ブリッジレポート
(2687) 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア

スタンダード

ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア 2021年2月期第1四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

泉澤 豊 会長

株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア(2687)

 

 

会社情報

市場

東証1部

業種

小売業(商業)

代表取締役会長

泉澤 豊

代表取締役社長

上山 富彦

所在地

千葉県千葉市美浜区中瀬1-7-1

決算月

2月

HP

http://www.cvs-bayarea.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

441円

4,936,269株

2,177百万円

-

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

20.00

4.5%

-

-

1,006.48円

0.4

*株価は8/20終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE・BPSは2020年2月期実績。時価総額は8/20終値×自己株式控除後発行済株式数、数値は四捨五入。

 

連結業績推移

決算期

営業総収入

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

配当

2017年2月(実)

29,452

-33

213

94

19.13

10.00

2018年2月(実)

29,394

13

90

-279

-

20.00

2019年2月(実)

10,916

31

-28

3,801

770.04

30.00

2020年2月(実)

10,427

37

165

-401

-

20.00

2021年2月(予)

-

-

-

-

-

20.00

*単位:百万円、円
*予想は会社予想。

 

 

シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2021年2月期第1四半期決算と2021年2月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年2月期第1四半期決算
3.2021年2月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 21/2期1Qは前年同期比38.6%減収、経常損失は2億91百万円(前年同期は1億5百万円の利益)。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ユニット型ホテル全施設及びマンションフロントサービス受託物件の一部において臨時休業を余儀なくされた。ビジネスホテル及びコンビニ店舗においても、顧客と従業員に対する感染防止対策を行い営業を継続してきたが、東京ディズニーリゾートの臨時休園や大規模展示場でのイベント中止などにより、大変厳しい結果となった。

     

  • 21/2期予想は引き続き未定とした。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が7月に大幅に増加したことから、宿泊需要の改善にはさらに期間を要する可能性がある。現時点で合理的に算出することが困難であると判断した。臨時休業中の施設の再開時期を検討の上、2Q決算発表日までを目途に公表する予定。ホテル事業では、一部で7月から営業を再開しており、延期となっていたメディアコンテンツとのコラボ企画も再開している。マンションフロント事業では、新しい生活様式に対応したフロントサービスの企画、提案に努める考え。クリーニング事業は、本格的な改善にはさらに一定の期間を要する見込み。配当は修正なく、20.0円(うち上期10.0円)を見込む。

     

  • 新型コロナ感染拡大は、ホテル事業だけでなくその他の事業にも大きなマイナス影響を与えている。業績予想は開示していないが、ホテル事業は客足が戻っても鈍いだろう。業績動向と株価水準では話が異なる。株価は低調に推移しており、PBRは0.4倍となっている。時価総額は20億円程度だが、20年5月末の同社の現預金は17億11百万円、投資有価証券12億3百万円と合わせると大幅に下回る。19/2期にコンビニ事業の売却などで現預金を得たことがここに来て功を奏した形となっている。不透明な環境下ではあるが、バランスシート上の価値から株価は売られすぎと考える。

     

1.会社概要

(1)沿革

1981年2月設立。「日常生活の便利さを提供できる会社になりたい」を企業理念とし、直営店主体のコンビニエンス・ストア(コンビニ)事業をスタート。その後、クリーニング事業及びマンションのフロント(業務)受託事業、ビジネスホテルの運営などに事業を拡大。2009年11月に千葉県市川市ビジネスホテルの1号店となる「CVS・BAY HOTEL」を開業し、ホテル事業を立ち上げた。
2018年3月、会社分割によりコンビニ事業の一部を、企業フランチャイズ契約を締結していた株式会社ローソンおよびローソンが新設する子会社へ譲渡した。マンションフロントサービス事業の事業領域拡大、ホテル事業の更なる強化のほかM&Aなどにより、常にチャレンジを続ける企業文化の下、「選択と集中」により成長企業への回帰を目指す。
2000年12月、大阪証券取引所ナスダック・ジャパン(現:JASDAQ)市場に株式上場。2006年2月には東京証券取引所市場第一部へ昇格している。

(2)19/2期以後の主な事業内容

(同社決算説明会資料より)

 

