ブリッジレポート:(4849)エン・ジャパン 2022年3月期第3四半期決算
越智 通勝 会長 |
鈴木 孝二 社長 | エン・ジャパン株式会社(4849) |
|
会社情報
市場 | 東証1部 |
業種 | サービス業 |
代表者 | 越智 通勝、鈴木 孝二 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿 6-5-1 |
決算月 | 3月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(自己株式を控除) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
2,836円 | 44,905,223株 | 127,351百万円 | 9.5% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
72.50円 | 2.6% | 152.77円 | 18.6倍 | 810.66円 | 3.5倍 |
*株価は3/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*BPS、ROEは21年3月期実績。数値は四捨五入。
*DPS、EPSは22/3期の会社予想。
連結業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属 する当期純利益 | EPS | DPS |
2018年3月(実) | 40,710 | 9,626 | 9,731 | 6,366 | 139.93 | 46.50 |
2019年3月(実) | 48,733 | 11,661 | 11,834 | 8,144 | 178.97 | 62.80 |
2020年3月(実) | 56,848 | 11,005 | 11,057 | 7,125 | 156.23 | 74.80 |
2021年3月(実) | 42,725 | 7,771 | 7,939 | 3,502 | 77.96 | 37.10 |
2022年3月(予) | 51,000 | 10,000 | 9,999 | 6,842 | 152.77 | 72.50 |
(単位:百万円、円)
エン・ジャパンの2022年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画(20/3期~22/3期)
3.2022年3月期第3四半期決算
4.2022年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 22/3期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比25.0%の増収、営業利益が同43.8%の増益。新型コロナ感染症拡大の影響が大きかったサービス業等の業種でも採用活動が積極化した。こうした環境下、売上高面では国内求人サイトと海外事業が売上高の回復を牽引した。利益面では広告宣伝費の追加投資を行ったものの、増収効果により営業利益も大幅に回復した。
- 22/3期の会社計画は、売上高が前期比19.4%の増収、営業利益が同28.7%の増益の期初予想から修正なし。国内において、上期にワクチンの普及が進み下期に経済活動や採用活動のダメージが大きかった業界でも採用需要が回復する見込みである。こうした環境下、売上高は想定を上回る見込みであるものの、営業利益はengageとAMBIにおける広告宣伝費の追加投資が影響する。1株当たりの配当も、前期末から35.4円増配の72.5円の予定を据え置き。同社の配当還元方針である配当性向50%を維持する方針である。
- 同社の顧客の採用需要が回復している。こうした環境下、同社では続く第4四半期に求職者獲得のためのプロモーションを強化し、求人への応募数の拡大を図ることを目的に「AMBI」と 「engage」へ広告宣伝費の追加投資を実施する。こうしたプロモーション投資がどれ位のインパクトで同社の業績回復へ結び付くのか注目される。
1.会社概要
「人材採用・入社後活躍」を支援する企業として、採用事業のほか、顧客企業の社員に対する集合型研修サービスを中心とした教育・評価事業も展開。創業以来、「主観正義性と収益性の両立」という考え方を背景に求職者に徹底的に尽くすというスタンスを貫いてきたことで優位性を確立。現在は、更なる成長を実現すべく人材紹介サービスと海外展開、HR-Techサービスなどの新規事業を推進している。より組織・事業にフィットした人材の採用から、入社後の活躍・定着までを一貫して実現するサービスを提供することで継続的な成長につなげていく方針。
同社は、入社後活躍がゴールとの考えのもと、就職・転職自体をゴールとせず、「入社者の仕事人生の充実」・「企業の業績向上への貢献」をゴールとし、サービスを提供している。また、同社は、3つの「E」を連動させるエン・ジャパンの3Eメソッドにテクノロジーを掛け合わせ、より多くの「入社後活躍」の実現を目指している。
(同社統合報告書2021より)
(同社決算説明資料より)
主なグループ企業
会社名 (*は非連結子会社) | 事業内容 |
エンワールド・ジャパン(株) | グローバル企業向け人材紹介・人材派遣 |
(株)インサイトテック(*) | 人工知能を利用したデータ解析受託 |
(株)ゼクウ | 派遣会社向け採用管理システムでシェアトップ |
Navigos Group, Ltd.(ベトナム) | ベトナムNo.1の求人サイト運営及び人材紹介 |
New Era India Consultancy Pvt. Ltd.(インド) | 人材紹介 |
Future Focus Infotech Pvt.Ltd.(インド) | IT人材派遣 |
英才網聯(北京)科技有限公司(中国) | 中国4番手規模の総合求人サイト |
国内求人サイト
| 内容 |
| 特徴 | 顧客企業 |
エン転職 | 総合転職情報サイト | ・ | 一般事業会社直接募集原稿は、1社1社独自に取材・撮影 | 一般事業会社 |
・ | 求職者の立場に立った正直かつ詳細な求人情報 | |||
ミドルの転職 | 人材紹介会社集合サイト | ・ | ミドル層の転職に強い500社以上の人材紹介会社及び求人情報を掲載 | 人材紹介会社 一般事業会社 |
・ | コンサルタントの得意領域、実績などに加えユーザーからの評価を公開 | |||
AMBI | 20代ハイクラス特化型求人サイト | ・ | 20代×年収500万円以上の案件が中心 | 人材紹介会社 一般事業会社 |
・ | 一般事業会社、人材紹介会社によるスカウトに軸を置いたサイト設計 | |||
エンジニアHubキャリア | Webエンジニアに特化した求人サイト | ・
・ | 若手Webエンジニア向け情報メディア 「エンジニアHub」による求人サイト メガベンチャーやスタートアップなど、エンジニアの成長に繋がる求人を厳選 | 一般事業会社 |
エン派遣 | 人材派遣会社集合サイト | ・ | 人材派遣会社の情報及び求人情報を掲載 | 人材派遣会社 |
・ | ユーザーが直感的に操作しやすい検索機能 | |||
エンバイト | アルバイト求人情報サイト | ・
・
| 主に人材派遣会社が保有するアルバイト求人情報を掲載 ユーザーの閲覧履歴からお勧めバイトを提案する等、ユーザーの希望にあったバイト探しをサポート | 人材派遣会社 |
ウィメンズワーク | 女性向け求人情報サイト | ・ | 正社員として働くことを希望する女性向け求人サイト | 人材派遣会社 |
・ | 「正社員または正社員登用あり」の求人のみ掲載 | |||
・ | オフィスワーク系職種を多数掲載 | |||
キャリアバイト | 大学生向け インターン情報 サイト | ・
・ | 時間の切り売りではなく「成長できる有給インターン」を目的とした大学生向けサイト インターンシップサイトのパイオニアであり、国内最大級の実績、求人件数 | 一般事業会社 |
