ブリッジレポート:(7199)プレミアグループ 2022年3月期決算
柴田 洋一 社長 | プレミアグループ株式会社(7199) |
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企業情報
市場 | 東証プライム市場 |
業種 | その他金融 |
代表者 | 柴田 洋一 |
所在地 | 東京都港区虎ノ門2-10-4 オークラプレステージタワー |
決算月 | 3月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(期末) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
4,035円 | 13,394,990株 | 54,048百万円 | 34.8% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
60.00円 | 1.5% | 264.59円 | 15.3倍 | 754.71円 | 5.3倍 |
*株価は6/29終値。各数値は2022年3月期決算短信より。
連結業績推移(IFRS)
決算期 | 営業収益 | 税引前利益 | 当期利益 | 親会社所有者帰属利益 | EPS | DPS |
2019年3月(実) | 10,759 | 2,097 | 1,391 | 1,388 | 113.08 | 85.00 |
2020年3月(実) | 14,016 | 2,604 | 1,452 | 1,466 | 112.33 | 44.00 |
2021年3月(実) | 17,825 | 3,463 | 2,393 | 2,383 | 186.74 | 46.00 |
2022年3月(実) | 20,827 | 4,017 | 2,964 | 2,941 | 229.39 | 51.00 |
2023年3月(予) | 24,500 | 4,700 | 3,400 | 3,400 | 264.59 | 60.00 |
* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2019年4月、1株を2株に分割。
プレミアグループ(株)の2022年3月期決算概要などをお伝えします。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2022年3月期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考1:中期経営計画「VALUE UP 2023」概要>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 22年3月期は2017年の上場来5期連続の増収増益。営業収益は前期比16.8%増の208億27百万円。半導体不足による新車生産停滞とそれに伴う中古車流通台数減でマーケットは前年・前々年を下回ったが、クレジット・故障保証ともに、過去最高の取扱高を記録した。税引前当期利益は同16.0%増の40億17百万円。DXやグループシナジー発揮により営業費用増を吸収した。22年3月期の配当を50.00円/株から1.00円/株増配し、51.00円/株とした。
- 23年3月期の営業収益は前期比17.6%増の245億円、税引前利益は同17.0%増の47億円の予想。上場来6期連続の増収増益を目指す。自動車マーケットの半導体不足とそれに伴う新車生産の遅れ、中古車流通台数減少の傾向は継続すると見込んでいるが、各事業とも着実な進捗を目指している。配当は中間、期末どちらも30.00円/株で、年間合計は前期比9.00円/株増配の60.00円/株を予定。予想配当性向は22.8%。
- 半導体不足による新車生産停滞とそれに伴う中古車流通台数減など同社を取り巻く事業環境は良好とは言い難い中、売上高は予想に届かなかったものの、クレジット・故障保証ともに、過去最高の取扱高を記録し、利益は予想を上回った。
- 自動車販売店・整備工場や利用者のニーズに対応する、故障保証を始めとした様々な商品・サービス提供力、オートクレジットに関する豊富な専門知識をベースとした取引先からの高い信頼、全国をカバーする強固な営業ネットワークなど、同社の競争優位が発揮された結果であろう。今期も事業環境は大きく好転するとは考えにくいが、四半期ごと各事業のKPIを注視していきたい。また、先行投資を行う個人向けサイト「カープレミアサイト」の進捗についても個人ユーザーからの評価度に注目していきたい。
1.会社概要
ファイナンス事業の中核企業であるプレミア(株)、故障保証事業の中核企業であるプレミアワランティサービス(株)、オートモビリティサービス事業の中核企業であるプレミアモビリティサービス(株)をはじめ、国内外15社以上のグループ会社により自動車の購入に伴うファイナンスサービスや故障保証サービス、自動車関連サービス等を展開。
プレミアグループ(株)は持株会社としてグループの経営管理、及びそれに付帯又は関連する業務等を行っている。
【1-1 沿革】
大手ファイナンス会社でオートローンを手掛けていた柴田洋一氏は、自動車と金融の親和性の高さと今後の成長性を確信していた。
顧客であった(株)ガリバーインターナショナル(現 (株)IDOM)からの要請を受け入社。2007年、(株)ガリバーインターナショナルの孫会社となるプレミア(株)の前身(株)ジー・ワンクレジットサービスを設立して、サービスの提供を開始した。
しかし、(株)ガリバーインターナショナルを取り巻く事業環境の変化の中で同事業の中止が決まり、SBIグループや丸紅グループへと株主が異動した。
そうした中でも、柴田社長の交渉力により最大の競争優位性である金融機関の系列ではない「独立系」という強みを守りながら、希望通りの資本政策を実現し、2016年にプレミアグループ(株)を持株会社とするホールディング体制へ移行。独立系としての豊富な商品ラインナップ、オート・ファイナンスに関する高度な知識とノウハウを武器に業績は順調に拡大し、2017年、東証2部に上場、続いて2018年には東証1部に市場変更した。2022年4月、東証の市場再編に伴い、東証プライム市場に移行した。
【1-2 企業理念】
(ミッション)
「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」 |
*ファイナンス機能とサービス機能を更に向上させ、それをグローバルに展開していくことにより、豊かな社会を作り上げていく |
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「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」 |