コンビニ事業を除いた20/2期の売上(事業収入)構成比はトップがマンションフロントサービス事業、2位がホテル事業、3位がクリーニング事業となっている。
19/2期以降、主力事業はマンションフロントサービス事業となっているが、コンビニ事業も一部継続しているほか、ホテル事業の拡大、早期収益化に向けた各種施策の実行による既存ユニット型ホテル施設の早期収益化を図るとともに、新たな施設の開業のほか不動産投資事業やM&Aなどの新事業の創出などにより、数年内に分割対象事業の収益を補完することを目指す。

 

売上高

2017年2月期

2018年2月期

2019年2月期

2020年2月期

マンションフロントサービス事業

5,640

5,802

5,775

5,587

ホテル事業

1,130

1,405

1,680

1,639

クリーニング事業

1,190

1,219

1,248

1,159

*単位:百万円

 

①マンションフロントサービス事業
2019年2月以降の主力事業。連結子会社(株)アスクのほか地域運営会社3社が提供。

 

【事業内容】
マンション共有施設の案内や宅急便、クリーニングの取り次ぎ等、マンションのフロント業務を手掛けるマンションフロント(コンシェルジュ)サービス、レジデンスサポート(メンテナンスサポート、ハウスクリーニング事業者紹介等)、ミニショップやカフェの運営、更にはカーシェアリング等を手掛けている。
業界トップのマンションフロントサービスでは、首都圏を中心に884件(2020年5月末時点)の施設などを受託。マンション内の居住者同士のコミュニティ構築支援を目的とした、イベント開催やお祭り開催支援などのサービスも提供し、入居者の満足度向上を目指している。
また、(株)FA24との間で「クリーニング取次ぎ」や「ハウスクリーニング」サービスにおける相乗効果の創出を目指している。

 

②ホテル事業
今後の成長性や事業規模の観点から同社が最も注力しているのがホテル事業である。

 

【事業概要】
ホテル事業は、ビジネスユース及びレジャーユースを対象とし、千葉県市川市及び18年6月より浦安市で運営を行っている「ビジネスホテル事業」と、低価格ながらもより快適な空間を提供することで新たな需要を取り込むことを目指す「ユニット型ホテル事業」によって構成されている。

 

<ビジネスホテル事業>
(概要)
JR京葉線市川塩浜駅前の自社所有地で、コンビニ併設の108室規模(シングル/ダブル66室、ツイン42室)のビジネスホテル「CVS・BAY HOEL」を09年12月に開業した。
JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から8駅22分、東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅6分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く、平日はビジネス客、週末はレジャー客と安定した集客を誇る。

 

(同社HPより)

 

近隣テーマパークの入園者や、都心部でのインバウンド顧客の需要増加を背景に近年は稼働率が高まっており、15年12月には隣接する借地においてシングル/ダブル11室、ツイン38室、ファミリー2室、ユニット区画20室(女性専用)、3階建ての新館を開業した。本館よりもやや広いゆとりのある客室空間を提供し、やや高めの宿泊料金で本館と差別化を図っている。
女性専用ユニット区画は安心清潔が好評で高稼働で推移している。

 

「CVS・BAY HOTEL」 新館

(同社資料より)

 

 

<BAY HOTEL浦安駅前>
18年6月9日に千葉県浦安市の東京メトロ東西線「浦安駅」徒歩1分の好立地に長期滞在にも快適なアパートタイプホテル「BAY HOTEL浦安駅前」(ツイン/トリプル48室)を開業した。
お風呂とトイレが別々、キッチン付で複数名での長期滞在可能なアパートタイプホテル。出張などのビジネス客から学生の就職活動、家族やグループ旅行に適している。
同社のホテル事業としては新たな取り組み。

 

Bay Hotel 浦安駅前

(同社HPより)

 

