ブリッジレポート
(3134) Hamee株式会社

スタンダード

ブリッジレポート:(3134)Hamee 2020年4月期第2四半期決算

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樋口 敦士 社長

Hamee株式会社(3134)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

小売業(商業)

代表者

樋口 敦士

所在地

神奈川県小田原市栄町2-12-10 Square O2

決算月

4月

HP

https://hamee.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,516円

15,872,898株

24,063百万円

21.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

6.50円

0.4%

56.02円

27.1倍

254.13円

6.0倍

*株価は12/30終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2016年4月(実)

6,501

450

427

257

16.58

3.00

2017年4月(実)

8,502

1,106

1,048

695

44.22

4.50

2018年4月(実)

9,376

1,379

1,266

872

54.69

5.50

2019年4月(実)

10,302

1,163

1,179

821

51.16

6.50

2020年4月(予)

11,141

1,269

1,295

889

56.02

6.50

* 予想は会社予想。単位は百万円、円。
* 16年3月 1:4、16年11月 1:2。EPSは遡及修正。

 

 

Hamee株式会社の2020年4月期第2四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年4月期第2四半期決算概要
3.2020年4月期業績予想
4.ビジネス概況
5.中期経営計画
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/4期上期は前年同期比16.7%の増収、同80.5%の営業増益。iPhone販売の好調を受けて「Reflection」を中心にiFaceシリーズが伸びた国内コマース事業が業績を牽引。プラットフォーム事業もネクストエンジンの好調で連結子会社の先行投資の影響を吸収して増収増益。コマース事業における自社企画商材の粗利率改善と国内・海外の売上ミックスの変化等で収益性も改善した。

     

  • 上方修正された通期予想は前期比8.1%の増収、同9.1%の営業増益。プラットフォーム事業はネクストエンジンが期初計画とおり好調を維持し、Hameeコンサルティングの人的リソースの確保・教育に対する先行投資の影響を吸収。コマース事業は、上期の上振れを反映したものの、国内コマース事業の下期計画を保守的に据え置いた他、海外も製造事業譲受に伴うのれん償却費等を織り込んだ。配当は6.5円の期末配当を予定している。

     

  • 好決算となった上期だが、改めてiPhone販売への依存の高さを認識させられる決算でもあった。ただ、22/4期に売上高138億円、営業利益率16%以上を目標す中期経営計画の取り組みが進捗する事で収益体質が改善されていく。20/4期通期の業績は上振れする可能性が高いが、目先の業績よりも、「プロダクトとデータによる新体験の提供」と「テクノロジーとデータによる顧客サクセスの追求」という中期経営計画における事業戦略の進捗に注目していきたい。

     

1.会社概要

happy mobile, easy e-commerce」(社名の由来でもある)を事業Domainと定め、「happy mobile」を実現するためのモバイルアクセサリーの企画・デザイン、インターネット販売及び卸販売事業(コマース事業)と「easy e-commerce」を実現するためのEC事業者向けクラウド型(SaaS)業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供事業(プラットフォーム事業)の2事業を展開している。モバイルアクセサリーECではトップクラス。プラットフォーム事業も業界トップのユーザーを有する。
グループは、同社の他、Hameeコンサルティング(株)、Hamee Korea Co., Ltd.(韓国)、Hamee US ,Corp.(米国)、Hamee India Pvt. Ltd.(インド)、Hamee Shanghai Trade Co., Ltd.(中国)の連結子会社5社、及び持分法適用会社ROOT(株)、シッピーノ(株)。

 

【経営理念と中期経営ビジョン : 「Hamee Infinity Strategy」】

 

自らのクリエイティブ魂に火をつけ、魂の入ったプロダクト&サービスの提供を通じ、顧客体験価値を最大化し、顧客のクリエイティブな炎を燃え上がらせます。

 

継続的な成長を実現するため、従前の事業モデルからの進化・発展を企図して新たに中期経営ビジョン「Hamee Infinity Strategy」を策定した。グループシナジーを追求すると共に、Hameeの全事業のデータを活用する「HDP(ハミィ・データ・プラットフォーム)」を構築し、to Business(プラットフォーム)の領域とto Consumer(コマース)の領域において成長投資を加速させる事で、データセントリックなビジネスモデルへの進化を目指している。

1-1 事業概要

事業は、コマース事業、プラットフォーム事業、及びふるさと納税支援やIoT関連等のその他に分かれる。
19/4期の売上構成比は、コマース事業82.9%、プラットフォーム事業16.7%、その他0.4%。

 

コマース事業 : 商品企画力を活かし流通の川上から川下までカバー、ネクストエンジンで自社ECを効率運営
モバイルアクセサリーを中心とした雑貨等の商品企画・製造(ファブレスメーカー)及び仕入を行い、一般消費者へのインターネット通信販売(小売)や大手雑貨量販店・大手家電量販店等への卸販売を行っている。インターネット通信販売は、国内に加え、海外子会社を通して、一般消費者向けの現地ECサイト運営や海外ECショッピングモール等への出店(越境EC)も行っている。

