ブリッジレポート
(2317) 株式会社システナ

プライム

ブリッジレポート:(2317)システナ 2024年3月期第2四半期決算

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三浦 賢治 社長

株式会社システナ(2317)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表者

三浦 賢治

所在地

東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階・16階

決算月

3月

HP

https://www.systena.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

254円

387,440,812株

98,409百万円

22.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

10.0円

3.9%

18.67円

13.6倍

88.19円

2.9倍

*株価は11/2終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE、BPSは23年3月期実績、EPSは24年3月期予想。
*2021年12月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合をもって株式分割を実施。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2020年3月(実)

64,552

8,163

7,871

5,471

56.22

20.00

2021年3月(実)

60,871

8,006

7,507

4,974

51.36

20.00

2022年3月(実)

65,272

9,106

8,578

5,992

15.47

-

2023年3月(実)

74,526

9,844

9,955

7,317

18.89

8.00

2024年3月(予)

80,386

10,610

10,644

7,233

18.67

10.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。
*2021年12月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合をもって株式分割を実施。2022年3月期のEPSは当該株式分割を考慮。EPS、DPSとも当該株式分割に伴う遡及調整は行っていない。2022年3月期のDPSは中間10.00円、期末3.50円だが、当該株式分割の実施により単純合計ができないため表示していない。

 

 

(株)システナの2024年3月期第2四半期決算の概要と2024年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画(19/3期~25/3期)
3.2024年3月期第2四半期決算概要
4.2024年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 24/3期第2四半期は前年同期比4.8%増の増収、同1.5%の営業減益。ソリューションデザイン事業、海外事業が苦戦したものの、フレームワークデザイン事業、ビジネスソリューション事業を中心にその他の4つのセグメントは軒並み増収で着地。利益面では、不採算プロジェクトの影響が直接的にも間接的にも大きく出る形となり前年同期比44.6%減益となったソリューションデザイン事業が全体の重しとなった。

     

  • 24/3期通期の会社計画は、売上が前期比7.9%増の803億86百万円、営業利益は同7.8%増の106億10百万円の予想。投資育成の領域を除き、全セグメントで増収増益となる公算だ。特にフレームワークデザイン事業、クラウド事業については2桁の増収増益が見込まれる。ただし、主力のソリューションデザイン事業では、他事業部門と連携して人材の適材適所の配属を実施し、組織力強化を目指す他、待遇面等のてこ入れに引き続き注力していくことからセグメント利益は概ね横ばいとなる見通しである。なお、配当見通しは上期5円、期末5円の年間10円と前期比2円の増額を想定。

     

  • 足元の上期決算の着地を見ると、クラウド事業を除き、一見好調に見える事業においてもモメンタムが第1四半期から若干ながら鈍化している。また、特にソリューションデザイン事業においては2023年3月期に中堅層の技術者の退職増による影響がネガティブに働いていた。2024年3月期はその部分に対する施策も功を奏したことで、人員の離脱自体は止まったものの、発生した不採算プロジェクトもこの動向が間接的に影響した形であると説明会の中で言及があった。再発防止策も講じたようだが、市場に先行き警戒感がやや残ってしまうのは致し方無い状況だろう。引き続き四半期毎に業績動向を注視していく必要がある。

1.会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社であったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社7社及び持分法適用会社3社と共にグループを形成している。

 

【経営目標 - 日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える! 】
経営目標実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」という、相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

 

【目標とする経営指標】
目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)として、25/3期に連結売上高1,010億円、営業利益152億円(営業利益率15%)、一人当たり営業利益260万円、ROE25%を掲げている。ただし、2023年10月26日付で同計画の修正を発表し、連結売上高831億円、営業利益117.30億円(営業利益率14.1%)、ROE20.7%とした。

 

1-1 事業内容

事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ビジネスソリューション事業(ソリューション営業から名称変更)、クラウド事業、海外事業及び投資育成事業に分かれる。グループ全体で、自動運転・車載システム、社会インフラシステム、Webビジネス向けシステム、IoT関連システムおよびロボット/AI、モバイル機器等のソフトウェアの開発・品質検証、金融機関向けシステム開発、システムの運用・ヘルプデスク、IT商品の販売およびシステムインテグレーション、クラウドサービスの提供やゲームコンテンツの開発など、システムの企画・設計・開発・導入から保守・ユーザーサポートまでのトータル・ソリューション・サービスを提供している。

