ブリッジレポート
(4388) 株式会社エーアイ

グロース

ブリッジレポート:(4388)エーアイ 2020年3月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

吉田 大介 代表取締役

株式会社エーアイ(4388)

 

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

情報・通信

代表取締役

吉田 大介

所在地

東京都文京区西片1-15-15 KDX春日ビル10F

決算月

3月

HP

https://www.ai-j.jp/company/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,782円

5,123,000株

9,129百万円

16.7%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

6.00

0.3%

32.84円

54.3倍

219.14円

8.1倍

*株価は 11/29終値。発行済株式数、DPS、EPSは20年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2017年3月(実)

451

115

116

76

19.57

0.00

2018年3月(実)

591

146

147

109

24.73

0.00

2019年3月(実)

737

211

202

150

30.84

8.00

2020年3月(予)

800

220

220

160

32.84

6.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。19年3月期の配当8.00円/株には、記念配当3.00円/株を含む。

 

株式会社エーアイの2020年3月期第2四半期決算概要などをご紹介致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年3月期第2四半期決算概要
3.2020年3月期業績見通し
4.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 音声合成エンジン及び音声合成に関連するソリューションを提供。自社開発の音声合成エンジン「AITalk®」を用いた製品・サービスを、電話自動応答システム、カーナビ、防災行政無線、スマートフォン、コミュニケーションロボット、車載器、ゲームなど法人向けおよびコンシューマー向けに展開。少ない収録音声で高品質な音声合成を実現しているほか、豊富な話者を提供するなど他社にはない特長・強みを持つ。

     

  • 20年3月期第2四半期の売上高は前年同期比5.6%増の3億11百万円。法人向け製品、法人向けサービスが伸長。コンシューマー向け製品は減収。人員増強等で販管費が同11.7%増加したため、営業利益は同8.6%減の63百万円となった。上場に伴う一時的費用が無くなり経常利益は同11.1%増の63百万円。採用の後ろ倒し、採用コストの削減で販管費が計画を下回ったことから利益は計画を大きく上回った。

     

  • 通期業績予想に変更は無い。20年3月期の売上高は前期比8.5%増の8億円、営業利益は同4.2%増の2億20百万円の予想。音声合成市場の拡大により、前期に続き、増収増益を見込んでいる、配当は前期の普通配当5円/株から1円/増配の6円/株の予定。予想配当性向は18.3%。なお2019年3月期の配当8円/株の内訳は、普通配当5円/株、記念配当3円/株。

     

  • 当初製品リリース予定を2019年6月としていたNuance Communications向け製品はその遅れが気になっていたが、同社からオートモーティブ部門が独立して設立されたセレンス社がライセンス契約を引き継いだ形となっている。CASE(Connected:コネクティッド化、Autonomous:自動運転化、Shared/Service:シェア/サービス化、Electric:電動化)に表されるように、自動車の存在そのものが大きく変化することが予想される中、自動車用音声合成エンジンも、従来のカーナビゲーションにとどまらない役割が求められ、需要も急速に拡大することも考えられよう。次世代音声合成エンジン「「AITalk®5(仮称)」の企業化に踏み出した同社の中長期的な事業展開に注目したい。

     

  • 一方、今期も増収増益予想ではあるが、増収率・増益率は1桁であり、成長を期待される同社としてはやや物足りないところではある。既存製品・サービスの採用拡大で今期の売上、利益をどれだけ上積みできるかを期待したい。

     

1.会社概要

音声合成エンジン及び音声合成に関連するソリューションを提供。自社開発の音声合成エンジン「AITalk®」は、電話自動応答システム、カーナビ、防災行政無線での音声利用のほか、スマートフォン、コミュニケーションロボット、車載器、コールセンターのオペレーター業務の自動化を実現する音声対話システムとして法人向けに提供。また、VOICEROIDをはじめとしたコンシューマー向け製品事業も展開している。

 

【1-1沿革】

創業者である吉田大介氏(同社代表取締役)が、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(※)在籍時、音声合成技術に出会い、世の中に役立つ将来性の高い技術であると直感。当時の技術は、まだ不完全であったが技術の確立と普及および事業化を目的に2003年4月、同社を設立した。
2007年には自社開発の音声合成エンジン「AITalk®」シリーズのライセンス提供を開始した。その後、「AITalk®」をベースとした様々な製品やサービスを開発。「豊富な話者と言語」「少ない収録音声による時間と費用の低減」など他の音声合成エンジンにはない特徴が高く評価され、防災行政無線での採用を皮切りに導入事例が増加し、業容も拡大。
2018年6月、東証マザーズに上場した。

 

※株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
国際的な産・学・官の連携のもとに情報通信関連分野における先駆的・独創的研究を推進することなどをミッションとして、当時の郵政省、NTT、経済団体連合会、関西経済連合会、大学等による準備会の構想のもと1986年に設立。NTT、KDDIなど111社が株主。

