ブリッジレポート
(8275) 株式会社フォーバル

スタンダード

ブリッジレポート:(8275)フォーバル 2022年3月期第2四半期決算

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中島 將典 社長

株式会社 フォーバル(8275)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

卸売業(商業)

代表取締役社長

中島 將典

所在地

東京都渋谷区神宮前 5-52-2 青山オーバルビル 14F

決算月

3月

HP

https://www.forval.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,064円

25,635,096株

27,275百万円

11.7%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

26.00円

2.4%

74.29円

14.3倍

484.87円

2.2倍

*株価は12/6終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは21/3期実績。
*DPS、EPSは22/3期予想。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

51,351

2,854

2,960

1,743

68.67

21.00

2019年3月(実)

57,520

3,221

3,308

2,064

82.30

25.00

2020年3月(実)

49,731

3,229

3,324

1,067

42.48

26.00

2021年3月(実)

49,788

2,616

2,483

1,357

53.34

26.00

2022年3月(予)

50,000

3,000

3,000

1,900

74.29

26.00

*予想は会社予想。
*単位は百万円。

 

 

 

フォーバルの2022年3月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.成長戦略
3.2022年3月期第2四半期決算
4.2022年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 22/3期第2四半期は、前年同期比0.1%の減収、同11.8%の経常増益。売上面は、ビジネスフォン等の機器販売が減少した一方で、「アイコンサービス」が順調に増加した他、前第2四半期から連結に加わった㈱えすみの寄与によりフォーバルビジネスグループなどで増加したものの、太陽光発電システム等が減少した総合環境コンサルティングビジネスグループなどで減少した。利益面は、売上総利益が前年同期に比べ2.2%増加する一方で、販管費は人員増や7月に子会社化した㈱エルコムの取得関連費用が先行したことなどにより同3.3%増加したことが影響した。

     

  • 上期が終了し22/3期の会社計画は、前期比0.4%の増収、同20.8%の経常増益の予想から修正なし。アイコンサービスなどのスットック型ビジネスへのシフトが一段と加速することにより収益性が高まるものの、ハードウェアの販売からより新しい時代に適したサービス等の提供に注力している時期であるため、売上高の伸びは限定的となる見込み。

     

  • 同社はアイコンサービスの更なる強化を目的に新たなサービスを開始した。1つは、中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」であり、もう1つは、新たなアイコンサービスの「GXアイコンスタート」である。加えて、近年投入したクラウド型勤怠管理システム「IEYASU Powered by FORVAL」、業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高める「PPLS(ププルス)」、電子契約サービス「シムワーク」なども期待が大きい。これら新サービスの投入が、アイコンサービス売上高拡大にどの様な相乗効果をもたらすのか注目される。

     

     

1.会社概要

中小・中堅企業を対象に「情報通信」・「海外」・「環境」・「人材・教育」・「起業・事業承継」の5分野に特化した次世代経営コンサルティングカンパニーを目指している。また、ITを活用し経営を高度化・効率化する手段として、オフィス向けの光ファイバー対応IP電話サービスやFMCサービス(固定通信と移動体通信を融合したサービス)、ならびにそれらとネットワークセキュリティを融合したIP統合ソリューションなどの通信・インターネット関連サービスを提供するほか、OA・ネットワーク機器の販売・工事、Web構築、太陽光システムやオール電化製品の販売・工事などのサービスを提供している。社名のFORVAL(フォーバル)は、「For Social Value」を語源とし、「社会価値創出企業を目指す」という経営理念が込められている。

 

事業は、(株)フォーバルを中心に、中小法人向けOA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次、コンサルティングサービス等を手掛けるフォーバルビジネスグループ、(株)フォーバルテレコムを中心に、VoIP・モバイル等の通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷、及び保険サービス等を手掛けるフォーバルテレコムビジネスグループ、14/3期に新たに子会社化した(株)アップルツリーがオール電化・エコ住宅設備の卸・工事請負業を営む総合環境コンサルティングビジネスグループの3セグメントに分かれる。 加えて、報告セグメントに含まれないその他の事業セグメントにはIT教育サービス、IT分野のエンジニア及び管理者の育成や、東南アジアにおける現地幹部候補・留学生の人材紹介を手掛ける(株)アイテックなどが含まれている。

 

近年のハード販売における付加価値の低下を踏まえ、現在、差別化が可能で付加価値も高いコンサルティングサービスへのシフトを進めており、08年4月にサービスを開始したITコンサルティングサービス「アイコン」がその中核となっている。また、コンサルティングサービスの一環として、中小企業の情報化の支援やASEAN展開の支援にも取り組んでおり、前者ではIP統合ソリューションを展開。後者では、10年5月にFORVAL(CAMBODIA)CO.LTD.(カンボジア・プノンペン)を設立し、以後、11年7月のPT FORVAL INDONESIA(インドネシア・ジャカルタ)及び同年8月のFORVAL VIETNAM CO.LTD.(ベトナム・ホーチミン)の設立、更には12年3月のミャンマー駐在員事務所(ミャンマー・ヤンゴン)を開設後、翌13年2月に現地法人化(FORVAL MYANMAR CO.LTD.を設立)するなど、ASEANにおいてネットワークの拡充を進めている。
また、平成26年1月24日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から市場第二部へ市場変更となった後、平成26年10月2日に市場第一部に指定された。

 

フォーバルグループの業績推移

 

IT領域における教育と資格の奨励を通じて従業員のスキルを高め、ハードの卸売りからアイコンサービスによるコンサル業態へ事業転換させた効果が確認できる。

 

