ブリッジレポート
(2462) ライク株式会社

プライム

ブリッジレポート:(2462)ライク 2022年5月期第1四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

岡本 泰彦 社長

ライク株式会社(2462)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

サービス業

代表取締役社長

岡本 泰彦

所在地

東京都渋谷区道玄坂一丁目12番1号 渋谷マークシティ ウェスト17階

決算月

5月末日

HP

https://www.like-gr.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,645円

19,115,703株

31,445百万円

29.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

52.00円

3.2%

172.66円

9.5倍

624.73円

2.6倍

*株価は10/22終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE・BPSは21年5月期実績、EPS・DPSは22年5月期予想、数値は四捨五入。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年5月(実)

45,663

1,915

3,889

1,532

81.49

29.00

2019年5月(実)

47,797

1,746

3,753

1,595

84.58

26.00

2020年5月(実)

51,072

2,000

4,067

1,793

94.41

28.00

2021年5月(実)

54,274

3,610

5,341

3,262

171.10

50.00

2022年5月(予)

57,500

3,800

5,500

3,300

172.66

52.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、EPS・DPSは円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益については同様)。
* 2017年9月、1株を2株に分割。EPSは株式分割を反映。

 

2022年5月期第1四半期決算の概要と2022年5月期の見通しについて、ブリッジレポートにてお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年5月期第1四半期決算
3.2022年5月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/5期1Qは前年同期比2.6%増収、7.2%経常減益。子育て支援サービス、総合人材サービス、介護関連サービスがいずれも増収、利益面では、前年度の感染症拡大の影響による一過性の取引やコスト圧縮が一巡した。子育て支援サービスにおける新規開設に伴う給与等労務費の増加などにより、売上総利益率が低下した。販管費率は改善したものの減益となった。ライクキッズ完全子会社化の影響により、四半期純利益は50.4%増の6億31百万円となった。

     

  • 通期予想に修正はなく、22/5期は前期比5.9%増収、3.0%経常増益を見込む。今回は新たにセグメント毎の売上予想も開示した。子育て支援サービスは前期比7.2%増、総合人材サービスは5.9%増、介護関連サービスは2.0%増を計画する。今後もグループ理念である「...planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」に基づき、少子高齢化社会における就業人口の増加に注力する。配当についても修正なく、中間配当金として1株当たり26.00円、期末配当金として1株当たり26.00円、年間で前期比2.00円増配となる52.00円/株を予定している。

     

  • 22/5期1Qは小幅な増収、経常減益と静かなスタートとなった。もっとも、同社が積極的投資姿勢を緩めた訳ではない。子育て支援サービス事業では今期は認可保育園12ヶ所の開設を予定している。総合人材サービス事業では物流・製造業界向けが期待できる。介護関連サービス事業では、年間3~5施設の開設を目指している。様々な可能性を秘めた中期経営計画ではEPSで200~250円程度が想定される。このところ、投資家からSDGsへの対応について要求が強まっている。同社は各事業が持続可能な社会の実現に繋がるものであり、SDGsやESG投資にはまさに格好の対象。個人投資家に対しても大幅な増配だけでなく、株主優待などを通して還元し好評を得ており、同社株主にとっては「手放しにくい」存在ともいえよう。このところ株価は軟調に推移している。PERは約10倍に低下し、東証1部平均(16倍)を大きく下回っており、中期計画における利益水準を考慮してもかなり割安と考える。

     

1.会社概要

「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」をグループの経営理念として掲げ、ゆりかごからハッピーエンディングまで、人生のどの段階においても「なくてはならない企業グループ」を目指して、保育・人材・介護サービスを営んでいる。

(同社資料より)

【1-1 沿革】

1993年パッケージ旅行の企画事業を目的として設立。現在の主要事業の足掛かりとなったのは98年に開始した総合人材サービス事業。05年にマザーズへ上場、07年には東証一部へ市場変更。09年には持株会社体制に移行し、買収を通して保育サービス、介護サービスへ事業領域を拡大させている。

(同社資料より)

 

