ブリッジレポート
(7127) 株式会社一家ホールディングス

スタンダード

ブリッジレポート:(7127)一家ホールディングス 2023年3月期第2四半期決算

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武長 太郎 代表取締役社長

株式会社一家ホールディングス(7127)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード

業種

小売業(商業)

代表取締役社長

武長 太郎

所在地

千葉県市川市八幡2-5-6 糸信ビル3F

決算月

3月末日

HP

https://ikka-holdings.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

637円

6,683,700株

4,257百万円

64.8%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00円

-

23.93

26.6倍

87.93円

7.2倍

*株価は12/2終値。ROE、BPSは22年3月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

7,078

289

286

122

19.84

0.00

2020年3月(実)

7,991

167

129

-122

-19.82

0.00

2021年3月(実)

3,426

-1,115

-1,131

-949

-153.86

0.00

2022年3月(実)

4,424

-729

-751

189

28.56

0.00

2023年3月(予)

8,961

279

255

159

23.93

0.00

*単位:百万円、円。17年10月12日付で1:20、18年6月15日付で1:2、19年10月1日付で1:2の株式分割を実施。EPSは遡及して調整。

 

*同社は2021年10月1日に単独株式移転により設立されたため前期実績はなし。本レポート中で記載している21/3期及びそれ以前の各種数値は全て上場廃止となった子会社である一家ダイニングプロジェクト(9266)のものを参考値として掲載。

 

株式会社一家ホールディングスの2023年3月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年3月期第2四半期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 23年3月期第2四半期は、全店通常営業を実施することができたこともあり、飲食事業は前年同期から大幅に回復。ただし、新型コロナウイルス感染者数は7月頃から第7波の影響により急増したことに加えて、原材料費の高騰や人材不足及び採用コストの増加など、依然として厳しい状況が続いている。ブライダル事業の回復は安定的に継続しており、売上高は37億86百万円、営業損失は1億8百万円で着地。なお、最終損益は赤字転換に見えるが、前年同期は各種特別損益の影響があることを考慮する必要がある。新規出店は3店舗。店舗数は2022年9月末で74店舗。

     

  • 23年3月期は、売上高が89億61百万円の予想。飲食事業の新規出店については、引き続き既存業態の出店による主力ブランドの認知向上、ブランド力向上に加え、新生活様式のニーズに対応した新規業態開発を行っていく方針。営業利益は2億79百万円の予想の他、各利益段階で黒字化を見込む。新規出店に伴う開業コスト、本部人員増など販管費も増加するが増収により吸収する。

     

  • 下期には、大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん 亀戸店(2022年12月8日OPEN予定)、韓国屋台 ハンサム 渋谷店(2023年1月16日OPEN予定)、韓国屋台 ハンサム 有楽町店(2023年3月下旬OPEN予定)の新規出店が説明会時点で決定している。特に韓国屋台 ハンサム 渋谷店はある意味で業態の先行きと終わりを測るバロメーターとしてはうってつけの店舗となりそうだ。なお、コロナ禍の状況も踏まえ、無理に期初段階で計画していた新規出店10店舗を目指すより、既存店の改善、てこ入れなどを優先しているもよう。

     

1.会社概要

グループミッションとして『あらゆる人の幸せに関わる日本一の“おもてなし”集団』を掲げ、主力業態である餃子・串焼き・もつ鍋などが中心メニューの「屋台屋博多劇場」と、炉端・蒸焼・大鍋がメインの「こだわりもん一家」、全卓にハイボールタワーを設置した「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」、韓国料理をリーズナブルに楽しめる「韓国屋台ハンサム」などを展開。他には類を見ない接客サービス、業界における独自のポジショニング、理念を共有する人材育成のための取り組みなどが特長・強み。
2022年3月末現在、1都3県に71店舗を展開。ブライダル事業も展開。

 

 

【1-1 沿革】

学生時代の旅の途中、お客様の笑顔に囲まれる飲食業の楽しさ・面白さに魅了された武長社長はホテルでのアルバイトなどサービスの基礎を学びながら資金を貯め、20歳で1997年10月に同社の前身である有限会社ロイスカンパニーを設立し、同年12月には1号店として「くいどころバー一家(現こだわりもん一家)本八幡店」を千葉県市川市にオープンした。
その年の12月22日、来店客からコースターの裏に書かれた「こんな素敵なお店をありがとう。」とのメッセージを受け取った武長社長は、深く感銘を受け、「お客様の喜び・感動は自分の喜び・感動である。」ことを改めて強く認識。
お客様と喜びと感動を分かち合うことを理念に掲げて店創り、会社創りに邁進する。
2000年8月に有限会社から株式会社へ組織変更し、同時に商号を「株式会社一家ダイニングプロジェクト」へ変更。
2010年2月には新業態である屋台屋博多劇場1号店「屋台屋博多劇場 成田店」を千葉県成田市にオープンした。
2011年8月には屋台屋博多劇場の初の都心部の出店となる「屋台屋博多劇場 八重洲店」を東京都中央区にオープンするなど、1都3県で店舗を拡大するとともに、2012年8月にはブライダル施設「The Place of Tokyo」 を東京都港区にオープンし、ブライダル事業へも参入し、業容を着実に拡大。2017年12月、東証マザーズ市場に上場し、2020年3月には東証1部へ市場変更した。
その後、株式会社一家ホールディングスの設立に伴い、完全子会社となる株式会社一家ダイニングプロジェクトの株式は2021年9月29日付で上場廃止。同年10月1日付で株式会社一家ホールディングスの株式が東京証券取引所市場第一部に上場した(※東京証券取引所の市場再編に伴って東証スタンダード市場に移行)。

