ブリッジレポート
(6044) 株式会社三機サービス

スタンダード

ブリッジレポート:(6044) 三機サービス 2019年5月期決算

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中島 義兼 社長

株式会社三機サービス(6044)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

サービス業

代表取締役社長

中島 義兼

所在地

兵庫県姫路市阿保甲576番地1

決算月

5月末日

HP

http://www.sanki-s.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

873円

5,834,285株

5,093百万円

16.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(倍)

30.00円

3.4%

67.22円

13.0倍

470.38円

1.9倍

*株価は 8/30終値。発行済株式数、ROE、DPS、EPS、BPSは19年5月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年5月(実)

6,617

394

357

251

45.85

15.00

2017年5月(実)

8,777

538

533

360

64.53

20.00

2018年5月(実)

11,148

777

776

527

93.76

28.00

2019年5月(実)

11,050

652

659

431

74.25

30.00

2020年5月(予)

12,100

600

597

392

67.22

30.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。

 

 

株式会社三機サービスの2019年5月期決算概要、新中期経営計画などをお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年5月期決算概要
3.2020年5月期業績予想
4.新中期経営計画(2020年5月期~2022年5月期)
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 19年5月期の売上高は前期比0.9%減の110億50百万円。利益率の高い省エネ工事案件の多くが期ずれを起こしたほか、既存大型案件向けに受入体制を強化したため、新規のトータルメンテナンス契約の交渉が長期化した。営業利益は同16.0%減の6億52百万円。高利益率の省エネ工事案件が少なかったため粗利率が0.2%低下したことに加え、新たな海外進出先であるベトナム合弁会社設立準備、大口取引先への対応力強化のため体制強化(人員増)等の費用が増加した。売上、利益ともに期初予想に対して未達だった。

     

  • 20年5月期の売上高は前期比9.5%増の121億円、営業利益は同8.1%減の6億円の予想。中期経営計画初年度となる20年5月期は次の成長のための営業基盤強化投資を行う。下期からの回復を見込んでいる。配当は前期と同じく30.00円/株を予定。予想配当性向は44.6%。配当性向は30%程度を目安としているが、安定配当も考慮している。

     

  • 2020年5月期からの3カ年を期間とする「中期経営計画:変革と持続的成長SANKI2022」を策定した。フェーズ1である2020年5月期において「次なる成長のための営業基盤の強化」を進め、フェーズ2である2021年5月期および2022年5月期に「変革と持続的成長」を追求し、最終年度2022年5月期「売上高150億円、営業利益9.5億円、営業利益率6.3%、ROE17.6%」の達成を目指す。

     

  • 残念ながら省エネ工事の期ずれ案件は下期の消化とならず、前期決算は期初予想の増収増益から微減収・減益へ転じた着地となった。今期も上期は減収減益予想、通期も増収ではあるものの減益予想であるが、これは新中期経営計画の初年度で「内製化強化に伴うエンジニアの採用強化」「営業体制の強化」「IT基盤の強化」など積極的な投資を実行するためである。中期経営計画の基本戦略の中でも人手不足が進む中で「サービス内製化の強化」「営業体制の強化」をどのように進めていくか、また中国に加えベトナムにも進出した海外事業の収益化スピード等に注目していきたい。

     

1.会社概要

店舗や各種施設を対象に空調設備、厨房機器、冷凍・冷蔵設備等のメンテナンスを一括してアウトソーシング受託する「トータルメンテナンス事業」、メーカーサービス指定店として主にパナソニックグループ製大型空調機器のメンテナンスや設備更新、改修工事などを手掛ける「メーカーメンテナンス事業」、業務用大型空調機向けの省エネ化工事やLED工事などの省エネ化に関する「省エネ事業」を展開。高い技術力、安定したストックビジネスなどが大きな強み。メーカーメンテナンス事業の安定した成長をベースに、トータルメンテナンスサービス事業および海外事業の拡大と収益性向上を目指す。

 

【1-1 沿革】

大型空調機販売の全国展開を目指していた三洋空調システムサービス株式会社(現パナソニック産機システムズ株式会社)が、各地域における据付・組立・試運転及び保守管理業務を委託するメーカーサービス指定店を探していた中、1976年10月、株式会社兵庫機工が機械事業部の事業の一環として業務を受託する事となった。
1977年7月には、株式会社三機サービスを設立し、「メンテナンス事業」を本格的にスタートさせた。
三洋空調システムサービスの大阪センター事務所内に三機サービスの大阪センターを開設するなど、当初から両社の関係は強固なものであったことに加え、事業展開をスピーディーに進めたい三洋空調システムサービスのニーズに的確に対応し、社員の積極採用や技術訓練を含めた教育の充実など体制作りに注力したこと等を高く評価され、大阪地域以外での受託も行う事となり、1977年10月東京センター、1978年4月名古屋センターを相次いで開設し、東名阪での事業展開が加速した。
その後、神戸、札幌にも事業所を開設し、全国展開を進めていく。1998年9月には中国上海市に空調機器の保守・メンテナンス業務を目的とした上海三機大楼設備維修有限公司を設立した。
一方、2000年9月には24時間365日対応のコールセンターを開設。現在のもう一つの事業である「トータルメンテナンス事業」の全国展開を開始した。2012年2月には中国でのトータルメンテナンス事業を加速させるため上海市に24時間365日対応のコールセンターを開設。
2015年4月に東証JASDAQ市場に上場。2016年4月に東証2部へ、2017年4月には上場2年で東証1部へ市場変更となった。