FREELANCE START | フリーランスエンジニア案件検索エンジンサイト | ・
・
| 国内最大級のフリーランス案件検索エンジンサイト フリーランスエージェントの案件情報をまとめて検索・エントリーが可能 | フリーランス エージェント |
doocy Job | 副業・フリーランスの エンジニア向け 求人情報サイト | ・
・
| 有名企業やベンチャー、スタートアップ企業などの 副業・フリーランス求人案件を掲載 企業との直接契約により、中間マージンや手数料がなく、高単価で魅力的な案件が豊富 | 一般事業会社 |
国内人材紹介
| 内容 |
| 特徴 | 顧客企業 |
エンワールド・ジャパン | 人材紹介 | ・ | 日本国内に営業・サービス・製造などの拠点を設けている外資系企業及びグローバルな展開を行っている日系企業がクライアント。グローバル人材の中間管理職~エグゼクティブレベルの案件を取扱う | 外資系企業 日系企業 |
・ | グローバル人材の紹介領域において、国内トップクラスのシェア | |||
エン エージェント | 人材紹介 | ・ | エン・ジャパンが持つ求職者データベース及び企業顧客と取引実績を活用した人材紹介サービス。 | 日系企業 |
海外事業
| 国 | 内容 |
| 特徴 | 顧客企業 |
NEW ERA | インド | 人材紹介 | ・ | インドで事業を行う現地企業及びグローバル企業がクライアント | 現地企業 グローバル企業 |
・ | 高年収層の案件を中心に取り扱っており、IT関連に強み | ||||
Future Focus Infotech | IT人材派遣 | ・ | IT派遣で20年の実績があり、代表的なIT企業を数多く顧客に持つ | 現地企業 グローバル企業 | |
・
・ | AIやIoTなど先端技術への投資・教育に力を入れている 米国やUAEなど、インド以外からのオフショア開発も受託 | ||||
Navigos Search | ベトナム | 人材紹介 | ・ | ベトナムにおいてNo.1の人材紹介 | 現地企業 グローバル企業 日系企業 |
・ | 現地企業・グローバル企業に対し、管理職レベルの人材を紹介。日系企業も強化 | ||||
VietnamWorks | 総合求人 情報サイト | ・ | ベトナムにおいてNo.1の求人サイト | 現地企業 グローバル企業 日系企業 | |
・ | 主に現地の人材と現地企業・グローバル企業が顧客対象。日系企業も強化 | ||||
英才網聯(北京)科技有限公司 | 中国 | 求人サイト | ・
・ | 2004年に設立。建築・不動産領域に強みをもつ求人サイトを運営 近年では建築・不動産以外の領域も強化 | 現地企業 グローバル企業 |
HR-Tech_募集・採用事業募
| 内容 |
| 特徴 | 顧客企業 |
engage | 採用・入社後の活躍を目的としたデジタルプラットフォーム | ・ | フリーミアムモデルの採用支援ツール | 一般事業会社 |
・ | 高クオリティな企業の採用ホームページ、求人募集を簡単かつスピーディーに作成可能 | |||
・ | 作成した求人は自動で「indeed」や「googleしごと検索」等に連携 | |||
・ | 有料プランの利用により、より多くの応募獲得を顧客企業に提供し、採用強化をサポート | |||
・ | 適性テストやリテンション対策ツール等、関連サービスもengage上に搭載等 |
HR-Tech_ATS・テスト事業(主要サービス)
ZEKU 株式会社ゼクウ | 採用管理システム 業務管理システム | ・
・ | 求人情報、面接者、応募対応、効果測定などの各種管理を一元化 採用後のスタッフや求人募集案件を一元管理 | 人材派遣会社 一般事業会社 |
3Eテスト | 活躍できる人材を発見する、見極める適性テスト | ・ | 学歴や役職などの肩書では判断が難しい知的能力・考え方・価値観などを検査 | 一般事業会社 |
・ | 短時間、スマホ等のオンラインで受講可能 | |||
・ | 企業が求める人材の発見とミスマッチを防止 | |||
ASHIATO | 入社後活躍までを見据えたリファレンスレポートサービス | ・
・ | 約15万社の採用支援実績・ノウハウをもとに、独自のアンケートを実施し、候補者の活躍ぶりをヒアリング。 選考に活用できる面接アドバイスをレポート オンラインを中心としたサービスにより、スピーディーなレポートを実現。導入しやすい価格で提供 | 一般事業会社 |
HR-Tech_入社後フォロー・組織活性化事業(主要サービス)
en-college | 社員向け オンライン研修サービス | ・
・ | 新人社員から経営層向けまで400以上の講座を提供するオンライン研修サービス 派遣会社のスタッフ教育として、「派遣スタッフ版エンカレッジオンライン」も提供 | 一般事業会社 人材派遣会社 |
HR OnBoard | リテンション対策ツール 「HR OnBoard」の開発・販売 | ・
・
| 入社後の離職リスクを可視化するオンラインアンケートツール 月1回、対象者へのアンケートにより離職リスクを簡単に可視化 離職防止への素早い行動が可能に | 一般事業会社 |
国内その他事業・子会社事業
iroots | 新卒学生向け スカウトサイト | ・ ・ | 新卒学生向けの逆求人型就活スカウトサービス プロフィールや適性診断に基づき、企業が直接新卒学生にスカウトすることができるサービス | 一般事業会社 |
エン 社長候補 | CEO/COO候補求人に特化したオンラインエージェント | ・
・ | 一定以上の待遇とポジションが保証されたCEO/COO候補求人のみを厳選 選考~入社後1年まで担当コンサルタントがサポート | 一般事業会社 |
pasture | フリーランスマネジメントサービス | ・
・ | フリーランスへの発注、進捗、請求を一元管理できるクラウドサービス 受発注情報を全てデジタル化、CRMや会計ソフトなど他Webサービスとの連携も | 一般事業会社 |
O.W.L.S | Webサイト及びアプリ ケーションのデザイン・開発受託 | ・ | UI×UXグロース事業を展開。デザインだけではなく、ユーザーがサイトやアプリを通じて得る適切な体験までを設計・コンサルティングの上でサービスを提供 | 一般事業会社 |
その他新規事業 ※非連結子会社
| 内容 |
| 特徴 | 顧客企業 |
Insight Tech | マーケティングリサーチ AIを活用したデータ解析 | ・ | 消費者から買い取った「不満」をDB化~解析し、商品開発に役立つ商品として企業へ販売 | 一般事業会社 |
・ | 高度なデータ解析技術を元に企業が保有するデータを解析。課題解決のソリューション提供 | |||
エン婚活エージェント | オンライン 婚活支援サービス | ・ | 「結婚後の幸せ」をゴールとした新しいコンセプトの婚活サービス | 一般消費者 |
(同社決算説明資料より)
採用事業のビジネスモデル
(同社統合報告書2021より)
売上計上の特性
(同社決算説明資料を参考にインベストメントブリッジ作成)
同社サービスの売上高は、国内求人サイトのエン転職および派遣会社向け求人サイトは掲載課金型が主体の収益モデル、人材紹介会社向け求人サイトは成功報酬型が主体の収益モデルという特性を有している。22年3月期より掲載課金型の求人広告は売上計上のタイミングを広告掲載時からサービスの役務提供期間に応じた計上に変更している(*1)。成功報酬型は、実際の受注活動および成約から売上高の計上タイミングが2~4ヶ月程度遅れる傾向にある(同社サービス経由の候補人材が新たな会社に入社した時点で売上高を計上するため)。また、海外子会社の業績は、3ヶ月遅れて業績へ取り込まれる。
(*1)新収益認識基準の内容、およびその他の変更による影響
(同社決算説明資料より)
同社の強み