 

【1-2 経営理念】

沿革で述べた武長社長の創業時の強い想いを込め、以下のようなグループミッション、経営理念、社訓を掲げている。

 

(グループミッション)
『あらゆる人の幸せに関わる日本一の“おもてなし”集団』

 

(経営理念)

お客様、関わる全ての人と喜びと感動を分かち合う。

誇りの持てる「家族のような会社」であり続ける。

夢を持ち、限りなき挑戦をしていく。

 

(社訓)

笑顔であれ

どんな時も明るく元気に仕事をせよ。笑顔は活力の源である。

思いやる人となれ

人の喜びや悲しみを共有せよ。心優しき者が繁盛店を創る。

目標を定め、実行せよ

実行の前に目標がある。ゴールを定めない者は結果を出せない。

やり抜く強さを持て

自分を信じ、決して諦めるな。希望は自身の中にある。己に勝て。

前向きに捉えよ

愚痴や言い訳を言うな。否定的な考え方はつまらない人生を呼び寄せる。

素直な心であれ

感動、感激、感謝せよ。吸収力は感受性の高さに比例する。

日々改善、改革せよ

失敗を恐れるな。進化し、変化し、大きく飛躍せよ。

 

【1-3 事業内容】

報告セグメントは「飲食事業」と「ブライダル事業」の2つ。売上高で6-7割を占める飲食事業が成長ドライバーである。

 

(*)なお、飲食事業は年末・年始が、またブライダル事業は婚礼シーズンである10月、11月が年間を通じた最繁忙期となるため、3月決算の同社においては第3四半期(10-12月)に売上・利益が偏重する季節特性がある点には留意する必要がある。

 

(1)飲食事業
餃子・串焼き・もつ鍋などが中心メニューの博多業態「屋台屋博多劇場」と、炉端・蒸焼・大鍋がメインの一家業態「こだわりもん一家」が中心業態。
他に、「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」「おでんトさかな にのや」「寿司トおでん にのや」「韓国屋台ハンサム」「Remo Café」を運営している。「屋台屋博多劇場」、「こだわりもん一家」ともに、『あらゆる人の幸せに関わる日本一の“おもてなし”集団』として来店客に喜びと感動を提供するための様々な特長を備えている。

 

業態

特長

「屋台屋博多劇場」

45店舗(22年9月末)

*「福岡・博多の風物詩である、中洲の屋台街の雰囲気や活気を再現した空間で、気軽で安くて旨い屋台飯を楽しんで頂ける、笑顔と活気があふれた劇場」がコンセプト。

 

*屋台をそのままお店にしたような店舗設計店内の活気やスタッフの笑顔が外からでもわかるように間口を広くし、遠くからでも一目で博多劇場だとわかる、店名の入った提灯やのれん、看板を掲げたファザードを設置。店内に入ると、串焼きや鉄板焼き、おでんといった屋台さながらのオープンキッチンとカウンター席。個室は作らず、開放感のある店内はスタッフの元気や活気が客に伝わる劇場をイメージし、設計している。

 

*「旨くて安い屋台飯」をコンセプトに、メニューを作成毎日手仕込みで作り、鉄鍋で調理する博多劇場名物の「鉄鍋餃子」をはじめ、肉や季節の野菜のほか、色々な食材を串に刺して焼く「博多串焼き」、博多名物である「博多もつ鍋」など。その他、鉄板焼きやおでんなどの屋台飯、辛子明太子や、ごま鯖などのメニューを取り揃え、ドリンクは、ハイボールや店内で仕込む自家製塩レモンサワー、九州の酒蔵より取り寄せた焼酎などを提供している。

 

*サービスと商品を組み合わせることで顧客との接点を増やし、客に楽しんでもらうために様々な取り組みを行っている。(「鉄鍋餃子」100個(総重量1.5㎏)を60分以内に食べたら無料イベントの実施の他、年齢同数の餃子の誕生日プレゼント、3回以上の来店で、乾杯ドリンクを通常料金で1リットルサイズに変更するなど独自のアプリ会員システム「屋台屋会員」の運営)。

 

(同社資料より)

 

業態

特長

こだわりもん一家

6店舗(22年9月末)

*「お客様の第二の我が家」をコンセプトに、「いらっしゃいませ」ではなく「おかえりなさい」と出迎えるなど、自分の家に居る様なくつろげるお店造り。

 