 

【1-2 企業理念など】

「理念」「ミッション」「ビジョン」「行動指針」という4要素で構成される新・企業理念を策定した。
創業の原点であり、これからも不変である理念のもとに、社会に対して果たすべき使命(ミッション)、将来的な展望(ビジョン)、それらを実現するための行動指針を社員全員が共有・実践することで、日本のみならず世界でも永続的にその事業価値を発揮することができると考えている。

 

(理念)

私たちは、技術・サービスの向上と創造を通して社会に貢献します。

私たちは、お客様第一主義を通してチャレンジ精神を発揮します。

私たちは、仕事を通して成長し心豊かな人生を築きます。

 

(ミッション)

「もっと快適、ずっと安心」

私たちがお客様の環境を今よりもっと快適にし、絶えざる安心を提供するという決意と約束が込められています。

 

(ビジョン)

環境世紀のリーディングカンパニーとして、顧客満足のさらなる高みと、働く一人ひとりの人生の充実をめざしながら、当社が提供する価値を世界へと広げていきます。

 

(行動指針 - 信頼 -)

「約束」-約束を守ることが自分の財産になる。

「挨拶」-さわやかな挨拶がさわやかな関係を作る。

「対話」-対話によって相手のニーズと心がわかる。

「若さ」-挑戦を失わない若さこそ飛躍の源泉である。

「技能」-技術・能力でプロとしての評価を得る。

 

 

【1-3 市場環境など】

後述するように、空調、冷暖房、厨房などの各種機器を用いる飲食店、小売店においてはデフレ環境下、売上の大幅増が期待しがたい中で、競争を勝ち抜くためにはコスト管理が最重要ポイントとなる。
特にチェーン店化を進めている場合、各機器を全国規模・同一基準で管理することによるトータルコストの削減へのニーズが強い。同社ではトータルメンテナンス事業の市場規模を約3兆円(※)と推定しており、この巨大市場の開拓を積極的に推進していく考えだ。

 

※主要顧客3業態(飲食、流通、娯楽関連)の全国チェーン売上高の3%をメンテナンスコストと仮定

 

主な同業他社としては、上場企業では日本空調サービス株式会社(4658、東証1部)、シンメンテホールディングス株式会社(6086、東証マザーズ)などがあり、非上場企業も数社が競合となっている。トータルメンテナンス事業においては機器メーカーのサービス部門等も競合となる。
これら競合に対し同社は、「24時間365日対応のコールセンターの充実」、「全国緊急対応が可能」、「WEBを含めたシステム化が先行」、「メーカーの機種を問わず対応が可能」といった点が強みであると自己分析を行っている。

 

コード

会社名

売上高

増収率

営業利益

増益率

営業利益率

時価総額

PER

PBR

ROE

4658

日本空調サービス

48,000

+3.5%

2,650

+1.9%

5.5%

25,728

14.4

1.5

10.8

6044

三機サービス

12,100

+9.5%

600

-8.1%

5.0%

6,213

15.8

2.3

16.6

6086

シンメンテHD

15,000

+6.0%

738

+16.4%

4.9%

11,005

20.1

5.0

24.9

*単位:百万円、倍、%。売上高、営業利益は各社の今期予想。ROEは前期実績。時価総額、PER、PBRは2019年7月16日終値ベース。

 

【1-4 事業内容】

1.事業分野
「トータルメンテナンス事業」、「メーカーメンテナンス事業」、「省エネ事業」の3事業を展開。
①トータルメンテナンス事業
主な顧客である飲食業、小売業のチェーン店等を対象に、空調機器・厨房機器・冷凍冷蔵設備・電気設備・給排水衛生設備・消防設備等の保守・管理業務をメーカーや機器品種を問わず一括してメンテナンスをアウトソーシング受託するのが「トータルメンテナンス事業」である。
メーカーメンテナンス事業で培った技術を活かして更に大きな市場での事業展開を目指していく。

 

 

 

(同社資料より)

 

飲食・小売業界では長引くデフレ環境の下、資金力やスケールメリットで優位に立つチェーンストアがそのシェアを拡大している。しかしチェーンストアにおいても売上の急拡大は難しく、競争を勝ち抜くためにはコスト管理が最重要課題となっている。
そうした状況下にもかかわらず、多くのチェーンストアは、チェーン本部自体または店舗ごとに、各機器それぞれの専門業者に修理や点検、トラブル対応を依頼しているため、本業に集中しにくいことに加え、サービスの品質、作業後の報告レベル、価格にはバラツキがあり、時間および金額の点で適切なコスト管理が実際には出来ていない。
これに対し同社ではチェーン本部と一括契約をすることにより各機器の全国規模での同一基準による集中管理を提供しているため、サービスの品質や価格は同社がコントロールするほか、依頼や報告は同社に一本化され、顧客企業は本業に集中し、適切なコスト管理も行うことができる。

