリッジが計算。

 

2030年に向けて、第16次中期経営計画を足掛かりに、第17次中計、第18次中計と事業強化を進めていく。

 

 

3か年累計

設備投資

220

研究開発

180

*単位:億円

 

【4-3 EV充電器ビジネスの成長戦略】

(1)エネルギーシステム事業のこれまでの歩み
EV充電インフラ製品は2010年から販売、急速充電器の中でも大出力の充電器に強みを持つ。

(同社資料より)

 

 

(2)EV事業の位置づけ
ダイオード、電源制御、MOS-FETといった半導体技術と電気回路技術、構造設計技術、ソフトウエア技術、実装技術等の電源時術。EV創業当時からの主力技術の融合点という位置付け。

(同社資料より)

 

(3)EV充電器市場、上昇へ
政府はEV充電インフラ市場を脱炭素に向けたグローバルな取り組みのなかで、再生可能エネルギーの有力な活路として位置付けている。経済産業省はEV充電インフラ整備促進に向けた指針として2030年までの整備目標として急速充電器3万口、普通充電器27万口という目標を掲げている。ユーザーの利便性向上、充電事業の自立化・高度化及び社会全体の負担軽減を基本的な考えとしている。
これまで、EV普及の遅延によりEVの販売は低調に推移していたが、ギアチェンジの時期に差し掛かろうとしている。

(同社資料より)

 

(4)成長戦略とロードマップ
同社はこれまで、EV市場成熟に差し掛かるまで事業基盤を強化してきたが、市場転機にあわせ意欲的な計画を23年度初頭より開始。
同社は、今後は政府の指針である急速充電器3万口に対し、普及が加速して5万口まで過達すると見込み、内シェア20%を目指す。販売パートナーと連携し、販路と提案力を強化していく考え。

 

達成ビジョン
☆ 企業価値向上
電源メーカーとして高信頼のイ ンフラ設備を提供し、社会基盤の強靭化や環境保全に積極的に取り組んでいく。
☆ 市場と共に成長
多様な事業者と接点を持ち、相互に高めあいながら顧客から求められる以上の価値を提供できる企業になる。
☆ 主力事業化
創業来の事業運営にこだわらず、新たな顔として存在感ある事業に発展させる。
製品ロードマップ

(同社資料より)

 

「MITUS」、25年春発売予定。順次、コンセプト展開。

(同社資料より)

 

5)柔軟さで事業発展へ

(同社資料より)

 

5.今後の注目点

中国経済の減速と流通在庫の調整が想定より長引いていることでデバイス事業が低迷。電装事業が好調であったものの上期は増収ながら、大幅な減益となった。1Q決算発表時に期初予想は減額修正されたが、その予想を特に利益面で大きく上回っており、コスト面での対応は進めている。今期就任した田中社長へのインタビューでは、生産コスト引き下げへの強い意志が見て取れたが、その一端が垣間見える。下期はまずは自動車市場の回復持続が牽引するだろう。DC/DCコンバータ が新製品投入で23/3期以降大きく伸長しており収益貢献が期待できる。デバイス事業では流通在庫の調整が収束に向かうと考えられる。
来期は中期計画最終年度。流通在庫の調整が進展することによりデバイス事業が本格的に回復するだろう。また、EV充電器の設置が本格的に進むことが想定され、収益貢献が期待できそう。今期は中期計画の目標からかなり遠い水準で落ち着きそうだが、巻き返せるだけの要素が控えている。EVの本格普及、生産ラインの自動化加速など、中長期のトレンドは変わっていない。田中社長は「次期中期計画へつなげる」とコメント。
PBRが1倍を大きく割り込んでおり、同社も「喫緊の経営課題」としている。今後は株価も意識した事業展開を進めていくだろう。
同社サイトによれば、EVの世界市場は2021年の2,298億ドルから、2050年には72兆7,980億ドルに成長すると予測されており、EV市場のCAGR(年平均成長率)は21.73%。それに伴い、同社主力製品の一つであるパワー半導体も大きく拡大すると見込まれている。
https://www.shindengen.co.jp/column/vol2/
また、同社ではEVの成長に伴い、インフラとして必須の充電器について、普通充電器に加え急速充電器の販売拡大に注力しており、ケーブル不要で利便性が大きく向上する非接触充電器の事業化にも取り組んでいる。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役会

取締役6名、うち社外2名

監査役会

監査役3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2023年6月30日

 