 

ソリューションデザイン事業(23/3期構成比30.0%)
モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「スマートデバイス/ロボット/AI」及びワークフローや受発注システム等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発や検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co., Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。顧客は、通信キャリア、通信機器メーカー、自動車メーカー、インターネットビジネス企業等。

 

フレームワークデザイン事業(23/3期構成比8.2%)
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システムや対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。以前は業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めていたが、公共系、法人系のシステムの開発・運用も育ってきており、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co., Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。

 

ITサービス事業(23/3期構成比23.8%)
システムやネットワークの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

 

ビジネスソリューション事業(23/3期構成比35.6%、旧ソリューション営業事業)
ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

 

クラウド事業(23/3期構成比2.7%)
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「Google Workspace」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや2017年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.(キャンバスドット)」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「Google Workspace」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。顧客は、中堅から大企業までの一般事業会社等。

 

海外事業(23/3期構成比0.2%)米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査・インキュベーションを二本柱とし、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点との位置づけ。顧客は、日系企業、アメリカ企業、通信キャリア、通信機器メーカー等。

 

投資育成事業(23/3期構成比0.4%)
(株)GaYaがスマートフォン向けゲームコンテンツの開発・大手SNSサイトへの提供及び他社が開発・リリースしたゲームの運営受託を手掛けている。
*調整額▲0.9%

 

1-2 グループ会社

(同社資料より)

 

 

(同社資料より)

 

2.中期経営計画(19/3期~25/3期)

同社は、2019年に策定した、2024年3月期を最終年度とする「中期5カ年計画」を推進中であったが、21/3期は新型コロナウイルスによる経済活動の停滞などの影響で、減収を余儀なくされた。このような状況に鑑み、中期計画の達成年度を1年延ばし、新たに2025年3月期を最終年度として、売上高1,010億円、営業利益152億円を目指すこととした。ただし、2023年10月26日付で同計画の修正を発表し、連結売上高831億円、営業利益117.30億円(営業利益率14.1%)、ROE20.7%へと各種目標数値を引き下げた。

 

【経営の大方針- データ経営による生産性向上 - 】
・自社開発のCanbus.プラットフォームで構築したIT経営システムを活用した精度の高い原価管理とリアルな損益の早期掌握を行う。
・経営データの見える化とAI予測により数値化された経営情報をもとに、徹底した生産性の向上を図り、利益の最大化を目指す。

 

【ストラテジーと重視する経営指標及び25/3期目標】
今後10年で最も伸びる分野と位置付ける、オートモーティブ、キャッシュレス/決済、ロボット/IoT/RPA/クラウド、自社製品・自社サービスに経営資源を集中させる。

 

重視する経営指標と25/3期目標
重視する経営指標として、連結売上高、営業利益、営業利益率、一人当たり営業利益及びROEを挙げており、25/3期の目標として、連結売上高831億円、営業利益117.30億円(営業利益率14.1%)、ROE20.7%を掲げている。

 

【セグメント別の目標と取り組み】
ソリューションデザイン事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期実績

23/3期実績

24/3期予想

25/3期

中計目標

売上高

212

229

238

207

224

245

220

営業利益

37

41

41

41

39

40

33.5

*単位:億円。
*22/3月期からソリューションデザイン事業に含まれていた子会社ProVisionのセグメントをITサービス事業に変更し、同じく子会社IDYのセグメントをビジネスソリューション事業に変更。変更に合せて22/3期以降の数値を組み替えて記載。

 

25/3期に売上高220億円(19/3期212億円)、営業利益33.5億円(同37億円)を目指している。COVID-19の影響による社会的な需要増となっているネットビジネスに集中し業界の拡大を目指す。業界変革期にある車載事業は長期戦を視野に選択と集中を行う。また、顧客のビジネスモデルやプロセスの変革によりデジタルトランスフォーメーションの需要を喚起、システムインテグレーションだけでなく自社サービスの提供により事業拡大も目指す。
25/3期の分野別の計画は、車載の売上高が35億円(19/3期27億円)、社会インフラ/プロダクトの売上高が45億円(同8億円)、ネットビジネスの売上高が110億円(同102億円)、DXサービスの売上高が30億円(同23億円)。
車載は、現在の主力であるインフォテインメントやシェアリングに加え、MaaS、コネクテッドカー、更には自動運転や安全対策等、ビジネスチャンスが多い。社会インフラ/プロダクトでは、コミュニケーションロボットに加え、介護等の生活ロボット、産業用ロボット、医療用のロボットやシステムの開発需要が見込まれる。ネットビジネスでは、教育関連、5G関連サービス、更にはAI・IoT等の技術領域が注目され、この他、業務システムにおいても、現在需要が多い働き方改革やオープンソース活用に加え、AI・業務自動化、DX、人材不足対策等の開発需要が期待できる。