 

(同社資料より)

 

これに加え、24時間365日対応のコールセンターによる即応体制、Webサイトを活用した修理報告のほか、機器の使用状況・経年劣化の状況等のデータから導き出したリスク予測フォーマットのリアルタイムでの提供なども行っており、トラブルで営業を止めるわけにはいかない飲食・小売業のニーズに的確に対応している。
また、年度予算作成や停電作業立会いといった代行業務や、法改正対応や行政届出対応などコンプライアンス対応、新規出店や店舗改装時の警備計画立案、清掃・防虫防鼠、テナント入れ替え対応もカバーしている。

 

このように、単純な修理や故障対応にとどまらず、アウトソーシングの活用による費用低減のみではない間接コストも含めた「トータルコストの最適管理」を提供できる点が同社の強みであり、経営資源を重点分野に集中させたい顧客企業から高い評価を得ている。

 

全国13拠点に在籍する約200名の同社メンテナンスエンジニアに加え、メンテナンス業務委託先であるパートナー(全国約2,000社)が顧客店舗へ赴き作業にあたる。

 

≪トータルメンテナンス事業における提案例≫
【事例1.大手コンビニエンスストアチェーンに対する空調メンテナンス一括管理提案】
  対象店舗数:約21,000店舗
  対象エリア:全国
  受付体制:24時間365日

 

(ヒアリングを通じた顧客の現状および課題)
*従来は専門ではない業者に委託していたが、空調トラブルが減らず逆に増加傾向にあった。
*蓄積されるデータが活用されず、改善に活かせていなかった

 

こうした状況に対し、同社では以下の提案を行った。

 

*空調の定期洗浄・定期点検を実施することで、突発修理の低減を図ることができる。
*空調に強い同社が管理することで、データを活かした改善提案が可能である。

 

【事例2.大手中食チェーンへコールセンター修理受付提案】
  対象店舗数:約3,000店舗
  対象エリア:日本全国
  受付体制:24時間365日

 

(ヒアリングを通じた顧客の現状および課題)
*本部の管理負担が大きくなり、間接コスト(人件費)が増加している。
*メンテナンス業者が複数あり、一括で管理できていないため修理総額が大きい。(スケールメリットを活かせていない)
*店舗数の増減による人件費のコントロールが難しい。
*十分な手配体制が無く、休日、夜間の機器修理に対応できておらず、機会損失の不安がある。
*店舗や機器ごとに、修理業者が違うため、情報の集約や情報活用ができない。

 

こうした状況に対し、同社では以下の提案を行った。

 

*メンテナンス業務を一括で代行することにより、機器の修理履歴を収集できるため、消耗品や他店舗で同機種の機器故障傾向などを予測することができる。
*メンテナンス業務を、全て同社にアウトソーシングすることで、店舗数の増減による管理人員の変更が不要となる。
*WEBシステムの使用によって報告書や請求書の管理を容易に行うことができる。
*24時間365日対応可能なため、緊急トラブルも即対応が可能で、機会損失を防ぐことができる。

 

(同社HPより)

 

(解決後の状況)
*WEBシステムの履歴管理機能により、消耗品交換の計画をたてることができ、予算の把握が可能になった。
*各店舗のメンテナンス進捗の状況を専用ページからWEBシステムでいつでも見ることができるため、顧客企業の部署内において各店舗状況を効率良く共有できるようになった。
*メンテナンス管理業務の効率が改善され、人材を開発等のコア部門に集中、専念させることが可能になった。
*消耗品劣化によるトラブルを未然に防ぐことができ、緊急トラブルが少なくなった。

 

【事例3.食品スーパー大手に対するFM(ファシリティマネジメント)提案】
  対象店舗数:約60店舗
  対象エリア:関西エリア
  受付体制:24時間365日

 

(ヒアリングを通じた顧客の現状および課題)
*本部の管理負担が大きくなり、間接コスト(人件費)が増加している。
*メンテナンス業者が複数あり、一括で管理できていないため修理総額が大きい。(スケールメリットを活かせていない)
*十分な手配体制が無く、休日、夜間の機器修理に対応できておらず、機会損失の不安がある。
*店舗や機器ごとに、修理業者が違うため、情報の集約や情報活用ができていない。 
*設備担当部門社員の高齢化が進み、今後の体制に不安がある。

 

こうした状況に対し、同社では以下の提案を行った。
*メンテナンス業務を一括で代行することにより、機器の修理履歴を収集できるため、消耗品や他店舗で同機種の機器故障傾向などを予測することができる。
*警備・メンテナンスを含めた店舗管理業務を、全て同社にアウトソーシングすることで、本部負担の軽減となる。

 