 

国内インターネット通信販売(小売) : 自社ドメインサイトの運営や有力ECサイトへの出店を通して消費者に販売
自社ドメインサイトに加え、同じタイプの店舗を、楽天やYahoo!等、複数のECサイトに出店している他、コンセプトやターゲットの異なる店舗を同一のモールに出店する等、多店舗展開を進めている。例えば、総合店舗と位置付けられている「Hamee(各モール店)」は、老若男女を問わず、わかりやすい店舗づくりが特徴で、男性向けの「iPlus」「Hamee TV」、女性向けの「Ketchup!」、店舗関係者が“可愛い”と思ったものを集めた「Kawaii館」等がある。商品部(商品開発)、CRマネジメント部(接客)、WEBマーケティング部(店舗づくり)が一体となった事業展開が強みとなっている。

 

卸販売(卸売) : 量販店及びEC業者に販売
大手雑貨量販店や大手家電量販店を中心にモバイルアクセサリーの卸売を行っている他、EC事業者向けにインターネット卸販売サイトの運営を行っている。小田原本社(神奈川県)の他、東京、大阪に拠点を設け、ラウンダーと呼ばれる実店舗の売場構築を支援する人材を配置している。

 

海外向け販売 : 韓国、米国、中国の子会社が一般消費者向けインターネット販売を展開
韓国、中国、米国、インドの連結子会社4社を通じてインターネット通信販売及び小売り事業者向けの卸販売を行っており、韓国子会社は商品企画・デザイン・選定等の業務も手掛けている。中国では自社ドメインサイト1店舗を含む3店舗を展開している。

 

多様な販売チャネル

 

 

尚、商品仕入については、500社を超える仕入先のネットワークを有し、モバイルアクセサリー関連の情報網としても機能している。また、社内に商品デザイナーを中心とした商品企画・デザイン専門チームを有し、海外を含む外部メーカーの協力を得て、利益率の高い自社企画商品の製作も手掛けている。この他、玩具や実用品等も取り扱っており、10,000種類を超える商品の卸販売を含めた販売状況を分析する事で、売れ筋商品をリアルタイムに把握し、商品仕入・企画に活用している。

 

プラットフォーム事業 : 自社ECの運営ノウハウ注入による差別化・優位性、アプリ充実でプラットフォームとしての魅力向上
自社サイトやインターネットショッピングモール等でインターネット通販を展開するEC事業者向けに、ネットショップ運営に必要なバックオフィス業務(受注、発注、仕入、在庫~分析等、ネットショップ運営に必要な業務)を一元管理できるSaaS型マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」を開発・提供している。「ネクストエンジン」は同社グループがECを展開する中で開発されたECのバックオフィスシステムであり、現在も同社グループのコマース事業において使用されている基幹システムである。
海外展開も視野に入れており、「海外現地法人で実際にECを運営し、各国のECショッピングモールとの連携等、ノウハウを蓄積したうえで現地(海外)版ネクストエンジンを開発、リリースする」事を基本戦略としている。

 

インターネット通信販売事業者向け業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」をSaaSとして提供
「ネクストエンジン」は、メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携、商品ページ一括アップロード等の機能を有し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援するSaaS型のシステム。ネットショップのルーティーン業務を可能な限り自動化すると共に、自社ネットショップや大手ネットモール等、異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの一元管理や複数のネットショップの在庫数表示の同期が可能。業務効率アップにより残業削減はもちろん、販売戦略や商品開発のための時間創出にも寄与する。

 

メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」)でユーザーニーズに柔軟に対応
「ネクストエンジン」には、メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」)があり、ユーザーはニーズに合わせて機能を使い分ける事が可能。メイン機能はEC事業者の利便性に資する標準的な機能がワンパッケージで搭載されており、アプリはそれ以上の特殊なニーズに対応するためのオプションと位置付けられている。
「ネクストエンジン」の基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制(ユーザーの事業規模に応じた料金体系)。また、専用サーバープランやカスタマイズ(ネクストエンジンオーダーメイド)等のサービスもあり、この場合は顧客毎に個別料金を適用している。ネクストエンジン上の各種アプリについては、アプリによって異なる(無料、定額料金制、従量課金制)。

 

プラットフォーム化(システムからプラットフォームへ)
2013年12月に「ネクストエンジン」のAPIを公開した事で、「ネクストエンジン」上で自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリの展開が可能となる等、いわゆるプラットフォーム化が実現した。プラットフォーム化により、アプリとネクストエンジンを連携させる事によるユーザー企業の環境に応じたシステムの構築・運用が可能になった。

 

※API(Application Programming Interface)
あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータ等を、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェイスのこと。

 

(同社資料より)

 

2.2020年4月期第2四半期決算概要

2-1 上期連結業績

 

19/4期 上期

構成比

20/4期 上期

構成比

前年同期比

売上高

4,639

100.0%

5,413

100.0%

+16.7%

売上総利益

2,323

50.1%

2,952

54.5%

+27.1%

販管費

1,856

40.0%

2,110

39.0%

+13.7%

営業利益

467

10.1%

842

15.6%

+80.5%

経常利益

469

10.1%

877

16.2%

+86.8%

親会社株主帰属利益

337

7.3%

602

11.1%

+78.5%

* 単位:百万円

 

