ブリッジレポート
(7590) 株式会社タカショー

スタンダード

ブリッジレポート:(7590)タカショー 2023年1月期上期決算

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高岡 伸夫 社長

株式会社 タカショー(7590)

 

 

会社情報

市場

東証プライム市場

業種

卸売業(商業)

社長

高岡 伸夫

所在地

和歌山県海南市南赤坂20-1

決算

1月20日

HP

https://takasho.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

689円

17,532,536株

12,079百万円

8.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

23.00円

3.3%

67.55円

10.2倍

739.30円

0.9倍

*株価は9/2終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE、BPSは22/1期実績、DPS、EPSは23/1期予想。数値は四捨五入。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

配当

2018年1月(実)

17,489

607

571

228

18.59

10.00

2019年1月(実)

17,759

514

333

338

25.04

10.00

2020年1月(実)

17,357

531

469

203

13.93

10.00

2021年1月(実)

18,486

1,156

1,152

952

65.36

20.00

2022年1月(実)

20,781

1,474

1,530

1,001

65.00

23.00

2023年1月(予)

23,204

1,568

1,639

1,184

67.55

23.00

*予想は会社予想。単位:百万円。

 

 

タカショーの2023年1月期上期決算などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.事業展開
3.2023年1月期上期決算
4.2023年1月期業績予想
5.中長期計画
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 23/1期上期は前年同期比2.2%減収、10.5%経常減益。国内は、プロユース部門の売上が7.2%増と好調。TVCMやWEB広告効果による認知度向上、受決率・単価アップなどが増収要因となった。タカショーデジテックが大きく成長。ホームユース部門は市場が低迷する中、売上高は横ばいにとどめた。海外事業は運賃高騰による納期調整の発生に加え、米国では、外出自主規制の緩和、欧州では、物価高騰による買い控えが大きく影響し41.2%減収となった。利益面では、仕入原価が高騰するなかにあって売上総利益率は前年と同水準を保った。しかし、広告宣伝費や販売促進費等の増加により、販管費率が上昇した。営業外では為替差益が増加しており、経常減益幅は抑えられた。

     

  • 通期予想に修正はなく、23/1期は売上高が前期比11.7%増の232億4百万円、経常利益は同7.1%増の16億39百万円を見込む。プロユース事業では、リアルとネットのハイブリッド化を更に進め、AR・MRなどのDX型販売促進を推進し、ブランド力の向上と営業活動の強化を図る。ホームユース事業においては、伸長しているe-コマース分野の更なる販売強化と自社工場生産による新商品の開発促進およびグローバル商品の共通販売を推進していく。海外事業では、米国での大手ホームセンターとの新規取引の推進や欧州では未開拓地域への販売強化を図るとともに、庭全体で楽しめる商品構成を提案することで販売強化を図る。配当についても修正なく、前期と同じ23.0円/株の期末配当を見込んでいる。

     

  • 上期は減収減益ながら、事業展開は国内外で更に賑やかになっている印象を持った。「成長へのスタートアップバリュー経営からグロース経営へ」と打ち出したこともうなずける。国内ではプロユース部門においてDX戦略が充実、特にライティング分野の成長が顕著。海外は、欧州ではいよいよ未開拓地域への展開が本格化する。アメリカ市場ではプロユース商品の展開が注目される。いずれも市場規模は大きく中長期的な成長に貢献しそうだ。来期を見据えると、欧州では、ロシア・ウクライナ情勢が継続すればガーデニング市場の回復には時間を要するだろう。未開拓地域への拡販でカバーしたいところ。グロース経営のスタートラインに立ったものの、PERは低位にとどまっており見直し余地が大きいと考える。

     

     

1.会社概要

「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、ガーデンエクステリア商品を手掛けている。戦後、素材から業種型、そして業態産業へと移行、同社はより良い庭くらしのライフスタイルメーカーとして成長してきた。心身の健康と家族の笑顔ある暮らしの提供を目指す。また、常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化に貢献するグローバルなオンリーワン企業を目指している。ミッションとして「より良い庭での暮らしをグローバルに提供する企業」と掲げている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニア、アメリカへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。1998年に9月にジャスダックに上場、2012年、2013年の増資を経て2017年10月19日より東証二部へ、2018年7月9日には東証一部へ市場変更した。2022年4月4日からの東証新市場区分により、現在は東証プライム。