人材・企業DBとその活用力 | ・1,000万名を超える人材データベースと15万社超との取引実績。 ・「人」「企業」の両面で充実したデータベースの保有に加え、その活用力にも強み。 ・文章解析AIなどテクノロジーの力を駆使し、精度の高いマッチングを効率的に実現。 ・DX 関連事業などの新事業に、既存の営業網を活用することも可能。 |
HR×Web領域の知見と開発 | ・1995年に国内初の求人サイトを立ち上げて以来、Web領域における知見を蓄積。 ・サイト構築・運用やWebマーケティングなど、デジタル活用に強み。 ・近年ではAIなどの活用も強化。 ・入社後の活躍まで実現するHR領域のノウハウと掛け合わせることで、競合優位性のある独自のプロダクトを開発。(HR OnBoard、engage、ASHIATOなど新サービスを継続的にリリース)。 |
変化に即応できる組織力 | ・新型コロナウイルス拡大の初期段階で在宅勤務に移行。 ・リモートを基本とし、オフィスを大幅に縮小。 ・訪問ではなくリモートで営業活動を行なう「インサイドセールス」を先駆的に実践していた素地もあり、生産性に影響はなし。 ・書類を介していた手続きも大半を電子化。 |
主観正義性と収益性の両立 | ・主観正義性とは「世の中のあるべき姿を独自に考え、その実現に尽力する」姿勢を指す同社独自の考え方で、HR 以外も含めた全事業に共通する考え方。 ・収益性のみに偏ることなく、世の中をより良く変えていくスタンスが独自性と信頼に直結。 ・この結果、運営サービスはオリコン顧客満足度®調査など外部調査で高評価を獲得。 |
海外進出の状況
同社は、2006年に求人情報サイトを運営する中国企業「英才網聯」に出資を行なって以来、アジアを中心に海外展開を進めており、現在は特に著しい経済成長が見込まれるベトナムとインドに注力している。ベトナムでは、国内の求人サイトおよび人材紹介事業で圧倒的なシェアを有する「Navigos Group」を2013年4月に子会社化。国内No.1のHR 企業として成長を続けている。今後は、更なる需要拡大が見込まれる管理職クラス向けのサービスや教育事業も強化し、マーケットへの影響力をより高めていく計画である。また、インドでは、2019年にインドの「Future Focus Infotech Pvt.Ltd.」を子会社化。IT エンジニア人材派遣において20年の実績があり、3,000名を超えるエンジニアを有するインド国内で大きなシェアを持つ企業。今後も高い需要と成長が見込まれる「IT領域」を軸に事業拡大を進める方針である。
(同社統合報告書2021より)
ESGの取り組み状況
社会をより良く変えていくことができる企業経営の形を模索してきた同社にとって、ESG は極めて重要なテーマだと考えている。同社は、設立以来「ビジネスを通じた社会課題の解決」に取り組んでいる。慈善・文化支援活動ではなく、影響力と継続性を兼ね備える「本業」の中で、業界、ひいては社会全体をより良く変革していくとの信念を貫いてきた。メイン事業のHRビジネスは雇用創出・生産性向上・仕事人生の充実などに通じる、極めて社会性の高い領域であり、真摯に本業と向き合うことが最大の社会貢献だとの考えのもと事業を推進している。最も大切にしているのは、本業において「主観正義」を貫くことであり、まだ社会的に問題とされていないことでも、独自の問題意識をもって解決に取り組んである。そのため、むやみに転職を煽るのではなく、「入社後活躍の実現」まで徹底的にこだわった就転職支援サービスを提供することで、業界の変革を促してきた。
【環境(Environment)】
当社では、新型コロナウイルスの拡大により事業活動に制限が出る中、従業員の健康・安全のためにいち早くリモート化を推進した。これを受けて、2020年4月時点でオフィス面積を半減させることを決定。結果として、エネルギー使用量の大幅な削減を実現した。
主な取組み |
資料のデータ共有や書類等の電子化でペーパーレス化を推進 |
商談や面談をオンラインで行い、移動に伴う環境負荷を低減 |
従業員へのコンプライアンステストで環境に関する項目を設置 |
不要な印刷の削減、ゴミ分別ゾーンの設置など環境施策を実施 |
(同社統合報告書2021を参考に当社で作成)
(同社統合報告書2021より)
【社会(Social)】
本業での社会貢献の代表的な取り組み | |
ソーシャルインパクト採用 プロジェクト | 特に社会的インパクトが大きい採用を支援するプロジェクト。優れた能力を活かし、より良い世の中をつくりたいという志ある方と、社会の変革に挑む企業・団体を結びつけ、社会課題の解決を加速させるべく注力している。 |
「埋蔵人材」の再配置 | ポテンシャルがあるのに職場で十分なチャンスが得られていない人材=「埋蔵人材」に対し「AMBI」等のサービスを通じて「力を最大限に発揮できる環境」への移動を促している。 |
オネスト リクルーティングの普及 | 「オネストリクルーティング」とは同社社が提唱する採用コンセプト。求人企業が求職者に対し「正直な情報発信」を行なうことで、入社後のギャップを低減。活躍の可能性を高める。 |
「入社後活躍」に関する 調査・研究 | 「入社後活躍研究所」は、多くの方の仕事人生の充実と、企業の業績向上に貢献することが目的の専門機関。蓄積したデータや事例から「入社後活躍」に関する情報発信や、調査・研究・提言を行なっている。 |
(同社統合報告書2021を参考に当社で作成)
ダイバーシティ | |
女性活躍推進 | ● WOMenLABO -(同社を「世界で一番、女性が活躍する会社にする」ために生まれた社員有志による社内プロジェクト) ● スマートグロース制度 ● 復職ママセミナー ● ベビーシッター割引制度 ● 家事代行割引制度 |
多様なキャリアパス | ● ハイプレーヤー職系 ● イノベーター職系 ● チャレンジ管理職制度 ● 社内公募制度 |
グローバル | ● ボーダレスな人材登用 |
LGBT | ● 同性パートナーシップ制度 ●「Tokyo Rainbow Pride」への参加 |
障害者雇用 | ● 特例子会社「ベイク・ド・ナチュレ」の設置 |
(同社統合報告書2021を参考に当社で作成)
【ガバナンス】
同社は事業を通じて、株主やクライアントなど、様々なステークホルダーをはじめ、広く社会に役立つ存在でありたいと考えている。そのために、同社グループ全体として経営環境の変化に対応できる組織体制を構築。同社グループの健全な成長のため、コーポレートガバナンスの強化と充実を図り、公正な経営システムづくりに取り組んでいる。
取締役会を取締役の職務の執行を監督する機関と位置付け、毎月1回開催。また、必要に応じ臨時の取締役会を随時開催し、職務執行状況を監視している。取締役会は、各事業部門及び会社全体の業績の進捗状況を監督するとともに、事業運営における重要事項を審議し対応策を決定している。また、同社は監査役会制度を採用しており、監査役は監査役会において定められた監査の方針及び業務分担に従い、法令及び定款に定められた事項ならびに重要な監査業務について協議するとともに、監査体制の充実を図っている。2020年4月に指名報酬員会を設置し、更に、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させるために、取締役会がどのように貢献しているかを検証し、課題を抽出し、改善を図る目的で、2020年5月より、取締役会自身による取締役会全体の実効性についての分析・評価を開始し、年1~2回実施しその結果の概要を開示することとした。なお、エン・ジャパン単体(2021年12月末現在)で、役員に占める社外取締役比率が37.5%、女性取締役比率も25%となっている。
2.中期経営計画(20/3期~22/3期)