前年同期比16.7%の増収、同80.5%の営業増益
売上高は前年同期比16.7%(7億74百万円)増の54億13百万円。背面に強化ガラスを使ったiFace ReflectionなどiFaceシリーズの好調で国内小売(4億16百万円増)・卸売(3億72百万円増)を中心にコマース事業の売上が同17.1%増と増収をけん引する中、早期の体制整備を念頭に顧客開拓よりもコールセンター業務の移管手続を優先したプラットフォーム事業の売上も同7.3%(60百万円)増加した。
ふるさと納税事業支援や「Hamic BEAR」の売上が計上されるその他の売上も、ふるさと納税事業支援を中心に前年同期の8百万円から78百万円に増加したが、前年同期の売上を大型受注が押し上げた米国の売上が減少した(1億39百万円減)。

 

営業利益は同80.5%増の8億42百万円。コマース事業における自社企画商材の粗利率改善と国内・海外の売上ミックスの変化に加え、プラットフォーム事業もアプリ開発の内製化回帰等による経費の見直しが進み、売上総利益率が54.5%と4.4ポイント改善。人件費(72百万円増)、支払手数料(65百万円増)、物流費(21百万円増)等を中心にした販管費(2億54百万円増)の増加を吸収した。
最終利益は同78.5%増の6億02百万円。保険返戻金(19百万円)の計上や持分法投資損益の改善(△9百万円→9百万円)等で営業外損益が改善する一方、税負担率が上昇した(28.3%→31.4%)。

 

販管費の内訳

 

19/4期 上期

対売上比

20/4期 上期

対売上比

前年同期比

物流費

244

5.3%

266

4.9%

+8.8%

人件費

708

15.3%

780

14.4%

+10.3%

支払手数料

298

6.4%

363

6.7%

+21.8%

その他

606

13.1%

701

13.0%

+15.7%

販管費合計

1,856

40.0%

2,110

39.0%

+13.7%

* 単位:百万円

 

 

第1四半期は売上高25億57百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益3億84百万円(同63.9%増)。ネクストエンジンと国内コマース事業が期初計画を上回った。一方、グローバル展開では、2018年8月に韓国子会社が取得した「PATCHWORKS」ブランドが期初から貢献したものの、前期獲得した大口受注の反動減等による米国子会社の売上減少をカバーできなかった。

 

第2四半期は売上高28億55百万円(前年同期比18.8%増)、営業利益4億58百万円(同97.3%増)。プラットフォーム事業は前年同期比7.1%の増収、同24.9%の営業増益。ネクストエンジンはコールセンター業務移管に軸足を置いたものの、契約獲得が期初計画を超過。Hameeコンサルティングの先行投資を吸収して大幅な営業増益となった。コマース事業は、国内小売、卸売共に第1四半期に続きiFaceシリーズが好調。iPhone11関連商品の滑り出しも順調だった。

 

 

2-2 セグメント別動向

 

19/4期 上期

構成比・利益率

20/4期 上期

構成比・利益率

前年同期比

 小売

1,603

34.6%

1,978

36.5%

+23.4%

 卸売

2,190

47.2%

2,464

45.5%

+12.5%

コマース事業

3,793

81.8%

4,443

82.1 %

+17.1%

プラットフォーム事業

836

18.0%

897

16.6%

+7.3%

その他

8

0.2%

78

1.5%

+839.5%

調整額

-

-

-6

-0.1%

 

連結売上高

4,639

100.0%

5,413

100.0%

+16.7%

コマース事業

716

18.9%

1,068

24.0%

+49.2%

プラットフォーム事業

246

29.5%

269

30.0%

+9.1%

その他

-84

-

-81

-

-

調整額

-411

-

-412

-

-

連結営業利益

467

10.1%

842

15.6%

+80.5%

* 単位:百万円

 

コマース事業
売上面では、前期第4四半期(2月)に発売した「iFace Reflection」のヒット、2018年モデルのiPhoneシリーズ(iPhone XS、iPhone XR等)が値下げされた事を契機にしたiFaceシリーズの売上の小売・卸売の両チャネルでの伸長、更には2019年9月に発売されたiPhone11シリーズ向けのケースも好調に推移した。

 

利益面では、量産効果によるiPhone Xシリーズ以降の機種向けiFaceシリーズなど自社企画商材の粗利率改善傾向が続くと共に、国内・海外の売上ミックス変化により売上総利益率が53.8%と4.5ポイント改善した。

 