*30代~50代のサラリーマンやOLを中心に、家族連れやカップルなど幅広い客層が様々なシーンで利用。

 

*店内の中央部分には、その日水揚げされた鮮魚や旬の野菜が並べられた食材のディスプレイを設置。奥には開放感のあるオープンキッチンを配置し、目の前で食材や調理の様子を見ることができる。

 

*オープンキッチンを囲む様に配置されたカウンター席の間には、「こだわりもん一家」の特徴である「畳」を設置。「畳」には着物を着た「女将」がおり、一人一人の客と会話をし、魚を煮る・焼く・刺し身にするなど要望に合わせたおもてなしを提供する。その他、様々な利用シーンに対応できるよう、カウンター席、テーブル席や掘り炬燵の宴会個室などを用意。

 

*日本各地から地魚や旬の野菜、郷土の名物調味料や地酒を仕入れており、素材の味を活かした炉端焼きを中心とした通常メニュー、旬の食材を使用し45日ごとに年8回変わる旬彩メニュー、料理長が市場へ足を運び買い付けした日替わりメニューなどがある。

 

*店舗ごとに、その日の鮮魚や旬野菜を桶に入れて席まで運び、直接素材を見てもらったうえで、好みの調理法で料理を提供する「桶売りサービス」、料理長一押しの厳選素材を通常の販売価格より低価格で提供する「タイムセール」、食事が進んだ頃に、メニューにはない料理長のおもてなしの一品を、出来立ての状態で客の席を回り販売する「中間サービス」など、料理を通じ顧客との接点を増やす取り組みを実施している。

 

(同社資料より)

 

業態

特長

大衆ジンギスカン酒場

ラムちゃん

11店舗(22年9月末)

*昨今の健康志向の高まりにより、「低糖質」「高タンパク」な食材が注目されヘルシーで太りにくい健康食材が一段と注目されている。脂肪燃焼に効果的なカルニチンを多く含むラム肉と、低糖質でプリン体も少ないウイスキー(ハイボール)を思う存分楽しめることをコンセプトとして、そうした需要を取り込む。

 

*全卓に強炭酸ハイボールタワーを設置し、60分500円(税抜)飲み放題で、顧客自身でハイボールを好きなタイミングで好きなだけ注ぐことができるため、注文してもなかなか運ばれてこないといった心配がない、ストレスフリーな構造となっている。

(新店舗ではハイボールタワーは設置しない。)

 

*こだわりの岩塩で塩締め・低温熟成させ、かつ柔らかく旨みを最大限に引き出した低カロリー高タンパクのラム肉を使ったジンギスカンが最大の売りとなっている。マトンに比べてクセがない(羊肉特有の臭み)ため、男女・世代を問わずに気取らず楽しめる、活気に溢れた大衆酒場。

 

(同社HPより)

 

(同社資料より)

 

(2)ブライダル事業
東京タワーの目の前に位置し、東京タワーを一望できる開放的なチャペルが特長であるブライダル施設「The Place of Tokyo」を運営している。
「The Place of Tokyo」には、和モダンをコンセプトとしてデザインした4階会場「Tower room」、オープンキッチンを併設した3階会場「Terrace room」、パリの宮殿をイメージした地下2階会場「Grand room」と趣の異なる3つの披露宴会場があり、婚礼料理も、幅広い年齢層のゲストにも喜んでもらえるよう、素材そのままの風味を活かした和テイストのオリジナルのジャパニーズキュイジーヌを提供している。
また、利用客の要望に応じて出身地の食材を使用したメニューをアレンジしたり、新郎新婦の希望に沿ったウェディングケーキを作成したりするなど、「日本一の“おもてなし”集団」として独自のサービスを創出・提供している。

 

 

(同社資料より)

 

【1-4 特長と強み】

(1)他には類を見ない接客サービスによる高いリピート率
同社では来店客を自分の大切な人(家族)と考え、接客している。
基本的なサービスマニュアルはあるものの、それをベースにスタッフが自ら考え、マニュアルにはないおもてなしを表現できるよう理念浸透や教育に取り組んでいる。
調理場スタッフも含めスタッフ全員で来店客を出迎えるためのオープンキッチンの導入、こだわりもん一家業態における「女将」の対応に加え、「2.成長戦略」で述べる会員企画など、他社には見られないユニークな接客サービスが高いリピート率に結び付いている。

 

(2)業界における独自のポジショニング
居酒屋マーケットの中で低価格帯ながらも、顧客に対するサービスレベルが高く、独自のポジションを構築している。また、コロナ禍の影響とは関係なしに、飲食店の利用は昔と比較して企業や大人数での利用から、個人や親しい人との少人数利用の需要形態へと移行しつつある。こうした社会背景等も反映しつつ、積極的な業態開発を行っていく方針を示している。

 

(同社資料より)

 

(同社資料より)

 

