ブリッジレポート
(7191) 株式会社イントラスト

スタンダード

ブリッジレポート:(7191)イントラスト 2021年3月期決算

ブリッジレポートPDF

 

桑原 豊 社長

株式会社イントラスト(7191)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

その他金融業(金融・保険業)

代表者

桑原 豊

所在地

東京都千代田区麹町1-4

決算月

3月

HP

https://www.entrust-inc.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

705円

22,357,522株

15,762百万円

20.8%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

12.00円

1.7%

37.35円

18.9倍

175.94円

4.0倍

*株価は6/2終値。各数値は21年3月期決算短信より。

 

非連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

2,951

772

752

508

23.02

7.00

2019年3月(実)

3,136

842

840

564

25.44

7.00

2020年3月(実)

3,626

1,021

1,026

687

30.93

9.00

2021年3月(実)

4,203

1,149

1,153

760

34.07

11.00

2021年3月(予)

5,000

1,270

1,275

835

37.35

12.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2018年3月、1株を2株に分割(EPSを遡及修正。DPSは配当実額)。

 

 

(株)イントラストの2021年3月期決算概要、22年3月期業績予想などについてと通期の見通しについて、お伝えします。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期決算概要
3.2022年3月期業績予想
4.中期経営計画(2022年-2024年) ~Road to the higher~
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 21年3月期の売上高は前期比15.9%増の42億3百万円。コロナ禍の影響で新規顧客の開拓に一部遅れがあったものの、家賃債務保証と医療費用保証の成長により2ケタの増収。売上総利益も同12.2%増加し21億26百万円。営業利益は同12.5%増の11億49百万円。営業及び新基幹システム入替えに係る人件費増加など、販管費も同11.8%増加したが、増収効果で吸収した。ほぼ修正予想(20年10月発表)通りの着地となった。

     

  • 22年3月期の売上高は前期比18.9%増の50億円、営業利益は同10.4%増の12億70百万円の予想。売上については前期の増収トレンドを上回る成長を目指す。また、長期的な成長に向けた投資を積極的に行うため、営業利益率は低下するものの、一定の営業利益を確保する考えだ。新型コロナウイルスの影響は上期中に影響を与え、その後緩やかに回復していくと想定している。投資によるコスト増は、新基幹システム関連(減価償却費)39百万円、コールセンター拡張54百万円、養育費保証の広告等先行投資(増額分)19百万円など。配当は、中間、期末それぞれ6.00円/株の年間合計12.00円/株(前期比1.00円/株増)を予定。予想配当性向は32.1%。

     

  • 「中期経営計画(2022年-2024年) ~Road to the higher~」を公表した。2024年3月期の目標を「売上高目標を80億円、営業利益20億円」と置いているが、更に高みを目指し、その後の売上100億円を達成するための準備の3年間との位置づけである。従来マーケットでは、賃貸不動産分野の更なる拡大のために家賃債務保証において新たな商品を導入するほか、新規マーケットでは成長に向けたビジネスモデルが確立できた医療分野に注力する。また、新規事業については、これまでのBtoBビジネスのみではなく、BtoCビジネスの可能性を追求する。また、これまでに培ってきたノウハウを横展開することで、「保証」の仕組み・商材を拡大し総合保証サービス会社としての成長を目指す。

     

  • 21年3月期はコロナ禍の影響で医療機関や介護施設等へのアクセスが制限される厳しい事業環境下ではあったが、主力の家賃債務保証と医療費用保証の成長によりほぼ計画通り2ケタの増収増益を達成した。今22年3月期も、先行投資を積極化するものの2ケタの増収増益を見込んでいる。中期経営計画で述べている新たな保証分野・商品がどのようなものかが大いに注目される。

     

     

     

