ブリッジレポート
(9997) 株式会社ベルーナ

プライム

ブリッジレポート:(9997)ベルーナ 2021年3月期決算

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安野 清 社長

株式会社ベルーナ(9997)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

小売業(商業)

代表取締役社長

安野 清

所在地

埼玉県上尾市宮本町4-2

決算月

3月末日

HP

https://www.belluna.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

918円

97,244,472株

89,270百万円

10.3%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

19.00円

2.1%

129.31円

7.1倍

1,164.97円

0.8倍

*株価は7/26終値。各数値は21年3月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

161,673

13,008

13,248

9,665

99.41

12.50

2019年3月(実)

177,648

12,005

15,309

10,343

106.39

15.00

2020年3月(実)

179,948

10,311

10,365

5,862

60.62

16.00

2021年3月(実)

206,499

15,734

16,872

11,036

114.17

16.50

2022年3月(予)

246,000

17,500

18,200

12,500

129.31

19.00

*単位:百万円、円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。

 

ベルーナの会社概要、2021年3月期決算概要、2022年3月期業績見通し等について、ご紹介します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期決算概要
3.2022年3月期業績見通し
4.経営方針と取り組み
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 21年3月期の売上高は前期比14.8%増の2,064億円。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり需要を取り込み、総合通販、専門通販が好調。店舗販売は集客数減で減収。粗利率が0.5%改善し、粗利額は同15.7%増加。媒体費や運賃増など販管費も同11.7%増加したが吸収し、営業利益は同52.6%増の157億円と大幅増益となった。助成金収入、デリバティブ評価損の減少等で経常利益は同62.8%増の168億円。売上、利益ともに期初計画を大きく上回り、21年1月に公表した2回目の修正計画も上回った。

     

  • 22年3月期の売上高は前期比19.1%増の2,460億円、営業利益は同11.2%増の175億円の予想。通信販売業界は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による消費者の生活様式や購買志向の変化による需要拡大が継続すると見ている。総合通販事業は今期も大幅な増収を予想。呉服関連事業、プロパティ事業の回復を見込んでいる。配当は前期比2.5円増配の19.00円/株の予定。予想配当性向は14.7%。今期は第4次経営計画の最終年度であり、第5次経営計画へ向けて着実に目標をクリアしていく考えだ。

     

  • ここ数期低迷していた主力の総合通販事業であったが、ネット販売も含めて巣ごもり需要を確実に取り込み、また事業効率の改善も進んだことで大幅な増収増益となった。今期も総合通販は2桁増収で増益を見込んでおり、牽引役としての活躍が期待される。

     

  • 加えて、呉服関連事業の立ち上がりも注目される。今期の増収・黒字転換のみでなく、2025年3月期売上高3,100億円を目指すにあたり、4年間の予想CAGRが11.8%の呉服関連事業は、総合通販事業、プロパティ事業とともに欠くことのできないピースとなっている。現在着物を着ている層ではなく、潜在的に着物に関心を持っている層のニーズをいかに顕在化できるか、サンセットインダストリーからサンライズインダストリーへの転換を目指す同社の挑戦及び進捗を注視していきたい。

     

1.会社概要

総合通信販売大手。取扱商品を特定ジャンルに絞った専門通信販売も手掛けるほか、店舗販売事業、通販事業で培ったノウハウやインフラを法人に提供するソリューション事業なども展開。ミセス層を中心とした顧客データベース、ポートフォリオ経営による安定的な収益性と成長性などが強み・特長。M&Aも積極的に展開。

 

【1-1 沿革】

1968年に現・代表取締役社長である安野清氏が、印鑑の訪問販売「友華堂(ゆうかどう)」として創業。その後、衣料品の通信販売を皮切りに、食品、化粧品など取り扱いジャンルを拡大し、専門通販事業も展開するのに並行し、通販顧客を対象としたファイナンス事業、プロパティ事業、店舗販売事業、ソリューション事業など事業ポートフォリオの拡充も進めてきた。2000年3月、東証1部に指定替え。M&Aも積極的に展開し事業基盤のさらなる強化を進めている。

 

【1-2 経営理念】

◎経営理念

わが社の事業の原点

 

わが社は国際的視野に立って、地域に生活するより多くのお客さまの、衣食住遊を豊かにする商品及びサービスを他社に先がけて提案し、より高い利便性、経済性、ファッション性、アソートメントを他社より優れたシステムと企画力で提供して、お客様の生活と幸せの向上に貢献する。

わが社の求める社員像

 

わが社の人材は何事に対しても、明るく、ポジティブに取組み、お客様の満足とより良い仕事にこだわり(責任を持ち)、困難から逃げることなく、自分の能力とキャパシティを拡げ、信頼を高めるため常に挑戦する。

わが社の目指す企業像

 

わが社は国際的視野で、衣食住遊分野の事業を他社との競合で圧倒的優位に展開し、安定性、成長性、継続性、収益性とイメージをより高め、有能な人材の集まるエクセレント企業を実現し社会に貢献する。

 

また、同社ではベルーナ社員としての心の在り方を示す「Basic Mind」、行動規範である「Basic Action」を定めている。「当事者意識」、「利益意識」、「ゲーム感覚」、「ポジティブ思考」、「成長意欲」からなるBasic Mind、「1.情報の収集」、「2.事例研究」、
「3.データの活用」、「4.仮説検証」、「5.他者活用」、「6.知的理解」、「7.討議」、「8.報告、連絡、相談」からなるBasic Action(8か条)は、ベルーナ社員が課題に向き合った際に常に立ち戻るべき原点となっている。
この他、多くの成長企業に共通する成長要因として「CCBSKKKS」(C:チェンジ C:チャレンジ B:ブラッシュアップ S:スピード K:気付き K:改善 K:客指向・客密着 S:SAクラス企業事例研究)を挙げ、自らの成長のためのチェックポイントとして認識している。

 

【1-3 市場環境・同業他社】

総合通販の同業他社であるスクロール、千趣会との比較では、売上及び時価総額規模はトップで、利益率は高い。
PER、PBR上昇のためには成長戦略のより一層の理解促進が必要となろう。

