ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

プライム

ブリッジレポート:(6914) オプテックスグループ 2019年12月期第2四半期決算

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小國 勇 代表取締役社長兼CEO

オプテックスグループ株式会社(6914)

 

企業情報

市場

東証1部

業種

電気機器(製造業)

代表取締役社長兼CEO

小國 勇

所在地

滋賀県大津市雄琴 5-8-12

決算月

12月

HP

https://www.optexgroup.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,463円

36,807,108株

53,848百万円

12.3%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

32.50円

2.2%

67.94円

21.5倍

875.98円

1.7倍

*株価は8/6終値。発行済株式数は19年6月末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2015年12月

27,793

3,161

3,222

2,051

61.98

20.00

2016年12月

31,027

3,015

3,086

1,809

54.67

22.50

2017年12月

37,504

4,885

5,036

3,386

97.63

27.50

2018年12月

40,113

4,989

5,038

3,775

104.85

30.00

2019年12月(予)

40,000

3,400

3,400

2,500

67.94

32.50

*予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。18年4月1日付で1:2の株式分割を実施。EPS、DPSは遡及修正。

 

 

オプテックスグループ株式会社の2019年12月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年12月期第2四半期決算概要
3.2019年12月期業績見通し
4.事業戦略:センサーとカメラの連動による画像確認
5.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 19年12月期第2四半期の売上高は前年同期比5.5%減の185億93百万円。主力3事業とも減収。SICK社向け、中国向けが低調だったFA事業は2桁の減収。国内売上は同1.4%減の80億72百万円、海外売上は同8.4%減の105億21百万円だった。営業利益は同49.6%減の13億15百万円。減収に加え、米中貿易摩擦に伴う関税対策として、米国向け製品を中国からベトナムへ生産移管することによる一時的なコストアップ、SS事業におけるプロダクトミックスで原価が上昇したことに加え、買収子会社の販管費増などが影響した。売上、利益とも期初予想を下回った。

     

  • 通期業績予想を下方修正した。19年12月期の売上高は前期比横這いの400億円を予想。国内は同0.1%増の171億円、海外は同0.6%減の228億円を見込む。営業利益は同31.9%減の34億円の予想。配当は上記の通り32.50円/株を予定。予想配当性向は47.8%。

     

  • 下期からの回復を予想している。売上高は対上期で30億円の増収。SS事業(防犯)における屋外センサーの回復(南欧)、国内大手警備会社向け新機種投入に加え、MVL事業におけるUV関連、仏エフィルクスの寄与などが主要因。また、米国向け製品のベトナムへの生産移管も組立のみでなく現地生産も軌道に乗るため原価率も約3ポイント低下する見込み。

     

  • 残念ながら上期は減収・大幅減益となったが、会社側は下期からの回復に自信をもっているようで、7月時点で上期のみでなく通期予想も修正したことにもそれが現れているようだ。ただFA事業に関しては米中貿易摩擦の行方もあり、不透明感は残るため、まずは第3四半期の動向を見守りたい。

     

  • 一方で、SS事業におけるセンサーとカメラの連動による画像確認システムは、システムの内容と共に、新たなビジネスモデルとしてサブスクリプションモデルに着手した点が注目される。本格的なスタートは来期からということになるが、進捗を大いに期待したい。

     

1.会社概要

世界シェア40%を誇る屋外用防犯センサーや世界シェア30%・国内シェア50%の自動ドアセンサーを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛けるオプテックス株式会社を中心とした持株会社。産業機器用センサー事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、画像処理用LED照明事業で世界シェアトップのシーシーエス(株)、各種システム及びアプリケーション・デジタルコンテンツ開発等を得意とする(株)スリーエース、グループ製品の製造を担うオプテックス・エムエフジー(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。

 

オプテックス(株)

防犯・自動ドア等、各種センサーの開発・販売

オプテックス・エフエー(株)