(3)理念を共有する人材育成のための取り組み
グループミッション、企業理念、社訓を、パートアルバイトを含めた全スタッフにいかに深く浸透させることができるかが業容拡大、企業価値向上のための最も重要なポイントであると考えており、人材の採用および育成についても同社ならではの取り組みを実施している。
◎社内教育プログラム「IKKAユニバーサルカレッジ」
「マインド」、「知識」、「スキル」、「行動」、「コミュニケーション」など、広範囲なテーマにわたり座学と実践を交えて包括的な人材育成を行っている。
社内講師も着実に育ってきており、継続的かつ安定的に同社の理念やビジョンを継承・浸透させていく仕組みとなりつつある。

 

(同社資料より)

 

◎社内動画共有ポータルサイト
後述の従来型イベントの開催や、集合研修や対面での会議をすることに伴う新型コロナウイルス感染リスクも警戒されるなか、社内動画共有ポータルサイトを立ち上げ、各種教育プログラム動画を配信し、コロナ禍においても歩みを止めることなく、教育体制の充実、理念浸透の強化を図っている。

 

(同社資料より)

 

◎各種イベントの実施
社員やアルバイトメンバーへの理念浸透、モチベーション向上、離職率低下を図るため、以下のような各種賞賛・イベントを開催している。

 

(同社資料より)

 

こうした取り組みが功を奏し、同業他社と比較して低い離職率を実現するとともに、人手不足が深刻化する中でも新卒採用に関しても安定したエントリー数を確保し、計画通りの採用に成功している。

 

【1-5 成長戦略】

同社では成長ドライバーを飲食事業、なかでも中心業態である「屋台屋博多劇場」の拡大と位置付けてきたが、今後は「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」「韓国屋台ハンサム」の出店拡大にも注力していく考えだ。

 

「屋台屋博多劇場」による成長戦略は以下のとおりである。

 

(1)商品戦略
気軽に利用できる客単価でありながら、高いコストパフォーマンスを感じられる低価格メニュー戦略をとっている。さらにはアプリ会員になりリピーターになることでよりお得に利用できる施策を展開している。

 

(2)会員企画
総来店客数の増大及び継続的なリピーターの獲得を重視する同社において「会員企画」は重要な取り組みであり、ユニークな販促企画を次々と産み出している。

 

主な企画名

概要

バースデー餃子

誕生日に年齢同数の餃子をプレゼント

V・I・P会員

3回行くとVIP会員になり、VIP会員は最初の飲み物をメガジョッキにしてくれるのに加え、同伴来店客にも同様のメガジョッキをサービス

博多出身者を探せ

博多出身者の方には、特別メニューをプレゼント

持ち出せ企画

指定の品物を持参するとその個数分ドリンクをサービス

 

博多劇場1号店オープンからの8年間の累計会員数は20年9月末で100万人を突破。
一方、16年10月からスマホ・アプリ会員をスタートさせ、18年1月からはアプリ会員に一本化しているが、22年9月末のアプリ会員は〇〇万人を突破した。継続した会員獲得とアプリ企画のブラッシュアップで客数増・リピート率上昇を目指している。

 

(3)出店戦略
認知度およびブランド価値向上を図るため、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県で集中的に出店している。
最寄り駅乗降客数10万人以上の都心店舗と、それ以外の郊外店舗を組み合わせたハイブリッド型出店で、約200の候補地(駅)の中から厳選して年間10~12出店する計画である(※コロナ禍を除く)。
心のこもった接客を最重視する同社では十分な接客が可能なスタッフの育成が不可欠であり、サービスレベルを低下させることなく成長を追求するためには無理のない着実な店舗拡大が重要と考えている。

 

【1-6 株主還元】

同社は現在成長過程にあり、事業規模の拡大および財務基盤の強化を目的として内部留保の充実を優先するため、配当を実施していない。
ただ、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、今後は、経営成績および財務状況等を総合的に勘案しながら、配当の実施を検討していく考えだ。
なお、株主の支援に対する感謝の意を表すとともに、店舗の利用を通じて事業内容の理解と継続的な支援を得ることを目的として株主優待制度を設けている。

 

(2022年3月末日以降の株主向け優待)

所有株式数

優待内容

100株以上200株未満

2,500円相当の食事優待券

200株以上400株未満

5,000円相当の食事優待券

400株以上

10,000円相当の食事優待券

 

2.2023年3月期第2四半期決算概要

同社飲食事業では、過去の実績からも12月の忘年会等の需要による客数の増加およびコース予約増加による客単価の向上、ブライダル事業では、婚礼の需要が高まる10~11月の施行件数の増加といった季節要因に加え、第1~2四半期に新規出店した店舗の売上寄与もあり、第3四半期(10-12月)の売上高が他四半期に比べ増加する傾向にある。
これに対し、第1~2四半期(4-9月)は、飲食事業において新規出店を集中し、それに伴う出店コストや人員確保のための採用費、新卒入社での人員増による人件費の増加などにより、費用が先行するため利益は低水準となりやすい。投資家はこうした同社決算の特性に留意する必要がある。

 