プラットフォーム事業
当事業は、同社が手掛けるネクストエンジンとHameeコンサルティングの事業に分かれる。売上高は前年同期の8億36百万円から8億97百万円に61百万円増加した。内訳はネクストエンジンの売上が94百万円増加する一方、Hameeコンサルティングの売上が33百万円減少した。ネクストエンジンについては、コールセンター業務の外注への移管手続きにより契約獲得ペースが鈍化したものの期初計画を達成し、前年同期比13.7%の増収。第2四半期末の契約社数は3,790 社と前年同期末比10.2%増加した。一方、Hameeコンサルティングは、人材投資(コンサルタント採用)に伴いトレーニング含め既存コンサルタントの稼働率が低下した。人材難の中で採用が計画を下回っており、下期も減収が見込まれる。

 

利益面では、ネクストエンジンは、サーバー費、ソフトウェア償却費、コールセンター外注費(原価項目)を中心に売上原価が33百万円増加したものの、人件費(原価及び販管費)9百万円の圧縮やその他費用の見直しにより前年同期比30.4%の増益。一方、Hameeコンサルティングは、人材投資に伴う労務費(原価項目)の増加18百万円や人材採用費(販管費)の増加6百万円等、成長投資の影響と売上の減少で減益となった。
尚、アプリ開発の内製化回帰等、経費の見直しを進めた効果に加え、組織変更に伴う労務費の一部の売上原価から販管費への振替えあり、売上総利益率は56.8%と4.0ポイント改善した。

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

19年4月

19年10月

 

19年4月

19年10月

現預金

1,660

1,257

仕入債務

207

142

売上債権

1,283

1,615

未払金・未払費用

506

577

たな卸資産

1,032

1,070

未払法人税等

187

349

流動資産

4,373

4,480

賞与引当金

77

73

有形固定資産

276

306

有利子負債

500

163

無形固定資産

716

651

負債

1,572

1,391

投資その他

394

464

純資産合計

4,188

4,510

固定資産

1,387

1,421

負債純資産合計

5,760

5,901

* 単位:百万円

 

第2四半期末の総資産は前期末との比較で1億40百万円増の59億01百万円。借方ではコマース事業の拡大で売上債権が増加し、貸方では好調な業績を反映して純資産が増加した。一方、借入金の返済を進めた事で現預金と有利子負債が減少した。自己資本比率74.1%(前期末70.3%)。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

19/4期 上期

20/4期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

103

321

+218

+211.1%

投資キャッシュ・フロー(B)

-371

-159

+211

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-268

162

+430

-

財務キャッシュ・フロー

-147

-509

-362

-

現金及び現金同等物期末残高

1,279

1,257

-21

-1.7%

* 単位:百万円

 

税引前利益8億79百万円(前年同期4億71百万円)、減価償却費1億47百万円(同1億21百万円)、売上債権の増加△3億61百万円(同26百万円)、法人税等の支払△1億56百万円(同2億57百万円)等で、3億21百万円の営業CFを確保した。投資CFは有形・無形固定資産の取得等によるもので(前年同期は事業譲受による支出△2億16百万円)、財務CFは有利子負債の返済や配当金の支払による。
尚、EBITDA(現金収入)は10億71百万円と同70.6%増加した。

 

参考 : EBITDAと研究開発費

 

19/4期 上期

20/4期 上期

増減

前年同期比

税金等調整前四半期純利益

471

879

+407

+86.6%

支払利息

0

0

+0

-

減価償却費

155

191

+35

+22.7%

 ソフトウェア

59

74

+15

+25.8%

 のれん

34

43

+9

+28.6%

 その他無形固定資産

20

11

-9

-44.4%

EBITDA

627

1,071

+443

+70.6%

研究開発費

59

79

+19

+33.0%

* 単位:百万円

 

ソフトウェアについては、ネクストエンジン機能増強及びネクストエンジンアプリ開発等の中規模開発案件に係る人件費をソフトウェアに計上し3年間で償却している。のれんの内訳は、プラットフォーム事業29百万円(Hameeコンサルティング)、コマース事業13百万円(PATCHWORKS及びAndMesh)。その他の無形固定資産の内訳はコマース事業2百万円(PATCHWORKS商標権)。

3.2020年4月期業績予想

3-1 通期連結業績

 

19/4期 実績

構成比

20/4期 予想

構成比

前期比

期初予想

予想比

売上高

10,302

100.0%

11,141

100.0%

+8.1%

10,949

+1.8%

売上総利益

5,247

50.9%

6,025

54.1%

+14.8%

5,844

+3.1%

販管費

4,080

39.6%

4,757

42.7%

+16.6%

4,751

+0.1%

営業利益

1,163

11.3%

1,269

11.4%

+9.1%

1,092

+16.2%

経常利益

1,179

11.5 %

1,295

11.6%

+9.8%

1,082

+19.7%

親会社株主帰属利益

821

8.0%

889

8.0%

+8.3%

801

+10.9%

* 単位:百万円

 

前期比8.1%の増収、同9.1%の営業増益予想
売上高は前期比8.1%増の111億41百万円。下期の見通しは保守的なものとなったが、期初計画を上回った上期の実績を反映して、コマース事業、プラットフォーム事業共に売上が増加する見込み。ふるさと納税事業支援の寄与でその他の売上は前期の36百万円から1億93百万円に増加する。

 