 

2.成長戦略

同社は、グループの中期ビジョンとして、日本を支えている中小企業の永続的な発展と次世代への承継を支援する『次世代経営コンサルティング』の確立を掲げている。既存の事業領域である情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルと強みである独自の海外進出ノウハウを活用した経営コンサルに加え、2013年にM&Aを行った株式会社アップルツリーの活用により、重要度が高まっている環境問題にいかに配慮し、事業を展開、環境に貢献していくかの経営コンサルが可能となる。加えて、情報通信分野、海外分野、環境分野において顧客企業の社員教育がワンストップで実施できる体制が整備された。また、同様に2013年にM&Aを行った株式会社アイテックがグループに加わったことで、顧客企業の人材・教育分野でのサービスのラインナップも強化された。更に、今後起業・事業承継分野の強化を図り、これら5分野において、売上拡大と業務効率改善とリスク回避のためのコンサルティングを実施し、中小・中堅企業の利益に貢献する。

 

フォーバルグループの次世代経営コンサルティングの特色

 

(同社2022/3期第2四半期決算参考資料より)

 

(1) 情報通信分野の拡大-アイコンサービスの拡大

OEMによるアイコンサービス導入件数の推移
同社では、アイコン事業の更なる拡大・強化のためアイコンのOEMによるネットワーク作りに注力している。同社の差別化された新しいビジネスモデルのノウハウの提供を通じて、パートナー数とアイコンユーザー数の拡大を目指す。22/3期上期のアイコンサービス導入件数は、40,003件と前年同期比12.9%増加した。中でも、22/3期上期のOEMによるアイコン導入件数は、23,532件となり同32.0%の大幅な増加とアイコンサービス導入件数全体の伸びの原動力となっている。同社自らのアイコン件数が伸び悩んでいるのは、より付加価値の高いコンサルティングが必要とされるサービスを優先して受注しているため。

 

アイコンサービスの売上高推移
22/3期上期のアイコンサービスの売上高は、前年同期比23.1%の増加と堅調に推移した。「アイコンサービス」開始以降、利用する顧客数の増加やクオリティ特化や追加的なコンサルティングの増加による1顧客当たりの平均単価の上昇が牽引し、アイコン関連の売上高が順調に拡大している。今後も新サービスのリリースやOEMの積極的な展開などにより高収益事業であるアイコンサービスの売上拡大を目指す方針。

 

よろず経営相談件数の推移
よろず経営相談は、定期的に顧客のもとへ訪問するコンサルタントが、企業経営にまつわる「困った」を解消するサポートを行う。売上拡大や販路拡大、新規開拓、ビジネスマッチング、人材募集、資金繰り、事業承継など、幅広い分野を支援。同社だけではなくグループ全体やパートナー企業の協力も活用しながら解決方法のアドバイスを行う事業。
22/3期上期のよろず経営相談件数は6,976件(前年同期は7,710件)となり、前年同期比9.5%減少した。相談件数は訪問が微増となったものの、電話は大幅に減少した。同社は17/3期より相談件数の増加から、相談の質の追求へ戦略を変更しており、今後はより利益に直結する相談が増加するものと期待される。

 

 

よろず経営相談の相談内容と顧客満足度(22/3期上期)

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より)

 

同社が顧客に対して実施したヒアリング調査(22/3期上期)によると、93.6%の顧客がよろず経営相談に対して参考になったと答えている。今後も質の高いよろず経営相談の増加が期待される。また、相談内容は売上高の拡大と情報通信に関するものが更に拡大した。今後、同社のコンサルティング能力の高さが、各種のビジネスチャンスを生むものと期待される。

 

(2)海外分野の拡大-海外進出支援事業の拡大

同社の大久保会長は、十分な教育の機会が無いカンボジアにおいて、自らが設立し理事長を務める公益財団法人CIESF(シーセフ)を通して、教育インフラの構築から人材教育に至る広範な支援活動に取り組んできた。
ASEAN進出支援事業は、このCIESFの活動を通じて培った経験や人脈が活きている。「同社グループ及び顧客である中堅・中小企業の事業の成長を考える上で、アジア地域の成長を取り込む事が重要」と言う考えの下、既に、カンボジア(10年5月)、インドネシア(11年7月)、及びベトナム(11年8月)に現地法人を設立しており、12年3月にはミャンマーに駐在員事務所を開設した。
更に、現地での支援体制の更なる充実・強化を図るために13年2月に現地法人の認可を取得し準備を進めてきたミャンマーでは、14年4月より事業活動が本格化した。21年9月末現在で、海外7拠点(現地法人及び海外関連会社)の現地従業員数は168名となっている。

(同社2022/3第2四半期 決算参考資料より)

 

同社のASEAN進出支援事業である「グローバルアイコンサービス」は、海外進出前と進出後の様々な問題や障害を、ワンストップでサポートするビジネスモデルである。現在はカンボジアとベトナム、インドネシア、ミャンマーの4ヶ国で展開。情報提供から始まり、FS支援、現地法人の設立代行、人材採用・人材教育支援、バックオフィス整備支援、ネットワーク環境支援、現地パートナー開拓支援等をトータルサポートすることで、同社が最も得意とする情報通信技術を活用した日本と変わらない快適なオフィス空間を提供するビジネスヘつなげていく。日本と現地の両国で、トータルサポートを実施。
また、同社は、国内の行政機関、地域金融機関や海外の中央政府・行政機関、各国工業団地などとのアライアンスを積極的に拡大することで、「グローバルアイコンサービス」の潜在顧客を発掘・育成している。