<ユニット型ホテル事業>
(背景)
都心部を中心に増加を続ける「宿泊需要」は量だけでなく、質にも大きな変化が生じている。
国内では成田空港へのLCC各社の就航と成田への1,000円バス(高速バス)の拡充、海外からはアジア各国の成長による観光需要の増加とLCC各社の日本路線の新規開設。
これらを背景に国内では都心部の宿泊料金上昇に伴い低価格な宿泊施設への需要が増加。また、海外からの訪日経験者が増えるに従い、気軽な旅行者が増加し、低価格化した交通費と合わせた旅行費用の低予算化が進んでいる。
一方、従来の都心での宿泊事情は、観光客、ビジネス客、女性客がシティホテルやビジネスホテルを利用するのに対して、価格の安いカプセルホテルは仕事や飲酒で終電に乗り遅れた客が利用するもので、「自宅の睡眠替わり」、「安いが汚い」といった芳しくないイメージが定着していた。
こうした中、宿泊需要を獲得するためには若者や女性、外国人観光客など新たな顧客層を獲得するためのイノベーションが不可欠と考えた同社が、より快適で安心な空間を低価格で提供することでこれらの需要を取り込むためにスタートさせたのが「スマートホテル」である。

 

(概要)
「スマートホテル」は、賃借した既存建物をコンバージョンして運営するユニット型ホテル。第1号物件として15年7月に「東京銀座BAY HOTEL」を開業。20年5月末現在、東京都心を中心に6施設の運営を行っている。
「日本らしさ」をコンセプトに内装やユニフォームを統一。また、「共有スペース」や「パブリックスペース」などをゆとりある配置とすることで出張や観光需要にとどまらず女性客や外国人観光客獲得を目指している。

15年7月開業

 

東京銀座BAY HOTEL 228ユニット(M156・W72)

東京都中央区銀座7丁目

銀座初のユニット型宿泊施設

4駅6路線が徒歩10分以内で利用できる好立地

15年12月開業

 

東京日本橋BAY HOTEL 168ユニット(M90・W78)

東京都中央区日本橋3丁目

日本橋駅徒歩3分、都内の起点となれる立地

館内は、京町をイメージしたデザイン

15年12月開業

 

東京有明BAY HOTEL 146ユニット(M80・W66)

東京都江東区東雲2丁目

りんかい線東雲駅4分

ビッグサイト利用者に加え、舞浜やお台場の観光客も活用

16年1月開業

 

日本橋室町BAY HOTEL 236ユニット(M142・W94)

東京都中央区本町2丁目

新日本橋駅徒歩4分、三越前駅徒歩3分

福徳神社近隣に、和を感じられる施設として開業

16年5月開業

 

秋葉原BAY HOTEL 130ユニット(W130)

東京都千代田区神田練塀町

いずれの秋葉原駅からも徒歩3分

同社初の女性専用ホテル

16年11月開業

 

田町BAY HOTEL 135ユニット(M80・W55)

東京都港区芝5丁目

都営浅草線三田駅より、羽田空港まで直通最速19分!

山手線田町駅より徒歩3分の好立地

(同社資料、HPよりインベストメントブリッジ作成)

2.2021年2月期第1四半期決算

(1)連結業績

 

20/2期 1Q

構成比

21/2期 1Q

構成比

前年同期比

営業総収入

2,785

100.0%

1,709

100.0%

-38.6%

営業総利益

1,029

37.0%

360

21.1%

-65.0%

販管費

956

34.3%

653

38.2%

-31.6%

営業利益

73

2.6%

-293

-

-

経常利益

105

3.8%

-291

-

-

親会社株主に帰属する

四半期純利益

73

2.7%

-352

-

-

*単位:百万円
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

前年同期比38.6%の減収、2億91百万円の経常損失
営業総収入は前年同期比38.6%減の17億9百万円。1Qの国内経済は、2月から本格的に流行が顕在化した新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、4月に政府から緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出自粛などが要請されたことで、国内の経済は急速に収縮した。一方、5月初旬以降、国内感染者数は緩やかに減少するとともに、政府の緊急事態宣言が解除されたことで、経済活動の正常化に向けた動きが進んでいたものの、感染拡大の第2波への警戒などから、飲食、観光業界を中心に厳しい状況が続いており、景気は後退局面に入ってきている。こうした環境の中、同社おいても、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ユニット型ホテル全施設及びマンションフロントサービス受託物件の一部において臨時休業を余儀なくされた。ビジネスホテル及びコンビニ店舗においても、顧客と従業員に対する感染防止対策を行い営業を継続してきたが、東京ディズニーリゾートの臨時休園や大規模展示場でのイベント中止などにより、大変厳しい結果となった。
営業損失は2億93百万円(前年同期は73百万円の利益)。売上の大幅な減少に伴い営業総利益率が前年同期37.0%から21.1%へ大幅に低下、販管費を削減したものの、損失となった。経常損失は2億91百万円(前年同期は1億5百万円の利益)。ホテル稼働における臨時休業中の賃料や人件費などの固定費60百万円を特別損失として計上したことなどにより親会社株主に帰属する四半期純損失は3億52百万円(前年同期は73百万円の利益)となった。