※同社は2021年10月1日に単独株式移転により設立された。本レポート中において前年同期比で数字を比較している部分については、上場廃止となった子会社である一家ダイニングプロジェクト(9266)の数字と比較している。

 

(1)業績概要

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

対前年同期比

売上高

1,091

100.0%

3,786

100.0%

+246.8%

売上総利益

657

60.3%

2,491

65.8%

+278.7%

販管費

1,276

116.9%

2,599

68.7%

+103.7%

営業利益

-618

-

-108

-

-

経常利益

-625

-

-118

-

-

当期純利益

5

0.5%

-93

-

-

単位:百万円

 

増収、営業損益は赤字幅縮小
飲食事業においては、前年同期に臨時休業及び要請内での時短営業を実施していたが、今期は全店通常営業を実施することができたこともあり、売上高は37億86百万円と前年同期から大幅に回復。ただし、新型コロナウイルス感染者数は7月頃から第7波の影響により急増したことに加えて、原材料費の高騰や人材不足及び採用コストの増加など、依然として厳しい状況が続いている。とはいえ、ブライダル事業の回復継続によるセグメント利益の黒字転換などもあって、営業損失は1億8百万円と前年同期から約5億円の赤字幅縮小で着地した。なお、最終損益が赤字転落となった格好だが、前年同期は「助成金収入」12億73百万円を特別利益に、「店舗臨時休業等による損失」6億27百万円を特別損失にそれぞれ計上していた影響がある。
新規出店は3店舗。その結果、店舗数は2022年9月末で74店舗となっている(その他、既存店3店舗の業態変更を実施)。なお、新規出店3店舗の内訳は、屋台屋博多劇場1、寿司トおでんにのや1、韓国屋台ハンサム1。

 

*既存店とは、新規開店した月を除き、18ヶ月以上経過した店舗。改装等により稼働していない期間があった店舗は当該月から除外している。

 

(2)セグメント動向

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

対前年同期比

売上高

 

 

 

 

 

飲食事業

560

51.3%

2,896

76.5%

416.5%

ブライダル事業

530

48.6%

891

23.5%

68.0%

合計

1,091

100.0%

3,786

100.0%

246.8%

営業利益

 

 

 

 

 

飲食事業

-415

-

-122

-

-

ブライダル事業

-203

-

5

-

-

合計

-618

-

-108

-

-

*単位:百万円。営業利益の構成比は営業利益率。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成

 

◎飲食事業
大幅増収、営業赤字幅縮小で着地。
前年同期は臨時休業の長期化に伴う食材廃棄等による一時的な原価圧迫があったものの、今期は通常営業が可能となったことで売上高も回復、同時に廃棄等の減少によって原価が安定したことも利益面に効いた。一方、家賃減免の効果なども剥落した他、通常営業回帰によって販管費が必然的に増加している。

 

(新規出店など)
ドミナントエリア拡大に向けて下記の通り、出店した。
東京都への出店(寿司トおでんにのや 大門店、韓国屋台ハンサム 町田店)
神奈川県への出店(屋台屋博多劇場 横浜店)

 

以上、3店舗を出店し、直営店は合計で74店舗となった。
内訳は、屋台博多劇場45、こだわりもん一家6、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん11、にのや4、韓国屋台ハンサム6、リモカフェ1、肉のウヱキ1。

 

(業態変更、退店など)
*業態変更
既存店の「こだわりもん一家 船橋店」を「寿司トおでんにのや 船橋店」、「屋台屋博多劇場 本川越店」を「韓国屋台ハンサム 本川越店」、「屋台屋博多劇場 新橋店」を「韓国屋台ハンサム 汐留店」へそれぞれ変更した。

 

*退店
・Remo Cafe おおたかの森店。

 

*その他
2022年4月1日より㈱Egoを子会社化し「肉のウヱキ」1店舗を追加。

 

(既存店の状況)
既存店(屋台屋博多劇場業態・こだわりもん一家業態・大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん業態)は、客数が前年同比594.7%増、既存店客単価は同2.0%増、既存店売上高は同608.6%増となった。ただし、コロナ前である2020年3月期の同月との比較では、第2四半期末である9月は18.4%の減収。コロナ第7波の影響により7月(同25.9%減)、8月(36.8%減)は特に影響を受けたものの、9月は徐々に回復し、第3四半期のはじめにあたる10月の実績では同4.9%減の水準まで回復している点は安心感に繋がるだろう。既存店業態別では、4-10月累計で「屋台屋博多劇場」が前年同期間比611.2%増収、「こだわりもん一家」が同495.1%増収、「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」が同245.7%増収となった。

 

(同社資料より)

 

