ブリッジレポート:(3992)ニーズウェル 2022年9月期決算
船津 浩三 社長 | 株式会社ニーズウェル(3992) |
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企業情報
市場 | 東証プライム市場 |
業種 | 情報・通信 |
代表者 | 船津 浩三 |
所在地 | 東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニ ガーデンコート13階 |
決算月 | 9月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(期末) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
798円 | 10,168,400株 | 8,114百万円 | 14.1% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
23.00円 | 2.9% | 57.59円 | 13.5倍 | 361.99円 | 2.2倍 |
*株価は12/1終値。各数値は22年9月期決算短信より。
業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | DPS |
2019年9月 | 5,517 | 508 | 505 | 347 | 41.15 | 13.50 |
2020年9月 | 5,364 | 492 | 514 | 347 | 40.99 | 16.00 |
2021年9月 | 5,752 | 580 | 582 | 421 | 46.64 | 23.00 |
2022年9月(実) | 6,730 | 690 | 724 | 499 | 49.86 | 20.00 |
2023年9月(予) | 9,000 | 801 | 845 | 567 | 57.59 | 23.00 |
*予想は会社予想。単位:百万円、円。22年9月期まで単体、23年9月期は連結。21年9月期のDPS23.00円には記念配当5.00円を含む。2018年4月1日付及び2019年1月1日付で1:2の株式分割を実施。EPSは遡及して調整。DPSは調整していない。
(株)ニーズウェルの2022年9月期決算概要などをご紹介致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2022年9月期決算概要
3.2023年9月期業績予想
4.中期経営計画
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 独立系のシステムインテグレータ。金融向けを中心に通信、物流等、様々な業界のシステム開発を手掛ける。AI、RPA技術との連携で企業のDXをサポートするソリューションビジネスにも注力。エンドユーザーとの直接取引率は売上の6割を超え高水準。
- 2022年9月期の売上高は前期比17.0%増の67億30百万円。積極的な資本業務提携や業務提携により、販路が拡大し顧客基盤が強化された。引き続きソリューションビジネスが好調に推移した。経常利益は同24.5%増の7億24百万円。受注増と高付加価値案件獲得により売上総利益は同10.5%増加したがパートナー費の増加と、ソリューションビジネスが好調でライセンスの販売が進んだ結果、粗利率は同1.4%低下。業績向上の努力に報いるための給与・賞与等の人事関連費用が増加した一方、営業関連費用や採用募集費が減少し、販管費は1ケタ台の増加にとどまった。受取配当金、助成金の増加、株式交付費の減少も増益に寄与した。経常利益率は同0.7ポイント上昇し10.8%。22年5月公表の業績予想を売上・利益ともに上回った。売上高・経常利益とも過去最高を更新した。
- 23年9月期の売上高は前期比33.7%増の90億円、経常利益は同16.6%増の8億45百万円と2桁の増収増益を予想している。中期経営計画売上高100億円・経常利益10億円の達成に向けて今期も引き続き業績予想以上の既存事業拡大とM&A成約を目指し、取組みを継続する。配当は前期比3.00円/株増配の23.00円/株の予想。普通配当で5期連続増配となる。予想配当性向は39.0%。
- 2023年9月期を最終年度とする中期経営計画を推進中。中期基本方針は「派遣型ビジネスからの脱却、そして真のシステムインテグレータへ」。これまでは、人材派遣によって顧客のIT システム開発を支援してきたが、これからは会社として「真のシステムインテグレータ」になり、請負型ビジネスやソリューションビジネスを提供し、景気の上下に左右されない強い企業集団、高収益企業への転換を掲げている。計画達成に向け「企業価値向上の推進」「物流ビジネスの拡大」「ソリューションビジネスの拡大」など7つの重点施策に取り組んでいる。
- 中期経営計画目標である「2023年9月期 売上高100億円・経常利益10億円」に対し、今期予想売上高は90億円。既存事業が目標の77億円を超えて好調に拡大している一方、M&Aの進捗に課題があり、ギャップ10億円を埋めるために、資本業務提携・業務提携によりさらなる売上拡大やシナジー効果の期待できるM&A案件の探索を継続する必要があると会社側は考えている。
- 一般的にはM&Aはその成約確率から大きな期待はしにくいため、やはり物流ビジネスやソリューションビジネスに関する具体的な受注状況など進捗に関する情報を期待したい。特にソリューションビジネスは前々期、前期それぞれ104%、37%の増収で、今期も51%の増収を計画している。ラインアップの拡充やアライアンスを通じてどれだけ上積みが進むか注目したい。
1.会社概要