同社は、2019年5月14日に中期経営計画(20/3期~22/3期)を公表していた。中期経営計画の基本方針は、①国内求人サイトは、売上高拡大重視から安定的な利益成長を重視、②国内人材紹介は、売上高成長・シェア向上による規模の拡大、③海外事業は、ベトナム・インドにリソースを集中、Tech領域の強化、④HR-Techは、積極的な投資を行い、高収益モデルを確立。最終年度である22/3期に、売上高850億円(19/3期比74%増)、営業利益230億円(19/3期比97%増)を目指すという数値目標であった。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を合理的に算定することが困難との判断のもと、2020年5月13日に中期経営計画の取り下げを行った。なお、中期経営計画の基本戦略方針に大きな変更はなく、2022年5月に新たな中期経営計画の公表を予定している。
(同社決算説明資料より)
3.2022年3月期第3四半期決算
(1)2022年3月期第3四半期連結業績
| 21/3期 第3四半期 | 構成比 | 22/3期 第3四半期 | 構成比 | 前年同期比 |
売上高 | 31,116 | 100.0% | 38,904 | 100.0% | +25.0% |
売上総利益 | 24,714 | 79.4% | 30,870 | 79.4% | +24.9% |
販管費 | 19,669 | 63.2% | 23,618 | 60.7% | +20.1% |
営業利益 | 5,044 | 16.2% | 7,252 | 18.6% | +43.8% |
経常利益 | 5,150 | 16.6% | 7,485 | 19.2% | +45.3% |
親会社に株主に帰属する 四半期純利益 | 2,948 | 9.5% | 5,037 | 12.9% | +70.9% |
(単位:百万円)
※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
売上高は前年同期比25.0%増収、営業利益は同43.8%増益
売上高は前年同期比25.0%増の389億4百万円。新型コロナ感染症拡大の影響が大きかったサービス業等の業種でも採用活動が積極化した。国内求人サイトの売上高は、前年同期比35.1%増の208億79百万円となった。主力のエン転職で大口企業の出稿増加により単価が上昇した他、若手ハイクラス層の採用需要の拡大によりAMBIの売上高が増加した。国内人材紹介の売上高は、前年同期比1.9%増の72億39百万円となった。決定人数や単価が増加したエンワールド・ジャパンの売上高が増加した。海外事業の売上高は、前年同期比26.3%増の75億94百万円となった。インド・アメリカともにIT業界が活況でありインドのIT派遣事業が売上高の回復を牽引した。その他、HR-Techは、売上高が前年同期比228.1%増の27億56百万円へ拡大した。募集採用事業「engage」は、大口営業のアプローチ強化、有料掲載のオートチャージ機能の利用促進により有料求人数が大幅に増加した。
利益面では、広告宣伝費・販売促進費や新収益認識基準の影響により支払手数料が増加したものの、人件費や地代家賃など減少し、総費用は316億51百万円と前年同期比21.4%の増加にとどまった。需要回復を見据え広告宣伝投資を積極的に実施したものの、売上高の増加により営業利益は前年同期比43.8%増の72億52百万円と大幅に増加した。売上総利益率は同ほぼ横ばい、売上高対販管費比率は同2.5ポイント低下した。その結果、売上高営業利益率は18.6%と前年同期比2.4ポイントの大幅な上昇となった。その他、前年同期に特別損失で計上した、連結子会社ののれんとオフィス解約の減損損失4億59百万円が今四半期は発生しなかったことにより親会社株主に帰属する四半期純利益の増益率が大きくなった。なお、新収益認識基準の影響により、売上高は16億14百万円増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前四半期純利益はそれぞれ1億81百万円減少している。
売上原価の主な費用
22/3期第3四半期(10-12月期)の売上原価は、前年同期比で46.7%増加した。主にIT派遣のFFI社(インド)で売上高が増加したことにより、業務委託関連の費用が増加した。
販管費の主な費用
22/3期第3四半期(10-12期)の販管費は、前年同期比で32.7%増加した。国内求人サイトおいて広告宣伝費が増加した。
(2)セグメント別動向
国内求人サイト【エン転職、ミドルの転職、AMBI、エン派遣、エンバイト、キャリアバイト、Brocante、その他関連商品等】
| 21/3期3Q (2020.4~2020.12) | 22/3期3Q実績 (2021.4~2021.12) | 前年同期比 | |||
| (百万円) | 利益率 | (百万円) | 利益率 | 増減額(百万円) | 増減率 |
売上高 | 15,452 | - | 20,879 | - | +5,427 | +35.1% |
営業利益 | 5,819 | 37.7% | 5,844 | 28.0% | +25 | +0.4% |
【第3四半期(4-12月)の状況】
エン転職は新型コロナ感染症拡大の影響が大きかったサービス業等の業種も採用活動を積極化したことに加えて、大口企業の出稿増加により、単価が上昇した。AMBIとミドルの転職はAMBIにおいて高成長が継続した他、プロモーションの強化による会員データベースの増加と営業体制の強化により営業生産性が向上した。エン派遣とエンバイトは、新規派遣スタッフの募集領域の回復が遅れた。大手派遣会社においては募集強化の動きがあるものの、前年並みの売上の水準に留まる見通しである。こうした環境下、売上高は想定を上回ったものの、戦略的に広告宣伝投資を強化したことにより、前年同期並みの営業利益での着地となった。
国内人材紹介【エンワールド・ジャパン、エン エージェント、 その他関連商品販売等】
| 21/3期3Q (2020.4~2020.12) | 22/3期3Q実績 (2021.4~2021.12) | 前年同期比 | |||
| (百万円) | 利益率 | (百万円) | 利益率 | 増減額(百万円) | 増減率 |
売上高 | 7,107 | - | 7,239 | - | +132 | +1.9% |
営業利益 | 332 | 4.7% | 952 | 13.1% | +619 | +186.4% |
【第3四半期(4-12月)の状況】
エン エージェントは生産性向上により、売上が前年同期を上回った。採用需要の急速な高まりを背景に、業種・職種問わず未経験者の採用ニーズが増加した他、選考期間も短期化した。EWJは継続してハイクラス層の需要が活況となった。決定人数と単価が拡大し売上が増加した。こうした環境下、EWJの生産性向上により利益が大幅に増加した。
海外事業【ベトナム、インド、中国(求人サイト、人材紹介、IT技術者派遣)】
| 21/3期3Q (2020.4~2020.12) | 22/3期3Q実績 (2021.4~2021.12) | 前年同期比 | |||
| (百万円) | 利益率 | (百万円) | 利益率 | 増減額(百万円) | 増減率 |
売上高 | 6,013 | - | 7,594 | - | +1,581 | +26.3% |
営業利益 | 355 | 5.9% | 667 | 8.8% | +312 | +87.7% |
【第3四半期(4-12月)の状況】
海外子会社の業績は、3ヶ月遅れて取り込まれた数値となっている。インドはインドとアメリカのIT派遣を中心に売上が大幅に増加した。インド国内はIT業界全般が活況であり、派遣に限らずIT人材の強い需要が継続している。ベトナムはロックダウンの影響受け、売上が前年同期を下回ったものの、コストの抑制により利益は前年同期並みを確保した。第4四半期以降は求人サイトが先行して回復する見込みである。
国内その他事業・子会社【教育評価商品、新卒採用商品、アウルス、 新規事業開発他】
| 21/3期3Q (2020.4~2020.12) | 22/3期3Q実績 (2021.4~2021.12) | 前年同期比 | |||
(百万円) | 利益率 | (百万円) | 利益率 | 増減額(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 1,984 | - | 756 | - | -1,228 | -61.9% |
