ブリッジレポート
(9600) 株式会社アイネット

プライム

ブリッジレポート:(9600)アイネット 2023年3月期第2四半期決算

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坂井 満 社長

株式会社アイネット(9600)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

坂井 満

所在地

横浜市西区みなとみらい3丁目3番1号 三菱重工横浜ビル23階

決算月

3月

HP

https://www.inet.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,302円

15,985,553株

20,813百万円

10.1%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

48.00円

3.7%

114.55円

11.4倍

1,083.14円

1.2倍

*株価は11/10終値。発行済株式数、DPS、EPSは23年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

27,591

2,345

2,347

1,521

95.72

40.00

2020年3月(実)

31,097

2,501

2,531

1,672

105.13

43.00

2021年3月(実)

30,016

2,155

2,279

1,494

93.62

46.00

2022年3月(実)

31,169

2,367

2,542

1,694

106.08

47.00

2023年3月(予)

33,500

2,640

2,770

1,830

114.55

48.00

*単位:百万円、円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。(以下、同様)

 

株式会社アイネットの2023年3月期第2四半期決算概要などをご紹介致します。

 

 

目次

今回のポイント
1. 会社概要
2. 中期経営計画(2022年4月-2025年3月)
3. 2023年3月期第2四半期決算概要
4. 2023年3月期業績予想
5. 今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比12.5%増の168億8百万円。開発案件の増加によりシステム開発サービスが好調に推移した上、クラウドサービスや受託計算等を提供している情報処理サービスも順調に推移した。営業利益は同7.4%増の10億59百万円。電気料金等の高騰による原価高を増収効果で補うことにより、売上総利益率が同1.6ポイント低下したものの増益を確保した。

     

  • 上期が終わり、2023年3月期の会社計画は、売上高が前期比7.5%増の335億円、営業利益が同11.5%増の26億40百万円の期初予想から修正はなし。売上高は期初の想定通りに進展しており、引き続き順調な推移が想定される。電気料金を中心とする原価の高騰が期初の想定以上となっているものの、省エネ機器への入れ替え、価格見直しなどを進め、原価の抑制に努めることに加え、増収効果と販管費の削減等により通期の会社予想の達成を目指す。配当も前期比1.00円/株増配の48.00円/株の予定を据え置き。11期連続の増配で、予想配当性向は41.9%となる見込み。

     

  • データセンタークラウドを中心に電気料金などの高騰に伴う原価高の影響が大きくなっている。こうした環境に対応し、同社では今後省エネ機器への入れ替え、価格見直しなどを進め、原価の抑制に努める他、販管費の削減等を積極的に行う方針である。これら施策により下期の収益性をどこまで改善することができるか注目される。

     

     

1.会社概要

国内最高レベルの安全性を備えた自社データセンターと長年培ったシステムの運用管理を基盤に、システムの企画・開発から運用・監視、印刷・封入封緘、さらには先進のクラウドコンピューティングに至るまで、顧客の様々なニーズに最適なソリューションをワンストップで提供している。垂直統合と水平展開による強力な事業展開力、強固な顧客ポートフォリオに支えられた安定したビジネスモデルなどが強み。

 

(1)沿革

自家用車の普及が急速に進む中、ガソリンスタンド(以下「サービスステーション」)も増加することが見込まれる一方で、当時のサービスステーションでは、売掛管理、販売管理、顧客管理などを確実・効率的に処理することは難しく、経営者は頭を抱えていた。
これを解決する仕組みを導入すれば、大きなビジネスチャンスが生まれると考えた外資系石油会社出身の池田典義氏(現:株式会社アイネット創業者最高顧問)は、1971年、サービスステーションの受託計算処理を目的として株式会社アイネットの前身となる株式会社フジコンサルトを設立した。
池田氏の想定通り、出光興産(当時)を皮切りに、昭和シェル石油、モービル石油、キグナス石油、三井石油など石油元売り各社の地域または全国指定計算センターに指名され、業容は急速に拡大。1995年に店頭公開、1997年に東証2部に上場した。
その後は、M&Aも含めて石油販売業以外にもフィールドを拡張し、データセンター、金融、製造、小売・流通など現在の主力分野でも存在感を高めていく。2006年には東証1部銘柄に指定された。2022年4月に市場再編に伴い、東証プライム市場に移行した。

 

 

(2)企業理念

持続的成長が可能な企業を目指し、さらなる成長をしていくためには役員および社員が全員で、いかなる行動を起こす場合においても基準となる共通の価値観を共有することが必要であると考え、グループの理念となる「inet Way」を制定した。

 

「inet Way」は、「企業理念」・「企業ビジョン」・「経営方針」・「中期経営計画」の4つの柱から形成され、その土台には企業人として守るべき「企業行動憲章」と、「inet Way」を達成するための原動力となる「行動指針」がある。

 

(同社資料より)

 

「inet Way」では、事業規模を拡大していくとともに、揺るぎない事業成長基盤を作り上げていくために、新たに「持続的成長を可能にするエクセレントカンパニーへ」という経営方針を定めた。
「会社も社員も、常に時代や時流の変化を鑑みながら自ら変化していくことで、成長を続けていかなければならない」という想いを込めている。