独立系のシステムインテグレータ。金融向けを中心に通信、物流等、様々な業界のシステム開発を手掛ける。AI、RPA技術との連携で企業のDXをサポートするソリューションビジネスにも注力。エンドユーザーとの直接取引率は売上の6割を超え高水準。M&A、資本業務提携に積極的に取り組み、2023年売上高100億円、経常利益10億円を目指す。
【1-1 上場までの沿革】
1986年、ニーズウェル創業者の故佐藤一男氏が、「広く経済社会に貢献し続ける」という想いから経営コンサルティングを主要な業務とし、経営計画の策定・改善業務・システム概要設計等の事業開発を行う株式会社ニーズウェルを設立。
1992年には、システム部を創設して、経営コンサルティングからシステム開発まで業容を拡大した。
その後、基盤構築、組込系開発にサービス範囲を広げ、顧客層も拡大。2017年、東証JASDAQ(スタンダード)に上場。2019年には東証1部に指定された。2022年4月、市場再編に伴い東証プライム市場に移行した。
【1-2 理念】
以下の経営理念、経営規範、経営スローガンのほか、ミッション、ビジョンを掲げている。
経営理念 | 広く経済社会に貢献し続ける
絶えず新技術やイノベーションに挑戦し、各業務分野で蓄積したノウハウをお客様のニーズに即して経営革新活動に活かし、お客様満足を実現する。 |
経営規範 | 社会有用の人材として社員を育成すること
経営理念に賛同する社員が結集し、全社員のパートナーシップを基盤として、技術革新や技術向上に取り組み、企業規模の拡大と就業ステージの拡大を図って自己研鑽の機会を創造し、一企業では学ぶことのできない多くのノウハウを習得する。 |
経営スローガン | Try & Innovation
技術革新が常に激しいIT業界で、新しいものを試し、挑戦しつつ革新を掲げ、広く経済社会に貢献し続ける。 |
ミッション | お客様のニーズを本質的に充足するソリューションを提供し、豊かな社会の創造を目指します。 |
ビジョン | お客さま満足を実現する革新的ビジネスパートナーとなる。
絶えず未来を展望し、誇りを持ったプロフェッショナル集団となる。
社会に貢献するIT文化を拡充し、豊かな社会を創造する。
社員の自己実現のステージを創造し、社会の公器として限りない発展を創造する。 |
【1-3 事業内容】
エンドユーザーから直接受託したシステムの構築や、システムインテグレータやメーカーを経由して受託した企業向け社内システム構築などの開発案件に参画し、基本的に顧客先に常駐して顧客システムの開発・保守を行っている。
契約形態は、受託開発の請負と派遣。請負案件の一部を協力会社に委託することもある。
情報サービス事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメント。
(1)サービスラインの概要
「業務系システム開発」「基盤構築」「コネクテッド開発」「ソリューション・商品等売上」の4つ。「コネクテッド開発」は、コネクテッド技術の強化を目的に2021年9月期より新設された。
各サービス分野において蓄積した技術・ノウハウを、顧客のニーズに応じて相互に組み合わせて活用するサービスを活用している。
①業務系システム開発
金融、物流、通信、流通、サービス等の幅広い分野において、顧客の基幹業務に関わるシステム開発を行っている。
システムの企画立案から、コンサルティング、課題解決提案、要件定義、基本設計、詳細設計、プログラミング、各種のテスト、納品、納品後の正常な稼働を維持するための保守・運用まで、システム開発のライフサイクル全般に関与している。
また、新規のシステム導入にとどまらず、導入後、顧客先に常駐して保守を行いながら、顧客の新商品発売等へのシステム対応から各種機能の追加・拡張、操作性の向上等、システムやその周辺領域に関して生じる大小様々な派生的なシステム開発を継続的に行っている。
顧客の基幹的なシステムに深くかつ継続的に関与し、実績を積み重ねていくことで、技術、顧客の業界や業務内容に対する知識・ノウハウを蓄積するとともに、顧客ニーズの理解を深め、顧客からの信頼を獲得している。
(顧客業界)
◎金融系システム
保険会社、銀行、クレジットカード会社など金融機関の基幹業務に関し、以下のようなサービスを提供している。
保険会社 | 本社部門における契約管理・保全、成績・収納、顧客管理、成績/業績管理、データウェアハウス・分析などのシステム、営業職員向けの顧客管理、営業支援、設計書・申込書作成などのシステム、その他CTIシステム等 |
銀行 | 流動性預金、内国・外国為替などの勘定系システム、データウェアハウス、データマート、顧客管理、収益管理などの情報系システム、全銀システム・日銀ネットなどの外部接続系システム及びインターネットバンキング、営業店端末などチャネル系システム等 |
クレジットカード会社 | 請求、与信管理、顧客管理システム等 |
金融機関のシステムは、極めて高度な信頼性が要求されるほか、中核となるシステムに大型汎用機を使用する割合が高く、一般に技術者不足・経年化傾向にある汎用系システムへの対応力が求められる。
同社は、オープン系及び汎用系システムの技術者を擁し、オープン系・汎用系両面から顧客のニーズに対応できる態勢を整えている。
◎物流系システム
少子高齢化による生産年齢人口の減少等から担い手不足が深刻となる中、内閣府が中心となって進める「SIPスマート物流サービス」に代表されるように、個社の垣根を越えた共同物流や、より精度の高いトレーサビリティ等、日本の経済成長と国民生活を持続的に支える「強い物流」の実現に向けたイノベーションへの取組みがはじまっている。
同社はAGV(無人搬送ロボット)等を制御するWCS(倉庫制御システム)と最適な連携を実現するWMS(倉庫管理システム)により、物流現場の省人化、効率化の実現を目指している。