 

グローバルアイコンサービスのメニュー

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より)

 

グローバルアイコンは、進出前の総合準備支援、事業計画の策定とカウンターパートとの交渉、総合調査支援や、生産委託先開拓、販売パートナー開拓、JICA等公的機関による海外展開支援の公募参加を目的とした事業可能性調査など6つのメニューでサポートが可能。

 

新たなグローバルアイコンサービスのリリース
同社は、日本産食品海外販路開拓支援のためのツールであるFordex-iconをリリースした。当該支援サービスは、海外への日本産食品の輸出を目指す食品関連事業者向けに、日本食輸出支援プラットフォーム「umamill(ウマミル)」を活用して、全国の食品関連事業者がサンプル品を海外の食品バイヤーに届けた後に、現地での商品プロモーションやサンプル品のフィードバック、商品評価に基づく改善策の提案、ならびに実際の取引に繋がる商談設定等のサポートを行うものである。現在、シンガポール、香港、カンボジアで展開しており、順次展開国を拡げていく方針である。

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より)

 

自治体からの受注実績

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より)
自治体・官公庁との連携により、今期も複数の自治体より東南アジアへの進出支援の受注を獲得している。

 

特徴的な海外進出支援事業の例 - ベトナムのレンタル工場
同社は現在、従来の海外進出支援コンサルから一歩踏み込んだ支援事業の一環としてベトナムのレンタル工場の運営に携わっている。これは、ベトナム南部のニョンチャックⅢ工業団地内に日系中小企業専用のレンタル工場を建設するものである。18haの敷地内に100社程度が入居できるスペースが作られ、日系中小企業の一大集積地となることが期待されている。また、開発にあたっては多額の資金を必要とすることから独立行政法人国際協力機構(JICA)の海外投融資制度を活用し、今後日系進出企業にとっていかなる支援とサービスが必要であるかの継続的なモニタリング調査が実施されることとなる。将来的に他の国や地域に進出する際の強力なノウハウを手に入れることができるのかといった期待が膨らむ。
また、アライアンス先である国内45金融機関より紹介された顧客の進出も増加する予定。賃貸可能面積に対する入居面積は77.9%と、利用者が順調に拡大している。

 

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より)

 

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より

 

日系企業の社員研修の受託

 

同社は、2021年9月末までにカンボジア、ベトナム、インドネシア、ミャンマーの4ヶ国において延べ2,142社(2020年9月末比10.6%増)、延べ18,031名(同7.5%増)の日系企業の社員研修を受託した実績を誇る。また、同社は海外高度人材を国内企業へ紹介しているが、22/3期第2四半期は内定者数が6名と前年同期比の10名から減少した。これは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて求人数が大幅に減少したものである。

 

 

セキュリティサービスの状況

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より)

 

同社は、カンボジア内務省国家警察本部と10年間のMOU(基本合意書)を締結し、カンボジアでセキュリティサービスを提供している。課金ベースのセキュリティサービスの契約者数は、新型コロナウイルス感染症による2度のロックダウンで横ばいとなっている。

 

 

海外事業の売上高推移
持分法対象として連結売上高に含まれないベースの数値ではあるが、海外拠点の拡充により、海外事業の売上高は拡大傾向にある。しかし、前年上期の海外事業の売上高は、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響で国境を越えた人の移動が制限される影響を受け減少した。今上期は、前年同期比18.5%増と回復傾向を強めている。

*海外関連の売上で連結売上高には取り込んでいない数値も含む

 

3.2022年3月期第2四半期決算

(1)2022年3月期第2四半期連結業績

 

 

21/3期

第2四半期

構成比

22/3期

第2四半期

構成比

前年同期比

売上高

23,455

100.0%

23,424

100.0%

-0.1%

売上総利益

8,583

36.6%

8,776

37.5%

+2.2%

販管費

7,559

32.2%

7,811

33.3%

+3.3%

営業利益

1,024

4.4%

965

4.1%

-5.7%

経常利益

913

3.9%

1,021

4.4%

+11.8%

親会社株主に帰属する

四半期純利益

460

2.0%

733

3.1%

+59.2%

*単位:百万円

 

前年同期比0.1%の減収、同11.8%の経常増益
売上高は前年同期比0.1%減の234億24百万円。経常利益は同11.8%増の10億21百万円。売上高面では、アイコンサービスの拡大や㈱えすみの連結の寄与が貢献したフォーバルビジネスグループなどで増加したものの、太陽光発電システム等が減少した総合環境コンサルティングビジネスグループなどで減少した結果、売上高が前年同期比で31百万円減少した。
営業利益は前年同期比5.7%減の9億65百万円。利益面は、売上総利益が前年同期に比べ1億93百万円増加(同2.2%増)する中で、販管費が人員増や7月に子会社化した㈱エルコムの取得関連費用が先行した影響等により同2億51百万円増加(同3.3%増)した結果、営業利益が同58百万円減少した。売上総利益率が37.5%と同0.9ポイント上昇した一方、売上高対販管費率が33.3%と同1.1ポイント上昇し、営業利益率は4.1%と同0.3ポイント低下した。その他、前年同期に営業外費用で貸倒引当金繰入額を1億52百万円計上したものの、今上期は貸倒引当金繰入額の計上が49百万円にとどまったことなどが寄与し経常利益は同11.8%の増益となった。また、フォーバルテレコムにおいて株式会社トライ・エックス広島事業部を譲渡したことによる事業譲渡益3億54百万円を特別利益に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は同59.2%の大幅な増加となった。
なお、収益認識会計基準等の適用により、顧客に支払われる対価について売上高から減額する方法に変更したこと及び代理人として関与した取引について売上高を純額とした影響等により売上高は6億33百万円減少し、営業利益及び経常利益はそれぞれ25百万円減少している。

