ブリッジレポート
(7590) 株式会社タカショー

スタンダード

ブリッジレポート:(7590)タカショー 2022年1月期上期決算

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高岡 伸夫 社長

株式会社 タカショー(7590)

 

 

会社情報

市場

東証一部

業種

卸売業(商業)

社長

高岡 伸夫

所在地

和歌山県海南市南赤坂20-1

決算

1月20日

HP

https://takasho.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,116円

14,578,236株

16,269百万円

10.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

23.00円

2.1%

75.45円

14.8倍

646.41円

1.7倍

*株価は9/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE、BPSは21/1期実績、EPSは22/1期予想。数値は四捨五入。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

配当

2018年1月(実)

17,489

607

571

228

18.59

10.00

2019年1月(実)

17,759

514

333

338

25.04

10.00

2020年1月(実)

17,357

531

469

203

13.93

10.00

2021年1月(実)

18,486

1,156

1,152

952

65.36

20.00

2022年1月(予)

20,350

1,506

1,452

1,100

75.45

23.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

タカショーの2022年1月期上期決算などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.事業展開
3.2022年1月期上期決算
4.2022年1月期業績予想
5.今後の事業展開と中長期計画
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 22/1期上期は前年同期比16.1%増収、62.7%経常増益。新しい生活様式が浸透している中、DXによる提案と顧客のカスタマイズに対応する製造の強化を図った。6月にはWEB展示会「TAKASHO WEB G&EX フェア 2021」を開催し、営業活動の強化も図った。海外の販売においては、ホームデポやコストコを始めとする世界の有力店との取引も本格化され、e-コマースにおいてはアマゾンや自社サイトにおいてドロップシップ方式による販売活動の強化を図った。国内プロユース部門は9.4%、ホームユース部門は8.3%増収。海外では、特にe-コマースにおけるガーデニング用品が81.8%増収。費用面では、営業活動において”リアルとネット”を融合させ効率化を図ることで営業経費が前年並みで推移した。

     

  • 通期予想を上方修正し、22/1期は10.1%増収、26.0%経常増益を計画する。6.5%増収3.3%経常増益からの大幅な上方修正。『Garden Story』は、多くの人が植物に興味を持ち、“ガーデニングや家庭菜園とともにある暮らし”の定着が表れる結果となった。このような状況を好機と捉え、DXの取り組みとして、AR・VR・MRなどの最新デジタル技術を活用したガーデンシミュレーションアプリや庭空間動画ソフトパッケージなどの研究開発を目的に、鳥取市にタカショーGLD–LAB.Soft-Factory鳥取を4月に開設、フィリピン共和国にはTAKASHO GARDEN LIFE DESIGN LAB PHIL. Corpを5月に設立し、DX化の強化を図る考え。利益面では、今後も更に業務効率の改善を進め、最先端のIT化を急速に進めることで経費削減に努める考え。配当は23.0円/株の期末配当を見込んでいる。こちらも期初予想20.0円/株から上方修正。

     

  • 国内外で春のガーデニング需要も着実に取り込み、大幅増収、上方修正につなげた。もっとも、今回の修正はこれまでの状況からある程度想定は出来た。確認できたことは、同社にとって今般のガーデニング需要拡大は新型コロナを背景とした特需という訳ではなく持続性のあるものだということ。15/1期から続いていた先行投資負担と売上の伸び悩みという試行錯誤から成長路線に乗ったと言ってよさそうだ。成長を牽引する海外の売上構成比はまだそれほど高くはなく、今後のポテンシャルの大きさがうかがえる。利益面でもDX推進により効率化を進展、先行投資負担をこなしながらも利益率を着実に改善させている。株価については、成長余力や改善余地の大きさを考慮するとPERは低位にとどまっていると考える。

     

1.会社概要

「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、ガーデンエクステリア商品を手掛けている。戦後、素材から業種型、そして業態産業へと移行、同社はより良い庭くらしのライフスタイルメーカーとして成長してきた。心身の健康と家族の笑顔ある暮らしの提供を目指す。また、常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化に貢献するグローバルなオンリーワン企業を目指している。ミッションとして「より良い庭での暮らしをグローバルに提供する企業」と掲げている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニア、アメリカへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。グループ会社は国内5社、海外12社。1998年に9月にジャスダックに上場、2012年、2013年の増資を経て2017年10月19日より東証二部へ、2018年7月9日には東証一部へ市場変更している。