光電センサー、変位センサー、産業用画像検査、計測装置の開発、販売

シーシーエス(株) 

画像処理用LED照明装置やシステムの開発、製造、販売

(株)スリーエース

各種システム及びアプリケーション・デジタルコンテンツの開発

オプテックス・エムエフジー(株)

グループ製品の製造・電子機器受託生産サービス

ジックオプテックス(株)

汎用型光電センサーの開発、独SICK AG社とオプテックス・エフエー(株)の合弁会社

技研トラステム(株)

客数情報システム、来場者計数装置等の開発、製造、販売

(株)ジーニック

画像処理関連のIC、LSIの受託開発ならびにFAシステムの設計、販売

オーパルオプテックス(株)

会員制スポーツクラブおよび環境体験学習プログラムの運営

FIBER SENSYS INC.(米国)

光ファイバー侵入検知システム等の開発、製造、販売

FARSIGHT SECURITY SERVICES LTD.(英国)

遠隔画像監視による警備会社

RAYTEC LIMITED.(英国)

監視カメラ用補助照明の開発、製造、販売

Gardasoft Vision Limited(英国)

マシンビジョン用LED照明コントローラの開発、製造、販売

 

【1-1. 事業内容】

事業は、主力の防犯関連および自動ドア関連などからなる「SS(センシングソリューション)事業」、産業機器用センサーを手掛ける「FA(ファクトリーオートメーション)事業」、画像処理用LED照明装置及びシステムを提供する「MVL(マシンビジョンライティング)事業」、前期まではSS事業に含まれていた中国で電子機器受託生産サービスを提供する「EMS事業」、スポーツクラブ運営及びアプリケーション・デジタルコンテンツの開発を手掛ける「その他事業」に分かれる。

 

事業セグメント

事業内容

SS事業

防犯関連

主な製品は、屋内外で使われる各種センサー、ワイヤレスセキュリティシステム、LED照明制御システム等。屋外用センサーでは、世界でもトップクラスのシェアを有している。近年では、マイクロウエーブ技術を活用した車両検知センサーの開発にも取り組んでいる。

自動ドア関連

世界で初めて遠赤外線式自動ドア用センサーを開発した。

主な製品は、自動ドア開閉用センサー、工場向けシャッター用センサー、ワイヤレスタッチスイッチ等。

その他

水質計測機器、交通機器(安全運転支援ツール)、客数情報システム、画像処理関連等の開発・販売

FA事業

主な製品は、工場での生産ラインに使用される品質管理及び自動化のための光電センサー、変位センサー、画像センサー、LED照明等。国内では食品・医薬品業界を中心とした幅広い業界における生産ラインの品質管理に、海外では産業用センサーのトップシェアを誇るSICK AG社(独)との技術提携により、ヨーロッパ全域で販売、自社ブランドではアジア・北米と幅広い地域で販売されている。

MVL事業

画像処理用LED照明事業で高シェアを有している。業界最高の演色性を誇る自社開発の自然光LEDを用いた各種ソリューションを展開。

EMS関連

中国工場で展開する電子機器受託生産サービス

その他

スポーツクラブ運営、アプリケーション・デジタルコンテンツの開発

 

【1-2 .強みと特長:センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズム】

確実で安定したセンシングの実現には、複数の要素技術とノウハウ、そして物理的変化を制御する「アルゴリズム」が不可欠。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。

 

ノイズ対策技術

・数々のノイズを極小化するハードウエア設計

・独自に定めた幾多の環境評価を行ない、クリアしたもののみ製品化

緻密な光学設計

・光学シミュレーションを駆使し、抜けの無い高密度エリアを実現

・小型化を追求するためのパッケージング化技術

信頼性公的規格遵守

・あらゆるグローバルスタンダードに適合、及び準拠

・各業界で定めた規格、ガイドラインへの適合、及び準拠

(CEマーキング、EN規格[TUV認定]、ANSI規格、JIS規格等)

