ブリッジレポート
(2687) 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア

スタンダード

ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア 2023年2月期第3四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

泉澤 豊

会長

 

泉澤 摩利雄

社長

株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア(2687)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード市場

業種

小売業(商業)

代表取締役会長

泉澤 豊

代表取締役社長

泉澤 摩利雄

所在地

千葉県千葉市美浜区中瀬1-7-1

決算月

2月

HP

 http://www.cvs-bayarea.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

408円

4,936,349株

2,014百万円

-

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

16.00円

3.9%

0.61円

668.9倍

574.15円

0.7倍

*株価は2/1終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE・BPSは2022年2月期実績。
時価総額は1/23終値×自己株式控除後発行済株式数、数値は四捨五入。

 

連結業績推移

決算期

営業総収入

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

配当

2019年2月(実)

10,916

31

-28

3,801

770.04

30.00

2020年2月(実)

10,427

37

165

-401

-

20.00

2021年2月(実)

7,318

-546

-548

-1,160

-

14.00

2022年2月(実)

7,209

-323

-358

-831

-

12.00

2023年2月(予)

6,847

35

16

3

0.61

16.00

*単位:百万円、円。
*予想は会社予想。

 

 

シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2023年2月期第3四半期決算と2023年2月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告いたします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年2月期第3四半期決算
3.2023年2月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 23/2期3Q累計は実質増収、経常損失18百万円(前年同期は2億19百万円の損失)。マンションフロントサービス事業においては、安定した収益を確保した。ホテル事業では、ビジネスホテルにおいて近隣のテーマパークの来園者の増加により収益の改善が進んだほか、10月に入り入国制限の撤廃や「全国旅行支援」が開始されたことを追い風に宿泊需要が急拡大したことにより、稼働率、客室単価ともに大幅に伸長し、収益の改善を牽引した。また、コンビニ事業においても店舗に併設する自社ホテルの宿泊者数の増加に加え、大規模イベントの開催やレジャー需要の高まりを受け、大きく改善した。

     

  • 通期予想に修正はなく、23/2期は売上高68億47百万円、経常利益は16百万円(前年同期は3億58百万円の損失)を見込む。ホテル事業では、ビジネスホテルは10月中旬以降、急速に回復。ユニット型ホテルでは、宿泊需要だけではなく、スマートフォンアプリゲームとのコラボを実施するなど、グッズ販売やファン同士の集いの場としての需要獲得も進める。マンションフロント事業では、今後もより細やかに居住者のニーズに対応していく。クリーニング事業では、既存顧客へのアプローチを強化し、需要の掘り起こしに向けた施策を進め、ハウスクリーニングなどの需要獲得に努める。なお、事業拠点の集約などによる業務効率化のため、9月末に自社工場を閉鎖した。配当についても修正なく、期末8.00円/株、年間で前期比4.00円増配の16.00円/株を予定。

     

  • 10月から政府の水際対策は緩和、「全国旅行支援」もスタートして下期は回復基調を強めている。国内に加えて外国人観光客も急増しており、ホテル事業は、11月に単月黒字を達成した模様。また、四半期営業収益ベースでは23/2期3Q(9-11月)で9四半期ぶりの黒字、損益分岐点の改善も進んでいる。来期を見据えると、観光客のさらなる回復による黒字の定着化のほか、大規模イベントの開催やレジャー需要の高まりを受け、回復に遅れの見られたユニット型ホテルの本格貢献も期待できる。加えて、成長に向けた軸ととらえているキャンプ場については、メディアに対し撮影場所として提供するなど露出も強化しており、認知度向上による利用者増加を見込んでいる。安定しているマンションフロント事業では、マンション居住者、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS」の貢献、自社工場を閉鎖したクリーニング事業では、業務効率化の進展に期待したい。株価については、引き続きPBRは1倍を大きく割りこんでいる。来期の黒字の定着化を考慮すると、株価の見直し余地が拡大しているといえそうだ。

     

1.会社概要

(1)沿革

1981年2月設立。「日常生活の便利さを提供できる会社になりたい」を企業理念とし、直営店主体のコンビニエンス・ストア(コンビニ)事業をスタート。その後、クリーニング事業およびマンションのフロント(業務)受託事業、ビジネスホテルの運営などに事業を拡大。
2000年12月、大阪証券取引所ナスダック・ジャパン(現:東証スタンダード)市場に株式上場。2006年2月には東京証券取引所市場第一部へ昇格した。
2009年11月、千葉県市川市にビジネスホテルの1号店となる「CVS・BAY HOTEL」を開業し、ホテル事業を立ち上げた。
2018年3月、会社分割によりコンビニ事業の一部を、企業フランチャイズ契約を締結していた株式会社ローソンおよびローソンが新設する子会社へ譲渡、「コンビニを営む会社」から「コンビニも営む会社」への転換を実施。マンションフロントサービス事業の事業領域拡大、ホテル事業の更なる強化のほか、M&A等により、常にチャレンジを続ける企業文化の下、「選択と集中」により成長企業への回帰を目指す。
2021年3月、組織変更を行うとともに、泉澤 摩利雄氏が代表取締役社長に就任。グループ企業理念を「生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する」とし、社会環境の変化とともに変わっていく消費者ニーズへの即応を図るとともに、多くのお客様に喜んで頂く価値あるサービスの拡充に努めている。

 

 