*やる前から「できない、無理だ」と諦めずに、突き抜けた発想と強い志を持ってイノベーションを促進し、自ら次のステージを切り開いていく |
このミッションの具現化と、将来にわたりミッションを継承する人財の育成の両立により、企業価値の中長期的な向上を図っていく事を経営方針としている。
【1-3 事業内容】
取引先である自動車販売店や自動車整備工場等に対して、グループで「ファイナンス」、「故障保証」、「オートモビリティサービス(自動車部品販売や車両卸売販売、整備工場向けの業務管理ソフトウェア販売、自動車の整備・鈑金等)」を提供。タイ、インドネシア、及びフィリピンでも現地法人を通じてオート・ファイナンスや故障保証事業等を展開している。
事業セグメントは2022年3月期より、「ファイナンス事業」、「故障保証事業」、「オートモビリティサービス事業」のセグメントに区分して収益の状況を開示している。
(1)ファイナンス事業
主要子会社であるプレミア(株)の事業領域であり、自動車購入に伴う融資(オートクレジット)を中心に、太陽光発電システム等の購入に伴う融資(エコロジークレジット)、ショッピングクレジット等も取り扱っている。また個人向けオートリースの提供や、債権回収の委託業務も行っている。
(同社資料より)
クレジット債権の大半は銀行との提携ローン(提携ローン方式:後述)のためオフバランス(貸借対照表に記載されない)である。個人事業主が法人名義で購入するケース等では、個人を対象とする提携ローンが使えないため同社の自己資金を使い、自社債権としてオンバランスされる。この場合、「立替払方式」として、形式上「提携ローン方式」と区別しているが、クレジット利用者が払う分割払手数料、及び同社の調達コストを控除した粗利益はほぼ同額である。
尚、貸借対照表の貸方に計上される金融保証契約がクレジットの将来収益(未実現収益)を表しており、回収すると営業収益として計上される。
提携銀行は、住信SBIネット銀行(株)、オリックス銀行(株)、楽天銀行(株)、GMOあおぞらネット銀行(株)の4行。「提携ローン方式」では、同社がクレジット利用者の審査を行い、クレジット代金・販売促進費を加盟店に支払い、その約10日後に提携銀行からクレジット代金を受け取る。同社は、ローンの連帯保証人となり、ローンの回収を代行し、分割手数料と共にクレジット利用者から受け取る。債権については、大半の債権に損害保険をかけているため、貸し倒れが生じた場合は、対象債権が保険でカバーされ同社に損失は生じない。このため、保険料を毎期営業費用に計上しており、保険料は貸倒状況によって変化する。
2022年3月期のクレジット取扱高は2,023億円、同期末のクレジット債権残高は4,223億円。同期末の延滞債権残高率(3か月超)は0.78%と低位で推移している。
同クレジット債権は、個人向けで平均残高124.6万円と小口であり、リスクが細かく分散している点が特徴。
債権回収に当たっては、SMSやオートコールシステムなどを活用することで、クレジット利用者へ早期にアプローチし、デフォルトの最小化や回収プロセスの効率化を図っている。また、2020年4月にはサービサー会社である中央債権回収(株)がグループ入りし、債権回収能力は一段と向上した。
2022年3月末の加盟店社数は同7.1%増の25,603社と順調に拡大している。
新規加盟店獲得活動と併せて既存加盟店において故障保証などその他商品の販売も推進し、稼働率向上にも注力している。並行して、コンタクトセンター(アウトバウンド営業) を活用し、加盟しているが未稼働の先への稼働促進も実施している。
また、自動車販売店向けに、より付加価値の高いサービスを提供する有料会員制サービス「カープレミアディーラー」の会員獲得にも注力しており、2022年3月末では1,525社を獲得している。
(2)故障保証事業
同社グループが提供する故障保証とは、クレジット利用者が同社グループの提携先販売店(自動車販売店等)を通じて自動車を購入し、一定の保証料を前払いする事で、購入した自動車に故障が発生した際、予め定めた保証の提供範囲内において、無償で修理が受けられるサービスである。
(同社資料より)
提携先販売店を通じ、同社グループのプレミアワランティサービス(株)の故障保証商品を自動車購入者に提供する。故障保証は、故障車両の走行距離、経過年数、及び修理内容といったデータを蓄積し分析する事で、より適切な故障保証商品の設計やプライシングが可能になる。同社グループは、プレミアワランティサービス(株)が保有する約100万台の故障保証契約台数(累計)をはじめとする修理ビッグデータの蓄積によって高精度の商品設計とプライシングを実現している。
なお、損害保険会社が提供する保険は事故等に対応するものだが、故障保証で保証されるのは自然故障でありお互いに競合するものではない。保証部位は最大397項目にのぼり、様々な保証範囲や保証期間の約1,000種類の商品を提供している。故障保証は中古車購入に対する不安を払拭し、中古車購入には欠かせない商品である。なお、保証期間に基づく保証料(故障保証代金)を前金で一括して受け取り、収益は期間按分して計上される。
故障保証商品は、自社ブランドの「プレミアの故障保証」「EGS保証」、これらをカスタマイズした「OEM商品」に分かれる。
OEM商品は、(株)リクルートが展開する中古車情報媒体「カーセンサー」を利用する提携先が「カーセンサー」に掲載した車両に付保される「カーセンサーアフター保証」と、中堅~大手中古車ディーラー向けに対応車種や対応保証範囲をカスタマイズしたその他OEM商品に分かれる。
修理対応については、修理の受付対応等を行うコールセンターへ自動車整備士の資格を有する従業員を配置し、契約者や整備工場と直接対応する体制を整えている。このため、故障保証の適用にあたって正確かつ迅速な対応が可能であり、契約者の安心感につながっている。
また、故障保証の原価に相当する修理については、子会社を通じた中古部品・リビルド部品の調達、当社の整備工場ネットワークへの優先入庫、一部地域における直営整備工場の運営、FAINES(※)の利用等、これらの施策を通じて、修理コストの削減、及び不必要な修理の未然防止を可能としている。
※FAINES
一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が整備事業者に対して提供する、整備マニュアルや故障整備事例等の情報データベース
2022年3月期の故障保証取扱高は51.5億円。
オートクレジット加盟店と同様、自動車販売店を中心とした自動車販売業者に対し稼働促進を行っている。
これまでは主に自社ブランド商品の営業に注力し拡販してきたが、2022年3月期下半期からはOEM商品やその他OEM商品も拡販するべく、これらの商品に特化した営業人員を配置して、営業体制を変化させている。