【1-2 事業セグメントとライクグループ】

事業セグメントは、公的保育施設運営と受託保育の子育て支援サービス事業、人材派遣、業務受託、紹介予定派遣・職業紹介、及び採用・教育支援等の総合人材サービス事業、介護施設運営の介護関連サービス事業に分かれる。

(同社資料より)

 

グループは、純粋持株会社である同社の他、連結子会社5社及び持分法非適用関連会社1社。連結子会社は、ライクキッズ(株)とその傘下で受託保育事業と公的保育事業(認可保育園等の運営)を手掛けるライクアカデミー(株)、人材派遣や業務受託、紹介予定派遣・職業紹介等の総合人材サービス事業と携帯電話キャリアショップ運営を手掛けるライクスタッフィング(株)、物流・製造業界向け人材サービス事業を行うライクワークス(株)、及び介護施設運営のライクケア(株)。この他、ライクスタッフィング(株)が20%、携帯電話販売代理店最大手の(株)ティーガイア(東証1部:3738)が80%、それぞれ出資する合弁会社(株)キャリアデザイン・アカデミーが、法人顧客向け研修サービスを提供している。

 

【1-3 中期経営計画】

1月に新たな中期経営計画を策定した。新型コロナウイルス感染症の影響も鑑み、最終年度である25/5期の計画をレンジで開示した。

 

中期経営計画を策定する目的
新型コロナウイルス感染症の拡大はあらためてグループの提供するサービスが社会から必要とされ、社会課題の解決と密接に関わっていることを再認識する契機となった。

(同社資料より)

 

中期経営計画における業績目標

(同社資料より)

 

<業績目標におけるポイント>
既存事業のオーガニックな成長で達成見込み
保育事業における既存園の充足・新規園開設による業容の伸長
人材事業における物流・製造、介護、建設、外国人材領域の成長
介護事業は新規施設開設及び外国人材領域とのシナジーを発揮
さらにM&Aや事業提携により売上高:1,000億円超を狙う

 

中期経営計画達成に向けた施策

SDGsへの取組

持続可能な社会実現のため取組を強化

 

 

 

(同社資料より)

 

(同社資料より)

 

DX推進

労働集約型の事業だからこそデジタル化の余地あり
まずはデジタル化推進、獲得したデータで新たな事業を創造

 

(同社資料より)

 

M&A 事業提携

保育・介護部門をグループ中心事業へ成長させたノウハウ
引き続き積極検討し更なる業容のアップサイドを狙う

 

≪保育≫
待機児童問題解消に向け積極的に新規園開設
将来的な競争環境激化に備えた戦略的M&Aの実行・デジタル化・働く環境整備などを推進

 

≪人材≫
「なくてはならない」を基準に事業領域を選定
成長市場へ経営資源を集中
物流・製造、介護、建設、外国人領域を特に注力

 

≪介護≫
介護付き有料老人ホーム(特定施設)を首都圏に年間3~5施設開設
人材部門における外国人材領域とのシナジーを確立する

 

【1-4 株主優待】

「ライク・プレミアム優待倶楽部」を提供。
対象・・・毎年5月末現在の株主名簿に記載された、同社株式300株(3単元)以上を保有する株主。
内容・・・毎年7月に下表に基づいた株主優待ポイントを贈呈。特設インターネットサイト(https://like.premium-yutaiclub.jp)において、株主優待ポイントを、食品、電化製品、ギフト、雑貨など2,000種類以上の優待商品に交換。

(同社資料より)
「ライク・プレミアム優待倶楽部」は変更された(21年1月12日公表)
従来から付与ポイントは大幅アップされた。例えば、500株保有の場合、保有期間1年未満で従来の7,000ポイントから12,000ポイントへ、1年以上で従来の7,700ポイントから15,000ポイントへの大幅アップとなっている。

 

2.2022年5月期第1四半期決算

(1)連結業績

 