(2)主な事業内容

グループ企業理念:生活のなかで彩りを感じて頂く、
新しいサービスを発見し、創造し、提供する
ミッション:お客様の気持ちを、光あふれる明るい方向へと向ける、
そのようなサービスを実現すること

 

(同社資料より)

 

19/2期以降、主力事業はマンションフロントサービス事業となっているが、コンビニ事業も一部継続しているほか、ホテル事業の拡大、早期収益化に向けた各種施策の実行による既存ユニット型ホテル施設の早期収益化を図るとともに、新たな施設の開業のほか不動産投資事業やM&Aなどの新事業の創出などにより、数年内に分割対象事業の収益を補完することを目指していたが、21/2期については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を各事業が受け、特にホテル事業は大幅減収となった。22/2期はホテル事業の売上は前期比では大きく伸びたが、20/2期の水準には遠い。

 

*単位:百万円。

 

 

①マンションフロントサービス事業
19年2月以降の主力事業。連結子会社(株)アスクのほか地域運営会社8社が提供。

 

【事業内容】
マンション共有施設の案内や宅急便、クリーニングの取り次ぎ等、マンションのフロント業務を手掛けるマンションフロント(コンシェルジュ)サービス、レジデンスサポート(メンテナンスサポート、ハウスクリーニング事業者紹介等)、ミニショップやカフェの運営等を手掛けている。
業界トップのマンションフロントサービスでは、首都圏を中心に748件(22年11月末時点)の施設などを受託。マンション内の居住者同士のコミュニティ構築支援を目的とした、イベント開催やお祭り開催支援などのサービスも提供し、入居者の満足度向上を目指している。その他では、主サービスであるマンションコンシェルジュ業務にて培った高付加価値サービスを活かし、企業受付・シェアオフィスコンシェルジュサービスも提供している。また、(株)FA24との間で「クリーニング取次ぎ」や「ハウスクリーニング」サービスにおける相乗効果の創出を実現している。
近年は収益性を重視し、不採算物件の計画的撤退を進めてきたが一巡している。

 

②ホテル事業
【事業概要】
ホテル事業は、千葉県市川市の「CVS・BAY HOTEL」本館及び新館、浦安市の「BAY HOTEL浦安駅前」、東京都港区の「BAY HOTEL東京浜松町」、東京都千代田区の「秋葉原BAY HOTEL」、東京都江東区の「東京有明BAY HOTEL」からなる。

 

【事業展開】
同社が最も注力していた事業だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、慎重に事業展開を進めてきた。今後は社会情勢の変化を踏まえ、ウィズコロナ期において急速に回復する需要を取り込み、新たな付加価値の創出によるサービス品質の向上を目指し、事業展開を進める。施設毎のメインターゲットを明確にし、需要拡大に向けたマーケティング施策・レベニューコントロール施策を強化していく考え。

 

同社資料を元にインベストメントブリッジ」作成

 

 

<CVS・BAY HOTEL>
(概要)
09年12月開業。JR京葉線市川塩浜駅前でコンビニ併設のビジネスホテル。
JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から8駅22分、東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅6分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く、平日はビジネス客、週末はレジャー客と安定した集客を誇る。
本館(シングル21室、ダブル46室、ツイン41室)、15年12月に開業した新館(シングル/ダブル11室、ツイン38室、ファミリー2室、女性専用ユニット区画20室)、及び20年10月に増設したベイタワー(シングル42室、ツイン63室、トリプル2室)からなる。
新館は、本館よりもやや広いゆとりのある客室空間を提供し、やや高めの宿泊料金で本館と差別化を図っている。また、女性専用ユニット区画は安心清潔が評価されている。ベイタワーは本館と連絡通路で接続しており、1階には飲食テナントが入居するほか、2階には大浴場やセミナールームを完備するなど、旅行や出張、企業研修などの様々な用途で利用できるホテルとなっている。

 

CVS・BAY HOTEL(右はベイタワー)                                 CVS・BAY HOTEL新館

(同社資料より)

 

<BAY HOTEL浦安駅前>
18年6月開業。千葉県浦安市の東京メトロ東西線「浦安駅」徒歩1分の好立地に長期滞在にも快適なアパートタイプホテル(ツイン/トリプル48室)。
お風呂とトイレが別々、キッチン付で複数名での長期滞在可能なアパートタイプホテル。出張などのビジネス客から学生の就職活動、家族やグループ旅行に適している。

 

(同社HPより)

 

<BAY HOTEL東京浜松町>
20年7月開業。ビジネスホテル(ツイン27室、ダブル20室、ユニット48室)として東京初進出。
ビジネスホテルとユニット型ホテルを組み合わせた新たなタイプのハイブリッドホテルとして、ビジネスマンやバックパッカーのみならず日本人旅行者やグループ利用にも対応した宿泊形式を採用し、幅広い宿泊需要の獲得を目指している。
ユニット48室は23年1月よりリニューアル改装工事に着手。同3月より新しい部屋タイプ・プランが販売される予定。

 

 

 

(同社HPより)

 

<秋葉原BAY HOTEL>
16年5月開業。東京都千代田区神田練塀町にあり、いずれの秋葉原駅からも徒歩3分のユニット型女性専用ホテル(130ユニット)。

 

(同社HPより)

 

<東京有明BAY HOTEL>
15年12月開業のユニット型ホテルで、146ユニット(M80・W66)。東京都江東区東雲2丁目にあり、りんかい線東雲駅4分。ビッグサイト利用者に加え、舞浜やお台場の観光客も活用。