会社概要

設立日

1980年8月

上場日

1998年9月(ジャスダック)

2017年10月より東証二部

2018年7月より東証一部

2022年4月より東証プライム

資本金

30億4,362万円

従業員数

822名(連結)

グループ

国内6社、海外14社

 

企業理念

私たちタカショーグループは常に変化を先取りして新たな価値を創造し、

広く都市環境庭文化づくりに貢献するグローバルな

オンリーワングループを目指します。

1.ガーデンを中心とした豊かで安らぎのある庭生活文化を創造します。
2.さまざまな提案を通じ、お客様の期待以上の満足を追求します。
3.たゆまぬ研究開発により質の高い商品とサービスを追求します。
4.すべての命を尊重し自然との共生をテーマに地球環境を守ります。
5.人が成長することにより会社が成長する人材型企業としての職場を実現します。
6.企業の社会的責任を自覚し、法令及び公正な商習慣に則り、透明な企業活動を推進します。

 

- 自然にこだわる - 

5つのこだわりで、庭空間をトータルプロデュース。

 

 

 

風。それは木々や草花を揺らし、季節を運び、自然と人を包みます。

 

 

 

光。それは世界を彩り、夢を織りなし、人と自然を照らします。

 

 

 

水。それは生命を吹き込み、季節を充たし、人と自然を潤します。

 

 

 

緑。それは大地に根ざし、大地を被い、人と自然を癒します。

 

 

 

心。五つのこだわりに真心込めて、心がなごむ庭づくり。

 

事業セグメント

同社が主軸とする国内PRO市場とDIY市場の市場規模はそれぞれ7,000億円。国内コントラクト分野や、現在急速に伸ばしている海外市場は14兆円と非常に大規模であり、ポテンシャルは大きい。

 

 

 

(同社資料より)

 

グロース経営へ本格的に取り組む

 

(同社資料より)

 

2.事業展開

プロユースの特徴

ガーデンライフスタイルメーカーとして、庭空間をトータルで演出するアイテムを提案

 

(同社資料より)

 

『ファサードエクステリア』快適さや建物と調和した、デザイン性を持った住まいの顔

 

(同社資料より)

 

さまざまな非住宅・施設の空間に機能性とデザイン性を演出

(同社資料より)

 

 

ビジネス展開

2030年売上500億円に向けた、ライフスタイル&ハイブリッド経営の拡大

(同社資料より)

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)の展開

(同社資料より)

 

ホームユースの特徴

(同社資料より)

 

ホームユースの取り組み

趣味趣向に合わせたライフスタイルを提案

(同社資料より)

 

ヨーロッパへの今後の展開

未開拓地域への進出
● ヨーロッパ全土・・・Amazon EU/Wayfair EUなど、ネット販売を使いドイツ倉庫からドロップシップでヨーロッパ全土に展開。
● ドイツ・・・EU支店と連携、ガーデンセンターを中心に店舗導入の商談の開始。
● フランス・・・Manomano社(ネット販売)へアプローチを開始。
● デンマーク・・・Danks社(小売グループ)へコンタクト中。
● オランダ・ベルギー・フランス・・・販売代理店の開拓。

 

商品戦略

現状:家庭菜園を楽しめるプランターを中心とした商品構成

(同社資料より)

 

今後の展開:庭全体で楽しめる商品構成へ

 

 

(同社資料より)

 

プロユース商品のアメリカ市場への展開

(同社資料より)

 

 

タカショーが提供するバリュー

 

(同社資料より)

 

SDGsの取り組み

タカショーとJPホールディングスが協同で食農・食育プログラム『VegTrug® Kids(ベジトラグキッズ)』を開始

(同社資料より)

 

保育園をはじめ、学童クラブや児童館の運営を手掛ける子育て支援事業の最大手である株式会社JPホールディングスと協同で、こどもたちが「野菜を育てる楽しさ」と「野菜のおいしさ」を学べる食農・食育プログラム『VegTrug®Kids(ベジトラグキッズ)』を21年10月より開始した。まずは、JPホールディングスの日本保育サービス・アメニティライフが運営する「アスク」「GENKIDS」保育園173園で導入し、順次導入園を増やしていく予定。

 

 

3.2023年1月期上期決算

(1)連結業績

 

