ブリッジレポート:(2435)シダー 2021年3月期第1四半期決算
山崎 嘉忠 会長 |
座小田 孝安 社長 | 株式会社シダー(2435) |
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企業情報
市場 | JASDAQ |
業種 | サービス業 |
会長 | 山崎 嘉忠 |
社長 | 座小田 孝安 |
所在地 | 福岡県北九州市小倉北区大畠 1-7-19 |
決算月 | 3月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数 | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
242円 | 11,475,863株 | 2,777百万円 | 17.9% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
未定 | - | - | - | 110.50円 | 2.2倍 |
*株価は8/26終値。発行済株式数は、直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除し株式分割を反映。ROE・BPSは20年3月期実績、EPSは21年3月期予想。
連結業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
2017年3月(実) | 12,733 | 145 | -136 | -137 | - | 0.00 |
2018年3月(実) | 13,861 | 535 | 250 | 224 | 19.52 | 4.00 |
2019年3月(実) | 14,258 | 494 | 218 | 16 | 1.43 | 2.00 |
2020年3月(実) | 15,132 | 549 | 257 | 209 | 18.28 | 4.00 |
2021年3月(予) | 未定 | 未定 | 未定 | 未定 | - | 未定 |
*予想は会社予想。10/3期~11/3期は非連結。単位は百万円、円。
シダーの2021年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期第1四半期決算
3.2021年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 20/3期1Qは前年同期比4.9%増収、経常利益は1億72百万円(前年同期は1億17百万円の損失)。既存施設において施設稼働率を上昇させるため、新規利用者の獲得とサービスの向上に努めた。売上総利益率が大幅に改善するとともに販管費を圧縮し、デイサービス事業で新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中、各利益が大幅に改善した。
- 21/3期予想は引き続き未定。新型コロナウイルス感染症拡大による影響を踏まえ、現時点で適正かつ合理的な算定が困難であると判断した。今後、業績予想の公表が可能になった段階で速やかに開示する方針。配当についても引き続き未定とした。
- 21/3期は特にデイサービス事業において不透明感が漂っていたものの、各利益は大幅な改善となった。今1Qは、これまで取り組んだ利用単価の上昇への施策がより強く反映された印象がある。通期業績予想は未定となったものの、足を引っ張ったデイサービス事業が改善に向かっていることも加味すると大幅増益が期待できそうだ。1QのEPSを4倍するとEPSは43円と試算できることから、200円台にとどまる現状株価の見直し余地は大きそうだ。
1.会社概要
デイサービス及び有料老人ホーム「ラ・ナシカ」を中心とした介護サービスを、本社のある福岡県を中心に全国展開。リハビリテーションに重点を置き、より人間らしく生きるための生活支援を行う事を経営方針とする。総勢600名近くに及ぶ職員資格者を有しており、介護サービス事業者の中では出色。
【沿革】
前身は医療機器の販売会社だった(株)福岡メディカル販売。2000年10月に社会医療法人池友会系列の医療機関でリハビリ業務に従事していた山崎嘉忠氏(現会長)等が中心となり(株)シダーに商号を変更し介護事業へ参入。01年1月にデイサービス施設4施設を開設した。デイサービス事業が順調に拡大し、05年3月にジャスダック証券取引所に上場、同年9月には有料老人ホーム事業(現在の、施設サービス事業)に参入した。