 

(同社HPより)

 

2.2023年2月期第3四半期決算

(1)連結業績

 

22/2期 3Q累計

構成比

23/2期 3Q累計

構成比

前年同期比

営業総収入

5,484

100.0%

5,124

100.0%

-

営業総利益

1,728

31.5%

1,938

37.8%

-

販管費

1,925

35.1%

1,925

37.6%

-

営業利益

-197

-

12

0.3%

-

経常利益

-219

-

-18

-

-

親会社株主に帰属する

四半期純利益

-288

-

-80

-

-

*単位:百万円。
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
*当第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、当該基準等適用前の前期の実績値に対する増減率は記載なし。

 

前年同期比で実質増収、18百万円の経常損失
営業総収入は51億24百万円(前年同期は54億84百万円)。なお、収益認識会計基準等の適用により営業総収入が5億45百万円減少しており、実質は小幅な増収。国内経済は、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、3月中旬に首都圏におけるまん延防止等重点措置が解除されて以降、経済活動が正常化に向かうなど明るい兆しが見られた。入国制限の上限撤廃や「全国旅行支援」などを追い風に宿泊業界を中心に需要の改善が大幅に進んだ。一方、ウクライナ危機の長期化による、世界的な資源価格の高騰のほか、日米金利差拡大を背景とした急速な為替変動による、個人消費への影響が懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いている。こうした環境下、マンションフロントサービス事業においては、安定した収益を確保した。ホテル事業においては、千葉県内で運営するビジネスホテルでは、近隣のテーマパークの来園者の増加により収益の改善が進んでいた。さらに、10月に入り入国制限の撤廃や「全国旅行支援」が開始されたことを追い風に宿泊需要が急拡大したことにより、稼働率、客室単価ともに大幅に伸長した。また、コンビニ事業においても店舗に併設する自社ホテルの宿泊者数の増加に加え、レジャー需要の高まりなどにより売上高。収益ともに改善が進んだ。
営業利益は12百万円(前年同期は1億97百万円の損失)。利益面では、営業総利益は前年同期17億28百万円から19億38百万円に増加した。販管費を微増に抑え、営業損益は大幅に改善した。経常損失は18百万円(前年同期は2億19百万円の損失)。店舗閉鎖損失引当金繰入額37百万円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する四半期純損失は80百万円(前年同期は2億88百万円の損失)。なお、収益認識会計基準等の適用による各利益への影響は軽微だった。

 

セグメント別収益

 

22/2期

3Q累計

構成比

/利益率

23/2期

3Q累計

構成比

/利益率

前年同期比

ホテル事業

397

7.3%

620

12.1%

-

マンションフロントサービス事業

3,414

62.3%

3,213

62.7%

-

クリーニング事業

593

10.8%

177

3.5%

-

コンビニ事業

1,004

18.3%

1,051

20.5%

-

その他事業

141

2.6%

125

2.5%

-

消去・全社

-67

-

-64

-

-

営業総収入

5,484

100.0%

5,124

100.0%

-

ホテル事業

-223

-

-78

-

-

マンションフロントサービス事業

321

9.4%

318

9.9%

-

クリーニング事業

19

3.2%

16

9.3%

-

コンビニ事業

19

2.0%

64

6.1%

-

その他事業

31

21.9%

35

28.0%

-

調整額

-365

-

-342

-

-

セグメント利益

-197

-

12

0.3%

-

*単位:百万円。
*営業利益は営業総収入利益率。
*数値は切捨て、率は四捨五入。
当第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、当該基準等適用前の前期の実績値に対する増減率は記載なし。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

ホテル事業
事業収入6億20百万円(前年同期は3億97百万円)、セグメント損失78百万円(前年同期は2億23百万円の損失)。
各施設においては、新型コロナウイルス感染症の感染予防の徹底に努め、安心安全な宿泊サービスを提供した。また、法人や学校などの団体予約の獲得のほか、宿泊予約の早期獲得に向けたプランニングの整備を進めてきた。千葉県内で運営するビジネスホテル施設においては春先以降、近隣のテーマパークの来園者の増加などにより、レジャー関連の宿泊者数の改善が進んだほか、スポーツイベントや研修などの団体需要への営業を強化し、顧客獲得を積極的に進めた。さらに、10月に入り入国制限の上限撤廃や「全国旅行支援」などを追い風に、宿泊需要が急拡大したことにより、稼働率・客室単価とも大幅に改善が進んだ。都心を中心に運営しているユニット型ホテルにおいては、本格的な需要回復にはさらに一定期間を要することが見込まれるが、「全国旅行支援」開始に伴い10月中旬以降、都心における宿泊需要の回復とともにビジネスホテルの客室単価が高騰していることを受け、より手軽に利用できるユニット型ホテルへの需要は大幅に改善している。尚、11月には単月で黒字を確保するに至った。なお、収益認識会計基準等の適用による事業収入への影響は軽微、セグメント利益への影響はなかった。

 

