ブリッジレポート
(8860) フジ住宅株式会社

プライム

ブリッジレポート:(8860)フジ住宅 2022年3月期第1四半期決算

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宮脇 宣綱 社長

フジ住宅株式会社(8860)

 

 

会社情報

市場

東証1部

業種

不動産業

代表取締役社長

宮脇 宣綱

所在地

大阪府岸和田市土生町1-4-23

決算月

3月

HP

https://www.fuji-jutaku.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

665円

35,973,543株

23,922百万円

5.8%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

27.00円

4.1%

86.17円

7.7倍

1,162.92円

0.57倍

*株価は8/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。数値は四捨五入。
*ROE、BPSは21年3月期実績、EPS、DPSは22年3月期予想。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する

当期純利益

EPS

配当

2018年3月(実)

103,880

6,438

6,139

4,168

116.08

27.00

2019年3月(実)

115,710

6,636

6,445

4,298

120.40

27.00

2020年3月(実)

110,444

5,002

4,611

3,038

87.40

27.00

2021年3月(実)

121,541

3,986

3,558

2,358

66.00

27.00

2022年3月(予)

121,400

5,000

4,600

3,100

86.17

27.00

*単位:百万円、円。

 

 

フジ住宅の2022年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期利益計画(20/3期~22/3期)
3.2022年3月期第1四半期決算
4.2022年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/3期第1四半期は前年同期比13.9%の増収、同461.0%の経常増益。売上面では、中古住宅が一戸建て、マンションともに前年同期を下回ったものの、自由設計住宅の引渡戸数増加した他、兵庫県下の大型分譲住宅用地の一部を素地販売したことなどにより、分譲住宅セグメントが全体を牽引した。その他、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が増加した土地有効活用セグメントにおいて売上高が大幅に増加した。利益面では、売上高が増加した分譲住宅セグメント、土地有効活用セグメント、賃貸及び管理セグメントで増加した他、仕入厳選により利益率が改善した住宅流通セグメントでも前年同期を上回った。また、売上高の先行指標となる2021年6月末の受注契約残高は、⾃由設計住宅、分譲マンション、個⼈投資家向け⼀棟売賃貸アパートの好調な受注契約により過去最高を更新した。

     

  • 22/3期の会社計画は、前期比0.1%減収、同29.3%経常増益から修正なし。売上面では、中古マンションを中心に住宅流通セグメントにおいて厳しい環境が続くことが見込まれるものの、高水準の受注契約残高が引渡しとなる分譲住宅セグメントや賃貸及び管理セグメントなどの増加によりカバーする計画。利益面では前期の在庫評価の見直しの影響がなくなることや収益性の高い自由設計住宅や個人投資家向け一棟売賃貸アパートなどの引渡しの増加が寄与する。配当予想も、前期と同額の1株当たり年27円の予定(上期末14円、期末13円)を据え置き。

     

  • 売上高の先行指標である受注契約残高が順調に拡大している。22/3期第1四半期末(21/6月末)の受注契約残高は期末における受注契約残高としては過去最高額となった。過去最高額の受注契約残高の消化により、今後好調な業績推移が予想される。今期は中期計画の最終年度となる。積み上がった受注契約残高のスケジュール通りの引渡しや生産性の改善やコストコントロールの徹底などの取組み強化により、中期業績目標の利益水準にどこまで近づけることができるのか注目される。

     

     

1.会社概要

地盤である大阪府を中心に、阪神間と和歌山市内で、戸建分譲・中古住宅等の住宅・不動産事業を展開。主力の戸建分譲は、分譲ながら間取りや設備仕様等、建築基準法の範囲内で最大限に顧客の要望を取り入れる「自由設計」と50~200戸規模で街並みの統一性を重視した開発を行う「街づくり」に特徴がある。また、中古住宅の改装販売、金融機関とタイアップした土地有効活用事業や個人投資家向け一棟売賃貸アパート販売事業、賃貸・管理事業も事業の柱である。
販売代理や戸建住宅から派生した各事業が独自のノウハウを持ち、他の事業部門を相互に補完する(相乗効果)、単なる住宅の分譲会社ではなく地域や時代の住宅に関するあらゆるニーズに対応できる機能を備えていることが「住まいのトータルクリエイター」である同社の特長だ。地域密着型経営の特長を活かし、顧客に顔を向けた「売りっ放し」、「建てっ放し」のない顧客満足度の高い住宅づくりを目指している。

 

(同社決算説明会資料より)

 

【1-1 事業内容】

分譲住宅事業(22/3期第1四半期 売上構成比36.1%)
戸建とマンションの分譲を展開。特徴は50~200戸規模の新築戸建住宅の「街づくり」と、顧客自身が住まいづくりに参加する 「自由設計」。自由設計住宅では間取りや設備仕様に対する様々なニーズに対応。また、新築分譲マンション販売事業も分譲住宅セグメントに含まれている。マンション分譲は地価上昇とその後の供給過剰・需要低下に伴う事業リスクの高まりを予見し05年春に事業を停止したが、リーマン・ショック後の地価の下落と分譲マンション市場の需給改善を踏まえて12年2月に再開。駅近の利便性の高い立地等、物件を厳選した1次取得者向けの価格訴求力のある分譲マンション販売を特徴とする。

 


(同社HPより)
『西宮浜甲子園』(兵庫県西宮市)

 

住宅流通事業(同 22.2%)
中古住宅再生事業『快造くん』の販売を展開。中古住宅再生事業『快造くん』は、中古住宅の「仕入」から、「リフォーム」、「販売」に至る住宅販売の3つの要素を全て揃えた同社ならではの事業。地域密着型経営やリフォームのマニュアル化による独自のノウハウに強みを持つ。

 

(同社HPより)
自由に見て、自由に選べる住宅情報展示場『おうち館 本店』(大阪府岸和田市)

 

土地有効活用事業(同 18.4%)
賃貸住宅等の建築請負と個人投資家向け一棟売賃貸アパートを展開。建築請負では、賃貸管理のノウハウを生かした提案型の賃貸住宅の建築請負を実施。また、個人投資家向け一棟売賃貸アパートは、同社で土地を仕入れ、賃貸アパート等を建築し販売する。コスト競争力のある木造アパート「フジパレス」シリーズに08年11月サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」が加わり、より独自性が強まった。個人投資家向け一棟売賃貸アパートでは、1棟当たり1億円前後の賃貸アパートが中心。資金運用手段として根強い需要がある。また、近年サービス付き高齢者向け住宅を積極的に開発している。