 

フレームワークデザイン事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期実績

23/3期実績

24/3期予想

25/3期

中計目標

売上高

53

58

51

51

61

69

77

営業利益

8.4

10.6

8.6

10.1

12.8

14.5

18

*単位:億円。
*22/3月期からフレームワークデザイン事業に含まれていた新規サービス分野のセグメントをビジネスソリューション事業に変更。変更に合せて22/3月期以降の数値を組み替えて記載。

 

25/3期に売上高77億円(19/3期53億円)、営業利益18億円(同8.4億円)を目指している。金融系システム開発のノウハウ展開と同時に、DX対応へ向けた変革を実現し、新規と既存顧客への積極展開を図る。また、受託開発体制の強化、開発、インフラ、保守の総合支援を実現するとともに、DX時代に向けた新たな成長エンジンを創出し、SaaS活用開発へ展開する。保険・銀行・社会インフラでは、既存顧客において領域拡大、デジタル化対応の基幹システムの刷新、統合対応の獲得を目指す。公共・流通サービスでは、金融系ノウハウの展開により新規領域の拡大を図るとともにDX関連開発で、最大化を目指す。
25/3期の分野別の計画は、既存の金融系ビジネスが売上高30億円(19/3期25億円)、公共等の新領域ビジネスが売上高20億円(同5億円)、DX関連ビジネスが売上高15億円(実績なし)。

 

ITサービス事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期実績

23/3期実績

24/3期予想

25/3期

中計目標

売上高

78

87

94

157

178

194

211

営業利益

11

13

14

22

25

28

36.5

*単位:億円。
*22/3月期からソリューションデザイン事業に含まれていた子会社ProVisionのセグメントをITサービス事業に変更。変更に合せて22/3月期以降の数値を組み替えて記載。

 

 

25/3期に売上高211億円(19/3期78億円)、営業利益36.5億円(同11億円)を目指している。プロジェクトで培ったノウハウをもとに高い付加価値を有した「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO」の請負型業務と「アセスメント」、「コンサルティング」のサービスに注力する。また、「ソフトウェア品質保証サービスの拡大」として、BtoBtoCの「ソーシャルゲーム」、「ネットビジネス」等のエンターテイメント領域に加えてBtoBのエンタープライズ領域の拡大を目指す。これら領域において、アライアンスと新サービスの強化と拠点の拡大を通じてビジネスフィールドの拡大を図る。
25/3期の分野別の計画は、「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO」の請負型業務が売上高80億円(19/3期45億円)、品質検証業務が売上高60億円(同33億円)。

 

ビジネスソリューション事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期実績

23/3期実績

24/3期予想

25/3期

中計目標

売上高

240

259

214

223

265

276

305.5

営業利益

12

16

14

14

18

19

24.3

*単位:億円。
*22/3月期からフレームワークデザイン事業に含まれていた新規サービス分野およびソリューションデザイン事業に含まれていた子会社IDYの
セグメントをビジネスソリューション事業に変更。変更に合せて22/3月期以降の数値を組み替えて記載。

 

25/3期に売上高305.5億円(19/3期240億円)、営業利益24.3億円(同12億円)を目指している。同社の総合営業として生産性向上・コスト削減・セキュリティ強化といった顧客の経営課題の解決に向けたソリューションサービスの提供に取り組む事で、付加価値ビジネスの創造と拡大を図り、顧客の事業を支えるICTパートナーへ変革し、継続的な売上・利益の向上に繋げて行く。25/3期の数値目標は、既存ビジネスを19/3期比で40%増、サービスビジネスを同180%増、DXビジネスを同350%増。

 

クラウド事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期実績

23/3期実績

24/3期予想

25/3期

中計目標

売上高

11

14

15

18

20

23

20

営業利益

2

2.1

3

4.1

3.9

4.4

5

*単位:億円。

 