 

*額は切捨て、率・ポイントは四捨五入

 

セグメント別売上・利益

 

21/3期

第2四半期

構成比

22/3期

第2四半期

構成比

前年同期比

フォーバルビジネスグループ

10,112

43.1%

10,747

45.9%

+6.3%

フォーバルテレコムビジネスグループ

10,428

44.5%

10,175

43.4%

-2.4%

総合環境コンサルティングビジネスグループ

2,177

9.3%

1,578

6.7%

-27.5%

その他事業グループ

736

3.1%

922

3.9%

+25.2%

連結売上高

23,455

100.0%

23,424

100.0%

-0.1%

フォーバルビジネスグループ

475

47.1%

394

38.6%

-17.1%

フォーバルテレコムビジネスグループ

514

50.9%

506

49.6%

-1.4%

総合環境コンサルティングビジネスグループ

-16

-

-13

-

-

その他事業グループ

36

3.6%

134

13.2%

+272.2%

連結調整等

14

-

-56

-

-

連結営業利益

1,024

-

965

-

-5.7%

*単位:百万円
*売上高は外部顧客への売上高。

 

フォーバルビジネスグループ(単位:百万円)

フォーバルビジネスグループの上期(4-9月)は、ビジネスフォン等の機器販売が減少した一方で、「アイコンサービス」が順調に増加した他、前第2四半期から連結に加わった㈱えすみの影響で、売上高が前年同期比6.3%増加した。一方、人員増や㈱エルコムの取得関連費用が先行した影響等でセグメント利益は同17.1%減少した。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は2億16百万円減少している。
また、第2四半期(7-9月)は、前年同期比0.8%の減収、同24.4%のセグメント減益となった。

 

フォーバルテレコムビジネスグループ(単位:百万円)

フォーバルテレコムビジネスグループの上期(4-9月)は、新電力サービスが増加した一方で、ISPサービス等が減少した結果、売上高が前年同期比2.4%減少し、セグメント利益も同1.4%減少した。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は4億18百万円減少している。また、第2四半期(7-9月)は、前年同期比2.1%の減収、同4.8%のセグメント減益となった。

 

総合環境コンサルティングビジネスグループ(単位:百万円)

総合環境コンサルティングビジネスグループの上期(4-9月)は、太陽光発電システム等が減少した結果、売上高が前年同期比27.5%減少し、セグメント損失は13百万円(同セグメント損失16百万円)となった。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はなかった。また、第2四半期(7-9月)は、前年同期比23.1%の減収となったものの、セグメント損失は縮小した。

 

その他事業グループ(単位:百万円)

その他事業グループの上期(4-9月)は、子会社化したカエルネットワークス㈱の寄与や㈱アイテックのITエンジニアの派遣事業が堅調に推移した結果、売上高が前年同期比25.2%増加し、セグメント利益は同272.2%増加した。なお、収益認識会計基準等の適用による影響は軽微であった。
また、第2四半期(7-9月)は、前年同期比10.0%の増収、同2,505.3%のセグメント増益となった。

 

第2四半期(7-9月)の業績推移

 

売上高

20/3期

21/3期

前期比

22/3期

前期比

第1四半期

11,789

10,995

-6.7%

11,321

+3.0%

第2四半期

13,013

12,460

-4.3%

12,102

-2.9%

第3四半期

12,104

12,569

+3.8%

 

 

第4四半期

12,824

13,764

+7.3%

 

 

売上高合計

49,731

49,788

+0.1%

 

 

営業利益

20/3期

21/3期

前期比

22/3期

前期比

第1四半期

492

282

-42.6%

322

+14.2%

第2四半期

1,047

741

-29.2%

642

-13.3%

第3四半期

693

708

+2.2%

 

 

第4四半期

995

883

-11.2%

 

 

営業利益合計

3,229

2,616

-19.0%

 

 

*単位:百万円

 

22/3期第2四半期(7-9月)は、前四半期(4-6月)比で増収増益となったものの、前年同期比で減収減益となった。

 

(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

21年3月

21年9月

 

21年3月

21年9月

現預金

10,963

8,653

仕入債務

5,478

4,793

売上債権

6,852

6,409

短期有利子負債

3,912

3,474

たな卸資産

925

1,274

未払金

2,788

2,553

流動資産

22,335

20,089

長期有利子負債

140

317

有形固定資産

920

1,212

負債

18,369

17,392

無形固定資産

1,846

2,493

純資産

13,040

13,248

投資その他

6,307

6,845

負債・純資産合計

31,410

30,640

固定資産

9,074

10,551

有利子負債合計

4,053

3,791

*単位:百万円

*売上債権=受取手形、売掛金及び契約資産

 

2021年9月末の総資産は、前期末比7億69百万円減の306億40百万円となった。資産は、有形固定資産、のれん、投資有価証券等が主な増加要因となり、現預金が主な減少要因となった。負債純資産は、長期借入金、利益剰余金等が主な増加要因となり、仕入債務、短期借入金等が主な減少要因となった。自己資本比率は40.9%と前期末比1.4ポイント上昇した。また、有利子負債は37億91百万円と前期末比2億61百万円減少した。

 

キャッシュ・フロー

 

 

 

 

21/3期 第2四半期

22/3期 第2四半期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-62

17

80

-

投資キャッシュ・フロー(B)

