ブリッジレポート:(3747)インタートレード 2021年9月期決算
西本 一也 社長 | 株式会社インタートレード(3747) |
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企業情報
市場 | 東証2部 |
業種 | 情報・通信 |
代表者 | 西本 一也 |
所在地 | 東京都中央区新川1-17-21 茅場町ファーストビル3階 |
決算月 | 9月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(自己株式を控除) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
546円 | 7,185,600株 | 3,923百万円 | 20.0% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
- | - | 3.50円 | 156.0倍 | 154.34円 | 3.5倍 |
*株価は12/9終値。発行済株式数は期末の発行済株式数から自己株式を控除。
連結業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主帰属利益 | EPS | DPS |
2017年9月(実) | 2,017 | -458 | -459 | -334 | - | 0.00 |
2018年9月(実) | 1,892 | -335 | -334 | -338 | - | 0.00 |
2019年9月(実) | 1,791 | -413 | -411 | -408 | - | 0.00 |
2020年9月(実) | 2,195 | 19 | -83 | 50 | 7.05 | 0.00 |
2021年9月(実) | 2,157 | 219 | 22 | 201 | 28.05 | 0.00 |
2022年9月(予) | 2,200 | 196 | 60 | 25 | 3.50 | 0.00 |
*予想は会社予想。単位:百万円、円。
(株)インタートレードの2021年9月期決算の概要と2022年9月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2021年9月期決算概要
3.2022年9月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 21/9期は前期比1.7%の減収、営業利益は前期19百万円から2億19百万円へ大幅増。ビジネスソリューション事業、ヘルスケア事業が減収だが、主力の金融ソリューション事業においては9.3%増収となった。利益面では、連結子会社であった(株)デジタルアセットマーケッツが持分法適用関連会社に移行したことによる費用の減少、(株)インタートレードヘルスケアの不採算部門を整理したことにより、収益性が改善した。持分法投資損失が増加したが経常利益は黒字に転換し、特別利益に持分変動利益を計上して親会社株主に帰属する当期純利益は297.9%増となった。
- 22/9期は2.0%増収、10.7%営業減益を見込む。ワクチン接種の普及や経済対策の効果により経済の回復が期待されるが、新型コロナウイルス感染症の収束にはなお時間を要するものと思われ、経済の先行きは不透明な状況が続くと想定した。すでに受注している案件や受注確度の高い案件に基づいて算出している。デジタルアセットマーケッツの持分法投資損失は継続する見込み。一方、持分変動益については、現時点では不確定のため考慮していない。
- 21/9期は主力の金融ソリューション事業が牽引して大幅増益を確保した。ビジネスソリューション事業が大型案件の反動で減収減益だが、ヘルスケア事業は減収ながら損失は縮小した。22/9期は微増収営業減益予想と地味なものになったが新型コロナの影響が軽微にとどまれば会社の計画は上回ってくるだろう。新エコ経済圏の拡大に向けた動きを加速化させている。2021年はデジタル化が急速に進展、今後本格化しようとしているデジタル資本主義経済に向けた取り組みに注目したい。「Spider Digital Transfer」は今後の収益貢献に期待。実績を積むことによって新たな顧客獲得にもつなげたいところ。
1.会社概要
証券ディーリングシステム等の開発・保守を中心とする金融ソリューション事業を主力とし、グループ経営管理パッケージソフト等を手掛けるビジネスソリューション事業及びハナビラタケ関連のサプリメントや化粧品等の生産・販売を手掛けるヘルスケア事業を展開している。