(同社HPより)
サービス付き高齢者向け住宅『フジパレスシニア』(大阪府堺市)

 

(同社HPより)
個人投資家向け一棟売賃貸アパート『フジパレス』シリーズ

 

賃貸及び管理事業(同 21.5%)
100%子会社フジ・アメニティサービス(株)が、賃貸アパートの建物管理や入居者募集、賃料回収等の管理業務及び分譲マンションの管理組合からの運営受託を展開。安定収益源となるばかりでなく、良質の賃貸・管理サービスは、賃貸住宅の建築請負や個人投資家向け一棟売賃貸アパートの他、分譲マンションの販売等との相乗効果も高い事業。

 

建設関連事業(同 1.8%)
2020年1月29日付で全株式を取得し同社の完全子会社となった雄健建設株式会社、関西電設工業株式会社及び日建設備工業株式会社の売上高。21/3期第1四半期より報告セグメントとなった。
土地有効活用事業の需要へのさらなる対応に向けて、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築工事で、大阪府下を中心に官公庁から民間企業まで幅広い施工実績がある雄健建設グループをパートナーとして迎えたことにより、木造以外の住宅を提供できるようにして事業のラインナップの充実を図り、業績の安定拡大を目指している。

 

【1-2同社の強み】

住まいのトータルクリエイターとして幅広い事業に強みを有していること
土地の仕入れ・許認可の取得・設計・建築・販売の一貫体勢を備えた戸建住宅事業で築き上げたノウハウを基盤に、中古住宅販売、土地有効活用、個人投資家向け一棟売賃貸アパート販売、賃貸及び管理の幅広い事業を、相乗効果を図りながら展開。地域密着型経営の特長を活かしながら住まいに関する幅広い事業の相乗効果を発揮し、より高い顧客満足を実現する不動産・サービスの提供を実施。

 

(同社HPより)

 

ノウハウを活かした中古住宅再生事業が展開できること
創業当初の住宅の代理販売事業とリフォーム事業のノウハウの融合から生まれたのが、中古住宅再生事業『快造くん』。中古住宅の「仕入」から、「リフォーム」、「販売」に至る住宅販売の3つの要素を全て揃えた同社ならではの事業となっている。地域密着型経営による情報収集はもちろん、リフォームのマニュアル化による“売れる中古住宅づくり”が強み。また、中古住宅の仕入にあたっては、相続登記が未了の場合でも、司法書士と連携して買取りを行う『フジホームバンク』を開設。相続登記にかかる費用も、売却代金から支払いできるなど顧客の利便性も高い。

 

(同社HPより)

 

収益力を高める土地活用の提案力を有すること
同社は、単なる土地活用の事業提案だけではなく、市場調査・企画・設計・建築・賃貸管理はもちろんのこと、総合不動産業(ディベロッパー)として、その力を最大限に発揮している。土地の購入や売却、アパート・マンションの建替え、法務・税務に関することなど、顧客からの様々な相談に専門的な見地から的確に対応している。賃貸住宅経営については、多くの土地情報の中から適した土地を厳選し、専任のマーケティングスタッフによる綿密な市場調査をもとに、長期安定経営が可能なプランニングを実施。また、中古収益物件についても、好立地で優良な物件のみを仕入れて商品化。更に、オーナーの「安心・安全・安定」した賃貸経営を万全にサポートする一括借上システムも提案している。

 

(同社HPより)

 

ポートフォリオ効果
不動産業界は景気や金利の変動といった外部要因に大きな影響を受ける。そこで、フジ住宅では多様な商品・サービスを提供することにより、収益の安定化を図れる事業ポートフォリオを目指してきた。
過去5年の売上構成比を比較してみると、以前は分譲住宅が4割超を占めていたが、現在では分譲住宅、住宅流通、土地有効活用及び賃貸管理と3つの事業がほぼ3割超となり、バランスのとれた事業ポートフォリオを実現している。

 

【1-3 ESG・SDGsの取組み】

同社グループはESG(環境・社会・企業統治)及びSDGsと地域密着型経営である同社の事業活動との関連を意識し、社会貢献に取り組むことにより、今後も社会とともに持続的に成長し、信頼される企業グループを目指す方針である。

Environment(環境)

活動内容

同社グループの取組み

SGDs

環境保全に配慮した

事業活動

中古住宅再生事業の取組み

中古住宅のリノベーションは建替え事業に比べ、CO2排出量、廃棄物が大幅に抑えられ資源の節約に直結する。

 

IAQ制御搭載の全熱交換システム

フジ住宅炭の家/ピュアエアでは換気にともなう熱エネルギーの損失を防ぐ「全熱交換システム」を採用する省エネに配慮した住宅。

 

プレカット工法

工場であらかじめ機械加工された木材を、現場で組み立てるプレカット工法を採用し、廃材を抑えることにより環境負荷を軽減する。

 

セルローズファイバー(断熱材)

断熱材として採用しているセルローズファイバーは出荷前の新聞古紙をリサイクルしたもので製造過程でも、一般的な内断熱材であるグラスウールを製造するよりも格段に少ないエネルギーで製造することができ環境負荷を軽減する。

6.安全な水とトイレを

世界中に

 

7.エネルギーをみんな

にそしてクリーンに

 

9.産業と技術革新の

基盤をつくろう

 

11.住み続けられる

まちづくりを

 

12.つくる責任

つかう責任

 

13.気候変動に具体的

な対策を

 

15.陸の豊かさも守ろう

従業員による環境

保全活動

植樹ボランティア「フジ住宅の森」(和歌山県日高郡日高川町)

地域社会の一員として地元の自然環境の保全に貢献するとともに、活動を通じて従業員の環境意識の向上に取り組んでいる。

環境保全に配慮した

オフィス環境の改善

・全営業車にハイブリッド車を導入

・電子決裁システムによる社内書類のペーパーレス化(押印廃止)

・オフィス照明のLED化

・クールビスの積極化で室温を保ち、省電力化の推奨

・オフィスの最大需要電力を監視し電力コントロールを行うデマンド

監視装置の設置

・社内で使用した用紙を溶解処理することで再生紙として活用

 

Social(社会)