営業利益は同9.1%増の12億69百万円。コマース事業、ネクストエンジン共に収益性の改善を伴って利益が増加するが、コンサルタントの採用の遅れで売上が減少する中で人件費が増加するHameeコンサルティングの利益が減少する他、研究開発費の増加でその他の損失が増加する見込み。

 

 

販管費の内訳

 

19/4期 実績

対売上比

20/4期 予想

対売上比

前期比

期初予想

予想比

物流費

545

5.3%

575

5.2%

+5.4%

572

+0.5%

人件費

1,472

14.3%

1,661

14.9%

+12.8%

1,115

+49.0%

支払手数料

701

6.8%

842

7.6%

+20.1%

841

+0.1%

その他

1,362

13.2%

1,679

15.1%

+23.3%

2,223

-24.5%

販管費合計

4,080

39.6%

4,757

42.7%

+16.6%

4,751

+0.1%

* 単位:百万円

 

3-2 セグメント別予想

 

19/4期 実績

構成比・

利益率

20/4期 予想

構成比・

利益率

前期比

期初予想

予想比

 小売

3,956

38.4%

4,329

38.9%

+9.4%

4,317

+0.3%

 卸売

4,587

44.5%

4,789

43.0%

+4.4%

4,660

+2.8%

コマース事業

8,544

82.9%

9,118

81.8%

+6.7%

8,977

+1.6%

プラットフォーム事業

1,722

16.7%

1,829

16.4%

+6.2%

1,841

-0.7%

その他

36

0.4%

193

1.7%

+431.6%

130

+48.5%

連結売上高

10,302

100.0%

11,141

100.0%

+8.1%

10,949

+1.8%

コマース事業

1,637

19.2%

1,950

21.4%

+19.1%

1,890

+3.2%

プラットフォーム事業

527

30.7%

487

26.6%

-7.7%

487

+0.0%

その他

-161

-

-298

-

-

-359

-

調整額

-839

-

-870

-

-

-925

 

連結営業利益

1,163

11.3%

1,269

11.4%

+9.1%

1,092

+16.2%

* 単位:百万円

 

コマース事業
売上高91億18百万円(前期比6.7%増)、セグメント利益19億50百万円(同19.1%増)。下期は国内コマース事業の計画を据え置くと共に、韓国連結子会社による製品製造事業の譲受に伴うのれん償却費の発生を織り込んだ。また、米国子会社の足元の状況等を踏まえて、海外子会社全般に保守的な見通しにとどめた。

 

プラットフォーム事業
売上高18億29百万円(前期比6.2%増)、セグメント利益4億87百万円(同7.7%減)。このうち、ネクストエンジンは、売上高15億71百万円(同8.8%増)、利益5億87百万円(同17.2%増)、と売上・利益共に増加する見込みだが、コンサルタントの増員が遅れているHameeコンサルティングの売上・利益が減少する。

 

期初予想との比較では、売上面では増員計画の未達によるHameeコンサルティングの下振れの影響を吸収できないものの、利益面ではネクストエンジンの経費の見直し等で吸収できるとみている。

 

3-3 下期の見通し

連結業績

 

19/4期 下期 実績

構成比

20/4期 下期 予想

構成比

前年同期比

売上高

5,663

100.0%

5,727

100.0%

+1.1%

売上総利益

2,924

51.6%

3,072

53.6%

+5.1%

販管費

2,223

39.3%

2,646

46.2%

+19.0%

営業利益

696

12.3%

426

7.4%

-38.8%

経常利益

709

12.5%

417

7.3%

-41.2%

親会社株主帰属利益

483

8.5%

286

5.0%

-40.8%

* 単位:百万円

 

セグメント別売上高・利益

 

19/4期 下期 実績

構成比・利益率

20/4期 下期 予想

構成比・利益率

前年同期比

 小売

2,353

41.6%

2,351

41.0%

-0.1%

 卸売

2,397

42.3%

2,325

40.6%

-3.0%

コマース事業

4,751

83.9%

4,675

81.6%

-1.6%

プラットフォーム事業

886

15.6%

932

16.3%

+5.2%

その他

28

0.5%

115

2.0%

-

調整額

-

-

6

0.1%

-

連結売上高

5,663

100.0%

5,727

100.0%

+1.1%

コマース事業

921

19.4%

882

18.9%

-4.3%

プラットフォーム事業

281

31.7%

218

23.4%

-22.6%

その他

-77

-

-217

-

-

調整額

-428

-

-458

-

-

連結営業利益

696

12.3%

426

7.5%

-38.8%

* 単位:百万円

 

4.ビジネス概況

4-1 プラットフォーム事業 : カスタマーサクセス型組織へ組織改革

プラットフォーム事業の成長速度を加速するべく、ネクストエンジンの機能強化、サポート人員の充実、サーバーの増強、販売代理店などパートナーネットワークの整備、と取り組みを進めてきた。そして現在、カスタマーサクセス型組織を念頭に組織改革に取り組んでおり、コールセンター(電話受付)業務のアウトソーシング化を進めている。電話受付業務をアウトソーシングに切り替え、同社の経営リソースを、ネクストエンジンの営業やネクストエンジンを通して得られるデータ分析に基づく顧客フォローに集中させ顧客満足度を高めていく考えだ。