 

【1-2 企業理念・ビジョン】

2019年11月11日、企業ロゴ、企業理念、ビジョンを改定し、新たにミッション、バリュー、行動指針を掲げた。

 

企業理念

エーアイは音声技術で社会に新しい価値をつくり続けます

ミッション

声がつくれる“便利さ”と声をつくる“楽しさ”を

ビジョン

音声技術で社会の役に立つサービスをつくり続ける

バリュー

音声技術のトップランナーで居続ける

 

1.人が幸せになる技術・サービスを提供する

2.お客さまと社員と共に未来をつくっていく

3.日々、一歩一歩丁寧に歩んでいく

 

行動指針

・新しい技術、新しいスキルを、常に身につけていく人に。

・お客さまも社員も自分も。仲間と一緒に自分を育てていく思いやりのある人に。

・着実に行動して成長していく向上心のある人に。

 

内外の状況が大きく変化する中で、これからの自社のあるべき姿を新しい企業理念・コーポレートロゴ・行動指針として定めることで、親しみを持ってもらうとともに、今後も社会にとって価値のある企業を目指していく。

 

【1-3市場環境など】

(1)市場環境
音声合成技術開発の歴史は古いが、これまでの利用は、機械的に音声を生成する方式が中心であったため、電話の自動応答システムや防災関連放送、スマートフォン音声対話など、利用フィールドは広がりつつも、その拡大ペースは決してスピーディーなものではなかった。

 

ただ、近年、人間の発声による音声を生成する技術の進展やAI(人工知能)の進化も相まって、ナレーションの音声収録から「音声合成の活用」、片方向の情報提供から「双方向対話の実現」、日本語のみから「多言語展開」など機能が一段と向上しており、今後はeラーニング、モビリティ、ロボット、AIスピーカーなど利用範囲は急速に拡大していくものと見られる。
音声認識・音声合成技術全体の世界市場は、2011年の約470億ドルから、2025年には2,000億ドルまで成長するとの民間調査会社の予測もある。(年平均成長率CAGR約10%)

 

(同社資料より)

 

(2)競合他社
エーアイの音声合成エンジン「AITalk®」の主な競合先は、HOYA株式会社(東証1部、7741、製品名:Voice Text)、東芝デジタルソリューションズ株式会社(未上場。製品名:ToSpeak)など。
エーアイは音声合成に特化して事業を展開しており、研究開発、製品開発、販売、サポートを一気通貫で提供することにより、ユーザーの要望にも迅速かつ柔軟に対応し、シェアを確保している。

 

【1-4 事業内容】

(1)音声合計技術とは?
主な「音声技術」には、音声を認識して文字などに変換する技術である「音声認識」と、テキスト情報を音声に変換する技術である「音声合成」があるが、同社が設立以来、事業を展開しているのは「音声合成」分野である。

 

音声合成分野における研究開発の歴史は古く1850年頃まで遡る。「音声合成」というと1940年頃の開発された「機械音、ロボットボイス」の印象が強いが、同社が扱っている音声合成方式は「コーパスベース音声合成方式」と呼ばれるもの。

 

(コーパスベース音声合成方式の概要)
従来の「規則合成方式」が機械的に音声を生成するのに対し、「コーパスベース音声合成方式」においては収録した人間の音声から母音・子音単位で接続して音声波形を生成するもので、当然ながら音質は機械音ではなく、人間の発声によるものとなる。

 

「コーパスベース音声合成」を実現する技術は、「音声辞書を作成する技術」と「テキスト情報から音声を作成する音声合成処理技術」の2つから構成されている。

 

「音声辞書を作成する技術」

特定の人間の音声を収録し、収録した音声を母音、子音の音素片に分解した上で、音声辞書(音素片の集合体)と韻律辞書(収録音声の韻律情報)を作成する技術。音声合成時に収録した人の音声の再現性を高める為には、音声辞書を作成する作業の精度が非常に重要となる。

「音声合成処理技術」

テキスト情報を日本語解析し、ヨミ、アクセント情報等を付与する「言語処理部」と、解析した結果に対して、韻律辞書を参照し、韻律情報を予測した結果をもとに、音声辞書より最適な音素片を選択し、再度、音声波形に接続し、音声出力する「音声処理部」に分かれる。

それぞれ、日本語解析の精度、韻律予測の精度に加え、音声波形に接続する際の精度が重要。

これらの精度が向上することにより、収録した音声の音素片を再接続して音声出力するので、収録した人の音声に極めて近い合成音を作成することができることが大きな特徴である。

 

(同社資料より)

 