マンションフロントサービス事業
事業収入32億13百万円(前年同期は34億14百万円)、セグメント利益3億18百万円(前年同期は3億21百万円)。
新型コロナウイルス感染症の影響による、在宅勤務の増加や行動様式の変化などにより、フロントでのクリーニング取扱高、マンション内のショップ売上及び居住者向けのイベント開催支援などの付帯サービスは苦戦が続いていたが、コロナ禍から通常の社会生活へと戻りつつある中で緩やかな回復傾向にある。また、マンション居住者、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS」の機能拡充に加え、100世帯以下の中・小規模マンション向けの「OICOS Lite」ならびに、同シリーズと連携可能なスマホアプリ「OICOS App」を通じ、マンション規模が小さく有人フロントサービスを提供出来ない施設への導入提案を推進しており、併せて関係取引先が提供するサービスとも連動した新たなサービス領域の開拓も行っている。3Q末の総受注件数はカーシェアリングサービスの縮小などにより前期末比6件減の748件となった。なお、収益認識会計基準等の適用により事業収入は1億9百万円減少しているが、セグメント利益への影響はなかった。

 

クリーニング事業
事業収入1億77百万円(前年同期は5億93百万円)、セグメント利益16百万円(前年同期は19百万円)。
新型コロナウイルス感染症の影響は、徐々に落ち着きが見られているものの、個人向けクリーニングにおいては、取次拠点の減少に加え、在宅勤務の普及によるワイシャツ、スーツのクリーニングの需要減少などにより、取次件数の減少傾向が続いている。なお、収益認識会計基準等の適用により事業収入は4億29百万円減少しているが、セグメント利益への影響はなかった。

 

コンビニ事業
事業収入10億51百万円(前年同期は10億4百万円)、セグメント利益64百万円(前年同期は19百万円)。
同社の強みである独創性を持った店舗作りを目指し、フランチャイズ本部が推進する各種施策に加え、立地特性に対応した独自仕入商品の販売を行うなど積極的な販売施策を進めた。まん延防止等重点措置が解除された3月中旬以降、レジャー需要の回復傾向が続いたことや主力店舗近隣の大規模展示場においては、夏場以降、大規模イベントが概ね通常通り開催されるなど、来場者数が大きく増加した影響を受けた。加えて、自社ホテルに併設する店舗においても宿泊者数の増加などにより夕夜間の来店客数が増加したことで、売上高は大きく伸長した。なお、収益認識会計基準等の適用による事業収入への影響は軽微、セグメント利益への影響はなかった。

 

その他事業
事業収入1億25百万円(前年同期は1億41百万円)、セグメント利益35百万円(前年同期は31百万円)。
その他事業としては、事業用不動産の保有や賃貸管理のほか、ヘアカットサービス店舗の運営など、各種サービスの提供を行っている。
千葉県成田市にて運営しているキャンプ場においては、ゴールデンウイークには多くの若者や家族連れの顧客からの利用があったほか、7月より『手ぶらでキャンプ』プランの販売を開始するなど新たな需要の開拓に努めた。また、来場者の少ない平日にはメディアの撮影場所のほかイベント会場として貸し出すなど、立地特性を生かした営業活動も行ってきた。なお、21年6月よりヘアカットサービス2店舗の運営形態を見直し、業務委託に変更したことで、セグメント売上高は減少している。収益認識会計基準等の適用による事業収入、セグメント利益への影響は軽微だった。

 

(2)財政状態

 

22年2月

22年11月

 

22年2月

22年11月

現預金

1,732

1,854

仕入債務

139

190

売上債権

422

429

短期有利子負債

2,025

2,090

有価証券

-

-

流動負債

3,178

3,023

たな卸資産

55

58

長期有利子負債

2,814

2,523

流動資産

2,347

2,649

長期預り保証金

359

347

有形固定資産

4,040

3,234

固定負債

3,394

3,086

無形固定資産

40

38

純資産

2,834

2,677

投資その他

2,978

2,864

負債・純資産合計

9,406

8,786

固定資産

7,059

6,137

有利子負債合計

4,840

4,614

*単位:百万円。
*有利子負債=借入金+リース債務(長期のみ)。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

3Q末における資産合計は、前期末比6億20百万円減少し、87億86百万円となった。その主な内訳は、現預金が1億22百万円、未収入金が1億26百万円それぞれ増加したことなどにより流動資産が3億1百万円増加し、また、有形固定資産が8億5百万円減少したことなどにより固定資産が9億21百万円減少したことであった。
負債合計は、前期末比4億63百万円減少し、61億9百万円となった。その主な内訳は、短期借入金が2億50百万円増加した一方、未払金が3億54百万円減少したことなどにより、流動負債が1億55百万円減少し、また、長期借入金が2億84百万円減少したことなどにより、固定負債が3億8百万円減少したことであった。
純資産は、前期末比1億56百万円減少し、26億77百万円となった。その主な内訳は、剰余金の配当を行ったほか、親会社株主に帰属する四半期純損失を80百万円計上したことであった。
自己資本比率は前期末30.1%から30.5%となった。

 

3.2023年2月期業績予想

(1)通期連結業績

 

22/2期 実績

構成比

23/2期 予想

構成比

前期比

期初予想

営業総収入

7,209

100.0%

6,847

100.0%

-

7,090

営業利益

-323

-

35

0.5%

-

224

経常利益

-358

-

16

0.2%

-

193

親会社株主に帰属する当期純利益

-831

-

3

0.0%

-

120

*単位:百万円。

*2023年2月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用するため、上記の連結業績予想は当該会計基準等を適用した金額となっているが、比較対象となる会計処理方法が異なるため、営業総収入の対前期増減率は記載していない。

 