22/1期 上期

構成比

23/1期 上期

構成比

前年同期比

売上高

11,270

100.0%

11,022

100.0%

-2.2%

売上総利益

5,049

44.8%

4,951

44.9%

-1.9%

販管費

3,885

34.5%

4,165

37.8%

+7.2%

営業利益

1,163

10.3%

786

7.1%

-32.4%

経常利益

1,227

10.9%

1,098

10.0%

-10.5%

親会社株主に帰属する四半期純利益

865

7.7%

679

6.2%

-21.5%

*単位:百万円。
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

前年同期比2.2%の減収、10.5%の経常減益
売上高は前年同期比2.2%減の110億22百万円。
国内は、主力であるプロユース部門の売上高は7.2%増の67億24百万円。別注対応を可能とする国内自社工場と豊富なカラー展開により「ファサードエクステリア&リビングガーデン」における様々な趣味趣向に沿った庭暮らしをライフスタイルで一括提案した。また、WEBショールームやVRパークなどのDXによる提案と、実際に商品を体験できる全国各地にあるガーデン&エクステリアの自社ショールームでクロージングするビジネスモデルの推進を図った。さらに、「5th ROOM」のコンセプトに基づく基軸商品である「ホームヤードルーフ」などリビングガーデン関連商品が、テレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させた新しいDX型販売促進により、取引先からのブランド指定による受注が増加した。さらには、夜の庭を演出する屋外照明「ローボルトライト」関連商品の売上が17.1%増加した。受決率・単価アップなども増収要因となった。また、LEDサインおよびライティング/イルミネーションの事業を行う連結子会社タカショーデジテックが、同社当社景観建材グループとの連携により、非住宅分野(ホテル/旅館など商業施設)での取組みが進み大きく成長しており、売上高が前年同期比21.6%増となった。

 

プロユース:商品カテゴリー別売上推移

 

(同社資料より)

 

国内ホームユース部門の売上高は横ばいの32億80百万円。新型コロナウイルス感染症の影響による需要減少がありホームセンター来店客が減少した。しかし、e-コマース分野で18%増と伸張したことや、早期の梅雨明けにより日除け関連商品の需要が高まり売上を伸ばした。ホームセンター市場が10%~15%減と低迷したものの前年と同水準の売上を確保した。
海外事業の売上高は41.2%減の10億5百万円。依然として続く欧米向け海上運賃の高騰による買い控えにより取引先との納期調整が発生しており、急激な消費減少となっている。こうしたなか、米国では、外出自主規制の緩和により海外旅行やアウトドアへの関心が高まり一時的にホームセンター・ガーデンセンターにおける集客が低迷した。また欧州では、エネルギー価格および生活必需品等の物価高騰による買い控えが大きく影響した。
営業利益は前年同期比32.4%減の7億86百万円。
利益面では、仕入原価が高騰するなかにあって売上総利益率は前年と同水準を保った。しかし、売上高の減少およびリアル展示会の開催を主とした販売促進活動の活発化による、広告宣伝費や販売促進費等の増加により、販管費が7.2%増の41億65百万円となり販管費率が前年同期34.5%から37.8%に上昇したことにより減益となった。営業外では為替差益が前年同期51百万円から2億69百万円に増加しており、経常利益は前年同期比10.5%減の10億98百万円、税負担の増加により親会社株主に帰属する四半期純利益は同21.5%減の6億79百万円となった。

 

主要販管費

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

22/1期 上期

売上比

23/1期 上期

売上比

前年同期比

人件費

1,519

13.5%

1,650

15.0%

+8.6%

発送費

733

6.5%

648

5.9%

-11.5%

販促・広告費

319

2.8%

399

3.6%

+25.1%

支払手数料

328

2.9%

381

3.5%

+16.3%

減価償却費

198

1.8%

222

2.0%

+11.8%

販管費合計

3,885

34.5%

4,165

37.8%

+7.2%

 

報告セグメント別売上高・利益

 

 

 

 

22/1期 上期

構成比

23/1期 上期

構成比

前年同期比

日本

8,795

78.0%

9,145

83.0%

+4.0%

欧州

739

6.6%

477

4.3%

-35.5%

中国

844

7.5%

791

7.2%

-6.3%

韓国

130

1.2%

117

1.1%

-10.2%

米国

637

5.7%

363

3.3%

-43.0%

その他

122

1.1%

128

1.2%

+4.2%

連結売上高

11,270

100.0%

11,022

100.0%

-2.2%

 