②メーカーメンテナンス事業
パナソニックグループにおいて業務用設備機器およびシステムの販売・施工・サービスを担っているパナソニック産機システムズ株式会社のメーカーサービス指定店として、同グループが製造・販売した納入先において業務用大型空調機器等の定期点検、修理対応を行っている。
近年では大型空調機器に付随した省エネインバータ化工事(※)、大型空調機器以外の電気設備、業務用厨房機器、給排水衛生設備などのメンテナンスも手掛けるほか、大型機器のリニューアルなど事業領域を拡大している。
メンテナンスに携わるスタッフはほぼ全員が同社社員であり、徹底した社員教育により技術力の更なる高度化およびノウハウの蓄積を進めており、今後も内製サービスの拡充を図っていく。

 

(同社資料より)

 

※インバータ化工事
空調機器に使われるポンプはモーターの回転で水を循環させている。モーターは電気が流れると常にフル回転しているが、循環する水量が多すぎる場合もある。そこでモーターの回転速度を制御する装置「インバータ」でモーターの回転数を減らして水量を調整すると、モーターの消費電力が下がり節電となる。インバータを空調機器に取り付ける工事をインバータ化工事という。

 

こうした事業の性格上、同事業の顧客は基本的に、パナソニック産機システムズの1社となる。
空調機器管理は、メーカーグループ内の機器管理会社が複数のメンテナンス業者にメンテナンスを委託する形となっており、各メーカー間には技術と機器の壁があるため新規参入がほぼないニッチな業界である。

 

(同社資料より)

 

同社の全国シェア(パナソニック産機システムズの社内シェア)は約20%でNo.1。東名阪に限れば約4割となっている。沿革でも触れたように早い時期からパナソニックグループ製の空調機器メンテナンスを手掛けたことでパナソニックグループとの関係が強固であることに加え、パナソニック系空調機器メンテナンス会社の中で従業員300名以上の規模は同社のみであり、全国規模でメンテナンスを手掛けることができるのは実質的に同社のみであること等がシェアNo.1の背景である。
メーカーは技術力の高さや効率性などの観点から実績のある大企業に管理を集中する傾向があるため、同社ではメンテナンス技術を更に磨き上げて、断トツのトップシェア確保を目指している。

 

トップシェアであることは事業の安定性のみでなく、新たなビジネス展開にも繋がっている。
空調機器管理の現場では提案の機会を同社がほぼ独占しているため、例えば前述の省エネインバータ化工事においては、現場の調査、効果の試算と導入提案、工事、アフターケアまでワンストップでサービスを提供することができる。大手リース会社との提携により初期投資負担無く最新のインバータ機器を導入することができるため、エンドユーザーは大きな節電効果を得る事が可能である。また同社も電力節減量に応じた成果報酬という新たな収益を得る事となる。さらに、この省エネ提案を「トータルメンテナンス事業」において展開することで、より大きな事業機会を獲得することができると考えている。

 

③省エネ事業
トータルメンテナンス事業、メーカーメンテナンス事業の顧客に対して、省エネ化工事や機器導入などの提案、施工を行っている。

 


(同社資料より)

 

提案内容は、インバータ制御導入のほか、空調設備ポンプのインバータ化、空調・熱源機器更新、照明LED化、電力量のピークカットなどで、今後も省エネメニューを増やしていく予定である。

 

トータルメンテナンス事業、メーカーメンテナンス事業の顧客の現場調査の中で顧客の状況を把握し提案するため、競合はほぼなく提案機会をほぼ独占している。
また、大手リース会社との提携により、顧客企業は大きな初期投資負担なく最新インバータ機器を導入することができる。

 

元々は空調機器メンテナンス現場で発展した事業であるが、今後はトータルメンテナンス現場でさらに拡大すると会社側は期待している。

 

【事例.店舗数20店舗以上の菓子メーカーへの省エネ提案】
(ヒアリングを通じた顧客の現状および課題)
*もともと、コスト意識が高く、削減する箇所と機会をさがしていた。
*年間冷房で24時間稼働しているため、その稼働コストの削減が見込めた。
そこで同社は、「24時間稼働している空調機器(吸収冷温水機)にインバータ制御システムを組み込むことで電力調整が可能となるため、大幅なコスト削減ができ、3年で設置費用の回収が実現できる。」との提案を行った。

 

(同社HPより)

 

(解決後の状況)
1年目の計画数値が試算通りの数値となり、3年での投資回収が見込めたため、2台目の取り付けを行った。
※24時間稼働させる場合の回収期間。

 

【1-5 特長と強み】

◎安定したストックビジネス
メーカーメンテナンス事業は、顧客が基本的にはパナソニック産機システムズ1社のみであるため急速な成長を望むことはできないが、定期点検や修理等、安定した売上の拡大を見込むことができる。また新規参入による価格競争が起こる可能性も低く、安定した利益率を維持している。

 