◎通信系システム
ウェブサイト(カスタマーポータル)、受付窓口、代理店・量販店など消費者との接点となるシステムから顧客登録、顧客情報管理、課金・請求・入金、プロビジョニング(交換機との顧客情報の送受信システム)、データ収集及びこれらの共通プラットフォームなど業務の中核をなすシステムに至る幅広い領域でサービスを提供している。
◎流通・サービス・公共系システム
ホテルにおける宿泊予約・フロントシステム、不動産会社における物件情報システム、電子書籍配信・販売システム、電力・ガス等の社会インフラシステム等におけるサービスを提供している。
2022年9月期より新たに建設・建機系システムとして、運行管理システムや情報取得による現場管理システムなど、建設現場における各種システム開発を手掛けていく。
②基盤構築
ITシステムの基盤となるサーバ等ハードウェアの環境設計、構築、導入を実施するとともに、ネットワーク環境における通信機器の設定を行っている。
基盤構築の技術・ノウハウを活かし、独立系の情報サービス企業としての立場を活かすことにより、アプリケーションの開発にとどまらないハードウェアやネットワークまで含めた総合的なIT環境について、顧客にとって最適と考えられる提案を行っている。
主な業務は、以下の通り。
*保険会社における業務系システムを搭載する機器切り替え業務
保険業務に使用するプログラムを搭載する複数サーバの設定業務、複数ネットワーク機器に対する設定、保険の膨大なデータを保管する各種データベースや各種ミドルウェアの設定
*証券会社におけるクラウドサービスに伴うネットワーク機器設定業務
証券会社における各種業務についてインターネットを介してサービスの提供(クラウドサービス)で接続する各種ネットワーク機器の設定、証券関連データを保管する各種データベースの設定
③コネクテッド開発
医療機器、車載機器等に組み込まれるアプリケーション等の開発を行っている。
コネクテッド開発は、IoTや自動車自律走行にみられるような技術革新の流れの中で急速に需要が拡大している。使用される技術・ノウハウは、インターネットで接続された精密機器等で収集したデータを業務系システムに連動させて活用する等、顧客にとってさらに価値の高いサービス提供を可能にする領域である。
④ソリューション・商品等売上
自社及び他社のソリューション製品を活用し、5Gとテレワークでさらに重要となる情報セキュリティ対策をサポートする「情報セキュリティソリューション」、RPAやクラウドで働き方改革推進と人手不足解消をサポートしテレワークを効率化する「業務効率化ソリューション」、AI技術でDXの推進をアシストする「AIソリューション」をラインアップ。
顧客のビジネスの目的に合わせた最適なソリューションサービスの提供を行うとともに、顧客からの依頼に応じてコンピュータや周辺機器及びソフトウェア等の販売も行っている。
【1-4 特長・強み】
「金融系システム開発力」「エンドユーザー取引力」「ソリューション提供力」の3つを強みとしている。
(1)金融系システム開発力
主力の業務系システム開発では、金融系が売上高の約5割を占める。
中でも、生命保険・損害保険分野の比重が高い。また、銀行・クレジットカード・証券でも多数の実績がある。
(2)エンドユーザー取引力
生命保険会社・大手ホテル・通信キャリアなど、エンドユーザーとの直接取引が売上高の約6割となっている。
(3)ソリューション提供力
5G関連・AI・RPA・テレワークなど、顧客のビジネスの目的に合わせた最適なソリューションサービスを提供している。
【1-5 ESG・SDGs】
ESG・SDGsの視点を取り入れた事業戦略、事業と直結する活動を進めることでサステナブル経営をめざしている。
ニアショア開発促進
| 長崎開発センターを2024年までに100名体制とする。
前述のように、ニアショアを活用したリモート開発体制でQCD(Quality:品質、Cost:費用、Delivery:納期)にコミットメントし、開発を促進する。 |
DXをアシストする新たなソリューションの開発
| ITリエンジニアリングサービスは、RPA連携で実現する作業の省力化、AI技術を利用したプラットフォームの構築、データ分析等、顧客企業のDXの実現・推進をアシストし、デジタル社会の産業基盤の構築に貢献する。
|
パートナーシップの推進による事業成長
| グループ企業、受注先・仕入先企業とのパートナーシップを推し進め、ともに永く発展できる体制をめざしている。 |
主な制度や支援活動は以下の通り。
働き方改革・人材育成
| ・有給取得奨励日の設定 ・プレミアムフライデーの導入 ・残業目標20時間以内(2022年実績は月間18.7時間) ・テレワークの対象者を拡大 ・スキルやモチベーションを引き出す制度 |
女性社員・管理職比率向上
| ・女性管理職比率目標30% ・女性社員比率目標30%(2022年4月実績25%) |
学生向けAI教育
| ・学生向けにAIプログラミング体験 ・5日間・3週間のインターンシップ ・電子申請アプリやAIチャットボットのプログラミング教育、WinActor(RPA)体験、味覚データ分析等を実施(2020年~2022年) |
長崎県ふるさと納税
| 長崎県立大学において産学連携の拠点を整備し高度専門人材の育成と県内産業の振興をめざす「Society 5.0へ向けた次世代人材創造プロジェクト」(企業版ふるさと納税制度)を支援
|
サッカーJリーグ V・ファーレン長崎を応援
| スポーツ文化の振興、地域の活性化を目指しサポーターとしてスポンサー契約 |
同社の取り組み詳細
https://www.needswell.com/ir/sdgs
【1-6 ROE分析】