23/2期は実質増収予想、経常利益は16百万円を見込む
通期予想に修正はなく、23/2期は売上高68億47百万円、営業利益35百万円(前期は3億23百万円の損失)、経常利益は16百万円(同3億58百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は3百万円(同8億31百万円の損失)を見込む。尚、売上高は収益認識会計基準適用等の適用により8億円程度押し下げられる見込み。実質は4.4億円程度の増収見通し。
ホテル事業では、ビジネスホテルは10月中旬以降急速に回復。ユニット型ホテルでは、スマートフォンアプリゲームとのコラボを実施するなど、宿泊需要だけではなく、グッズ販売やファン同士の集いの場としての需要獲得をさらに進める。マンションフロント事業では、9月1日付で会社分割により新たに地域運営会社を5社設立しており、今後もより細やかに居住者様のニーズに対応していく。クリーニング事業では、既存顧客へのアプローチを強化し、需要の掘り起こしに向けた施策を進め、ハウスクリーニングなどの需要獲得に努める。なお、事業拠点の集約などによる業務効率化のため、9月末に自社工場を閉鎖した。
尚、3Q累計決算において借地契約の満了に伴い、コンビニ店舗及び転貸用不動産の閉鎖に係る費用として店舗閉鎖損失引当金繰入額37百万円、減損損失13百万円をそれぞれ特別損失として計上したが、通期の業績予想には含まれていない。
配当についても修正なく、期末8.00円/株、年間で前期比4.00円増配の16.00円/株を予定。

 

 

(2)期初に掲げた事業方針

経営理念・ミッション
経営理念:生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する
ミッション:お客様の気持ちを、光あふれる明るい方向へと向けるそのようなサービスを実現すること

 

セグメント別事業方針

 

ホテル事業

既存需要に依存しないビジネスモデルの構築

⇒団体研修等の法人需要獲得

・需要の変化に対応したホテルコンセプトの再構築

⇒メディアコンテンツとのコラボ企画、ユニットルームの改装など

 

マンション

フロントサービス事業

非有人型サービスプラットフォームの構築

⇒Web、Appを活用した新規物件の獲得、ショッピングサイト拡充

・非マンション分野での受付業務の拡大

⇒シェアオフィス、コワーキングスペースでの受付業務獲得

 

コンビニ事業

・基本オペレーションの標準化

⇒業務効率化による収益性の改善

・店舗毎の商圏に対応した品揃えの強化

⇒既存需要の売上最大化+各種イベントに対応した独自商品仕入

 

クリーニング事業

・既存顧客(提供物件)へのアプローチ強化

⇒需要の掘り起こしを目指す

・取引先の選択と集中

⇒バックオフィスの業務削減による管理コストの削減

 

ホテル事業
新型コロナウイルス感染症が急速に拡大した20年2月以降、インバウンド需要が激減したことに加え、出張や旅行の自粛による国内宿泊需要の急速な減少により、千葉県内のホテル稼働率は低調に推移した。今後は社会情勢の変化を踏まえ、ウィズコロナ期において急速に回復する需要を取り込み、新たな付加価値の創出によるサービス品質の向上を目指し、事業展開を進める。

 

①市川塩浜ビジネスホテル・・・スケールメリット活用を活かした団体旅行への営業強化
 増築棟の開業により市川塩浜エリアにおける総客室数は280室超まで拡大
 ⇒営業職を増員し旅行代理店等を通じて法人団体や、教育旅行団体への営業を強化

 

②浦安ビジネスホテル・・・利用客層と親和性の高いコンテンツとのコラボによる高付加価値サービスの提供
 家族連れ、女性の比率が高い(テーマパーク利用者)
 ⇒子供、女性向けのコンテンツとのコラボ企画を展開し、客室単価の向上を目指す

 

③コロナ禍の需要の変化に対応したホテルコンセプトの再構築
 コロナ禍の影響により、カプセルルームへの需要が大きく減少
 秋葉原BAY HOTEL➡立地特性を活かしメディアコンテンツとコラボを継続的に実施
 コロナ禍においても多くのファンが利用
 ファンの集うサロン+グッズ販売+宿泊 = 付加価値空間の提供による差別化された需要取り込む

 

 BAY HOTEL東京浜松町➡ユニット48室は23年1月よりリニューアル改装工事に着手。同3月より新しい部屋タイプ・プランが販売される予定。

(同社資料より)

 

マンションフロントサービス事業
マンション業界の概要
昨年の全国のマンション販売戸数はコロナ禍で供給が落ち込んだ一昨年の反動から増加も、建設コストの高止まりに加え、建設に適した用地の不足から、1棟当たりの戸数が小規模な物件が増加傾向にあり、有人のコンシェルジュサービスを導入可能な大型マンションの新規物件は減少傾向が続いていく見通し。
既存のマンションフロントサービスは維持しつつ、新サービスの開発、新規市場の開拓が不可欠

 

今後の受付サービスの事業展開
①有人型のコンシェルジュ受付サービスの提供

マンション新規着工件数は減少傾向にあり、新規物件に加え企業受付などの獲得も進める

⇒高品質なサービスによる付加価値の追求を目指す。
※近年は、シェアオフィスでの受付業務を積極的に拡大

 