◎ブライダル事業
大幅増収、営業黒字に転換。
近年、結婚式のニーズの多様化により少人数婚のニーズが高まり、婚礼1組当たりの組人数が減少傾向にある中、婚礼の主力広告媒体との連携強化による来館数・成約率の向上、サービス力向上及びコスト削減、宴席の新規案件の取り込み及びリピート客数の増加、レストランのサービス力、商品力の向上及び新規客数の増加にも継続して注力。
その結果、施行件数は新型コロナウイルスの感染拡大以前の2020年3月期の同期比では減少した。ただし、コロナ前との比較でも婚礼売上は80%後半程度の水準まで回復してきており、前年同期比でみれば施行件数は大幅な回復となっている。加えて、企業の宴会やパーティーなどの宴席部門の施行数も一気に回復してきているようでセグメント売上高は前年同期比68.0%増の8億91百万円で着地。
また、感染予防の観点から依然として少人数での挙式が多い状況ながら、組人数・組単価も徐々に回復し、こちらも前年同期比で増加している。なお、婚礼の成約率についても40%を超える高い水準をキープしている。

 

 

■婚礼の成約率推移について

 

(同社資料より)

 

■婚礼のコロナ後の売上回復率について

 

(同社資料より)

 

■婚礼のコロナ後の組単価回復率について

 

(同社資料より)

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

 

22年3月末

22年9月末

 

22年3月末

22年9月末

流動資産

1,525

1,460

流動負債

1,688

1,799

 現預金

1,088

1,083

 仕入債務

185

192

 売上債権

177

199

 短期借入金

876

970

固定資産

3,133

3,210

固定負債

2,371

2,347

 有形固定資産

1,662

1,700

 長期借入金

2,020

2,000

  建物

1,437

1,482

負債合計

4,060

4,146

 無形固定資産

6

10

純資産

598

524

 投資その他の資産

1,464

1,499

 利益剰余金合計

-397

-490

  敷金・保証金

989

977

負債純資産合計

4,658

4,670

資産合計

4,658

4,670

借入金合計

2,896

2,970

単位:百万円

 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成

 

新規出店等に伴い有形固定資産等が増加したこともあり、資産合計は前期末に比べ12百万円増加し46億70百万円となった。
なお、借入金は長期借入金が若干減少したものの、1年内返済予定の長期借入金の増加などもあって同74百万円増。譲渡制限付株式の付与及び新株の発行に伴い資本金、資本剰余金がそれぞれ増加したものの、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上に伴い利益剰余金が減少したことで純資産は同74百万円減少の5億24百万円。この結果、自己資本比率は前期末より1.9ポイント低下し、10.7%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

22/3期2Q

23/3期2Q

増減

営業CF

-66

105

+172

投資CF

-109

-179

-69

フリーCF

-176

-73

+102

財務CF

301

65

-235

現金同等物残高

667

984

+317

単位:百万円

 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成

 

税金等調整前四半期純損失はあったものの、減価償却費や未払金、助成金などによる資金の増加影響で営業CFが黒字に転換。新規出店にともなう有形固定資産の取得などもあって投資CFはマイナス幅が拡大したが、総じてフリーCFは改善。ただし、財務CFは長期借入金の返済による支出などの影響でプラス幅が縮小、キャッシュポジションは増加している。

3.2023年3月期業績予想

(1)業績概要

 

22/3期

構成比

23/3期(予)

構成比

対前期比

売上高

4,424

100.0%

8,961

100.0%

+102.5%

売上総利益

2,839

64.2%

5,986

66.8%

+110.9%

販管費

3,568

80.7%

5,706

63.7%

+59.9%

営業利益

-729

-

279

3.1%

-

経常利益

-751

-

255

2.9%

-

当期純利益

189

4.3%

159

1.8%

-15.9%

単位:百万円。予想は会社予想。

 

大幅増収、各利益段階で黒字転換予想。
売上高は89億61百万円の予想。飲食事業の新規出店については、引き続き既存業態の出店による主力ブランドの認知向上、ブランド力向上に加え、新生活様式のニーズに対応した新規業態開発を行っていく方針。ブライダル事業においては、主力広告媒体との連携強化による来館数・成約率の向上、サービス力向上及びコスト削減、宴席の新規案件取り込み及びリピート客数の増加、レストランのサービス力向上・商品力向上に注力し売上及び利益拡大を図っていく。

 

営業利益は2億79百万円の予想。新規出店に伴う開業コスト、本部人員増など販管費も増加するが増収により吸収する。しかし、経済活動の正常化に向けて着実に進展しているとはいえ、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない状況の中、不透明な状況は続くと会社側は考えており、飲食事業既存店・ブライダル事業の売上高は、コロナ禍前の水準比で約9割の回復率の前提で試算されている。

 

(2)注力施策

 

デジタル化による業務改善
大衆ジンギスカン酒場ラムちゃんで導入していたセルフオーダーシステム(お客様自身でスマホから注文が可能)「「O:der Table」を、博多劇場などの他業態でも随時導入。注文が集中するピークタイムでも店員を待つことなく注文が可能となり、注文時のストレス解消に繋がる他、ホール業務軽減によるホールオペレーション全体の効率化を図る。オペレーションの効率化で生まれた余裕でおもてなしに注力することで、顧客満足度の向上に繋げる狙いだ。

 

また、AI自動発注システム「HANZO」の活用を進める。これにより、店舗の発注など現場業務のさらなる効率アップを図る。

 