グループは、同社の他、経営統合管理プラットフォーム「GroupMAN@IT e²」(ビジネスソリューション事業)の開発・保守等を手掛ける(株)ビーエス・ジェイ(出資比率66.7%)、ハナビラタケの生産・加工とハナビラタケ関連製品のカタログ通販やWeb通販を手掛ける(株)インタートレードヘルスケア(同100%)の連結子会社2社、暗号資産関連事業を手掛ける(株)デジタルアセットマーケッツ、JIA(7172)等との合弁会社で、フィンテック関連技術によるソリューションや製品・サービスの開発及び販売を行う(株)イーテア(出資比率21.8%)の持分法適用関連会社2社。
【経営理念】
・ お客様視点での行動
・ 好奇心と勇気
・ 迅速な判断と誠実な対応
・ 「人」と「人とのつながり」を大切に
「製品及びサービスの価値向上のため、勇気と情熱を持って挑戦する。そのためには、サービスを利用しているお客様と同じ視点、質の高い行動、迅速かつ誠実な対応が必要」というのが同社の考え。これにより真の信頼関係を築き、ハード、ソフト両面で本来のサービスを実現していく。「世界中のお客様が、私たちが作ったモニターを覗き込んでいる。モニターから、あらゆる国の様々な商品が取引できるようになり、世界中のニュース・情報がリアルタイムに表示され、投資のための分析・シミュレーション・資産管理をすることができる」。いつの日か、世界中のお客様と今まで歩んできた歴史を語り合う、それが同社の夢だ。
【事業概要】
事業は、証券会社等を顧客とし証券業務向けフロントパッケージシステムの設計・開発・販売を手掛ける金融ソリューション事業、一般事業会社を顧客とし法人向けパッケージシステムの設計・開発・販売を手掛けるビジネスソリューション事業、消費者に対してサプリメント等の健康商材や化粧品の開発・販売及び健康関連商品の仕入販売を行うヘルスケア事業。
21/9期の売上構成比は、金融ソリューション事業79%(20/9期73%)、ビジネスソリューション事業14%(同18%)、ヘルスケア事業7%(同9%)。
金融ソリューション事業
東京証券取引所の総合取引参加者に導入されている証券ディーリングシステム「Prospect」、外国為替証拠金取引システム「fortissimo」、取引所外取引システム「ITMonster」に加えarrowhead、ToSTNeT、J-GATEなど各取引所との接続システム「J1」、アルゴリズムプログラム等の売買執行シミュレーションとチューニングが可能な「MEX&MSRⅢ」、トレーディングシステム上で、リアルタイム系、チャート系、ヒストリカル分析系などインテリジェンストレーディングに必要な様々な情報を提供する「DPSS」、この他、ミドルウェアや通信ソフト等の設計・開発・販売を行っている。
近年では上記のプロダクトのノウハウを活かし、かつブロックチェーン技術を活用したソリューション「Spider Digital Transfer」に力を入れている。「Spider Digital Transfer」は、同社が設立から20年間に渡り提供してきた複数の金融商品取引業務向けパッケージシステムの機能をコンポーネント化してライブラリとして整備し、必要な機能(コンポーネント)をピックアップ、或いは融合させる事で、ユーザの業務に沿ったシステムを構築する事ができる。
「Spider Digital Transfer」はLINE証券株式会社(東京都品川区、代表取締役Co-CEO:落合紀貴・米永吉和)が提供する「LINE」上で取引ができるスマホ投資サービス「LINE証券」に導入されている。今後、あらゆる金融関連業務に対応可能なライブラリ型ソリューション「Spider Digital Transfer」を軸として、金融機関や事業会社のビジネス拡大に貢献していく考え。
ビジネスソリューション事業
自社開発の経営統合管理プラットフォーム「Gr-MAN@IT e²」を中心としたパッケージサービス、保守・運用中心のシステムエンジニア派遣サービス(SES:System Engineering Service)、及びシステムの設計・開発・構築やマルチベンダー・マルチプロダクト・マルチビジネスを特徴とするシステム総合支援サービス等を行うサポートセンターサービスを3本柱とし安定収益の確保を目指している。連結子会社(株)ビーエス・ジェイが「e²」の開発・保守等を手掛けている。