活動内容

同社グループの取組み

SGDs

安心安全・美しい景観・ 地域のコミュニティ

活性化に配慮した住宅 開発

安心安全な街づくり

防犯面で優れた開放的で明るく美しい印象を与えるオープン外構を採用し、開放的で明るく美しい印象を与えるとともに、防犯面でも周りが見通せることから不審者が侵入しにくいというメリットがある。

街の中の道路は穏やかな曲線を基調としたカーブラインとすることにより、自然と車のスピードを抑え、街の中の安全性に配慮している。

 

コミュニティの活性化

子供たちから高齢者まで誰もが気軽に立ち寄れるコミュニティスペースとして、タウン内公園、集会所を設置し、そこに暮らす人々の笑顔があふれる「つながる」街づくりを目指している。

 

美しい景観と街並み

街並みは四季の移ろいを身近に感じられる色鮮やかな植栽を施し、建物は色調や素材感を統一することにより街並みを形成している。

3.すべての人に健康と

福祉を

 

10.人や国の不平等を

なくそう

 

11.住み続けられる

まちづくりを

健康に配慮した

家づくり

フジ住宅炭の家/ピュアエア

一般的な24時間換気システム「自然給気+強制排気」に対し、同社は「ファンによる強制給気+強制排気」を採用。給気時には「微小粒子用フィルター」により有害物質をブロックし、さらに、床下に設置された炭に空気を通す二重対策を施すことで、0.5μm以上の粒径の有害物質(PM2.5・黄砂・バクテリア・花粉等)を除去し、24時間家中クリーンでキレイな空気を保つ等、健康に配慮した家づくりに努めている。

働きやすい職場環境の

構築

テレワーク導入による働き方改革の推進

ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方としてテレワークを推進しており、2018年には「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」、2021年には「テレワーク推進賞 優秀賞」を受賞した。テレワークの推進は仕事と子育て・介護の両立、通勤が難しい障がい者、地方にいる優秀な人財の確保、BCP(事業継続計画)の確立等を促し、企業価値の向上に繋がるものと考えている。

 

健康経営への取組み

「企業は人なり。社員の健康・幸福なくして、顧客満足、会社の発展は成し得ない。」創業当時からそう考える同社では、お客様に心から幸せになっていただくため、まずは同社で働く社員が心身共に健康であり、仕事に誇り、やりがい、生きがいを持ち、仕事上もプライベート上も充実した人生を送ることが大切であると考えている。従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、長期的視点で企業価値の向上に繋がる、その為の職場環境作りを徹底して行っている。

 

スポーツへの積極的な取り組み

スポーツのもつ本来の価値は「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営むこと」を支えるものであるという考えに賛同し同社ではストレッチやトレーニングもできるボックス型の高気圧酸素BOX(定員 最大10名)の設置、ウォーキングイベントの実施、スニーカー通勤の歩行奨励等、スポーツに関する様々な取り組みを行っている。

貧困をなくそう

 

3.すべての人に健康と

福祉を

 

4.質の高い教育を

みんなに

 

5.ジェンダー平等を

実現しよう

 

8.働きがいも経済成長

 

10.人や国の不平等を

なくそう

地域社会への貢献

青色防犯パトロール

岸和田警察署との取り組みで、地域の子供たちの安全を守り、街頭犯罪の撲滅を目指し、「フジ住宅青色防犯パトロール隊」を発足し企業として岸和田市内の通学路の地域防犯に取り組んでいる。

 

岸和田市内すべての全日制高等学校への物品等の寄贈

本社の所在する地元岸和田市内のすべての全日制高等学校5校へ物品等の寄贈を行った。

 

大阪府看護協会への寄付

新型コロナウイルス感染症対策のために、医療現場で治療に取り組んで頂いている医療従事者の方々や医療体制の継続にご尽力いただいている関係者の方々に感謝の気持ちを込めて寄付を行った。

 

環境美化活動

本社ビル、東岸和田ビル及びおうち館各店舗の前面道路を含む周辺

道路一帯を、当社スタッフが清掃しており、その結果、東岸和田ビルの前面歩道が「アドプト・ロード・土生町2丁目」と大阪府から認定され、同社の道路美化に関する取り組みや地域の清掃活動への貢献が認められ多くの受賞を得た。

 

e-Taxの推進

インターネットを利用して確定申告ができるシステム「e-Tax」の普及活動を国税局が積極的に行っており、全役職員へ確定申告におけるe-Tax利用を推進した結果、2021年5月に岸和田税務署長より感謝状を得た。

4.質の高い教育を

みんなに

 

11.住み続けられる

まちづくりを

 

15.陸の豊かさも守ろう

 

Governance(企業統治)

活動内容

同社グループの取組み

SGDs

組織体制による

ガバナンス強化

取締役会、監査役会、その他コーポレート・ガバナンス強化のための組織体制

取締役会は7名(うち社外は2名)、監査役会は3名(うち社外は2名)で構成され、リスクコンプライアンス推進委員会、内部統制推進委員会の設置、内部通報制度の構築等を行っている。

4.質の高い教育を

みんなに

 

5.ジェンダー平等を

実現しよう

 

8.働きがいも経済成長

 

12.つくる責任

つかう責任

 

16.平和と公正を

すべての人に

人財育成による

ガバナンス強化

経営理念・方針小冊子

「企業は人なり」の言葉のとおり、同社は人財育成を最重要課題と考えている。全社員が同じ目標、目的をもって考え方がブレることなく行動できるよう、全社員に経営理念・方針小冊子の携帯を義務付け、フジ住宅グループの役職員全員が経営理念・方針の完全理解と実践出来る人財の育成、比率向上に努めている。

 

経営トップと従業員との直接対話

全ての従業員が会長または社長と直接対話できる「会長・社長への質問会」を定期的に開催している。会長または社長自らが質問者一人ひとりと電話ミーティングを行い、仕事のみならず、プライベートの悩み・問題まで解決に努める取り組みを行っている。

従業員と経営トップとの直接対話は信頼関係の向上、帰属意識の向上を促し、経営理念方針の理解実践によるガバナンス強化に欠かせないものと考えている。

 

360度人事評価制度

直属の上司の他、他部署・役員も含めた部下や同僚など全方向から評価する360度人事評価制度を採用し、公平・公正な人事評価により見識・胆識・洞察力に優れ、同社経営理念方針の実践度の高い人財の育成が長期的な企業価値の向上に寄与すると考えている。