 

セグメント別収益

 

20/2期 1Q

構成比

/利益率

21/2期 1Q

構成比

/利益率

前年同期比

ホテル事業

471

16.6%

51

3.0%

-89.0%

マンションフロントサービス事業

1,449

51.1%

1,119

64.4%

-22.8%

クリーニング事業

359

12.7%

213

12.3%

-40.7%

コンビニ事業

498

17.6%

304

17.5%

-38.8%

その他事業

56

2.0%

49

2.9%

-11.6%

消去・全社

-49

-

-30

-

-

営業総収入

2,785

100.0%

1,709

100.0%

-38.6%

ホテル事業

86

18.4%

-119

-

-

マンションフロントサービス事業

64

4.4%

-37

-

-

クリーニング事業

22

6.3%

2

1.3%

-87.4%

コンビニ事業

17

3.4%

-11

-

-

その他事業

8

14.6%

5

11.4%

-30.9%

調整額

-125

-

-133

-

-

セグメント利益

73

2.6%

-293

-

-

*単位:百万円
*売上高は構成比、営業利益は営業総収入利益率
*数値は切捨て、率は四捨五入

 

ホテル事業
事業収入51百万円(前年同期比89.0%減)、セグメント損失1億19百万円(前年同期は86百万円の利益)。
ホテル業界においては、新型コロナウイルス感染症の拡大によるイベント中止や、政府の緊急事態宣言の発出により、不要不急の外出自粛が要請されたことで国内の宿泊需要が急激に減少した。加えて4月以降、ほぼ全ての国や地域からの入国を制限したことにより、外国人観光客も激減したことで、臨時休業を余儀なくされるホテルも多くみられるなど、これまでにない程の厳しい環境が続いていた。緊急事態宣言の解除により、経済活動は段階的に再開されてきているが、国内旅行及び宿泊を伴う出張需要の回復には、さらに一定の期間を要することが見込まれており、政府の政策による旅行需要の喚起が期待されている。同社においても、都心部の宿泊需要が激減したことや、緊急事態宣言の発出を受け、4月中旬以降ユニット型ホテルを順次休業し、4月末より全6施設において臨時休業を行った。ビジネスホテルにおいても、東京ディズニーリゾートの休園を受け、稼働施設を一部縮小するなど、維持コストの圧縮に努めた。一方、営業を継続した施設においては、工事関係者や海外駐在のビジネスマンの臨時帰国後の一時滞在先としての利用があった。ユニット型ホテルにおける3月、4月の臨時休業前の極端な低稼働の影響を受け損失となった。

 

マンションフロントサービス事業
事業収入11億19百万円(前年同期比22.8%減)、セグメント損失37百万円(前年同期は64百万円の利益)。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、管理会社からの要請や従業員の安全を考慮し、約140物件において臨時休業した。また、約100物件において時短営業及び一部サービスの提供を中止した。なお、当該受託物件においては、緊急事態宣言の解除などにより、5月末時点で、ほぼ全ての受託物件でフロントサービスの提供を再開している。1Q末の総受注件数は、884件となった。なお、管理会社からの要請により臨時休業を行った受託物件の一部において、当該期間中の管理費売上について、現在も協議が続いているため1Qでの売上高の計上を見送っている。また、臨時休業に伴い、雇用調整助成金を申請しており、支給が決定された場合においては2Q以降に計上することを予定している。

 