 

◎主要通販各社比較

コード

社名

売上高

増収率

営業利益

増益率

営業利益率

ROE

時価総額

PER

PBR

3092

ZOZO

162,600

+10.3

47,800

+8.3%

29.4%

68.8%

1,111,011

32.7

19.6

4921

ファンケル

109,000

-5.1%

12,000

+3.7%

11.0%

11.7%

462,753

52.9

6.1

4927

ポーラ・オルビスHLD

190,000

+7.8%

19,000

+38.2%

10.0%

2.6%

672,743

57.5

6.3

8005

スクロール

80,000

-

3,900

-

4.9%

21.6%

30,234

10.8

1.1

8165

千趣会

76,000

-8.7%

1,000

-

1.3%

-10.6%

19,573

15.0

0.5

9997

ベルーナ

246,000

+19.1%

17,500

+11.2%

7.1%

10.3%

89,756

7.1

0.8

*単位:百万円、円、倍。売上高、営業利益は今期会社予想。ROEは前期実績。時価総額、PER、PBRは2021年7月14日終値ベース。

 

【1-4 事業内容】

(1)セグメント
中核事業である総合通販事業を始め、専門通販事業、店舗販売事業、ソリューション事業、ファイナンス事業、プロパティ事業、その他の事業の7セグメントで構成されている。総合通販事業と専門通販事業が全売上の約7割を占める。
なお、2022年3月期より、事業内容をより明確にするため、「総合通販事業」「化粧品健康食品事業」「グルメ事業(ワイン、日本酒を含む)」「ナース関連事業」「データベース活用事業」「呉服関連事業」「プロパティ事業」「その他の事業」の8セグメントに再編している。

 

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

 

➀総合通販事業
◎概要
衣料品、ファッション雑貨、インテリアなど多彩な商品を、インターネット(PC、スマートフォン)を中心に、カタログ・チラシを通じて受注・販売している。

 

(インターネット通販サイト、スマートフォンアプリ)

 

 

 

(主要カタログ)

(同社HPより)

 

◎会員属性
2021年3月末現在の登録会員数は2,140万人で、そのうち40代以上のミセス層が約8割を占める。
ミセス層の中心年代である65歳~69歳の女性会員数を日本の人口と比較すると、およそ3人に1人以上(36.1%)がベルーナの登録会員であり、圧倒的なシェアを有している。

 

(同社資料より)

 

登録会員のうち2年以内に商品を購入した会員である「稼働会員数」は2021年3月期で559万人。
着実に会員数は増加している。

 

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

 

同社は社内に約70名のマーチャンダイザーを擁しており、大手スーパーマーケットや女性向けファッション衣料販売店に比べてファッション性の高い商品を提供している。特に、加齢とともに変化するミセスの体形カバーを意識したデザイン性は、ユーザーから高く評価されている。
また50代から70代を対象とした他社にはない豊富なカタログをラインアップしている。こうした点が、ミセス層からの圧倒的に高い支持獲得につながっている。

 

◎顧客セグメント
女性顧客層を年齢別に、50代以上の「ミセス」、40代向けの「ラナン」、30代向けの「ジーラ」の3つにセグメント化。各年代の嗜好、ニーズにきめ細かく対応した商品を提供している。

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

 

◎EC化への取り組み
これまでの取り組み強化の結果、現在ではネット通販が新規顧客獲得の主動線となっている。
21年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大によるいわゆる「巣籠り需要」も取り込み、EC化率は大きく上昇した。

 

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

 

 

➁専門通販事業
特定ジャンルを専門的に扱うことで商品展開や価格、サービスに特徴を持たせているため顧客の囲い込みが容易で、リピートオーダーを獲得している。

 

主要ジャンル

カタログ、サイト

概要

食品・花・ワイン

ベルーナグルメ

食品と花を扱っており、単品販売のみでなく、月に一回商品を届ける「頒布会」やお中元などの「ギフト」など多様な販売形態を展開している。

My Wine CLUB

現地から直輸入した日本ではめずらしいワインを取り揃え、国内におけるワイン通販売上シェア調査では、12年連続1位を獲得している。(2008年度~2019年度)

化粧品

オージオ

安全性を追求した洗顔・化粧水・乳液といった化粧品やサプリメントを扱っている。18種類のアミノ酸やコラーゲン、ヒアルロン酸などで構成され、ハリ・ツヤ・弾力・うるおいを与える卵殻膜を使用した「卵殻膜美容液:ビューティオープナー」は国内売上No.1である。

なちゅライフ

オールインワン化粧品を中心に扱っている。特に、肌にやさしい植物原料を主成分とした商品を提供している。年齢肌の為のオールインワン化粧品「ローヤルゼリーもっちりジェル」は累計販売個数が1,100万個を突破した。オージオを合わせ、台湾など海外市場開拓にも取り組んでいる。

サプリメント

リフレ

厳選された素材を用いた健康食品やサプリメントを扱っている。ミセス層が健康で楽しい生活を送れるよう、シニアに寄り添った商品開発に取り組んでいる。また、食の安全性や製品の品質確保、健康被害防止などにも注力している。

看護師向け通販

ナースリー

アンファミエ

リーズナブルな価格が強みの「ナースリー」、豊富な品揃えや他社ブランドとのコラボレーション商品が魅力の「アンファミエ」の2つを展開しており、看護師向け通販市場では圧倒的なシェアを占めている。

 

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

 

◎EC化への取り組み
各カテゴリーともEC比率の上昇がめざましい。新規顧客獲得に関しては、大半がネット通販経由となっている。

 

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

 

➂店舗販売事業
通販・インターネット・店舗の各チャネルの相乗効果を狙い、通信販売ではアプローチできない顧客をターゲットとし、和装とアパレルの店舗をショッピングセンターやショッピングモールに出店している。

 