(2)高品質日本語音声合成エンジン「AITalk®」
人間の声で合成する「コーパスベース音声合成技術」をベースに、同社独自に研究開発を行った高品質音声合成エンジンが「AITalk®」である。
より人間らしく自然な音声で自由に音声合成をすることが可能な「AITalk®」の特徴、主な活用シーン、「AITalk®」を用いた製品概要などは以下の通り。

 

①「AITalk®」の特長
*豊富な話者と言語をラインアップ
現在日本語話者は大人から子供まで男女17種類(標準語15種類、関西風2種類)と、豊富な音声ラインナップを備えており、様々な利用シーンに適した音声を選択することができる。

 

*同社ウェブサイトで「音声合成デモ」を是非お試しください。 https://www.ai-j.jp/demonstration/

 

(同社ウェブサイトより)

 

*感情表現も実現可能
使用するシチュエーションや用途に合わせた喜怒哀楽の感情表現を実現できる。

(同社ウェブサイトより)

 

*誰の声でも合成データに変換可能
芸能人や声優、自分の声でも短時間の収録で音声合成用データに変換できる。
テキストを入力するだけで簡単にリアルな本人の声で喋らせる事が可能になるため、WEBキャンペーンや、スマートフォンのアプリケーション、ゲーム等様々なコンテンツの展開が可能。

 

②顧客層・主な活用シーン
「コーパスベース音声合成技術」の向上に伴い、以前は、声優、ナレーターに依頼しての録音音声が利用されていた様々なシーンで音声合成エンジンの利用が拡がっている。
顧客企業は、通信、防災、金融、鉄道・交通、車載、ゲーム、観光、自治体、図書館等幅広い。導入実績は500社以上で、毎期2-3割のペースで増加しているとのことだ。

 

特にこの数年、IoT、ロボットの普及、あるいは訪日観光客の増加に伴い、音声認識と意図解釈を組み合わせた対話ソリューション、あるいは、翻訳と多言語音声合成を組み合わせた音声翻訳ソリューションとして利用されるケースが増増加している。音声合成の活用方法が、従来の片方向の情報提供から人工知能の一部として双方向の対話へと益々拡がっていくと会社側は見ている。

 

活用シーン

概要

①防災行政無線

防災行政無線や全国瞬時警報システム(J-ALERT)により、住民への放送用音声として、多くの自治体が活用している。

②スマートフォン音声対話

(株)NTTドコモが提供する「しゃべってキャラ®」、ヤフー(株)が提供する「Yahoo!音声アシスト」など、スマートフォンにおける音声対話アプリの利用が拡大。

③道路交通情報、カーナビゲーション

日本道路交通情報センターの「道路交通情報」やNTTドコモの「ドコモ ドライブネットインフォ」など、リアルタイムでの情報提供が必要となる道路交通情報、あるいは、全国の膨大な地点名を案内するカーナビゲーションにおいて活用されている。

④Eラーニング

ライトワークス「CAREERSHIP®」、東京税関、中外製薬、大鵬薬品などで採用されている。

⑤放送

TBS「いらすとキャスター」、テレビ東京「モーニングサテライト」、BSジャパン「日経モーニングプラス」等で利用されている。

⑥コミュニケーションロボット

ソフトバンクロボティクス社が提供する「Pepper」、マツコロイド製作委員会が提供する「マツコロイド」等、多くのコミュニケーションロボットにおいて活用されている。

➆館内放送、駅構内放送

JR京都駅、女満別空港ビルなど、駅、空港、商業施設におけるアナウンスとして利用。

⑧電話自動応答システム

図書館における電話による休館案内、銀行における電話自動応答システム、コールセンターにおける電話による自動案内。テレホンバンキング等、電話自動応答システムとして幅広く活用されている。

⑨ホームページ読上げ

全国自治体、各企業のホームページの情報を音声で提供するツールとして活用されている。

⑩音声ファイル作成

eラーニング教材のナレーション、発券機等の機器におけるガイダンス等で利用する音声ファイルを作成するツールとして活用されている。

⑪ゲーム

(株)セガ・インタラクティブが提供する競馬のアーケードゲーム「StarHorse」シリーズ、バンダイナムコエンターテインメント「クマ・トモ」など、ゲームのナレーション音声等で活用されている。

⑫コンシューマー向けパッケージ製品

(音声読み上げパッケージ)

(株)AHSが販売する「VOICEROID®」シリーズを始め、コンシューマー向けパッケージ製品で、音声ファイル作成用途で活用されている。

 

「マツコロイド」

 

マツコ・デラックス本人の忠実なアンドロイドを目指し、頭からつま先にいたる全身を型取りし 表情やしぐさ、癖などもリアルに再現している、最新鋭のアンドロイド技術を応用した アンドロイドタレントです。

アンドロイド研究の第一人者である大阪大学の石黒浩教授監修のもと誕生しました。

 