| 17/9期 | 18/9期 | 19/9期 | 20/9期 | 21/9期 | 22/9期 |
ROE(%) | 24.8 | 20.2 | 18.8 | 16.6 | 14.7 | 14.1 |
売上高当期純利益率(%) | 5.7 | 6.3 | 6.3 | 6.5 | 7.3 | 7.4 |
総資産回転率(回) | 2.47 | 2.00 | 2.05 | 1.89 | 1.56 | 1.50 |
レバレッジ(倍) | 1.77 | 1.59 | 1.46 | 1.35 | 1.28 | 1.27 |
マージンの着実な改善の下、高水準のROEを継続的に実現している。
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
2.2022年9月期決算概要
【2-1 業績概要】
| 21/9期 | 構成比 | 22/9期 | 構成比 | 前期比 | 予想比 |
売上高 | 5,752 | 100.0% | 6,730 | 100.0% | +17.0% | +0.5% |
売上総利益 | 1,414 | 24.6% | 1,562 | 23.2% | +10.5% | - |
販管費 | 833 | 14.5% | 872 | 13.0% | +4.6% | - |
営業利益 | 580 | 10.1% | 690 | 10.3% | +19.0% | +3.0% |
経常利益 | 582 | 10.1% | 724 | 10.8% | +24.5% | +3.7% |
当期純利益 | 421 | 7.3% | 499 | 7.4% | +18.5% | +3.1% |
*単位:百万円。予想比は22年5月公表予想に対する比率。
増収増益、売上高・経常利益とも過去最高を更新
売上高は前期比17.0%増の67億30百万円。積極的な資本業務提携や業務提携により、販路が拡大し顧客基盤が強化された。引き続きソリューションビジネスが好調に推移した。
経常利益は同24.5%増の7億24百万円。受注増と高付加価値案件獲得により売上総利益は同10.5%増加したがパートナー費の増加と、ソリューションビジネスが好調でライセンスの販売が進んだ結果、粗利率は同1.4%低下。業績向上の努力に報いるための給与・賞与等の人事関連費用が増加した一方、営業関連費用や採用募集費が減少し、販管費は1ケタ台の増加にとどまった。受取配当金、助成金の増加、株式交付費の減少も増益に寄与した。経常利益率は同0.7ポイント上昇し10.8%。
22年5月公表の業績予想を売上・利益ともに上回った。売上高・経常利益とも過去最高を更新した。
【2-2 サービスライン別動向】
| 21/9期 | 構成比 | 22/9期 | 構成比 | 前期比 | 予想比 |
業務系システム開発 | 4,360 | 75.8% | 4,988 | 74.1% | +14.4% | -1.8% |
基盤構築 | 580 | 10.1% | 696 | 10.3% | +20.0% | +8.6% |
コネクテッド開発 | 191 | 3.3% | 192 | 2.9% | +0.8% | -8.4% |
ソリューション・商品等 | 620 | 10.8% | 852 | 12.7% | +37.4% | +11.0% |
合計 | 5,752 | 100.0% | 6,730 | 100.0% | +17.0% | +0.5% |
*単位:百万円。
*業務系システム開発
通信キャリア向けの基幹システムテスト案件、某省庁向け情報管理システムと証明書発行システム開発案件、生保向けDX化に向けたアジャイル開発案件等が増加した。
*基盤構築
業務系システム開発、ソリューション・商品等売上との連携の他、クラウド構築への本格参入によりVDI導入、官公庁向け案件の基盤増強の需要を取り込んだ。
*コネクテッド開発
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、製造業向け案件が減少した。
*ソリューション・商品等売上
経費管理クラウド向けの独自ソリューションInvoice PAや、RPAが好調だった。新規ソリューションの投入で来期も一段の拡大を目指す。
【2-3 財政状態とキャッシュ・フロー】
◎財政状態
| 21年9月 | 22年9月 | 増減 |
| 21年9月 | 22年9月 | 増減 |
流動資産 | 3,842 | 3,844 | +1 | 流動負債 | 861 | 1,038 | +176 |
現預金 | 2,868 | 2,609 | -259 | 仕入債務 | 143 | 213 | +70 |
売上債権 | 938 | 1,163 | +224 | 固定負債 | - | - | - |
固定資産 | 517 | 764 | +246 | 負債合計 | 861 | 1,038 | +176 |
無形固定資産 | 84 | 85 | +0 | 純資産 | 3,498 | 3,570 | +71 |
投資その他の資産 | 397 | 644 | +246 | 利益剰余金合計 | 1,807 | 2,072 | +265 |
資産合計 | 4,360 | 4,608 | +248 | 負債・純資産合計 | 4,360 | 4,608 | +248 |
*単位:百万円。
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
売上債権、投資その他の資産の増加などで資産合計は前期末比2億48百万円増加の46億8百万円。負債合計は仕入債務増加などで前期末比1億76百万円増加の10億38百万円。
利益剰余金増加、自己株式増加などで純資産は同71百万円増加の35億70百万円。