和装では、着物や和装関連商品を販売する「BANKAN」および「わものや」に加え、2018年6月には、「さが美グループホールディングス株式会社」を連結子会社とした。
さが美グループホールディングスは、「さが美」と「東京ますいわ屋」の2ブランドで店舗を運営しており、きものの文化や取り扱いに関する知識やノウハウが豊富で、着付けのスキルも高い点が特長。
客単価の高い和装店舗「BANKAN」および「わものや」で培ってきた収益性の高さが特徴で、現在、さが美での浸透を図っている。また着物を持たない若い女性を啓蒙活動を通じて顧客に育成することにも取り組んでいる。

 

アパレルでは、40代~50代女性を主なターゲットとしたカジュアル衣料品を低価格で提供する「BELLUNA」を運営している。

 

2021年3月末現在の店舗数は和装店舗91店舗(「BANKAN」、「わものや」合計)、アパレル店舗86店舗の合計177店舗。

 


(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

 

➃ソリューション事業
長年の通販事業で培ったノウハウやインフラを活用して、「封入同送サービス」、「通販代行サービス」を法人向けに提供している。
封入同送サービスでは、ベルーナが保有する膨大な顧客データベースを活用して、クライアント企業のチラシやサンプルなどの販促物を商品やカタログに同梱して配送する。クライアント企業のニーズに合わせて対象をセグメントし、ターゲットを絞り込むことも可能であり、クライアント企業にとっては効果的なプロモーションが期待できる。
通信販売を行う企業に対して、ベルーナのインフラとノウハウを含む一連の機能を受託するのが「通販代行サービス」。
物流センターでの入荷・出荷・ストックに加え、インバウンド・アウトバウンド双方のコールセンター業務までトータルに受託している。 
通販事業に新規参入する企業でも、自前のインフラを備える必要がなく、スピーディかつ安価に商品やサービスを提供することが可能となる。

 

➄ファイナンス事業
通販で培ったデータベースを活用した消費者金融事業。
主として通販利用者に対し、チラシを同封するなど融資の案内を行っている。過去の購買行動及び支払い状況をデータとして把握しているため与信力は高く、融資残高が順調に拡大する一方、貸倒率は他社よりも低い。
通販利用者を対象としているため集客コストが低い点も高い収益性につながっている。

 

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

 

➅プロパティ事業
オフィスビルなどの不動産賃貸やホテル事業などを展開している。

 

➆その他の事業
百貨店や生協に向けた卸売事業を行っている。また、保険事業も展開している。

 

【1-5 特長と強み】

➀約40年の通販事業で培ったミセス層を中心とした顧客データベースやノウハウ
事業内容の項で触れたように、同社の2,000万人を超す登録会員のうち、約8割が40代以上の女性、ミセス層。
ミセス層の中心年代である65歳~69歳の女性会員数を日本の人口と比較すると、3人に1人以上、36.1%がベルーナの登録会員である。

 

約40年にわたる通販事業で培った強力な顧客データベースやノウハウは、同社企業価値創造の源泉であり、大きな特徴である。中核事業の通信販売事業においては、販売実績、購買行動、アンケートを通じた顧客の要望などをベースに、ニーズに合致した商品を提案することでミセス層の顧客から強い支持を得ている。
また、ファイナンス事業ではまさにデータベースを活用して安定的に売上、利益を生み出しており、ソリューション事業においては、顧客データベースやノウハウ、インフラを外部に提供することで新たな事業機会を創出している。

 

②新たなる成功モデルの構築、チャレンジ
挑戦を重んじる企業風土の下、現状に満足することなく、新しい成功モデルの構築に取り組み、実績を積み上げている。

 

総合通販においては2018年に立ち上げた若年層向けファッションECモール「リュリュモール」は受注、流通総額とも拡大が続いている。専門通販においては、「卵殻膜美容液」ビューティオープナーは国内売上No.1まで成長するなど、新製品の収益寄与も始まっている。

 

今後は、メンズ通販の強化、シャンパンの取り扱いを拡大させるほか、看護師に加えてマーケットが大きい介護士向けの通販にも本格参入する。
また、ネット通販の更なる強化に向けたM&Aにも積極的に取り組んでいく。

 

③ポートフォリオ経営による安定的な収益性と成長性
同社を特徴づけるもう一つの側面が、通信販売で培った経営資源を有効活用し多角的に事業を展開することで、安定的な成長性、収益性を実現する「ポートフォリオ経営」というビジネスモデル。
これによって、社会情勢や経済動向といった環境変化のリスクを分散しつつ、それぞれの事業が一つ一つの柱としてその強みを発揮するとともに、事業間の相乗効果を生み出して安定した収益性、成長性を実現している。

 

【1-6 株主還元】

業績の状況および中期的な成長のための戦略的な投資を勘案した上で、配当を決定している。今期21年3月期の配当予定額は1株当たり16円。前年より1円増配予定。また、以前より株主優待制度を実施し、毎年3月末・9月末の100株以上保有株主に対して、年2回贈呈しているが、株主に対する感謝の意を表するとともにより多くの株主に理解を深めてもらうことを目的とし、2017年11月、株主優待制度の拡充を発表、選択内容に、ベルーナネットで使用できる優待クーポンを追加した。優待対象基準や発行時期、有効期限には変更は無い。

 

 

100株以上

500株未満

500株以上

1,000株未満

1,000株以上

「総合通販の優待券」

「ネット専用優待クーポン」

「自社取扱商品(食品またはワイン)」の3つから1つを選択

1,000円分

3,000円分

5,000円分

裏磐梯レイクリゾート宿泊優待券

1枚

2枚

4枚

ルグラン旧軽井沢宿泊優待券

1枚

1枚

1枚

*ルグラン旧軽井沢の宿泊優待券は年1回(12月上旬発行分のみ)の贈呈。

 

【1-7 ROE分析】

 

14/3期

15/3期

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

ROE (%)

10.0

8.4

4.4

7.0

10.9

10.8

5.8

10.3

 売上高当期純利益率(%)

5.59

5.30

2.69

3.97

5.98

5.82

3.26

5.34

 総資産回転率(回)

1.02

0.85

0.84

0.86

0.86

0.87

0.81

0.87

 レバレッジ(倍)