「マツコロイド」の一部の音声には、エーアイの音声合成エンジンAITalk®が採用されています。

エーアイでは、マツコ・デラックス本人の音声を短時間で収録し、音声合成用のオリジナル音声辞書「AITalk® CustomVoice®」を作成いたしました。これにより、「マツコロイド」はマツコ・デラックス本人の声で様々なテキストを喋らせることが実現可能となりました。

今後は「マツコロイド」がイベント等へ出演する際、マツコ・デラックス本人の音声合成AITalk®で喋ります。

 

(同社ウェブサイトより)

 

 

③主な製品
「AITalk®」を用いて法人向け、個人向けに様々な利用シーンに適した製品・サービスを開発・販売している。

製品名

概要

活用事例

AITalk® 声の職人

 

パソコンにテキストを入力するだけで、手軽に音声ファイルが作成できる、ナレーション作成ソフト。誰でも簡単に直感的な操作で、高品質なナレーション音声の作成が可能。最新バージョン「AITalk®4 」では、感情の調整も可能。

eラーニング教材のナレーション動画マニュアル、観光案内、館内放送など。

 

 

AITalk®声プラス

PowerPoint®のスライドに簡単に音声をプラスできるPowerPoint®アドインソフト。高品質な音声をPowerPoint®上で簡単に作成することが可能。

ナレーション付きeラーニングコンテンツを

PowerPoint®だけで簡単に作成、社外・社内用のプレゼン資料に音声を添付など。

AITalk® SDK

人間らしく自然な音声で自由に音声合成をする事ができ、ライブラリで提供する音声合成SDK(ソフトウェア開発キット)。最新バージョン「AITalk®4 SDK」では、感情の調整も可能.。

パッケージソフトへの組込み/ 電話自動応答の音声/機器への組込み/WEBキャンペーン・WEBサービス

AITalk® Server

電話自動応答やインターネットサービスなど、ネットワークを利用し、マルチタスクで合成処理を行う場合に最適なエンジン。

電話自動応答の音声/ WEBキャンペーン・WEBサービス

AITalk® Custom Voice®

芸能人や声優、自分の声等を収録し、音声合成用のオリジナル日本語音声辞書を作成するサービス。テキストを入力するだけで簡単にリアルな本人の声で喋らせる事が可能。

WEBキャンペーンや、スマートフォンのアプリケーション、ゲーム等様々なコンテンツの展開が可能。

 

 

かんたん!AITalk®

文字を入力するだけで、簡単に高品質なナレーションが作成できる個人ユーザー向けパッケージソフト

ビデオや動画のナレーションとして自分の声を入れる、学習用の音声教材として電車や車の中でリスニングするための聴覚教材を自作する。

AITalk® あなたの声

自分の声などを、音声合成技術で再現。パソコンさえあれば、いつでも、どこでも、様々な言葉を喋らせる事ができるパッケージソフトで、Custom Voice®をセットにした製品。

生前の本人の声で、葬儀のエンディングメッセージを読み上げることができる、講演会や発表会で自分が喋らずに、自分の声で講演が可能。

 

(3)次世代音声合成エンジン「AITalk®5(仮称)」
「DNN(ディープ・ニューラル・ネットワーク)」を活用した音声合成エンジンで感情表現を実現する次世代音声合成エンジン「「AITalk®5(仮称)」の企業化に取り組んでいる。

 

(開発の背景)
現行の「コーパスベース音声合成方式」による同社製品「「AITalk®4」は、対話型の音声合成に必要な、喜び・怒り・悲しみ等の感情音声辞書を個別に作成する必要があり、コストが大きく発生してしまう点や、合成の際に感情が不連続に変化し、なめらかではないという課題がある。
このため同社では、感情変換フィルタをDNNから予測し、平静素片から感情素片を生成することで、平静時から感情が滑らかに変化する音声合成方式の実現に向け、2017年7月から2018年12月の18か月間を対象とした「新製品・新技術開発助成金事業」取り組んできたが、その成果について自信を持てたため企業化することとした。この仕組みについては特許出願中である。

 

(次世代音声合成エンジン「AITalk®5(仮称)」の概要)
(1)特徴
活用シーンに合わせて、従来型の「コーパスベース音声合成方式」と「DNN音声合成方式」を選択することができ、以下の特徴がある。
①深層学習を活用することで音質が向上し、さらなる人間的で自然な高品質音声合成を実現する。また、従来の「AITalk®4」にあった不連続で急な感情変化を解消し、喜び・悲しみ・怒りの感情がなめらかに遷移する感情豊かな音声合成を実現する。②従来の「AITalk®4」では、喜び・怒り・悲しみの感情音声辞書を作成する際、それぞれの感情をもつ音声収録と音声辞書作成を行う必要だった。これに対し次世代音声合成エンジン「AITalk®5(仮称)」では、深層学習を活用することで、従来よりも少量の収録音声から新たに音声辞書を作ることが可能。このため収録時間と音声辞書作成時間の短縮により音声辞書作成コストを削減し、より安価に音声合成エンジンを提供することが可能となる。