1.会社概要

総合保証サービス会社として、賃貸住宅における家賃債務保証を中心に、病院における医療費用保証、介護施設における介護費用保証等、連帯保証人の代替商品として各種保証商品を幅広く展開。保証から派生したサービス商品の提供(ソリューション事業)にも力を入れており、保証を通じた社会への貢献を目指している。本社を東京に置き、仙台、秋田、富山、名古屋、大阪、福岡および横浜に拠点を有する。社名のイントラストは「責任・任務を信頼して任せる、金銭を預ける、仕事等を人に委ねる」という意味を持つ英語の“Entrust”に由来する。「総合保証サービス会社として、あらゆる分野においてお客様から全面的な信頼を得て業務をお預かりすることで、ご満足いただけるサービスを提供できる企業を目指す」という思いが込められている。

 

尚、2021年3月31日現在、東証1部に上場する(株)プレステージ・インターナショナル(4290)のグループ会社であるPrestige International(S) Pte Ltd.(シンガポール)が発行済株式数の56.84%を保有している。

 

 

【1-1 経営理念】

クライアント企業に三つの価値(喜び、安心、信頼)を提供する事を経営姿勢として掲げ、五原則(感動、挑戦、自覚、品格、活躍)に従って会社運営を行っている。また、会社の成長と社員の幸せがリンクしている会社を目指しており「社員全員がそれを実感できるのであれば、会社は必ず成長する」という考えの下、日々の仕事において、三つのモットー(明るく、楽しく、真剣に)を尊重している。

 

【1-2 事業概要】

総合保証サービスの単一セグメントの下、事業は、保証事業とソリューション事業に分かれる。保証事業では、同社が連帯保証人として契約に係る各種費用の滞納リスクをカバーすると共に、不動産管理会社等に対して、申込審査、督促回収、法対応支援、債権管理等、関連するサービスを提供する。
一方、ソリューション事業では、連帯保証はせず、関連サービスのみを提供する。このため、保証サービスは賃借人からの保証料と不動産管理会社等からの手数料が主な収入となり、ソリューションサービスは手数料が主な収入となる。両サービス共に売上は新規契約に伴う新規売上と既存契約の更新・ランニング売上(ストック売上)に分かれ、年々、ストック売上の比率が上昇している(利益成長と共に収益基盤の強化も進んでいる)。

 

保証事業
主力の家賃債務保証と医療費用保証・介護費用保証・養育費保証を提供している。賃貸住宅分野の家賃債務保証の付帯率は80%程度で、まだ市場は残っている。家賃債務保証では、賃貸不動産の賃貸借契約において、同社が賃借人の連帯保証人となり、賃料等の滞納リスクを引き受ける。一方、医療費用保証では、医療機関の入院手続きにおいて、同社が連帯保証人となり、入院費用自己負担分等の支払いに係る滞納リスクを引き受ける。また、介護費用保証では介護施設の入居契約において同社が連帯保証人となり、介護施設の利用料等の滞納リスクを引き受ける。養育費保証では養育費を支払う方の連帯保証人となり、養育費の未払いリスクを引き受ける。

 

家賃債務保証及び介護費用保証では保証委託契約時及び保証委託契約更新時に対価を受け取り、対価は保証期間内の月数に応じて按分され売上計上される。医療費用保証では主に対象月ごとに売上計上される。また、家賃債務保証及び養育費保証では、引き受け前の審査と滞納発生時の回収(コンプライアンス重視)によりリスクを最小限に抑え、収益の安定化を実現している。一方、医療費用保証及び介護費用保証においては、基本的に損害保険会社と保険契約を締結し、滞納リスクをヘッジしている。

(同社資料より)

 

ソリューション事業
C&O(コンサル&オペレーション)サービス、保険デスクサービス、及びDoc-onサービスに分かれる。C&Oサービスは、家賃債務保証で培ったノウハウを受託サービスとして提供するもので、審査業務、滞納管理、未入金案内など賃貸不動産の入居者等を対象としたサービスをフルラインもしくは個別に不動産管理会社等に提供。スコアリングモデルに基づく独自の審査システムや自社コールセンター等、各種関連業務を柔軟に提供できる体制が整備されている。

 