1.75

1.85

1.97

2.06

2.12

2.13

2.22

2.21

 

売上高当期純利益率が上昇し21年3月期のROEは2桁台に回復した。第四次経営計画の最終年度となる22年3月期10.5%を目標としている。総資産回転率を改善させることができれば、更に高水準のROEを実現できるだろう。

 

2.2021年3月期決算概要

【2-1 連結業績概要】

 

20/3期

構成比

21/3期

構成比

前期比

計画比1

計画比2

売上高

179,948

100.0%

206,499

100.0%

+14.8%

+18.0%

+3.2%

売上総利益

105,062

58.4%

121,556

58.9%

+15.7%

-

-

販管費

94,751

52.7%

105,821

51.2%

+11.7%

-

-

営業利益

10,311

5.7%

15,734

7.6%

+52.6%

+124.8%

+12.4%

経常利益

10,365

5.8%

16,872

8.2%

+62.8%

+116.3%

+14.0%

当期純利益

5,862

3.3%

11,036

5.3%

+88.3%

+112.2%

+5.1%

*単位:百万円。売上総利益は差引売上総利益。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。計画比1、計画比2はそれぞれ期初計画及び21年1月発表修正計画に対する比率。

 

増収・増益。売上、利益とも修正計画を上回る。
売上高は前期比14.8%増の2,064億円。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり需要を取り込み、総合通販、専門通販が好調。店舗販売は集客数減で減収。
粗利率が0.5%改善し、粗利額は同15.7%増加。媒体費や運賃増など販管費も同11.7%増加したが吸収し、営業利益は同52.6%増の157億円と大幅増益となった。助成金収入、デリバティブ評価損の減少等で経常利益は同62.8%増の168億円。
売上、利益ともに、21年1月に公表した2回目の修正計画も上回った。

 

 

【2-2 セグメント別動向】

 

20/3期

構成比

21/3期

構成比

前期比

計画比1

計画比2

売上高

 

 

 

 

 

 

 

総合通販事業

73,378

40.8%

89,675

43.4%

+22.2%

+197.0

+17.8

専門通販事業

49,774

27.7%

64,909

31.4%

+30.4%

+117.9

+26.4

店舗販売事業

30,402

16.9%

24,276

11.8%

-20.1%

-14.4

-2.7

ソリューション事業

8,330

4.6%

10,676

5.2%

+28.2%

+15.2

+3.6

ファイナンス事業

4,396

2.4%

4,617

2.2%

+5.0%

+0.6

+0.2

プロパティ事業

8,690

4.8%

6,983

3.4%

-19.6%

-24.9

+1.8

その他の事業

5,943

3.3%

6,281

3.0%

+5.7%

-6.2

+2.6

調整額

-968

-

-920

-

-

-

-

合計

179,948

100.0%

206,499

100.0%

+14.8%

+315.0

+65.0

営業利益

 

 

 

 

 

 

 

総合通販事業

1,713

2.3%

5,309

5.9%

+209.9%

+54.3

+6.1

専門通販事業

3,906

7.8%

6,907

10.6%

+76.8%

+24.1

+4.9

店舗販売事業

310

1.0%

-1,612

-

-

+3.6

+0.1

ソリューション事業

2,652

31.8%

3,033

28.4%

+14.4%

+4.4

+3.0

ファイナンス事業

1,874

42.6%

2,445

53.0%

+30.5%

+2.1

-1.5

プロパティ事業

658

7.6%

6

0.1%

-99.1%

-2.6

-0.3

その他の事業

-392

-

73

1.2%

-

-1.5

+2.4

調整額

-410

-

-429

-

-

-

-

合計

10,311

5.7%

15,734

7.6%

+52.6%

+87.3

+17.3

*単位:百万円。計画比は億円。利益の構成比は売上高利益率。計画比1、計画比2はそれぞれ期初計画及び21年1月発表修正計画に対する増減。

 

◎総合通販事業
増収増益。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、雑貨類やホームウェアを中心に通販需要の高まりを取り込んだ。期初は損失を予想していたが増収により原価率及び媒体比率が改善し大幅な増益。

 

◎専門通販事業
増収増益。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、看護師向け通販事業及びグルメ・ワイン事業を中心に好調に推移した。

 

◎店舗販売事業
減収、損失計上。
新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたディベロッパーの方針による営業時間短縮や臨時休業の影響を受けた。

 

◎ソリューション事業
増収増益。
通販代行サービス及び封入・同送サービスが共に好調に推移したことに加え、新たに子会社化したJOBSTUDIOPTE.LTD.が寄与した。

 

◎ファイナンス事業
増収増益。
国内消費者金融事業の貸付金残高が増加した。新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み広告宣伝を抑制した。

 

◎プロパティ事業
減収減益。
ホテル事業において、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた行政機関による日本国内における移動制限の影響や外国人の入国規制の影響を受けた。

 

◎その他の事業
増収、黒字転換。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ゴルフ場運営事業、飲食店事業、宿泊予約事業などが苦戦したが、衣装レンタル事業を展開する(株)マイムにおいて、前期と比較し、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるキャンセルが縮小し黒字化した。

 

【2-3 財務状態とキャッシュ・フロー(CF)】

◎主要BS

 

20年3月末

21年3月末

 

20年3月末

21年3月末

流動資産

103,683

115,534

流動負債

50,135

55,645

現預金

22,788

30,778

仕入債務

18,225

22,250

売上債権

9,391

10,242

短期借入金

12,046

5,909

たな卸資産

22,313

23,416

固定負債

70,467

71,334

固定資産

119,445

124,677

長期有利子負債

65,774

66,797

有形固定資産

88,651

92,558

負債合計

120,602

126,980

無形固定資産

11,827

10,904

純資産

102,525

113,231

投資その他

18,966

21,213

利益剰余金

85,177

94,667

資産合計

223,128

240,211

負債純資産合計

223,128

240,211

単位:百万円

 

現預金、有形固定資産増加等により資産合計は同170億円増加の2,402億円となった。仕入債務の増加などで負債合計は同63億円増加の1,269億円。利益剰余金増などで純資産は同107億円増の1,132億円。この結果、自己資本比率は前期末から1.2ポイント上昇し46.9%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