-556

-998

-442

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-619

-980

-361

-

財務キャッシュ・フロー

-179

-1,391

-1,212

-

現金及び現金同等物四半期末残高

8,939

8,577

-362

-4.1%

*単位:百万円

 

前年同期との比較において、税金等調整前四半期純利益の増加や売上債権の減少などにより営業CFがプラスへ転じた。一方、投資有価証券の取得による支出や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加などにより投資CFのマイナスが拡大し、フリーCFのマイナスも拡大した。その他、短期借入金の減少などにより、財務CFのマイナスが拡大し、2021年9月末のキャッシュポジションは減少した。

 

(3)第三者認証等の取得

同社は、下記の通り積極的に第三者認証等の所得を推進している。
DX推進の準備が整っている事業者を経済産業省が認定する「DX認定制度 認定事業者」
◆優良な健康経営を戦略的に実践する企業として日本健康会議が認定する「健康経営優良法人2021(大規模法人部門
(ホワイト500))」◆健康企業宣言東京推進協議会が認定する「健康優良企業(金)」
◆中小企業に対して専門性の高い支援を行っている企業として国が認定する「経営革新等支援機関」◆DXを積極的に推進する企業を一般社団法人中小企業個人情報セキュリティー推進協会が認証する「DXマーク認証制度」
の認証取得。

 

(4)最近の資本業務提携

株式会社エルコム
同社は、公共施設向けの施設管理システムの構築・保守受託、自動発券機・ICカード対応機器・入退室ゲートシステム等の開発・製造・販売・保守などを行っている株式会社エルコム(以下「エルコム」)の全株式を7月1日付で取得し完全子会社化した。エルコムは、各都道府県の公共施設向けの施設管理システムの構築と保守受託業務、自動発券機・ICカード対応機器・入退室ゲートシステム等の開発・製造・販売・保守業務、システム機器の受託製造開発業務を行っている。また、広域利用のICカードを発行できる「第三者型発行者登録」の許認可を取得するなど、ICカードに早くから取り組んでおり、ICカード対応券売機ではシェアNo.1の企業である。今回の完全子会社化により、お互いの顧客網への販売による売上拡大やグループ間のエンジニアの補完による収益機会の最大化などのグループシナジーが期待される。

 

株式会社 LillyHoldings
同社は、MEO対策や動画制作、ウェブサイト制作、バーチャルレストランのFC展開等のデジタルマーケティング支援事業を全国にサービス展開する株式会社LillyHoldings(以下「LillyHoldings」)と、バーチャルレストラン事業であるLilly Cloud Restaurant事業において、販売に関する業務提携を行った。Lilly Cloud Restaurant事業は、LillyHoldingsがデジタルマーケティングの視点から徹底的にトレンド分析を行い「デリバリーサービス上で売れるブランド(業態)」を立ち上げ、全国の飲食店向けにFC展開を行うバーチャルレストラン事業である。実店舗の調理設備や人員をシェアしながら、同時にフードデリバリー上にて新しいブランドの運営を行うことで、既存のコスト構造を変えずに、新たな売上を創り上げることができる新市場サービスである。今回の業務提携により、コロナ禍で来店客が減少している飲食店に対し、売上拡大策の一環として、効果的にデリバリー事業の展開を支援することが可能になり、中小・中堅企業へのコンサルティング力の強化につながると期待される。

 

4.2022年3月期業績予想

(1)通期連結業績

 

21/3期 実績

構成比

22/3期 予想

構成比

前期比

売上高

49,788

100.0%

50,000

100.0%

+0.4%

営業利益

2,616

5.3%

3,000

6.0%

+14.6%

経常利益

2,483

5.0%

3,000

6.0%

+20.8%

親会社株主に帰属する当期純利益

1,357

2.7%

1,900

3.8%

+39.9%

*単位:百万円

 

前期比0.4%の増収、同20.8%の経常増益予想
同社は、「次世代経営コンサルタント」として企業経営を支援する集団となり、中小・中堅企業の利益に貢献することを目指し、「情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルティングサービス(情報通信)」、「海外マーケットを独自ノウハウで取り込む経営コンサルティングサービス(海外)」、「環境に配慮した最先端の経営コンサルティングサービス(環境)」、「次世代経営に必要な人材を育てる経営コンサルティングサービス(人材・教育)」、「企業のライフサイクルに対応した経営コンサルティングサービス(起業・事業承継)」の5分野において他社との差別化を図り、質の高いサービスを提供するためにM&Aも活用しながら事業の拡大に取り組んでいる。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するとともに、地球環境への配慮がますます求められる時代になることから、温室効果ガスを発生させないグリーンエネルギーに転換することで、産業構造や社会経済を変革し成長につなげるGX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向け、中小・中堅企業のGXに対する意識の向上を図り、ペーパーレス化や省エネ化など環境への貢献度を可視化して、DXを推進しながら効率的にGXを実現する新たなサービスを投入するなど、中小・中堅企業のDX、GXの推進に取り組んでいる。
上期が終了し、22/3期の会社計画は、売上高が前期比0.4%増500億円、経常利益が同20.8%増の30億円の予定から修正なし。売上面では、働き方の変化が新型コロナウイルスの蔓延によりさらに加速しており、在宅ワーク、ペーパーレスの促進など、新しい働き方環境に合わせた提案を積極的に実施する。アイコンサービスなどのストック型ビジネスへのシフトが一段と加速することにより収益性が高まるものの、ハードウェアの販売からより新しい時代に適したサービス等の提供に注力している時期であるため、売上高の伸びは限定的となる見込みである。
営業利益は、前期比14.6%増の30億円の予定。利益面では、収益性の高いアイコンサービスなどのスットック型ビジネスの売上高拡大が寄与する。加えて、フォーバルテレコムにおいて、電力の仕入条件を見直し、変動によるリスクを回避することが収益性の改善に寄与する見込みである。売上高営業利益率は6.0%で、前期比0.7ポイント上昇の計画。
配当も、前期と同額の1株当たり年間26円の予定を据え置き。配当性向は、35.0%となる。