自己資本比率は前期末より2.7ポイント低下し77.5%。
約26億円のキャッシュは、積極的な人材獲得・育成、研究開発投資やM&A、資本業務提携に使用していく。
◎キャッシュ・フロー
| 21/9期 | 22/9期 | 増減 |
営業CF | 331 | 437 | +105 |
投資CF | -81 | -260 | -179 |
フリーCF | 250 | 176 | -74 |
財務CF | 838 | -433 | -1,271 |
現金同等物残高 | 2,748 | 2,491 | -256 |
*単位:百万円。
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
投資有価証券の取得による支出増などでフリーCFのプラス幅は縮小した。自己株式の取得、配当金支払額の増加などで財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは低下した。
【2-3 トピックス】
(1)連結決算体制へ移行
2021年10月に子会社とした零壱製作株式会社は資産、売上高、損益、利益剰余金及びキャッシュ・フローその他の項目からみて、企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げないものとして連結決算を行っていなかったが、企業集団における零壱製作株式会社の重要性が増してきたこと、また、2022年10月に株式会社ビー・オー・スタジオと株式会社コムソフトを新たに子会社としたことも契機に、2023年9月期より3社を連結対象子会社とし、更に、2022年7月の出資により33.3%の持分比率となった株式会社総研システムズを持分法適用会社として、連結決算を開始することとした。
(同社資料より)
(2)2022 年 9 月期の昇給率は2.15%、賞与 4.8 ヶ月を支給
同社では、従業員満足度(ES)を高め士気向上を図り、さらなる業績向上へ繋げる取組みの一つとして、経営方針において高給与、高賞与の目標を掲げており、2022 年9 月期においては、従業員の昇給率を 2.15%、賞与年間を 4.8 ヶ月とした。
経営方針で以下の目標と取り組みを定めている。
(同社資料より)
3.2023年9月期業績予想
【3-1 業績予想】
| 22/9期 | 構成比 | 23/9期(予) | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 6,730 | 100.0% | 9,000 | 100.0% | +33.7% |
営業利益 | 690 | 10.3% | 801 | 8.9% | +16.0% |
経常利益 | 724 | 10.8% | 845 | 9.4% | +16.6% |
当期純利益 | 499 | 7.4% | 567 | 6.3% | +13.6% |
*単位:百万円。予想は会社側予想。22年9月期は単体、23年9月期は連結。前期比は参考値。
2桁の増収増益を予想
売上高は前期比33.7%増の90億円、経常利益は同16.6%増の8億45百万円と2桁の増収増益を予想している。
中期経営計画売上高100億円・経常利益10億円の達成に向けて今期も引き続き業績予想以上の既存事業拡大とM&A成約を目指し、取組みを継続する。
配当は前期比3.00円/株増配の23.00円/株の予想。普通配当で5期連続増配となる。予想配当性向は39.0%。
【3-2 サービスライン別動向】
| 22/9期 | 構成比 | 23/9期(予) | 構成比 | 前期比 |
業務系システム開発 | 4,988 | 74.1% | 6,818 | 75.8% | +36.7% |
基盤構築 | 696 | 10.3% | 639 | 7.1% | -8.2% |
コネクテッド開発 | 192 | 2.9% | 251 | 2.8% | +30.3% |
ソリューション | 852 | 12.7% | 1,288 | 14.3% | +51.1% |
合計 | 6,730 | 100.0% | 9,000 | 100.0% | +33.7% |
*単位:百万円。予想は会社側予想。22年9月期は単体、23年9月期は連結。前期比は参考値。
基盤構築以外は大幅な増収を見込んでいる。
【3-3 中期経営計画についての現状分析・対策】
中期経営計画目標である「2023年9月期 売上高100億円・経常利益10億円」に対し、今期予想売上高は90億円。
既存事業が目標の77億円を超えて好調に拡大している一方、M&Aの進捗に課題があり、ギャップ10億円を埋めるために以下の施策を推進する。
① 資本業務提携・業務提携によりさらなる売上拡大を目指す(単体81億円)
② シナジー効果の期待できるM&A案件(+10億円)の探索を継続
4.中期経営計画
経営理念である「広く経済社会に貢献し続ける」の実現に向け、2023年9月期を最終年度とする中期経営計画を推進中である。
【4-1 中期基本方針】
中期基本方針は「派遣型ビジネスからの脱却、そして真のシステムインテグレータへ」。
これまでは、人材派遣によって顧客のITシステム開発を支援してきたが、これからは会社として「真のシステムインテグレータ」になり、請負型ビジネスやソリューションビジネスを提供し、景気の上下に左右されない強い企業集団、高収益企業への転換を掲げている。
【4-2 業績目標】
2023年9月期までに「売上高100億円、経常利益10億円、経常利益率10%」達成を目指している。
売上・利益ともに年平均2割以上の成長率となるが、M&Aやシナジー効果を有効に活用していく。
(同社資料より)
売上高については、以下のように、2020年9月期比、既存事業で24億円の増収、M&Aなどで23億円の増収、合計47億円の増収で100億円達成を計画している。
