ブリッジレポート
(7839) 株式会社SHOEI

プライム

ブリッジレポート:(7839)SHOEI 2020年9月期第1四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

石田 健一郎 社長

株式会社SHOEI(7839)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

その他製品(製造業)

代表取締役社長

石田 健一郎

所在地

東京都台東区台東 1-31-7

決算月

9月

HP

https://www.shoei.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

5,540円

13,771,529株

76,294百万円

20.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

98.00円

1.8%

193.88円

28.6倍

1028.44円

5.4倍

*株価は2/21終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*数値は四捨五入、ROEは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2015年9月(実)

14,244

3,210

3,092

1,996

145.00

72.00

2016年9月(実)

14,138

3,145

3,244

2,192

159.22

79.00

2017年9月(実)

15,641

3,461

3,497

2,358

171.29

85.00

2018年9月(実)

17,148

3,734

3,772

2,578

187.21

93.00

2019年9月(実)

18,616

4,203

4,179

2,935

213.15

106.00

2020年9月(予)

19,400

3,870

3,880

2,670

193.88

98.00

* 予想は会社予想。2016年9月期より当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益については同様)。

 

 

SHOEIの2020年9月期第1四半期決算の概要と2020年9月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年9月期第1四半期決算
3.2020年9月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 20/9期1Qは前年同期比7.6%の増収、同23.6%の営業増益。販売数量は、前年同期128千個から132千個へ3%増加した。依然好調な受注に生産が追付かない状況が継続している。市場環境は欧州中心に堅調、同社が推し進めている顧客のニーズに沿った新モデルの開発・販売および顧客の安全をサポートするサービスが成功裏に推移した。利益面では、為替も想定比若干の円安で推移したこと、子会社販売も好調なこともあり各利益率が大幅に上回った。

     

  • 通期予想に修正はなく、20/9期は4.2%増収、7.9%営業減益を見込む。高級二輪乗車用ヘルメット市場においては、欧州市場は、極端な天候不順がない限り堅調に推移、米国市場は二輪新車販売が停滞しており、ヘルメット市場も楽観はできないものと期初に前提を置いた、依然好調の主力モデルRF-1200を中心に鋭意販売拡販に取り組む。同社が推し進めている顧客ニーズに沿った新モデル開発・販売および顧客の安全をサポートするサービスの強化を通じて今後一層のシェア拡大が期待される。流動性の向上と投資家層の拡大を目的とし、20/3末を基準日として1株につき2株の割合をもって株式分割の実施を決定、配当は、配当性向50%を前提として2円増配の98.0円の期末配当を見込む。

     

  • 利益率の増加が顕著に現れた1Qといえそうだ。各利益の上期・通期予想に対する進捗率は前年同期実績を大きく上回っている。例年同様に保守的予想であることが確認出来たといえるだろう。通期予想は減益だが、為替が大きく動くようなことがない限り増益となりそうだ。20/9期も受注に生産が追い付かない状況は不変である。今期はタイに販売子会社を開設するが、長期的には新興国における所得向上に伴う成長も期待したい。

     

1.会社概要

プレミアムヘルメット市場で世界ナンバーワンのヘルメット・メーカー。売上高の約90%を占める二輪乗車用ヘルメットでは、高品質・高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県一関市)の国内2工場で生産。国内生産にこだわる事で、高い品質の維持と技術の流出防止を実現している。一方、販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界約70ヵ国超を網羅しており、安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、“SHOEI”ブランドは「プレミアムヘルメット」の代名詞となっている。グループは、同社の他、米国、独(2社)、仏、伊の連結子会社5社。

 

経営方針 

 

Quality&Valueをビジネスコンセプトに、安全性、快適性、ファッション性などに優れ、お客様のニーズにお応えした高品質で、高付加価値のプレミアムヘルメットの製造販売に特化いたしております。当社は①入念な市場調査②社内デザイナーによる斬新なヘルメットデザイン③豊富な経験に基づき「ファッション」を「工業製品」に落とし込む開発④安定した品質をお手頃な価格で生産というサイクルを通じて競争力の高い製品を市場に送り出し続けています。④を確実に達成する為、当社はジャストインタイム方式による製造工程の改善を日々行いながら、又、日本製の高機能素材を使いこなしながら、Made In Japan にこだわり生産をしております。

 