 

業務移管作業(アウトソーシングに切り替え作業)ではアウトソーサーのトレーニングに経営リソースが割かれるため、契約社数の伸びが鈍化する。この影響を上期は受けたが、総契約数が3,790社と前期末との比較で168社増加し期初計画を達成した(店舗数は同1,370店舗増の29,376店舗)。また、アプリ開発やAPI連携にも力を入れ、成果をあげた。

 

 

 

主なネクストエンジンアプリ

会計ソフト連携

freee専用会計ソフト連携アプリ

ネクストエンジンの保有データ(受注伝票・仕入伝票)をfreee株式会社の会計ソフト「会計freee」と連携するアプリ。

売上アップ支援

レコメンドメール自動配信

ネクストエンジンの保有データを活用したレコメンドAIからEC事業者が配信するメールに商品レコメンドを自動掲載するアプリ。

カートシステム連携

Shopify用自動連携

ネクストエンジンの保有データ(在庫・受注・出荷状況)を海外カートシステム“Shopify”と自動連携するアプリ。

物流・倉庫連携

ロジザードZERO用自動出荷アプリ「シッピーノ」

ロジザード株式会社(4391)が提供する「ロジザードZERO」とネクストエンジンが連携し、自動出荷が可能になるアプリ。

CRM(顧客管理・分析)

通販CRM LTV-Lab同期アプリ

ネクストエンジンの保有データを活用、リピート売上/リピート率を可視化。リピート率向上の戦略立案に活用できるアプリ。

融資(Fintech)

GMO-PGトランザクションレンディング連携

ネクストエンジンの保有データ(受発注データ・売上実績等)を基に、担保・連帯保証不要の「スピード融資審査」が利用可能に。

越境EC

豌豆公主(ワンドウ)プラットフォーム連携

ネクストエンジンに登録済みの商品を、中国市場向けに販売可能にする中国向け越境ECショッピングアプリ。

データ活用・機能拡張

ネクストエンジンカスタムデータ作成

ネクストエンジンの保有データを各種用途に合わせて自由な条件、形式にカスタマイズして取得可能にするアプリ。

(同社資料を基に作成)

 

付加価値向上の取り組み(API連携の拡大)
世界最大のECサイト制作プラットフォーム「Shopify」国内注文と連携
「Shopify」は世界175ヵ国で80万以上のアクティブストアが運営されている世界最大のECサイト制作プラットフォーム。2017年に日本国内向けにサービスが開始され、現在、管理画面等の日本語化や、様々な機能を追加できるアプリが2,500種類以上公開されている。今回の連携により、「Shopify」で発生した国内注文をネクストエンジン内に取り込み、受注処理や在庫管理等を他モールと一括して行う事が可能になった(在庫数や出荷情報がShopifyに自動的に反映される)。

 

在庫管理ソフト「ロジクラ」とAPI連携(システム連携)の拡充
ネクストエンジンと(株)ニューレボ(東京都港区、代表取締役:長浜佑樹)が提供するクラウド在庫管理ソフト「ロジクラ」とのAPI連携機能を拡充させ、ネクストエンジンで受注した注文のiPhone でのピッキング&検品やバーコードスキャンによる出荷処理を可能にした。これにより、これまでのような伝票を使った目視検品等の作業がなくなり、スキャン検品を安価に導入する事ができるようになった。実際にテスト導入したユーザーの現場では、導入2ヶ月で誤出荷を「ゼロ」にする事ができたと言う。

 

4-2 コマース事業 : 「iFace」のブランド強化

商品起点のブランディングを重視しており、主力ブランドのラインナップ強化と継続的な新シリーズの開発・市場投入に力を入れている。上期は、iFaceの新シリーズ「Reflections」が国内コマース事業のけん引役となり、iPhone11シリーズ向けも順調に立ち上がった。また、防滴仕様のBluetoothスピーカー、アパレル市場向け商材、アウトドア市場向け防水ケース等、新シリーズを開発し投入した他、女性をターゲットにしたアパレル市場向けブランド「salisty(サリスティ)」や男性向けブランド「ANDMESH(アンド・メッシュ)」の展開を進めた。

 

(同社資料より)

 

上記に加え、ブランドの浸透を図るべくブランド・コンセプトを明確にすると共に、プロモーション活動を積極している。この一環として、iFace ブランドサイトをリニューアルオープン(https://jp.iface.com/)した他、iFace 新シリーズでInstagramキャンペーンを実施した(期間中の応募・コメント総数:5000件超)。

 

ブランド価値の強化 : ブランド・コンセプト

 

ブランディング投資 : プロモーション活動の強化

 

(同社資料より)

 

4-3 グルーバル展開 : グループ総力をあげての収益の最大化

この上期は、「ネクストエンジン コリア」の展開やグループの主力製品開発及び製造の集約化等、韓国事業が進展している。また、タイムリーな自社ブランド・プロダクトの海外市場投入や拡大する米国市場向けの戦略商材の投入等でグローバルEC展開にも力を入れた。