 

会社概要

設立日

1980年8月

上場日

1998年9月(ジャスダック)

2017年10月より東証二部

2018年7月より東証一部

資本金

18億2,086万円

従業員数

760名(連結)

グループ

国内5社、海外12社

 

基本理念とミッション

(同社資料より)

 

ヒストリー

国内では設計・施工が必要なハウスメーカーや工務店向け「プロユース事業」、ホームセンターへの卸売を中心にした一般消費者向け「ホームユース事業」に販売ルート別に展開してきた。海外は今世紀に入り本格展開している。近年は国内ではプロユース向けが大きく伸びてきたが、新型コロナ感染拡大を機に国内外でホームユース向けが急速に拡大している。

(同社資料より)

ビジネスセグメント

巣ごもり消費拡大に伴い、ビジネスセグメントも細分化された。①戸建(新築、リフォーム)、ハウスメーカー向けに提案する「PROガーデンエクステリア分野」、②公共事業、商業施設等の非住宅向けに提案する「コントラクト分野」、③ホームセンター、専門店向けに提案する「ホームセンター、GMS分野」、④Webサイトからのネット販売を展開する「e-コマース」、⑤プロユース、ホームユースの事業を海外展開する「国際」に分けられる。

 

 

 

(同社資料より)

 

マーケット

同社が主軸とする国内PRO市場とDIY市場の市場規模はそれぞれ7,000億円。国内コントラクトや、現在急速に伸ばしている海外市場は10兆円を超える規模である。ポテンシャルは大きい。

(同社資料より)

 

 

2.事業展開

ビジネス展開

自社製品工場中心に投資を進めてきたが、近年は自社ソフト工場にも投資の重点を置いている。「タカショーGLD–LAB.Soft-Factory鳥取」が4月に開設。

(同社資料より)

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)展開

5月にはフィリピン共和国にTAKASHO GARDEN LIFE DESIGN LAB PHIL. Corp(タカショー ガーデン ライフ デザイン ラボ フィリピン 株式会社)を設立し、DX展開を加速させる。

(同社資料より)

 

パッケージの提案

国内には総住宅戸数が5,366万戸、空き家が876万戸あるとされている。同社としては庭のパッケージを提案し、総住宅戸数の1%×庭(30万円)→約1,600億円の市場を狙う。Withコロナにより住まいが変化。もっと自分らしく、楽しく、やすらぐ・・・DIYライフスタイル市場の需要の拡大を見込む。
様々な年代、価値、地域、趣味趣向に対応したパッケージを提案する。

(同社資料より)

 

ライフスタイルの空間提案

コントラクト向けでは、軽井沢星野エリアで同社のSOLO CABINが採用された。緑に囲まれたワークスペース「木漏れ日オフィス」や、貸し切りくつろぎスペース「陽だまりカフェ」を提供。

(同社資料より)

 

ホームユースの特徴

ホームユースは国際的に事業展開する。中国の九江で生産し、国内を含めてグローバルに販売する。従来の20,000坪の工場に加え、5,000坪の新工場も稼働を始めた。販売ルートはネットとリアルを絡めたブランド戦略を採っている。

(同社資料より)

 

ホームユースの取り組み

趣味趣向に合わせたライフスタイルを提案。

(同社資料より)

 

海外市場の展開 eコマースの拡大戦略

海外が大幅に伸びているが、こうした中新たな課題も浮かび上がっている。コンテナ不足と海上運賃の高騰である。同社では一部値上げ対応、得意先の海上輸送を利用し低運賃化を検討するなどの対策を打っている。

(同社資料より)

 

タカショーが提供するバリュー

(同社資料より)

 

SDGsの取り組み

タカショーは常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化づくりに貢献する、という理念の元、持続可能な開発目標で社会に貢献する。

(同社資料より)

3.2022年1月期上期決算

(1)連結業績

 