加えて、上記の子会社を通じた中古部品・リビルド部品の調達や整備工場ネットワークを活用することにより原価率を減少させている。
(3)オートモビリティサービス事業
ファイナンス・故障保証以外の、自動車の流通に関連するビジネスを幅広く手掛ける。現状展開しているサービスには、自動車部品の流通を行う「リサイクル(Recycle)パーツビジネス」、引揚げ車両の流通や同社グループ内での活用を行う「リユース(Reuse)ビジネス」、自動車の検査、及び故障修理を行う、整備サービスと、自動車の傷や凹み等の修繕を行う、鈑金サービス等を提供する「リペア(Repair)ビジネス」がある。いずれも環境に配慮した取り組みであり、「新3R」のビジネスとして注力している。
このほか、整備工場を対象としたネットワーク及び有料会員制組織「カープレミアガレージ」を構築中であり、22年3月末の整備工場ネットワーク社数は3,514社に、また、有料会員数は399社となった。同社は、オートモビリティサービス事業及び整備工場ネットワーク、有料会員組織を活用することで、ファイナンス事業と故障保証事業とのシナジーを発揮し、各事業における競争優位性を高めている。ファイナンス事業であれば、ファイナンスサービスとオートモビリティサービスのクロスセルで、故障保証事業であれば、先述の通り、整備工場ネットワーク及び有料会員組織に故障保証修理を委託し、同社グループ内で部品を安価に調達することで修理費用を抑制している。また、故障保証事業で得たビックデータやノウハウを組み合わせることでオートモビリティサービス事業でも新規ビジネスを創出していく。
オートモビリティサービス事業は、主要3事業の中で最も新しい事業であるが、最も急成長している分野であり、まだ拡大フェーズではあるが22年3月期第2四半期で黒字化している。
(4)海外展開について
同社グループは、自動車販売に関連するファイナンス、故障保証、整備・鈑金といった国内で培った知見やノウハウをタイ、インドネシア、フィリピンで展開している。
タイでは、オート・ファイナンスを展開する持分法適用関連会社Eastern Commercial Leasing p.l.c.への経営・事業コンサルティングと並行して、同社との合弁企業Premium Services (Thailand) Co., Ltd.において故障保証事業、及び自動車整備事業を展開。インドネシアでは、住友商事(株)、及び現地財閥のSinarmasグループとの合弁企業PT Premium Garansi Indonesiaにおいて、故障保証商品の開発、設計に係るコンサルティングを手掛ける。フィリピンでは三井物産(株)、及び現地大手財閥のGTキャピタルグループとの合弁企業Premium Warranty Services Philippines, Inc.において、故障保証商品を提供する。
また、子会社を通じて自動車の中古部品をタンザニア及びロシア等に輸出している。
【1-4 特長・強み】
以下3点が競争力の源泉である。
(1)独立系ならではの複合的な商品ラインナップ
銀行傘下の競合他社は、法律の規制によりオートクレジットやオートリースなど限られたサービスしか提供できないのに対し、独立系である同社グループは、故障保証を始めとした自動車販売店・整備工場や利用者の様々なニーズに応え、複数の商品やサービスを提供することが可能である。その結果、利便性や相互利用ディスカウント等を通じて競争優位性を構築している。
(2)オート・ファイナンスに関する高度な専門性
「自動車」と「金融」に関する深い専門知識、また「自動車」と「金融」をミックスさせた商品提供を行うことで、他にはない充実したサービスを可能とし、競争優位性を構築している。
「自動車」に関しては、「適正な保証額を設定するために必要な中古車市場の故障率をはじめとするデータ」や「部品価格や修理費用が適正かどうか見極める判断能力」が強みである。
また、「金融」に関しては、「個人の信用調査・債権回収ノウハウ」「オートクレジットに特化することで蓄積された豊富な専門知識をベースとした取引先からの高い信頼」が強みである。
(3)全国をカバーする強固な営業ネットワーク
全国主要都市に広がる営業拠点網と独自のコンタクトセンター(アウトバウンド営業)が全国約2.5万社におよぶ加盟店との強固なネットワークを形成し、盤石な顧客基盤を形成している。
【1-5 ROE分析】
| 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 |
ROE(%) | 24.8 | 27.4 | 38.3 | 34.8 |
売上高当期純利益率(%) | 12.90 | 10.46 | 13.37 | 14.12 |
総資産回転率(回) | 0.27 | 0.28 | 0.28 | 0.28 |
レバレッジ(倍) | 7.11 | 9.50 | 10.15 | 8.86 |
今後も最適な事業ポートフォリオとDX推進による効率化を追求しつつ、ROEは30%台を目指していきたいと考えている。
2.2022年3月期決算概要
【2-1 連結業績(IFRS)】
| 21/3期 | 構成比 | 22/3期 | 構成比 | 前期比 | 予想比 |
営業収益 | 17,825 | 100.0% | 20,827 | 100.0% | +16.8% | -2.9% |
その他の収益 | 694 | 3.9% | 47 | 0.2% | -93.2% | - |
営業費用 | 14,891 | 83.5% | 16,992 | 81.6% | +14.1% | - |
税引前利益 | 3,463 | 19.4% | 4,017 | 19.3% | +16.0% | +3.0% |
当期利益 | 2,393 | 13.4% | 2,964 | 14.2% | +23.9% | +7.7% |
親会社所有者帰属当期利益 | 2,383 | 13.4% | 2,941 | 14.1% | +23.4% | +7.6% |
*単位:百万円
5期連続の増収増益
営業収益は前期比16.8%増の208億27百万円。半導体不足による新車生産停滞とそれに伴う中古車流通台数減でマーケットは前年・前々年を下回ったが、クレジット・故障保証ともに、過去最高の取扱高を記録した。
税引前当期利益は同16.0%増の40億17百万円。DXやグループシナジー発揮により営業費用増を吸収した。
22年3月期の配当を50.00円/株から1.00円/株増配し、51.00円/株とした。
◎営業費用の内訳
| 21/3期 | 22/3期 | 前期比 | 増減要因 |
支払保証料 | 2,009 | 2,282 | +13.6% | クレジット取扱高の増加(債権残高の増加) |