20/3期

21/3期

増減

営業CF

6,624

20,772

+14,148

投資CF

-11,108

-5,185

+5,923

フリーCF

-4,484

15,587

+20,071

財務CF

5,712

-6,996

-12,708

現金同等物残高

22,292

30,958

+8,666

単位:百万円

 

税金等調整前四半期純利益の増加などで営業CFのプラス幅は拡大し、フリーCFはプラスに転じた。
短期借入金の減少などで財務CFはマイナスに転じた。キャッシュポジションは上昇した。

 

3.2022年3月期業績見通し

【3-1 通期業績予想】

 

21/3期

構成比

22/3期(予)

構成比

前期比

売上高

206,499

100.0%

246,000

100.0%

+19.1%

営業利益

15,734

7.6%

17,500

7.1%

+11.2%

経常利益

16,872

8.2%

18,200

7.4%

+7.9%

当期純利益

11,036

5.3%

12,500

5.1%

+13.3%

*単位:百万円。予想は会社側発表。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。

 

増収増益を予想
売上高は前期比19.1%増の2,460億円、営業利益は同11.2%増の175億円の予想。
通信販売業界は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による消費者の生活様式や購買志向の変化による需要拡大が継続すると見ている。
総合通販事業は今期も大幅な増収を予想。呉服関連事業、プロパティ事業の回復を見込んでいる。
配当は前期比2.5円/株増配の19.00円/株の予定。予想配当性向は14.7%。
今期は第4次経営計画の最終年度であり、第5次経営計画へ向けて着実に目標をクリアしていく考えだ。

 

 

【3-2 セグメント別動向】

 

21/3期

22/3期(予)

前期比

売上高

 

 

 

総合通販事業

996.3

1,199.8

+20.4%

化粧品健康食品事業

182.9

186.0

+1.7%

グルメ事業

(ワイン、日本酒を含む)

271.5

280.0

+3.1%

ナース関連事業

159.4

157.5

-1.2%

データベース活用事業

141.8

143.2

+1.0%

呉服関連事業

214.4

256.8

+19.7%

プロパティ事業

69.8

212.5

+204.2%

営業利益

 

 

 

総合通販事業

52.6

57.6

+9.5%

化粧品健康食品事業

26.4

19.3

-26.9%

グルメ事業

(ワイン、日本酒を含む)

21.5

19.8

-7.9%

ナース関連事業

17.7

14.9

-15.8%

データベース活用事業

55.0

49.4

-10.2%

呉服関連事業

-10.6

3.5

-

プロパティ事業

0.1

16.5

-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*単位:億円。利益の構成比は売上高利益率。

 

4.経営方針と取り組み

売上高3,000億円、営業利益300億円を通過点に通信販売総合商社の熟成を目指すことを中長期方針としている。

 

【4-1 第5次経営計画】

来期2023年3月期から2025年3月期までの3年間の第5次経営計画の最終年度目標は以下の通り。

 

2025年3月期目標

売上高

3,100億円

CAGR 9.2%

営業利益

280億円

CAGR 18.3%

ROE

10%以上

-

 

第5次経営計画の足掛かりとすべく、第4次経営計画の最終年度となる今期の予算を達成する考えだ。

 

(1)今期および第5次経営計画

事業内容

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

総合通販事業

1,199.8

57.6

1,331.3

67.2

1,417.5

73.2

1,514.7

81.2

化粧品・健康食品事業

186.0

19.3

206.3

21.4

230.3

23.4

256.3

26.0

グルメ事業(ワイン・酒含む)

280.0

19.8

303.8

21.1

347.0

23.3

369.8

26.5

ナース関連事業

157.5

14.9

169.4

17.6

181.7

19.8

197.0

22.0

データベース関連事業

143.2

49.4

150.2

49.8

168.7

54.1

189.8

58.6

呉服関連事業

256.8

3.5

277.2

12.0

303.7

17.4

335.1

21.2

プロパティ事業

212.5

16.5

157.1

13.5

215.8

36.7

219.1

40.2

その他事業+調整

22.2

-6.4

4.7

-2.4

35.5

2.0

18.3

4.3

合計

2,460.0

175.0

2,600.0

200.0

2,900.0

250.0

3,100.0

280.0

*単位:億円

 

(2)第5次経営計画の考え方
以下5点に注力する。

 

1.各セグメント目標の達成
2. SNSを含むネット化の推進
3. ポートフォリオ(柱を太く強く)の熟成
4. 実践的人材の強化、育成
5. シナジー効果を狙ったM&Aの推進

 

【4-2 各セグメントにおける取り組み】

新セグメントにおける現在の状況、成長に向けた取り組みは以下のとおり。商品力の向上が必要と考えている。

 

(1)総合通販事業

事業内容

21/3期(実績)

22/3期(予算)

売上

営業利益

売上

営業利益

総合通販事業

・ミセス層を中心にカタログ、ネットで商品展開

・若年層はモール展開を2018年よりスタート

・メンズやハード商品の通販も展開

869.9

52.6

1,042.1

51.2

ミン・アイシーネット・丸長(ネット専業通販)

・ミン :ビッグサイズアパレル通販

・アイシーネット:ブランド通販

・丸長 :雑貨通

78.6

4.2

89.6

4.9

アパレル店舗

・ベルーナブランドにて全国展開(2020年3月 83店舗)

49.1

-3.8

68.2

1.5

合計

996.3

52.6

1,199.8

57.6

*単位:億円

 

(足元の状況・今期の見込み)

紙媒体が好調だったことに加え、ネットシフトが大きく進んだ。

若年層向けファッションECモール「リュリュモール」も拡大見込みで、ネット通販へのシフトチェンジが進んでいる。

前期に引き続き今期も20%成長を見込む

前期は収益体質改善への取り組みと巣ごもり消費需要増加の影響を受けて業績は大きく伸長した。

 