保険デスクサービスは、損害保険会社や少額短期保険業者と連携し、賃貸住宅の入居者向け火災保険の募集や付保促進等、不動産管理会社の業務を総合的に支援する。具体的には、火災保険の案内、コールセンターによる問合せ対応、契約締結、及び契約後の異動等に係る事務を代行し、不動産管理会社へ報告する。2016年5月施行の保険業法の改正をきっかけに、不動産管理会社が抱える諸問題(①保険募集の厳格化による業務負荷の増大②保険付保率の向上③コンプライアンス上の善管注意義務への対応)を解決するサービスとして評価を得ている。サービス提供には、専門的な知識・ノウハウ、専用システム、そしてオペレーション体制を整備する必要がある。

 

Doc-onサービスは、SMS(ショートメッセージサービス)、クレジットカード決済サービス、コールセンターサービス(SMSリスト管理、メッセージ作成、配信量管理、受電対応、入金確認、レポート管理等のコールセンターサポートといった各種のサービスをトータルで提供)をパッケージにしたサービス。強みとして、①国内大手SMS通信事業者の通信網を利用した「高い安全性」、②紙媒体の郵送案内と比較した場合のコンタクトに要するコスト削減、及び③葉書やEメールなどの従来の連絡手段と比較した場合の開封率の高さ、の3点を挙げる事ができる。

(同社資料より)

 

【1-3 ROE分析】

 

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

ROE (%)

22.6

21.2

22.0

20.8

 売上高当期純利益率(%)

17.24

17.99

18.96

18.10

 総資産回転率(回)

0.89

0.14

0.16

0.82

 レバレッジ(倍)

1.48

1.42

1.40

1.41

 

収益性の高いビジネスモデルにより高水準のROEを実現している。

 

2.2021年3月期決算概要

【2-1 非連結業績】

 

20/3期 

構成比

21/3期 

構成比

前期比

期初予想比

修正予想比

売上高

3,626

100.0%

4,203

100.0%

+15.9%

-1.1%

-1.1%

売上総利益

1,895

52.3%

2,126

50.6%

+12.2%

-

-

販管費

873

24.1%

976

23.2%

+11.8%

-

-

営業利益

1,021

28.2%

1,149

27.4%

+12.5%

+4.5%

-1.4%

経常利益

1,026

28.3%

1,153

27.4%

+12.4%

+4.6%

-1.4%

当期純利益

687

19.0%

760

18.1%

+10.7%

+2.8%

-3.7%

* 単位:百万円

 

増収増益、ほぼ計画通りの着地
売上高は前期比15.9%増の42億3百万円。コロナ禍の影響で新規顧客の開拓に一部遅れがあったものの、家賃債務保証と医療費用保証の成長により2ケタの増収。売上総利益も同12.2%増加し21億26百万円。
営業利益は同12.5%増の11億49百万円。営業及び新基幹システム入替えに係る人件費増加(147百万円増)、医療費用保証の増収に伴う保険料の増加(122百万円)、家賃債務保証の増収に連動した業務委託手数料の増加(94百万円増)、養育費保証のトライアル商品での滞納発生による貸倒+保証履行増加(60百万円増)など、販管費も同11.8%増加したが、増収効果で吸収した。ほぼ修正予想(20年10月発表)通りの着地となった。

 

【2-2 事業別動向】

 

20/3期

構成比

21/3期

構成比

前期比

売上高

3,626

100.0%

4,203

100.0%

+15.9%

保証事業

1,796

49.5%

2,294

54.6%

+27.7%

ソリューション事業

1,830

50.5%

1,909

45.4%

+4.3%

家賃分野保有件数

359,392

100.0%

387,038

100.0%

+7.7%

保証事業

258,390

71.9%

273,755

70.7%

+5.9%

ソリューション事業

101,002

28.1%

※113,283

29.3%

+12.2%

*単位:百万円、件 ※概算

 

(1)保証事業
家賃債務保証の新規契約が順調に推移したほか、医療費用保証が引き続き伸長し大幅な増収。
また、養育費保証については、認知度向上によるサービスの浸透を目指し、オウンドメディアのリリースやソーシャルメディアとの連携など、BtoCの拡販施策を実施した。