企業は、会計、人事/給与、設備、資材等の複数の業務システムを導入しているが、業務毎にベンダーが異なるケースや同じ業務でも、親会社と子会社でベンダーが異なるケースが多い。この場合、企業内やグループ内で経営情報の統合管理、言い換えると、各システムのデータ連携によるグループ全体の経営分析ができず、多くの企業が高価な投資が必要な連携用のシステムを別途構築している(大手システム会社は自社製でないシステムと自社システムの接続に対して非常に消極的)。これに対して、「GroupMAN@IT e²」は柔軟性の高いインターフェイス「FLEX I/O」を備えているため、ベンダーやシステムが異なる場合でも、データ連携が可能だ。
ヘルスケア事業
ハナビラタケの栽培から手掛け、自社ブランドのハナビラタケ関連製品(サプリメント、健康食品、化粧品)の販売、OEM供給、ハナビラタケ由来成分を使った化粧品原料販売等を国内外で展開している。(株)インタートレードがマーケティングを含めて事業全般を統括し、(株)インタートレードヘルスケアがハナビラタケの生産・加工、ハナビラタケ関連製品のWeb通販を手掛けている。また、研究により、ハナビラタケ由来成分の免疫賦活機能について科学的根拠に基づくエビデンス取得にも取り組んでいる。尚、2013年に実施したヒト臨床試験において、ハナビラタケ「LB-Scr」の、Ⅱ型糖尿病、Ⅰ型アレルギー性疾患、及び肝機能指標(γ-GTP、GOT、GPT)への有効性や肌質変化への有効性が確認されている事に加え、有害事象等の検証により、安全で副作用がない事も確認されている。
尚、ヘルスケア事業は、景気に左右されやすい主力のシステム分野と一線を画し、リスク分散としての他業種での収益確保を目指している。そして、生産から加工、販売、研究を自社グループ内で一貫して行う事で安全性を担保している。
2.2021年9月期決算概要
2-1 連結業績
| 20/9期 | 構成比 | 21/9期 | 構成比 | 前期比 | 会社予想 | 予想比 |
売上高 | 2,195 | 100.0% | 2,157 | 100.0% | -1.7% | 2,391 | -9.8% |
売上総利益 | 631 | 28.7% | 731 | 33.9% | +15.9% | - | - |
販管費 | 611 | 27.9% | 512 | 23.7% | -16.3% | - | - |
営業利益 | 19 | 0.9% | 219 | 10.2% | +1,034.4% | 149 | +47.3% |
経常利益 | -83 | - | 22 | 1.0% | - | 58 | -61.4% |
親会社株主帰属利益 | 50 | 2.3% | 201 | 9.3% | +297.9% | 19 | +960.8% |
* 単位:百万円
微減収、各段階利益は大幅に改善
売上高は前期比1.7%減の21億57百万円。主力の金融ソリューション事業において9.3%の増収となったものの、ビジネスソリューション事業が32.0%、ヘルスケア事業が32.4%の減収となった影響により微減収となった。
営業利益は前期比約11倍の2億19百万円。利益面では、連結子会社であった(株)デジタルアセットマーケッツが持分法適用関連会社に移行したことによる費用の減少、(株)インタートレードヘルスケアの不採算部門を整理したことにより、収益性が改善した。持分法投資損失が増加したことにより経常利益は22百万円(前年同期は83百万円の損失)。特別利益に持分変動利益を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比297.9%増の2億1百万円となった。
2-2 セグメント別動向
| 20/9期 | 構成比・利益率 | 21/9期 | 構成比・利益率 | 前年同期比 |
金融ソリューション | 1,609 | 73.3% | 1,759 | 81.5% | +9.3% |
ビジネスソリューション | 393 | 17.9% | 267 | 12.4% | -32.0% |
ヘルスケア | 193 | 8.8% | 130 | 6.1% | -32.4% |
連結売上高 | 2,195 | 100.0% | 2,157 | 100.0% | -1.7% |
金融ソリューション | 369 | 23.0% | 597 | 33.9% | +61.5% |
ビジネスソリューション | 52 | 13.3% | 12 | 4.6% | -76.6% |
ヘルスケア | -118 | - | -84 | - | - |
調整額 | -283 | - | -305 | - | - |
連結営業利益 | 19 | 0.9% | 219 | 10.2% | +1,034.4% |
* 単位:百万円