25/3期に売上高20億円(19/3期11億円)、営業利益5億円(同2億円)を目指している。DXを推進するDXプラットフォーム「Canbus.」によるサブスクリプションモデルを加速する。更に、テレワークなど働き方改革によるプロセスの変革を支援すべく「Cloudstep」と「Canbus.」による高付加価値型事業の成長を目指す。

 

海外事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期実績

23/3期実績

24/3期予想

25/3期

中計目標

売上高

1.2

1.5

1.9

1.7

1.3

1.8

1.6

営業利益

-0.3

-0.2

0.07

-0.09

-0.29

0.01

0

*単位:億円。

 

25/3期に売上高1.6億円(19/3期1億円)、営業利益0億円(同△0.3億円)を目指している。米国内では日系企業の技術支援をベースにエッジAI分野においてOne Tech社との共同営業を推進する。また、米国内の日系企業の技術支援、米国内でのPoC開発、インキュベーション支援業務を行い、売上・利益の基盤を強固なものとする。

 

3.2024年3月期第2四半期決算概要

3-1 通期連結業績

 

23/3期2Q

構成比

24/3期2Q

構成比

前年同期比

売上高

35,805

100.0%

37,521

100.0%

4.8%

売上総利益

8,792

24.6%

8,745

23.3%

-0.5%

販管費

4,357

12.2%

4,377

11.7%

0.5%

営業利益

4,435

12.4%

4,368

11.6%

-1.5%

経常利益

4,497

12.6%

4,334

11.6%

-3.6%

親会社株主帰属利益

3,084

8.6%

2,976

7.9%

-3.5%

*単位:百万円。

 

前年同期比4.8%の増収、同1.5%の営業減益
新型コロナウイルス禍からの経済社会活動の正常化が進展し、個人消費を中心に緩やかな回復基調となった反面、資源・原材料高による世界的なインフレに対処するために各国中央銀行が金融引き締めを続けており、海外景気の下振れリスクが高まっている。こうした中、生産性の向上が重要な課題であると認識し、よりストック型ビジネスに注力するとともに、ソフトウェア開発ビジネス等においてもDX推進に向けてのコンサル業務やPMO案件など付加価値の高いビジネスの拡大を推進した。また、引き続き積極的な人材投資および待遇改善を実施して、優秀な人材の安定確保への取り組みを進めている。

 

売上高は前年同期比4.8%増の375億21百万円。ソリューションデザイン事業や海外事業が苦戦したものの、フレームワークデザイン事業、ビジネスソリューション事業を中心にその他の4つのセグメントは軒並み増収で着地。
利益面では、不採算プロジェクトの影響が直接的にも間接的にも大きく出る形となり前年同期比44.6%減益となったソリューションデザイン事業が全体の重しとなった。ただし、フレームワークデザイン事業は同39.3%増、ビジネスソリューション事業も同41.8%増と概ね好調を持続している。この結果、全体としては営業利益ベースで同1.5%減と小幅減益での着地となった。なお、売上高総利益率は23.3%と前年同期からやや悪化。一方、売上高販管費率は同0.5ポイント低下し11.7%となった。

 

3-2 セグメント別動向

 