 

(2)今後の成長戦略

アイコンサービスの強化-中小企業の新しい働き方に対応したサービスの投入
2019年4月に施行された「働き方改革関連法」により、企業は有給の確実な取得、労働時間の状況の把握の実効性確保、フレックスタイム制の拡充、勤務間インターバル制度の努力義務、高度プロフェッショナル制度導入、時間外労働の上限、時間外労働の割増賃金率の猶予措置廃止など、働き方改革に対応する必要性が生じており、今後労働時間の厳格化に対応した時間効率の向上が求められることとなった。そのためには、従業員の時間を正確に把握し、その時間の使い方を分析し改善していくことが必要であるが、中小企業においてはその対応が遅れているのが現状である。こうした環境下、同社は中小企業の新しい働き方に対応したサービスを積極的に投入し、顧客企業である中小企業の働き方改革の推進に貢献する方針である。

 

【クラウド型勤怠管理システム「IEYASU Powered by FORVAL」】
同社は、中小企業の働き方改革に対応した新たなアイコンサービスであるクラウド型勤怠管理システム「IEYASU Powered by FORVAL」を2019年6月にリリースした。「IEYASU Powered by FORVAL」を導入し働き方改革に適切に対応することで、従業員の過度な労働が改善されプライベートな時間が増えることで肉体面・精神面での健康増進が期待される。また、限られた勤務時間の中でメリハリをつけて働くことによる生産性の向上のほか、働きやすい環境を整備することで離職率の低下や新たな人材の確保の面でも効果が期待される。

 

「IEYASU Powered by FORVAL」の基本機能

日次勤怠

リアルタイムに従業員の勤務状況を確認

毎日の打刻データと勤務データは別々に管理可能

承認・申請

残業や休日出勤の申請・承認機能を装備

日単位もしくは月単位での申請・承認が可能

CSVデータ出力

日次勤怠データや月次の集計データを従業員別に自由にCSV形式で出力可能

別途提供しているExcelツールを利用することで給与計算ソフトへの連動が可能

各種設定

時間の端数処理ルールの設定や、勤務時間・所定時間・みなし時間などの設定が可能

会社の就業規則に合った運用が可能

ICカード打刻

交通系ICカードや社員証など、ICカードをかざすだけで本人を識別しスムーズに打刻

日報機能

勤務時間の管理から実際の業務内容に落とし込んで業務を効率化、労働生産性を向上

レポート機能

従業員の勤怠状況をグラフや表でわかりやすく可視化

残業アラート

従業員の残業時間をリアルタイムで把握することが可能

「対象勤怠」「対象期間」「アラート基準」「通知方法」の設定で会社に合った運用が可能

どこでも勤怠入力

直行直帰で働く従業員でもスマホ・タブレットさえあれば、いつでもどこでも出退勤が登録可能

位置情報取得

管理者はGPSで取得した従業員の位置情報を管理者画面で閲覧可能

どの場所で出退勤を登録したかの把握が可能

 

「PPLS(ププルス)」
また、2020年10月には業務フローの見直し・マニュアル化で効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」をリリースした。「PPLS(ププルス)」を導入した顧客企業は、業務フローの再構築・ペーパーレス化による無駄の排除、マニュアル作成による標準化が可能となり、生産性の向上とクオリティの均一化が図られる。更に、過去に作成された紙書類がオフィスに大量に保管され、大きなスペースを使っている現状から、紙書類を分類整理し、電子化して保管・共有することを通じて必要な書類をすぐに引き出せ、保管スペースも不要な環境へシフトすることが可能となる。

 

【電子契約サービス「シムワーク」】
同社の子会社である株式会エム・アイは、2020年12月より、従来、紙とハンコで行っていた契約業務をすべて電子化し、紙の契約書管理の手間とコストをなくして業務を効率化する電子契約サービス「シムワーク」の提供を開始した。「シムワーク」は、電子ファイル化した契約書に第三者発行の電子証明書を付与して、本人証明・非改ざん証明を持つ電子契約書を作成し、オンライン上で契約を締結することができる。また、電子契約を活用することで紙の契約書管理の手間とコストがなくなるほか、契約締結までにかかる日数・手順が削減され業務の効率化が図れる。更に、相手側が「シムワーク」を導入していなくても電子署名が可能なうえ、中小企業でも導入しやすい低コストで利用できるなど魅力あるサービスとなっている。
【中小企業経営のための情報分析プラットフォームの構築】
同社は、中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」を、10月10日「デジタルの日」に合わせてオープンした。「きづなPARK」は、中小企業の大切な経営情報を「つなぎ」、企業と企業を「つなぐ」次世代に継承され続けるような、さまざまなコンテンツが集う場所というコンセプトで構築された、中小企業の経営情報を収集・蓄積・分析活用できるプラットフォームである。自社の情報をデータとして格納することにより、企業経営に役立つ多くのアウトプットが得られる。このプラットフォームの活用により、顧客企業は中小企業がデジタル化、DXに取り組む上で有益な情報の提供を得ることができ、更に、データによる自社の経営情報の可視化も可能となる。例えば、多くの中小企業の経営情報が集まることで自社と同規模の企業群の統計情報と比較できるほか、国や公的機関、地方自治体が公開しているオープンデータや、他機関で生成された中小企業経営に関連するデータなど、さまざまなデータをつないで掛け合わせることで、生産性向上や事業成長のための経営判断に活用することが可能となる。