 

企業理念

情報技術で新しい仕組みや価値を創造し、豊かで幸せな社会の実現に貢献する。

企業ビジョン

アイネットグループは、「創造」「挑戦」「信頼」をベースに持続的な企業価値向上を目指し、社会とステークホルダーに貢献する企業として成長します。

 

integrated

知恵の価値を共有し、情報化社会をリードする企業

 

networking

技術と技術、心と心(人と人)、個人と社会のネットワーキングづくりを目指す企業

 

energy

持続可能な社会の実現に向けた創造性とイノベーションに挑戦する活気あふれた企業

 

technology

情報技術で豊かで幸せな社会の実現に取り組む企業

経営方針

持続的成長を可能にするエクセレントカンパニーへ

 

(3)市場環境

同社では、主要分野及び今後の注力分野における業界環境、事業環境を以下のように認識している。

 

(同社資料より)

 

同社が強みとするデータセンター市場は、今後も順調な拡大が見込まれている。

 

石油元売り企業が統合・再編によって1990年当時の15社から5社に集約されたこともあり、国内のサービスステーションも1990年ごろをピークに、現在はその半分まで減少している。
ただ、そうした中でも同社は、競合他社が撤退していることもあり、これまでに培ってきた実績や実力をベースに、新規顧客を獲得して更にシェアを向上させ、ナンバーワンのポジションを磐石なものとしている。
クレジットカードや売上データの相互連携などのシステム開発案件が多く発生していることに加え、顧客獲得のための大きな投資も不要で、同社にとってはフォローの風となっている。
また、クラウド、AI、IoT、RPAなどビジネスをより効率化する技術や手法の登場、浸透もあり、石油関連以外でもほぼ全ての分野でシステム投資需要が拡大しており、同社を取り巻く事業環境は良好である。

 

(4)事業内容

国内最高レベルの安全性を備えた自社データセンターと長年培ったシステムの運用管理を基盤に、システムの企画・開発から運用・監視、印刷・封入封緘、さらには先進のクラウドコンピューティングに至るまで、顧客企業の様々なニーズに応じた最適なソリューションをワンストップで提供している。
主な事業は「情報処理サービス」「システム開発サービス」「システム機器販売」の3つ。

 

 

 

【情報処理サービス(23/3期第2四半期売上構成比39%)】
「データセンター」、「クラウドサービス」、「受託計算サービス」、「メーリングサービス等」を手掛ける。今後も成長ドライバーとして位置付けている。同社ではこの情報処理サービスをストックビジネスと定義し安定成長の基盤と考えている。
この10年間の情報処理サービス部門の売上高は、「データセンター・クラウドサービス」の成長に伴い増加している。

 

 

◎データセンターサービス
情報処理サービスにおいて同社が近年最も注力し、強みを発揮しているのが「データセンターサービス」および「クラウドサービス」だ。いずれも業界に先駆けていち早く育成に取り組んだ。データセンターは、横浜(4棟)にある。バックアップ拠点が北海道(1棟)、長野(1棟)、大阪(1棟)にあり、相互のバックアップを行い災害にも備えている。

 

◎クラウドサービス
データセンタービジネスで培った事業基盤を活用してスタートした「クラウドサービス」では自社サービスのみではなく、競争力があり、顧客にとって有用なアプリケーションを提供している様々な企業と提携して、プラットフォームに搭載。顧客満足度を高めることで、安定したストック型ビジネスとして確立している。

 

◎受託計算サービス、
受託計算サービス」は安定した売上を維持してきたが、ここ数年、売上高は徐々に増加してきている。背景として、小売業者が業務システムを自社所有から、業務系プラットフォームの利用に転換する流れがあり、実績のある同社サービスの利用が増えているためである。
創業ビジネスであるサービスステーション(ガソリンスタンド)の受託計算及び決済処理においては、サービスステーションでの決済手段のうち、クレジットカードと売掛決済に関するサービスを提供している。クレジットカード決済においては、ネットワークを通じて同社のデータセンターで処理を行っている。売掛データはサービスステーションに代行して、数量、単価、値引き等、さまざまな計算を行い、月末には請求書を作成して発送している。国内のサービスステーションのうち約3割が同社のシステムを利用しており、トップシェアである。クレジットカードや売掛金処理で培ったノウハウ、実績、事業基盤を活用し、金融、小売等、他業種における決済処理へと横展開を進めてスケールを拡大してきた。
最近では、緊急車両等の燃料給油をシームレス化することで緊急時の活動を支援するため、全国各地の石油組合向けに「官公需カードシステム」の展開を強化している。同システムは各都道府県の公共機関(県警本部、病院、県庁など)が、緊急時・災害時に優先的に給油可能な一括契約の下、各県内のどのメーカーのサービスステーションでも同一カードで給油できるというもの。全国各地の石油組合向けに展開し、現在4県に導入済みで、今後も拡大する計画である。また、LPG販売管理システムを自社クラウド上で運用するプロパンガス小売事業向けサービスの提供も開始した。開発・運用・BPO・コールセンターをワンストップで提供するとともに、営業体制を強化、更なる拡販を図る方針である。