 

(2)製品ラインアップ
AITalk®5 SDK開発キット/ライブラリ
AITalk®5 Custom Voice®オリジナル音声辞書作成サービス
AITalk®5 Editorナレーション・ガイダンス音声作成ソフト
AITalk®5 Serverサーバー設置型音声合成

 

(3)販売開始日
2020年4月予定:SDK/Custom Voice®/Editor
2020年10月予定:Server

 

(同社資料より)

 

(4)ビジネスモデル・商流
製品及びサービスを「法人向け製品」「法人向けサービス」「コンシューマー向け製品」の3区分に分類している。
法人向けについては、顧客の特性に応じて、最適な製品またはクラウドサービスを提供している。

 

販売方法については、法人向けにおいては、プロモーションを通じた問合せ(SEO対策、メルマガ、ニュースリリースなど)に対応する「インサイドセールス」、営業スタッフによる新規顧客開拓・既存顧客リピート案件の獲得を行う「フィールドセールス」のほか、パッケージ商品については販売パートナーを通じた販売を行っている。
コンシューマー向けにおいては、直販ではなく販売店に販売を委託しており、毎月、もしくは四半期単位で販売実績に応じたロイヤリティを受領している。

 

 

 

①法人向け製品
パッケージ販売、ライセンス提供、受託開発の3形態をとっている。

 

◎パッケージ販売
パソコンにテキストを入力するだけで、手軽に音声ファイルが作成できるパッケージソフトを販売している。
簡単に直感的な操作で、高品質なナレーション音声を作成することができる。

 

主要製品・サービス

ビジネスモデル

料金例

AITalk® 声の職人®

AITalk® 声プラス

フロー型(売り切り)

永年利用 90万円

 

◎ライセンス提供
同社の主たるビジネスモデル。顧客と使用許諾契約書を締結し、音声合成エンジン利用の対価として許諾料を受領する。
許諾料は、初期の基本ライセンス料に加え、利用用途に応じた月額使用料、販売実績に応じたロイヤリティ等を個別に設定している。顧客の用途に応じて、最適な音声合成エンジンを提供している。

 

主要製品・サービス

ビジネスモデル

料金例

AITalk® SDK

AITalk® Server

micro AITalk®

ストック型

基本ライセンス料

ロイヤリティ(個別設定)

 

◎受託開発
顧客独自のオリジナル音声辞書を受託開発で作成している。

 

主要製品・サービス

ビジネスモデル

料金例

AITalk® Custom Voice®

フロー型

プランによって40~500万円

 

②法人向けサービス
◎クラウドサービス
クラウド環境を活用した音声合成サービスの展開を進めており、ユーザーはインターネットを経由して音声合成を利用したサービスを利用できる。

 

主要製品・サービス

ビジネスモデル

料金例

AITalk® WebAPI

AITalk® Web読み職人®

AITalk® 声の職人® クラウド版

ストック型

5,000円/月より

 

◎サポートサービス
法人向け製品をライセンス提供している顧客に対して、継続的に技術的なサポートサービスを提供している。

 

主要製品・サービス

ビジネスモデル

料金例

技術サポート

ストック型

年間契約

 

③コンシューマー向け製品
音声ファイルを簡単に作成できるパッケージを販売している。

 

主要製品・サービス

ビジネスモデル

料金例

かんたん!AITalk®

AITalk® あなたの声®

VOICEROID®シリーズ 琴葉 茜®・葵®

フロー型

販売は外部へ委託。

販売実績に応じてロイヤリティを設定。

 

(4)研究開発体制
2019年3月31日現在の研究開発人員は10名。2019年3月期の研究開発費総額は1億1百万円。
18年3月期までの「言語処理」および「音声処理」グループに、「エンジン開発」を加えた3グループで前2019年3月期には以下のような研究開発を進めた。

 

(言語処理グループ)
音声合成向け日本語処理技術の向上を目指している。
①MeCabの辞書開発ツールの改良、学習ツールの改良、辞書エントリーの追加により形態素解析の解析精度の向上を図った。
②音声合成向けのTag付き入力文章への対応、及び組み込み向けにリソース圧縮を可能にするため、MeCabを音声合成向けに改良・高速化した。
③組込みを含めた種々の分野への利用を考慮し、用途に合わせて調整可能なスケーラブルな辞書を作成する技術を開発した。

 