21/1期 上期

構成比

22/1期 上期

構成比

前年同期比

売上高

9,706

100.0%

11,270

100.0%

+16.1%

売上総利益

4,345

44.8%

5,049

44.8%

+16.2%

販管費

3,528

36.4%

3,885

34.5%

+10.1%

営業利益

816

8.4%

1,163

10.3%

+42.5%

経常利益

754

7.8%

1,227

10.9%

+62.7%

親会社株主に帰属する四半期純利益

535

5.5%

865

7.7%

+61.5%

*単位:百万円
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

前年同期比16.1%の増収、62.7%の経常増益
売上高は前年同期比16.1%増の112億70百万円。
新しい生活様式が浸透している中、花や植物など自然を取り入れることでストレスのない庭での暮らしが求められており、DXによる提案と顧客のカスタマイズに対応する製造の強化を図った。さらに、6月23日~25日にWEB展示会「TAKASHO WEB G&EX フェア 2021」を開催し、営業活動の強化も図った。また、海外の販売においては、ホームデポやコストコを始めとする世界の有力店との取引も本格化され、e-コマースにおいてはアマゾンや自社サイトにおいてドロップシップ方式による販売活動の強化を図った。
国内プロユース部門では家と庭をつなぐ中間領域である「5th Room」のコンセプトに基づく基軸商品の「ホームヤードルーフ」とその周辺アイテムの売上拡大と新築外構工事におけるファサードエクステリアのデザイン性向上のための様々な顧客サポートを行ったことにより、売上高は前年期比9.4%増加した。ホームユース部門においては、ライフスタイルの変化に伴い、ガーデニングの需要が高まり、また定着しつつあることから、販売先である量販店での売上拡大やe-コマースにおけるガーデニング用品の売上拡大により前年同期比8.3%増加と大幅に伸長した。
海外でも、健康的で持続可能なライフスタイルが望まれるなか、ガーデニングの需要が持続し、特にe-コマースにおけるガーデニング用品の売上高が前年同期比81.8%増加した。さらに、子会社が運営するガーデンエクステリア業界の情報に特化したWebプラットフォーム『Garden Story』は、20年5月に過去最高PV・UU達成以降も、家庭菜園や季節の植物に関わる記事へのアクセスが勢いを持ったまま推移していることから、多くの人が植物に興味を持ち、“ガーデニングや家庭菜園とともにある暮らし”の定着が表れる結果となった。
営業利益は前年同期比42.5%増の11億63百万円。
販管費においては、DX化による販売促進活動の強化、ICT研究開発拠点(タカショー GLD-LAB.Soft-Factory鳥取)の開設や名古屋ハイブリッド型ショールームの新設を行ったことにより減価償却費と一時的な設備費用が発生したことや、売上増加に伴う運賃が増加するなか、営業活動において昨年に引き続き”リアルとネット”を融合させ効率化を図ることで営業経費が前年並みで推移した。販管費が前年同期を上回ったものの、売上高が増加し、原材料および海上運賃が高騰するなか自社生産品の販売構成比の増加やe-コマース分野の売上構成比増加等により、売上総利益率が前年並みで推移したことから、前年同期比42.5%増加した。営業外では前年同期は為替差損だったが今上期は為替差益となり、経常利益は前年同期比62.7%増の12億27百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同61.5%増の8億65百万円となった。

 

主要販管費

 

21/1期 上期

売上比

22/1期 上期

売上比

前年同期比

人件費

1,437

14.8%

1,520

13.5%

+5.8%

発送費

609

6.3%

733

6.5%

+20.3%

販促・広告

314

3.2%

319

2.8%

+1.7%

支払手数料

292

3.0%

328

2.9%

+12.3%

旅費交通費

179

1.8%

199

1.8%

+11.4%

販管費合計

3,528

36.4%

3,885

34.5%

+10.1%

*単位:百万円

 

報告セグメント別売上高・利益

 