顧客満足度の向上に

よるガバナンス強化

顧客満足度のあくなき追及

お客様からのお喜びや感謝のお言葉は「ブラボーカード」や「サンキューレポート」、ご不満やお叱りのお言葉は「イエローカード」という形でご意見をいただいている。これらは、社内関係各部署に共有され、現場で生じる課題の解決や人事評価にも活用されており、このような現場主義に基づく顧客満足向上に向けての取り組みは、真のニーズや本質的な課題・問題の発見につながり、ガバナンスの強化に直結するものと考えている。

 

「2021年 オリコン顧客満足度®調査」において、同社が「2021年 オリコン顧客満足度®調査 建売住宅ビルダー 近畿 第1位」「2021年 オリコン顧客満足度®調査 建売住宅 ビルダー 近畿 大阪府部門 第1位」をダブル受賞した。

4.質の高い教育を

みんなに

 

8.働きがいも経済成長

 

10.人や国の不平等を

なくそう

 

11.住み続けられる

まちづくりを

 

16.平和と公正を

すべての人に

ステークホルダーと

の積極的会話

IRイベントの実施と株主・機関投資家との対話

大阪、東京にて個人投資家向け、アナリスト・機関投資家向け会社説明会を適宜開催するとともに、合理的な範囲内で機関投資家等との面談、電話取材に応じている。個人投資家からの問い合わせには、わかりやすい言葉での丁寧な説明に努め、年2回発行する「株主通信」に同封する株主アンケートにて積極的対話を行っている。

株主・投資家との建設的な対話は、同社の中長期的な企業価値の向上と持続的な成長に資すると考えている。

 

 

2.中期利益計画(20/3期~22/3期)

同社は、今後3年間の中期業績目標を策定した。地価高騰、建築費高騰、職人不足、消費税増税、販売価格高止まりなど様々な外部環境の変化に対応するべく、「分譲マンションの供給戸数増加」、「より利益率の高いエリアに注力」、「ストック収入の増加」を積極的に行い、中期利益計画の最終年度である22/3月期に過去最高益の更新を目指す。22/3期の数値目標は、売上高1,250億円、経常利益68億円。

 

中期業績目標

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期会社計画

22/3期中期計画

売上高

115,710

110,444

121,541

121,400

125,000

営業利益

6,636

5,002

3,986

5,000

7,300

経常利益

6,445

4,611

3,558

4,600

6,800

当期純利益

4,298

3,088

2,358

3,100

4,600

ROE(自己資本当期純利益率)

11.9%

8.0%

5.8%

-

10%以上

*単位:百万円。

 

中期利益計画の前提
20/3期 実績
当初の中期利益計画では、以下の見通しを持っていた。分譲マンション供給の端境期と消費税増税による影響で調整の一年。分譲マンション供給の端境期となり、また、職人不足の解消に時間がかかることにより、分譲住宅セグメントの業績は前期よりも減少。こうした中、大阪市内の営業拠点の移設に伴う投資が先行。また、土地を保有していない個人投資家向けに、サービス付き高齢者向け住宅の建築条件付き土地販売を増加。賃貸及び管理事業は、個人投資家向け一棟売賃貸アパート及びサービス付き高齢者向け住宅の取扱戸数の増加により堅調に推移する見込み。
売上高は期初予想を上回る業績となったものの、翌期に販売開始を予定している大型現場の土地造成工事が進んだことによる土地等にかかる控除対象外消費税が増加したこと及び当連結会計年度末時点の現預金積み上げのために資金調達費用が増加したことにより、営業利益及び経常利益は予想を下回る結果となった。

 

21/3期 実績
当初の中期利益計画では、以下の見通しを持っていた。分譲マンションの引渡しが増加し全体で19/3期を超える水準まで業績回復する計画。堺市及び和泉市の分譲マンション2棟の引渡しを予定しており、分譲住宅セグメントの売上高が19/3期の水準まで回復。また、北摂、阪神間の大型戸建プロジェクトが相次いで販売開始となる。住宅流通セグメントでは、大阪市内・北摂・阪神間といったエリアでの利益率の高い商品の仕入を強化。その他、19/3月期に受注したサービス付き高齢者向け住宅の引渡しが、21/3月期以降に集中する。賃貸及び管理セグメントは、引き続き着実に伸長し売上高200億円に到達する見込み。
しかし、中古住宅に加え分譲住宅事業において、土地販売、建売住宅販売の促進と、新規発売の大型分譲現場も対象とした価格引き下げ等の弾力的な売価設定により、資金の回収と在庫の回転を早めることで、新型コロナウイルス感染症拡大に備えた手許資金の充実、在庫リスクの低減に努めたことから、21/3期の会社計画は中期業績目標を下回る結果となった。

 

22/3期 計画
当初の中期利益計画では、以下の見通しを持っていた。一棟売賃貸アパート・分譲マンションとも大きく伸び売上高及び利益が過去最高額を更新する予定。大阪市、堺市、摂津市の分譲マンション3棟の引渡しを予定しており、分譲住宅セグメントの売上高は過去最高額を更新する計画。また、北摂、阪神間の大型戸建プロジェクトが引渡時期を迎える。一棟売賃貸アパートの引渡件数が大きく伸びる他、賃貸及び管理セグメントでは、自社保有のサービス付き高齢者向け住宅が50棟を超える見込み。
戸建住宅、分譲マンション、一棟売賃貸アパートの引渡し増加やストック収益である賃貸及び管理セグメントの積み上がりなど当初の見込みに沿った事業運営となっているものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより、期初の会社計画は売上高、各段階利益ともに中期業績目標を下回る発表となった。

 

 

事業セグメント別の中期業績目標

売上高

19/3期 実績

20/3期 実績

21/3期 実績

22/3期 中計

 分譲住宅

40,919

28,926

40,241

44,300

 住宅流通

33,094

38,176

32,789

31,000

 土地有効活用

23,847

23,298

24,401

25,700

 賃貸及び管理

17,849

20,042

21,728

24,000

建設関連

-

-

2,379

-

セグメント利益

19/3期 実績

20/3期 実績

21/3期 実績

22/3期 中計

 分譲住宅

3,726

1,313

395

2,720

 住宅流通

507

713

505

1,140

 土地有効活用

2,381

2,171

2,085

2,690

 賃貸及び管理

1,747

2,430

2,584

2,610

建設関連

-

-

22

-

*単位:百万円。
*セグメント利益は全社費用控除前の数値。
*2019年5月8日発表の連結中期利益計画より。

3.2022年3月期第1四半期決算

(1)連結業績

 