◎高い技術力
前述の様にメーカーメンテナンス事業においてはメンテナンスに対応するスタッフはほぼ100%が同社社員であるため、実地研修やOJTによる社員教育を徹底して実施することができる。
これにより技術力のブラッシュアップ、ノウハウの蓄積が進んでおり、メーカーメンテナンス事業のみならず、今後の更なる拡大を目指しているトータルメンテナンス事業においても同業他社に対する大きな競争優位性となっている。

 

【1-6 ROE分析・株主還元】

 

15/5月期

16/5月期

17/5期

18/5期

19/5期

ROE (%)

25.6

19.2

23.1

25.5

16.6

 売上高当期純利益率(%)

3.63

3.81

4.11

4.73

3.90

 総資産回転率(回)

2.41

2.27

2.67

2.72

2.39

 レバレッジ(倍)

2.93

2.22

2.11

1.98

1.78

 

19年5月期は減収減益で売上高当期純利益率、総資産回転率、レバレッジの3要素全て低下し、ROEも低下した。
後述のように中期経営計画最終年度2022年9月期のROEは17.6%を目標としている。
今期実施する投資を回収し、どれだけ収益性を引き上げられるかを注目したい。

 

配当政策としては、配当性向30%を目途に利益還元を行っていく。内部留保については企業体質強化及び将来の事業展開のための財源として活用していく。自己株式取得は株価水準や資金状況を勘案し機動的に実施する考えだ。
長期保有株主の増加を目的とし、1単元(100株)以上保有株主に対し1,000円分のクオカードを贈呈している。

 

2.2019年5月期決算概要

(1)連結業績概要 

 

18/5月期

構成比

19/5月期

構成比

対前期比

期初予想比

売上高

11,148

100.0%

11,050

100.0%

-0.9%

-11.6%

売上総利益

2,453

22.0%

2,411

21.8%

-1.7%

-

販管費

1,676

15.0%

1,758

15.9%

+4.9%

-

営業利益

777

7.0%

652

5.9%

-16.0%

-25.4%

経常利益

776

7.0%

659

6.0%

-15.1%

-24.2%

当期純利益

527

4.7%

431

3.9%

-18.2%

-25.6%

*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益

 

減収減益。期初計画には未達。
売上高は前期比0.9%減の110億50百万円。利益率の高い省エネ工事案件の多くが期ずれを起こしたほか、既存大型案件向けに受入体制を強化したため、新規のトータルメンテナンス契約の交渉が長期化した。
営業利益は同16.0%減の6億52百万円。高利益率の省エネ工事案件が少なかったため粗利率が0.2%低下したことに加え、新たな海外進出先であるベトナム合弁会社設立準備、大口取引先への対応力強化のため体制強化(人員増)等の費用が増加した。売上、利益ともに期初予想に対して未達だった。

 

◎四半期動向

 

17/5 1Q

2Q

3Q

4Q

18/5 1Q

2Q

3Q

4Q

19/5 1Q

2Q

3Q

4Q

売上高

1,868

2,381

2,136

2,392

2,125

3,154

2,587

3,282

2,662

3,269

2,352

2,766

増収率

+28.2%

+39.8%

+59.1%

+13.2%

+13.7%

+32.5%

+21.1%

+37.2%

+25.3%

+3.7%

-9.1%

-15.7%

営業利益

25

246

74

193

28

353

142

254

72

321

24

235

増益率

+54.7%

+50.7%

-

-8.4%

+11.8%

+43.8%

+90.3%

31.5%

+150.8%

-9.1%

-83.0%

-7.3%

営業利益率

1.4%

10.3%

3.5%

8.1%

1.4%

11.2%

5.5%

7.7%

2.7%

9.8%

1.0%

8.5%

*単位:百万円

 

前期第3四半期、第4四半期とも減収減益となった。

 

(2)売上動向分析

◎顧客属性別動向(単体ベース)

 

17/5期

構成比

18/5期

構成比

19/5期

構成比

前期比

飲食

1,663

19.4%

1,575

14.5%

779

7.3%

-50.5%

小売業

3,189

37.3%

4,959

45.6%

5,778

54.2%

+16.5%

設備管理・不動産

1,938

22.6%

1,876

17.3%

2,157

20.2%

+15.0%

イベント施設

48

0.6%

44

0.4%

44

0.4%

0.0%

医療・介護・福祉

330

3.9%

365

3.4%

406

3.8%

+11.2%

その他

1,389

16.2%

2,049

18.9%

1,504

14.1%

-26.6%

合計

8,558

100.0%

10,868

100.0%

10,668

100.0%

-1.8%

*単位:百万円

 

小売業向け売上が引き続き拡大し構成比は5割を超えた。飲食は一部顧客が内製化に切り替えたため減収となった。

 

◎サービス種類別動向(単体ベース)

 

17/5期

構成比

18/5期

構成比

19/5期

構成比

前期比

修理

4,448

52.0%

5,355

49.3%

5,427

50.9%

+1.3%

定期

1,998

23.3%

2,756

25.3%

2,691

25.2%

-2.4%

工事

2,112

24.7%

2,757

25.4%

2,548

23.9%

-7.6%

合計

8,558

100.0%

10,868

100.0%

10,668

100.0%

-1.8%

*単位:百万円

 