 

◎メーリングサービス等
メーリングサービス」は昨年度より増収基調に転じている。競合先が減少している上、自社センターで預かるデータを印刷から郵便まで自社で一貫して対応できる同社のサービスが評価されているためである
サービスステーションにおける請求書発送業務を手掛けてきた経緯から、クレジットカード利用明細、納税通知書、官公庁の郵便物等の帳票印刷、ダイレクトメール、請求書などのプリント及び封入封緘なども行っている。主要顧客であるクレジットカード会社のデータ入力・カード申込受付・カード利用照会・コールセンター業務を受託するBPO(Business Process Outsourcing)業務も手掛けている。

 

【システム開発サービス(23/3期第2四半期売上構成比56%)】
この10年間のシステム開発部門の売上高は、M&Aなどもあり、20/3期まで毎期増収を達成。 21/3期に新型コロナウイルス感染症により初めて減収となったものの、翌22/3月期から再度増加に転じている。19/3月期にソフトウェア開発子会社1社がグループ入り。子会社2社の業績も好調に推移しており、 開発サービス部門全体の業績に貢献している。長年培った信頼関係をベースに、業務アプリケーション開発、パッケージソフト開発、汎用ツール開発、制御組込、宇宙開発など幅広い分野において顧客のシステム設計、構築を行っている。顧客業種は、銀行・金融機関、サービスステーション、コンビニ・スーパー、宇宙開発、建設・建築、航空・旅行、官公庁・自治体、医療、製造と極めて幅広い。業務の効率化、人手不足への対応をはじめとした企業の競争力強化のために、ソフトウェア投資需要は中長期的には堅調と同社では見込んでいる。

 

 

【システム機器販売(23/3期第2四半期売上構成比7%)】
顧客へのシステム導入に際して必要なPC、POS、サプライ品、パッケージソフトを仕入れ・販売するほか、機器やソフトの操作指導も行っている。

 

(5)特長・強み

【垂直統合と水平展開による強力な事業展開力】
サービスステーションの受託処理を祖業とする同社では、受託処理に次いで、システム導入のための設計・コンサル、システム構築、自社データセンターの運営、請求書発送のための帳票印刷・封入封緘、コールセンターやBPOといった業務を垂直統合し、サービスステーション向けビジネスにおいて基盤を構築・強化し、事業フィールドを拡張してきた。
加えて、そこで培ったノウハウや技術力をベースに、サービスステーション以外の流通、製造、金融機関など他業種に対象を広げてシステム構築を受託したり、データセンターを外販したりするなど、水平展開にも取り組み多種多様な顧客を開拓してきた。
事業フィールドと顧客ベースの拡張、この強力な事業展開力は同社を評価するうえで欠くことのできない重要なポイントである。

 

 

(同社資料より)

 

【強固な顧客ポートフォリオに支えられた安定したビジネスモデル】
上記の強力な事業展開力によって獲得した顧客数は4,300社を超える。業種も様々で、多種多様な企業で構成された顧客ポートフォリオに対し、クラウドデータセンターを軸として、顧客のビジネス形態に合わせてさまざまなサービスを展開しているため顧客や業界の浮き沈みに影響されない安定したビジネスモデルを確立している。

 

 

(同社資料より)

 

【ワンストップサービスの提供】
幅広い業種、業態の顧客に対し、ITに関わるさまざまなサービスをワンストップで提供できる点も強みである。

 

 

 

(同社資料より)

 

このように、システム開発、データセンター、システムの構築・運用、多様なクラウドサービスの提供、請求書や各種帳票の印刷・封入封緘、発送など、ITに関わる上流から下流まで、全ての工程で、セキュリティレベルの高いサービスを提供できる会社は少なく、高い顧客利便性及び顧客満足度は強固な参入障壁、強力な競争優位性に繋がっている。

 

【ストックビジネスの拡大により安定成長を実現】
売上構成は3割強で、6割を占めるシステム開発サービスよりも低い情報処理サービスであるが、同社では同サービスを「ストックビジネス」と定義し、安定成長の基盤と位置付けている。ストックビジネスとは、「毎月定額で売上を得られるもの」「次年度以降も契約が継続されるもの」で、クラウドサービスやデータセンターサービスに代表され、SS受託計算(サービスステーション)、プリント・封入封緘など。

 

データセンター・クラウドサービスは過去10年間でマーケットの成長とともに、売上高はCAGR16.0%で、5倍以上の規模にまで急成長してきた。データセンター・クラウドサービスに牽引され情報処理サービスの同期間CAGRは5.1%と、全売上高の4.0%およびシステム開発サービスの3.2%を上回る。コロナ禍の影響を大きく受けた前期を除くと、この期間、システム開発サービスにおいては減収が2期、全売上高でも減収は1期のみであるのはまさに「ストックビジネス」の安定成長によるものである。
また22/3期の売上総利益率は23.7%と収益性の高さも特徴である。今後もデータセンター・クラウドサービスを中心としたストックビジネスの拡大による安定成長を継続させる考えだ。
*CAGRは11/3期をスタート値とした22/3期までの年平均成長率