今期については好調な新規顧客獲得の状況を受けて成長性を重視した展開とし、5次経営計画へ向けての土壌づくりの年と位置付けている。

新規獲得効率の改善と在庫回転数及び原価率の改善に取り組む。

 

1.ネットの成長
EC受注金額、リュリュモール流通金額ともに大幅に上昇した。ネットの成長性は高く、今期も成長性を維持する見通し。

 

2.新規獲得効率の改善
獲得効率を高めるパターンを作ることができた。今期も効率は前期同水準の見通し。

 

3.在庫回転数と原価率の改善
前期も原価率低減と在庫回転数悪化の抑制を同時達成することができた。今期も改善トレンドが続く見通しである。

 

事業内容

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

総合通販事業

・ミセス層を中心にカタログ、ネットで商品展開

・若年層は2018年よりモール展開を開始

・メンズやハード商品の通販も展開

1,042.1

51.2

1,155.0

57.1

1,218.7

61.0

1,289.0

66.6

ネット専業通販

・ミン :ビッグサイズアパレル通販

・アイシーネット:ブランド通販

・丸長 :雑貨通

89.6

4.9

101.9

6.0

117.9

7.7

138.4

9.7

アパレル店舗

・ベルーナブランドにて全国展開(2021年3月 86店舗)

68.2

1.5

74.3

4.1

80.8

4.5

87.3

5.0

合計

1,199.8

57.6

1,331.3

67.2

1,417.5

73.2

1,514.7

81.2

*単位:億円

 

(今後の注力点)
ブランディング強化とネットシフトを強化し、安定した成長性収益性を確保する。

 

(2)化粧品健康食品事業

事業内容

21/3期(実績)

22/3期(予算)

売上

営業利益

売上

営業利益

化粧品事業(オージオ・なちゅライフブランド)

・化粧品通販事業

・アジアでの越境ECを展開

・ネットと海外が成長ドライバー

150.6

20.8

150.0

15.0

健康食品事業

・リフレブランドにて展開

・ぐっすりずむは4年連続モンドセレクション金賞

43.7

5.7

36.0

4.3

合計

182.9

26.4

186.0

19.3

*単位:億円

 

(足元の状況・今期の見込み)

国内でのEコマースの伸長と好調な化粧品事業のアジア展開により前期は業績を大きく伸ばした。

今期は国内のネット広告規制の影響もあり、売上は横ばいを見込む、

 

オージオは、EC比率が52.3%まで上昇(17年3月期は13.2%)。海外事業展開も順調。国内は新商品開発・投下を加速し、海外展開を更に強化する。

 

国内外でローヤルゼリーもっちりジェルが大ヒット。累計販売個数は1,100万個を突破した。
卵殻膜美容液も好調で、累計販売個数400万個を突破し、国内売上No1となっている。

 

事業内容

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

化粧品事業

・化粧品通販事業

・アジアでの越境ECを展開

・ネットと海外が成長ドライバー

150.0

15.0

165.0

16.5

181.5

18.2

200.0

20.0

健康食品事業

・リフレブランドにて展開

36.0

4.3

41.3

4.9

48.8

5.3

56.3

6.0

合計

186.0

19.3

206.3

21.4

230.3

23.4

256.3

26.0

*単位:億円

 

(第5次経営計画のポイント)
1.商品力の拡充の強化
(1)新しいターゲットにチャレンジ(20代~30代向け)する。
(2)クロスセリング用の商品開発

 

2.ブランドイメージの向上
(1)マスメディアの活用
(2)店舗販売の再開

 

3.海外戦略の推進
(1)東南アジア市場の開拓
①台湾・香港・中国市場の育成
②マレーシア・シンガポール・ベトナム市場にチャレンジ

 

(3)グルメ事業(ワイン、日本酒を含む)

事業内容

21/3期(実績)

22/3期(予算)

売上

営業利益

売上

営業利益

ワイン通販事業

マイワインクラブ・ワイン通販売上12年連続No1

87.7

10.5

100.0

9.8

日本酒通販事業

ベルーナグルメ・日本酒通販売上4年連続No1

44.5

3.0

52.0

3.3

グルメ事業

・弁当やお歳暮、おせち等食品通販を展開

・ベルーナグルメ・おせちの結いは総販売台数実績40万台超

134.0

8.3

128.0

6.7

合計

271.5

21.5

280.0

19.8

*単位:億円

 

(足元の状況・今期の見込み)

ワインは直輸入商品がネットにおいて高評価。ネット比率50%を超えた。通販市場シェアNo1の規模を活かした価格訴求もあり、リピート率は安定している。

ワイン、日本酒は足元も好調。引き続き増収トレンドの継続を見込んでいる。

 

世界の選りすぐりワイン11本セットは、2020年度セットワイン販売数日本一を獲得した。
日本酒の販売本数は、21年3期 200万本を突破した。今期も商品ラインナップの拡充、新商品開発を進め、通販売上5年連続No1を目指す。
おせち「結」は21年3月期 11万2千台を販売した。

 

事業内容

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

ワイン通販事業

マイワインクラブ・ワイン通販売上12年連続No1

100.0

9.8

105.8

10.3

117.5

11.4

129.8

12.6

日本酒通販事業

ベルーナグルメ・日本酒通販売上4年連続No1

52.0

3.3

60.0

4.2

70.0

5.6

80.0

7.2

グルメ事業

・弁当やお歳暮、おせち等食品通販を展開

・ベルーナグルメ・おせちの結いは総販売台数実績40万台超

128.0

6.7

138.0

6.5

159.5

6.2

160.0

6.7

合計

280.0

19.8

303.8

21.1

347.0

23.3

369.8

26.5

*単位:億円

 

(今後の注力点)
ワイン、日本酒の事業に関しては品質強化、ラインナップ強化、ブランド力強化を推進し、業界No1の地位をさらに強化する。

 

(4)ナース関連事業

事業内容

21/3期(実績)

22/3期(予算)

売上

営業利益

売上

営業利益

ナースリー

(看護師向け通販業界No2)

61.4

6.9

65.5

6.0

アンファミエ

(看護師向け通販業界No1)

87.1

11.5

75.8

8.5

ナースキャリアネクスト

(看護師の人材紹介事業)