<基本的な考え方>
当社は、経営の透明性やコンプライアンスを含めてコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが求められるなか、経営環境の急激な変化に迅速かつ的確に対応できるよう経営システムを維持、向上させていくことを基本方針としております。
また、経営と執行の分離により、意思決定の迅速化と監視機能強化の両立を図り、監査役会が独立した立場で監査することで、内部統制システムの有効性を高めております。経営管理機構としましては、取締役会、経営会議、監査役会、および技術・品質政策会議、本部長会、事業部長会などの各種会議体を機能的に運営し、迅速な意思決定、効率的な事業活動により、有機的なグループ経営を追求しております。
情報開示につきましては、経営の公正性・透明性を高めるべく、IR活動の強化に努めております。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
・原則2-4①(中核人材の登用等における多様性の確保)
当社は、仕事と育児、介護の両立の支援、働きやすい環境の整備、従業員のインセンティブを高める奨励・褒賞制度、女性活躍推進法への対応、障がい者の雇用と高齢者の活用、外国籍従業員の活躍推進など、多様性の推進に取組んでおります。測定可能な目標の設定やその状況の開示については、重要な課題と認識しております。今後も、様々なキャリアの従業員が安心して快適に働ける環境整備を行って参ります。現在の取り組み状況については、当社ホームページ、CSR報告書、有価証券報告書などに開示しております。

 

・補充原則3-1③(サステナビリティについての取組み)
1.サステナビリティについての取組み   
当社グループでは、中長期的な企業価値向上に向け、サステナビリティ基本方針を定め、事業活動を行っております。 新電元グループは、『企業ミッション』の実践とともにESG(環境・社会・ガバナンス)経営を積極的に推進します。持続可能な社会の実現に貢献し、長期的な視点での企業価値の向上に努めます。ついては、以下を推進します。  
・『環境ビジョン』を掲げ、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に貢献します。
・人権と多様性を尊重し、ステークホルダーエンゲージメントの向上を図ります。
・人材育成と社内環境整備を通じて、「安心・安全」で働きがいのある職場づくりに努めます。  
・公正かつ透明性の高い経営を行い、幅広いステークホルダーの信頼と期待に応えます。 具体的な取り組み状況につきましては、当社ホームページ、CSR報告書、有価証券報告書などに開示しております。
2.人的資本や知的財産への投資等  
①人的資本への投資   
当社は「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」を経営理念に掲げ、人の成長が企業の価値創造の源泉であり、多様で自律的な知と知の融合が新たな価値創造と持続的な成長をもたらすと捉えています。人権の尊重を基盤とし、人材育成、多様な人材の活躍促進、 柔軟な働き方の拡充、安全と健康の推進の各種施策を進めています。   
②知的財産への投資   
当社は、重要な経営資源である知的財産権を適切に管理・取得・保護・活用するとともに、第三者の知的財産権を十分に尊重することを基本方針として、知的財産への投資を実施しております。 人的資本や知的財産への投資等に関する取組みについては、当社ホームページ、CSR報告書、有価証券報告書などに開示することによって株主の皆様へお示ししております。今後も引き続き、開示の充実に努めて参ります。
3.気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について   
当社では、地球環境保護への取組みを経営の重要課題の一つと位置づけ、長期的な視点から持続可能な地球環境および社会の実現に向けた活動をグループ一丸となって推進することを目的に「環境ビジョン2050」を策定いたしました。 環境課題への取組みを強化する当社グループの姿勢を明確に示すとともに、クリーンエネルギー製品や省エネ製品の市場供給や新技術の開発等によって環境負荷低減の貢献度を継続的に高め、グローバルな環境先進企業を目指して参ります。また、TCFDの枠組みに基づ   き、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響についての情報を当社ホームページ、CSR報告書、有価証券報告書などに開示しております。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
・原則1-4(政策保有株式)
 当社の政策保有株式に対する方針は以下の通りであります。
1.当社は、配当の獲得以外に、取引先との良好な関係を構築し、事業の円滑な推進を図ることで中長期的な企業価値の向上を実現する観点から、必要と判断する上場企業の株式を保有することがあります。
また、個別銘柄ごとに、取締役会で毎年事業上の関係等を確認し、その保有目的と経済的合理性を検証しております。保有に合理性が認められない場合は、縮減等を図ります。
2.政策保有株式にかかる経済合理性の検証にあたっては、個別銘柄ごとに取得価額および時価評価額を基準に、配当金や取引収益等の利回りと資本コストを比較し、下回っている銘柄で、かつ中長期的な企業価値向上の貢献度が低いと認められる銘柄を縮減検討対象としております。縮減検討対象となった銘柄については、取締役会にて保有の適否に関する審議を行い、保有に合理性が認められない場合は縮減等を図ります。
3.当社は投資先企業の中長期的な企業価値向上に資するかどうかを判断した上で、議決権行使について決定しております。
 株主価値が大きく毀損される事態や、企業不祥事等コーポレート・ガバナンス上の重大な懸念事項が生じている場合には反対票を投じます。