金融ソリューション事業
売上高17億59百万円(前期比9.3%増)、セグメント利益5億97百万円(同61.5%増)。持分法適用関連会社である(株)デジタルアセットマーケッツ向けシステムの開発案件が継続した。また、既存顧客からの要望に応える最適なソリューションを提供してきた。利益面では、社内のスキルアップに伴いリードタイムを短縮させることにより、粗利率が改善し、大幅増益となった。
ビジネスソリューション事業
売上高2億67百万円(前期比32.0%減)、セグメント利益12百万円(同76.6%減)。経済活動停滞の影響もあり、受注環境の厳しい中、前期のような大型案件がなく減収となったものの黒字は維持した。
ヘルスケア事業
売上高1億30百万円(前期比32.4%減)、セグメント損失84百万円(前期は1億18百万円の損失)。コロナ禍における個人消費の低迷により苦戦し減収となったものの、固定費の削減に努め、また不採算事業の整理を行ったことによって損失は縮小した。
2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
財政状態
| 20年9月 | 21年9月 |
| 20年9月 | 21年9月 |
現預金 | 527 | 608 | 仕入債務 | 133 | 85 |
売上債権 | 393 | 318 | 短期有利子負債 | 200 | 100 |
流動資産 | 1,034 | 1,028 | 流動負債 | 486 | 311 |
有形固定資産 | 42 | 58 | 固定負債 | 24 | 25 |
投資その他 | 332 | 358 | 純資産 | 909 | 1,115 |
固定資産 | 385 | 423 | 負債・純資産合計 | 1,420 | 1,452 |
* 単位:百万円
21/9期末総資産は前期末との比較で32百万円増の14億52百万円。現預金は増加したものの、売上債権の減少により流動資産は減少、一方、投資その他の資産の増加により固定資産は増加した。負債・純資産では、仕入債務や短期有利子負債の減少に伴い流動負債が減少した一方で、純資産は増加した。自己資本比率は76.4%(前期末63.9%)。
キャッシュ・フロー(CF)
| 20/9期 | 21/9期 | 増減 | 前年同期比 |
営業キャッシュ・フロー(A) | -307 | 221 | +528 | - |
投資キャッシュ・フロー(B) | -20 | -28 | -8 | - |
フリー・キャッシュ・フロー(A+B) | -328 | 192 | +520 | - |
財務キャッシュ・フロー | 262 | -110 | -373 | - |
現金及び現金同等物期末残高 | 527 | 608 | +81 | +15.5% |
* 単位:百万円
21/9期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比81百万円増加し、6億8百万円となった。営業CFは2億21百万円の収入(前期は307百万円の支出)となった。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益2億47百万円、持分法による投資損失1億99百万円、売上債権の減少74百万円であり、主な減少要因は、持分変動利益2億27百万円、仕入債務の減少48百万円。投資CFは28百万円の支出(前期は20百万円の支出)となった。主な増減要因は、有形固定資産の取得による支出30百万円。フリー・キャッシュ・フローは前期3億28百万円の支出から1億92百万円の収入へ大きく改善した。財務CFは1億10百万円の支出(前期は2億62百万円の収入)となった。主な内訳は、短期借入金の純減額1億円、リース債務の返済による支出10百万円。
参考:ROEの推移
| 16/9期 | 17/9期 | 18/9期 | 19/9期 | 20/9期 | 21/9期 |
ROE | 0.40% | -21.21% | -27.45% | -45.53% | 6.19% | 20.00% |
売上高当期純利益率 | 0.30% | -16.59% | -17.86% | -22.78% | 2.31% | 9.34% |
総資産回転率 | 1.04回 | 1.01回 | 1.16回 | 1.33回 | 1.66回 | 1.50回 |
レバレッジ | 1.29倍 | 1.26倍 | 1.32倍 | 1.50倍 | 1.62倍 | 1.42倍 |
3.2022年9月期業績予想
3-1 連結業績