<「HANZO」の特徴>
・AIによる売上・客数予想
自動で理論在庫を算出し最適な発注を実現。

 

・予想に基づく自動発注が可能
短時間で精度の高い発注が可能。

 

・発注業務に係る時間削減
発注時間を短縮し、営業時間外の人件費削減。

 

・人的な発注ミスの低減
発注漏れや過剰発注ロスによる原価圧迫を防止。

 

子会社の取得
2022年4月1日付けで株式会社Egoの株式を取得し、子会社化した。同社が運営する「肉のウヱキ」は、「ネオ大衆酒場」×「昭和の商店街にあるお肉屋さん」をコンセプトとした、「ランチ」・「中食(テイクアウト)」・「居酒屋利用」の三毛作業態。現在は1店舗のみの出店ながら、2021年9月のオープン後、業績も堅調に推移しており、今後の拡大可能性を秘めた業態となっている。

 

社内教育の充実
社内講師陣による教育プログラム「Ikka Universal College」をはじめ、様々な研修や教育プログラムをオンラインで実施し、アーカイブを社内動画ポータルで共有する等、さらなる教育体制の充実、理念浸透の強化を図っていく。

 

(3)新規出店戦略&業態変更戦略等

飲食事業においては、2023年3月期に新規出店10店舗程度を計画(上期の新規出店実績は3店舗)。

 

コロナ禍において業態開発を進めてきたことで、とれる選択肢が拡大。既存店の業績動向や、エリア特性などを勘案しながら、業績向上が見込める店舗に関しては、積極的な業態変更を検討していく方針(上期の業態変更実績は3店舗)。

 

ブライダル事業では、開業10年目を迎える「The Place of Tokyo」の定期建物賃貸借契約の更新が決定。2023年6月~8月には内外装の一新、+1バンケット構築、館内デザインのブラッシュアップ、機能性の改善等を行う大型リニューアルを実施予定であり、唯一無二の結婚式場として、今後もさらにサービス力・付加価値の向上に努める。具体的には、通常の形式的な人前式ではなく、「人」の強みを活かし、プランナーが新郎新婦様に寄り添い、親御様、ゲストとともに創る感動溢れるオリジナル挙式スタイル「The Place for Eternity」の販売。また、今までアウトソーシングしていた「婚礼サービスの内製化」を通じてアウトソーシング費の削減と「おもてなし」の強化に邁進する。

 

(4)今後のビジョン

2021年10月1日から、予定通り持株会社体制に移行。これをきっかけに、今後はレジャーサービス事業や宿泊・ホテル事業など”おもてなし“に関わる事業にビジネス領域を広げることを視野に入れ、おもてなしの総合商社を目指していく。

 

 

4.今後の注目点

下期には、大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん 亀戸店(2022年12月8日OPEN予定)、韓国屋台 ハンサム 渋谷店(2023年1月16日OPEN予定)、韓国屋台 ハンサム 有楽町店(2023年3月下旬OPEN予定)の新規出店が説明会時点で決定している。特に韓国屋台 ハンサム 渋谷店はある意味で業態の先行きと終わりを測るバロメーターとしてはうってつけの店舗となりそうだ。なお、コロナ禍の状況も踏まえ、無理に期初段階で計画していた新規出店10店舗を目指すより、既存店の改善、てこ入れなどを優先しているもよう。

 

一方、ラムちゃん業態については、魅力の1つであった反面、一定の設備投資が必要かつ出店候補地が限定される要因にもなっていた「全卓ハイボールタワー」を廃止した新型店舗の開発に踏み切るようだ。これにより、従来型の店舗(30坪以上)に加え、小規模店舗(20坪程度)が展開できるようになると会社側は説明しており、投資コスト低減を図りながら30、40店舗と出店再加速を狙う方針を示している(現時点では11店舗)。説明会の内容を踏まえれば、「Remo Cafe」業態については実質的に拡大に見切りをつけた状況であり、主力業態の一角であるラムちゃん業態の新モデル店舗の成否は重要なものになると弊社では考えている。なお、同社の期待材料である新規事業の展開については特段説明会の中で具体的な話題はなかった。コロナ禍も依然続いており、完全な楽観に傾くことはできないとはいえ、本業の回復はある程度既定路線となるなか、こちらが株価の面でもやはりカタリストとなるだろう。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

11名、うち社外4名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年6月24日

 

<基本的な考え方>
当社は、「お客様、関わる全ての人と喜びと感動を分かち合う」とういう理念のもと、「あらゆる人の幸せに関わる日本一の“おもてなし”集団」というグループミッションを掲げ、飲食事業、ブライダル事業のみならず、おもてなしに関わる様々な事業で、日本人の文化である“おもてなし”を広め、日本を代表する「おもてなし」のリーディングカンパニーを目指しております。
当社は、企業価値の継続的な向上には、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが必要不可欠であると考え、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実に努めております。株主をはじめとするステークホルダーと良好な関係を築き、事業活動を行うことで、長期的な成長を遂げることができると考えております。
透明かつ公平な経営を最優先に考え、株主総会の充実をはじめ、取締役会の活性化、監査等委員会の監査機能の強化及び積極的な情報開示に努め、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図ってまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>