06/3期、07/3期と有料老人ホーム事業の先行投資(新施設の立ち上げ費用)が利益を圧迫したものの、08/3期以降は施設の累積効果(ストック効果による事業規模の拡大)で、新規開設負担を吸収して利益を増やせる体制が整った。11/3期は新卒40名の入社による人員の増加や新規開設施設の増加(3事業合計で10/3期:3施設→11/3期:5施設)、更には既存施設のリニューアルもあり利益が減少したものの、12/3期は既存施設の新規利用者獲得が順調に進んだ事に加え、施設オペレーションの効率化で増益に転じた。しかし、13/3期は12年に行われた介護保険法改定の影響を受けた。同社の場合は、デイサービス事業における介護報酬改定の影響が大きく減益となった。14/3期は、その影響を解消する1年であった。尚、16/3期、19/3期にも介護報酬改定の影響を受けている。
【事業戦略 -地域のリハビリセンターを目指して-】
同社はデイサービスセンターや有料老人ホームにおいて近隣の一般・健康な高齢者向け健康教室等を開催し、地域の病院、ケアマネージャー、老人会等とネットワークを構築すると共に地域に溶け込む事で、施設の稼働率や入居率の向上を図っていく考え。また、このネットワークを活用して訪問介護ステーションやリハビリステーション(在宅サービス事業)とのシナジーも高めていく。
その成功例ともいえるのが山梨県甲府市での取組み。09年5月にラ・ナシカ甲府を開設、10年には甲府デイサービスを開設した。好評を得て、13年には甲府南デイサービスを開設することとなった。
尚、06年度の介護保険の改定の際に、「訪問看護計画において、理学療法士等の訪問が保健士又は看護師による訪問の回数を上回るような設定がなされることは適切ではない」との規制が盛り込まれたため、在宅リハビリには大きな逆風が吹いた。この影響で同社も在宅サービス事業の積極的な活動を控えたが、09年度の改定でこの規制が緩和されたため積極的に在宅リハビリのニーズに応える事が可能となった。
また、施設を集積させる事は3事業のシナジーを高めるだけでなく、理学士等の職員が地元で安定して働く事のできる環境作りにもつながる。
同社の介護事業の考え方
リハビリテーションを重視して、永く、元気でその人らしく、健康に暮らすためのお手伝いをしている。
同社におけるリハビリテーションとは、リハビリを頑張れば、将来元気になれる・・・だから頑張るというものではない。今日自分らしく、明日も自分らしく過ごしながら、来月、来年もっと自分自身の力で、自分らしく毎日を過ごす為の準備を行うということを目的としている。
社会参加などを重視しクラブ活動や外出イベントなどを積極的に行っている。
(同社ホームページより)
【事業セグメント】
事業は、同社の施設の来場者にサービスを提供するデイサービス事業、有料老人ホーム等の施設の入居者を対象にサービスを提供する施設サービス事業、及び利用者の自宅を訪問して日常生活訓練や機能訓練等を行うリハビリサービスや日常生活の手伝いを行うホームヘルパーサービス等の介護サービスを提供する在宅サービス事業に分かれる。20/3期の売上構成比は、それぞれ23.0%、66.5%、5.8%。また、その他事業として、福祉用具事業、障害支援事業及び給食事業を展開する(20/3期の売上構成比は4.8%)。
2020年7月31日現在、106事業所で展開している。
(同社資料より)
6月には関東地区(千葉市)にケアプランセンターを開設。
介護ニーズの高まりに応え、事業所数は伸び続けている。
(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)
デイサービス事業
デイサービス施設では60~80人規模の大型デイサービス中心に展開している。トレーニングルーム・カラオケ・シアター・大浴場・マッサージ・喫煙ルームなど各個人にあった活動を楽しめるゆとりある空間造りが可能となる。小規模施設では実現が難しい専門スタッフの配置や、充実した設備がある施設を可能にしている。
デイサービスの施設基準は利用者1人当たり3平方メートル以上となっており、リハビリテーションに軸足を置いた施設運営が同社の特色。午前、午後にそれぞれ上級・中級・初心者にコース分けされた80分の個別リハビリテーションを行う。
専門スタッフによるリハビリテーション
同社のデイサービスでは、本格的なリハビリテーションを積極的に取り入れている。様々なトレーニングマシーンを使用し、日常生活では使うことの少ない筋肉を動かすことをはじめ、理学療法士や作業療法士など資格をもった専門家が、利用者ひとりひとりの体調に合わせたプログラムを作成し、様々な角度から元気な体づくりをサポートする。
選択できる多彩なサービス