②アプリケーションを活用した新たな受付サービスの展開
・前期にリリースしたマンション居住者向けサイト「OICOS Lite」及び「OICOS App」の提供拡大
共用施設の予約や管理規約、掲示板の閲覧などのフロントサービス機能を搭載
有人型導入の提案が難しい小規模物件においてもサービスの提供が可能
・ITを活用したプラットフォーム事業の展開
独立系として国内最大級のマンション受託件数を持つ強みを活かし、
居住者向けのサービスや厳選した商品の販売を行うWEBサイト(GEM|ショップ)を展開
22年初夏に再リニューアルを実施済み。ビジネスパートナー拡大により取扱商品の拡充を進めていく

 

マンション居住者に向けた取り組み

OICOSシリーズ

マンション(分譲・賃貸)、学生寮・社員寮他、会員登録制のWEBサイト及びアプリケーション

⇒有人受付サービスの代替機能

・共用施設の予約、鍵の受渡、料金決済

・問合せ等コールセンター機能の代替

規模の小さい物件でもサービス提供可能に

GEMショップ 

マンション(分譲・賃貸)向けの会員登録制のショッピングサイト 

⇒国内最大級のマンション受託件数を持つ強みを活かしたプラットフォーム事業

・当社が厳選した商品を居住者へ提供

マンション居住者とサプライヤーを繋ぐプラットフォームとしてサービスを提供

 

 

22年初に簡易版、App版をリリース

 

取扱商品は約100種類。更なる拡充を進める

(同社資料より)

 

成田スカイウェイBBQ (CAMP)~21年6月1日オープン~
千葉県成田市に保有する約20,000㎡の広大な土地を活用
※日常生活から離れた不便さを自由なアイディアで楽しんでもらう場所として提供
⇒初期投資を抑制しつつ、コロナ禍における生活様式の変化に対応した事業

 

(同社資料より)

SNSでの口コミや、人気ユーチューバーからの雑誌取材等により、認知度が上昇
開業初年度の売上高は想定を大きく上回る結果に!

 

なお、新規事業として千葉県成田市内で計画するグランピング施設の2024年3月以降の開業に向け、人気の農園リゾート「THE FARM」(千葉県香取市)を運営する株式会社ザファームとパートナーシップ契約を締結し、同社の創業以来の強みでもある独創性に富んだサービス提供力と、ザファーム社が持つ農園・アウトドアリゾートの開発やキャンプ・グランピング施設の運営ノウハウを組み合わせることで、より付加価値の高いサービスの提供及び施設運営の実現を進めていくことを発表しており展開に注目したい。

 

コンセプト
~日常生活では体験できない 「快適+気軽なアウトドア」~

(同社資料より)

*株主優待制度
毎年2月末日、8月31日の株主名簿に記載または記録された100株(1単元)以上の当社株式を保有する株主が対象。
22年6月より同社運営のキャンプ場「成田スカイウェイ BBQ(CAMP)」で利用できる優待券を新たに拡充した。

 

株主優待制度変更の内容

 

利用可能施設

(同社開示資料より)

 

 

4.今後の注目点

新型コロナ感染症第7波到来に伴い、観光客の回復が想定を下回ったことが、10月の通期予想修正の主因となった。しかし、それ以降は政府の水際対策が緩和され、「全国旅行支援」がスタートしたこともあり、下期は回復基調を強めている。国内に加えて外国人観光客も急増しており、ホテル事業においては、11月には単月黒字を達成した模様。また、四半期営業収益ベースでは23/2期3Q(9-11月)で、売上高は17億67百万円、営業利益57百万円と21/2期2Q(6-8月)以来、9四半期ぶりの黒字。また、前年同期との比較では、収益認識会計基準適用等の適用を考慮すると小幅な増収ながら営業損益は前年同期70百万円の損失から黒字転換しており、損益分岐点の改善も進んでいる。今後は特に外国人観光客の回復余地も大きいと考えられる。
来期を見据えると、観光客のさらなる回復による黒字の定着化に加え、大規模イベントの開催やレジャー需要の高まりを受け、回復に遅れの見られたユニット型ホテルの本格貢献も期待できる。加えて、成長に向けた軸ととらえているキャンプ場については、メディアに対し撮影場所として提供するなど露出も強化しており、認知度向上による利用者増加を見込んでいる。安定しているマンションフロント事業では、マンション居住者、管理組合、管理会社向け支援ツールスマホアプリ「OICOS」の貢献、自社工場を閉鎖したクリーニング事業では、業務効率化の進展に期待したい。株価については、引き続きPBRは1倍を大きく割りこんでいる。来期の黒字の定着化を考慮すると、株価の見直し余地が拡大しているといえそうだ。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役(監査等委員除く)

8名、うち社外取締役 4名

監査等委員

3名、うち社外取締役 3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日 2022年5月31日

 

<基本的な考え方>

 

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主の皆様やお客様、従業員、地域社会などのすべてのステークホルダーと適切な 関係を構築し、社会的責任を果たしていくことであると考えております。この考え方は、当社の社是である「明日への誓い」のなかで、すべてのステークホルダーに対し“より良き明日の実現”を誓い、実践する経営を目指していくことを掲げていることに基づくものです。そのためには、法令遵守のほか、経営の透明性や効率性をより一層高めていくことが不可欠であり、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

法令遵守においては、企業理念を具現化した「企業行動基準」を定め、同基準を当社グループに横断的に運用しているほか、各従業員に対し、日頃の業務時に振り返ることができるよう、行動指針の要点をまとめた携帯可能なガイド冊子を配付しており、当社グループの全社員が法令および定款などを厳守した行動を行うよう周知を図っております。