 

 

◎医療費用保証・介護費用保証の売上高推移


(同社資料より)

 

コロナ禍により一定の影響はあるものの、市場浸透を進め、売上増加の機会を拡大させることができた。

 

提携先データ

連帯保証人代行制度スマホス

56医療機関(前期末比+39)、病床数15,522

医療費用保証付き入院セット及びその他商品

158医療機関(同+49)、病床数33,099

介護費用保証

199介護事業者(同+26)

 

(2)ソリューション事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により新規顧客開拓に遅れが生じたものの、既存顧客の取扱い件数の増加により増収。

 

【2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

20年3月

21年3月

増減

 

20年3月

21年3月

増減

流動資産

4,100

4,677

+577

流動負債

1,303

1,551

+247

現預金

3,017

3,075

+58

前受収益

716

946

+230

立替金

1,059

1,537

+477

保証履行引当金

85

102

+16

固定資産

626

866

+240

固定負債

47

59

+12

有形固定資産

57

51

-6

負債合計

1,350

1,611

+260

無形固定資産

138

239

+101

利益剰余金

1,534

2,060

+526

投資その他の資産

430

575

+145

純資産

3,376

3,933

+557

資産合計

4,726

5,544

+818

負債純資産合計

4,726

5,544

+818

* 単位:百万円

 

事前立替型の商品拡販に連動して立替金が増加したことなどから資産合計は前期末比8億18百万円増加の55億44百万円。家賃債務保証の新規契約獲得が進んだことで前受収益が増加したことなどから負債合計は同2億60百万円増加。利益剰余金増加により純資産は同5億57百万円増加。この結果、自己資本比率は前期末から0.5pt低下し70.9%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

20/3期 

21/3期 

増減

営業キャッシュ・フロー

560

551

-8

投資キャッシュ・フロー

-287

-267

+20

フリー・キャッシュ・フロー

272

284

+11

財務キャッシュ・フロー

-154

-225

-70

現金及び現金同等物残高

3,017

3,075

+58

* 単位:百万円

 

税前利益の増加、法人税等の支払い増加で営業CFは前期同水準。フリーCFは拡大。配当金支払額の増加などで財務CFのマイナス幅は拡大。キャッシュポジションは上昇した。

 

3.2022年3月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

21/3期 

構成比

22/3期(予) 

構成比

前期比

売上高

4,203

100.0%

5,000

100.0%

+18.9%

営業利益

1,149

27.4%

1,270

25.4%

+10.4%

経常利益

1,153

27.4%

1,275

25.5%

+10.5%

当期純利益

760

18.1%

835

16.7%

+9.8%

* 単位:百万円

 

増収増益を予想
売上高は前期比18.9%増の50億円、営業利益は同10.4%増の12億70百万円の予想。
売上については前期の増収トレンドを上回る成長を目指す。また、長期的な成長に向けた投資を積極的に行うため、営業利益率は低下するものの、一定の営業利益を確保し、着実な利益成長を目指す。新型コロナウイルスの影響は上期中に影響を与え、その後緩やかに回復していくと想定している。

 

投資によるコスト増は、新基幹システム関連(減価償却費)39百万円、コールセンター拡張54百万円、養育費保証の広告等先行投資(増額分)19百万円など。

 

配当は、中間、期末それぞれ6.00円/株の年間合計12.00円/株(前期比1.00円/株増)を予定。予想配当性向は32.1%。

 

【3-2 事業別見通し】

 

21/3期

22/3期(予)

前期比

保証事業

2,294

2,995

+30.5%

ソリューション事業

1,909

2,005

+5.0%

売上高合計

4,203

5,000

+18.9%

* 単位:百万円

 

◎保証事業
家賃債務保証については大手管理会社をターゲットに大幅成長を見込んでいる。
医療費用保証では、コロナ禍による新規顧客開拓の鈍化と、既契約の滞納の適正化による保証料の低下を見込んだうえで、病院向けセミナーへの参加など、拡販に向けた取り組みを継続する。
介護費用保証では、コロナ収束を見据えて、拡販に向けた取り組みを継続する。
養育費保証では、投資を確実に実行し、商品内容を改良し、事業基盤を確立する。