豊かな毎日を過ごす為に様々なサービスを選べるのもシダーの特徴。カラオケ・シアター等の設備に加え、外出レクリエーションや各種イベントを随時開催している。施設内にある季節に合わせたディスプレイは、心地よく五感を刺激し、アクティブな時間を演出する。利用者が施設に来ることが楽しみになる環境づくりを行っている。
施設サービス事業
有料老人ホーム「ラ・ナシカ」は24時間・365日体制で介護スタッフが常駐している。近隣の医療機関との万全の連携・協力体制に加えて、看護師も8時30分から21時30分(一部施設では異なる場合あり)まで勤務しているため、緊急を要する場合でも安心して任せ預ける体制が整っている。
1階フロアではスタッフがデイサービスと同等のサービスやリハビリテーションを提供、居室では自宅に居るのと同様に訪問リハビリ、訪問看護・ヘルパーのサービスを提供する。
充実のリハビリテーション
「ラ・ナシカ」では全ての施設でリハビリテーションを積極的に取り入れている。充実の施設に加え、専門のリハビリスタッフが、ひとりひとりの体調に合わせた最適なトレーニングメニューをアドバイス。健康な体づくりをサポートする。
自分好みに部屋をコーディネート
「ラ・ナシカ」の居室は、全て個室。プライバシーを考慮し、マンションのような構造になっている。部屋のアレンジはもちろん自由。自分好みの快適な空間で毎日をくつろぐことができる。
仲間との楽しいひと時
フロアへ出て積極的に運動に参加したくなるような環境づくりを行っている。中でも、カラオケルーム・シアタールームは入居者が自由に利用できる大人気の施設。
美味しく栄養豊富な食事
看護師による健康チェック項目に基づいた食事を提供している。また、嗜好やアレルギー、好みのご飯の柔らかさまで個別にオーダーすることが可能。
季節の催し
季節の移ろいを楽しむことも忘れていない。四季を彩るディスプレイは、毎回スタッフの力作。その他にも入居者が楽しめるようたくさんのイベントを企画している。
施設サービス事業は同社の収益を支える屋台骨となっている。入居率は20年3月現在97.1%と高い稼働率。
在宅サービス事業
「住み慣れた自宅が一番安心できる」そんな声に応える在宅サービス。介護や療養の必要な人が自宅で安心して生活できるよう、理学療法士や作業療法士をはじめとする国家資格者の指導の下、様々なサービスを提供している。
自宅療養を支える訪問看護・リハビリテーション
医師の指示のもと、看護師が自宅で療養している人の世話や診療補助などのケアサービスを行い、在宅療養を続けられるようサポート。ひとりひとりの身体の状態に合わせてリハビリテーション計画を作成。リハビリの専門スタッフが、日常生活訓練や身体機能訓練などを行う。
日常生活を支えるホームヘルプサービス
ホームヘルパーが身体介助サービスや生活援助サービスを提供し、日常生活をお手伝いする。また、全てのヘルパーステーションが訪問看護ステーションと併設されており、緊急時は看護師と連携して対応する。
最適なケアプラン作成
介護サービスを利用するのに必要不可欠となるのがケアプラン。同社では、専門知識はもちろん豊かな人間性を備えたケアマネージャーが、利用者やその家族の意向を伺いながら、最適なケアプランを作成する。
【シダーの取り組み】
介護職員対策について
■介護職員の確保と定着
・業務内容見直しや残業時間平準化をさらに推進し労働環境改善に取り組む。
・特定処遇改善加算を取得、賃金改善を図る。
・介護福祉士等の資格取得支援。
■外国人雇用
・国内の労働力減少を見据えて、外国人技能実習生受入継続。
・新たな在留資格『特定技能』を利用した受入も検討。
・英語マニュアル、規定整備の推進。
介護福祉士合格状況
2016年度の制度改正以降、同社の合格率は全国を上回る
事業展開について
■事業拡大
・今後も特定施設の公募があれば、積極的に応募予定。
・M&Aの検討。
■外国人雇用
・ケアプランセンター増設を行い、デイサービスセンターとの連携を図る。
20年1月⇒鎌ケ谷ケアプランセンター開設
20年6月⇒花見川ケアプランセンター開設
【無料動画サービス「CEDAR(シダー)TVを開設】
20年5月1日に認知症予防・オンライン動画配信サービスの【アグリマス株式会社】と動画配信サービスの業務契約を締結。自宅での運動習慣のサポート、また、職員研修効率化、サービスの質の向上のために動画配信サービスを活用していく。
今後は次のコンテンツを公開予定。
●フレイル予防、運動プログラム
●認知症予防プログラム
●レクリエーション・クラブ活動プログラム
●研修プログラム