 

当社は監査等委員会設置会社制度を採用しております。これは監査等委員である取締役が、取締役会において議決権を行使することを通じ、取締役会の透明性や監督機能の強化を図ることを目的としております。また、当社の職務執行が適正かつ効率的に行われるよう、社外取締役および監査等委員である社外取締役(独立役員1名含む)の出席のもと、毎月定例で取締役会を開催し、業務執行取締役や業務執行役員および子会社の取締役より職務執行に関する報告を実施しているほか、重要事項の審議・決定を行うことでグループ全体の業務の適正に努めております。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則を実施しないおもな理由>

 

補充原則1-2-4.議決権の電子行使を可能とする環境作り及び招集通知の英訳
補充原則3-1-2.英語での情報の開示・提供
当社の株主における海外投資家の比率は相対的に低く、現状の議決権行使状況に大きな支障はないものと考えているため、コスト等を踏まえ、議決権電子行使プラットフォームの利用、招集通知の英訳および英語での情報開示は実施しておりません。今後は、株主構成(外国人株主や機関投資家の株式保有比率など)や議決権行使状況、あるいは株主の利便性を考慮の上、検討を進めてまいります。

 

原則1-3.資本政策の基本的な方針
当社は、これまで公募増資や立会外分売を行ってきたことで、経営陣である創業者およびその関係者による持株比率の低下が進んでまいりましたが、現在も創業者およびその関係者が議決権の過半数近くを所持しており、上場企業として、所有と経営の分離のあり方については、今後の検討課題と認識しております。また、新株発行による資金調達については、既存株主の利益を不当に毀損することがないよう、当社の中長期的な成長を実現し、利益の拡大が見込まれるなど、その必要性や合理性について取締役会で審議・監督してまいります。また、その内容については、株主の皆さまに対し適切に開示、説明を行うこととしております。収益につきましては、将来の企業価値拡大のための事業投資に備えた内部保留の充実を図りつつ、株主の皆さまへ安定的かつ継続的な利益還元を行ってまいります。

 

原則2-3-①.サステナビリティを巡る課題への対応
補充原則3-1-③.サステナビリティを巡る取組みの開示
補充原則4-2-②.サステナビリティを巡る取組みの基本方針の策定
当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向け、ESG(Environment/環境、Social/社会、Governance/企業統治)が非常に重要であるとの認識のもと、今後は目標値を設定すべく、具体的に取り組んでまいります。当社グループは「生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する」という経営理念の実現を、永続的に行うことを目的とし、廃棄物の削減・資源の有効活用・リサイクル商材の積極的活用・電気設備投資を要さない事業の実現を検討するとともに、多様性の確保に向けた人材登用・育成や、交通機関による移動を要しない在宅勤務の支援、ライフスタイルに配慮した時短勤務・フレックス勤務等の拡大を図り、時代の変化に対応した働きやすさの追求に注力しております。サステナビリティ課題への積極的・能動的な貢献が、当社にとっても重要であるとの認識を持ち、経営戦略の開示にあたっては、自社のサステナビリティについての取組みを適切に開示するよう努めるとともに、今後は、自社のサステナビリティに対する人的資本や知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ、分かりやすく具体的に情報を開示・提供できるよう、努めてまいります。

 

補充原則2-4-1.中核人材の登用等における多様性の確保
当社グループは、事業環境の変化に則して多様な人材を見出し、性別、国籍、年齢等に関係なく採用・評価を行っており、先進的かつ独創性のある人材確保に注力しております。さらに、優秀人材の育成・確保に向け階層別研修を整えるなど、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置等を行っております。ただし、女性・外国人・中途採用者が、全従業員に占める割合が少ない当社においては、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等に関する測定可能な目標を設けるまでに至っておりませんが、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用は既に行っており、2021年6月には、新任執行役員に女性を登用するなど、多様性の確保に向けた取り組みをさらに強化しております。今後は、測定可能な数値目標の作成について検討するとともに、育児休業の取得や復職後の時短勤務、リモート勤務の選択など、ライフスタイルに合わせた働きやすさや社内環境の整備・拡充を図ってまいります。

 

原則3-1.情報開示の充実(1)会社の目指すところや経営戦略、経営計画
補充原則4-1-2.中期経営計画の実現
当社グループは、主な中期的な経営目標として、会社の持続的な成長に向けた営業利益の安定的な確保および新たな事業の確立を目標としております。コンビニエンス・ストア事業の再編以降、収益性を重視した経営方針のもと各事業の事業計画の再構築を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化を受け、ホテル事業においては、稼働率、売上高ともに苦戦が続いており、これまでに4棟を閉店するなど、早急な収益改善が重要な経営課題であると認識しております。これまでの事業モデルを見直すとともに、コロナ後を見据えた需要の変化に対応したマーケティング施策の実施を進めていくことで、収益改善に努めてまいります。またマンションフロント事業においては、中・小規模マンションの居住者、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS Lite」の導入物件数の拡大のほか、マンション居住者向けに厳選した商品の販売を行うショッピングサイトの取扱商品の拡充を進めていくことに加え、非マンションフロントサービスの案件獲得に努めてまいります。さらには新規事業の創出による新たな収益基盤の構築を図ってまいりますが、現時点において中長期的な数値目標は定めておりません。

 