営業利益 | -5 | -0.3% | -140 | -18.5% | -135 | - |
【第3四半期(4-12月)の状況】
セグメント再編の影響を除くと、セグメント全体では増収・赤字幅縮小となった。新卒学生向けスカウトサービス「iroots」は単価の上昇などにより売上が大幅に増加した。SaaS型フリーランスマネジメントツールの「Pasture」も順調に売上が増加した。
HR-Tech【engage、 ATS・テスト事業⇒ ㈱ゼクウ、3Eテスト、ASHIATO、入社後フォロー・組織活性化事業⇒en-college(エンカレッジ)、HR OnBoard】
| 21/3期3Q (2020.4~2020.12) | 22/3期3Q実績 (2021.4~2021.12) | 前年同期比 | |||
(百万円) | 利益率 | (百万円) | 利益率 | 増減額(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 840 | - | 2,756 | - | +1,916 | +228.1% |
営業利益 | -850 | -101.2% | 476 | 17.3% | +1,326 | - |
【第3四半期(4-12月)の状況】
募集・採用事業(engage)は売上高が12億99百万円となった。大口顧客への営業のアプローチ強化と、有料掲載のオートチャージ機能の利用促進により有料求人数が大幅に増加した。ATS・テスト事業は売上高が11億68百万円となった。応募管理SaaS「ゼクウ」が引き続き堅調に推移した。入社後フォロー・組織活性化事業は売上高が2億89百万円となった。顧客企業の採用人数の増加に伴いHR OnBoardの売上が伸長した。こうした中、 第3四半期までは黒字基調であるものの、今後の更なる成長に向けengageの追加投資を実施する予定である。
有料求人数が大幅に増加し、engageの第3四半期(10-12月)の売上高は前年同期比で51%増加した。
売上高の伸びに加え、営業の生産性改善により第3四半期(10-12月期)のengageのセグメント利益は黒字基調を継続した。
(同社決算説明資料より)
engageの総利用社数は39万社を超え、利用企業数国内No.1の求人サービスとなっている。総利用社数が急拡大している背景としては、顧客企業側の利便性の高さがあげられる。engageは、テンプレートを用いて洗練されたデザインの採用サイトを最短5分で作成することが可能である他、応募管理など他機能も豊富に準備されている。また、職種別のテンプレートなども豊富に準備されており、簡単に求人を作成することができる。加えて、他社求人サービスとの連携も可能であり、求人を作成するだけで他社サービスにも自動で掲載が開始されるなど顧客企業側の運用の手間が省ける仕組みとなっている。
公益社団法人全国求人情報協会「2020年度 求人情報提供サービス市場規模調査結果」によるとソーシャルリクルーティング、アグリゲーター、クラウドソーシングなどからなる新形態サービスの2020年度の市場規模は、前年度比で69%以上の増加となった。また、厚生労働省「一般職業紹介状況」によるとハローワークのパートを含む有効求人数は2021年10-12月期の四半期平均で230万人であった。、同期間のengageの公開求人数は約84万件でありハローワークの求人数の約4割の規模まで拡大している。今後も市場規模の拡大と利便性の高さを武器にengageの高成長が期待される。
(3)engageのサービス概要
同社は、engageを通じて質の高い求人を創出し、より多くの「企業」と「求職者」の質の高いマッチングを増やすことを目指している。engageは、利用企業に対し企業採用サイトの作成、求人掲載、応募者管理機能などの採用支援ツールを無料で提供している。利用企業は、プログラミング不要で簡単に自社採用ページを作成することが可能であり、スマホ表示で最適化もなされる。また、正社員・アルバイトなど何件でも無料で求人作成が可能であり、複数の求人検索エンジンに自動連携し、応募を集めることができる。同社は、現在有料プランの利用推進を通じてマネタイズの強化を図っている。企業は有料プランの利用により、様々な求人サービスの有料枠への掲載が可能となる。求人の露出が大幅にアップし、スピーディーな応募の増加・採用確率の向上が期待される。また、応募課金モデルで効果が分かりやすく、低リスクの課金設計となっていることが強みである。
日本に約330万社の法人企業数がある中、engageの利用企業は約40万社(利用率約12%)であり、今後地方および中小企業を中心に拡大余地が大きい。同社では、正社員転職市場の他、アルバイト・パートタイム市場等もターゲットとしており、engageには広義で1兆円を超える市場規模があると想定している。
(同社決算説明資料より)
(同社決算説明資料より)
(4)財政状態
| 21年3月 | 21年12月 |
| 21年3月 | 21年12月 |
現預金 | 26,374 | 29,994 | 仕入債務 | 434 | 846 |
売上債権 | 4,347 | 5,030 | 未払法人税等 | 955 | 1,343 |
有価証券 | 2,031 | 2,000 | 流動負債 | 8,260 | 11,182 |
流動資産 | 33,724 | 37,792 | 固定負債 | 1,527 | 1,640 |
有形固定資産 | 621 | 600 | 負債 | 9,788 | 12,823 |
無形固定資産 | 6,999 | 7,038 | 純資産 | 36,856 | 39,480 |
投資その他 | 5,299 | 6,872 | 負債・純資産合計 | 46,644 | 52,304 |
固定資産 | 12,920 | 14,511 | 有利子負債合計 | 0 | 0 |
(単位:百万円)
※ 有利子負債=借入金(リース債務含まず)
21/12月末の総資産は前期末比56億60百万増加の523億4百万円。資産サイドでは、現預金や売上債権や関係会社への増資による関係会社株式や、新収益認識基準の影響による繰延税金資産の増加等が、負債・純資産サイドでは買掛金や未払法人税や受注増に伴う前受金や広告宣伝費の増加に伴う未払金や利益剰余金等が主な増加要因となった。総資産の約72%を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も74.4%と、高水準を維持している。
(5)投資実績(2019年4月以降の累積)
総額約38.2億円のM&A及び出資を実施
同社は、国内外のIT・デジタル領域やニッチ領域に強みを持つ人材関連を中心に投資を行う方針を掲げており、2019年4月~2021年9月までに累積で約38.2億円のM&Aと出資を実施した。
M&A | 14.5億円 | ◆ブロカント社:国内最大級のITフリーランス向け案件情報サイト 「FREELANCE START」を運営) ◆アウルス社:UI/UX を重視したWebサイト・アプリの開発事業 (2回目の取得により完全子会社化)など |
出資 | 23.6億円 | ◆オンリーストーリー社:Sales Tech 経営者マッチングプラットフォーム運営 ◆One capital、X-Tech2号ファンドを始めとする、国内外のテクノロジー関連・DX事業推進に関連したファンドへの出資 |
*自己株式による取得:ブロカント社は約5.9億円、アウル社約2.8億円
4.2022年3月期業績予想
(1)2022年3月期連結業績
| 21/3期 | 構成比 | 22/3期 予想 | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 42,725 | 100.0% | 51,000 | 100.0% | +19.4% |
売上総利益 | 34,159 | 80.0% | 41,223 | 80.8% | +20.7% |