 

(6)目標とする経営指標

持続的な企業価値向上を目指すために、事業規模の継続的拡大を通じ、本業の成果を表す「売上高」、「営業利益」、「営業利益率」および「ROE」を重要な経営指標としている。

 

(7)ROE分析

 

15/3期

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

22/3期

ROE (%)

8.8

9.4

10.7

10.4

10.9

11.3

9.5

10.1

 売上高当期純利益率(%)

4.23

4.56

5.34

5.34

5.52

5.38

4.98

5.44

 総資産回転率(回)

0.92

0.96

0.98

1.00

1.01

1.07

0.97

0.95

 レバレッジ(倍)

2.27

2.16

2.05

1.95

1.96

1.96

1.96

1.96

 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

22/3期のROEは、収益性の向上で再び2ケタ台となった。

 

(8)配当政策・株主優待制度

将来の資金需要に備え内部留保しつつ安定的な配当を継続することを配当方針としている。
配当性向のめどは示していないが、過去数年間は40%を超している。23年3月期の予想配当性向は41.9%。
2022年3月期まで11期連続増配の予想である。

 

株主優待制度を設けている。
毎年9月30日時点で1,000株以上保有の株主に年1回、保有株式数に応じたクオカードを進呈しているほか、3年以上保有の場合は1,000円分の長期保有プレミアムを受け取ることができる。
また、進呈額の10%を同社が障がい者団体等へ寄付しており、株主は社会貢献にも参加することができる仕組みとなっている。

 

 

(9)社会貢献活動

主に以下のような社会貢献活動を行っている。

 

◎アイネット地域振興財団
2019年に創業者である創業者最高顧問の池田典義氏が、新たに、神奈川県内で社会貢献活動を行う団体の持続可能な活動を支援・助成することを目的とする財団法人「アイネット地域振興財団」を設立。2020年1月には、公益認定を取得し、より一層の社会への貢献ができる体制となり、改めて活動を開始した。主に、子ども・青少年の健全な育成、教育、スポーツ等を通じた心身の健全な発展、公衆衛生の向上、環境保全・整備、地域社会の健全な発展などの支援・助成する。支援実績は、20年度14団体、21年度22団体、22年27団体。長期的かつ安定的な活動を実現し、よりよい地域社会の発展に貢献していく。

 

◎障がい者雇用
障がいのある方に活躍の場を提供し、自立・自律を支援することを目的に設立した特例子会社(厚生労働大臣認定)である(株)アイネット・データサービスでは、障がいのある方々がデータ入力、スキャニング、軽作業、名刺作成といった業務を行っている。

 

◎子育て支援
本社所在地・横浜市のオープンデータを活用して保育施設を検索できる子育て・女性活躍支援サイト「働くママ応援し隊」を運営している。22年6月にリニューアルし、子育てブログもスタートした。

 

2.中期経営計画(2022年4月-2025年3月)

新たな3ヶ年の中期経営計画を公表した。

 

(1)重点強化ポイント

システム開発、データセンター・クラウドサービス、受託計算、BPOまでワンストップで提供するという自社のサービス展開モデルをベースに、以下の重点強化ポイントを掲げている。

 

(同社資料より)

 

(2)サービス別事業戦略

◎情報処理サービス
<データセンター・クラウドサービス>
*インフラ運用、システム運用、業務運用まで幅広いサービスの提供を推進する。
*顧客に応じクラウドへの移行を手厚くサポートする。
*セキュリティ、ストレージ等、新サービスを拡充する。
*高効率、低消費電力サーバ・ストレージによる省エネサービスの提供を行う。

 

<受託計算サービス>
*業務効率化提案等、石油元売り・商社向けDX推進を強化する。
*規制対応、ASP利用拡大など、大手特約店向けサービスを拡充する。
*SS向けサービス拡充、LPG業界向けサービス展開により顧客の拡大を図る。

 

<プリント・メーリング・BPOサービス>
*電子と紙のハイブリッド化による業務効率化コンサルティングを推進する。
*BPO、配送サービス等において協業先との連携を進め、サービスの多角化を図る。
*業務の質・量の強化に向けた設備の増強と効率的運営を進める。

 

安定的なストックサービスである情報処理サービスは継続的な売上による成長基盤と位置付け、一人当たりの売上・利益の増加を目指す。

 

◎システム開発サービス
*金融機関向けサービスの強化
*販売管理システム、IoTプラットフォームのサービス展開強化
*宇宙・衛星事業における協業と自社サービスの強化

 

(3)設備投資

成長の源泉でサービスの軸となるデータセンターを中心に、社会的基盤として設備投資を強化する。2019年度〜2021年度は顧客のデータセンターの利用と共に、設備の増強を実施した。2022年度以降は、クラウドサービスの拡がりに合わせた増強を継続する。データセンター新設も検討する。

 