1.5

-1.5

2.9

-0.7

JOBSTUDIO

(シンガポールでの人材紹介事業)

9.5

1.3

13.3

1.1

合計

159.4

17.7

157.5

14.9

*単位:億円

 

(足元の状況・今期の見込み)

前期は新型ウィルスの影響により医療用消耗品中心に医療従事者向けだけでなく一般個人の顧客にも販売好調だった

医療従事者顧客のリピート性は高く、来期以降も継続を見込んでいる。

 

ナース関連事業はEC化が進んでいる。アンファミエ、ナースリーで市場シェアの大半を占めており、今後もEC化と安定成長を見込んでいる。また、SPA企業としての強みを活かし介護市場にも進出する計画だ。
販売数上位はオリジナル商品が独占しており、SPA生産により品質と価格を両立することで高リピートを実現している。

 

事業内容

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

ナースリー

(看護師向け通販業界No2)

65.5

6.0

68.2

6.3

73.7

7.0

80.6

7.7

アンファミエ

(看護師向け通販業界No1)

75.8

8.5

81.9

9.4

86.0

10.5

90.3

10.8

ナースキャリアネクスト

(看護師の人材紹介事業)

2.9

-0.7

4.7

0.7

5.9

1.1

8.8

2.1

JOBSTUDIO

(シンガポールでの人材紹介事業)

13.3

1.1

14.7

1.2

16.0

1.3

17.3

1.4

合計

157.5

14.9

169.4

17.6

181.7

19.8

197.0

22.0

*単位:億円

 

(今後の注力点)
看護師向け通販の安定性に加えて、介護士向けの通販にも本格参入する。マーケットは大きい為、勝ちパターンの構築にチャレンジする。
海外展開に関してもJOB STUDIOを足掛かりに物販の展開を含めて進めていく。

 

(5)データベース活用事業

事業内容

21/3期(実績)

22/3期(予算)

売上

営業利益

売上

営業利益

ファイナンス

(会員向け消費者金融事業)

46.2

24.5

46.4

20.0

BD

(封入・同送同梱事業)

33.4

23.2

33.9

22.9

BBS事業

(コールセンター・物流の受託事業)

64.1

7.2

63.0

6.5

合計

141.8

55.0

143.2

49.4

*単位:億円

 

(足元の状況・今期の見込み)

前期は外部環境の変化もあり、期末融資残高は減少した。

ベルーナダイレクト:前期は通販顧客の増加に応じて着実に増収増益を達成した。

BBS事業:自社インフラを活用した通販代行サービスで、通販ニーズを取り込み成長している。

 

BBS事業(コールセンター、物流センターの受託事業)は、リピート通販である健康食品や美容系通販を中心に展開している。
顧客の年間成長率は20%であることに加え、顧客の継続率は70%と高く、安定した成長基盤を有している。
コールセンターは通販事業に特化して展開することで高い応答率や、顧客リテンションを実現している。
物流センターもグループのスケールメリットを活かしたサービスを提供している。
顧客の成長ステージに合わせたパッケージの柔軟な変更を提案できるノウハウとコンサルティング力が強みである。

 

事業内容

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

ファイナンス

(会員向け消費者金融事業)

46.4

20.0

52.0

20.0

58.2

23.0

64.0

25.6

BD

(封入・同送同梱事業)

33.9

22.9

32.5

23.0

34.0

24.0

35.8

25.0

BBS事業

(コールセンター・物流の受託事業)

63.0

6.5

65.7

6.8

76.5

7.1

90.0

8.0

合計

143.2

49.4

150.2

49.8

168.7

54.1

189.8

58.6

*単位:億円

 

(今後の注力点)
ファイナンスはコロナが収束し落ち着いたら残高伸長を図り成長性を高めていく。
ベルーナダイレクトは通販顧客の増加に応じた着実な成長を図る。
BBS事業は新規顧客開拓及びインフラ拡大を進める。

 

(第5次経営計画のポイント)
1.ファイナンスはデータベース活用をはかり成長性に貢献する。
2.ベルーナダイレクトは総合通販成長に伴い提供する広告を拡大する。
3.BBSは通販業界マーケットの拡大に乗り積極的に営業を展開する。
4.総合通販に次ぐ収益性の大きな柱に育成する。
5.利益率30%前後で利益に貢献する。

 

(6)呉服関連事業

事業内容

21/3期(実績)

22/3期(予算)

売上

営業利益

売上

営業利益

BANKAN・わものや

(2007年当社創業の和装販売事業)

90.4

3.9

98.8

6.2

さが美

(2018年取得。中価格帯の和装販売事業)

73.3

-12.1

88.4

-6.1

東京ますいわ屋

(さが美と同時取得。高価格帯の和装販売事業)

30.9

-3.8

42.0

0.7

マイム

(大学生の卒業式袴レンタル)

20.8

1.7

27.5

2.7

合計

214.4

-10.6

256.8

3.5

*単位:億円

 

(足元の状況・今期の見込み)

BANKAN・わものやは減収減益ながら黒字を確保した。

今期はさが美の黒字化を目指して土壌づくりを推進する。

 

BANKANオリジナル着物「無地小紋」シリーズが年間販売数5,000反を突破した。
現在着物を着ている層ではなく、潜在的に着たい層にアプローチするエントリー商品で、着物を着る機会を定期的に提供する「着物を着る会」を店舗ごとに定期開催している。

 

事業内容

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

BANKAN・わものや

(2007年当社創業の和装販売事業)

98.8

6.2

107.6

9.0

117.0

11.0

126.6

12.7

さが美

(2018年取得。中価格帯の和装販売事業)

88.4

-6.1

92.7

0.0

103.5

2.2

118.8

3.7

東京ますいわ屋

(さが美と同時取得。高価格帯の和装販売

事業)

42.0

0.7

46.6

0.0

50.0

0.9

53.1

1.2

マイム

(大学生の卒業式袴レンタル)

27.5

2.7

30.3

3.0

33.3

3.3

36.6

3.7

合計

256.7

3.6

277.2

12.0

303.7

17.4

335.1

21.2

*単位:億円

 