23/3期2Q

構成比・利益率

24/3期2Q

構成比・利益率

前年同期比

ソリューションデザイン

10,870

30.4%

10,453

27.9%

-3.8%

フレームワークデザイン

2,937

8.2%

3,314

8.8%

12.8%

ITサービス

8,755

24.5%

8,949

23.9%

2.2%

ビジネスソリューション

12,238

34.2%

13,637

36.3%

11.4%

クラウド

1,079

3.0%

1,192

3.2%

10.5%

海外

70

0.2%

68

0.2%

-2.4%

投資育成

177

0.5%

94

0.3%

-47.0%

調整額

-323

-

-189

-%

-

連結売上高

35,805

100.0%

37,521

100.0%

4.8%

ソリューションデザイン

1,705

15.7%

944

9.0%

-44.6%

フレームワークデザイン

578

19.7%

806

24.3%

39.3%

ITサービス

1,232

14.1%

1,367

15.3%

11.0%

ビジネスソリューション

723

5.9%

1,026

7.5%

41.8%

クラウド

226

21.0%

222

18.6%

-2.1%

海外

-12

-

-10

-

-

投資育成

-19

-

12

13.6%

-

調整額

-

-

-

-

-

連結営業利益

4,435

12.4%

4,368

11.6%

-1.5%

*単位:百万円。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

ソリューションデザイン事業-売上高104億53百万円(前年同期比3.8%減)、営業利益9億44百万円(同44.6%減)
車載分野で次世代モビリティーの開発需要が旺盛であり、今後も受注拡大に注力していく(特に完成車メーカーに近い立ち位置に徐々にシフト中)。また、DXサービス分野で自社サービスの引合いが増加。今後も自社サービス開発を積極的に推進する方針である。加えて、ビジネスパートナーとの連携強化と積極的な採用により同事業全体の人員は増加している。なお、ネットビジネス分野で不採算プロジェクトが発生(収束済み)し、リソースが割かれた他、機会損失も生じたことが業績の重しとなった。

 

フレームワークデザイン事業-売上高33億14百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益8億6百万円(同39.3%増)
金融分野はDX関連案件を中心に引合いが増加し、売上拡大に繋がっている。ホストマイグレーション、クラウド化対応など新規領域展開が進んだことも奏功した。また、公共分野は中央省庁案件から、地方自治体向け案件へ展開先を広げ、アプリ開発、インフラ両面で引合いが増加。法人分野では、ローコード開発を強化。DXラボを活用した保守・開発一体のサービスにより、新規案件獲得が進んでいる。

 

ITサービス事業-売上高89億49百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益13億67百万円(同11.0%増)
事業ドメインごとの組織編制を行い、主力サービスを明確化した。その中でPMOサービスの提案に注力し、売上・利益を拡大することに成功した。また、顧客のIT投資計画・ITイベントの把握のため、クライアント分析の強化にも取り組み、これまで未取引だった部門への営業を強化し、既存顧客内における横展開を実施。さらに、将来を見越した次期ロイヤルクライアントの獲得に向けた新規顧客の開拓にも注力している。

 

ビジネスソリューション事業-売上高136億37百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益10億26百万円(同41.8%増)
資源高や物価高など、先行き不透明感はあるものの、経済活動の正常化にあわせて営業活動を引き続き強化した。また、半導体不足から納品が遅れていたサーバ・ネットワーク製品の出荷も改善され、サービス案件の売上計上も増大している。システムインテグレーション事業では、デジタル化に向けたクラウド環境への移行、システム開発、保守サービス案件を受注した。さらに、ロードマップの把握から、IT機器の導入、インフラ構築、クラウドの活用、システム開発、保守運用に至る高付加価値のワンストップサービス案件が引き続き増大している。

 

クラウド事業-売上高11億92百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益2億22百万円(同2.1%減)
企業におけるDX推進の加速により、業務システムのリプレースニーズが高まり、短期間でリプレースが可能な「Canbus.」の引き合いが増加している。また、「Canbus.」を利用中の顧客からDXを推進すべく業務改革のPMOやインテグレーションも増加。アライアンスの強化を通じた新規開拓も伸長した。

 

海外事業-売上高68百万円(前年同期比2.4%減)、営業損失10百万円(同1百万円の損失縮小)
米国テック業界全体が低迷する中で、一部の製造業でのシステム開発検証業務が影響を受けるも、その他の日系企業でのシステム開発検証業務を新規受注した。また、日系企業のスタートアップ技術を検証するPoC開発検証業務でも新規受注があった。さらに、投資余力が出てきた製造業企業からはスマートファクトリー案件を追加受注している。
グループ会社のStrongKeyが業界を先駆けて、自社のセキュアネットワーク通信(PKI)を、スマートホーム統一規格(Matter)に対応させ、引き続き引き合いが急増している他、FIDO認証によるセキュリティ対策サービスが米国の大手通信事業者へ新規採用・納品まで進んだ。

 

3-3 財政状態

◎BS

 

23年3月

23年9月

 

23年3月

23年9月

現預金

25,033

27,325

仕入債務

6,096

5,781

売上債権

14,999

13,962

未払金・未払費用

2,459

2,656

商品

1,501

1,685

未払法人税

1,524

1,501

流動資産

42,275

43,857

賞与引当金

1,460

1,457

有形固定資産

1,622

1,499

有利子負債

1,550

1,550

無形固定資産

317

284

負債

14,228

14,121

投資その他

4,663

4,718

純資産

34,650

36,239

固定資産

6,603

6,502

負債・純資産合計

48,879

50,360

*単位:百万円。売上債権は受取手形と売掛金、契約資産の合計。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