クリーニング事業
事業収入2億13百万円(前年同期比40.7%減)、セグメント利益2百万円(同87.4%減)。
クリーニング事業は、マンションフロントやコンビニ店舗、社員寮等にクリーニングサービスを提供している。法人向けサービスとしては、マンション内のゲストルームやホテルにおけるリネンサプライのほか、自社工場と商品管理センターによる、ユニフォームのクリーニングからメンテナンス、在庫管理までを一元管理するトータルサービスの拡大を進めている。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部のマンションフロントにおいて臨時休業が行なわれたことで取次拠点が一時的に大きく減少した。加えて、商業施設向けのユニフォーム管理サービス、ホテル向けのリネンサービスの取扱が大きく減少するなどした影響で減収減益となった。
リネンサービスにおいて、大口受注先へのサービス提供が19年5月末で終了したことなどにより、減収減益となった。

 

コンビニ事業
事業収入3億4百万円(前年同期比38.8%減)、セグメント損失11百万円(前年同期は17百万円の利益)。
コンビニエンス・ストア事業においては、同社の強みである独創性を持った店舗作りを目指し、フランチャイズ本部が推進する各種施策に加え、各店舗の商圏に応じた独自仕入れ商品の販売を行うなど積極的な販売施策を進めてきた。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、住宅立地の店舗においては、大型スーパー等の代替利用の顧客向けに生鮮食品や日配食品の販売強化に取り組んできた。しかし、大規模展示場や観光施設の近隣などに面している店舗においては、各種イベント中止や観光客の激減、都心の昼間人口の減少などを受け、来店客数が大きく減少したことにより減収、セグメント損失となった。

 

その他事業
事業収入49百万円(前年同期比11.6%減)、セグメント利益5百万円(同30.9%減)。
その他事業では、事業用不動産の保有や賃貸管理のほか、ヘアカットサービス店舗の運営など、各種サービスの提供を行っている。新型コロナウイルス感染症の拡大により、ヘアカットサービスの一部店舗で臨時休業を実施したことや、所有する賃貸用不動産において、前年同期に多額の更新料収入を計上していた反動などにより減収減益となった。

 

(2)財政状態

 

20年2月

20年5月

 

20年2月

20年5月

現預金

1,605

1,711

仕入債務

217

181

売上債権

480

462

短期有利子負債

1,738

2,371

有価証券

-

-

流動負債

3,064

3,741

たな卸資産

71

66

長期有利子負債

2,489

2,386

流動資産

3,232

3,244

長期預り保証金

376

380

有形固定資産

4,181

4,186

固定負債

3,335

3,240

無形固定資産

73

70

純資産

4,968

4,566

投資その他

3,881

4,046

負債・純資産合計

11,368

11,548

固定資産

8,135

8,303

有利子負債合計

4,227

4,758

*単位:百万円
*有利子負債=借入金+リース債務(長期のみ)

 

1Q末の資産合計は、前期末比1億79百万円増の115億48百万円となった。内訳に関しては大きな変動はない。
負債合計は、前期末比べて5億81百万円増の69億82百万円となった。その主な内訳は、短期借入金が6億50百万円増加した一方、買掛金が35百万円、長期借入金が1億円減少したことなどによるもの。
純資産は、前期比べ4億1百万円減少し、45億66百万円となった。その主な内訳は、剰余金の配当を行ったほか、親会社株主に帰属する四半期純損失を3億52百万円計上したことによるもの。

 

 

3.2021年2月期業績予想

(1)通期連結業績

 

20/2期 実績

構成比

21/2期 予想

構成比

前期比

営業総収入

10,427

100.0%

未定

-

-

営業利益

37

0.3%

未定

-

-

経常利益

165

1.5%

未定

-

-

親会社株主に帰属する当期純利益

-401

-

未定

-

-

*単位:百万円

 