故障保証原価 | 2,616 | 2,642 | +1.0% | 部品の自社調達による原価抑制 |
オートモビリティ関連原価 | 910 | 1,730 | +90.1% | 部品販売、車両卸販売の拡大に伴う増加 |
人件費 | 4,110 | 4,591 | +11.7% | 従業員数:2022年3月末現在644名 (前期末比51名増) |
減価償却費・償却費 | 1,316 | 1,294 | -1.6% | - |
システム運営費・業務委託料・支払手数料 | 2,000 | 2,337 | +16.8% | DX推進、採用、クレジット業務の外部委託による増加 |
その他費用 | 1,930 | 2,114 | +9.5% | クレジット業務の外部委託による経費削減が寄与 |
営業費用合計 | 14,891 | 16,992 | +14.1% | - |
* 単位:百万円
【2-2 事業別動向】
営業収益の内訳
| 21/3期 | 構成比 | 22/3期 | 構成比 | 前期比 |
ファイナンス事業 | 12,094 | 67.9% | 13,518 | 64.9% | +11.8% |
故障保証事業 | 4,059 | 22.8% | 4,446 | 21.3% | +9.5% |
オートモビリティサービス事業 | 1,671 | 9.4% | 2,863 | 13.7% | +71.3% |
営業収益合計 | 17,825 | 100.0% | 20,827 | 100.0% | +16.8% |
* 単位:百万円
(1)ファイナンス事業
*取扱高
22年3月期のクレジット取扱高は前期比21.6%増の2,023億円。
DX施策、及び営業組織の再編により、効率的な営業活動を展開することができた。取扱件数中のペーパーレス導入率は前期比27.2ポイント上昇し87%。営業拠点数は前期比9拠点増の24拠点。
期末の営業人員は前期末比12名増の95名と、目標としていた営業人員100名体制は概ね実現できた。
中古車マーケットの悪影響を受けながらも、会員制組織「カープレミアクラブ(旧PFS Premium Club)」の会員数増加が取扱高増加に寄与した。
*クレジット債権残高
22年3月期末のクレジット債権残高は前期末比16.8%増の4,223億円と順調に増加。延滞債権残高率は前期末の0.91%から0.78%へ低下した。IVR(オートコールシステム)導入による効率的な初期延滞の解消などDX施策による業務イノベーションが実現したほか、中央債権回収(株)と協業した中長期延滞の回収活動を継続して行った結果、3月の中長期延滞債権の回収率、回収額ともに過去最高を更新した。
*クレジット加盟店社数
22年3月末のクレジット加盟店社数は前期末比7.1%増の25,603社で、新規加盟店開拓は、概ね計画通りに進捗している。
新規加盟店の開拓を継続しつつ、稼働促進及び有料会員化に注力している。
会員制組織の名称を「カープレミアクラブ」に変更し、整備工場向けの有料会員組織とブランドを統一した。その中でも自動車販売店向け会員制組織を「カープレミアディーラー」とし、3月末会員数は1,525社(ダイヤモンド会員88社、ゴールド会員1,437社)で、第4四半期に342社増加。期末目標1,500社を突破した。
(2)故障保証事業
*取扱高
22年3月期の取扱高は前期比14.7%増の51.5億円。自社商品取扱高は同35.6%増加した。
自社商品の拡販に注力した結果、3月の自社商品取扱高は過去最高を更新した。
一方で提携商品はマーケット不振の影響を受けて伸びが鈍化したが、提携商品に特化した営業人員の配置により、一部提携商品は回復傾向にある。
(3)オートモビリティサービス事業
22年3月期の営業収益は、前期比71.3%増の2,863百万円。累計の整備ネットワーク社数は同39.3%増の3,514社。2025年の目標としていた3,000社を突破した。
自動車販売店向け会員制組織と同様に、会員制組織の名称を「カープレミアクラブ」に変更しブランドを統一した。その中でも整備工場向け会員制組織を「カープレミアガレージ」とし、3月末会員数は399社まで増加した。
有料会員組織の拡大に伴い、各サービスの取扱いが増加した。特に自動車の中古部品のWeb販売が好調で、3月のプレミアパーツの売上高が過去最高を更新した。
さらに整備工場向けの会員サービスを細分化した結果、会員の増加スピードが加速している。
【2-3 財政状態、及びキャッシュ・フロー】
◎財政状態
| 21年3月 | 22年3月 | 増減 |
| 21年3月 | 22年3月 | 増減 |
現金及び現金同等物 | 8,054 | 11,433 | +3,379 | 金融保証契約 | 25,079 | 30,065 | +4,986 |
金融債権 | 28,115 | 35,733 | +7,619 | 借入金 | 19,641 | 23,759 | +4,118 |
その他の金融資産 | 5,108 | 5,786 | +678 | その他の金融負債 | 6,703 | 7,248 | +545 |
有形固定資産 | 3,644 | 3,648 | +4 | 未払法人所得税 | 648 | 720 | +73 |
無形資産 | 5,768 | 6,279 | +511 | その他の負債 | 7,087 | 8,590 | +1,503 |
のれん | 3,958 | 3,958 | 0 | 負債合計 | 60,865 | 71,987 | +11,122 |
持分法投資 | 1,434 | 1,600 | +165 | 親会社所有者帰属持分 | 7,211 | 9,710 | +2,499 |
保険資産 | 3,111 | 3,284 | +173 | 資本合計 | 7,291 | 9,814 | +2,523 |
資産合計 | 68,156 | 81,800 | +13,645 | 負債・純資産合計 | 68,156 | 81,800 | +13,645 |
* 単位:百万円
事業の拡大で金融債権が拡大、資産合計は前期末比136億45百万円増加し818億円。クレジット取扱高の拡大に伴い金融保証契約が増加、運転資金確保のため借入金も増加し、負債合計は同111億22百万円増加し、719億87百万円となった。
利益剰余金の増加などで親会社所有者帰属持分は同24億99百万円増加し97億10百万円。自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は前期末より1.3ポイント上昇し11.9%。
◎キャッシュ・フロー(CF)
| 21/3期 | 22/3期 | 前年同期比 |
営業キャッシュ・フロー(A) | 1,321 | 1,608 | +287 |