| 21/9期 実績 | 構成比 | 22/9期 予想 | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 2,157 | 100.0% | 2,200 | 100.0% | +2.0% |
営業利益 | 219 | 10.2% | 196 | 8.9% | -10.7% |
経常利益 | 22 | 1.0% | 60 | 2.7% | +168.2 |
親会社株主帰属利益 | 201 | 9.3% | 25 | 1.1% | -87.5% |
* 単位:百万円
2.0%増収、10.7%営業減益を見込む
22/9期は売上高が前期比2.0%増の22億円、営業利益は同10.7%減の1億96百万円を見込む。ワクチン接種の普及や経済対策の効果により経済の回復が期待される、新型コロナウイルス感染症の収束にはなお時間を要するものと思われ、経済の先行きは不透明な状況が続くと想定した。すでに受注している案件や受注確度の高い案件に基づいて算出している。デジタルアセットマーケッツの持分法投資損失は継続する見込みで経常利益は前期比168.2%増の60百万円を計画する。一方、持分変動益については、現時点では不確定で考慮していないため、親会社株主に帰属する当期純利益は同87.5%減の25百万円となる見通し。
セグメント別方針
金融ソリューション | もっと速く、もっと安心な取引、もっと未来へ ボーダレスに変革するトレーディングビジネスを支えるプラットフォームを展開 非金融など広範囲に対するアプローチ 更なる飛躍のための組織力の強化 |
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ビジネスソリューション | “Facts and Figures”に基づくリアルタイム経営への対応 GroupMAN@IT e2による理想の経営管理の実現 既存ユーザの拡張案件対応 新しい案件の開拓 |
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ヘルスケア | 女性の健康への貢献 はなびらたけの機能性表示食品の取得を目指す フェムケア分野へサイレント型エストロゲン様活性という優れた機能性でアプローチ 大手健康食品メーカーへの積極的な営業展開 |
3-2 今後の取り組み
ビジネスの背景
(同社資料より)
古い資本主義から、デジタル資本主義へ移行していると同社では考えている。時代はハードからソフト重視へ。古い資本主義ではソフトが生み出したデータを価値がないと判断しており、特に日本は価値を作り出すための法改正や政策の支援を要する。
新エコ経済圏の拡大
(同社資料より)
人類の紙幣のなかった頃はかつて金やダイヤモンドなどを媒体として物々交換をしてきたが、明治維新以降は紙幣を媒体とし、機械化時代に入った。現在は電子媒体(デジタル)が主体となる電子化の時代に移行している。
金融ソリューション事業
金融ソリューション事業では、「Spider Digital Transfer」でFintech分野における新たな成長領域を開拓する。世界でも新技術を使った金融サービスに向かう中において、「Spider Digital Transfer」を通じて新たなビジネス機会を提供。
(同社資料より)
デジタル新技術で業務をカバーし、コストを低下させることでサービス提供が可能。
ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業では、“Facts and Figures”に基づくリアルタイム経営への対応を進める。デジタル化の中でもシステムの複雑化によりデータを有効活用できていない状況がある。そうしたシステムの既存情報を高付加価値化し、リアルタイムな意思決定・経営管理を実現するプラットフォームを提案する。
(同社資料より)
経営統合管理プラットフォーム “GroupMAN@IT e²”。
“Facts and Figures”に基づくリアルタイム経営を実現。
(同社資料より)
ヘルスケア事業
女性の健康分野への貢献を目指す。近年注目されるフェムケアの領域において、副作用面で有利な「サイレントエストロゲン」をビジネス化する考え。
(同社資料より)
4.今後の注目点
21/9期は主力の金融ソリューション事業が牽引して微減収ながら大幅増益を確保した。ビジネスソリューション事業が前年同期大型案件の反動で減収減益だが、ヘルスケア事業については不採算事業の売却などにより減収ながら損失は縮小した。22/9期は新型コロナの影響を考慮してか微増収営業減益予想と地味なものになったが新型コロナの影響が軽微にとどまれば会社の計画は上回ってくるだろう。