21/5期 1Q

構成比

22/5期 1Q

構成比

前年同期比

売上高

13,163

100.0%

13,500

100.0%

+2.6%

売上総利益

2,388

18.1%

2,153

15.9%

-9.9%

販管費

1,550

11.8%

1,394

10.3%

-10.0%

営業利益

838

6.4%

758

5.6%

-9.6%

経常利益

1,087

8.3%

1,009

7.5%

-7.2%

親会社株主に帰属する四半期純利益

419

3.2%

631

4.7%

+50.4%

単位:百万円。
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

前年同期比2.6%の増収、同7.2%の経常減益
売上高は前年同期比2.6%増の135億円。子育て支援サービス、総合人材サービス、介護関連サービスがいずれも増収となった。利益面では、前年度の感染症拡大の影響による一過性の取引やコスト圧縮が一巡した。子育て支援サービスにおいて、新規開設に伴う給与等労務費の増加と登園自粛明けによる保育園通常稼働によって給食費等諸コストが増加し、売上総利益率が前年同期18.1%から15.9%に低下した。グループ内保育事業会社に対するTOBによる完全子会社化によって発生していた一過性の費用が剥落したことにより販管費率は前年同期11.8%から10.3%に改善したものの営業利益は前年同期比9.6%減の7億58百万円、経常利益は同7.2%減の10億9百万円となった。ライクキッズ完全子会社化の影響により、四半期純利益は前年同期比50.4%増の6億31百万円となった。

(2)セグメント別動向

 

21/5期 1Q

構成比

22/5期 1Q

構成比

前年同期比

子育て支援サービス

6,209

47.2%

6,468

47.9%

+4.2%

総合人材サービス

5,062

38.5%

5,104

37.8%

+0.8%

介護関連サービス

1,818

13.8%

1,864

13.8%

+2.5%

その他

73

0.6%

63

0.5%

-13.8%

連結売上高

13,163

100.0%

13,500

100.0%

+2.6%

子育て支援サービス

411

39.4%

375

41.0%

-8.7%

総合人材サービス

527

50.5%

424

46.3%

-19.5%

介護関連サービス

98

9.4%

116

12.7%

+18.4%

その他

7

0.7%

-0

-

-

調整額

-205

-

-157

-

-

連結営業利益

838

100.0%

758

100.0%

-9.6%

単位:百万円。
*その他は報告セグメントに含まれない事業等

 

子育て支援サービス事業
売上高64億68百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益3億75百万円(同8.7%減)。
これまで首都圏を中心に積極開設してきた保育園運営が堅調に推移し増収。利益面では、登園自粛の影響で給食費等が圧縮された前年同期と比較すると通常稼働となったことによるコスト増により減益となった。

 

コロナ禍においても保育ニーズは高水準で推移した。受託保育において、21/5期末で赤字施設の精査が終了し、新規開設にマンパワーを投入した。今期もすでに5ヶ所(9月2ヶ所、10月3ヶ所)開設。

 

総合人材サービス事業
売上高51億4百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益4億24百万円(同19.5%減)。
大型物流施設の稼働開始に伴うスタッフ投入により増収。利益面では、前年度に感染症拡大の影響で案件化した一過性の給付金案件が剥落し、減益となった。
尚、22/5期1Q期末の稼働スタッフ数は7,412人となり前期末比4.1%増加。
業界別内訳は表の通り。

モバイル・・・第4のキャリア参入による競争の激化から、人材ニーズが増加するも、スタッフへの要求水準は高度化
物流・製造・・・大規模物流施設の新規稼働に伴い引き続き人材の需要は旺盛
建設・・・CAD・BIMオペレーター向け研修を強化
保育・介護
・ライクキッズ向け:63百万円(前年同期比△12百万円)
・ライクケア向け:52百万円(前年同期比-0百万円)

 

介護関連サービス事業
売上高18億64百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益1億16百万円(同18.4%増)。
一部で感染症の影響による入居控えは見られるものの、依然として入居率は90%以上を維持。21年3月に開設した新施設も順調に充足し早期の収益化見込み。

 

その他(マルチメディアサービス事業、マルチメディアサービス事業以外のその他事業は含まない)
売上高63百万円(前年同期比13.4%減)、営業損失0百万円(前年同期は6百万円の利益)。
マルチメディアサービス事業では、総合人材サービス事業におけるモバイル業界向けサービスのためのアンテナショップとして携帯電話ショップ1店舗を運営している。

 

 

(3)財政状態

◎財政状態

 

21年5月

21年8月

 