【中長期的安定成長と安定利益の実現に向けた基本方針】
1. 上場企業として、人命を守る製品のメーカーとして、コンプライアンス順守を最優先する
2. お客様のニーズに即した超一流のヘルメットを開発・製造するニーズに背を向けた企業はいずれ淘汰される
3. 高付加価値化と生産合理化を両輪とするMade in Japanの維持
4. ブランド維持
5. 工場稼働率重視。工場の稼働率が落ちては従業員のみならず、原材料サプライヤー、協力工場、販売代理店等多くのステークホルダーのモチベーションを下げる
6. 投資の継続
7. 築城10年落城1日。不正につながりかねない理不尽なノルマは課さない。愚直に、しかし眼前の課題から逃げずに着実に前進する。
8. 利益分配の伝統を堅持 株主(50%配当性向)、従業員(昇給等)、会社(投資、内部留保)
9. 新規事業の検討

 

短期的な支払い能力を示す流動比率が533.3%、長期的な財務の安全性を示す固定比率が26.6%、無借金経営で自己資本比率79.1%と災害等の有事の備えが着実に実行されている事が貸借対照表からみてとれる。

 

また、茨城及び岩手の国内2工場で全量を生産する事で(2)顧客のニーズに即した超一流のヘルメットを開発・製造、(3)高付加価値化と生産合理化を両輪とするMade in Japanを実現、(4)ブランドを維持する。また、(6)投資を継続する傍ら、(9)新規事業の検討も始めている。

 

2.2020年9月期第1四半期決算

(1)連結業績

 

19/9期 1Q

構成比

20/9期 1Q

構成比

前年同期比

売上高

4,160

100.0%

4,475

100.0%

+7.6%

売上総利益

1,642

39.5%

1,872

41.8%

+14.0%

販管費

778

18.7%

804

18.0%

+3.4%

営業利益

863

20.8%

1,067

23.9%

+23.6%

経常利益

850

20.4%

1,081

24.2%

+27.2%

親会社株主に帰属する四半期純利益

585

14.1%

757

16.9%

+29.5%

※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
※単位:百万円

 

前年同期比7.6%の増収、同23.6%の営業増益
売上高は前年同期比7.6%増の44億75百万円。1Qの販売数量は、前年同期128千個から132千個へ3%増加した。依然好調な受注に生産が追付かない状況が継続している。市場環境は欧州中心に堅調、同社が推し進めている顧客のニーズに沿った新モデルの開発・販売および顧客の安全をサポートするサービスが成功裏に推移した。欧州市場は、主力モデルのNEOTEC2およびGT-Air2が好調であり販売数量は7%増となった。北米市場は、2代理店から1代理店に替えることにより効率化と販売増を目指す。もう1社の代理店在庫は継続代理店が引き取りを行ったため同代理店において在庫調整が発生し販売数量は45%減となった。日本市場は、タイト感が継続する中で販売数量は35%増となった。アジア市場全体の販売数量は高級市場が拡大する中で45%増となった。特に中国市場はヘルメット規格変更に伴う市場での混乱も収束し前期後半以降好調が続いており、230%の増加となった。
営業利益は前年同期比23.6%増の10億67百万円。為替が想定比若干の円安で推移したこと、子会社販売も好調なこともあり売上高総利益率が2.3ポイントと大幅に上回り41.8%となった。販管費の増加を吸収し、営業利益率が前年同期20.8%から23.9%に増加した。営業外では為替差益が発生(前年同期は為替差損)したことなどで経常利益は同27.2%増の10億81百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同29.5%増の7億57百万円となった。

 

 

(2)地域別動向

 

19/9期 1Q

構成比

20/9期 1Q

構成比

前年同期比

国内

861

20.7%

1,156

25.8%

34.3%

海外

3,299

79.3%

3,319

74.2%

0.6%

欧州

1,984

47.7%

2,162

48.3%

9.0%

北米

827

19.9%

480

10.7%

-42.0%

その他地域

487

11.7%

676

15.1%

38.9%

合計

4,160

100.0%

4,475

100.0%

7.6%

※単位:百万円

 

 

高級二輪乗車用ヘルメット市場においては、欧州市場は、個人消費が依然底堅くドイツ、フランス、イタリア等全地域において縮小傾向は見受けられなかった。北米市場は、若者の二輪車離れから二輪新車販売は依然停滞しており、ヘルメット市場も横ばいで推移した。日本市場は、堅調な個人消費に支えられ251cc以上の二輪新車販売も堅調であり、ヘルメット市場もシニア層を中心に高級品、複数個所有の傾向が継続している。アジア市場は、中国の富裕層を中心に高級ヘルメット市場が堅調に推移した。また、中国以外のアジア諸国も小規模ながらも順調に拡大している。

 