 

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より)

 

【新たなアイコンサービスである「GXアイコンスタート」をリリース】
同社は、日本で初めて中小企業の環境への貢献度を可視化した新たなサービス「GXアイコンスタート」を10月1日にリリースした。GX(グリーントランスフォーメーション)とは、温室効果ガスを発生させないグリーンエネルギーに転換することで、産業構造や社会経済を変革し成長につなげることである。「GXアイコンスタート」は、中小企業のGXへの取り組み意識の向上を図り、ペーパーレス化や省エネ化など環境への貢献度を可視化し、「グリーン社会の実現」に貢献するサービスで、DXを推進することで生産性向上を図りながら効率的にGXを実現するものである。更に、一企業だけでなく多くの中小企業が集まり「グリーン社会の実現」を目指す「グリーン・コンソーシアム」を創り出し、全体のGX推進の取り組みを可視化することで、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献することも目指している。具体的なサービス内容は、GX推進の取り組み、対策についての情報提供とGX推進の進捗状況(環境への貢献度)を可視化する「アイコンカルテGXレポート」の提供である。

 

(同社2022/3期第2四半期 決算参考資料より)

 

アイコンサービス強化による成長のスパイラル

アイコンサービスの売上高と同社の営業利益は相関性が高い。アイコン売上高が1増えると連結営業利益が約1.5増える傾向がある。今後の利益成長の為には、アイコンサービスの売上高拡大が不可避と言えよう。
同社は、今後もアイコンサービスの拡大により増加した利益を人員増強や新サービス開発やM&Aへ積極的に投入する予定である。新たな投資がアイコンサービスの件数増加や1顧客当たりの課金単価の増加に繋がり、アイコンサービスの売上高と同社全体の営業利益の拡大に結び付く成長のスパイラルが期待される。

 

 

5.今後の注目点

同社の第2四半期決算は、売上高が前年同期比で0.1%減少し、営業利益が同5.7%減少するなど、一見するとあまり良くない印象を受ける。しかし、これは、売上高においては総合環境コンサルティングビジネスグループで太陽光発電システム等が減少したものであり、営業利益においては7月に子会社化した㈱エルコムの取得関連費用が先行したものである。総合環境コンサルティングビジネスグループは、上期の売上高が減少したもののセグメント損失は前年同期比で圧縮されている。また、買収費用は一過性のものであり今後の中長期的な成長性に影響を与えるものではない。こうした中、同社の主力事業であるアイコンサービスは好調に推移していることが確認された。今上期のアイコン件数は、前年同期比で12.9%増加した。加えて、アイコン売上高は、クオリティ特化が奏功し1顧客当たりの平均単価が上昇し同23.1%の拡大を示した。高収益事業であるアイコン売上の拡大は同社の収益性の向上にも効果をもたらす。売上総利益率は前年同期比で0.9ポイントの上昇を示した。
順調に拡大しているアイコン売上であるが、同社はアイコンサービスの更なる強化を目的として新たなサービスを開始した。1つは、中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」である。同プラットフォームの活用により、顧客である中小企業はデジタル化、DXに取り組む上で有益な情報を得ることができる他、データによる自社の経営情報の可視化も可能となる。もう1つは、新たなアイコンサービスの「GXアイコンスタート」である。顧客はGX推進の取り組み、対策についての情報とGX推進の進捗状況(環境への貢献度)を可視化する「アイコンカルテGXレポート」を得ることが可能となった。また、近年投入したクラウド型勤怠管理システム「IEYASU Powered by FORVAL」、業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高める「PPLS(ププルス)」、電子契約サービス「シムワーク」などにも引き続き期待が集まる。これら新サービスの投入が、アイコンサービス売上高拡大にどの様な相乗効果をもたらすのか、更に収益性の向上にどの様な効果をももたらすのか、下期のアイコン売上の動向が注目される。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役(監査等委員除く)

8名、うち社外2名

監査等委員

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
コーポレート・ガバナンス・コード適用以降のコーポレート・ガバナンス報告書提出日:2021年6月3日
<基本的な考え方>
当社は、変化の激しい経営環境の中にあって利益ある成長を達成するため、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化が重要であると認識しており、
1. 経営の透明性と健全性の確保、
2. スピードある意思決定と事業遂行の実現、
3. アカウンタビリティ(説明責任)の明確化、
4. 迅速かつ適切で公平な情報開示、
を基本方針として、その実現に努めています。
今後も、社会環境・法制度等の変化に応じて、当社にふさわしい仕組みを随時検討し、コーポレート・ガバナンスの更なる強化に向け、必要な見直しを行なっていく方針。

 

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
実施をしないコード:そのおもな原則と理由

原則

実施しない理由

【原則1-2.株主総会における権利行使】

【補充原則1-2-4】

当社は、英文による情報提供等、海外投資家が議決権を行使しやすい環境整備の有用性を認識しており、英訳等の対応につきましては、適切なコストや時期等を総合的に勘案して検討してまいります。