販管費 | 26,387 | 61.8% | 31,223 | 61.2% | +18.3% |
営業利益 | 7,771 | 18.2% | 10,000 | 19.6% | +28.7% |
経常利益 | 7,939 | 18.6% | 9,999 | 19.6% | +25.9% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,502 | 8.2% | 6,842 | 13.4% | +95.4% |
(単位:百万円)
22/3期連結累計期間の業績予想は、前期比19.4%増収、同28.7%営業増益
第3四半期が終わり、22/3期の会社計画は、売上高が前期比19.4%増の510億円、営業利益が同28.7%増の100億円の予想から修正なし。売上高は想定より上振れを予想しているものの、営業利益はengageとAMBIにおいて広告宣伝費の追加投資を行うことが影響する。
売上高面は、国内において上期に新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、下期に経済活動や採用活動への影響が大きかった業界の採用活動の回復傾向が強まるとの前提のもと、ハイクラス・即戦力正社員の採用の回復が始まり、続いてポテンシャル・未経験正社員の採用が回復し、その後派遣スタッフ採用が回復する見通しを持っている。こうした環境下、主に営業生産性の改善に努め前期に大きく減少した売上高の回復を目指す方針である。
費用面は、広告宣伝費を市場回復に合わせて積極的に投入し、求職者の獲得及びサービス認知度の向上を図る他、外注費等の変動コストも状況に応じて投下する予定である。その他、人員は新卒に加えて、中途採用も行うものの、過度な増員は行わない方針である。業務アウトソース等の活用を再開し、フレキシブルな体制を維持するとともに、コロナ禍で活用が進んだ、オンライン商談やMAツール等の利用を促進し効率性を高める。売上原価が前期比14.2%増加するものの、売上高総利益率は前期比0.8ポイント上昇の80.8%を予定。また、販管費が同18.3%増加するものの、売上高対販管費比率は同0.6ポイント低下の61.2%を計画している。広告宣伝・販促費は85億32百万円と前期から29億58百万円(前期比53.1%増)増加する見込みである。この結果、売上高営業利益率は19.6%と前期比で1.5ポイント上昇する予想である。engageが黒字転換する他、売上高と営業利益は、コロナ前の20/3期の約9割の水準まで回復する見込みである。なお、新収益認識基準適用による今期への影響は、旧基準比売上高が20億円程度増加するものの、費用も同額程度増加する見込みであり利益への影響は軽微である。
1株当たりの配当も、前期末から35.4円増配の72.5円の予定を据え置き。同社の配当還元方針である配当性向50%を維持する方針である。
通期の会社予想に対する第3四半期累計期間の実績の進捗状況
| 22/3期 第3四半期 | 22/3期 通期会社予想 | 進捗率 |
売上高 | 38,904 | 51,000 | 76.3% |
売上総利益 | 30,870 | 41,223 | 74.9% |
営業利益 | 7,252 | 10,000 | 72.5% |
経常利益 | 7,485 | 9,999 | 74.9% |
四半期(当期)純利益 | 5,037 | 6,842 | 73.6% |
*単位:百万円
22/3期第3四半期連結累計期間の業績は、通期の会社計画に対して売上高で76.3%、営業利益で約72.5%の進捗率と通期の会社計画の達成に向け順調な進捗となっている。第4四半期が繁忙期となることや海外事業、国内求人サイト、HR-Techなどが好調に推移していることから同社では売上高の上振れを予想しているものの、戦略的に強化をしている若手ハイクラス向けサービス「AMBI」と HR-tech の「engage」において広告宣伝費の追加投資を行うことが影響する。
管理会計ベースの22/3期のセグメント別売上高・営業利益(会社計画)
| 20/3期 | 21/3期 | 22/3期計画 | 増減 | 増減率 | |
国内求人サイト | 売上高 | 321.2 | 217.7 | 279.4 | +61.7 | +28.3% |
営業利益 | 117.3 | 83.5 | 84.5 | +1.1 | +1.3% | |
営業利益率 | 36.5% | 38.3% | 30.2% | - | -8.1P | |
国内人材紹介 | 売上高 | 118.7 | 93.9 | 100.0 | +6.2 | +6.6% |
営業利益 | 14.2 | 5.2 | 9.8 | +4.6 | +89.6% | |
営業利益率 | 12.0% | 5.5% | 9.8% | - | +4.3P | |
海外事業 | 売上高 | 107.4 | 80.1 | 87.7 | +7.6 | +9.5% |
営業利益 | 9.1 | 5.5 | 7.0 | +1.5 | +27.0% | |
営業利益率 | 8.5% | 6.9% | 8.0% | - | +1.1P | |
HR-Tech | 売上高 | 4.7 | 12.2 | 34.7 | +22.6 | +185.6% |
営業利益 | -19.4 | -9.4 | 7.0 | +16.4 | - | |
営業利益率 | -412.8% | -77.1% | 20.2% | - | +97.3P | |
その他事業・子会社 | 売上高 | 21.0 | 26.9 | 10.4 | -16.5 | -61.4% |
営業利益 | -2.0 | 0.7 | -2.8 | -3.5 | - | |
営業利益率 | -9.5% | 2.5% | -26.9% | - | -29.4P | |
全社調整 | 売上高 | -4.8 | -3.5 | -2.2 | +1.3 | - |
営業利益 | -9.2 | -7.7 | -5.5 | +2.2 | - | |
連結 | 売上高 | 568.4 | 427.2 | 510.0 | +82.8 | +19.4% |
営業利益 | 110.0 | 77.7 | 100.0 | +22.3 | +28.7% | |
営業利益率 | 19.4% | 18.2% | 19.6% | - | +1.4P |
(単位:億円)
国内求人サイトは、前期広告宣伝を大きく絞り、利益率は一時的に上昇。市況回復を見据えて今期に積極投資を実施する予定である。派遣サイトは、性質上市況の戻りが遅くなる。国内人材紹介は、固定費比率が高く、前期に大幅減益となったものの、今期は売上高の回復に伴い利益が改善する見込み。海外事業は、前期のコスト見直しの実施や赤字子会社の撤退等が寄与し、利益率が改善する予定である。HR-Techは、セグメント構成変更による売上高と利益の増加に加えて、engageも黒字化する効果が大きい。なお、旧セグメント基準では前期比30%増収となる見込み。その他事業・子会社は、HR-Tech等へのセグメント移動により、売上高と利益が減少する。新規事業開発コストにより赤字計画となっているものの、前期比では新規事業開発の赤字が縮小する予定である。
22/3期の費用計画
| 21/3期 | 22/3期計画 | 増減 | 増減率 |
原価 | 85.6 | 97.7 | +12.1 | +14% |
販管人件費 | 129.7 | 126.3 | -3.4 | -2% |
広宣販管費 | 55.7 | 85.3 | +29.5 | +53% |
その他販管費 | 78.4 | 100.6 | +22.1 | +28% |
総費用 | 349.5 | 410.0 | +60.5 | +17% |
(単位:億円)
売上原価の増加は、IT派遣のインドFFI社の売上回復に伴う人件費の増加によるもの。販管人件費の減少は、エン・ジャパンの増加を子会社の報酬体系適正化に伴う減少が上回る効果。広告宣伝費の増加は、オンライン/オフラインともに市況回復に合わせ積極投下する影響。その他の販管費の増加は、新収益認識基準適用に伴う代理店販売手数料の計上等が影響する。