21/3期

第1四半期

構成比

22/3期

第1四半期

構成比

前年同期比

売上高

23,522

100.0%

26,798

100.0%

+13.9%

売上総利益

3,170

13.5%

4,322

16.1%

+36.3%

販管費

2,779

11.8%

2,692

10.0%

-3.2%

営業利益

390

1.7%

1,629

6.1%

+317.5%

経常利益

277

1.2%

1,555

5.8%

+461.0%

親会社株主に帰属

する四半期純利益

109

0.5%

1,101

4.1%

+907.9%

*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
*単位:百万円。

 

前年同期比13.9%の増収、同461.0%の経常増益
22/3期第1四半期の売上高は、前年同期比13.9%増の267億98百万円となった。売上高は、住宅流通セグメントにおいて中古住宅が一戸建て、マンションともに前期を下回ったものの、分譲住宅セグメントにおいては、自由設計住宅の引渡戸数が増加したことに加えて、兵庫県下の大型分譲住宅用地の一部を素地販売したことで、売上高が前年同期を大幅に上回った。また、土地有効活用セグメントにおいて個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数の増加が売上高の増加に寄与した他、賃貸及び管理セグメントにおいても、土地有効活用事業にリンクする賃貸管理物件数が順調に拡大した。売上高の先行指標となる第1四半期末(21/6月末)の受注契約残高は、前年同期末(20/6月末)と比べ、3.2%増加し、過去最高額となった。

 

経常利益は、前年同期比461.0%増の15億55百万円。売上高が増加した分譲住宅セグメント、土地有効活用セグメント、賃貸及び管理セグメントで増加した他、仕入厳選により利益率が改善した住宅流通セグメントでも前年同期を上回った。
売上総利益率が前年同期比で2.6ポイント上昇した他、販管費を実額で削減し売上高対販管費比率を同1.8ポイント低下させたことにより、売上高営業利益率は6.1%と4.4ポイント上昇した。これにより、営業利益は前年同期比317.5%増益の16億29百万円となった。また、営業外収益で補助金収入が発生したことや営業外費用で前年同期に発生した社債発行費用がなくなったことなどにより経常利益の増益率は営業利益の増益率よりも拡大した。その他、特別損益は特別利益で固定資産売却益を91百万円計上したこと(前年同期は11百万円)や特別損失で計上した固定資産売却損が前年同期の58百万円から今四半期は2百万円に減少したことなどが主な変動要因となった。

 

(2)セグメント業績(22/3期第1四半期)

セグメント別売上高・利益と主なトピックス

売上高

構成比

前年同期比

セグメント利益

構成比

前年同期比

分譲住宅

9,682

36.1%

+64.3%

645

32.3%

-

住宅流通

5,939

22.2%

-24.4%

317

15.9%

-

土地有効活用

4,934

18.4%

+44.6%

385

19.3%

+29.4%

賃貸及び管理

5,767

21.5%

+9.8%

658

33.0%

+13.3%

建設関連

474

1.8%

-57.2%

-10

-0.5%

-

調整額

-

-

-

-365

-

-

合計

26,798

100.00%

+13.9%

1,629

100.00%

+317.5%

*単位:百万円。
*セグメント利益の構成比は報告セグメント計に対する比率。
※建設関連セグメントは、2020年1月29日付で全株式を取得し同社の完全子会社となった雄健建設株式会社、関西電設工業株式会社及び日建設備工業株式会社の売上高及びセグメント利益。21/3期第1四半期より報告セグメントとなった。

 

 

分譲住宅セグメントの売上高は前年同期比64.3%増の96億82百万円、セグメント利益は6億45百万円(前年同期はセグメント損失1億5百万円)。
売上高は自由設計住宅の引渡しが前年同期の152戸から195戸へ増加した他、兵庫県下の大型分譲住宅用地の一部を素地販売したことにより土地販売が前年同期の2億48百万円から15億18百万円に増加したことが寄与した。好調な売上高を受け、6億45百万円のセグメント利益と前年同期の1億5百万円のセグメント損失から黒字へ転じた。

 

 

21/3期 第1半期

22/3期 第1四半期

数量

金額

数量

金額

前年同期比

自由設計住宅等

152戸

5,644

195戸

8,163

+44.6%

分譲マンション

-

-

-

-

-

土地販売

2,052㎡

248

11,111㎡

1,518

+510.4%

分譲住宅セグメントの売上高

152戸

2,052㎡

5,893

195戸

11,111㎡

9,682

+64.3%

分譲住宅のセグメント利益

-105

645

-

*単位:百万円。

 

2021年オリコン顧客満足度調査において、近畿第1位と大阪第1位をダブル受賞した。

 

2022年3月期 引渡予定マンションプロジェクト

ブランニード千里丘

10F 90邸 引渡予定2021年9月下旬〜

シャルマンフジ 三国ケ丘 けやき通り

8F 49邸 引渡予定2022年3月下旬〜

シャルマンフジ堺シティフロント

15F 147邸 引渡予定2022年2月下旬〜

(同社決算説明資料より)

 

住宅流通セグメントの売上高は前年同期比24.4%減の59億39百万円、セグメント利益は3億17百万円(前年同期は0百万円)。
中古住宅(戸建)の引渡戸数は前年同期の61戸から40戸へ減少し、中古住宅(マンション)の引渡戸数も前年同期の290戸から233戸へ減少した。在庫回転率を意識した運営方針の下、長期化在庫の販売促進と仕入厳選を進め、前期は在庫を大幅に圧縮した。前期の在庫の大幅圧縮により今第1四半期は、販売戸数が減少し、売上高は前年同期を下回るものの、仕入厳選による利益率の改善によりセグメント利益は前年同期を大幅に上回った。

 

 

 

21/3期 第1半期

22/3期 第1四半期

数量

金額

数量

金額

前年同期比

中古住宅(一戸建)

61戸

1,658

40戸

843

-49.1%

中古住宅(マンション)

290戸

6,195

233戸

5,091

-17.8%

その他

-

0

-

3

-

住宅流通セグメントの売上高

351戸

7,855

273戸

5,939

-24.4%

住宅流通のセグメント利益

0

317

-

*単位:百万円。

 