(4)人的資本強化

人的資本強化の重要性を認識しており、以下のような方針を掲げ、取り組みを進める。
<方針>
経営における最大の財産は社員であるという理念のもと、社員の働きがいの実感につながり、会社も社員も成長ができる公正な人事制度を定めている。

 

◎人材投資による業績規模の成長拡大
生産性向上と従業員数の増加を意識し、持続的成長を目指す。
新卒採用を積極的に推進するほか、中途採用も強化する。離職防止に取り組む。
生産性向上のためDX人材の育成、適材適所の配置、従業員満足の向上などに注力する。

 

◎IT人材としてあるべき姿
顧客から信頼される技術力と人間力を育成する。
若手やシニア、全ての世代が活躍できる環境を整備する。

<施策>
人的資本強化のための主な施策は以下のとおり。

 

人材育成・開発

・高度DX人材の育成(AI、データサイエンスなど)

・若手の早期育成(新人研修は1年間のサポート)

・学び場の提供(産学連携共同研究、社会人大学、eラーニング)

・資格取得奨励による技術者の第三者評価UP

働き方改革

・テレワークの活用促進

・オフィスレイアウトの見直し推進(フリーアドレス等)

・社内システムのDX化、ペーパーレス化、生産性向上

・副業解禁の検討

ダイバーシティ&インクルージョン

・ダイバーシティ推進室による活動

・女性社員の積極採用継続(新人の4割が女性)

・外国人、障がい者など多様な人材採用

・「えるぼし」、「くるみん」認定の継続

・女性管理職の積極的登用

健康経営

・定期健康診断の受診率100%を継続

・健康保険組合と連携し特定保健指導の受診率UP

・スポーツ大会の開催や部活動支援継続

・ホワイト500の認定継続

 

(5)数値目標

 

22/3期(実)

25/3期(計画)

増減

売上高

31,169

37,700

+6.6%

営業利益

2,367

3,200

+10.6%

ROE

10.1%

10%以上

-

営業利益率

7.6%

8.5%

+0.9pt

*単位:百万円。売上高・営業利益の増減はCAGR(Compound Annual Growth Rate)。同社資料を基にインベストメントブリッジが計算。

 

売上高・営業利益の増加を図りつつ、営業利益率・ROEの向上も目指す。

 

3.2023年3月期第2四半期決算概要

(1)連結業績

 

22/3期

第2四半期

構成比

23/3期

第2四半期

構成比

前年同期比

売上高

14,935

100.0%

16,808

100.0%

+12.5%

売上総利益

3,376

22.6%

3,530

21.0%

+4.5%

販管費

2,389

16.0%

2,470

14.7%

+3.4%

営業利益

986

6.6%

1,059

6.3%

+7.4%

経常利益

1,095

7.3%

1,074

6.4%

-1.9%

親会社に株主に帰属

する四半期純利益

715

4.8%

648

3.9%

-9.4%

*単位:百万円
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*費用項目の▲は費用の増加を示す。

 

前年同期比12.5%の増収、同7.4%の営業増益
売上高は前年同期比12.5%増の168億8百万円、営業利益は同7.4%増の10億59百万円。売上面では、開発案件の増加によりシステム開発サービスが好調に推移した上、クラウドサービスや受託計算等を提供している情報処理サービスも順調に推移した。
利益面では、電気料金等の高騰による原価高を増収効果で補うことにより、売上総利益率が同1.6ポイント低下し21.0%となったものの、売上高販管費率が1.3ポイント低下したことなどもあり営業利益で前年同期比増益を確保した。売上高営業利益率は、同0.3ポイント低下の6.3%となった。また、経常利益は同1.9%減の10億74万円。前年同期に計上した助成金収入74百万円が今期はなくなったことなどが影響した。更に、当期純利益は同9.4%減の6億48百万円となった。経常利益の減益に加え、投資有価証券評価損49百万円や固定資産売却損20百万円の計上などが影響した。

 

四半期(7-9月)の業績推移

 

 

第2四半期(7-9月)は、前年同期比で増収増益となり、過去と比較しても高水準となった。

(2)サービス別動向

 

22/3期

第2四半期

構成比

23/3期

第2四半期

構成比

前期比

情報処理サービス

6,077

40.7%

6,570

39.1%

+8.1%

システム開発サービス

8,339

55.8%

9,462

56.3%

+13.5%

システム機器販売

518

3.5%

776

4.6%

+49.7%

売上高

14,935

100.0%

16,808

100.0%

12.5%

情報処理サービス

1,434

23.6%

1,225

18.6%

-14.5%

システム開発サービス

1,837

22.0%

2,142

22.6%

+16.6%

システム機器販売

104

20.1%

161

20.7%

+54.6%

売上総利益

3,376

22.6%

3,530

21.0%

+4.5%

*単位:百万円。売上総利益の構成比は利益率。

 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

◎情報処理サービス
売上高は前年同期比8.1%の65億70百万円、売上総利益は同14.5%減の12億25百万円となった。①社会全体のシステム化の進展に伴い、データセンター、クラウドサービスの利用が増加したこと、②同社グループの祖業であり、強みを持つサービスステーション(ガソリンスタンド)からの受託計算サービスが、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴い順調に増加したこと、③ここ数年、売上が低下傾向にあったメーリングを中心としたBPOサービスの業績が回復基調に転じたことなどが売上の増加に寄与した。
一方、売上総利益の減少は、電気料金等の値上がりに伴う原価の上昇が影響した。同社では、自社データセンターの設備を省エネルギータイプの機器に刷新するなどにより、原価、経費の削減に努めると共に、顧客の理解を得る形で、損益への影響を最小限に抑える努力を続けている。