| 事業分野 | 取り組み | 増収額 |
既存事業
24億円増収 | 物流ビジネス | 多様化するニーズが高まる一方、担い手不足が深刻な物流業界。AIやIoTを活用した合理化・高品質化・環境負荷低減が急務で投資需要が高い。 | +12億円 |
コネクテッド・ビジネス | IoTやAIの活用で街全体を効率化し便利に住みやすくするスマートシティ等、生活を豊かにするコネクテッド技術にも取り組む。 | +3億円 | |
ソリューションビジネス | DXへの構造改革で投資需要が高い。AI、RPAを活用した連携機能等で独自に差別化した製品を投入する。 | +9億円 | |
M&A等
23億円増収 | M&A、資本業務提携 | 既存技術の規模拡大と、新規技術の補強・参入。物流、コネクテッド、AI、IoT、Web等を重点的に探索する。 | +23億円 |
物流ビジネスでは、WMS等の物流IoTソフトソリューションは2020年比CAGRで8.8%成長し、2023年の市場規模は1,030億円と見込まれている。
昨年開発した倉庫管理システム「SmartWMS」(後述)は、今後の重要な製品であると同社では期待している。
コネクテッド技術の強化を目的に2021年9月期よりサービスラインにコネクテッド開発を新設したように、コネクテッドビジネスの拡大を目指している。
同技術の活躍が期待されるスマートシティ市場は2020年比CAGRで20.8%成長し、2023年の市場規模は1兆2000億円と見込まれている。
ソリューションビジネスはDXを絡めたAIに力を入れ、企業におけるDX化の推進支援に取り組む。
画像認識、音声認識、音声合成、言語解析、検索・探索、翻訳などから成るAI主要市場は2020年比CAGRで26.0%成長し、2023年の市場規模は640億円と見込まれている。
M&Aと資本業務提携には約20億円の投資を実施する計画である。
物流システム関連技術、コネクテッド関連技術、AI・IoTの要素技術、Webソリューション関連技術など、同社の既存事業とのシナジーを期待できる周辺領域を中心に探索している。
【4-3 重点施策】
重点施策としては、以下の7点に取り組む。
(同社資料より)
(1)企業価値向上の推進
各重点施策への取組みにより業績向上を実現することに加えて、サステナビリティ、IR、資本政策等の面からの総合的な取組みにより企業価値を高める。
*業績
前述のように、2023年9月期 売上高100億円、経常利益10億円を目指す。また、プライム市場移行に向け、流通時価総額100億円達成のため、M&Aや資本業務提携を積極的に推進する。
*IR・PR
機関投資家に加え、個人投資家に対してもオンライン説明会などを実施しながら、IR活動を展開する。
また、認知度向上のためにメディアへの露出も増やしていく。
<プライム市場選択申請書及び計画書提出とその後の進捗状況>
株式会社東京証券取引所の市場区分の見直しに際し、2022年4月にプライム市場に移行したが、2021年10月に上場維持基準の適合に向けた計画書を提出している。
(現在の状況)
2022年9月末時点におけるプライム市場の上場維持基準への適合状況はその推移を含め、株主数、流通株式数、流通株式比率及び平均売買代金については 2021年6月に基準を充たしたが、流通株式時価総額については充たしていない。
ただ、企業価値向上と持続的な成長を推し進めていくためには優秀な人材確保による開発力及び信用力の強化が不可欠であると考え、流通株式時価総額に関しては 2023年9月末までに上場維持基準を充たすために、引き続き各種取組を進めていく。
(計画の概要)
企業価値の向上により、2023年9月期末日までに流通株式時価総額基準の充足を目指す。
「業績拡大による経営指標数値の向上」「資本政策による流通株式比率等の向上」から成る定量的アプローチと、「IR・広報活動の強化による理解と認知の向上」「サステナブル経営による社会価値の向上」から成る定性的アプローチにより企業価値の向上を図り、流通株式時価総額の増大を目指す。
取り組みの実施状況及び評価については22年12月15日のリリース「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」を参照。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3992/tdnet/2215726/00.pdf
(M&Aについて)
業績目標達成のための重要なカギを握る「M&A、資本業務提携」についての取り組みは以下の通りである。
M&Aの成約には少し時間がかかるとみており、資本業務提携を中心に進めていく。
販路、受注、製品、技術者の拡充で成長路線を追求する。
(同社資料より)
(2)物流ビジネスの拡大
物流分野では多様化するニーズが高まる一方で担い手不足が深刻な状況となっており、自動運転、倉庫ロボット等に加え、AIやIoTなど、ITの最新技術を活用した合理化・高品質化・環境負荷低減が急務である。
同社は物流分野において、AGV(無人搬送ロボット)等を制御するWCS(倉庫制御システム)と、これと最適な連携を実現する倉庫管理システムとして2021年8月に自社ソリューション「SmartWMS」の提供を開始した。
(同社資料より)
(SmartWMSの概要・特長)
以下の3つのスマートを提供し、物流現場の省人化、効率化を実現する。
*省人化・ペーパーレス化
ハンディーターミナルの活用により、現場のオペレーションを改善するほか、倉庫内の一連の作業をペーパーレス化。
*課題を見える化
高度な分析機能で生産性を向上。加えて、倉庫内の人員配置を最適化する。
*操作性の高いシステム