投資キャッシュ・フロー(B) | -1,172 | -1,028 | +144 |
フリー・キャッシュ・フロー(A+B) | 149 | 580 | +431 |
財務キャッシュ・フロー | 1,617 | 2,797 | +1,181 |
現金及び現金同等物期末残高 | 8,054 | 11,433 | +3,379 |
* 単位:百万円
営業CF、フリーCFのプラス幅は拡大。借入金増などで財務CFのプラス幅は拡大。キャッシュポジションは上昇した。
【2-4 トピックス】
(1)DX戦略の進捗
DX化によって実現するファイナンス・故障保証・オートモビリティサービスの取引額をKGIに設定した。
ファイナンス事業はオートクレジット取扱高、オートリース取扱高を、故障保証事業は故障保証取扱高を、オートモビリティサービス事業はプラットフォームを介した各取引の取扱高を、DX戦略の指標として管理する。
オートクレジット取扱高以外は現在システム開発中である。
21年3月期に開始したクレジット契約書のペーパーレス化の導入率は、21年3月期末60%から22年3月期末87%へと急速に伸長している。
23年3月期はプラットフォームの統合など事業DXのローンチを予定している。社内DX(業務システム)の開発も順調に進捗している。
(2)その他トピックス
年月 | 内容 | |
2022年 | 1月
| アフターサービスを必要とする個人顧客を、整備工場へ紹介するサービス「集客支援サービス」を開始した。これにより、整備工場は、新規顧客との取引機会の増加や管理顧客の確保が見込め、長期的な経営安定化を図ることが期待できる。 |
2月 | 委任型執行役員制度を導入した。コーポレートガバナンスの更なる強化の観点から、経営に関する意思決定・監督と、業務執行の分離を推進することにより、取締役会における経営の意思決定・監督にかかる機能の強化並びに経営に関する意思決定の更なる迅速化を図る。 | |
「Well-being」の向上を目指して、従業員一人一人の生活環境に合わせた柔軟な働き方の実現によって、多様な人財の確保・活躍を目指すために「テレワーク職」を導入した。 | ||
SaaS企業であるエボラニ(株)に出資を行った。同社の提供するサービスの優位性や、SaaS分野に精通した同社の経営陣、DX ツールの今後の成長性に期待し、同社の事業成長に貢献していくことを目的としている。 | ||
3月 | モビリティ事業者(全国の自動車販売店・自動車整備工場)向け会員組織の開拓・推進を担う中核子会社として、カープレミア株式会社を新設した。 同社の設立に伴い、会員制組織の名称を「カープレミアクラブ」に変更した。 (旧 PFS Premium Club、 FIXMAN Club ) | |
5月 | 経済産業省が定めるDX認定制度に基づき、「DX認定事業者」としての認定を取得した。今後もDX戦略に基づき、さらなるグループ内外のDX化を推進するとともに事業を拡大する。 | |
8月 | 初となるアニュアルレポートの発行を予定している。財務・非財務の情報をはじめとして、中期ビジョン達成のための取り組みなどを記載予定である。 |
3.2023年3月期業績予想
【3-1 通期連結業績】
| 22/3期 実績 | 構成比 | 23/3期 予想 | 構成比 | 前期比 |
営業収益 | 20,827 | 100.0% | 24,500 | 100.0% | +17.6% |
税引前利益 | 4,017 | 19.3% | 4,700 | 19.2% | +17.0% |
当期利益 | 2,964 | 14.2% | 3,400 | 13.9% | +14.7% |
親会社所有者帰属利益 | 2,941 | 14.1% | 3,400 | 13.9% | +15.6% |
増収増益を予想
営業収益は前期比17.6%増の245億円、税引前利益は同17.0%増の47億円の予想。
自動車マーケットの半導体不足とそれに伴う新車生産の遅れ、中古車流通台数減少の傾向は継続すると見込んでいる。
配当は中間、期末どちらも30.00円/株で、年間合計は前期比9.00円/株増配の60.00円/株を予定。予想配当性向は22.8%。
【3-2 主な戦略】
中期経営計画で掲げた重点施策は順調に進捗している。以下のような取り組みを進めるとともに、次年度以降に向けた取り組みの検討を開始する。
(1)ファイナンス事業
・クレジット契約書におけるペーパーレス契約率100%を目指す。
・AI審査を確立させる
*クレジット取扱高拡大
会員制組織「カープレミアクラブ」の加入を促進する。会員限定サービスの提供を通じて取扱高の増加を目指す。
*クレジット債権残高拡大
IVRやプレディクティブコールを活用した初期延滞債権の抑制を強化する。
引き続きサービサー子会社とのシナジーによる中長期延滞債権の抑制を図る。
*クレジット加盟店拡大
新規加盟店の開拓を継続しつつ、稼働促進及び有料会員化に注力する。
23年3月末の会員数2,000社を目指す(22年3月末 1,525社)。
(2)故障保障事業
・新商品の投入による販売拡大を目指すほか、更なる原価低減に向け、整備ネットワークへの入庫・自社での中古部品調達を推進する。
・プロパー保証商品の営業を強化する。
・延長保証を強化する。
・利便性・効率性の向上に向け、オンライン申し込みシステムを導入予定である。
(3)オートモビリティサービス事業
・会員向けコンテンツを更に拡充し、整備工場向け会員制組織「カープレミアガレージ」有の開拓を進める。22年3月末399社を25年3月末1,500社まで拡大する。
・個人向けサイト「カープレミアサイト」を経由した集客支援サービスの開発を進める。
・カープレミア商品の拡充や、プロパーリース商品の強化、新たなビジネスの展開を目指す。
<カープレミアサイトへの投資>
同社では個人向けサイト「カープレミアサイト」の構築・強化に取り組んでいる。
同サイトは、中古車購入、車検、整備・修理といったニーズを持った個人のカーユーザーが、サービスを検索するサイト。
自動車販売店、自動車整備工場は会員組織向けポータルサイト「P=Gate」を通じて各種サービスの提供を行う。
将来的にはカープレミアサイトを通じて集客し、会員組織への送客を実現することで、事業間シナジーの創出及び早期の利益貢献を目指す。
23年3月期は長期的な成長に向けサイト構築に265百万円を投資する。なお、これは中期経営計画には織り込んでいない先行投資である。
4.今後の注目点
半導体不足による新車生産停滞とそれに伴う中古車流通台数減など同社を取り巻く事業環境は良好とは言い難い中、売上高は予想に届かなかったものの、クレジット・故障保証ともに、過去最高の取扱高を記録し、利益は予想を上回った。