【補充原則1-2-4】

当社は、機関投資家や海外投資家の比率が相対的に低いため、議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳は実施しておりません。今後は、株主・投資家の皆様のご意見・ご要望を参考にしつつ、機関投資家や海外投資家の比率、費用対効果等を勘案し、引き続き議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳の導入について検討してまいります。

【原則1-3】

当社は、資本効率の向上や株主に対する適切な利益還元は、重要な経営課題のひとつであると考えておりますが、具体的な方針を定めるには至っておりません。当面は、収益力の向上・改善が最重要課題であると認識しており、収益力を強化し、企業価値の向上に努めてまいります。

【補充原則4-1-2】

当社は、経営環境の変化が激しい中で、中期的な業績予測を掲げることは、必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないとの観点から、事業単年度毎の見通しを公表することとしており、数値目標をコミットメントする中期経営計画は策定しない見込みです。一方、単年度予想と実績との乖離に関する原因分析は定期的に行っており、決算発表等を通じ必要なタイミングで株主を含むステークホルダーに対し開示・説明を行っております。

【補充原則4-2-2】

 

当社のサステナビリティについての取組みや人的資本・知的財産への投資等につきましては【補充原則3-1ー3】にてお示ししておりますが、当社のサステナビリティを巡る取組みの基本方針は策定しておりません。今後、当該基本方針の策定について検討してまいります。また、当社の人的資本・知的財産への投資等をはじめとする経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略の実行につきましても、取締役会において審議することによりその実効的な監督を行うよう努めてまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

【原則1-4】

当社は現状、政策保有株式として上場株式を保有する見込みはありません。

【補充原則2-4-1】

当社グループはこれまでも、性別、国籍などを問わず人財を採用しており、当社グループの女性従業員については全従業員の33.2%、管理職全体の15.6%となっております。中途採用者についても同様に、性別、国籍、新卒・中途採用によらず有能な人財を登用するようにしており、全従業員の54.2%、管理職全体の68.9%となっております。一方で、当社は主要な事業を国内で展開していることから、外国籍の方の登用については進んでおりません。

現状において、具体的な管理職への登用目標を示すことは困難ではありますが、引続きこれら比率の向上に努めてまいります。

当社は、社内教育プログラム「IKKAユニバーサルカレッジ」を立ち上げ、「マインド」・「知識」・「スキル」・「行動」・「コミュニケーション」など、広範囲なテーマにわたり座学と実践を交えて包括的な人財育成を行い、さらに各種社内イベントの他、社内動画共有ポータルサイトを立ち上げ、各種教育プログラム動画を配信するなど、さらなる教育体制の充実、理念浸透の強化を図っております。

今後も、より一層の教育・理念浸透の充実を図るとともに、柔軟な働き方に対応した様々な制度の導入を検討しながら、企業価値の向上を図るための人財育成および社内環境の整備に引き続き努めてまいります。

【補充原則3-1-3】

当社は、サステナビリティに対する取組みを重要な経営課題と認識しており、人的資本への投資については、新卒採用および中途採用を継続的に実施し、当社の「おもてなし」の根幹となる人財の確保に取り組むとともに、階層別の教育プログラムを導入し、教育制度の充実・理念浸透を図っております。また、知的財産への投資については、業態ブランドの開発および既存業態の商品・サービス開発を継続的に行っております。

サステナビリティについての取組みについては、リスクコンプライアンス委員会を設置し、事業リスクの把握、未然防止、リスク発生時の損失の最小化に努めております。また、LEDの導入や、節水バルブの導入などにより、店舗の省エネルギー化に取り組む他、廃油リサイクルや仕入れの適正化・適正な在庫管理による廃棄物低減、公益財団法人School Aid Japanへの募金活動を通じ、発展途上国への支援活動を行っております。

【原則4-9】

当社は、東京証券取引所が定める独立性判断基準に基づき、独立社外取締役の選定を行っております。また、取締役会は、当社からの独立性があり、自己の知見に基づき、的確な助言、意見具申や企業経営における監督等への貢献が期待できる人物を、社外取締役候補者として選定しております。

【原則5-1】

当社では、IR担当取締役を選任するとともに、管理部をIR担当部署としております。管理部は、経理部、広報部、総務部等IR活動に関連する部署を統轄し、日常的な部署間の連携を図ってまいります。株主や投資家に対しては、代表取締役社長が出席する決算説明会を半期に1回開催するとともに、個人投資家説明会や役員懇親会(株主総会後)を実施してまいります。その他、株主から面談の希望があった際は、目的・内容等に応じ、IR担当取締役や代表取締役社長が対応してまいります。これらの活動を通じて得られた意見等は、適宜取締役会にフィードバックを行ってまいります。なお、株主との対話に際してはインサイダー情報の漏洩防止を徹底してまいります。

 

 

本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。

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