(音声処理グループ)
新しい高品質な音声合成エンジンの開発を進めている。
①一般的に、DNN(ディープ・ニューラル・ネットワーク)を用いた音声合成において課題の一つとなる学習外の情報を入力した際の音質劣化について、新たな正規化手法を開発し、音質が改善することを確認した。
②DNNを用いた音響パラメータの推定について、新規韻律モデルを開発し、韻律の予測について、品質が向上することを確認した。この手法は、スペクトルパラメータについても同様に品質向上が期待できるものである。
③名古屋大学との共同研究にて、次世代のDNN音声技術の一つであるニューラルボコーダの音声合成エンジンへの応用について、基礎的な検証を完了した。

 

(エンジン開発グループ)
研究開発された言語・音声の新規アルゴリズムの早期実用化を進めている。
①DNN声質変換技術を組み込んだ新規エンジンの開発を行い、動作の確認を行った。
②Nuance Communications社の多言語音声合成エンジンの日本語エンジンとしてエーアイの合成エンジンを統合可能にするために、エンジンのAPIの改良及び新規機能を追加した。

 

【1-5 特長と強み、競争優位性】

高品質音声合成エンジン「AITalk®」を開発し製品・サービスを提供している同社の特長・強み、競争優位性は以下の通り。

 

①少ない収録音声
「コーパスベース音声合成技術」において、合成品質を向上するための一般的なアプローチは、音声収録数を増やすこと。
ただ一方で、音声収録数が増加すると収録時間が長時間に及び、また、音声辞書のサイズが大きくなるので、音声辞書作成コストも増加するというデメリットがある。

 

同社では、少ない収録音声での高品質な音声合成を目指して、研究開発を進めており、一般的には、数10時間(数千~1万文章程度の収録)の収録時間が必要なところ、2時間~6時間程度(200~600文章程度の収録)の収録時間による音声辞書作成を実現した。

 

②豊富な話者の提供
少ない収録音声による音声辞書作成を実現した結果、様々な音声辞書を提供する事が可能となり、現在、女性7話者、男性4話者、男の子2名、女の子2名の合計15話者を提供している。

 

③Custom Voice(カスタムヴォイス)の豊富な作成実績
従来は音声辞書の作成に数千万円のコストがかかっていたが、少ない収録音声による作成を実現した結果、50万~500万円程度で作成することが可能となった。その結果、特定の声優、ナレーター、キャラクター等、ユーザーが希望する音声辞書を安価に作成することができるようになり、音声合成エンジンの利用範囲が大幅に拡がった。
これまで300以上のCustom Voiceを作成している。

 

④研究開発から製品開発、販売、サポートまで一気通貫での提供体制
音声合成エンジンを提供している競合他社のほとんどは大手メーカーで、研究開発と製品開発あるいは販売が分離されている。
同社では、研究開発から製品開発、販売、サポートまでほとんど全てを自社内で対応しており、柔軟かつ迅速な対応を行える体制ととなっている。外国語の音声合成エンジンについては、海外メーカーと提携し、展開している

 

【1-6 ROE分析】

 

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

ROE (%)

15.0

15.4

17.8

16.7

 売上高当期純利益率(%)

15.09

17.03

18.51

20.38

 総資産回転率(回)

0.84

0.77

0.83

0.73

 レバレッジ(倍)

1.19

1.17

1.16

1.12

 

2018年6月の上場であるため、調達資金は19年3月末にのみ反映されており厳密な時系列比較は難しいが、20年3月期の売上高当期純利益率は20%の予想であり今期も高水準のROEを維持するものと見られる。

 

【1-7 ESGへの取り組み】

2019年3月期は、以下のような取り組みを行った。

E・S・G

テーマ

概要

S:社会

①女性活躍の推進

・社員36名中、女性が16名 (45.7%)

・管理職11名中、女性が3名 (27.3%)

②子育て支援の推進

・育児休業制度の活用 2名

・短時間勤務制度の活用 1名

③働き方改革の推進

・残業の少ない職場環境:月平均残業時間 16時間

・休暇を取りやすい職場環境:有給取得実績 平均12日(最大26日)

・パートから社員への転換:2019年4月より2名を社員へ転換

④社会貢献活動の推進

・中学生修学旅行の社会科見学受け入れ 1校

・2020年3月期は、現時点で4校を受け入れ予定

G:ガバナンス

①株主・投資家との対話

・個人投資家向け説明会の開催 1回(8月)

・機関投資家向け説明会の開催 1回(11月)

・機関投資家との1on1ミーティング 29回

・雑誌等の取材 18回

・テレビ、ラジオ等の出演 5回

 

2.2020年3月期第2四半期決算概要

(1)業績概要

 

19/3期2Q

構成比

20/3期2Q

構成比

前年同期比

予想比

売上高

294

100.0%

311

100.0%

+5.6%

+0.5%

売上総利益

235

79.8%

248

79.9%

+5.7%

+9.4%

販管費

165

56.2%

185

59.5%

+11.7%

-9.1%

営業利益

69

23.5%

63

20.4%

-8.6%

+168.1%

経常利益

57

19.4%

63

20.4%

+11.1%

+167.9%

当期純利益

42

14.6%

49

15.8%

+14.4%

+199.2%

*単位: 百万円

 