【原則3-1.情報開示の充実】

(1)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画会社の目指すところ(経営理念等)は、当社ホームページ企業情報の「社是」に記載の通りとなります。「社員・家族・顧客・株主・取引先と共に歩み社会価値創出を通してそれぞれに幸せを分配することを目指す」を基本理念に経営戦略、経営計画を策定しております。しかし当社の事業環境における経営状況の変化は激しく、具体的な数値目標に縛られ柔軟な対応が阻害されないよう、現在経営戦略・経営計画に係る具体的な数値等は公表をしておりません。

【補充原則3-1-2】

当社は、海外投資家に向けた英語での情報開示・提供の有用性を認識しており、今後の株主構成等を勘案し検討してまいります。

【原則4-1.取締役会の役割・責務(1)】

【補充原則4-1-2】

会社の目指すところ(経営理念等)は、当社ホームページ企業情報の「社是」に記載の通りとなります。「社員・家族・顧客・株主・取引先と共に歩み社会価値創出を通してそれぞれに幸せを分配することを目指す」を基本理念に経営戦略、経営計画を策定しております。しかし当社の事業環境における経営状況の変化は激しく、具体的な数値目標に縛られ柔軟な対応が阻害されないよう、現在経営戦略・経営計画に係る具体的な数値等は公表をしておりません。なお、公表はしておりませんが中期経営計画の目標に対する実績分析は毎回実施し次期計画に反映しております。

【原則4-2.取締役会の役割・責務(2)】【補充原則4-2-1】

当社は、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、第36回定時株主総会において譲渡制限付株式の付与による役員報酬制度導入のための新たな報酬枠をご承認いただき、取締役の内4名に対して譲渡制限付株式の付与による役員報酬を実施しております。

【原則4-10.任意の仕組みの活用】 【補充原則4-10-1】

当社の取締役会は独立社外取締役2名を含む総勢8名と少人数で構成されており、指名・報酬等に係る重要事項の審議についても、現行の仕組みで独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることができると考えております。

【原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】

当社は、中期経営計画を策定しておりますが、当社の事業環境における経営状況の変化は激しく、具体的な数値目標に縛られ柔軟な対応が阻害されないよう、現在経営戦略・経営計画に係る具体的な数値等は公表をしておりません。

 

<開示している主な原則>

原則

開示をしている主な原則

【原則1-4.政策保有株式】

当社では政策保有株式として上場株式を現在保有しておりません。また政策保有株式の保有予定はありませんが、今後、取引先との事業上の関係などを勘案し保有意義が認められると判断した場合には取締役会にて保有を検討してまいります。なお、株式を保有した場合、株式に係る議決権の行使につきましては、議案の内容を個別に検討し当社、投資先企業双方の企業価値の向上に資するか否かを判断して行います。

【原則2-6.企業年金のアセットオーナーとして機能発揮】

当社には、企業年金基金制度はありません。

【原則4-11.取締役会・監査等委員会の実効性確保のための前提条件】【補充原則4-11-1】

当社は、取締役会は多様な知識、経験、能力を備えた構成員により構成されることが必要であると考えております。すなわち、業務執行の監督と重要事項に係る意思決定をするためにはこのような構成員により取締役会の多様性が確保されることが不可欠であると考えております。また、取締役会における十分な議論及び検討並びに迅速な意思決定の確保の観点からは、取締役会の構成員の人数は取締役(監査等委員である取締役を除く)10名以内、監査等委員である取締役5名以内、計15名以内であることが適切であると考えております。手続については、上記方針に基づき内容を検討し、取締役会が決議しております。

【補充原則4-11-2】

当社は、事業報告および株主総会参考書類において、取締役・社外取締役の他の上場会社を含む重要な兼職を開示しております。

【補充原則4-11-3】

当社は、取締役会の実効性を評価するため、すべての取締役に対し、「取締役会評価のための自己評価アンケート」を実施し、その回答を分析・評価しました。その結果、当社の取締役会は議事運営が適切に行われ、また知識・経験・能力のバランスが確保され、各議案について十分な審議が実施されていることを確認いたしました。今後も評価結果を次年度に活かしつつ引き続き取締役会の実効性の向上に努めてまいります。

【原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、代表取締役が中心となって、株主・投資家との主体的かつ効果的な対話を行っております。株主総会後の株主向け説明会の開催のほか、公平性の観点から主にアナリスト・機関投資家向けに半期に1度実施している決算説明会の資料や動画を適宜、当社ウェブサイトに掲載しております。そして必要に応じてIR担当取締役、IR担当部署が補佐し、株主・投資家との円滑な対話を実践するために、IR担当部署が中心となって関連部門間の連携を図っており、株主・投資家との対話で得られた意見は必要に応じて取締役会が共有し、企業価値の向上に努めております。なお、株主・投資家との対話に関しては、内部情報管理規程に基づきインサイダー情報の漏洩防止に努めております。株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取組みに関する方針は以下のとおりです。1)株主・投資家との対話に関しては、IR担当取締役が統括し、主体的かつ建設的な対話に努めております。2)IR担当部署が中心となって、株主・投資家との円滑な対話を実践するために、資料の作成に必要な情報を共有するなど、関連部門間の連携を図っております。3)IR担当部署が窓口となり、株主・投資家の要望に応じて代表取締役、IR担当取締役、IR担当部署が個別面談に積極的に対応するほか、代表取締役による決算説明会や株主総会後の株主向け説明会を実施しております。4)株主・投資家との対話で得られた意見は、必要に応じて経営陣にフィードバックし、情報の共有および活用を図っております。5)株主・投資家との対話に関しては、内部情報管理規程に基づきインサイダー情報の漏洩防止に努めております。

(なお、新型コロナウイルスの感染防止の観点から現在は決算説明会の開催を一時的に中止しております。)

 

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