19/9期投入の新製品

< EX-ZERO >

ビンテージテイストフルフェイスモデル

 

販売地域 : 日本

 販売開始: 2018年11月

 メーカー希望小売価格 : 38,000円~46,000円(税抜き)

< GT-Air Ⅱ>

サンバイザー付フルフェイスヘルメット

 

販売地域 : ヨーロッパ

  販売開始: 2019 年3月

  メーカー希望小売価格

    ドイツ・フランス : EUR499.00~629.00(税込み)

GT-Air 小売価格 : EUR 479.00~579.00(税込み)

販売地域 : 北米

  販売開始: 2019 年4月

  メーカー希望小売価格 : US$599.00~699.00(税抜き)

GT-Air 小売価格 : US$549.99~670.99(税抜き)

販売地域 : 日本

  販売開始: 2019年5月

メーカー希望小売価格 : 51,000円~59,000円(税抜き)

 

受注も堅調に推移、1Qの受注高は前年同期比13.3%増、受注残は同25.7%増。

 

受注高・受注残高

 

19/9期 1Q

20/9期 1Q

受注高

前年同期比

受注残高

前年同期比

受注高

前年同期比

受注残高

前年同期比

プレミアムヘルメット

4,876

21.1%

4,563

23.6%

5,533

13.5%

5,801

27.1%

官需用ヘルメット他

410

30.8%

253

20.7%

457

11.3%

249

-1.3%

合計

5,287

21.8%

4,816

23.5%

5,991

13.3%

6,051

25.7%

受注残高は期末、単位:百万円

 

(3)財政状態

 

19年9月

19年12月

 

19年9月

19年12月

現預金

9,018

8,667

仕入債務

495

1,204

売上債権

2,233

1,709

未払金

307

265

たな卸資産

2,592

3,180

未払法人税等

650

447

流動資産

14,679

14,148

退職関連引当金

904

879

有形固定資産

2,883

3,098

有利子負債

-

-

無形固定資産

65

64

負債

3,186

3,753

投資その他

623

604

純資産

15,065

14,163

固定資産

3,572

3,767

負債・純資産合計

18,252

17,916

単位:百万円

 

1Q末の総資産の残高は179億16百万円で、前期末比3億35百万円減少した。現預金、受取手形及び売掛金(売上債権)が減少した。負債の残高は37億53百万円で、前期末比5億67百万円増加した。買掛金(仕入債務)の増加がおもな要因。純資産の残高は141億63百万円で、前期末比9億2百万円減少した。利益剰余金が減少し、為替換算調整勘定のマイナス額が拡大した。
自己資本比率は79.1%(前期末82.5%)と高い水準を維持している。

 

 

3.2020年9月期業績予想

連結業績

 

19/9期実績

構成比

20/9期予想

構成比

前期比

売上高

18,616

100.0%

19,400

100.0%

+4.2%

営業利益

4,203

22.6%

3,870

19.9%

-7.9%

経常利益

4,179

22.5%

3,880

20.0%

-7.2%

親会社株主に帰属

する当期純利益

2,935

15.8%

2,670

13.8%

-9.0%

単位:百万円

 

20/9期は前期比4.2%の増収、同7.9%の営業減益を計画
通期予想に修正はなく、20/9期は売上高が前期比4.2%増の194億円、営業利益は同7.9%減の38億70百万円を見込む。
高級二輪乗車用ヘルメット市場においては、欧州市場は、極端な天候不順がない限り堅調に推移、米国市場は二輪新車販売が停滞しており、ヘルメット市場も楽観はできないものと期初に前提を置いた。
期初の地域別売上見通しは以下の通り。

 

地域別売上高

 

19/9期(実績)

構成比

20/9期(予想)

構成比

前期比

国内

4,557

24.5%

4,479

23.1%

-1.7%

海外

14,058

75.5%

14,921

76.9%

+6.1%

欧州

8,991

48.3%

9,622

49.6%

+7.0%

北米

2,889

15.5%

2,654

13.7%

-8.2%

その他地域

2,176

11.7%

2,645

13.6%

+21.5%

合計

18,616

100.0%

19,400

100.0%

+4.2%

単位:百万円

 