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【介護をめぐる課題と展望】
(1)2021年介護報酬改定について
・ 地域包括ケアシステムの推進
・ 自立支援・重度化防止の推進
・ 介護人材の確保・介護現場の革新
・ 制度の安定性・持続可能性の確保
↓
特に要介護度の改善と介護人材確保が重要視される
今後のスケジュール(案)
秋頃に改定案が発表予定。その後、法案に対応した対策を具体的に開始する見通し。
(2)2040年に向けての社会保障・介護保険の動向
2040年問題
2040年から団塊ジュニア世代が65歳に達し始め、労働人口が大幅な減少となる。2012年の社会保障税一体改革は、2025年における社会保障制度の持続可能性を高めるもので、これまで2040年を見据えた議論は進んでいない。
2018年5月の経済財政諮問会議は、ようやく2040年を視野に入れた議論を始めたといえる。しかし、現在の推計には多くの留意が必要であり、2040年の社会保障費約190兆円は過少推計である可能性が高い。
現在、医療・福祉分野で全労働者の13%が働いているが、高齢者が増加する2040年には18%が働く必要がある。
社会保障費の見通し(経済:ベースラインケース)
(「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」)
増加する社会保障費の抑制○認知症施策の総合的な推進
○地域支援事業の更なる推進
○介護人材の確保・介護現場の革新
○科学的介護の推進
○介護サービス基盤と高齢者向け住まい
○介護の経営の大規模化・協働化
↓
労働人口が減少していく中、介護の質の向上やインセンティブが求められる。
その為、更なる人材確保や介護の質の向上、介護現場におけるICTの利用促進等が推奨される。
介護の経営の大規模化・協働化
小・零細規模の事業者を中心に、経営が軌道に乗らず破たんするケースが目立つ。
人手不足や高齢化に加え、大手や中堅事業者との競合で、資金力の乏しい小規模事業者の脱落が増えている。
「老人福祉・介護事業」の倒産増加は、サービスを受ける要介護者が不利益を受けるケースが増える
↓
○今後、人材確保、賃金改善やICTの導入等企業に資金力が求められる
○その為、事業所の大規模化・協働化により倒産リスクの軽減を図る傾向がでてきている
2.2021年3月期第1四半期決算
(1)連結業績
| 20/3期 1Q | 構成比 | 21/3期 1Q | 構成比 | 前年同期比 |
売上高 | 3,631 | 100.0% | 3,809 | 100.0% | +4.9% |
売上総利益 | 372 | 10.2% | 534 | 14.0% | +43.5% |
販管費 | 411 | 11.3% | 290 | 7.6% | -29.4% |
営業利益 | -39 | - | 244 | 6.4% | - |
経常利益 | -117 | - | 172 | 4.5% | - |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | -102 | - | 123 | 3.2% | - |
※単位:百万円
※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
前年同期比4.9%の増収、経常利益は1億72百万円
売上高は前年同期比4.9%増の38億9百万円。既存施設において施設稼働率を上昇させるため、新規利用者の獲得とサービスの向上に努めた。また、ケアプランセンター1施設を新規開設しており、積極的な施設展開を図ってきた。
営業利益は2億44百万円(前年同期は39百万円の損失)。利益面では、、介護職員に係る人件費の増加により売上原価が増加したが、売上総利益率は前年同期10.2%から14.0%に改善した。管理部門の諸経費抑制等により販管費は29.4%減少した。また、3月以降は新型コロナウイルス感染症の流行によりデイサービス事業で、利用を控える利用者が増えるなどの影響が発生したが、徐々に利用再開者が増え、回復傾向にある。
介護サービス業界では、引き続き超高齢化社会への移行に伴い、介護サービスの利用者数は増加し需要は更に高まっている。その一方で、様々な業種にて人材不足が叫ばれている中、介護サービス業界においても、海外の人材も含め、人材確保に取り組むことは急務、有資格者の確保はとりわけ困難な状況となっている。それらを改善するために、業界では、介護事業に従事することが社会において魅力があり、生きがいを持てる環境造りが求められている。
(2)セグメント別動向