自動車販売店・整備工場や利用者のニーズに対応する故障保証を始めとした様々な商品・サービス提供力、オートクレジットに関する豊富な専門知識をベースとした取引先からの高い信頼、全国をカバーする強固な営業ネットワークなど、同社の競争優位が発揮された結果であろう。
今期も事業環境は大きく好転するとは考えにくいが、四半期ごと各事業のKPIを注視していきたい。
また、先行投資を行う個人向けサイト「カープレミアサイト」の進捗についても個人ユーザーからの評価度に注目していきたい。
<参考1:中期経営計画「VALUE UP 2023」概要>
同社では21年3月期をスタートとし、2023年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「VALUE UP 2023」が進行中である。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業環境の変化もあり、2021年5月13日に見直し・再公表を行った。
(1)中期経営計画策定までの軌跡
2007年の創業以来ファイナンス事業、故障保証事業の主要事業を拡大させ、2018年には東証1部に上場するなど、順調な成長を遂げてきた。業績面でも、売上、利益は大きく拡大した。ROE、ROAも着実に上昇してきた。
(2)中期ビジョンについて
(事業環境についての認識)
新型コロナウイルスの影響を踏まえて、事業環境について以下のように認識している。
対象 | 状況 | 認識 | 必要な対応 |
個人のお客様 | 2020年4月の緊急事態宣言中、中古車購買は落込んだものの、年度後半は回復 | 生活必需品である中古車の底堅い需要を再認識 | ファイナンス事業、故障保証事業の更なる伸長 |
自動車市場(販売店・整備工場) | 新車流通量の減少により、中古車の流通量も減少し、仕入れ価格が上昇 | ・資本力の小さな販売店や整備工場が苦戦 ・販売量とお客様接点が減少 | 中小の販売店・整備工場の経営サポート |
社会トレンド | 既存の思考・手法が通用しない、ニュー・ノーマル時代へ突入 | 持続的な成長に向けた競争優位性の確立が 必要 | DX化による新しいビジネスモデルへのシフトや業務イノベーションの推進 |
(中期ビジョン:目指すべき将来像)
上記の事業環境認識の結果、既存事業の伸長に加え、直接の顧客である自動車販売店・自動車整備工場の経営支援を通じて、自動車市場の活性化が必要と考え、これまでのオートクレジット、故障保証の提供を中心とした「オートクレジット企業」から、自動車販売店・自動車整備工場・お客様のネットワークを構築し、ファイナンス・故障保証・オートモビリティのシナジーを創出する「オートモビリティ企業」への進化を中期ビジョンとして掲げている。
(同社資料より)
(中期ビジョンに基づくマテリアリティ)
事業環境認識から、以下の4つをマテリアリティと設定した。
事業環境認識 | マテリアリティ |
既存事業のファイナンス事業、故障保証事業の伸長が会社の成長にとって重要 | ①強みであるファイナンス事業を増強 ②故障保証の市場拡大 |
中小の自動車販売店・整備工場の経営サポートが必要 | ③オートモビリティサービス事業の拡充 |
DX化により、新しいビジネスモデルの確立や業務イノベーションの推進が重要 | ④自動車市場、整備市場のプラットフォーマーを目指す |
中でも、持続的な成長と競争力強化のために、DX推進が最重要課題であると認識しており、DX戦略を公表した。
(3)事業別の取り組み
目指すべき将来像を実現するためには「最高のファイナンス」と「最高のサービス」を提供できる体制の構築が必要である。
中期ビジョン「VALUE UP 2023」においては各分野で以下のような取り組みに注力する。
①ファイナンス事業
◎オートクレジット・個人向けオートリース
重点施策は「営業拡大」と「業務イノベーションの推進」。
営業拡大においては、BIZサイト形式(※)で営業エリアを拡大とするとともに、営業人員を130名とする。
また、アウトバウンド型のコンタクトセンターを拡充し、未稼働加盟店の稼働、未開拓エリアの開拓にも取り組むとともに、加盟店の会員制組織化を推進し、トップラインの高成長を実現する。
「業務イノベーションの推進」においては、AIを導入した自動審査体制を構築するほか、バックヤードの無人化やペーパーレス推進により、業務効率を上昇させ、利益率を高める。
※BIZサイト
各地域に支店を設ける形ではなく、本拠は主要都市に置き、必要に応じて営業エリアに赴く営業展開方式
※中期経営計画を策定した時点では、営業人員を130名まで増やすとしていましたが、現在は人員を自然体で増やしながら、有料会員を増やすことで仕組み化して取扱高を増やす方針としています。
◎サービサー
重点施策は「グループ共同での債権回収」と「デポカー(※)の販売」。
「グループ共同での債権回収」においては20年4月に子会社化したサービサー会社である中央債権回収(株)と共同で債権回収を実施し、シナジーの創出により更なる収益貢献を図る。
「デポカー(※)の販売」においては、債権回収における引揚げ車両を会員制組織内の加盟店に販売することで新しい収益機会を創出する。
※デポカー
オートクレジットの債権回収時に引揚げた車両のこと。
②故障保証事業
市場自体の拡大が命題と考えている。
そのために、以下のような施策に取り組み、市場を拡大させ、中古車を保守することで廃車を減らすリデュース(Reduce)を推進する。
施策 | 概要 |
延長保証の商品開発 | 延長保証によりお客様との接点を増加させることで事業機会を拡大する。 |
収益性の向上 | 会員制組織内の整備工場へ修理車両を入庫し、グループ内で調達するリサイクル部品を使用することで修理費用の低減、及び販売価格への還元を図る。 |
認知度向上のための広告施策実施 | TV、ネットなどの広告を通じて故障保証の認知度、及び有用性を浸透させる。 |
③オートモビリティサービス事業
中古車部品の流通を行う「リサイクル(Recycle)パーツビジネス」、引揚げ車両の流通や同社グループ内での活用を行う「リユース(Reuse)ビジネス」、自動車の検査、及び故障修理を行う「整備」サービスと自動車の傷や凹み等の修繕を行う「鈑金」サービス等を提供する「リペア(Repair)ビジネス」という、環境に配慮した「新3R」ビジネスの拡大に注力する。現状、M&Aをした子会社を通じて、リサイクルパーツの販売や引揚げ車両の販売、整備工場等が利用する業務管理ソフトウェアの販売など、自動車に関連する幅広いサービス提供を行っている。
重点施策は、「サービスラインナップの拡充」「加盟店である自動車販売店、整備工場の会員制組織化の推進」「プラットフォーム構想の推進」。収益源を多様化し、グループの持続的な成長を図る。