21年5月

21年8月

現預金

9,536

10,498

未払金

3,161

3,220

売上債権

4,879

3,613

未払法人税・消費税等

1,614

890

流動資産

16,126

15,358

受入入居保証金

861

862

有形固定資産

15,068

14,778

有利子負債(うちリース債務)

16,736(2,197)

16,503(2,157)

無形固定資産

1,084

965

負債

25,770

24,558

投資その他

5,431

5,353

純資産

11,940

11,898

固定資産

21,584

21,097

負債・純資産合計

37,711

36,456

単位:百万円。

 

22/5期1Q末の総資産は前期末比12億54百万円減の364億56百万円となった。
流動資産は前期末比7億68百万円減の153億58百万円、おもに受取手形、売掛金及び契約資産(売上債権)の減少12億66百万円等によるもの。
固定資産は前期末比4億86百万円減の210億97百万円、おもに有形固定資産の減少2億89百万円、のれんの償却に伴う減少1億11百万円等によるもの。
流動負債は前期末比8億28百万円減の103億86百万円、おもに未払法人税等の減少7億94百万円、賞与引当金の減少2億82百万円等によるもの。
固定負債は前期末比3億83百万円減の141億71百万円、おもに長期借入金の減少3億27百万円、リース債務の減少40百万円等によるもの。
純資産は前期末比42百万円減の118億98百万円、おもに親会社株主に帰属する四半期純利益の計上6億31百万円、配当金の支払6億68百万円等によるもの。
自己資本比率は前期末比0.9ポイント増の32.6%となった。

 

3.2022年5月期業績予想

(1)連結業績

 

21/5期 実績

構成比

22/5期 予想

構成比

前期比

売上高

54,274

100.0%

57,500

100.0%

+5.9%

 子育て支援サービス

26,396

48.6%

28,300

49.2%

+7.2%

 総合人材サービス

20,301

37.4%

21,500

37.4%

+5.9%

 介護関連サービス

7,252

13.4%

7,400

12.9%

+2.0%

 マルチメディア他

323

0.6%

300

0.5%

-7.3%

営業利益

3,610

6.7%

3,800

6.6%

+5.3%

経常利益

5,341

9.8%

5,500

9.6%

+3.0%

親会社株主に帰属する

当期純利益

3,262

6.0%

3,300

5.7%

+1.2%

単位:百万円

 

22/5期は5.9%増収、3.0%経常増益を見込む
通期予想に修正はなく、22/5期は売上高が前期比5.9%増の575億円、経常利益は同3.0%増の55億円を見込む。
今回は新たにセグメント毎の売上予想も開示した。子育て支援サービスは前期比7.2%増の283億円、総合人材サービスは5.9%増の215億円、介護関連サービスは2.0%増の74億円を計画する。
今後もグループ理念である「...planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」に基づき、真に世の中から必要とされる「なくてはならない企業グループ」を目指し、子育て支援サービス事業、総合人材サービス事業、介護関連サービス事業において、高品質のサービスを提供していく考え。また同時に、多様な人々の「働く」を支援し、実現させることにより、少子高齢化社会における就業人口の増加に注力する。
配当についても修正なく、中間配当金として1株当たり26.00円、期末配当金として1株当たり26.00円、年間で前期比2.00円増配となる52.00円/株を予定している。

 

(2)事業別の市場動向と戦略

~子育て支援サービス~
概要
祖業である総合人材サービスでの子育てによる女性離職に問題意識あり
資本参加前と比較すると14年で売上約14倍に伸長
営業利益でも連結化の16/5期:▲40百万円から21/5期:21億18百万円と大幅改善
首都圏中心に380施設運営、預かり児童数:10,600名超、売上業界2位
強み・特徴
採用力:人材部門とのシナジー・研修コンテンツの横展開による人材育成
ドミナント:首都圏中心に展開、柔軟な勤務地選択による働きやすさ確保
スケールメリット:多施設展開によるコスト低減・多様なキャリア提示
施設立地:不動産開発業者との緊密なリレーションによる高い開発力
市場規模・動向
市場規模は2002年の1.1兆円から2020年には4兆円に拡大
「新子育て安心プラン」がスタートし、国策として14万人分の保育の受け皿整備。
待機児童については減少傾向も首都圏は依然として問題は深刻。
人口に関しては、総人口は減少するも、首都圏の人口は増加予想。
非営利法人中心の多数乱立業界であり、今後統合が加速する見込み。
戦略