(2)株主還元方針
同社は、2020年3月期より、財務の健全性を担保した上で、株主価値向上に資する投資及び株主還元を行うとした株主還元方針を定めている。
具体的な施策は、以下の通りである。
◆配当性向50%
◆総額200億円をM&A・出資を中心とした成長投資に使用
◆M&A及び出資を優先とし、投資状況(可能性)を勘案した上で、必要に応じて自社株買いを実施
22/3期は、前期と比べ1株当たり35.4円増配の72.5円を計画しているものの、今後業績が上振れとなれば配当予想が見直される可能性が高い。
(3)今後の方針
国内採用市場の見通し
同社は、短期的には国内採用市場が下期から来期にかけてコロナ前の2019年の水準に戻ると想定している。また、雇用形態、業種や年収帯により差はあるものの、構造的な人手不足が需要を下支えし、求職者の転職志向もコロナ禍を経て高まり、流動化が一段と進むとの見通しを持っている。また、人材ニーズは高度な専門職・企画職・管理職のハイクラス領域と採用ボリュームの多いオペレーション業務・フロント業務領域に二極化され、中間領域が減少するため、今後はハイクラス領域とオペレーション業務・フロント業務領域のそれぞれに特化したサービスの提供が必要と考えている。更に、日本は例外的に紙媒体を中心とする旧来型のサービスが残っていたものの、今後の採用手法はインターネットを活用したテックシフトが加速すると見込んでいる。
中期方針と来期の考え方
今後予想される国内採用市場における採用手法のパラダイムシフトに対し、同社は自らが先行者となり、変化を起こしていく必要があると考えている。具体的には、高度な専門職・管理職・企画職のハイクラス領域では「AMBI」への投資を強化し、採用ボリュームの大きいオペレーション・フロント業務の領域では「engage」への投資を強化する。長期目線に立ち、まず売上成長を優先し、その後大きな利益の獲得を目指す。
また、来期の営業利益については、コロナ前の営業利益である約110億にコロナ前のengageの赤字解消による効果約20億を加えた水準が基準となるものの、中期での高成長に向けた積極的な投資を行う予定であり、短期での利益は追わない考えである。なお、中期の業績イメージについては、来年5月に発表予定の中期経営計画にて詳細が示される見込みである。
5.今後の注目点
同社の顧客企業の採用需要は、IT・WEB 業界やメーカーから回復が先行し、これら業界においては既にコロナ前を超える水準となっている。また、コロナの影響が大きかったサービス業においても人材関連企業の採用需要が回復している他、飲食業やレジャー・アミューズメント関連企業などについても前四半期比で大幅な改善となった。更に、流通小売も物流関連が採用需要の回復をけん引している他、小売店舗全般でも改善の動きが見られる。同社を取り巻く事業環境が好転しており、今後の業績回復が期待される。同社は第4四半期に繁忙期を迎えるが、続く第4四半期に広告宣伝費の追加投資を予定している。広告宣伝費の追加投資は、戦略的に強化をしている若手ハイクラス向けサービス「AMBI」と HR-tech の「engage」が中心となる。「AMBI」と 「engage」では、顧客企業のアクティビティが高まったことにより求人数が順調に増加している。こうした環境下、求職者獲得のためのプロモーションを強化し、求人への応募数の拡大を図ることが追加投資の狙いである。「AMBI」と 「engage」への追加投資が寄与し、どこまで過去最高の売上高と利益に近くことができるのか注目される。
また、同社は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により2020年5月に中期経営計画を取り下げたが、今年5月の通期決算発表時に新たな中期経営計画の公表を予定している。どの様な推移目標が示されるのか今から楽しみである。詳細は5月に発表予定の中期経営計画を待つ必要があるが、今後採用ニーズの拡大が期待されるハイクラス領域とオペレーション業務・フロント業務領域に特化したサービスの提供がその柱となりそうである。続く第4四半期より次期中期経営計画のヒントとなる施策が徐々に本格化することが予想される。今後のニュースフローにも注目したい。
加えて、中長期的な視点ではあるものの世界規模でのESG関連投資の拡大の流れにも注目しておきたい。同社は従来からESGへの取組みに積極的であり今後こうしたファンドからの資金流入があるのか確認したい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
<組織形態および取締役・監査役の構成>
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 8名、うち社外3名 |
監査役 | 3名、うち社外3名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日: 2022年1月28日
<基本的な考え方>
当社は、その事業を通じて、株主やクライアント等様々なステークホルダーをはじめ、広く社会に役立つ存在でありたいと考えております。そのために、当社グループ全体として経営環境の変化に対応できる組織体制を構築することを重要な施策と位置付けており、当社グループの健全な成長のため、コーポレート・ガバナンスの強化と充実を図り、公正な経営システム作りに取り組んでおります。また、役職員の倫理観・誠実さを高めることは、様々なステークホルダーの真の信頼を得るうえで、基本的な前提となると考えております。今後もコンプライアンスに関する教育の徹底等内部管理体制の更なる整備を進め、これを適正に機能させることによって、健全な経営を確保してまいります。
<【コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
【補充原則5-2 ①】
事業ポートフォリオの見直しについては、取締役会で議論の上、必要に応じて、開示する予定です。
なお、事業ポートフォリオに関する基本的な方針は、今後検討を進めてまいります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく主な開示>
【原則1-4】
上場株式を保有しないことを原則としますが、業務提携その他経営上の合理的な目的に基づき上場株式を保有する場合には、その目的に応じた保有であることを定期的に確認し、中長期的な視点で保有目的にそぐわないと判断した企業の株式については、株価や市場動向等を考慮して売却いたします。政策保有株式に係る議決権行使については個別に中長期的な視点での企業価値向上、株主還元向上につながるかどうか等の視点に立って判断しますが、対象会社の企業価値を毀損するおそれがある議案については特に留意して判断します。
【原則1-7】
当社は、関連当事者取引の範囲の把握及び取引を適切に管理するためのフローを明確にするため、「関連当事者取引管理ガイドライン」を制定しております。関連当事者の範囲については、総務部が作成及び年一回更新する「調査票」により把握しており、関連当事者取引が発生する場合には、その重要性によって事前に取締役会による決議もしくは「稟議・申請規程」に基づく決裁を必要としております。実施した関連当事者取引については、管理本部長がその重要性を「関連当事者開示にする会計基準適用指針」に基づき判断したうえで、その概要を有価証券報告書等において開示しております。
【補充原則2-4 ①】
当社グループでは、画一的な視点や従来からの固定観念にとらわれないイノベーティブな事業創造のために、「多様な人材の活躍」が必要不可欠であると考えています。従来より注力している女性活躍推進に加え、グローバル人材紹介を手掛けるエンワールド・ジャパン株式会社を中心とした海外人材の採用、既存社員のキャリアパス多様化、LGBTフレンドリーな制度整備、障がい者雇用の促進など様々な施策を通じ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。なお、当社では女性役員2名、女性管理職者比率が22%、中途採用者の管理職者比率46%(いずれも2021年10月1日現在)でありますが、「チャレンジ管理職制度」等の施策を通じ、それぞれの管理職者比率を現状より増加させるよう、取り組んでおります。また、当社グループでは外国人役員8名(2021年10月1日現在)の他、複数の外国人管理職者が在職しておりますが、在職者数を現状の維持又はより増加するように取り組んでまいります。