23年9月末の総資産は前期末との比較で14億81百万円増の503億60百万円。資産サイドでは、流動資産において売掛金及び固定資産が減少した一方、現預金は増加。負債は、同1億7百万円減の141億21百万円。主に買掛金の減少が背景。純資産は、同15億88百万円増の362億39百万円。自己資本比率は71.0%と前期末比1.1ポイント上昇。

4.2024年3月期業績予想

4-1 連結業績

 

23/3期 実績

構成比

24/3期 予想

構成比

前期比

売上高

74,526

100.0%

80,386

100.0%

+7.9%

営業利益

9,844

13.2%

10,610

13.2%

+7.8%

経常利益

9,955

13.4%

10,644

13.2%

+6.9%

親会社株主帰属利益

7,317

9.8%

7,233

9.0%

-1.1%

*単位:百万円。

 

前期比7.9%の増収、同7.8%の営業増益予想
24/3期通期の会社計画は、売上が前期比7.9%増の803億86百万円、営業利益は同7.8%増の106億10百万円の予想。投資育成の領域を除き、全セグメントで増収増益となる公算だ。特にフレームワークデザイン事業、クラウド事業については2桁の増収増益が見込まれる。ただし、主力のソリューションデザイン事業では、中堅人財層を補完すべく積極的な人材採用を行う他、待遇面等のてこ入れに引き続き注力していくことからセグメント利益は概ね横ばいとなる見通しである。海外事業については黒字転換を目指す。なお、売上高営業利益率は13.2%と前期比とほぼ同水準の計画。

 

なお、配当見通しは上期5円、期末5円の年間10円と前期比2円の増額を想定。

 

4-2 セグメント別見通しと取組み

 

23/3期

構成比・利益率

24/3期 予想

構成比・利益率

前期比

ソリューションデザイン

22,375

30.0%

24,500

30.5%

9.5%

フレームワークデザイン

6,095

8.2%

6,900

8.6%

13.2%

ITサービス

17,753

23.8%

19,413

24.2%

9.3%

ビジネスソリューション

26,510

35.6%

27,630

34.3%

4.2%

クラウド

2,007

2.7%

2,250

2.8%

12.1%

海外

134

0.2%

178

0.2%

32.7%

投資育成

309

0.4%

175

0.2%

-43.5%

調整額

-660

-

-660

-

-

連結売上高

74,526

100.0%

80,386

100.0%

7.9%

ソリューションデザイン

3,926

17.5%

4,020

16.4%

2.4%

フレームワークデザイン

1,279

21.0%

1,450

21.0%

13.3%

ITサービス

2,521

14.2%

2,800

14.3%

11.1%

ビジネスソリューション

1,760

6.6%

1,874

6.8%

6.4%

クラウド

386

19.3%

439

19.5%

13.6%

海外

-29

-

1

0.6%

-

投資育成

0

-

26

14.9%

-

調整額

-

-

-

-

-

連結営業利益

9,844

13.2%

10,610

13.2%

7.8%

*単位:百万円。

 

◎ソリューションデザイン事業-売上高245億円(前期比9.5%増)、営業利益40億20百万円(同2.4%増)
高付加価値分野への積極的な展開と他事業部門間の連携強化で、さらなる受注拡大を目指す。

 

◆成長分野への積極展開
車載分野におけるEV化の需要、エネルギー需要の増加、人材不足によるDX化の需要から「車載」、「社会インフラ」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)サービス」分野へ積極展開

 

◆他事業部門間の連携強化
他事業部門や子会社とのクロスセル強化により、新たな顧客を創出し、受注拡大を目指す。
他事業部門と連携して社員の適材適所の配属を実施し、組織力強化を目指す。

 

◎フレームワークデザイン事業-売上高69億円(前期比13.2%増)、営業利益14億50百万円(同13.3%増)
金融、公共、法人それぞれで、成長分野への積極的な展開を継続。開発ノウハウと先端技術を活用し、受注の最大化を目指す。

 

◆既存事業の最大化と成長分野への展開
「保険/金融システム開発」、「基盤構築」を軸としたプロジェクトの継続と、「公共」、「法人」分野への積極展開を進め、強固な売上基盤を作る。

 

◆DX案件の積極受注
基幹システムの刷新(マイグレーション)、クラウドサービス活用など、DX案件の受注に向けた、営業・技術両面での体制を強化。

 