21/1期 上期

構成比

22/1期 上期

構成比

前年同期比

日本

8,322

85.7%

8,795

78.0%

+5.7%

欧州

467

4.8%

739

6.6%

+58.1%

中国

508

5.2%

844

7.5%

+66.1%

韓国

81

0.8%

130

1.2%

+60.4%

米国

249

2.6%

637

5.7%

+155.1%

その他

77

0.8%

122

1.1%

+59.1%

連結売上高

9,706

100.0%

11,270

100.0%

+16.1%

日本

462

65.5%

721

63.7%

+55.8%

欧州

55

7.8%

8

0.8%

-84.5%

中国

172

24.5%

289

25.6%

+67.4%

韓国

-10

-

11

1.1%

-

米国

35

5.0%

110

9.7%

+210.7%

その他

-8

-

-8

-

-

連結調整

109

-

31

-

-

連結営業利益

816

-

1,163

-

+42.5%

*単位:百万円

 

日本
売上高は87億95百万円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益7億21百万円(同55.8%増)。
国内の21年4-6月におけるGDP成長率は前期比年率1.3%と2四半期ぶりに回復するなか、花や植物など自然を取り入れることでストレスのない庭での暮らしが求められることから、ガーデニングの需要が持続した。利益面では、売上増加に伴う物流費等の変動経費が増加したものの、増収効果やデジタルトランスフォーメーションへの取り組み推進により販促費用や広告宣伝費等は昨年と同水準に抑えることが出来たことから大幅な増益となった。
欧州
売上高は7億39百万円(前年同期比58.1%増)となった。セグメント利益8百万円(同84.5%減)。
欧州においては、健康的で持続可能なライフスタイルが望まれるなか、家庭菜園やリビングガーデンのニーズが持続している。販管費が増加したことにより、減益となった。
中国
売上高は8億44百万円(前年同期比66.1%増)、セグメント利益2億89百万円(同67.4%増)。
生産拠点である中国においては、世界的に家庭菜園やリビングガーデンのニーズが持続していることから増収。利益面では、原材料単価が上昇したものの、生産量の増加に伴い原価率が低減したことから大幅増益となった。
韓国
売上高は1億30百万円(前年同期60.4%増)、セグメント利益11百万円(前年同期は10百万円のセグメント損失)
韓国においては、エクステリア関連商品が順調に推移するなか、ホームセンター向け導入アイテムの拡充により大幅増収となり、損益が改善した。
米国
売上高は6億37百万円(前年同期比155.1%増)、セグメント利益1億10百万円(同210.7%増)。
米国においては、家庭菜園やリビングガーデンの需要が増加しており、大幅増収増益となった。
その他
売上高は1億22百万円(前年同期比59.1%増)、セグメント損失8百万円(前年同期は8百万円のセグメント損失)。
その他においては、新型コロナウイルス感染症の影響によりインド市場の売上が伸び悩むなか、オーストラリアではネット販売やガーデンセンター向け販売が増加した。

 

(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

 

21年1月

21年7月

 

21年1月

21年7月

現預金

3,942

3,638

仕入債務

3,001

4,531

売上債権

3,212

4,550

短期有利子負債

4,299

3,934

たな卸資産

4,354

4,618

流動負債

8,823

10,088

流動資産

12,187

13,569

長期有利子負債

771

129

有形固定資産

5,556

5,654

固定負債

1,350

684

無形固定資産

414

455

純資産

9,516

10,425

投資その他

1,533

1,519

負債・純資産合計

19,691

21,198

固定資産

7,503

7,628

有利子負債合計

5,071

4,063

*単位:百万円
*有利子負債は借入金

 

上期末の総資産は前期末比(以下同)15億6百万円増加し、211億98百万円となった。これは主に売上債権の増加とたな卸資産の増加によるもの。
負債は5億98百万円増加し、107億73百万円となった。これは主に仕入債務の増加と借入金の減少によるもの。
純資産は、9億8百万円増加し、104億25百万円となった。これは主に利益剰余金と為替換算調整勘定の増加によるもの。
自己資本比率は48.7%(前期末47.9%)となった。

 

コロナ禍に伴う緊急対策資金10億円は全額返済。有利子負債は前年同期比16億88百万円減少。有利子負債比率は前期末53.8%から38.0%に改善。

 

使途別借入金

 

20年7月

21年7月

増減額

22年1月予想

運転資金

5,574

3,872

-1,702

3,738

設備資金

104

165

+61

147

出資・買収

72

24

-48

3

合計

5,751

4,063

-1,688

3,888

*単位:百万円。

 

キャッシュ・フロー

 