 

 

 

 

 

日本

721

63.7%

606

114.9%

-15.9%

欧州

8

0.8%

-134

-

-

中国

289

25.6%

185

35.1%

-35.9%

韓国

11

1.1%

8

1.7%

-26.8%

米国

110

9.7%

-118

-

-

その他

-8

-

-19

-

-

連結調整

31

-

258

-

-

連結営業利益

1,163

100.0%

786

100.0%

-32.4%

*単位:百万円
*営業利益の構成比は連結調整前ベース

 

日本
売上高は前年同期比4.0%増の91億45百万円、セグメント利益は同15.9%減の6億6百万円。TVCMとWEBプラットフォームを連動させた新しいDX販売施策促進により、得意先からのブランド指定による受注が増加したことや「ローボルトライト」関連商品の売上が増加した。利益面では、優秀な人材確保やリアル展示会の増加等、先行投資型の販促費用の増加等により減益となった。

 

欧州
売上高は前年同期比35.5%減の4億77百万円、セグメント損失1億34百万円(前年同期は8百万円の利益)。ロシア・ウクライナ紛争によるエネルギー価格や生活必需品などの物価高騰による買い控えが大きく影響した。

 

中国
売上高は前年同期比6.3%減の7億91百万円、セグメント利益は同35.9%減の1億85百万円。昨年はコロナ禍の影響で売上を伸ばしたものの、今年は反動減となった。利益面では、原材料や海上運賃の高騰等の影響を受けた。

 

韓国
売上高は前年同期比10.2%減の1億17百万円、セグメント利益は同26.8%減の8百万円。ガーデニング用品のネット販売は順調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響で商品の入荷遅延による機会損失により減収減益となった。

 

米国
売上高は前年同期比43.0%減の3億63百万円、セグメント損失1億18百万円(前年同期は1億10百万円の利益)。外出自主規制の緩和に伴い一時的にユーザーが旅行やアウトドアといったレジャーへの消費に動いたことから減収減益となった。

 

その他
売上高は前年同期比4.2%増の1億28百万円、セグメント損失19百万円(前年同期は8百万円の損失)。新型コロナウイルス感染症の影響でインド市場において売上が伸び悩むなか、オーストラリアにおいてネット販売およびガーデンセンター向け販売が順調に推移した。
 

 

(2)財政状態及びキャッシュ・フロー

財政状態

 

22年1月

22年7月

 

22年1月

22年7月

現預金

5,600

5,729

仕入債務

4,584

4,619

売上債権

3,683

4,179

短期有利子負債

3,774

4,791

たな卸資産

5,849

6,906

流動負債

9,974

11,256

流動資産

15,920

17,755

長期有利子負債

111

93

有形固定資産

5,799

6,337

固定負債

627

791

無形固定資産

496

539

純資産

13,064

14,060

投資その他

1,448

1,475

負債・純資産合計

23,665

26,108

固定資産

7,745

8,352

有利子負債合計

3,885

4,884

*単位:百万円
*有利子負債は借入金

 

上期末の総資産は前期末比(以下同)24億42百万円増加し、261億8百万円となった。
流動資産18億35百万円増加し、177億55百万円。戸建て住宅の新築やリフォーム分野でのリビングガーデン製品の販売が好調なことから売上債権が増加したことや、世界的な原材料・エネルギー高騰の影響を受け、一部でガーデニング関連商品の買い控え等により需要が減少したことで棚卸資産が増加したことによるもの。固定資産は6億7百万円増加し83億52百万円。有形固定資産が増加したことによるもの。
流動負債は12億82百万円増の112億56百万円。期初の運転資金の増加を短期借入金で賄ったことによるもの。固定負債は1億64百万円増の7億91百万円。長期借入金の減少とその他の固定負債が増加したことによるもの。純資産は9億95百万円増の140億60百万円。その他の包括利益累計額の増加などによるもの。
自己資本比率は53.4%(前期末54.8%)となった。

 

有利子負債分析

 

(単位:百万円)

 

21年7月

22年7月

増減額

23年1月予想

運転資金

3,872

4,755

+883

4,756

設備資金

165

129

-36

111

出資・買収

24

-

-24

-

合計

4,063

4,884

+821

4,866

 