工事が期ずれのため減少。他はほぼ前期並み。

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

 

18年5月末

19年5月末

 

18年5月末

19年5月末

流動資産

3,950

3,377

流動負債

1,867

1,393

 現預金

1,560

1,288

 工事未払金

1,154

827

 売上債権

2,215

1,870

 短期借入金

59

59

固定資産

784

1,144

固定負債

422

383

 有形固定資産

377

375

 長期借入金

100

40

 無形固定資産

51

320

負債合計

2,289

1,777

 投資その他の資産

356

448

純資産

2,445

2,744

資産合計

4,735

4,522

 利益剰余金

1,453

1,722

 

 

 

負債純資産合計

4,735

4,522

 

 

 

長短借入金残高

160

100

 

 

 

自己資本比率

51.6%

60.7%

*単位:百万円

 

現預金、売上債権の減少で流動資産は前期末に比べ5億73百万円の減少。無形固定資産(リース資産)の増加等で固定資産は同3億60百万円増加し、資産合計は同2億13百万円減少の45億22百万円となった。
工事未払金の減少などで負債合計は同5億12百万円減少の17億77百万円となった。
利益剰余金の増加などで純資産は同2億99百万円増加の27億44百万円。自己資本比率は前期末より9.1%上昇し60.7%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

18/5月期

19年5月期

増減

営業CF

464

314

-149

投資CF

-72

-404

-331

フリーCF

391

-90

-481

財務CF

154

-193

-348

現金同等物残高

1,361

1,077

-284

*単位:百万円

 

新ITシステム導入による無形固定資産の増加、投資有価証券の取得などで投資CFのマイナス幅は拡大し、フリーCFはマイナスに転じた。
前期にあった株式の発行による収入がなくなり財務CFはマイナスに転じた。キャッシュポジションは低下した。

 

(4)トピックス

①ベトナムに合弁会社を設立
2019年5月、中国に続く新たなASEAN地域への進出のため、ベトナムの公営企業「SONADEZIグループ」と合弁会社「サンキ-ソナデジ株式会社(英語名:SANKI-SONADEZI JOINT STOCK COMPANY)」を設立。同年7月に営業を開始した。
出資比率は、三機サービス49%、SONADEZI GIANG DIEN SHAREHOLDING COMPANY49%、三機サービス中島社長2%。

 

ベトナムは、2018年の実質GDP成長率が7.1%で、中長期的にも6%台の成長を継続する見通し。また世界銀行発表の「ビジネスのしやすさ指数」(Ease of Doing Business)も年々上昇している。
SONADEZIグループは約500社が入居する工業団地の開発実績がある。合弁先であるSONADEZI GIANG DIEN SHAREHOLDING COMPANYは、開発した工業団地の入居斡旋及び管理事業を行う戦略企業で、三機サービスは、国内で培った高い技術力・ノウハウを導入し、合弁先の顧客基盤を有効に活用して事業拡大を図る考えだ。
5年後のメンテナンスサービス事業売上高10億円を目標としている。

 

②コーポレートガバナンス体制の強化
2019年8月28日開催予定の定時株主総会における承認により、新任社外取締役として笹尾 佳子氏(1960年4月2日生)が就任する予定である。
笹尾氏は株式会社リクルート出身で、その後、数社の会社経営を経て現在は、日本国土開発株式会社常務執行役員 働き方改革推進室長。
初の女性社外取締役となる笹尾氏には、豊富な経営経験と知見を活かして三機サービスの経営戦略推進とビジョン実現を加速させるとともに、働き方改革や女性の活躍推進等についての有用なアドバイスを期待している。

 

3.2020年5月期業績予想

(1)通期業績予想

 

19/5月期

構成比

20/5月期(予)

構成比

前期比

売上高

11,050

100.0%

12,100

100.0%

+9.5%

営業利益

652

5.9%

600

5.0%

-8.1%

経常利益

659

6.0%

597

4.9%

-9.3%

当期純利益

431

3.9%

392

3.2%

-9.1%

*単位:百万円予想は会社側発表。

 

(上・下推移)

 

20/5月期 上期(予)

前年同期比

20/5月期 下期(予)

前年同期比

売上高

4,840

-18.4%

7,260

+41.8%

営業利益

240

-39.0%

360

+39.0%

*単位:百万円。上期予想は会社側発表。下期予想は通期予想から上期予想を控除。

 

増収減益。中期経営計画初年度の投資により営業基盤の強化を図る。
売上高は前期比9.5%増の121億円、営業利益は同8.1%減の6億円の予想。
中期経営計画初年度となる20年5月期は次の成長のための営業基盤強化投資を行う。下期からの回復を見込んでいる。
配当は前期と同じく30.00円/株を予定。予想配当性向は44.6%。
配当性向は30%程度を目安としているが、安定配当も考慮している。

 

4.新中期経営計画(2020年5月期~2022年5月期)