21/1期 上期

22/1期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー

1,018

1,292

+274

+27.0%

投資キャッシュ・フロー

-210

-279

-69

-

フリー・キャッシュ・フロー

807

1,013

+205

+25.4%

財務キャッシュ・フロー

411

-1,402

-1,813

-

現金及び現金同等物上期末残高

3,971

3,638

-332

-8.4%

*単位:百万円。

 

上期末における現金及び現金同等物は、前期末比3億3百万円減少し、36億38百万円となった。
営業CFは12億92百万円の収入(前年同期は10億18百万円の収入)となった。これは主に税金等調整前四半期純利益が12億23百万円(前年同期は7億60百万円)となったこと等によるもの。
投資CFは2億79百万円の支出(前年同期は2億10百万円の支出)となった。これは主に有形固定資産の取得による支出が1億94百万円(前年同期は1億32百万円の支出)となったこと等によるもの。
財務CFは14億2百万円の支出(前年同期は4億11百万円の収入)となった。これは主に新型コロナが業績に与える影響を考慮し、資金の増強を図ったことによる長期借入れの返済による支出が11億18百万円(前年同期は79百万円の支出)となったこと等によるもの。

 

4.2022年1月期業績予想

連結業績

 

21/1期 実績

構成比

22/1期 予想

構成比

前期比

従来予想

売上高

18,486

100.0%

20,350

100.0%

+10.1%

19,680

売上総利益

8,259

44.7%

9,100

44.7%

+10.2%

8,770

販管費

7,103

38.4%

7,594

37.3%

+6.9%

7,575

営業利益

1,156

6.3%

1,506

7.4%

+30.2%

1,195

経常利益

1,152

6.2%

1,452

7.1%

+26.0%

1,190

親会社株主に帰属する当期純利益

952

5.2%

1,100

5.4%

+15.4%

900

*単位:百万円

 

上方修正、前期比10.1%の増収、同26.0%の経常増益予想
通期予想は上方修正。22/1期は売上高が前期比10.1%増230億50百万円、経常利益は同26.0%増を計画する。それぞれ196億80百万円、11億90百万円から上方修正した。『Garden Story』は、多くの人が植物に興味を持ち、“ガーデニングや家庭菜園とともにある暮らし”の定着が表れる結果となった。このような状況を好機と捉え、DXの取り組みとして、AR・VR・MRなどの最新デジタル技術を活用したガーデンシミュレーションアプリや庭空間動画ソフトパッケージなどの研究開発を目的に、鳥取市にタカショーGLD–LAB.Soft-Factory(タカショー ジーエルディーラボ.ソフト-ファクトリー)鳥取を4月1 日に開設し、引き続きフィリピン共和国にTAKASHO GARDEN LIFE DESIGN LAB PHIL. Corp(タカショー ガーデン ライフ デザイン ラボ フィリピン 株式会社)を5月に設立し、DX化の強化を図る考え。
利益面では、今後も更に業務効率の改善を進め、Web受注やRPA、またIoTやICTなどの最先端のIT化を急速に進めることで経費削減に努める考え。
配当は23.0円/株の期末配当を見込んでいる。配当性向30%の方針に基づき、こちらも期初予想20.0円/株から上方修正した。

 

 

5.今後の事業展開と中長期計画

 

今後の事業戦略

成長するエクステリアガーデンではNo.1

オンリーワンからNo.1G&EX総合メーカー

 

(同社資料より)

 

 

中長期計画

中長期計画では25/1期に売上高247億円、経常利益20億50百万円を目指す。また、売上高は30/1期に500億円、50/1期に1,000億円を目指す。利益についても売上増に見合う形で増加を見込む。
尚、今回の22/1期が上方修正となったが、25/1期及び24/1期の計画に変動はなく、22/1期及び23/1期の計画が前回から上方修正されている。

(同社資料より)

 

 

21/1期 実績

22/1期 計画

23/1期 計画

24/1期 計画

25/1期 計画

売上高

18,486

20,350

21,700

22,800

24,700

営業利益

1,156

1,506

1,560

1,660

2,110

経常利益

1,152

1,452

1,500

1,610

2,050

親会社株主に帰属する当期純利益

952

1,100

1,125

1,159

1,476

*単位:百万円。
*21/1期には特別損益66百万円が含まれる。特別損益控除後の親会社株主に帰属する当期純利益は8億86百万円となる。

 