増収も人員増などにより営業減益。期初計画は上回る。
売上高は前年同期比5.6%増の3億11百万円。法人向け製品、法人向けサービスが伸長。コンシューマー向け製品が減収。
人員増強等で販管費が同11.7%増加したため、営業利益は同8.6%減の63百万円となった。上場に伴う一時的費用が無くなり経常利益は同11.1%増の63百万円。
採用の後ろ倒し、採用コストの削減で販管費が計画を下回ったことから利益は計画を大きく上回った。

 

19年4月以降10月末までに、マーケティング2名、製品開発5名、管理1名を採用した。今期の採用計画は完了したが、要人材がいれば随時採用する考えだ。

 

(2)分野別売上

 

19/3期2Q

構成比

20/3期2Q

構成比

前年同期比

法人向け製品

147

47.4%

155

50.0%

+5.5%

法人向けサービス

94

30.3%

111

36.0%

+18.6%

コンシューマー向け製品

52

17.0%

43

14.0%

-17.3%

合計

294

100.0%

311

100.0%

+5.6%

*単位:百万円。

 

(法人向け製品)
防災分野が増収。パッケージ製品(声の職人、声プラス)の販売が堅調に推移した。

 

(法人向けサービス)
NTTドコモ社の「my daiz®(マイデイズ)」サービスが大きく寄与した。(「my daiz®(マイデイズ)」では、my daizのキャラクターや各サービスのエージェントとの対話を通してユーザー自身に最適な提案を行っている)

 

(コンシューマー向け製品)
新製品投入の遅れもあり、VOICEROIDシリーズの販売が低調だった。

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー(CF)

◎主要BS

 

19/3月末

19/9月末

 

19/3月末

19/9月末

流動資産

1,115

1,089

流動負債

105

61

 現預金

970

983

 仕入債務

3

2

 売上債権

130

86

 未払金

35

18

固定資産

96

97

固定負債

2

2

 有形固定資産

13

16

負債合計

108

64

 無形固定資産

15

12

純資産

1,103

1,122

 投資その他の資産

67

68

 利益剰余金

761

770

資産合計

1,211

1,186

負債純資産合計

1,211

1,186

 

 

 

自己資本比率

91.1%

94.6%

*単位:百万円。

 

自己資本比率は前期末から3.5ポイント上昇し94.6%。

 

◎キャッシュ・フロー

 

19/3期2Q

20/3期2Q

増減

営業CF

45

50

+5

投資CF

-1

-6

-5

フリーCF

44

44

-0

財務CF

246

-30

-277

現金同等物残高

927

983

+56

*単位:百万円。

 

フリーCFは前年同期とほぼ変わらず。
キャッシュポジションは上昇した。

 

(4)トピックス

◎車載向け多言語音声合成エンジンの製品化でセレンス社とライセンス契約を締結
2019年11月、米国セレンス社と、エーアイの高品質日本語音声合成エンジン「AITalk®」の基礎技術をセレンスに提供するライセンス契約を締結した。

 

(セレンス社概要)
2018年10月に技術提携契約を締結したNuance Communications Incのオートモーティブ部門が独立し設立された新会社で、
自動車業界向けに独自のソリューションを提供している。
AI、自然言語理解、声紋認証、ジェスチャーと視線検知、拡張現実(AR)等に関する専門知識を有し、世界の大手自動車メーカーとイノベーション・パートナーとして提携している。コネクテッドカー、自動運転、電気自動車などにおける事業展開を進めている。

 

セレンス社の音声エンジン「Cerence TTS」は高品質の音声出力を可能にする次世代の音声合成テクノロジーによる、豊かな表現力、強化された多言語サポート、長文テキストの最適化された読み上げ機能を特長とする。
また静的な音声出力と動的な音声出力をスムーズにブレンドできるだけでなく、最適化されたテキスト処理、より包括的な発音辞書、そして多くの言語での完全な音声リフレッシュにより、出力する音声の質と精度を向上させている。

 

(ライセンス契約の内容・背景)
エーアイが保有する高品質日本語音声合成エンジン「AITalk®」の基礎技術をセレンスに提供し、「Cerence TTS」に組み込むことにより、ユーザーは「Cerence TTS」を使用して、多言語のひとつとして、高品質日本語音声合成エンジン「AITalk®」を使用することができる。自動車メーカー等に「Cerence TTS」が採用された場合には、「AITalk®」を利用する車載器等の台数に応じたライセンス料がエーアイに支払われる。

 

今回のライセンス契約は、Nuance Communications Incとの技術提携契約をセレンス社が引き継ぐものであり、「AITalk®」の優秀さをセレンス社が改めて評価したものである。