前述の新たな企業理念に基づき、2020年5月期からの3カ年を期間とする「中期経営計画:変革と持続的成長SANKI2022」を策定した。

 

(1)事業環境の認識と戦略の方向性

今後の事業フィールドにおいて、以下のような「事業成長の機会」と「事業リスク」を認識している。

 

(事業成長の機会)
省エネニーズの拡大・省エネ意識の向上、温暖化による小中学校冷暖房機器設置の拡大、台風や地震といった自然災害への対応需要拡大、高齢化社会により、病院・老人介護施設市場の拡大など。

 

(事業リスク)
大手企業・異分野からの新規参入、AI・IoTによるメンテナンス技術の変化、設備機器のメンテナンスフリー加速(修理需要の減少)、労働市場の活性化による採用難。
こうした認識の下、各サービスについて以下のように戦略の方向性を定めた。

 

メンテナンスサービス

空調内製化の拡大とエンジニアの多能工化

トータルメンテナンスサービス

品質向上及び付加価値提案の強化

省エネサービス

企業アライアンスによる事業創出

 

(2)基本戦略

経営基盤の強化及び事業成長のため8つの基本戦略を策定した。

 

<中期経営計画2022の基本戦略>

経営基盤

1

新企業理念の浸透

・新企業理念を様々なツールで社内に浸透させ、対外的にもPRをしていく

・新企業理念に基づく、社員教育と新規採用を実施し、理念を具現化できる社員を増やす

2

人事制度改革

・労働の価値を属人要素や時間・経験を中心とした「量」的判断から仕事への期待と成果を中心とする「質」へのシフトを前提とした制度の構築と運用

・経営理念を具現化する“行動力”を持った社員を生み出す仕組みとして定着させる

事業成長

3

サービス内製化の強化

・蓄積された技術力やメンテナンスノウハウを活用し、サービスの内製化による利益率向上を図る

・本社研修センターを活用し、自社メンテナンスエンジニアの短期育成と多能工化を推進する

4

トータルメンテナンスサービスの品質向上

・コールセンターのオペレーターの教育指導を通じた知識・対応力向上および、管理業務の標準化による多様なサービスメニューを顧客に提供

・パートナーの新規開拓および、品質管理の強化

5

新たな環境ビジネスの創出

・環境・省エネなどのビジネスを他企業とのアライアンスなどを通じて創出し、当社の新たな成長ドライバーに育てる

6

営業体制の強化

・法人営業推進部を新設し、提案先の業界構造や課題を分析し、ターゲットを明確化

・お客様のニーズや課題を的確に捉え、ソリューション活動を推進し、お客様満足度を向上させる

7

海外事業収益力強化

(中国・ベトナム)

・海外事業部を新設し、子会社と合弁会社の経営資源を管理し、最適な資源配分を行う

また、顧客基盤の開拓やアライアンスを通じた新商材開発など、事業支援をする

8

ITシステムの競争力

・事業拡大を継続し、競合との差別化を図るため、営業基幹システムへの投資を継続実施し、トータルメンテナンスサービスの業務効率化や提案力をさらに向上をさせていく

 

(3)国内事業について

①ミッション
5つの事業戦略を挙げている。

空調内製化の徹底拡大

設備改善・工事案件対応力強化

全方位での営業体制構築

各事業個別の拡大

重要顧客への体制強化

 

②成長サイクル
各部門の連携を密にして3つの競争優位性を発揮し、持続的成長サイクルを回していく。

 

(同社資料より)

 

③成長戦略
◎人員配置
担当者にはそれぞれが保有する専門知識やノウハウなどにより、得意な顧客、得意な商品があるため、その点を考慮した人員配置を行い、より効果的な営業を推進する。

 

(同社資料より)

 

◎事業別戦略
各事業における重点施策および目標とする成長率は以下の通りである。

 

事業

重点施策

目標成長率

(3ヵ年CAGR)

トータルメンテナンス事業

*トータルメンテナンス受託会社としてのサービス品質の意識強化

*付加価値提案の実施と強化

*新規顧客獲得・競合他社からの顧客奪還

 

品質を重視するため、優良なパートナーの開拓も重要であり、専任部門を設置した。

経営者目線での提案ができるよう担当者のレベルアップを図る。

売上高 +11.5%

粗利益 +12.2%

空調保守メンテナンス事業

*セブン・イレブンとの取引安定化

*多くの店舗数から発生する修理データを活用したデータ分析・提案力

*同じビジネススキームを横展開し、効率よく空調保守メンテナンスの取引高拡大を目指す。

 

セブン・イレブンに関しては進捗管理を徹底し、顧客満足度の更なる向上を図る。

売上高 +11.4%

粗利益 +13.2%

設備・環境ソリューション事業

*既存・新規顧客に対しての設備改善提案力・提案スピードの強化

*工事監理・品質のレベルアップ

*新たな環境ビジネスの創出

 