依然好調の主力モデルNEOTECⅡ、GT-AirⅡを中心に鋭意販売拡大に取り組む。米国では主力代理店の経営刷新に伴い2代理店制から1代理店制に戻した。アジア市場は、全般的に堅調に推移すると期待される。日本市場は、ライダー高齢化の懸念はあるものの安定的なツーリング市場の拡大に伴いシニア層を中心にシェア拡大に取り組む。また、同社が推し進めている顧客ニーズに沿った新モデル開発・販売および顧客の安全をサポートするサービスの強化を通じて今後一層のシェア拡大が期待される。
増収を見込むものの販管費の増加や円高を考慮し、業績予想を積み上げたもの。期初の前提為替レートは、通期平均で1ドル=108円、1ユーロ=120円。ECサイトを開設予定。また、今春には都内でショールームを開設する見通し。
流動性の向上と投資家層の拡大を目的とし、20/3末を基準日として1株につき2株の割合をもって株式分割の実施を決定、配当は、配当性向50%を前提として2円増配の98.0円の期末配当を見込む。

 

 

上期予想は以下の通り

 

上期連結業績

 

19/9期 上期実績

構成比

20/9期 上期予想

構成比

前年同期比

売上高

7,841

100.0%

8,530

100.0%

+8.8%

営業利益

1,692

21.6%

1,930

22.6%

+14.0%

経常利益

1,686

21.5%

1,930

22.6%

+14.5%

親会社株主に帰属

する当期純利益

1,156

14.7%

1,320

15.5%

+14.1%

単位:百万円

 

 

20/9期投入の新製品

< J-CruiseⅡ >

サンバイザー付オープンフェイスモデル

 

販売地域 : ヨーロッパ

  販売開始予定: 2019 年12月

  メーカー希望小売価格

    ドイツ・フランス : EUR479.00~579.00(税込み)

販売地域 : 北米

  販売開始: 2019 年12月

  メーカー希望小売価格 : US$549.99(税抜き)

販売地域 : 日本

  販売開始: 2019年7月

メーカー希望小売価格 : 49,000円~56,000円(税抜き)

< Glamster>

ニュークラシック フルフェイスモデル

 

販売地域 : ヨーロッパ

  販売開始予定: 2020 年3月

  メーカー希望小売価格

    ドイツ・フランス : EUR449.00~549.00(税込み)

販売地域 : 日本

  販売開始: 2020年 時期未定

メーカー希望小売価格 : 未定

 

4.今後の注目点

利益率の増加が顕著に現れた1Qといえそうだ。各利益の上期予想に対する進捗率は営業利益で55.3%、経常利益で56.0%、親会社株主に帰属する四半期純利益で57.4%に達しており、前年同期実績のそれぞれ51.0%、50.4%、50.6%を大きく上回っている。例年同様に保守的予想であることが確認出来たといえるだろう。通期予想は各利益で減益だが、こちらの進捗率も営業利益27.6%(前期20.5%)、経常利益27.9%(同20.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益28.4%(同19.9%)とそれぞれ大きく上回っており、為替が大きく動くようなことがない限り増益となりそうだ。
20/9期も受注に生産が追い付かない状況ではあるが、新たな懸念としては、前下期から回復基調にある中国で発生した新型コロナウイルスによる世界的拡大の影響が挙げられる。今期はタイに販売子会社を開設するが、長期的には新興国における所得向上に伴う成長も期待したい。

 

参考:コーポレート・ガバナンスについて

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書 更新日:2019年12月23日
基本的な考え方
当社は、中長期的な安定成長と安定利益、企業価値の向上を経営の重要課題としております。その実現のために、株主やお客様をはじめ、取引先や従業員、各ステークホルダーとの良好な関係を築くとともに、お客様に満足いただける製品を提供することが重要と考えております。この考え方は、当社の「基本方針」にも記載し、社内に周知しております。このような中でコーポレート・ガバナンスの充実に向け、様々な施策を実施してまいります。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-2】取締役会の役割・責務(2)
当社において、役職員の立場は常に公平であり、提案を妨げる環境にはありません。経営幹部(当社においては「執行役員以上」をいいます。)は担当する職務を遂行する上での課題を認識し、経営会議等の議論の場において、問題点とその解決策の提示を行います。提案者と取締役及び経営幹部とは、闊達で公明正大な議論を行っております。また、経営幹部の報酬は、生活給的要素を考慮し、毎事業年度末に能力並びに前年度の業績貢献等に基づき評価した、内規に定める年俸ランクに応じた固定給体系になっております。

 

【補充原則4-2-1】取締役会の役割・責務(2)
取締役の報酬は、生活給的要素を考慮し、「役員報酬規程」で定めた役位別の報酬額を株主総会にて承認した枠内で支給する固定給重視の体系と役員退任時の慰労金制度(社外取締役は対象外)からなっております。今後、取締役会は、取締役の報酬体系を検証して、リスクを反映させ、健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブ付けを組み込んだ体系へと制度設計に係る議論を社外取締役による任意の審議を中心として計画してまいります。なお、取締役報酬などの特に重要な事項に関する審議に際しては、公正かつ透明性の高い手続きが確保されるよう独立社外役員、社外役員を主要な構成員とする任意の諮問委員会を設置することも含め、社外取締役による任意の審議が必ず最重要プロセスとして取り入れられた環境の整備にも取り組んでまいります。