会員制組織化については、これまで構築した加盟店ネットワーク(自動車販売店30,000社以上、整備工場3,000社以上)の中から、特に取引関係を深める加盟店を、自動車販売店については「カープレミアディーラー」、整備工場については「カープレミアガレージ」として会員制組織を形成していく。
こうして構築した会員制組織とお客様をつなぎ、多様なサービスを提供するプラットフォーマーを目指している。
(同社資料より)
④海外戦略
ミッションにあるように、「世界中の人々」を対象とし、日本国内で培ったノウハウを海外で展開する。
新型コロナウイルスの収束状況等を鑑みながら、中期ビジョンPhase-1は種まき期と位置付け、出展国の増加に努める。現地資本などとのJoint Venture設立により進出し、同社単独(100%資本)での進出は行わない。
続く中期ビジョンPhase-2を刈取り期とし、連結子会社化も視野に入れ、海外事業を本格的に展開する。
(4)数値目標
「VALUE UP 2023」では、2023年3月期「営業収益245億円、当期利益34億円」、次期中期ビジョン最終年度2025年3月期は「営業収益419億円、当期利益65億円、時価総額1,750~2,000億円」を目標として掲げている。
| 21/3期 実績 | 22/3期 計画 | 22/3期 実績 | 23/3期 計画最終年度 |
営業収益 | 178 | 214 | 208 | 258 |
税引前利益 | 35 | 35 | 40 | 49 |
当期利益 | 24 | 24 | 29 | 33 |
*単位:億円。当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益。
(5)ESG・SDGsに対する取り組み
社会的存在意義、社会的責任を強く意識しており、ESGの観点から経営・事業活動を整理した「ESGレポート」を公表した。
「環境」「社会資本」「人的資本」「ビジネスモデル&イノベーション」「リスク管理・ガバナンス」に関する、9つのマテリアリティを特定し取り組みを進めていく。
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役会設置会社 |
取締役 | 6名、うち社外3名(うち独立役員3名) |
監査役 | 3名、うち社外2名(うち独立役員2名) |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2022年6月29日)
基本方針
(1) 株主の権利・平等性の確保
当社は、全ての株主に対して実質的な平等性を確保するため、積極的な情報開示や円滑な議決権行使ができる環境の整備等に努めております。
(2) 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社は、法令・定款の遵守をはじめとしたコンプライアンスの徹底を前提に、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、株主をはじめとする全てのステークホルダーとの協働及びサステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の推進が必要不可欠であると認識しております。
ステークホルダーとの協働を実践するため、当社グループのミッション及びビジョンを定めるほか、代表取締役社長をはじめとする経営陣が自らの言葉で全従業員に対し直接説明を行う機会である「経営方針発表」を定期的に開催し、経営陣が先頭に立って、ステークホルダーの権利や立場、企業論理を尊重する企業風土の醸成に努めております。
(3) 適切な情報開示と透明性の確保
当社は、ディスクロージャーポリシーに基づき、市場からの信頼と適切な評価を獲得するため、当社の経営方針や事業戦略、業績及び財務に関わる情報を、公平に、正確に、迅速に、分かりやすく、かつ積極的に提供することを基本方針としております。法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報であっても、株主や投資家の理解の助けになると当社が判断した情報については積極的に開示することとしております。また、情報の開示に当たっては、非財務情報も含め、正確で平易化かつ具体的な記述を行い、利用者にとって有用性の高い記載となるよう努めております。
(4) 取締役会等の責務
当社は、代表取締役社長をはじめとする経営陣や取締役に対する実効性の高い監督を行うとともに、経営陣による適切なリスクテイクを支える環境整備を行い、企業戦略等の大きな方向性を示し、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上、収益力及び資本効率等の改善を図ってまいります。なお、現在、当社は支配株主を有しておりません。
(5) 株主との対話
当社は、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を果たすため、常日頃から株主と積極的な対話を行い、株主の意見や要望を適切に反映させ、株主とともに当社グループを成長させていくことが重要であると認識しております。このため当社では、代表取締役社長を中心とするIR体制を整備し、当社グループの経営戦略や経営計画に対する理解を得るため、株主や投資家との対話の場を設けることとしております。更に、株主や投資家からの意見が適宜取締役会に報告され、当社の経営にフィードバックする体制を構築してまいります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
2022年6月29日現在の対応状況に基づき、以下のとおりとなりました。
=====================================================================================
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則の全てを実施しております。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
2022年6月29日現在の対応状況に基づき、以下のとおり更新いたしました。
(更新)
=====================================================================================
【原則1-4.政策保有株式】
当社は、原則として政策保有株式としての上場株式を保有しない方針であり、現在も保有しておりません。政策保有が必要となる場合、当該株式に係る議決権の行使に関しては、取締役会においてその保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等、議案の内容を具体的に精査し、保有の適否を検証したうえで合理的に判断し、適切に開示してまいります。