操作性の統一や検索項目の自由化により使いやすいシステムを実現している。
「物流ハードウェアメーカーとの協業による拡販」「受注済みのSmartWMSの横展開」「コンビニエンスストア等、さまざまな業種向けにSmartWMSを展開」により拡販を図る。
(3)AIビジネスの拡大
AI技術者の専門グループを核として、より高付加価値のシステム開発や既存の製品との連携機能を提供するとともに、自社ソリューションの「Work AIサービス」においては、精度向上のためのデータ分析やAIを利用した独自のサービスの開発を目指す。幅広い業種向けに、企業が持っているデータを的確にAI化し、効率化を狙った製品を提供していく考えである。
(Work AIサービス概要)
同社が長年培ったシステム開発力にAI技術・RPA技術を組み合わせ、DXなど企業のニーズにきめ細かに応えながら企業と共に創りあげる業種別AIソリューション。
現在のラインナップは以下の3つ。
Speak Analyzer | ビジネスシーンのトークをAIで分析し、成績上位者と比較して弱点や課題を数値やグラフで定量的に見える化しフィードバック |
Es Prophetter ※ | 部材の概算見積りをAIが自動化。過去の見積実績データを機械学習し概算見積価格を算出する。見積精度の向上と、見積時間の短縮を実現した。 |
Chat Document | AIチャットボットが社内FAQ対応とドキュメント検索を実行する。ブラウザやチャットツールからチャットボットにテキストを入力する簡単な操作で、求める情報をすぐに引き出すことができる。 |
Prophetterシリーズとして、外観検査AI、品質向上AI、異常検知AI等を展開する予定。
(4)ニアショア開発の拡大
ニアショア拠点の活用で優秀な人材の獲得と人材不足の解消を目指す。
ニアショアの活用においては、持ち帰り案件によりニアショア開発体制を拡大するほか、派遣型・常駐型からの移行を進めニアショア開発を標準化する。加えて、セキュアなリモート開発環境を短期間で構築する。
人材獲得においては、地元大学からの採用やUターン・Iターン採用により地元志向の強い優秀な技術者を採用し育成する。
同社のニアショア拠点である長崎開発センターでは、2024年9月期までに100名体制を目指す。
(5)事業基盤の確立
「業務系システム開発」「基盤構築」「コネクテッド開発」の3つのサービスラインを一層拡充し、上場企業として将来まで安定した発展を遂げる事業基盤を確立する。
*「業務系システム開発」
業務知識の蓄積とハイスキルの技術者の育成により、強みである金融分野を拡大する。
新たに物流分野を開拓する。
システムの保守開発、運用業務等、契約を長期間化し、 ストックビジネスとして拡大する。
業務提携企業との協業によるプロジェクトを推進する。
*「基盤構築」
「業務系システム開発」と連携してトータル受注による相乗効果で売上構成比率を高める。
クラウド関連案件の受注拡大を図る。
*「コネクテッド開発」
医療機器、自動車のほか、IoT、ICT向けコネクテッド技術を強化する。
(6)ソリューションビジネスの拡大
上記の事業基盤の確立と並行して、事業拡大・付加価値向上を加速するサービスラインである「ソリューションビジネス」の拡大を目指す。
2022年9月期のソリューションビジネス売上高構成比12.7%に対し、将来目標を15.0%としている。
拡大を進める自社ソリューションは以下のとおり。
ITリエンジニアリングサービス | 社内システムの運用改善コンサルティングを提供。ERPを中心に、周辺システムを連携する。 「電子契約、電子承認の導入による生産性向上」「電子帳簿保存法改正に向けた経理部門のペーパーレス化」「総務業務、年末調整のペーパーレス化による生産性向上」「セキュアなテレワーク環境構築」「複数システムのユーザー認証一元化による業務効率化」などを実現する。 |
Concur製品との連携ソリューション | Invoice PA、CoNeCt、imPac、Nナビなど インボイス制度対応機能の開発に着手し、2023年4月より提供開始予定。 |
RPAツール×ビジネスチャットツールの連携ソリューション | Chat Director |
ITヘルプデスクサービス | Nヘルプ |
このほか新規ソリューションとして、自治体との連携で高齢者のQOL(Quality Of Life:生活の質)向上を促進する「フレイル予防」、Concurと基幹システムとの連携「N-Bridgeシリーズ」の開発を開始した。
(ITリエンジニアリングサービス概要)
DX推進による業務変革と生産性向上を目的として、業務プロセス分析から最適なシステムの提案、システムの移行・導入、運用・保守までのトータルサービスを行う独自サービスの総称。
基幹システムERPの周辺システムを連携することで、RPAやAIを活用しながら、手入力によるミスなどを防止する。
同社が持つ業務効率化ソリューションの導入実績、多様な業種のシステム構築実績と豊富な業務ノウハウにより、顧客企業の社内業務の再構築(リエンジニアリング)と効率化を実現する。
(7)エンドユーザー取引の拡大
受注安定化と収益性向上のため、エンドユーザー比率60%以上を維持・拡大する(22年9月期65.3%)。
既存ユーザーに関しては、システムメンテナンスや改善など継続案件を確保しつつ、高い業務知識を持つ技術者の育成と担当分野の規模拡大、担当分野以外の開拓などの深耕により、取引拡大を目指す。
また、既存ユーザーと類似する会社へこれまでの開発実績や業務ノウハウを紹介することで横展開するほか、各種ソリューション製品を武器に新規ユーザーを開拓する。
加えて、エンドユーザーへの販売比率が高いソリューションビジネスに注力し、新規エンドユーザーの開拓に繋げる。
5.今後の注目点