補充原則4-3-2.客観性・適時性・透明性ある手続きによるCEOの選任
補充原則4-3-3.CEOを解任するための客観性・適時性・透明性ある手続きの確立
当社では、独立した諮問委員会を設置しておりませんが、CEOの選解任は、会社における最も重要な戦略的意思決定であることを踏まえ、取締役会において、独立社外取締役の適切な関与・助言を得た上で、CEOの選解任を決議することとしております。

 

原則4-8.独立社外取締役の有効な活用
当社の独立社外取締役は1名ですが、幅広い専門知識と豊富な経験に基づき、取締役会では自由闊達な議論がなされており、独立社外取締役としての責務を十分に果たしております。今後の社外取締役の増員につきましては、当社の規模、経営環境等を総合的に勘案し、検討してまいります。

 

補充原則4-10-1.独立した委員会の設置
当社は、機関設計として監査等委員会設置会社制度を採用しており、取締役(監査等委員である取締役を除く)5名、監査等委員である取締役3名によって取締役会を構成しており、当社の企業規模などに鑑み、現状の体制が適切であると判断しております。任意の仕組みの活用については、現時点においては、独立した指名委員会や報酬委員会を設置しておりませんが、企業規模の拡大など、必要に応じ、検討いたします。

 

原則4-11.取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件
補充原則4-11-1.取締役の選任に関する方針・手続き
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く)の人数は9名以内、監査等委員である取締役は5名以内と定款で定めております。取締役会は取締役5名(監査等委員である取締役を除く)、監査等委員である取締役3名で構成されており、当社の事業規模、事業内容において、経営の効率性を確保する観点から、現状の規模は適正であると考えております。また、その人選においては、各事業分野に精通した人物を選任し、知識・経験・能力のバランスを確保するよう努めております。取締役会の国際性については、当社の事業範囲が国内に限定されているため、現時点においては検討しておりませんが、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性の追求が重要であることを認識しております。ただし一方で、上場から20年近くを経た2018年3月に大規模な会社分割を行ったことにより、社員数は大幅に減少したものの、2001年入社の新卒社員が勤続20年を経て、2021年5月、新任取締役に就任するなど、知識・経験・能力を持つ社内人材の育成が進んでいること、また、様々な分野での活躍経験を授けることを目的に、当社グループ間異動による人事交流も積極的に行うことで多様性の確保に努めていることに加え、役員報酬の総額を当社グループの事業規模に見合った水準に抑えていることもあり、多様性の確保だけを目的とした役員の登用については、その必要性を含め、今後も取締役会において慎重に議論してまいります。なお、スキル・マトリックスをはじめとした取締役の有するスキル等の組み合わせの開示についても、今後、検討してまいります。

 

補充原則4-11-3.取締役会の実効性の分析及び評価
当社取締役会は、定例の取締役会における議論および相互の監督を通じて、取締役会全体の機能の向上を図っており、各取締役の自己評価および取締役会の実効性についての分析・評価およびその開示方法については、引き続き検討してまいります。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

 

原則1-4.いわゆる政策保有株式
当社は、政策保有株式を保有しておりませんが、保有する場合には、「業務提携、取引の維持・強化および株式の安定等の保有目的の合理性」を検討し取締役会で諮ることとします。また、政策保有株式を保有した場合の議決権行使については、当社と投資先企業双方の持続的成長と、中長期的な企業価値向上に資するかを基準として総合的に判断するほか、政策保有株主との取引については経済合理性が十分か検証したうえで、決定いたします。

 

原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮
当社は、企業年金制度は導入しておりません。

 

原則3-1.情報開示の充実
(3)経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっての方針と手続
当社の取締役の報酬につきましては、基本報酬および非金銭報酬により構成し、監督機能を担う社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみを支払うこととしております。なお、非金銭報酬等については、必要に応じ、取締役会において具体的な方針および内容について検討を行うものとしております。各取締役の基本報酬の額については取締役会決議に基づき代表取締役社長がその具体的内容について委任を受けるものとし、代表取締役は当社の業績水準に加え、各取締役の職責および貢献度を考慮しながら、総合的に勘案して決定しており、その総額は株主総会で定められた報酬限度額の範囲内となっております。また、監査等委員である取締役の報酬につきましては、株主総会で定められた報酬限度額の範囲内で監査等委員会の協議により決定しております。

 

(4)取締役の選解任および指名の方針と手続当社取締役会は、経営陣幹部の選任については、それぞれの経験・実績等を分析しながら、その資質や人格を十分に有する者を指名し、社外取締役候補者については、取締役会全体の監督・監視機能の強化を図るべく、多様な知見や豊富な経験を持つ候補者をそれぞれ指名しております。なお、監査等委員である取締役候補者については、監査等委員会の同意を得ることとしております。経営陣幹部の選任にあたっては、上記の選任要件をもとに取締役会が選任した候補者の議案について独立社外取締役が出席する監査等委員会において適切かどうか検討を行ったのち、取締役会において決議します。経営陣幹部の職務執行に重大な法令・規則違反等があった場合や取締役としての資質や職務遂行能力を満たさないと判断した場合は、取締役会において、独立社外取締役が出席することを必須要件として、役付けの罷免を決議することとしております。

 

原則4-2-1 客観性・透明性のある経営陣の報酬制度の設計及び具体的な報酬額の決定
経営陣の具体的な報酬を決定するにあたっては、事前に独立社外取締役を含む監査等委員会がその内容を審議することで、客観性・透明性ある手続きを確保してまいります。

 

 

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