リフォーム産業新聞による買取再販年間販売戸数ランキング2021(2021年7月26日発行)によると、同社は買取再販年間販売戸数ランキング2021において全国第5位となった。同社の住宅流通事業は主に阪神間で事業活動を行っており、限られた地域内での営業活動ではあるものの全国トップクラスの買取再販取扱量を誇っている。
また、おうち館本店はネット非公開物件を含め、常時1,000件以上の物件情報を展示している総合住宅展示場で、エリア・新築・中古別で配置し、希望の物件を探しやすくし、タッチパネル端末でも直感的に物件検索が可能となっている。

 

 

土地有効活用セグメントの売上高は前年同期比44.6%増の49億34百万円、セグメント利益は同29.4%増の3億85百万円。
個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡し棟数が大幅に増加し、売上高及びセグメント利益ともに前年同期を上回った。個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡戸数は前年同期の9棟から22棟へ増加した。

 

 

21/3期 第1半期

22/3期 第1四半期

数量

金額

数量

金額

前年同期比

賃貸住宅等建築請負

15件

816

10件

778

-4.7%

サービス付き高齢者向け賃貸住宅

6件

1,511

3件

943

-37.6%

個人投資家向け一棟売賃貸アパート

9棟

1,084

22棟

3,213

+196.3%

土地有効活用セグメントの売上高

21件

9棟

3,413

13件

22棟

4,934

+44.6%

土地有効活用のセグメント利益

298

385

+29.4%

*単位:百万円。

 

管理戸数

28,098戸

2021年3月末現在

稼働率

97.2%

2020年度通期実績。フジ住宅グループが管理する物件の稼働率

リピート率

49.0%

2020年度の総契約数に占めるオーナーのリピート契約の割合

相続対策満足度

82.9%

2020年度のオーナーアンケートより

(同社決算説明資料より)

 

フジパレスシリーズの建築事例

フジパレス階段室タイプ

都市型コンパクトデザイナーズ賃貸住宅

フジパレスシニア

(サ高住運営棟数全国トップ)

高齢社会の新しい土地活用のカタチサービス付き高齢者向け住宅

フジパレス戸建賃貸

活用をあきらめかけていた大切な資産、新たな可能性を広げる郊外地活用の救世主

フジパレス・スリーハーブス

高稼働・高収益を実現する全戸メゾネット型賃貸住宅

フジパレス・ロフトタイプ

シングル層の新しいニーズを開拓するロフトタイプ

(同社決算説明資料より)

 

 

賃貸及び管理セグメントの売上高は前年同期比9.8%増の57億67百万円、セグメント利益は同13.3%増6億58百万円。
土地有効活用事業にリンクした賃貸物件の引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したこと及び自社保有のサービス付き高齢者向け賃貸住宅の増加により、売上高及びセグメント利益ともに前年同期を上回った。

 

 

21/3期 第1半期

22/3期 第1四半期

金額

金額

前年同期比

賃貸料収入

3,914

4,214

+7.6%

サービス付き高齢者向け賃貸住宅事業収入

1,117

1,329

+19.0%

管理手数料収入

219

224

+2.0%

賃貸及び管理セグメントの売上高

5,251

5,767

+9.8%

賃貸及び管理のセグメント利益

580

658

+13.3%

*単位:百万円。

 

2020年11月現在で、サービス付き高齢者向け賃貸住宅の運営管理棟数は176棟、管理戸数は5,598戸を誇る。また、月刊シニアビジネスマーケット 2020.11によると、サービス付き高齢者向け賃貸住宅運営棟数ランキングで全国トップとなっている。

(同社決算説明資料より)

 

建設関連セグメントの売上高は前年同期比57.2%減の4億74百万円、セグメント損失10百万円(前年同期はセグメント利益35百万円)。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う民間設備投資の冷え込み、及び公共工事の価格競争の激化に伴う受注残高の減少により、売上高及びセグメント利益は前年同期を下回った。

 

 

21/3期 第1半期

22/3期 第1四半期

金額

金額

前年同期比

建設関連セグメントの売上高

1,109

474

-57.2%

建設関連のセグメント利益

35

-10

+13.3%

*単位:百万円。
*建設関連セグメントは、2020年1月29日付で全株式を取得し同社の完全子会社となった雄健建設株式会社、関西電設工業株式会社及び日建設備工業株式会社の売上高。21/3期第1四半期より報告セグメントとなった。

 

土地有効活用事業の需要へのさらなる対応に向けて、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築工事で実績のある雄健建設グループをパートナーとして迎えており、木造以外の住宅を提供できるようにして事業のラインアップの充実を図り業績の安定拡大を目指している。現在、大阪府吹田市南吹田において、同社の100%子会社であるフジ・アメニティサービス株式会社が保有・運営するサービス付き高齢者向け賃貸住宅の建設を手掛けており、今後、協業による相乗効果の増加が期待される。

(同社決算説明資料より)

(3)四半期業績の推移

第4四半期(4-6月期)の連結売上高と経常利益の推移

第1四半期(4-6月期)は、過去の第1四半期と比較しても高水準の売上高と経常利益となった。

 

受注契約残高の状況

 

21/3期 第1四半期末

(2020年6月末)

22/3期 第1四半期末

(2021年6月末)

数量

金額

数量

金額

前年同期比

自由設計住宅等

542戸

22,055

616戸

24,818

+12.5%

分譲マンション

139戸

4,828

208戸

8,119

+68.2%

土地販売

31,988㎡

4,490

6,522㎡

871

-80.6%

分譲住宅

681戸/31,988㎡

31,374

824戸/6,522㎡

33,810

+7.8%

中古住宅(戸建)

42戸

1,125

20戸

515

-54.2%

中古住宅(マンション)