 

【情報処理サービスの増減要因】

22/3期第2四半期 売上高

6,077

 

  データセンタークラウド

+213

 

  受託計算サービス

+134

 

  メーリングサービス等

+146

 

23/3期第2四半期 売上高

6,570

 

 

 

 

22/3期第2四半期 営業利益

1,434

 

  データセンタークラウド

-282

増収効果+35、収益性変動-317

  受託計算サービス

+59

増収効果+48、収益性変動+11

  メーリングサービス等

+14

増収効果+28、収益性変動-14

23/3期第2四半期 営業利益

1,226

 

*単位:百万円。

 

◎システム開発サービス
売上高は前期比13.5%増の94億62百万円、売上総利益は同16.6%増の21億42百万円となった。①同社が以前より強みを持つ、金融業、流通業、通信業及び宇宙関連事業向けのシステム開発案件が増加したこと、②大手顧客から受託する運用保守ビジネスが安定収益として拡大していること、③システム開発子会社2社の業績が好調に推移したことなどが、売上と利益の増加に寄与した。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限を契機に、社内のシステム開発体制を顧客の業界単位の組織に再編、開発要員をより効率的に運用することができるように組み直し、併せて、開発現場の環境を改善した結果、生産性が向上し、安定した収益を実現することが可能となった。

 

【システム開発サービスの増減要因】

22/3期第2四半期 売上高

8,339

 

  ソフトウェア受託開発

+977

 

  ハードウェア受託開発

+145

 

23/3期第2四半期 売上高

9,462

 

 

 

 

22/3期第2四半期 営業利益

1,837

 

  ソフトウェア受託開発

+241

増収効果+212、収益性変動+29

  ハードウェア受託開発

+64

増収効果+38、収益性変動+26

23/3期第2四半期 営業利益

2,142

 

*単位:百万円

 

◎システム機器販売
売上高は前年同期比49.7%増の7億76百万円、売上総利益は同54.6%増の1億61百万円となった。システム開発の活発化に伴い、関連するシステム機器販売も順調に拡大した。

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎財政状態

 

22年3月

22年9月

 

22年3月

22年9月

 現預金

3,684

3,487

 仕入債務

1,695

1,611

 売上債権

6,394

6,265

 短期有利子負債

3,065

3,270

 たな卸資産

329

353

流動負債

9,903

9,530

流動資産

10,701

10,682

 長期有利子負債

5,858

5,900

 有形固定資産

15,231

15,020

固定負債

6,295

6,286

  ソフトウェア

1,587

1,859

負債

16,199

15,817

 無形固定資産

1,833

2,090

純資産

17,304

17,363

 投資その他

5,736

5,387

負債・純資産合計

33,503

33,181

固定資産

22,802

22,498

有利子負債合計

8,923

9,170

*単位:百万円
*たな卸資産=商品及び製品+仕掛品+原材料及び貯蔵品
*有利子負債=借入金(リース債務含まず)

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

22/9月末の総資産は前期末比3億22百万円減少の331億81百万円。資産サイドでは、現預金、売上債権、有形固定資産、投資有価証券等が、負債・純資産サイドでは、仕入債務、未払法人税等、その他の有価証券評価差額金等が主な減少要因となった。自己資本比率は52.3%となり、前期末比0.7ポイント上昇した。有利子負債は、前期末比2億46百万円増加した。

 

◎キャッシュ・フロー

 

22/3期

第2四半期

23/3期

第2四半期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー

1,423

1,158

-265

-18.6%

投資キャッシュ・フロー

-861

-1,163

-301

-

フリー・キャッシュ・フロー

561

-4

-566

-

財務キャッシュ・フロー

-1,714

-191

1,522

-

現金及び現金同等物の期末残高

2,875

3,487

612

+21.3%

* 単位:百万円

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

CFの面から見ると、売上債権の減少幅の縮小、法人税等の支払額の増加などにより営業CFのプラス幅が縮小した。また、有形固定資産の取得による支出の拡大などにより投資CFのマイナス幅が拡大し、フリーCFがマイナスへ転じた。その他、長期借入金の増加などにより財務CFのマイナス幅は縮小した。以上により、22/9月末のキャッシュ・ポジションは前期比21.3%増加した。

 

(4)トピックス

◎介護タクシー業界を変革するヘルスケアMaaS
同社は、社会課題を新たな事業で解決する取り組みを推進しています。移動困難者と介護タクシー事業者を最適にマッチングし、予約から決済までを可能とするシステムを構築することにより、介護タクシー利用や移動困難者の外出にかかる課題を解消するとともに、利用者のニーズ拡大による需要の創出を目指している。