 

(同社資料より)

 

韓国事業
「ネクストエンジン コリア」の展開
2018年にβ版をリリースし、2019年3月に正式にリリースした「ネクストエンジン コリア」の、10末現在の登録社数が470社に達した(約20%が有料)。「ネクストエンジン コリア」の強みは韓国国内の多数のECモール、カートに対応している事。中長期戦略に基づく、海外市場向けストック型ビジネスモデルの構築が順調に進んでいる。

 

(同社資料より)

 

グループの主力製品開発及び製造の集約
2010年10月に、連結子会社Hamee Korea Co.,Ltd(以下、Hamee Korea)が、JEI DESIGN WORKS Inc.(以下、JDW社)が運営する製品製造事業(ブランド企画・デザイン企画人材含む)を譲り受けた。譲受価格は4,000,000千ウォン(概算360,000千円)だが、クロージング後1年間、業績等の達成水準に応じて条件付取得対価を追加で支払う義務がある。

 

Hamee Koreaは、韓国国内においてiFaceシリーズ等のモバイルアクセサリーの企画及びインターネット通信販売による小売・卸売を手掛けており、同社グループにおける商品供給機能を担っている。一方JDW社は韓国国内の企業からプロダクトデザインを受託する等、ブランド創出に関するノウハウを保有しており、同時に、iFaceシリーズの主要な仕入先の一社だった。主力製品の製造機能をグループへ統合・集約する事で、リードタイムと在庫の適正化、更には製造原価低減による収益性の向上が期待できる。グループ全体のバリューチェーンの見直しも行い、現在の市場環境下において更なる収益の拡大も目指していく。

 

5.中期経営計画

5-1 数値目標と戦略

 

19/4期 売上高

22/4期 売上高

備考

プラットフォーム事業

17億円(30.7%)

26億円(34%)

ネクストエンジン目標契約社数5,500社超

顧客サクセスを追求し顧客の売上と利益成長、ビジネスの進化に貢献

コマース事業

85億円(19.7%)

100億円(23%)

iFaceなど自社企画商品のブランディングを強化

売上、利益を維持しつつストック型ビジネスモデルへ進化

新規事業

0.3億円( - %)

12億円(17%)

サブスクリプションモデルのHamicシリーズ拡充

既存事業とデータ連携型のビジネスを立ち上げ

全社(売上高合計)

103億円(11.3%)

138億円(16%)

顧客体験価値追求のためのストック型ビジネスモデルへ進化

※括弧内は営業利益率

 

22/4期グループ売上高138億円、営業利益率16%以上を目標として、既存事業で獲得した経営資源(ケイパビリティ)をダイナミックに活用し、顧客体験価値追求のためのビジネスモデル転換(フローからストックへ)にチャレンジする。

 

(同社資料より)

 

5-2 事業戦略

to Consumer : プロダクトとデータで新体験を提供
iFaceの拡販により顧客接点を増やすと共に、iFaceと親和性の高いサービスを複数展開していく。また、「Hamic BEAR(はみっくベア)」に次ぐプロダクトを開発し、IoTのHamicシリーズのラインナップを拡充する。この他、各事業とデータ連携可能な新サービスを開発にお取り組む。

 

IoT:Hamicシリーズ展開
Hamicシリーズは、従来の売り切り(フロー)型ビジネスモデルからデータを活用したストック(サブスクリプション)型ビジネスモデルへ進化させる。2017年9月にIoTプロダクトのクマ型メッセージロボット「Hamic BEAR」をリリースし、“安心・安全”なコミュニケーション・ネットワークサービスやコンテンツを提供しているが、将来的にはネクストエンジン等の他事業とデータベース統合する事で、ユーザーにとってより有益なAIソリューションを開発・提供していく。

 

(同社資料より)

 

to Business : テクノロジーとデータで顧客サクセスを追求
商品レコメンドAIでネクストエンジンの顧客企業の売上貢献を目指すと共に、ネクストエンジンを活用した「ふるさと納税支援受託業務」を全国に拡大する。また、ネクストエンジンのデータを活用して新たにフィンテック事業を展開する他、ネクストエンジン顧客のストック型ビジネス化推進する。この他、各事業とデータ連携可能な新サービスの開発にも取り組む。

 

ネクストエンジン顧客企業の売上貢献
2018年12月にレコメンドメール自動配信アプリを正式リリースしており、2019年10月末現在の契約社数は632社を数える。レコメンドメールは、ネクストエンジンから購入者向けに配信されるメールにパーソナライズされた商品レコメンドを自動掲載する事で売上UPを支援する。商品レコメンド機能はネクストエンジンのEC データ分析する商品レコメンドAIが担っている。リピーター確保や認知度UP支援などEC事業者への更なる付加価値の提供へと繋げていきたい考え。

 

(同社資料より)

 