◆高付加価値案件の更なる拡大
DXラボを強化し「ローコード開発」、「DXソリューション」に対応したサービスを拡充。付加価値向上に伴う競争力の強化で、収益性の更なる向上を狙う。

 

◎ITサービス事業-売上高194億13百万円(前期比9.3%増)、営業利益28億円(同11.1%増)
DX需要に対し、サービス・市場・顧客において裾野を広げ、ビジネスフィールドの更なる拡大を目指す。

 

◆顧客ビジネスの成長により直結したサービスの提供に注力
クラウドソリューション等の各種ツール導入やビジネスプロセス改善に関するプロジェクトマネジメントサポートを行うPMOサービスの提供に注力。

 

◆継続的な成長を支える新たな顧客の開拓
アウトバウンドセールスに加えて、サービス紹介サイトやウェビナーなどインバウンドセールスの活用を強化。

 

◆アジャイル型開発におけるソフトウェアテストサービスの拡大
Web/アプリ/SNSゲームでのアジャイルテストサービスの知見を活かし、業務システム分野への積極展開。

 

◎ビジネスソリューション事業-売上高276億30百万円(前期比4.2%増)、営業利益18億74百万円(同6.4%増)
モノビジネスからサービスビジネスへと軸足をシフトする。

 

◆ソリューション領域拡大への投資
サービスメニューの拡充とプロフィット部門への営業展開。

 

◆ハイブリッド環境への取り組み強化
ハイブリッド環境への対応強化とクラウドメーカーとのアライアンス強化。

 

◆DX関連のサービス拡大
システム開発他、マルチクラウド環境でのアプリケーションの再構築事業を強化。

 

◆サービスの拡販による収益力の強化
ALL Systenaの全てのサービスをワンストップで提供。

 

◎クラウド事業-売上高22億50百万円(前期比12.1%増)、営業利益4億39百万円(同13.6%増)
『Canbus.』を中心とした自社サービスへの積極的な先行投資を行い、DX分野への展開を目指す。

 

◆Canbus.の認知度向上、販促強化
Canbus.のアライアンス強化を積極的に行い、認知度向上と新規開拓を促進する。

 

◆DX推進するためのプロジェクト推進サービスを提供
Canbus.のようなサービス提供だけではなく、PMOからChatGPTの活用などDX推進するための「DXデザインラボ」を提供。

 

◆サービス強化に伴う先行投資
販売促進のために営業、開発、サポートの「人材強化」を積極的に実施。

 

◎海外事業-売上高1億78百万円(前期比32.7%増)、営業利益1百万円(前期は29百万円の赤字)
◆自動車関連を中心とした日系製造業のシステムテスト業務の拡大と横展開
長年にわたってノウハウを蓄積してきた北米での自動車関連のシステムテスト実績を軸に拡大、横展開。

 

◆日系企業とスタートアップ企業とのPoC開発技術支援拡大
シリコンバレー日系企業が発見したスタートアップ企業の要素技術を確認するPoC開発業務の受注を拡大。

 

◆日本の開発部隊と連携から売上拡大
高止まりする米国の人件費、ドル円の為替相場を背景に、日本本社へのオフショア開発を積極営業展開。

 

◆DXサービス『Canbus.』やスマートファクトリーの販売を拡大
企業のDX支援アプリの「Canbus.」、工場のスマートファクトリー導入実績からの横展開。

 

◆グループ子会社との連携
StrongKey、ONE Techとの営業チームでの連携も更に強化し、両社のサービスを含めて世界中の企業へ営業展開。

 

5.今後の注目点

外部環境の不透明感に加え、当第2四半期連結累計期間で発生したソリューションデザイン事業における不採算プロジェクトの影響による要員配属の遅れや、同事業の立て直しに時間がかかること等に鑑み、中期経営計画を修正(当初目標から引き下げ)している。これ自体はもちろんネガティブな印象であるが、株価の面から見れば一時的な下げにとどまっており、ある程度想定していた向きもあったのかもしれない。
ただし、足元の上期決算の着地を見ると、クラウド事業を除き、一見好調に見える事業においてもモメンタムが第1四半期から若干ながら鈍化している。また、特にソリューションデザイン事業においては2023年3月期に中堅層の技術者の退職増による影響がネガティブに働いていた。2024年3月期はその部分に対する施策も功を奏したことで、人員の離脱自体は止まったものの、発生した不採算プロジェクトもこの動向が間接的に影響した形であると説明会の中で言及があった。再発防止策も講じたようだが、市場に先行き警戒感がやや残ってしまうのは致し方無い状況だろう。引き続き四半期毎に業績動向を注視していく必要がある。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