コンテナ輸送の混乱による決済時期のズレで運転資金が増加
上期末において有利子負債比率35.1%(前上期末は39.4%)

 

キャッシュ・フロー

 

 

(単位:百万円)

 

22/1期 上期

23/1期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー

1,292

-236

-1,529

-

投資キャッシュ・フロー

-279

-376

-97

-

フリー・キャッシュ・フロー

1,013

-613

-1,626

-

財務キャッシュ・フロー

-1,402

416

+1,818

-

現金及び現金同等物上期末残高

3,638

5,729

+2,091

+57.5%

 

上期末における現金及び現金同等物は、前期末比1億29百万円増加し、57億29百万円となった。
営業CFは2億36百万円の減少(前年同期は12億92百万円の増加)となった。これは主に、棚卸資産7億48百万円の増加(前年同期は1億71百万円の増加)、仕入債務が3億4百万円の減少(前年同期は14億65百万円の増加)となったこと等によるもの。
投資CFは3億76万円の支出(前年同期は2億79百万円の支出)となった。これは主に、有形固定資産の取得による支出が2億78百万円(前年同期は1億94百万円の支出)となったこと等によるもの。
財務CFは4億16百万円の収入(前年同期は14億2百万円の支出)となった。これは主に短期借入金の純増による収入が9億25百万円(前年同期は1億7百万円の支出)となったこと等によるもの。

 

4.2023年1月期業績予想

連結業績

 

22/1期 実績

構成比

23/1期 予想

構成比

前期比

売上高

20,781

100.0%

23,204

100.0%

+11.7%

売上総利益

9,060

43.6%

9,945

42.9%

+9.8%

販管費

7,585

36.5%

8,377

36.1%

+10.4%

営業利益

1,474

7.1%

1,568

6.8%

+6.4%

経常利益

1,530

7.4%

1,639

7.1%

+7.1%

親会社株主に帰属する当期純利益

1,001

4.8%

1,184

5.1%

+18.3%

*単位:百万円

 

23/1期は前期比11.7%の増収、同7.1%の経常増益予想
通期予想は修正なく、23/1期は売上高が前期比11.7%増の232億4百万円、経常利益は同7.1%増の16億39百万円を計画する。
今後の展開においては、プロユース事業では、リアルとネットのハイブリッド化を更に進め、AR(Augmented Reality:拡張現実)・MR(Mixed Reality:複合現実)などのDX型販売促進を推進し、ブランド力の向上と営業活動の強化を図る。また、ランドスケープへの営業・提案力の強化を図り、販路を拡大させる考え。ホームユース事業においては、伸長しているe-コマース分野の更なる販売強化と自社工場生産による新商品の開発促進およびグローバル商品の共通販売を推進していく。また、海外事業においても、米国での大手ホームセンターとの新規取引の推進や欧州では今まで営業展開できていなかった地域(フランス、イタリア等)への販売強化を図るとともに、販売アイテムの新規投入と新商品開発を推進し、庭全体で楽しめる商品構成を提案することで販売強化を図る。
配当についても修正なく、前期と同じ23.0円/株の期末配当を見込んでいる。

 

 

5.中長期計画

現在進行中の中長期計画では26/1期に売上高300億円、経常利益25億円を目指している。また、売上高は30/1期に500億円、50/1期に1,000億円を目指す。利益についても売上増に見合う形で伸び、営業・経常利益率は10%を見込んでいる。

 

(同社資料より

 

6.今後の注目点

上期は減収減益ながら、事業展開は国内外で更に賑やかになっている印象を持った。「成長へのスタートアップバリュー経営からグロース経営へ」と打ち出したこともうなずける。国内ではプロユース部門においてDX戦略が充実、市場が横ばいの中、しっかり売上を伸ばした。特にライティング分野の成長が顕著に現れている。ホームユース部門ではホームセンターの売上が低迷する中で売上は横ばいと商品競争力の強化がうかがえる。海外は、欧州ではいよいよ未開拓地域への展開が本格化する。アメリカ市場ではプロユース商品の展開が注目される。下期の巻き返しに寄与することが期待されることに加えて、いずれも市場規模は大きく中長期的な成長に貢献しそうだ。前回レポートで課題とした原材料費や物流費高騰の影響への価格転嫁は着実に進める。来期を見据えると、欧州では物価高騰と消費の低迷が同時進行で起きており、ロシア・ウクライナ情勢が継続すればガーデニング市場の回復には時間を要するだろう。未開拓地域への拡販でカバーしたいところ。国内や欧州以外の海外は堅調に推移すると予想される。グロース経営のスタートラインに立ったものの足元の業績を受けて株価は低迷している。PERは低位にとどまっており、見直し余地が大きいと考える。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成>