【原則2-6】
当社は、企業年金の制度がございません。従いまして、本件に関しまして当社の財政状況に対するリスクが生じることはありません。 将来、導入を検討する場合がございましたら運用に対する十分なスキルを有した人材の配置を検討いたします。
【原則3-1】
(ⅰ)当社は、「『人間成長』の実現」として、「『より多くの人が、働くことを自らの成長のステージと捉え、心技一体のプロとして、心物両面で豊かになる』世界をつくる」を基本理念としております。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方を当社ホームページに記載しております。
(ⅲ)当社の役員の報酬等の額は、株主総会で決議された報酬枠の範囲内で支給し、毎月の定期同額給与(基本報酬)によって構成されております。
取締役の報酬に関しては、社外役員を主要な構成員とする任意の指名報酬委員会が、確認・検証を行っており、その答申結果を踏まえ、取締役会により決定しております。
各監査役の報酬に関しては監査役会の協議により決定しております。また、取締役に関しては、基本報酬の他に業績連動報酬(現金賞与)も定めております。
これは、株主の皆様と業績向上によるメリット及び業績下落によるリスクを経営陣が共有する仕組みであり、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高め、持続的な企業価値の上昇を図るインセンティブを有する報酬として位置付けております。なお、中長期的なインセンティブ報酬としての新たな業績連動型株式報酬に関しては、経営状況を総合的に勘案したうえで、2022年を目途に導入する予定となります。
(ⅳ)社内取締役の選任については、当社の経営理念を共創し,その実現に向け,日々注力できていることを前提として,担当分野において高度な専門性を有するのみならず、経営環境の変化に対して迅速、柔軟且つ的確に対応できる効率性の高い経営システムを推進していくにふさわしい人材を指名しております。
社外取締役の選任については、当社の経営理念に共感し,経営陣や特定の利害関係者の利益に偏ることなく、客観的な立場から独立性をもって経営を監視することが可能で、且つ幅広い見識をもった人材を指名しております。
社外監査役の選任については、経営陣や特定の利害関係者の利益に偏ることなく、会社が社会において果たすべき役割及び責任を認識し、且つ幅広い見識をもった人材を指名しております。
社外を含めた取締役の解任については、職務の執行について善管注意義務・忠実義務を適切に果たしていないと認められる場合や当社の持続的な利益成長と企業価値向上に貢献していないと認められる場合等取締役としての資質に疑義が存在する場合は解任を検討することとし、不正または重大な法令違反等があった場合は、解任することとしております。
取締役候補の指名に際しては、社外役員を主要な構成員とする任意の指名報酬委員会の意見を踏まえた上で取締役会で検討し、決定しております。また、監査役候補の指名に際しては、社外取締役の意見を踏まえ、且つ監査役会の同意を得た上で代表取締役が提案した内容について検討し、決定しております。
(ⅴ)社内取締役の選任理由は以下の通りです。なお、社外役員の選任理由については有価証券報告書にて開示しております。
・代表取締役会長執行役員 越智 通勝
1983年に㈱日本ブレーンセンターを設立後、2000年に当社を立上げ、創業者として経営を牽引しております。
・代表取締役社長執行役員 鈴木 孝二
㈱日本ブレーンセンターに新卒入社した後、2000年の当社立上げに伴い、5年間の勤務実績と、営業力、マネジメント能力を高く評価していたことから取締役に選任され、2008年より代表取締役として経営を担っております。
・常務取締役執行役員 河合 恩
㈱日本ブレーンセンターに中途入社した後、2000年の当社立上げに伴い、10年間の勤務実績と、新規サービスの開発能力を高く評価されて取締役に選任されて以後、長年にわたり経営に携わっております。
・取締役執行役員 寺田 輝之
2002年に当社に新卒入社した後、中途採用支援の法人営業を経て、WEBサイトの企画・開発、マーケティングを手掛ける現部署の本部長に就任しております。その後も「エン転職」「エンバイト」「engage」など当社を代表する多数のWEBサービスの新規立ち上げ・リニューアルを牽引しております。
・取締役執行役員 岩﨑 拓央
2003年に当社に新卒入社した後、中途求人メディア事業部の営業マネジャー等を歴任した後、2014年に企画部長に就任し「エン転職」大型リニューアルを牽引、同リニューアルを成功させました。2016年4月、中途求人メディア事業部長に就任した後は長年にわたり、同事業全体を統括しています。
【補充原則3-1 ③】
当社グループのサステナビリティについての取組みや人的資本、知的財産への投資等については、2021年3月に統合報告書で開示しております。
なお、TCFD提言での気候関連リスクについて、移行リスク(低炭素社会への移行に関するリスク)については、当社に与える影響は軽微であると考えているため、特段の開示はしておりませんが、物理的リスク(気候変動による物理的変化に関するリスク)については、当社が認識するリスク内容について、有価証券報告書の「事業等のリスク(重要なリスク)(2)大規模自然災害、ネットワーク障害等について」に記載しております。
なお、当社では、気候変動緩和策・適応策として環境基本方針を定めており、環境負担軽減への取り組みとともに当社ホームページに記載しております。
【原則4-8】
当社は、独立社外取締役を2名選任しております。なお、社外取締役井垣 太介は、東京証券取引所の有価証券上場規定第436条の2に規定する独立役員の要件をすべて満たしており、候補者と一般株主との間に利益相反を生じるおそれがないと判断しておりますが、候補者の所属する法律事務所の方針に従い、独立役員として指定、届け出は行っておりません。
【原則4-9】
当社は、独自の「社外役員の独立性判断基準」を定め、第21期有価証券報告書において開示しております。独立社外取締役候補者の選定にあたっては、会社法や東京証券取引所が定める基準に加え、当社独自の基準を満たす候補者を選定しております。
【補充原則4-11 ①】
当社における取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス及び多様性等に関する考え方は、取締役候補の指名に関する考え方とほぼ一致しており、3-1(iv)に記載のとおりです。これらについては、コーポレートガバナンスに関する報告書において開示しております。
なお、当社は取締役の員数を10名以内と定款で定めておりますが、効率性の高い経営システムを推進していくための適正な規模を考慮して、現在は8名の取締役(社内取締役5名、社外取締役3名)を選任しており、各役員の知識・経験・能力等を一覧化したスキル・マトリックスについては第21期招集通知において開示しております。
なお、独立社外取締役村上佳代及び坂倉亘は、他社での経営経験を有しております。
【原則5-1】
当社では、代表取締役を中心としたIR体制を整備しており、経営企画室をIR担当部署としております。株主や投資家に対しては、決算説明会を半期に1回開催するとともに、逐次、スモールミーティングや国内外において個別ミーティングを実施しております。
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