21.2期予想は未定
21.2期予想は引き続き未定とした。
2Q以降は、東京ディズニーリゾートが7月から再開されたほか、7月下旬から開始している政府の観光振興策などにより、宿泊需要の回復が進んでいくことが想定される。しかし、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数に再び増加の傾向がみられており、宿泊需要の改善にはさらに期間を要する可能性がある。6月以降、ホテル施設の稼働状況は改善の兆しは見えているものの、7月より営業再開しているユニット型ホテル2施設及び7月末に新規開業した「BAY HOTEL 東京浜松町」においては、本格的な営業活動を開始しているが、稼働率の上昇に遅れが見られている。また、8/31現在、依然としてユニット型ホテル4施設などが臨時休業を行っており、営業再開の時期については未定としており、秋以降の売上高の見通しを合理的に算出することが困難な状況にある。こうした要因により、主力事業であるホテル事業の業績予想について、現時点で合理的に算出することが困難であることから、21/2期の業績予想については引き続き未定とした。9月以降の宿泊需要の動向を踏まえ、臨時休業中の施設の再開時期を検討の上、2Q決算発表日までを目途に公表する予定。
ホテル事業では、ユニット型ホテルについては、緊急事態宣言及び県を跨いだ移動の自粛要請が解除されたことなどを考慮し、7月1日より「秋葉原BAY HOTEL」、7月16日より「日本橋室町BAY HOTEL」の営業を再開しており、延期となっていたメディアコンテンツとのコラボ企画も同日より再開している。再開されるコラボ企画では、高い販売実績がある作品から新タイトルまで、幅広い作品とのコラボを続々と実施していく予定であり、宿泊需要の開拓に向けた取り組みを強化する。また、開業を延期していたビジネスホテル「BAY HOTEL 東京浜松町」については、7月末に開業したほか、「CVS・BAY HOTEL」の増築棟についても、9月以降の開業に向け準備を進めている。現在も臨時休業中の施設については、東京オリンピックの来年への延期決定などにより、都心の宿泊需要は早期の大幅な改善を見込むことが難しい状況が続いているが、引き続き宿泊動向を注視し、再開時期を適宜検討する。
マンションフロント事業では、マンション内のフリースペースを活用したイベント開催支援サービスにおいて、当面の期間実施が難しくなっている。また、在宅勤務の増加などによりフロントでのクリーニング取扱高が減少するなど、今後も新型コロナウイルス感染症の影響が続くことが見込まれる。同社としてはより高品質なコンシェルジュサービスに向けた人材育成に注力していくとともに、新しい生活様式に対応したフロントサービスの企画、提案に努める考え。
クリーニング事業では、緊急事態宣言解除以降、経済活動が段階的に再開されるとともに、売上高の改善が進んでいる。しかし、クリーニング需要の年間ピークは例年春先であることに加え、ホテルリネンの大幅な減少が続いている。また、在宅勤務の普及によるYシャツ、スーツのクリーニングの減少傾向が続くなど、本格的な改善にはさらに一定の期間を要する見込み。
コンビニ事業では、緊急事態宣言の解除以降、都心の店舗を中心に来店客数は回復の傾向が見られている。しかし、大規模展示場においては、8月の大型イベントの中止や9月以降のビジネス展示会などの開催規模について不透明な部分が多く、売上高の改善にはさらに一定の期間を要する見込み。
配当は修正なく、20.0円(うち上期10.0円)を見込む。

 

*株主優待制度
17年2月末より「ユニット型ホテル」6施設で使用できる株主優待制度を導入し運用してきたが、19年2月15日に「利用可能施設の追加」、「大口保有優遇制度の導入」、「長期保有優遇制度の導入」等の変更を発表した。
なお、有効期限が2020年6月30日までの優待券については、有効期限を11月30日までに延長している。

 

株主優待制度の内容

 

利用可能施設

株主数の増加に加え、優待券利用者による「広告宣伝効果」や「再宿泊需要の増加」にも期待している。
なお、春休み、年度末、花見、GWシーズン期間中は、インバウンド客を含め宿泊需要が旺盛で、稼働率が高い期間が続くことなどを考慮して、優待利用可能期間から除外しているとのこと。

4.今後の注目点

新型コロナ感染拡大はホテル事業だけでなくその他の事業にも大きなマイナス影響を与えている。業績予想は開示していないが、ホテル事業は客足が戻っても鈍いだろう。一方、マンションフロントサービス事業については程なく黒字基調を取り戻せそうだ。今後は新しい生活様式に対応したサービスに期待したい。
業績動向と株価水準では話が異なる。新型コロナ感染拡大後は株価も低調に推移しており、PBRは0.4倍となっている。時価総額は20億円程度で推移しているが、20年5月末の同社の現預金は17億11百万円、投資有価証券12億3百万円と合わせると大幅に下回っている。19/2期にコンビニ事業の売却などで現預金を得たことがここに来て功を奏した形となっている。不透明な環境下ではあるが、バランスシート上の価値から株価は売られすぎと考える。