 

◎次世代音声合成エンジンを企業化へ
2019年9月、「DNN(ディープ・ニューラル・ネットワーク)」を活用した音声合成エンジンで感情表現を実現する次世代音声合成エンジン「「AITalk®5(仮称)」を企業化すると発表した。
(【1-4 事業内容】を参照)

 

次世代音声合成エンジン「AITalk®5(仮称)」は、活用シーンに合わせて、従来型の「コーパスベース音声合成方式」と「DNN音声合成方式」を選択することがでる。
深層学習を活用することで音質が向上し、さらなる人間的で自然な高品質音声合成を実現するほか、収録時間と音声辞書作成時間の短縮により音声辞書作成コストを削減し、より安価に音声合成エンジンを提供することが可能となることなどが特長である。

 

◎防災行政無線向けにおける多言語展開
来日外国人の増加により、防災行政無線において、外国語対応ニーズが増大していることから、AITalk®による日本語放送に加えて、外国語(英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語等)放送を提供する。
従来は、日本語テキストを元にAITalk®の日本語音声を放送していたが、今後はこれに加え、日本語テキストを外国語に翻訳したうえで外国語音声合成エンジンを用いて外国語の放送を行うというもの。
翻訳エンジンや外国語音声合成エンジンについては、他社との協業を強化する。

 

◎学会発表・論文発表
音学シンポジウム(2019年6月、京都)、電子情報通信学会和文論文D採録(2019年7月)、INTERSPEECH 2019内サテライトワークショップThe 10th ISCA Speech synthesis workshop (2019年9月)などで研究成果の発表を行った。
INTERSPEECHは音声研究の世界的なトップカンファレンス。

 

3.2020年3月期業績見通し

(1)業績見通し

 

19年3月期

構成比

20年3月期(予)

構成比

前期比

進捗率

売上高

737

100.0%

800

100.0%

+8.5%

38.9%

営業利益

211

28.6%

220

27.5%

+4.2%

28.8%

経常利益

202

27.4%

220

27.5%

+8.8%

28.8%

当期純利益

150

20.4%

160

20.0%

+6.5%

30.7%

*単位:百万円。予想は会社側発表

 

業績予想に変更無し。増収増益。
業績予想に変更は無い。売上高は前期比8.5%増の8億円、営業利益は同4.2%増の2億20百万円の予想。
音声合成市場の拡大により、前期に続き、増収増益を見込んでいる。
配当は前期の普通配当5円/株から1円/増配の6円/株の予定。予想配当性向は18.3%。
なお2019年3月期の配当8円/株の内訳は、普通配当5円/株、記念配当3円/株。

 

 

(2)分野別売上

 

19/3期

構成比

20/3期(予)

構成比

前期比

進捗率

法人向け製品

423

57.5%

451

56.4%

+6.4%

34.4%

法人向けサービス

208

28.3%

229

28.6%

+9.7%

48.5%

コンシューマー向け製品

104

14.2%

120

15.0%

+14.9%

35.8%

合計

737

100.0%

800

100.0%

+8.5%

38.9%

*単位:百万円。

 

(法人向け製品、法人向けサービス)
市場拡大に伴い引き合いの更なる増加が見込まれ、音声収録に代わるパッケージ製品(声の職人、声プラス)の販売増、
防災分野における翻訳機能付多言語対応の増加を見込んでいる。

 

(コンシューマー向け製品)
動画へのナレーション作成用途等で引き続きVOICEROIDシリーズの販売が好調と予想している。
新製品も投入する。

 

4.今後の注目点

当初製品リリース予定を2019年6月としていたNuance Communications向け製品はその遅れが気になっていたが、同社からオートモーティブ部門が独立して設立されたセレンス社がライセンス契約を引き継いだ形となっている。
CASE(Connected:コネクティッド化、Autonomous:自動運転化、Shared/Service:シェア/サービス化、Electric:電動化)に表されるように、自動車の存在そのものが大きく変化することが予想される中、自動車用音声合成エンジンも、従来のカーナビゲーションにとどまらない役割が求められ、需要も急速に拡大することも考えられよう。
次世代音声合成エンジン「「AITalk®5(仮称)」の企業化に踏み出した同社の中長期的な事業展開に注目したい。
一方、今期も増収増益予想ではあるが、増収率・増益率は1桁であり、成長を期待される同社としてはやや物足りないところではある。
既存製品・サービスの採用拡大で今期の売上、利益をどれだけ上積みできるかを期待したい。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

5名、うち社外3名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2019年6月27日

 

<基本的な考え方>
当社は、企業が安定した成長・発展を遂げていくためには、経営の効率化と健全性を高めるとともに、公正で透明性の高い経営体制を構築していくことが不可欠であるとの観点から、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題と位置付けております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。

 

 

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