9名、うち社外3名

監査役

4名、うち社外4名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2023年10月1日)
基本的な考え方
当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります。

 

<実施しない主な原則とその理由>
補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保】
当社は、性別・年齢・人種・国籍・新卒中途などの属性に関わらず管理職への登用を行っており、実力に応じた処遇と適材適所を方針としていま す。詳細は以下のホームページをご覧ください。
https://www.systena.co.jp/sustainability/esg_society/esg_diversity.html

 

【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み】
当社のサステナビリティに関する取組みは以下のホームページをご覧ください。なお、プライム市場上場会社のみに課されているTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示についての当社の対応をご説明いたします。
当社はITサービスの提供を社業としており、物品の製造など環境負荷の高い事業は行っておりませんので、現在のところ、気候変動問題が当社事業に重大な影響を及ぼすことは想定されません。しかしながら、地球環境が人類共通の財産であり未来からの大切な預かりものであるという認識に基づき、2004年からISO140001の認証を取得し、資源利用の低減とごみの排出削減に努めております。また、気候変動にかかる企業各社の対応のうちIT化にかかる部分はすべて当社の事業領域であり、当社の収益拡大は、お客様の業務効率化に貢献し、資源利用の低減とごみの排出削減へとつながり、地球環境保全に貢献します。このため、当社の成長が気候変動を抑えることにつながると考えております。以上のような考え方に基づき、現在のところTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示には取り組んでおりません。今後、必要に応じて検討してまいります。なお、当社の環境に関する取り組みは、以下のホームページをご覧ください。

 

当社のサステナビリティに関する取組み
https://www.systena.co.jp/sustainability/
当社の環境に関する取組み
https://www.systena.co.jp/sustainability/esg_environment.html

 

【補充原則4-3③ 最高経営責任者を解任するための客観性、適時性、透明性のある手続きの確立】
当社は代表取締役社長が最高経営責任者として経営の大きな方向性の舵取り行い、業績等の適切な評価をもって社内を統率する体制を取っております。加えて代表取締役社長はいずれも独立役員の要件を満たした7名(社外取締役3名と社外監査役4名)の社外役員から牽制を受ける体制になっており、代表取締役社長を解任するような事態が生じた場合は独立役員からの提言をもとに取締役会にて議論のうえ、決定することで対処できると考えております。このため、現在のところ取締役会は最高経営責任者を解任するための客観性、適時性、透明性のある手続きの確立を行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

【補充原則4-10① 任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した諮問委員会の設置】
社外取締役3名と社外監査役4名の社外役員7名全員が東京証券取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしており、各々の独立役員が専門的な知見と豊富な経験を活かし、取締役会における特に重要な事項の審議に当たり、積極的に意見を述べるとともに、適時適切な助言が行われているため、現在のところ、独立した諮問委員会の設置は行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

<開示している主な原則>
【補充原則4-11③ 取締役会全体の実効性についての分析・評価、その結果の概要】
当社の取締役会の出席メンバーは13名で構成され、うち7名が社外取締役または社外監査役かつ東京証券取引所の定めに基づく独立役員であります。取締役会の実効性についての分析・評価を行うにあたり、「取締役会評価のためのアンケート」を用いて、取締役および監査役全員による取締役会の構成及び運営について自己評価を実施するとともに、社外取締役3名および社外監査役4名による社外役員ミーティングでこのアンケート分析結果に対する討議を行いました。
アンケートによる自己評価の分析結果および社外役員ミーティングでの討議の結果、当社の取締役会は役員それぞれの知識、経験等を活かし中長期的視点からの継続的成長と株主価値向上に資する議論がなされており、経営の監督に十分な議論が行われていることが確認できましたので、これをもって当社取締役会の実効性は確保されているものと評価いたしました。
当社は原則として、取締役および監査役による自己評価を参考にしつつ、取締役会全体の実効性についての分析・評価を毎年実施し、実効性を維持するとともに効果的な議論がなされるよう更なる改善を進めてまいります。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
https://www.systena.co.jp/ir/management/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

 

 

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