 

 

7月31日にオープン 個室とユニットのハイブリッド型ホテル
「BAY HOTEL 東京浜松町」  JR浜松町駅 3分、都営線 大門駅2分

 

 

 

 

(同社HPより)

 

 

9月以降に開業
「CVS BAY HOTEL ベイタワー」 JR 京葉線 市川塩浜駅 1分
本館に隣接してオープン

(同社HPより)

 

(同社資料より)

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役(監査等委員除く)

8名、うち社外取締役 4名

監査等委員

3名、うち社外取締役 3名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日 2020年5月29日

 

<基本的な考え方>
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主の皆様やお客様、従業員、地域社会などのすべてのステークホルダーと適切な関係を構築し、社会的責任を果たしていくことであると考えております。この考え方は、当社の経営理念として制定している「明日への誓い」のなかで、全てのステークホルダーに対して“より良き明日の実現”を誓い、実践する経営を目指していくことを掲げていることに基づくものです。そのためには、法令遵守のほか、経営の透明性や効率性をより一層高めていくことが不可欠であり、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

法令順守においては、企業理念を具現化した「企業行動基準」を定め、同基準を当社グループに横断的に運用しているほか、各従業員に対し、日頃の業務時に振り返ることができるよう、行動指針の要点をまとめた携帯可能なガイド冊子を配布しており、当社グループの全社員が法令および定款などを厳守した行動を行うよう周知を実施しております。

 

当社は監査等委員会設置会社制度を採用しております。これは監査等委員である取締役が、取締役会において議決権を行使することを通じ、取締役会の透明性や監督機能の強化を図ることを目的としております。また、当社の職務執行が適正かつ効率的に行われるよう、社外取締役および監査等委員である社外取締役(独立役員1名含む)の出席のもと、毎月定例で取締役会を開催し、業務執行取締役や業務執行役員および子会社の取締役より職務執行に関する報告を実施しているほか、重要事項の審議・決定を行うことでグループ全体の業務の適正に努めております。

 

<コーポレートガバナンスコードの各原則を実施しないおもな理由>
補充原則1-2-4.議決権行使プラットフォームの利用及び招集通知の英訳
補充原則3-1-2.英語での情報の開示や提供
当社の株主における海外投資家の比率は相対的に低く、現状の議決権行使状況に大きな支障はないものと考えているため、コスト等を踏まえ、議決権電子行使プラットフォームの利用、招集通知の英訳及び英語での情報開示は実施しておりません。今後につきましては株主構成(外国人株主や機関投資家の株式保有比率など)や議決権行使状況、あるいは株主の利便性を考慮の上、検討を進めてまいります。

 

原則1-3.資本政策の基本的な方針
当社は、これまで公募増資や立会外分売を行ってきたことで、経営陣である創業者及びその関係者による持株比率の低下が進んでまいりましたが、現在も創業者及びその関係者が議決権の過半数近くを所持しており、上場企業として、所有と経営の分離のあり方については、今後の検討課題と認識しております。
また、新株発行による資金調達については、既存株主の利益を不当に毀損することがないよう、当社の中長期的な成長を実現し、利益の拡大が見込まれるなど、その必要性や合理性について取締役会で審議・監督してまいります。また、その内容については、株主の皆さまに対し適切に開示、説明を行うこととしております。
収益につきましては、将来の企業価値拡大のための事業投資に備えた内部保留の充実をはかりつつ、株主の皆さまへ安定的かつ継続的な利益還元を行ってまいります。

 

原則3-1.情報開示の充実(1)会社の目指すところや経営戦略、経営計画
補充原則4-1-2.中期経営計画へのコミットメント
2018年3月1日に主力事業であったコンビニエンス・ストア事業の一部を吸収分割契約に基づき他社に承継し、同日以降、店舗数を大幅に縮小したことを受け、今後は新たな事業の創出による収益の確立に努めていく方針であることや、ホテル事業において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、全てのユニット型ホテルが臨時休業を行っていることに加え、本年に開業を予定しております2棟のホテル施設におきましても、開業日を一旦未定とさせていただくなど、今後の収支計画を立てることが現時点において困難であることから、現在、中長期の経営計画の開示を行っておりません。