(同社資料より)

 

新規園開設

受託・公的問わず積極的に運営検討

22/5月期は認可保育園12ヶ所の開設を予定

保育士確保

総合人材サービスとのシナジーを発揮

「ミライクル保育士」等多様な働き方を提供

M&A

保育・介護事業をM&Aでグループ化した実績

案件選定から統合後作業までノウハウを保有

 

~総合人材サービス~
概要
当社グループの祖業であり携帯電話販売代理店向け人材派遣でスケール
全国に15の営業拠点を展開
稼働スタッフ数:7,000名以上、取引先企業数:600社以上
人材業界(営業・販売支援人材ビジネス部門)におけるシェア:第4位
強み・特徴
育成ノウハウ:無資格・未経験の求職者を戦力化してきた独自のノウハウ
業界特化:成長市場かつエッセンシャルな業界に特化
取引先数:業界特化型にも関わらず多くの取引先を抱えることでの安定性
グループシナジー:保育・介護事業との連携による専門性獲得
市場規模・動向
市場規模は2015年4.2兆円から2020年には6.5兆円に拡大
モバイル・・・第4のキャリア参入による市場活性化
物流・製造・・・ECの伸長による旺盛な人材需要
建設・・・2025年度に不足する人材は47~93万人を予測
介護外国人材・・・2040年に69万人の人材不足が想定
戦略

(同社資料より)

 

物流・製造

今年度も既に大型物流施設稼働が確定

施設稼働に伴い施設あたり百人単位で人材投入

建設

業界としての人材不足は将来的に深刻化

外国人材の投入も合わせ人材需要に応える

介護外国人材

まずは国内の「特定技能」人材に注力

グループ介護施設での就業・他企業へ紹介

 

~介護関連サービス~
概要
神奈川・東京を中心に25施設を展開、利用者数:約1,400名
主に介護付き有料老人ホームを運営(25施設中16施設)
買収後、人材部門とのシナジー発揮し入居率は60%台から90%超へ改善
連結化の14/5期:▲2億17百万円の営業利益は21/5期で3億47百万円まで伸長
強み・特徴
看取り介護:医療連携に強み、ほぼすべての施設で看取り介護が可能
24ナース:施設によっては24時間365日の看護師によるサポート実施
採用力:人材部門とのシナジーによる職員確保、充実したサポートを実現
施設立地:保育事業における施設開発力の横展開、首都圏中心の施設展開
市場規模・動向
市場規模は2014年8.6兆円から2025年には18.7兆円へ
総人口あたりの65歳以上割合は増加見込み
高齢化は特に大都市圏で顕著に増加する見通し
総人口は減少するも、首都圏の人口は増加予想
2040年に69万人の人材不足が想定される
戦略

(同社資料より)

 

新規施設開設M&A

年間3~5施設を目標に首都圏で開設を検討

同時に積極的なM&Aも実施し事業規模を拡大

介護人材確保

総合人材サービスとのシナジーを発揮

人材確保によって他社との差別化を鮮明にする

人材部門との連携

施設での外国人材受け入れを推進

外国人材事業拡大に備えノウハウを蓄積

 

4.今後の注目点

コロナ禍にあっても全体として好調であった20/5期、21/5期は大きく成長したが、22/5期1Qは小幅な増収、経常減益と静かなスタートとなった。もっとも、同社が積極的投資姿勢を緩めた訳ではない。子育て支援サービス事業では今期は認可保育園12ヶ所の開設を予定している。総合人材サービス事業では目先は物流・製造業界が、中期的には外国人材の活用が期待される。介護関連サービス事業では、年間3~5施設の開設を目指している。また、これまでも成功させてきたM&Aの可能性も秘めている。同社の「なくてはならない」にこだわったこれら事業領域はいずれも成長市場であり、積極的な投資姿勢もまっとうなもの。中期経営計画はレンジによる計画だが、EPSでは200~250円程度が想定される。M&A・事業提携にも積極的に取り組むとしており、売上高は1,000億円も視野に入れるという。様々な可能性を秘めた中期経営計画といえそうだ。
このところ、投資家からSDGsへの対応について要求が強まっている。同社は各事業が持続可能な社会の実現に繋がるものであり、SDGsやESG投資にはまさに格好の対象。個人投資家に対しても大幅増配だけでなく、株主優待などを通して還元し好評を得ており、同社株主にとっては「手放しにくい」存在ともいえよう。
このところ株価は軟調に推移している。PERは約10倍に低下し、東証1部平均(16倍)を大きく下回っており、中期計画における利益水準を考慮してもかなり割安と考える。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