 

 

売上高

21/3期

22/3期(予)

前期比

家賃債務保証

1,906

2,555

+34.1%

保証新分野など

387

440

+13.7%

保証事業合計

2,294

2,995

+30.5%

 

◎ソリューション事業
Doc-onサービスについては、引き続き拡販を進める。
保険デスクサービスでは、少額短期保険を中心に成長を加速させる。
C&Oサービスでは、連帯保証人不要スキームなどを中心に引き続き成長させる。

 

売上高

21/3期

22/3期(予)

前期比

C&Oサービス

1,771

1,831

+3.4%

保険デスクサービス

87

124

+42.5%

Doc-onサービス

49

50

+2.0%

ソリューション事業合計

1,909

2,005

+5.0%

* 単位:百万円

 

4.中期経営計画(2022年-2024年) ~Road to the higher~

今期を初年度とする中期経営計画を公表した。

 

【4-1 目標値】

2024年3月期「売上高80億円、営業利益20億円」を目指す。

 

2021年3月期

(実績)

2024年3月期

(目標)

伸び率

売上高

4,203

8,000

1.90倍、CAGR 23.9%

営業利益

1,149

2,000

1.74倍、CAGR 20.3%

営業利益率

27.4%

25.0%

-

配当性向

32.3%

30-40%

1.23倍

ROE

20.8%

20.0%超

-

*単位:百万円。CAGRは(株)インベストメントブリッジが計算。

 

【4-2 第2次中期経営計画で実現すること】

第2次中期経営計画は、「第1次中期計(2019~2021/3)  Zero to One 常に『ゼロからイチ』を実現します」を、三段跳びのホップとすれば、ステップにあたるもの。
副題を「Road to the higher Let’s Go! 100億」としているように、2024年3月期の売上高目標を80億円と置いているが、更に高みを目指し、ジャンプにあたる第3次中期経営計画において売上100億円を達成するための準備の3年間との位置づけである。

 

具体的には以下のような施策に取り組む。

従来/新規の両軸成長

従来マーケット(賃貸不動産分野)

成長へのギア・チェンジ、更なる拡大

新規マーケット(医療・介護分野)

加速成長へのフル・アクセル

ゼロ⇒イチの精神

新規事業の挑戦・育成

事業育成(養育費分野など)

BtoCの顧客と直接つながる事業を育成する

新規創造

新たな新保証の創造に挑む

 

従来マーケットでは、賃貸不動産分野の更なる拡大のために家賃債務保証において新たな商品を導入する。
新規マーケットでは成長に向けたビジネスモデルが確立できた医療分野に注力する。
新規事業については、これまでのBtoBビジネスのみではなく、BtoCビジネスの可能性を追求する。また、これまでに培ってきたノウハウを横展開することで、「保証」の仕組み・商材を拡大し総合保証サービス会社としての成長を目指す。

【4-3 成長を支える投資方針&財務戦略】

3年間で15-20億円を目安に以下のような成長投資を計画している。

 

将来の成長をサポートするDX投資においては新ソリューションセンター(コールセンター)の構築、審査におけるAIの導入、省人化・BtoC事業のシステム投資など。
新事業育成については、総合保証サービス会社としての認知を広めるため、新たな保証商品を開発する。
また、アライアンスやM&Aも積極的に展開するほか、事業拡大や新卒採用増のためにはコーポレートブランディング向上が重要と考え、プロジェクトチームを設けてウェブサイトのリニューアルを始めとした取り組みを進める。

 

(同社資料より)

 

今回の中計期間3年間で生み出す営業CF25億円を「15-20億円の成長投資」と「30-40%の配当性向による株主還元」に配分する。
前期末で約30億円のキャッシュを有しているが、状況によっては銀行借入なども検討する。
また、ROEに関しては、成長により得られるCFを再投資に振り向けて成長スピードを高め、20%以上を維持する。