 

・原則2-4①(中核人材の登用等における多様性の確保)
当社は、仕事と育児、介護の両立の支援、働きやすい環境の整備、従業員のインセンティブを高める奨励・褒賞制度、女性活躍推進法への対 応、障がい者の雇用と高齢者の活用、外国籍従業員の活躍推進など、多様性の推進に取組んでおります。測定可能な目標設定の開示については、重要な課題と認識しております。今後も、様々なキャリアの従業員が安心して快適に働ける環境整備を行って参ります。 現在の取り組み状況については、当社ホームページ、CSR報告書、有価証券報告書などに開示しております。

 

・補充原則3-1③(サステナビリティについての取組み)
1.サステナビリティについての取組み   
当社グループでは、中長期的な企業価値向上に向け、サステナビリティ基本方針を定め、事業活動を行っております。 新電元グループは、『企業ミッション』の実践とともにESG(環境・社会・ガバナンス)経営を積極的に推進します。持続可能な社会の実現に貢献し、長期的な視点での企業価値の向上に努めます。 ついては、以下を推進します。
・『環境ビジョン』を掲げ、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に貢献します。
・人権と多様性を尊重し、ステークホルダーエンゲージメントの向上を図ります。   
・人材育成と社内環境整備を通じて、「安心・安全」で働きがいのある職場づくりに努めます。   
・公正かつ透明性の高い経営を行い、幅広いステークホルダーの信頼と期待に応えます。 具体的な取り組み状況につきましては、当社ホームページ、CSR報告書、有価証券報告書などに開示しております。  
2.人的資本や知的財産への投資等   
①人的資本への投資   
当社は「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」を経営理念に掲げ、人の成長が企業の価値創造の源泉であり、多様で自律的な知と知の融合が新たな価値創造と持続的な成長をもたらすと捉えています。人権の尊重を基盤とし、人材育成、多様な人材の活躍促進、 柔軟な働き方の拡充、安全と健康の推進の各種施策を進めています。   
②知的財産への投資   
当社は、重要な経営資源である知的財産権を適切に管理・取得・保護・活用するとともに、第三者の知的財産権を十分に尊重することを基本方 針として、知的財産への投資を実施しております。 人的資本や知的財産への投資等に関する取組みについては、当社ホームページ、CSR報告書、有価証券報告書などに開示することによって株主の皆様へお示ししております。今後も引き続き、開示の充実に努めて参ります。
3.気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について
当社では、地球環境保護への取組みを経営の重要課題の一つと位置づけ、長期的な視点から持続可能な地球環境および社会の実現に向けた活動をグループ一丸となって推進することを目的に「環境ビジョン2050」を策定いたしました。 環境課題への取組みを強化する当社グループの姿勢を明確に示すとともに、クリーンエネルギー製品や省エネ製品の市場供給や新技術の 開発等によって環境負荷低減の貢献度を継続的に高め、グローバルな環境先進企業を目指して参ります。また、TCFDの枠組みに基づ   き、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響についての情報を当社ホームページ、CSR報告書、有価 証券報告書などに開示しております。

 

・原則5-1(株主との建設的な対話に関する方針)
当社は持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために合理的な範囲で株主の皆様との対話を実施しております。
また、株主の皆様との間で適切かつ建設的な対話を行えるよう、以下の項目を実施しております。
(i)IRについては、取締役 コーポレート部門統括の下、経営企画室が担当しております。
(ii)経営企画室、総務部、経理部、及び内部監査部等が、定期的な連絡会を設け情報交換を行うなど連携を取っております。
(iii)個別面談以外の対話の手段として、機関投資家向け決算説明会を年2回実施し、その説明資料を当社ホームページに掲載しております。
(iv)決算期毎の個別面談における株主・投資家の皆様からのご意見は、担当取締役へ報告し、重要なものは取締役会に報告しております。
(v)インサイダー取引防止規定を制定し、当該規定に基づき、インサイダー情報を管理しております。また投資家との対話にあたっては、規定に基づき、サイレント期間を設ける等の対応を行っております。

 

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