中期経営計画目標である「2023年9月期 売上高100億円・経常利益10億円」に対し、今期予想売上高は90億円。
既存事業が目標の77億円を超えて好調に拡大している一方、M&Aの進捗に課題があり、ギャップ10億円を埋めるために、資本業務提携・業務提携によりさらなる売上拡大やシナジー効果の期待できるM&A案件の探索を継続する必要があると会社側は考えている。
一般的にはM&Aはその成約確率から大きな期待はしにくいため、やはり物流ビジネスやソリューションビジネスに関する具体的な受注状況など進捗に関する情報を期待したい。特にソリューションビジネスは前々期、前期それぞれ104%、37%の増収で、今期も51%の増収を計画している。ラインアップの拡充やアライアンスを通じてどれだけ上積みが進むか注目したい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 8名、うち社外3名 |
監査役 | 3名、うち社外2名 |
取締役の指名及び報酬の決定に関する手続の客観性及び透明性を一層高めることにより、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させるため、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会を設置している。取締役会の決議により選定された委員3名以上で構成し、その半数以上は独立社外取締役から選定する。
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2022年12月23日)
基本的な考え方
当社は、絶えず新技術やイノベーションに挑戦し、各分野で蓄積したノウハウをお客様の経営革新活動に活かし「広く経済社会に貢献し続ける」を経営理念とし、法令の遵守及び社会規範に則った経営を実践し、ステークホルダーの信頼を得るとともに、事業の持続的発展を図ることを掲げております。
この経営方針に則り、企業利益と社会的責任が調和することにより、株主を含めた全てのステークホルダーの利益にかなう経営の実現のためにコーポレート・ガバナンスのよりー層の充実を図ります。
経営理念を実現するためのコーポレート・ガバナンスの強化として、社外取締役及び社外監査役の招聘による取締役会の監督機能の強化及び内部統制システムによる業務執行の有効性、違法性のチェック・管理を通して、経営の効率化、組織の健全化に取り組むとともに、経営の透明性を高めるために、株主や投資家に対して決算や経営政策の迅速かつ正確な公表や開示に取り組んでおります。
<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則2-4①】中核人材の多様性の確保
当社は、「女性社員・管理職比率の向上」を掲げ、女性活躍推進に取り組んでおります。また、長崎県に拠点を置く企業として、「ながさき女性活躍
推進会議」の趣旨に賛同し、女性管理職比率30%以上、女性社員比率30%以上等、女性の活躍に向けた自主宣言を行っています。
一方、外国人・中途採用者においては、管理職として登用する上で国籍や採用時期によって特段の差が生じているとは認識していないため、現
時点では管理職登用の目標策定・開示は行っておりません。
<開示している主な原則>
【原則1-4】:政策保有に関する方針、政策保有株式に係る議決権の行使基準当社は、株価変動の影響を受けにくい強い財務基盤の構築と資本効率性向上の観点から、政策保有株式を原則として保有しないものとしております。ただし、業務提携その他経営上の合理的な理由がある場合には、目的に応じた保有であり、かつ、当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上に資することを検証した上で保有することがあります。
取得した政策保有株式については取締役会において、定期的に当該株式の保有意義、配当利回り、格付け等を確認して保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、継続保有の要否を判断し、有価証券報告書において保有のねらい・合理性について具体的な説明を行ってまいります。
また、政策保有株式に係る議決権については、議案の内容が株主利益を損なうものとなっていないかとの観点に加え、中長期的な観点から、保有先において企業価値の向上および株主利益を重視した経営が行われているか等に着目して行使します。
【原則5-1】株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取組みに関する方針
当社は、株主・投資家の皆様との双方向のコミュニケーションにより、経営状況や運営方針の正確・迅速な説明に努めるとともに、企業価値の最大化に取り組んでいます。
株主総会や決算説明会では代表取締役社長が決算内容・業績見通し・成長戦略等を説明し、また、機関投資家に向けては個別のIRミーティング等を実施しております。株主・投資家との対話は、社長の指揮のもとCC室が所管し、必要に応じて経営企画室・総務部・財務経理部等と密接に連携しながら真摯に建設的な対話の促進に努めております。
また、投資判断に必要となる情報については、東京証券取引所の適時開示ルールに則り、適時開示を行い、適時開示後速やかに当社ウェブサイトに掲載いたします。
なお、対話において一部の株主・投資家のみに未公表の重要事実を伝達することがないよう細心の注意を払っておりますが、万が一情報を伝達したことが判明した場合はフェア・ディスクロージャー・ルールに則り速やかに適切に対処いたします。
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