セグメント別売上高・利益
| 20/3期 1Q | 構成比 | 21/3期 1Q | 構成比 | 前年同期比 |
デイサービス事業 | 873 | 23.1% | 832 | 20.7% | -4.7% |
施設サービス事業 | 2,512 | 66.5% | 2,729 | 67.9% | +8.6% |
在宅サービス事業 | 226 | 6.0% | 228 | 5.7% | +0.8% |
その他 | 165 | 4.4% | 229 | 5.7% | +38.8% |
全社・消去 | -146 | - | -210 |
| - |
連結売上高 | 3,631 | 100.0% | 3,809 | 100.0% | +4.9% |
デイサービス事業 | 78 | 23.0% | 52 | 10.4% | -33.8% |
施設サービス事業 | 253 | 74.6% | 440 | 88.2% | +73.8% |
在宅サービス事業 | -14 | - | -18 | - | - |
その他 | 21 | 6.2% | 26 | 5.2% | +23.8% |
連結調整 | -378 | - | -255 | - | - |
連結営業利益 | -39 | - | 244 | - | - |
※単位:百万円
デイサービス事業
売上高は前年同期比4.7%減の8億32百万円、セグメント利益は同33.8%減の52百万円。既存デイサービス施設のサービスの質の向上により施設稼働率の向上に努めてきた。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、利用を控える利用者が増えるなどの影響が発生した。
施設サービス事業
売上高は前年同期比8.6%増の27億29百万円、セグメント利益は同73.8%増の4億40百万円。既存有料老人ホームの入居者獲得に注力し、入居率の向上に努めた。
在宅サービス事業
売上高は前年同期比0.8%増の2億28百万円、セグメント損失は18百万円(前年同期は14百万円の損失)。ケアプランセンター1施設を新規開設しており、積極的な施設展開を図ってきた。また利益率の改善のため人員配置や業務手順の見直し等、効率的な運営に取り組むことに注力した。
(3)財政状態
財政状態
| 20年3月 | 20年6月 |
| 20年3月 | 20年6月 |
現預金 | 870 | 1,226 | 仕入債務 | 205 | 225 |
売上債権 | 2,563 | 2,583 | 短期有利子負債 | 3,742 | 4,565 |
流動資産 | 3,640 | 4,008 | 長期有利子負債 | 9,873 | 9,657 |
有形固定資産 | 11,785 | 12,181 | 負債 | 16,913 | 17,623 |
無形固定資産 | 78 | 79 | 純資産 | 1,268 | 1,345 |
投資その他 | 2,677 | 2,701 | 負債・純資産合計 | 18,181 | 18,969 |
固定資産 | 14,540 | 14,961 | 有利子負債合計 | 13,615 | 14,222 |
※単位:百万円
※有利子負債=借入金+リース債務(長期のみ)
1Q末の総資産は、前期末比7億88百万円増加して189億69百万円となった。その内訳は、流動資産の増加3億67百万円、固定資産の増加4億20百万円によるもの。負債は前期末比7億10百万円増加して176億23百万円となった。その内訳は、流動負債の増加9億11百万円、固定負債の減少2億1百万円によるもの。純資産は前期末比77百万円増加して13億45百万円となった。その内訳は、利益剰余金の増加77百万円によるもの。
自己資本比率は7.1%(前期末7.0%)となった。
3.2021年3月期業績予想
(1)連結業績
| 20/3期 実績 | 構成比 | 21/3期予想 | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 15,132 | 100.0% | 未定 | ― | ― |
営業利益 | 549 | 3.6% | 未定 | ― | ― |
経常利益 | 257 | 1.7% | 未定 | ― | ― |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 209 | 1.4% | 未定 | ― | ― |
※単位:百万円
引き続き21/3期予想は未定
21/3期予想については、引く続き未定とした。新型コロナウイルス感染症拡大による影響を踏まえ、現時点で適正かつ合理的な算定が困難であると判断した。今後、業績予想の公表が可能になった段階で速やかに開示する方針。