7名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書  更新日: 2021年8月30日

 

基本的な考え方
当社は、「…planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」をグループ理念とし、人生のどの段階においてもなくてはならない企業集団を目指しており、コーポレート・ガバナンスへの取組みを重要な経営課題として認識しております。これを実現するために、当社グループの役員、従業員及びサービス利用者が、常に公正で機能的な行動をとることができるよう、持株会社体制であることを活かし、コンプライアンス体制を持株会社に集約し、持株会社の機能をグループ全体の経営管理に集中させることにより、グループ全体のコーポレート・ガバナンスの強化を図っております。

 

1.株主の権利・平等の確保
株主総会における議決権をはじめとする株主の権利が実質的に確保されるよう、適切な対応を行っております。

 

2.株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社のグループ理念に基づき、行動規範や行動原則を遵守し、サービス利用者、クライアント、株主、従業員等全てのステークホルダーの皆様に対し誠実に行動することにより、継続的に企業価値を拡大してまいります。

 

3.適切な情報開示と透明性の確保
法令に基づく情報開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報や非財務情報の提供にも積極的に取り組んでまいります。

 

4.取締役会等の責務
取締役会は、グループの経営の基本方針や戦略の策定、事業会社の管理・監督を行っており、グループ全体における業務の意思決定及び取締役会による業務執行を監督する機関として位置付け、運営しております。なお、社外取締役は、経営規律の強化を図るとともに、透明性をより一層高める役割を担っております。

 

5.株主との対話
グループの企業価値の極大化のため株主との対話を重視しており、株主からの対話の申し込みに対しては随時対応しております。株主との対話は、IR担当部署、IR担当役員、経営陣幹部が必要に応じて行っております。

 

 

コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について
<実施をしないコード:3項目、そのおもな原則>

 

【補充原則1-2-4】
当社では現在、議決権の電子行使を実施しておりませんが、今後については、株主構成に占める機関投資家、海外投資家の比率等を勘案しながら導入を検討してまいります。

 

【補充原則4-10-1】
当社は、任意の独立した諮問委員会を設置しておりませんが、取締役候補の選任や取締役の報酬については、取締役会の決議に先立ち、独立社外取締役に対し説明を行い、適切な助言を得ております。このように、取締役候補の選任や取締役の報酬について、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ていることから、これらに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任は十分担保されているものと考えております。
<開示しているコード:10項目、その主な原則>

 

【原則1-4】
政策保有株式につきましては、企業価値向上におけるシナジーが認められると判断した場合に限り、当該株式の政策保有について検討いたします。現在、政策保有している株式については保有意義があることを確認しております。また、当該株式の議決権の行使については、当該会社の企業価値向上及び当社への影響を勘案し、議案に対する賛否の意思表示を行うものといたします。

 

【原則2-6】
当社は、企業年金制度を採用しておりません。

 

【原則5-1】
・当社は、当社グループのIR活動全般を行うIR担当役員とIR担当部署を設置し、株主との建設的な対話の促進を図っております。
・情報開示については、基本的な考え方をまとめた「ディスクロージャー・ポリシー」を定め、これに則り、公正かつ適時・適切な開示に取り組んでおります。
・ディスクロージャー・ポリシーについては、当社HP( https://www.like-gr.co.jp/ir/policy.html )において開示しております。
・IR活動の詳細につきましては、本報告書の「株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の2.に記載のとおりであります。

 

東証コーポレート・ガバナンス情報サービスより:https://www2.tse.or.jp/tseHpFront/CGK010010Action.do?Show=Show

 

 

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