 

◎紙の帳票と電子版の帳票両方に対応可能な新帳票ソリューションの提供開始
同社は、同社のメーリングサービスとユニリタの「まるっと帳票クラウドサービス」(利用者に 帳票を電子配信するクラウドサービス)を融合した帳票業務の効率化を実現する新サービスの提供を開始した。これにより、印刷と電子配信のメリットを併せ持つ運用により帳票業務のDX化の実現が可能となる。また、顧客のタイミングに応じて送付手段の選択に柔軟に対応できる他、同社データセンター内での処理完結によるデータの外部流出リスクを極小化することも可能となる。

 

◎英国のAIセキュリティ企業、ダークトレースと契約締結セキュリティ商品を強化
AIサイバーセキュリティのグローバルリーダーである英国のダークトレース社と販売代理店契約を締結し、独自の自己学習型AI技術を駆使してネットワーク上のあらゆるサイバー脅威の検知・調査・遮断を1つのプラットフォーム上で自律的に行うNDR製品『Darktrace Immune System』を販売している。これにより、業種問わずセキュリティの対象範囲が広がり、セキュリティ商品の強化に繋がった。

 

◎LPガス向けスマートメーター事業「プロパネット」が急成長中
プロパネットは、同社が提供するLPガス小売業向けクラウドタイプのLPガス販売管理システムである。LPガス小売業の業務効率化、DX推進に最適なツールとして評価が高い。検針票代行発送サービスやWebポータルシステム、保安点検タブレット端末、各種決済サービス連携等、充実した機能を搭載している。また、同社のデータセンターにてデータを管理しているため、災害対策やBCP対策等にも効果的である他、導入・維持コストの低減を実現している。

 

4.2023年3月期業績予想

(1)業績予想

 

22/3期

構成比

23/3期 予想

構成比

前期比

売上高

31,169

100.0%

33,500

100.0%

+7.5%

営業利益

2,367

7.6%

2,640

7.9%

+11.5%

経常利益

2,542

8.2%

2,770

8.3%

+9.0%

当期純利益

1,694

5.4%

1,830

5.5%

+8.0%

*単位:百万円。

 

前期比7.5%の増収、同11.5%の営業増益を予想
上期が終了し、23/3期の会社計画は売上高が前期比7.5%増の335億円、営業利益が同11.5%増の26億40百万円の期初予想から修正はなし。
売上高は期初の想定通りに進展しており、引き続き順調な推移が想定される。電気料金を中心とする原価の高騰が期初の想定以上となっているものの、省エネ機器への入れ替え、価格見直しなどを進め、原価の抑制に努めることに加え、増収効果と販管費の削減等により通期の会社予想の達成を目指す。売上高営業利益率は、前期比0.3ポイント上昇の7.9%の予想。
配当も前期比1.00円/株増配の48.00円/株の予定を据え置き。11期連続の増配で、予想配当性向は41.9%となる見込み。

(2)進捗率

 

23/3期 上期実績

23/3期 会社計画

進捗率

売上高

16,808

33,500

50.2%

営業利益

1,059

2,640

40.1%

経常利益

1,074

2,770

38.8%

当期純利益

648

1,830

35.4%

*単位:百万円

 

上期が終了し、通期の会社計画との進捗率は、売上高においては50%を超え順調な推移となっている。一方、各段階利益においては電気料金を中心とする原価の高騰が期初の想定以上となっていることが影響し50%を下回る進捗率となっている。
今後、省エネ機器への入れ替え、価格見直しなどを進め、原価の抑制に努める方針である。

 

5.今後の注目点

23/3期上期決算では、データセンタークラウド、受託計算サービス、メーリング等、ソフトウェアなどの主力事業が順調に拡大していることが確認された。外部環境が不透明さを増す中、同社が属する情報サービス業界では外部環境の悪化に対して大きな影響を受けていないようである。こうした一方で、データセンタークラウドを中心に電気料金などの高騰に伴う原価高の影響が大きくなっている。ロシアウクライナ問題による原油高に円安が追い打ちをかけ電気料金が高騰する中致し方ない収益性の悪化と言える。こうした環境に対応し、同社では今後省エネ機器への入れ替え、価格見直しなどを進め、原価の抑制に努める他、販管費の削減等を積極的に行う方針である。上期終了時点における通期会社計画との進捗率は、売上高で50%を上回ったものの、各段階利益では50%を下回る状況となっている。今後本格化する原価と販管費の削減に加え、各事業における売上高の上積みを通じて、通期の利益計画の達成に向けてどこまで下期業績を拡大できるのか注目される。
また、安定成長が継続しているデータセンターにおいては、今後も顧客のデータセンターの利用の拡大とともに、設備の増強が計画されている。データセンターの能力拡大は、今後の同社の売上高拡大の先行指標となることから、設備投資の状況を注視しておく必要がある。データセンターの新設を伴う積極的な設備投資は同社の先行きに対する自信の表れとなる可能性が高い。今後のデータセンターへの投資の状況にも注目していきたい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