6.今後の注目点

国内外で春のガーデニング需要も着実に取り込み、大幅増収、上方修正につなげた。21/1期に始まった新型コロナ感染拡大に伴う巣ごもり消費をフォローとした流れを受け継ぎ、引き続き好調に推移している。もっとも、今回の修正はこれまでの状況からある程度想定は出来た。確認できたことは、同社にとって今般のガーデニング需要拡大は新型コロナを背景とした特需という訳ではなく持続性のあるものだということ。15/1期から続いていた先行投資負担と売上の伸び悩みという試行錯誤から成長路線に乗ったと言ってよさそうだ。この成長は海外マーケットが牽引役。海外の売上構成比は22.0%と高いわけではなく、今後のポテンシャルの大きさがうかがえる。海外の本格貢献はこれからである。売上成長だけではない。利益面においてもDX推進により効率化を進展させ、先行投資負担をこなしながらも利益率を着実に改善させている。欧州のセグメント利益が8百万円にとどまるなど今後の改善余地も大きく残されている。株価については、これらの成長余力や改善余地の大きさを考慮するとPERは低位にとどまっていると考える。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成>

組織形態

監査役設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2021年5月20日

 

<基本的な考え方>
同社は、健全で透明性が高く、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応するための経営の意思決定の効率性を確保したコーポレート・ガバナンスの構築が重要課題と認識し取り組んでいる。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

【補充原則1-2-4】

議決権の電子行使プラットフォーム導入や招集通知の英訳につきましては、現在機関投資家や海外投資家の比率が比較的低いため、採用しておりません。今後、株主構成の変化等の状況に応じて検討して参ります。

【補充原則3-1-2】

英語での情報開示につきましては、人員・コスト面から費用対効果を鑑み、海外投資家の比率が比較的低いため、採用しておりません。今後、株主構成の変化等の状況に応じて検討して参ります。

【補充原則4-8-1】

現在、独立社外取締役のみを構成員とする定期的な会合等は実施しておりませんが、各取締役や監査役とも意見交換を行い、取締役会では、積極的に議論に参加し発言を行うなど、独立社外取締役としての役割・責務を十分に果たしていただいているものと認識しております。

 

<開示している主な原則>

原則

その理由

【原則1-4 政策保有株式】

(1)政策保有に関する方針 

営業上の取引関係の維持・強化に繋がるか、事業活動の円滑な推進等を通じて当社の中長期的な企業価値の向上に結びつくか等を総合的に判断し、保有できるものとします。政策保有株式のうち、主要なものについては、保有する上での中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点からの保有効果等について検証し取締役会において報告を行います。保有の意義が必ずしも十分でないと判断される銘柄については、縮減を図ります。

(2)政策保有株式に係る議決権行使の基準 

当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、投資先企業の株主総会議案の内容を精査し、議決権を行使することとしております。

【原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】

当社は確定給付企業年金制度を採用しており、企業年金の管理・運用に関してスチュワードシップ活動の受け入れを表明している資産管理運用機関と契約を締結しています。総務人事部門内に担当者を配置し、運用の健全性について委託している運用機関から定期的に報告を受け、関連部門において適宜モニタリングを行っております。

【原則4-8 独立取締役の有効な活用】

当社では、社外取締役を2名選任し、その2名が独立社外取締役という構成となっており、取締役会において独立、中立の立場での意見を踏まえた議論を可能にしております。今後も、高い専門性と豊富な経験をもった複数名の独立社外取締役が選任できるように候補者の選定に努めて参ります。

【補充原則4-11-1 取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方】

当社は、様々な経営環境の変化に、的確かつ迅速に対応すべく、知識・経験・能力のバランスを考慮し、多彩なバックグランウンドを有する人材を取締役に選任しております。特に、社外取締役は、業界の知見、経営に対する経験、専門的な能力などを考慮し、各分野で見識の高い人材を選任し、バランス、多様性に配慮しております。また、当社では、企業規模等を勘案し、定款において取締役の員数を15名以内と定めておりますが、現在、5名の取締役(うち社外取締役2名)を選任しております。

 

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