組織形態

監査役設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年7月26日

 

<基本的な考え方>
同社は、健全で透明性が高く、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応するための経営の意思決定の効率性を確保したコーポレート・ガバナンスの構築が重要課題と認識し取り組んでいる。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

【補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保】

当社では、女性の管理職への登用等をはじめとする多様性の確保に積極的に取り組んでおり、管理職等の女性割合に係る目標を定め、女性活躍推進法に基づく行動計画に記載して届け出ております。また、多様性の尊重に関する研修や各種施策の実施等、多様性の確保に向けた環境整備に努めております。現在のところ、これら各種取り組みの基となる中長期的な戦略や方針等の策定は行っておりませんが、企業価値の向上に向け、これら戦略や方針等の策定の検討を進めてまいります。

【補充原則3-1-3 サステナビリティについての取り組み】

【補充原則4-2-2 サステナビリティについての方針策定・監督】

 

当社は、サステナビリティについての取組みを積極的に行っており、取り組み内容をHPにて開示しております。しかしながら、中長期的な企業価値向上のための基本的な方針の策定には至っておらず、策定に向けて今後検討してまいります。また、人的資本・知的財産への投資等の重要性等の観点を踏まえた実効的な監督の方法・体制づくりについては、人的資本・知的財産に関する経営戦略との整合性を意識した開示とあわせ、今後検討してまいります。

【補充原則4-8-1 独立社外取締役による客観的立場に基づく情報交換・認識共有】

現在、独立社外取締役のみを構成員とする定期的な会合等は実施しておりませんが、各取締役や監査役とも意見交換を行い、取締役会では、積極的に議論に参加し発言を行うなど、独立社外取締役としての役割・責務を十分に果たしていただいているものと認識しております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づくおもな開示>

原則

その理由

【原則1-4 政策保有株式】

(1)政策保有に関する方針営業上の取引関係の維持・強化に繋がるか、事業活動の円滑な推進等を通じて当社の中長期的な企業価値の向上に結びつくか等を総合的に判断し、保有できるものとします。(2)政策保有の適否に関する検証内容保有する上での中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点からの保有効果等について検証し取締役会において報告を行います。保有の意義が必ずしも十分でないと判断される銘柄については、縮減を図ります。(3)政策保有株式に係る議決権行使の基準当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、投資先企業の株主総会議案の内容を精査し、議決権を行使することとしております。

【原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】

当社は確定給付企業年金制度を採用しており、企業年金の管理・運用に関してスチュワードシップ活動の受け入れを表明している資産管理運用機関と契約を締結しています。総務人事部門内に担当者を配置し、運用の健全性について委託している運用機関から定期的に報告を受け、関連部門において適宜モニタリングを行っております。また、従業員の資産形成のため企業型確定拠出年金制度を導入しております。入社時には従業員に対し運用期間・運用商品の選定や資産運用に関する説明を行っております。

【原則4-8 独立取締役の有効な活用】

当社では、社外取締役を2名選任し、その2名が独立社外取締役という構成となっており、取締役会において独立、中立の立場での意見を踏まえた議論を可能にしております。今後も、高い専門性と豊富な経験をもった複数名の独立社外取締役が選任できるように候補者の選定に努めて参ります。

【補充原則4-11-1 取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方】

当社は、様々な経営環境の変化に、的確かつ迅速に対応すべく、知識・経験・能力のバランスを考慮し、多彩なバックグランウンドを有する人材を取締役に選任しております。特に、社外取締役は、業界の知見、経営に対する経験、専門的な能力などを考慮し、各分野で見識の高い人材を選任し、バランス、多様性に配慮しております。また、当社では、企業規模等を勘案し、定款において取締役の員数を15名以内と定めておりますが、現在、5名の取締役(うち社外取締役2名)を選任しております。

 

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