11名、うち社外6名

監査等委員

3名、うち社外3名

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年9月20日

 

<基本的な考え方>
当社は、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、関連法規の遵守を目的に、透明性を高め、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制の構築、維持を重点事項として推進しております。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

補充原則1-2-4【議決権電子行使プラットフォームの利用等】

当社は、議決権の電子行使サービスの利用や招集通知の一部英訳を実施しております。また、現状では機関投資家向けに対応した議決権電子行使プラットフォームは利用しておりません。

今後の株主構成の変化等に留意しつつ、招集通知の株主総会参考資料を含む英訳及び、議決権電子行使プラットフォームの利用を検討してまいります。

<開示している主な原則>(抜粋)

原則

開示内容

原則2-4-1【中核人材の登用等における多様性の確保】

 

当社では、女性、外国人、キャリア採用者など、多様な人材の採用、起用を積極的かつ継続的に行っており、それぞれの特性や能力を活かせる職場環境の整備やマネジメント層の教育などの取り組みを進めてきました。2025年4月1日までに女性管理職比率を現在の5.1%から10%とする目標を設定しており、毎年、新卒採用者の40%以上を女性とする採用方針としております。その他の取り組み等については、当社ウェブサイトをご参照下さい。

https://www.inet.co.jp/sustainability/social/diversity.html

中期経営計画では、これまでの取り組みに加え、中途採用戦略の実行、各レベル層の人材力アップ向けに教育研修制度や内容の強化に取り組んで参ります。

原則3-1 【情報開示の充実】

(i)当社の目指すところ(企業理念、経営方針、企業行動憲章)につきましては、当社ホームページに掲載しております。https://www.inet.co.jp/company/inetway.html

(ii)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、本報告書の「I-1.基本的な考え方」に記載のとおりであります。

(iii)取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続については、本報告書の「II-1.【取締役報酬関係】報酬の額又はその算定方法の決定方針の開示内容」に記載のとおりであります。

(iv)取締役候補者については、会社経営に関する能力・経験および人格・見識に秀でる者を指名しております。また、社外取締役については、上記に加え、客観的で多様な視点から会社経営と業務執行に対する監督・監査を実施できる者を指名しております。

なお、取締役候補者の選解任および指名については、代表取締役が選解任案を立案し、指名・報酬諮問委員会での答申を充分に踏まえた上で取締役会に諮り決議いたします。監査等委員である取締役については監査等委員会の同意を経て決定します。

(v)取締役の選任理由は株主総会招集通知に記載のとおりです。社外取締役の選任理由は、招集通知並びに本報告書「II‐1【取締役関係】会社との関係(2)」に記載のとおりであります。

招集通知書(9~23ページ) https://www.inet.co.jp/ir/20220624-01.pdf

原則5-1 【株主との建設的な対話に関する

方針】

当社は、IRポリシーを制定し、基本方針・開示基準・開示方法・沈黙期間等を開示しております。また持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で株主・投資家との対話に対応しております。

当社は、経営戦略・IR部をIR担当部署として設置し、IR担当部署を管掌する取締役をIR担当役員としてIR体制を整備しており、株主や投資家を含むステークホルダーに対し、IR担当が経営企画・総務・経理・人事・事業部門等と十分に連携し、経営・財務状況等を適時適切に開示しております。

株主との対話としては、本決算発表後の事業説明会、アナリスト・機関投資家向けに年2回決算説明会を開催し、代表取締役社長による説明および対話を行っております。また、機関投資家との個別面談や個人投資家向けの会社説明会等を適宜実施し、積極的なIR活動を合理的な範囲で代表取締役社長はじめ経営陣幹部やIR担当が対応しております。

対話により把握いたしました株主・投資家の意見等は、IR担当役員が適切に判断し必要に応じて取締役会等に付議・報告する等、フィードバックを図っております。

なお、対話に際しては、インサイダー情報の管理には社内規程に則り十分留意しながら実施しております。

 

<その他>
当社は、投資家に対し重要な会社情報を適時適切に開示するため、金融商品取引法および「上場有価証券の発行者の開示情報の適時開示等に関する規則」(適時開示規則)を遵守し、社内規程に従って内部情報の管理および開示を行っております。
当社は、適時開示すべき決定事実に関する情報、発生事実に関する情報、決算に関する情報を、情報開示責任者の指揮のもと適時適切に開示しております。重要な決定事実については、情報開示委員会及び取締役会決議の後、情報開示責任者は、当社社内規程に基づき情報管理の徹底を図るとともに、適時開示すべき決定事実について速やかに開示手続きをとっております。重要な発生事実については、代表取締役社長および情報開示責任者に報告され、情報開示責任者は、当社社内規程に基づき情報管理の徹底を図るとともに、適時開示すべき発生事実について速やかに開示手続きをとっております。決算に関する情報については、情報開示委員会及び取締役会決議の後、情報開示責任者は、当社社内規程に基づき情報管理の徹底を図るとともに、適時開示すべき事項について速やかに開示手続きをとっております。

 

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