配当についても未定とした。
今後の事業展開 計画地域
(同社資料より)
(2)新型コロナへウイルス感染症の対策
「感染症対策委員会」を設置。厚生労働省通知や自治体の指導に基づき感染症防止に努める。
1.感染症防止策の実施
①手洗い、うがい、手指消毒、マスク着用を含む咳エチケットに対する周知徹底
②定期的な消毒の実施と喚起(使用する車両消毒を含む)
③従業員の健康チェックの徹底
2.利用者・入居者の体調管理
【デイサービス】
①送迎時、自宅での検温と体調確認
②到着後、手洗い・うがい・手指消毒と検温、体調確認
③こまめな水分補給
【有料老人ホーム・グループホーム】
①毎朝の検温と体調確認
②手洗い・うがい・手指消毒の徹底
【在宅サービス】
検温と体調確認
3.入館制限
①有料老人ホーム及びグループホームについては、感染症防止徹底のため、面会制限
②施設に来所された方は、なるべく玄関先での対応
③緊急時の来所の際は、以下の点の徹底
・来所時の検温
・手洗い、うがい、手指消毒、マスクの着用
4.今後の注目点
21/3期は特にデイサービス事業において不透明感が漂っていたものの、1Qは小幅な減収減益にとどめた。施設サービス事業が牽引し増収、各利益は大幅な改善となった。20/3期からこれまで取り組んだ利用単価の上昇への施策が反映されて、利益率が向上していた。こうした中、1Qの状況はこれらの取り組みがより強く反映されている印象がある。通期業績予想は未定となったものの、足を引っ張ったデイサービス事業が改善に向かっていることも加味すると大幅増益が期待できそうだ。様々なサービス業が苦戦する中で、相対的に介護サービス業は新型コロナの影響は限定的、業界としての存在感も高まりそう。1QのEPSを4倍するとEPSは43円と試算できることから、200円台にとどまる現状株価の見直し余地が大きくなっているといえそうだ。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 5名、うち社外1名 |
監査役 | 3名、うち社外2名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2020年6月29日
<基本的な考え方>
当社は、社会的ニーズである介護サービスを中心として、リハビリテーションを中心としたサービスを積極的に行い、より人間らしく生きるために積極的な生活支援を行うことにより、社会に貢献することであります。
当社は、これらの企業理念の実現のため、コーポレート・ガバナンスについて、当社の利害関係者と良好な関係を構築するに当たっての重要事項と考えております。当社の意思決定や行動が法令や市場のルールに反していないかという適法性を重視するだけでなく、社会に貢献しているか、社会の要請に反していないかという企業の社会性も重視しています。そして、コーポレート・ガバナンスが適確に機能するためには、徹底した透明性が必要であると考えております。法令等で義務付けられた範囲に限定することなく、株主や投資家をはじめ、従業員、地域社会や顧客に対して積極的に情報開示を行っていく考えです。当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要は以下のとおりであります。
取締役会においては、取締役5名のうち社外取締役(非常勤)を1名選任しており、業務執行の迅速な意思決定や透明性を維持する組織を構築しております。
また、当社は、2020年6月29日現在、会社法第2条第6号に定める大会社には該当しておりませんが、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図ることを目的として、監査役会を設置しております。監査役会においては、監査役の独立性と客観性を確保するため、監査役3名のうち社外監査役(非常勤)を2名選任し、取締役会の業務執行の監督・監視機能を強化しております。
内部監査につきましては、社長の直轄組織として内部監査室(7名)を設置しており、当社各事業部門が関係法令や社内規程を順守し、適切な運営がなされているか監査・指摘・検証を行っております。
<実施しない主な原則とその理由>
「当社は、JASDAQ上場会社としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。」と記載している。
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