158戸

3,630

110戸

2,500

-31.1%

住宅流通

200戸

4,755

130戸

3,015

-36.6%

賃貸住宅等建築請負

44件

4,251

43件

3,898

-8.3%

サービス付き高齢者向け賃貸住宅

31件

5,604

20件

4,191

-25.2%

個人投資家向け一棟売賃貸アパート

64棟

8,893

101棟

14,006

+57.5%

土地有効活用

75件/64棟

18,749

63件/101棟

22,096

+17.9%

建設関連

30件

2,836

27件

646

-77.2%

合計

-

57,716

-

59,568

+3.2%

*単位:百万円。
(同社決算説明資料より)
2022/3期第1四半期末(21/6月末)の受注契約残高は前年同期末(20/6月期末)比3.2%増の595億68百万円となり、期末における受注契約残高としては過去最高額となった。分譲住宅は前期に大型分譲住宅用地(兵庫県加古川市)の⼀部素地販売の引渡しが行われたため、土地販売の受注契約残高が大幅に減少したものの、自由設計住宅、分譲マンションの好調な受注によりその減少をカバーした。住宅流通は在庫圧縮により受注契約戸数が減少したものの保有在庫に対する受注契約戸数の割合は向上した。個人投資家向け一棟売賃貸アパートの受注契約は好調に推移し、受注契約残高は前年同期比57.5%増となった。一方、建設関連は新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う民間設備投資の冷え込み等により減少した。

 

(4)財政状態

 

21年3月

21年6月

 

21年3月

21年6月

 現預金

20,325

21,801

 仕入債務

3,956

3,796

 たな卸資産

79,117

78,874

 短期有利子負債

28,225

35,860

流動資産

101,788

103,650

 未払法人税等

1,206

369

 有形固定資産

40,866

40,736

 前受金

4,616

3,957

 無形固定資産

667

653

 長期有利子負債

60,161

55,546

 投資その他

4,271

4,108

負債

106,101

107,069

固定資産

45,805

45,498

純資産

41,492

42,078

資産合計

147,594

149,148

有利子負債合計

88,386

91,407

*単位:百万円。
*たな卸資産=販売用不動産+仕掛販売用不動産+開発用不動産+未成工事支出金+貯蔵品
*有利子負債=借入金+社債+リース債務

 

2021年6月末の総資産は1,491億48百万円と前期末比15億54百万円増加した。資産サイドは、主に開発用不動産を中心とするたな卸資産が減少し現預金が増加した。負債・純資産サイドは、主に長期の有利子負債が減少し短期の有利子負債や利益剰余金が増加した。たな卸資産の主な内訳と金額は、販売用不動産160.7億円(前期末156.5億円)、仕掛販売用不動産320.1億円(同292.2億円)、開発用不動産307.0億円(同340.2億円)。有利子負債は30億20百万円の増加。自己資本比率は28.2%と前期末から0.1ポイントの上昇。

 

 

4.2022年3月期業績予想

(1)連結業績

 

21/3期 実績

構成比

22/3期 予想

構成比

前期比

売上高

121,541

100.0%

121,400

100.0%

-0.1%

営業利益

3,986

3.3%

5,000

4.1%

+25.4%

経常利益

3,558

2.9%

4,600

3.8%

+29.3%

親会社株主に帰属

する当期純利益

2,358

1.9%

3,100

2.6%

+31.4%

*単位:百万円。

 

前期比0.1%の減収、同29.3%の経常増益予想
22/3期の会社計画は、売上高が前期比0.1%減の1,214億円、経常利益が同29.3%増の46億円から修正なし。
売上面では、中古マンションを中心に住宅流通セグメントにおいて厳しい環境が続くことが見込まれるものの、高水準の受注契約残高が引渡しとなる分譲住宅セグメントや賃貸及び管理セグメントなどの増加によりカバーする計画。利益面では前期の在庫評価の見直しの影響がなくなることや収益性の高い自由設計住宅や個人投資家向け一棟売賃貸アパートなどの引渡しの増加が寄与する。
2022年3月期の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明であることから、購買意欲の減退懸念等を考慮したものとなっている。今第1四半期連結累計期間実績は、2022年3月期中の売上予定の契約残高等を踏まえ、売上高は順調に推移し、各段階利益については期初予想を大きく上回るペースで推移している。なお、米中での住宅木材の需要増加を背景とした「ウッドショック」による住宅建築資材の不足及び原材料価格の高騰が及ぼす影響は先行き不透明な状況であるものの、現時点での業績への影響は軽微な模様である。
配当予想も、前期と同額の1株当たり年27円の予定(上期末14円、期末13円)が据え置かれた。

 

通期セグメント別連結売上高予想

 

 

22/3期

数量

金額

構成比

自由設計住宅

866戸

35,500

29.3%

分譲マンション

219戸

9,000

7.4%

土地販売

-

3,300

2.7%

分譲住宅

1,085戸

47,800

39.4%

中古住宅

1,265戸

27,000

22.2%

住宅流通

1,265戸

27,000

22.2%

賃貸住宅等建築請負

27件

2,380

2.0%

サービス付き高齢者向け住宅

11件

2,090

1.7%

個人投資家向け一棟売賃貸アパート

120棟

16,530

13.6%

土地有効活用

-

21,000

17.3%

賃貸料収入

-

17,070

14.1%

サービス付き高齢者向け住宅事業収入

-

5,460

4.5%

管理手数料収入

-

970

0.8%

賃貸及び管理

-

23,500

19.4%

建設関連

-

2,100

1.7%

合計

2,350戸

38件

120棟

121,400

100.0%

*単位:百万円。

 

連結業績に対する進捗状況

 

22/3期

第1四半期

22/3期

上期業績予想

上期業績予想に

対する進捗率

22/3期

通期業績予想

通期業績予想に

対する進捗率

売上高

26,798

55,000

48.7%

121,400

22.1%

営業利益

1,629

2,300

70.9%

5,000

32.6%

経常利益

1,555

2,000

77.8%

4,600

33.8%

四半期(当期)純利益

1,101

1,400

78.6%

3,100

35.5%

*単位:百万円。

 

今第1四半期連結累計期間実績は、2022年3月期中の売上予定の契約残高等を踏まえ、売上高は順調に推移し、各段階利益については期初予想を大きく上回るペースで推移している。

 

 

(2)成長戦略

【相互補完と相乗効果をもたらすバランス経営】
同社は、各事業が独自のノウハウを持ち、他の事業部門を相互に補完するバランス経営を推進している。

 

事業セグメント

事業セグメントの特徴

売上高構成比

(22/3期第1四半期)

分譲住宅

「街づくり」「自由設計」を特徴とする50〜200戸規模の新築戸建分譲住宅及び分譲マンション販売事業。

36.1%

住宅流通

中古住宅を買取後、リノベーションを施し販売する中古住宅再販事業。

 