 

【原則4-11】取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件
業務執行取締役は、当社事業の各現業を把握した経営幹部からを中心に、その業務執行取締役の監督機能を図る社外取締役は、独立した客観的な立場において適切な判断を行い、また、能動的・積極的に意見を述べる外部の人材からを中心に配置するようにしております。また、その構成も人的・質的バランスを重視して配置するようにしております。現在、女性もしくは外国人の取締役は選任しておりませんが、取締役は、それぞれ当社の企業哲学である「Quality&Value」を追求し、「安全性・快適性・ファッション性」の三位一体に加え、お客様が求める先進技術の具現化を通じてお客様に楽しく快適な二輪車生活を提供するという企業理念に基づく職務執行に必要な資質と多様性を備えており、取締役会における独立社外取締役の人数比率は5分の2となっていることから、独立性と客観性を確保した体制であると考えております。なお、取締役会の構成については、多様性を重視し、取締役会の監督機能の強化を図り実効性を高めていくことを今後の課題と認識しております。また、当社では監査役候補者の選任基準として、「①当社取締役または監査役として、当社の経営に関与したことがある者、②当社の部長職として、3年以上経理業務、総務業務、経営企画業務または内部監査業務に従事したことがある者、③他社の取締役または監査役として、企業経営に関与したことがある者、④弁護士、公認会計士等の資格を有し、その専門知識、経験等を監査役として発揮できる者」を設けており、適切な経験・能力および財務・会計・法務に関する十分な知識を有する者から選任できる体制整備に取り組んでおります。

 

【補充原則4-11-1】取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件
業務執行取締役は、当社事業の各現業を把握した経営幹部からを中心に、その業務執行取締役の監督機能を図る社外取締役は、独立した客観的な立場において適切な判断を行い、また、能動的・積極的に意見を述べる外部の人材からを中心に配置することを基本的な考え方としております。多様性および規模に関する考え方は、引き続き株主等との対話(面談)を通じてその意向を真摯に受け止め、十分に配慮して検討してまいります。

 

<開示している主な原則>
【原則1-4】政策保有株式
政策保有株式を保有しないことはもちろん、リスクの高い有価証券投資を行わないことが当社の基本方針であり、その基本方針については、少なくとも毎年1回、取締役会で確認するようにしております。また、政策保有株式を保有しない方針の順守により、個別の政策保有株式についても保有実績がない旨を有価証券報告書等で開示しております。

 

【原則1-7】関連当事者間の取引
当社は、子会社との販売代理店取引、代理店管理委託取引、マーケティング委託取引およびこれらに付随関連する取引以外に関連当事者取引を行う予定はなく、過去にもこれらの取引以外の関連当事者取引の実績はありません。また、役職員ならびにその関係者の支配する会社との取引を、コンプライアンス規程にある「行動指針」にて、公私の区別を厳しくする旨を定めており、この方針の順守により、子会社との取引以外の関連当事者取引に関しては一切ありません。

 

【原則2-6】企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮
当社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付企業年金制度を採用しております。確定給付企業年金の積立金の管理および運用に関しては、専門機関である生命保険会社と契約を締結しており、全て一般勘定で運用を委託しております。専門機関である生命保険会社からは、毎月、四半期、半期、年度と定期的に年金資産の運用、財政状況等が報告される体制となっております。報告された年金資産の運用、財政状況等は総務部にてチェックし、定期的ならびに必要に応じて、生命保険会社と主に年金資産の財務状況に係る意見交換をしております。

 

【原則5-1】株主との建設的な対話に関する方針
株主、投資家には、常に公平な姿勢で接するように努めており、経営陣並びにIR担当部署(経営管理部)による、、日々の株主、個人投資家との対話(面談)ならびに機関投資家、マスコミ、金融機関対象の決算説明会を始めワンオンワンミーティング等により、積極的な対話(面談)に努めております。また、外国人投資家の持株比率は37%前後であり、外国人投資家との透明度の高い誠実な対話(面談)とIR活動を続けております。

 

東証コーポレート・ガバナンス情報サービス:http://www2.tse.or.jp/tseHpFront/CGK010010Action.do?Show=Show

 

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