(今後の注力点)
BANKANわものやモデルをグループに着実に浸透させて黒字化させる。
和装事業を新たな柱となるよう成長性、収益性を高め早期に10%の利益率の高収益モデルを作り上げる。

 

(第5次経営計画のポイント)
1.サンセットインダストリーからサンライズインダストリーへの転換に挑戦
*成長性にチャレンジ
*収益性にチャレンジ

 

2.ビジネスモデルを収益性の良いBANKANモデルに統一する
*大催事展示会での販売から店舗で販売し収益性を確保する。
*着物を持たない若い女性への啓蒙活動を通じて顧客に育成する。

 

3.ベルーナ系呉服事業のブランド名を統一(2022年5月予定)

 

4.収益性の大きな柱に育成

 

5.着物文化の振興に貢献

 

(7)プロパティ事業

事業内容

21/3期(実績)

22/3期(予算)

売上

営業利益

売上

営業利益

インカムゲイン

所有不動産(オフィス、店舗、太陽光等)の賃貸収入

25.6

11.8

22.0

12.4

キャピタルゲイン

不動産の開発、販売事業

0.0

0.0

95.9

21.4

ホテル事業

国内4ホテル、海外3ホテルを運営

39.6

-13.7

84.6

-19.3

その他

10.0

1.9

10.0

2.0

合計

69.8

0.1

212.5

16.5

*単位:億円

 

(足元の状況・今期の見込み)

ホテル事業は前期、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり大幅赤字となった

今期は引き続き上半期は新型コロナウイルス感染拡大の影響と、5ホテルの新規開業があることから開業コストを見込んでいる。

 

事業内容

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

インカムゲイン

所有不動産(オフィス、店舗、太陽光等)の賃貸収入

22.0

12.4

22.4

11.7

52.5

23.9

58.6

24.5

キャピタルゲイン

不動産の開発、販売事業

95.9

21.4

18.0

4.0

18.0

4.0

0.0

0.0

ホテル事業

国内4ホテル、海外3ホテルを運営

84.6

-19.3

106.4

-4.0

134.9

7.1

150.3

14.0

その他

10.0

2.0

10.3

2.1

10.3

2.1

10.3

2.1

合計

212.5

16.5

157.1

13.8

215.8

37.1

219.1

40.6

*単位:億円

 

(今後の注力点)
ホテル事業は23年3期以降国内ツーリズムの回復とインバウンドの復調を見込んでいる。
銀座で大型複合ビルの開業を24年3期に見込んでおり、収益性は一段と高まる見通しである。

 

5.今後の注目点

ここ数期低迷していた主力の総合通販事業であったが、ネット販売も含めて巣ごもり需要を確実に取り込み、また事業効率の改善も進んだことで大幅な増収増益となった。今期も総合通販は2桁増収で増益を見込んでおり、牽引役としての活躍が期待される。
加えて、呉服関連事業の立ち上がりも注目される。今期の増収・黒字転換のみでなく、2025年3月期売上高3,100億円を目指すにあたり、4年間の予想CAGRが11.8%の呉服関連事業は、総合通販事業、プロパティ事業とともに欠くことのできないピースとなっている。現在着物を着ている層ではなく、潜在的に着物に関心を持っている層のニーズをいかに顕在化できるか、サンセットインダストリーからサンライズインダストリーへの転換を目指す同社の挑戦及び進捗が注目される。

 

売上高の年平均成長率(21/3期―25/3期)

セグメント

CAGR

総合通販事業

+11.0%

化粧品・健康食品事業

+8.8%

グルメ事業(ワイン・酒含む)

+8.0%

ナース関連事業

+5.4%

データベース関連事業

+7.6%

呉服関連事業

+11.8%

プロパティ事業

+33.1%

合計

+10.7%

*インベストメントブリッジ計算

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

11名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2021年6月30日

 

<基本的な考え方>
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、取締役会が決定した方針のもと、執行役員が担当業務を執行する権限と責任を持つことで迅速化を図るとともに、経営の公正性及び透明性を高めることによりコンプライアンス体制、効率的な経営体制の確立を実現することにあります。また、社外の有識者も参加するコンプライアンス委員会を設置し、権限を付与することによって第三者の視座が経営判断に反映される体制を構築しております。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

《補充原則1-2-④》

 

当社の株主構成を勘案し、国内外問わず株主が議案の検討をしやすくするために、英文招集通知の開示を当社ホームページにて行っております。議決権電子行使プラットフォームの利用については今後検討していきます。

《補充原則4-10-①》

 

独立社外取締役は現時点で2名に留まりますが、各独立社外取締役とも、自身の高い専門的な知識と豊富な経験を活かして取締役会や各取締役へ意見を述べるとともに、必要に応じて助言を行っております。今後は、必要があれば独立社外取締役を主要な構成員とする任意機関を設置することも検討してまいります。

《補充原則4-11-3》

 

取締役会全体の実効性の分析・評価については、今後、取締役会の機能を向上させるという観点から、その具体的な評価手法も含め、引き続き検討してまいります。

 

 

<開示している主な原則>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則の実施状況につきましては、「コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取り組み」として次の当社ホームページ (コーポレート・ガバナンス)にて開示を行っております。

 

原則

開示内容

【原則 1-4】

当社は、取引先との良好な取引関係を構築し、事業の円滑な推進を図る為、主として取引先からの保有要請を受け、保有することがあります。なお、取引関係の強化によって得られる当社グループの利益と投資額等を総合的に勘案して投資可否については判断しております。また議決権行使については提案されている議案について株主価値の毀損につながるものではないかを確認し、投資先企業の状況等を勘案しております。

【基本原則5】

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外においても、株主との間で建設的な対話を行うべきであり、自らの経営方針を株主に分かりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行うべきと認識しております。そのため、IR体制を整備し、当社への理解を深めてもらうために、年2回の決算説明会に加えおよび個別IRや個人投資家向け会社説明会の実施を行うなど、投資家と積極的な対話を心がけております

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

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