22.2%

土地有効活用

富裕層向けの収益物件・賃貸住宅の建築請負、一棟売賃貸アパート、サービス付き高齢者向け賃貸住宅の販売事業。

18.4%

賃貸及び管理

土地有効活用とリンクした賃貸アパート、サービス付き高齢者向け賃貸住宅の賃貸管理及び分譲マンションの管理組合からの運営受託業務。

21.5%

建設関連

官公庁等からの鉄骨造、鉄筋コンクリート造の建築工事、土木工事、電気設備工事等の受託業務。土地有効活用事業の需要への対応を目指す。

1.8%

 

【中長期的な事業の安定成長を目指したストック事業の取組み】
同社のストック事業の賃貸料収入は、個人投資家向け一棟売賃貸アパート及びサービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)のサブリース事業を皮切りに、中古住宅アセット事業、サ高住自社保有事業と多角化を進め堅調に推移してきた。今後も引き続きストック事業の拡大を進め景気動向に左右されない経営の安定化を図る方針である。

(同社決算説明資料より)

 

 

5.今後の注目点

売上高の先行指標である受注契約残高が順調に拡大している。これは、自由設計住宅、分譲マンション、個人投資家向け一棟売賃貸アパートなどの好調な受注が反映されたものであり、22/3期第1四半期末(21/6月末)の受注契約残高は期末における受注契約残高としては過去最高額となった。過去最高額の受注契約残高の消化により、今後好調な業績推移が予想される。また、通期会社計画に対する22/3期第1四半期の各段階利益の進捗率は高水準となっている。同社は例年、物件の引渡しが集中する第4四半期(1-3月)に稼ぎ時となることが多い。今期の会社計画の達成に向けて好調なスタートが切れたと言えよう。また、同社の今期会社計画の経常利益は46億円であるが、中期業績目標の経常利益は68億円とその達成に向けてハードルは高い。今期は中期計画の最終年度となる。積み上がった受注契約残高のスケジュール通りの引渡しや生産性の改善やコストコントロールの徹底などの取組み強化により、中期業績目標の利益水準にどこまで近づけることができるのか注目される。とりわけその鍵を握るのは自由設計住宅、分譲マンション、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの販売動向と思われる。第2四半期以降の自由設計住宅、分譲マンション、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの受注動向が注目される。
また、こうした好調な事業環境ではあるものの、マンションを中心とする中古住宅や賃貸住宅等建築請負やサービス付き高齢者向け賃貸住宅などの受注契約残高が前年同期末に対し減少しているのは気がかりである。中古住宅や賃貸住宅等建築請負やサービス付き高齢者向け賃貸住宅などの受注を今後いかに回復させるのか今後の取組みが注目される。

 

 

 

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成>

組織形態

監査役設置会社

取締役

7名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2021年6月28日
<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

【補充原則1-2-4.議決権の電子行使と招集通知の英訳化】

議決権電子行使プラットフォームについては利用可能としております。

招集通知の英訳については、当社では、海外投資家の比率が低く、現時点では不要と考えておりますが、今後、議決権の総数における海外投資家の議決権保有割合が20%以上に上昇した際には、招集通知の英訳を検討して参ります。

なお、IRにおいては、一部英文でのレポートの作成やホームページにて最低限の英訳ページを作成しております。

【補充原則4-10-1.任意の仕組みの活用】

当社は、監査役会設置会社であり、独立社外取締役の員数は取締役会の過半数に達しておりませんが、社外取締役2名及び社外監査役2名を選任しており、公認会計士、税理士又は弁護士としての豊富な経験と深い見識を基に、取締役の指名・報酬に関しても適切な関与・助言をいただけているものと考えております。

したがって、現時点で任意の諮問委員会は不要であると考えておりますが、必要に応じて設置を検討して参ります。

 

<開示している主な原則>

原則

開示内容

【原則1-4.政策保有株式】

当社においては、全ての事業において不動産の取得資金等の借入や不動産の仕入れに関する情報の取得、さらには土地有効活用事業における顧客紹介等、総合的な取引を金融機関と行っており、事業拡大、持続的発展のためには、金融機関との協力関係が不可欠となります。

企業価値を向上させるという中長期的な目標のため、当社の経営理念・経営姿勢をご理解いただき、総合的な取引を行うことを前提とした金融機関の投資株式については経済的合理性を検証の上、保有していく方針としております。なお、個別銘柄ごとに株式数50万株かつ当社株主資本の2%以内を保有の上限とし、継続的に保有先金融機関との取引状況並びに保有先金融機関の財政状態及び経営成績の状況についてモニタリングを実施するとともに、年1回、取締役会にて株価の推移、配当額、取引状況等をもとに保有の合理性を検証しております。政策保有株式に係る議決権の行使につきましては、議案が当社及び投資先企業の企業価値向上に繋がるか、当社の保有目的と適合しているかを基準とし、個別議案を精査したうえで賛否の判断を行っております。

【補充原則4-11-3.取締役会全体の実効性についての分析・評価の結果の概要】

毎年、取締役会の実効性評価を匿名のアンケート形式で実施し、その結果を取締役会に報告しております。なお、取締役会の実効性についての分析・評価の結果は以下のとおりです。

・取締役会の開催頻度、各役員の出席状況は適切であり、資料の内容及び分量、各議案に対しての審議も適切に行える運営となっている。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

株主との対話はIR室が担当しており、IR担当役員が統括を行っております。

IR室は、日々、経営企画部、総務部、人事法務部、財務部、内部監査室と連携をとっており、必要な情報がIR室に報告される体制となっております。

IR室は、大阪、東京、名古屋、福岡にて個人投資家向け会社説明会、アナリスト・機関投資家向け会社説明会を実施し、その他、決算説明会、当社ホームページによる情報開示、株主通信を個人投資家の方にも分かりやすい内容にするなどにより、当社の経営理念や経営方針に関する理解を深めていただけるよう活動しております。

対話において把握された株主の意見・懸念については、取締役や取締役会にフィードバックしております。

 

<その他>
コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方において、「人財の成長に合わせて事業を拡大するという考えのもと、過去からの営業地域のさらなる深耕を図るとともに、府下最大のマーケットである大阪市内をはじめ大阪府北部地域及び兵庫県南部地域への積極的な地域拡大を図り、収益力の向上及び財務体質の強化を推進することにより、お客様、お取引先様、株主様から常に信頼され、事業を通じて社会のお役に立てる企業となることを目指しております。」と述べている。

 

 

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