ネクストエンジンデータを活用しフィンテック事業
住信SBIネット銀行とEC事業者向けオンライン融資等の検討を開始した。Hameeが保有するネクストエンジンの受注・在庫等の情報と、住信SBIネット銀行の有するAIテクノロジーや与信ノウハウを用いて融資の可否を判断する。利用者の資金調達等の財務活動を支援する事で、利用者がより生産性の高い業務に集中できるような世界を実現する。EC事業者向けオンライン融資サービスの展開に向け、10月29日よりフィジビリティ調査を開始した。

 

6.今後の注目点

ネクストエンジンは、インターネット通信販売事業者向けクラウド(SaaS)型業務マネジメントプラットフォームとしてスタートしたが、現在、データプラットフォームとしての機能に磨きをかけている。ネット通販企業の基幹システムとして、トランザクションは引き続き拡大しており、19/4期の受注処理件数は8,571万件(18/4期6,860万件)を数え、受注処理金額は5,985億円(同4,924億円)と6,000億円に迫る。また、API連携により、YAHOO!ショッピング、楽天、Amazon等、40以上のECとのカート連携に加え、越境EC、販売管理、顧客管理、倉庫連携、POS連携、決済管理、管理会計、融資等のシステムを提供しており、膨大なデータがネクストエンジン上を流れている。中長期では、メイン機能による収益とAPI連携による収益を安定成長基盤とし、顧客企業のEC支援や住信SBIネット銀行とのEC事業者向けオンライン融資等のように、データを活用した新たなビジネスを開発し成長を加速させていく考え。
一方、コマース事業では、iFaceなど自社企画商品のブランディングを強化する事で売上・利益を維持しつつ、自社企画商品のユーザー向け新ビジネスを開発しストック型ビジネスモデルへ進化さていく。コマース事業にも、ネクストエンジンから得られるデータを活かしていく考え。

 

好決算となった上期だが、改めてiPhone販売への依存の高さを認識させられる決算でもあった。ただ、上記の取り組み、言い換えると、22/4期に売上高138億円、営業利益率16%以上を目標す中期経営計画の取り組みが進捗する事で収益体質が改善されていく。20/4期通期の業績は上振れする可能性が高いが、目先の業績よりも、「プロダクトとデータによる新体験の提供」と「テクノロジーとデータによる顧客サクセスの追求」という中期経営計画における事業戦略の進捗に注目していきたい。

 

参考:コーポレート・ガバナンスについて

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

7名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2019年07月25日)
基本的な考え方
当社グループは、自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Vision「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げ、企業の継続的な発展と株主価値向上のため、コーポレート・ガバナンスに関する体制の強化と経営理念の推進を経営の最重要課題としております。また、当社では、社外取締役(2名)及び社外監査役(3名)により取締役会の監督機能を高め、経営の健全性・透明性の確保に努めております。今後も、取締役及び全従業員が法令・定款を遵守し、健全な社会規範のもとにその職務を遂行し、リスク管理、監督機能の強化を図り、経営の健全性・透明性を高めていく所存であります。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-9】
当社は、株式会社東京証券取引所が定める基準を参考に独立取締役を選任しており、当社独自の判断基準は定めておりません。今後、当社独自の独立性判断基準の策定を検討してまいります。

 

【原則4-11-1】
当社の取締役会は、当社の各業務の分野に精通した社内取締役及びものづくりに精通した社外取締役で構成されています。
現状において、取締役会の全体のとしての知識・経験・能力のバランスに問題ないものと考えておりますが、具体的方針の策定及び開示に関しては今後の検討課題といたします。

 

<開示している主な原則>
【原則1-4】
当社では、原則としていわゆる政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。現状において政策保有株式を保有しておりません。

 

【原則1-7】
当社は、関連当事者取引について、取引を行うこと自体に対する合理性があり、取引条件の妥当性があることが担保され、グループの利益が損なわれる状況にないもの以外は、これを行わないことを基本方針としております。関連当事者との取引を開始する際には、上記内容が担保されているかを慎重に判断し、会社法並びに当社稟議規程、職務権限規程に則り、取締役会決議等の決裁を受けることとしております。また、役員に対し定期的に関連当事者間の取引の有無を確認しており、有価証券報告書で開示しております。

 

【原則5-1】
当社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主等との建設的な対話を重視しており、代表取締役社長及びIR担当執行役員並びに経営企画部を中心に様々な機会を通じて株主や投資家との対話を持つように努めております。なお、IR担当執行役員の管掌部門に経理・財務部門を含めているため、会計数値の取りまとめと開示資料の作成機能が有機的に連携する体制となっております。
現在のところ、社長が出席する決算説明会を年に2回開催しているほか、四半期決算発表後から次の四半期決算期末までの約1か月半の間国内外の機関投資家とのミーティング(電話取材への対応を含む)を実施するほか、シンガポール、香港等で開催されるIRカンファレンスに参加することで、海外機関投資家との対話も積極的に行っております。
それらの結果は、適宜、取締役会に報告しています。なお、株主との対話に際してはインサイダー情報の漏洩防止を徹底しています。

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

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