同社の強みである技術者能力を最大限に発揮する。

新たな環境ビジネスの創出に際しては、他社とのアライアンスを検討していく。

売上高 +16.3%

粗利益 +16.0%

メンテナンスサービス事業

*内製率の徹底改善

*多能工化の推進

*サービスマンの業務効率化推進

 

サービスマンの採用を強化しエリアの拡大を図るほか、空調機器に関し最低2機種を取り扱えるような多能工化の推進、サービスマン一人当たり月間売上高の向上を図る。

売上高 +12.7%

粗利益 +16.7%

*各事業売上高のCAGRには社内取引を含む。

 

④数値目標

 

19/5期(実)

20/5期

21/5期

22/5期

売上高

110

121

133

150

営業利益

6.5

6

7.2

9.5

営業利益率

5.9%

5.0%

5.4%

6.3%

ROE

16.6%

13.7%

14.9%

17.6%

*単位:億円

 

フェーズ1である2020年5月期のテーマを、「次なる成長のための営業基盤の強化」とし、「新経営理念の浸透」「次世代リーダーの育成」「自社エンジニアの多能工化」「内製化強化に伴うエンジニアの採用強化」「営業体制の強化」「IT基盤の強化」「人事制度改革」等に取り組む。
投資フェーズであるため、利益率は前期よりも低下する。

 

フェーズ2である2021年5月期および2022年5月期のテーマは「変革と持続的成長」。
「空調内製化の拡大」「設備、工事案件の対応力強化」「トータルメンテナンスの更なる品質向上(コールセンター・パートナー品質管理)」「トータルメンテナンスの大口案件の横展開」に取り組む。
最終年度2022年5月期は営業利益率、ROEとも2019年5月期を上回る見込みである。

 

 

5.今後の注目点

残念ながら省エネ工事の期ずれ案件は下期の消化とならず、前期決算は期初予想の増収増益から微減収・減益へ転じた着地となった。
今期も上期は減収減益予想、通期も増収ではあるものの減益予想であるが、これは新中期経営計画の初年度で「内製化強化に伴うエンジニアの採用強化」「営業体制の強化」「IT基盤の強化」など積極的な投資を実行するためである。
中期経営計画の基本戦略の中でも人手不足が進む中で「サービス内製化の強化」「営業体制の強化」をどのように進めていくか、また中国に加えベトナムにも進出した海外事業の収益化スピード等に注目していきたい。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレートガバナンス報告書(最終更新日: 2019年4月11日)

 

<基本的な考え方>
当社は、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制を構築し「経営意思決定の迅速化」を図り、株主をはじめ社外に対して迅速で正確な情報発信を行う「透明かつ効率的な企業経営」を実践することにより、社会から信頼される会社となることをコーポレート・ガバナンスの基本方針としております。
当社は、コーポレート・ガバナンスの強化を経営上の重要な課題の一つとして認識しており、その施策として取締役会の活性化、情報管理体制の強化及び法令遵守の徹底等を推進しております。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

【補充原則 1-2④】

当社は、機関投資家や海外投資家の比率を踏まえ、電子行使や招集通知の英訳を行っていく方針でございます。現時点では、費用対効果を考慮し実施しておりませんが、今後比率が増えて来た場合は、実施いたします。

【補充原則 4-10①】

当社は、取締役の指名・報酬などに係る重要な事項を検討するための任意の諮問委員会は設置しておりませんが、取締役会は独立性の高い社外取締役2名と社外監査役3名の5名を含む、計9名で構成されており、指名・報酬などの重要な事項には適切に助言を受けております。

 

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

原則

開示内容

【原則1-4政策保有株式】

1)上場株式の政策保有に関する方針

当社は、お客様や取引先の株式を保有することで、関係強化、取引拡大等が可能となり、当社の企業価値を高め、当社株主の利益に繋がると考えられる場合において、このような株式を政策的に保有します。

 

また、取締役会において保有する株式の保有状況を適宜確認し、中長期的な経済合理性や保有目的を検証し、保有の妥当性があることを確認しています。なお、保有の妥当性が認められないと考える場合には縮減するなどの見直しを行います。

 

2)政策保有株式の議決権行使の方針

当社は、政策保有株式の議決権行使にあたっては、保有先の中長期的な企業価値向上および当社の株主価値増大に資するかどうかを総合的に勘案し、議案ごとに賛否の判断を行い行使します。

 

3)政策保有株主(注1)による当社株式の売却等の意向に対する対応方針

当社は、政策保有株主から当社株式の売却等の意向が示された場合には、その売却等を妨げません。

 

4)政策保有株主との取引方針

当社は、政策保有株主との間で、当社や株主共同の利益を害するような取引を行いません。

注1「政策保有株主」とは、当社の株式を政策保有株式として、保有している株主をいいます。

【原則 5-1.株主と建設的な対話に関する方針】

当社は、株主との建設的な対話・情報開示を行う担当部門を設置し、担当取締役を選任しております。

株主からの対話(面談)の申込みに対しては、基本的には前向きに対応することにしており、対話(面談)の対応者は株主の希望を加味しつつ、対応する事を基本としています。

 

 

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