新エコ経済圏の拡大に向けた動きを加速化させている。2021年はNFTの取引額が急増、フェイスブックが社名を変えてまでメタバースに取り組むなどデジタル化が急速に進む一年になりそうだ。これからまさに本格化しようとしている電子化に向けた取り組みに注目したい。「Spider Digital Transfer」では顧客のLINE証券が攻勢を仕掛けており、今後の収益貢献が期待できるほか、実績を積むことによって新たな顧客獲得にもつなげたいところ。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 5名、うち社外1名 |
監査役 | 3名、うち社外2名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年12月29日)
基本的な考え方
当社グループは企業価値の最大化をコーポレート・ガバナンスの基本目標とし、「経営の透明性」「法令遵守」「効率的な経営」の観点から当該基本目標の実現を図ります。代表取締役をはじめとする経営陣は、当社グループを取り巻くステークホルダー(株主、顧客、取引先、従業員等)との良好な関係を維持する役割を負います。そのため、経営状況を把握できる体制を構築及び運用し、法令及び定款を踏まえた適時適切な情報開示を行うことが重要と考えています。
<実施しない主な原則とその理由>
【原則 3-1】情報開示の充実
(3)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
(4)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
(5)取締役会が上記(4)を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選解任、指名についての説明
(3)、(4)、(5)については現時点で具体的内容を公表はしていないものの、以下のとおりの手続き又は手順を社内にて実行しています。
(3) 取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続については、当社の取締役及び業務執行役員の報酬は、業績連動報酬を採用しておりませんが、定められた範囲内で、個人及び会社業績等を含め総合的に評価を行い、報酬額を決定しています。
(4)取締役候補は、人格や見識、経験や実績等をもとにその責務を果たすことができる適任者を選任する方針とし、取締役会で決定しております。また、解任については明確な手続きは確立しておりませんが、単年度の目標の達成度や会社の業績を基に、かつ社外取締役や社外監査役の助言をもらいながら取締役会にて審議し、状況により再任しない、あるいは株主総会に諮ることとしております。監査役候補については、経営課題に対する知見、高度な専門知識や倫理感を持っている人材に就任を要請し、監査役会の同意を得た後、取締役会にて決議しております。
(5)取締役会が上記(4)を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選解任・指名についての説明については、原則毎月1回行っている経営会議及び全社会議にて、選任・指名について説明しています。
【原則4-8】独立社外取締役の有効な活用
現在、社外取締役は1名のみですが、バランスのとれた戦略策定及び経営への監督を行っていると認識しています。しかしながら社外取締役の増員は視野に入れており、高度な経験又は専門能力を持ち、当社の経営理念に共感する人材との信頼関係を築けた場合は、社外取締役への就任要請を行うことを積極的に検討します。
【原則4-9】社外取締役の独立性判断基準及び資質
独自の独立性判定基準は策定していないものの、会社法上の要件や東京証券取引所が定める基準に則って社外取締役を選任しております。社外取締役の貢献は重視しており、都度適切な人数と人材を確保するよう留意します。
<開示している主な原則>
【原則5-1】株主との建設的な対話に関する方針
当社は、代表取締役社長を中心に、管理部門にてIR業務を行っております。年に1回決算説明会を開催し、同時にその模様を当社ウェブサイトにて公開しています。また、随時個別ミーティングを実施しています。
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |
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