 

補充原則4-3-2.客観性・適時性・透明性ある手続きによるCEOの選任
補充原則4-3-3.CEOを解任するための客観性・適時性・透明性ある手続きの確立
当社では、独立した諮問委員会を設置しておりませんが、CEOの選解任は、会社における最も重要な戦略的意思決定であることを踏まえ、取締役会において、独立社外取締役の適切な関与・助言を得た上で、CEOの選解任を決議することとしております。

 

補充原則4-10-1.任意の委員会の設置
当社は、機関設計として監査等委員会設置会社制度を採用しており、取締役(監査等委員である取締役を除く)5名、監査等委員である取締役4名によって取締役会を構成しており、当社の企業規模などを鑑み、現状の体制が適切であると判断しております。任意の仕組みの活用については、現時点においては設置しておりませんが、企業規模の拡大など、必要に応じ検討いたします。

 

補充原則4-11-1.取締役の選任に関する方針及び手続き
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く)の人数は9名以内、監査等委員である取締役は5名以内と定款で定めております。
取締役会は取締役5名(監査等委員である取締役を除く)、監査等委員である取締役3名で構成されており、当社の事業規模、事業内容において、経営の効率性を確保する観点から、現状の規模は適正であると考えております。また、その人選においては、各事業分野に精通した人物を選任し、知識・経験・能力のバランスを確保するよう努めております。取締役会の国際性については、当社の事業範囲が国内に限定されているため、現時点においては検討しておりませんが、ジェンダーの面については、その重要性は認識しております。しかしながら、上場から20年近くを経た2018年3月に大規模な会社分割を行ったことにより、現在は40代後半から50代の社員が数名しかおらず、知識・経験・能力ともに選任要件を満たす社内人材が男女限らず不足していることや、役員報酬の総額についても事業規模に見合った水準に抑えており、多様性を確保するだけに、役員を登用することについては、その必要性を含め今後も取締役会において議論してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>
原則1-4.いわゆる政策保有株式
当社は、政策保有株式を保有しておりませんが、保有する場合には、「業務提携、取引の維持・強化及び株式の安定等の保有目的の合理性」を検討し取締役会で諮ることとします。また、政策保有株式を保有した場合の議決権行使については、当社と投資先企業双方の持続的成長と、中長期的な企業価値向上に資するかを基準として総合的に判断するほか、政策保有株主との取引については経済合理性が十分か検証したうえで、決定いたします。

 

原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮
当社は、企業年金制度は導入しておりません。

 

原則3-1.情報開示の充実
(3)経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続当社の取締役・監査等委員の報酬は株主総会で決議された役員報酬額の範囲内において、その職責や資質、貢献等を基に算出しております。取締役の報酬は独立社外取締役が出席する取締役会、監査等委員の報酬は監査等委員会で協議を行い決定しているほか、取締役の報酬については監査等委員会がその妥当性を監査しております。

 

(4)取締役の選解任及び指名の方針と手続当社取締役会は、経営陣幹部の選任については、それぞれの経験・実績等を分析しながら、その資質や人格を十分に有する者を指名し、社外取締役候補者については、取締役会全体の監督・監視機能の強化を図るべく、多様な知見や豊富な経験を持つ候補者をそれぞれ指名しております。なお、監査等委員である取締役候補者については、監査等委員会の同意を得ることとしております。経営陣幹部の選任にあたっては、上記の選任要件をもとに取締役会が選任した候補者の議案について独立社外取締役が出席する監査等委員会において適切かどうか検討を行ったのち、取締役会において決議します。経営陣幹部の職務執行に重大な法令・規則違反等があった場合や取締役としての資質や職務遂行能力を満たさないと判断した場合は、取締役会において、独立社外取締役が出席することを必須要件として、役付けの罷免を決議することとしております。

 

原則4-2-1 客観性・透明性のある経営陣の報酬制度の設計および具体的な報酬額の決定
経営陣の具体的な報酬を決定するにあたっては、事前に独立社外取締役を含む監査等委員会がその内容を審議することで、客観性・透明性ある手続きを確保してまいります。

 

2020年5月29日開示コーポレートガバナンスの状況より

 

 

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