【補充原則2-4①.中核人材(管理職層)の多様化と開示】(更新)
当社は、ダイバーシティ経営や働き方改革を成長戦略の一部と位置づけ、多様な人材が活躍できる人事諸制度の導入や、能力を十分に発揮できる働きやすい職場環境の整備を推進し、従業員の幸福度を意味する「Well-being」の向上を図り、持続的な企業成長を目指しております。中核人材の登用においては、多様な視点や価値観を尊重し、性別・年齢・国籍・中途採用者など、個人の属性を問わない人物本位の評価制度による人材登用を実施しております。また、キャリア形成を促す環境・風土を整え、将来的に当社の意思決定を担う人財育成に努めております。なお、サステナビリティへの取り組みをまとめた当社のESGレポートにて、人的資本に関する課題認識及びそれに対する取り組みを開示しております。
<多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針>
当社は、従業員1人1人のキャリアに合わせた研修や各種コンプライアンス研修を定期的に実施し、中長期的な企業価値向上に貢献する心豊かな人材の育成及び差別・ハラスメントのない職場環境の創出に努めております。
(ESGレポート)
https://www.bridge-salon.jp/report_bridge/pdf/20210518_7199.pdf
<女性管理職の登用>
当社は、女性活躍推進を目的とした行動計画を策定し、女性のキャリア形成を促す環境・風土を整え、将来的に会社の意思決定を担う人財育成に努めております。
(女性活躍推進法に基づく行動計画)
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/planfile/202007031919265331201_1.pdf
【補充原則3-1③.サステナビリティへの取り組み、人的資本への投資の開示、・TCFDの枠組みでの気候変動に対する方針と影響の開示】
(1)サステナビリティへの取り組み
当社は、サステナビリティを推進するため、TCFDと同等の枠組みであるSASB※スタンダードに基づき、サステナビリティに関する課題及び課題に対する取り組みを、ESGレポートを通じて開示しております。また、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行うことの重要性を認識し、開示の質と量の更なる充実を進めてまいります。
※SASB…Sustainability Accounting Standards Board(サステナビリティ会計基準審議会)の略称。2011年に米国サンフランシスコを拠点に設立された非営利団体で、企業の情報開示の質向上に寄与し、中長期視点の投資家の意思決定に貢献することを目的に、将来的な財務インパクトが高いと想定されるESG要素に関する開示基準を設定しています。
(2)人的資本や知的財産への投資等
当社は、「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、「心豊かな人財を育成する」というミッションの実現に向け、人的資本にかかる取り組みを極めて重要な経営資源と位置づけており、企業理念の浸透、人財育成の強化、ダイバーシティ経営の実現、従業員の健康と安全の確保に向けた取り組みを積極的に実施しております。
また、知的資本への投資につきましては、中長期的な事業基盤の強化及び競争力の向上を図る重要な取り組みとして、DX戦略を策定・開示し、業務プロセスのDX化及び新たなビジネスモデルの創出に向け、毎年一定水準額の投資を行っております。
(ESGレポート)
https://www.bridge-salon.jp/report_bridge/pdf/20210518_7199.pdf
(DX戦略)
https://ir.premium-group.co.jp/ja/management/digital/main/0/teaserItems1/00/link/DX_210513_2.pdf
【原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話には合理的な範囲で前向きに対応してまいります。
当社の株主との対話全般は、代表取締役社長が中心となり、面談を行う株主の所有株式数、規模等に応じ、主に代表取締役社長や取締役が対応しております。
また、当社は実効性あるIR活動を実施するため、担当取締役が統括する広報・IR部門において実務を行っております。株主との対話を補助すべく、広報・IR部門と経営統括、コーポレート統括、総務、経理及び法務コンプライアンスの各部門が適宜連携する体制を整備しております。
株主との対話に関する取組としては、決算説明会や当社ホームページにおける情報開示の実践等のほか、株主が当社グループの現状等に関する理解を深められるよう積極的にIR活動を展開しております。具体的には、機関投資家やアナリストとの対話について、状況に応じて機関投資家向け個別ミーティングやアナリスト説明会等を開催し、主に代表取締役社長又は取締役が直接対話を実施しております。また、個人投資家との対話の場として、証券会社等が主催する個人投資家向け会社説明会やオンラインセミナーに積極的に参加し、個人投資家の前で、代表取締役社長及び取締役が自らの言葉で当社グループの現状等について説明を行う機会を設けております。なお、個人投資家向けのIRイベントは、当社ホームページにおいてそのスケジュールを開示しております。
https://ir.premium-group.co.jp/ja/calendar.html
加えて、日本株市場で一定の取引量を持つ海外投資家に対しても、電話での個別ミーティングや英語翻訳資料の作成、英語版のホームページを通じた情報発信などを実施しております。
また、当社は、株主との対話を通じて把握できた意見等について、広報・IR部門が取り纏め、必要に応じて取締役会に報告し、情報共有及び経営改善を図ることとしております。
この他、対話に際してのインサイダー情報の管理について、インサイダー取引防止規程に基づき、未公開情報の厳格な管理を実施しております。
本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。 Copyright(C) Investment Bridge Co., Ltd. All Rights Reserved. |
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