 

【4-4 市場再編について】

現状では流通時価総額が未達だが、早期にクリアしプライム市場を目指す。

 

5.今後の注目点

21年3月期はコロナ禍の影響で医療機関や介護施設等へのアクセスが制限される厳しい事業環境下ではあったが、主力の家賃債務保証と医療費用保証の成長によりほぼ計画通り2ケタの増収増益を達成した。今22年3月期も、先行投資を積極化するものの2ケタの増収増益を見込んでいる。中期経営計画で述べている新たな保証分野・商品がどのようなものかが大いに注目される。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

8名、うち社外2名

監査役

4名、うち社外2名

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年06月22日)
基本的な考え方
当社は「お客様にどれだけ喜んでいただけるか。」「お客様にどれだけ安心していただけるか。」「お客様にどれだけ信頼していただけるか。」を経営姿勢とし、事業拡大を図っていく中で「コンプライアンスの維持と株主の利益を最大化すること」を重視し、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。
<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-10-1】
当社は、社外取締役が取締役会の過半数を占めておりませんが、社外取締役は、経営陣及び監査役と随時意見交換を実施し、取締役会における発言及び日常的な対話を通じて、助言を行っております。また、総務部を窓口として取締役会の議案を事前に説明するなど、社外取締役の適切な関与等を確保するための環境の整備に努めております。現在、任意の指名委員会・報酬委員会などの独立した諮問委員会は設置されておりませんが、取締役会の場において、独立社外取締役から適切な関与・助言を得られていると考えております。

 

【原則4-11. 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件】
当社の取締役会は、当社の各業務の分野に精通した社内取締役、親会社の代表取締役としてプレステージ・インターナショナルグループの経営全般に関与している取締役及び他の会社の取締役として豊富な経験と知識を有する社外取締役により構成されております。取締役会における活発な審議と迅速な意思決定に資するとの判断から、定款において取締役の員数は10名までと定めております。なお、外国人及び女性の取締役はおりませんが、当社は事業範囲が国内に限られており、監査役に女性の役員が選任されており、現在の人数及びバランスは確保されていると判断しております。監査役については、財務・経理に関する専門的な知見を有していないものの、監査役監査に必要な知見については、外部のセミナーや会計監査
人との情報共有等により確保されております。
<開示している主な原則>
原則3-1.情報開示の充実】
(1)経営理念について、コーポレート・ガバナンス報告書、有価証券報告書のほか、当社ホームページにおいて開示しております。具体的な経営戦略、経営計画につきましては、2018年5月11日付けで開示しております「中期経営計画」をご参照下さい。
(2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方については、コードの各原則を踏まえ、コーポレート・ガバナンス報告書、有価証券報告書のほか、当社ホームページにおいて開示しております。
(3)取締役の報酬は、株主総会において承認された範囲内において、取締役会において代表取締役に一任されております。
(4)執行役員の選解任並びに取締役・監査役の候補者の指名及び解任決議案の起案にあたっては、候補者等の経験、知見、能力、人格、実績等を総合的に検討した上で、執行役員の選解任並びに取締役候補者の指名及び解任決議案の起案については取締役会において検討を行い、監査役については、監査役会の協議及び同意を得た上で、取締役会の承認を受けて決定しております。
(5)執行役員の選解任並びに取締役・監査役の候補者の指名及び解任決議案の起案にあたっては、取締役会において、その理由を説明いたします。また、取締役及び監査役の指名にあたっては各候補者の経歴等及び社外取締役候補者及び社外監査役候補者の選任理由並びに取締役及び監査役の解任についての理由等につきましては、株主総会招集通知に記載することとしております。

 

原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
IR活動については、代表取締役及び取締役経営管理部長の指示のもと、株主との対話の補助を経営企画室が行っております。
株主との対話については、その重要性に鑑み、求めに応じて代表取締役が臨むことを基本方針としております。
また、決算説明会を原則として年2回、個人投資家向け説明会を随時開催する方針であります。

 

 

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