環境配慮設計

・使用制限物質15種、自主管理物質10種を定め、全構成部品の無害化を実現

・RoHS指令適合、無鉛はんだ化

・使用時のCO2の影響を最小化する設計

安心、安全制御

・システムの機能をダウンさせない為のセンサーの異常時や故障時の自己診断、及びフェールセーフ機能の採用

・機能を維持する為の、予防保全策の提案

独自のセンシングアルゴリズム

・ハードウエアで抑えきれないノイズの影響をカット、意図した事象のみの検出、精査、解析を図る為の独自のアルゴリズム

・フィールドでの性能を維持する為の各種自動補正機能

 

【1-3. 沿革】

1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサーを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサーは極めて画期的な製品。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサーでトップシェアを有するに至った(現在、国内シェア約50%)。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。
近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。 また2016年5月には画像処理用LED照明で世界シェアNO.1のシーシーエス株式会社(6669、JASDAQ)を子会社化(18年7月に完全子会社化)した。次世代経営への移管やグループシナジーの追求を目指し、2017年1月1日付で持株会社体制へ移行した。

 

【1-4. ROE分析】

 

11/12期

12/12期

13/12期

14/12期

15/12期

16/12期

17/12期

18/12期

ROE(%)

6.0

4.6

8.2

8.6

8.7

7.4

12.6

12.3

 売上高当期純利益率(%)

5.58

3.99

6.87

7.39

7.38

5.83

9.03

9.41

 総資産回転率(回)

0.85

0.91

0.92

0.89

0.91

0.91

0.95

0.95

 レバレッジ(倍)

1.27

1.28

1.30

1.31

1.30

1.41

1.48

1.38

 

ROEは18/12期も前期に続き、目標としている「10%以上」を達成した。今期の売上高当期純利益率は6.3%の予想。
利益の積み上げで総資産、自己資本が増加しても高ROEを継続すると見られる。

 

【1-5 ESGの取り組み】

ESG課題に積極的に対応し企業価値の向上に努めている。

 

E::環境

SS事業(自動ドア関連)では、無駄開き抑制自動ドアセンサー「e スムースセンサー」を開発・販売している。建物の空調効率を向上させる同製品は電力消費量を約30%削減する。

また、SS事業(水質計測関連)では、以前より濁度など水質測定製品を開発・販売している。IoTを活用した水質管理が可能な同製品はグローバルで地球温暖化対策に貢献している。

S:社会

琵琶湖畔に本社を置く同社はその立地を活かし、社会貢献活動の一環として、子会社オーパルオプテックス(株)が「びわ湖体験学習」を実施している。カヌーなどのスポーツ体験や湖畔の生き物しらべなどの水環境学習に、年間約1万人が参加している。

G:ガバナンス

取締役会での活発な議論を通じた意思決定で戦略の質を高め、更なる企業価値の向上を実現するため、多様な経歴やスキルを持つ社外取締役を選任している。

また、取締役・監査等委員11名中、3分の1以上を占める4名の独立社外取締役を交え、経営のマネジメント機能とモニタリング機能のバランスを備えた経営体制を構成している。

 

2.2019年12月期第2四半期決算概要

(1)業績概要

 

18/12期 2Q

構成比

19/12期 2Q

構成比

前年同期比

期初予想比

売上高

19,674

100.0%

18,593

100.0%

-5.5%

-13.9%

売上総利益

10,960

55.7%

10,040

54.0%

-8.4%

-

販管費

8,351

42.4%

8,725

46.9%

+4.5%

-

営業利益

2,609

13.3%

1,315

7.1%

-49.6%

-50.4%

経常利益

2,573

13.1%

1,237

6.7%

-51.9%

-54.2%

四半純利益

1,950

9.9%

923

5.0%

-52.7%

-53.9%

*単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。以下、同様。

 

減収減益
売上高は前年同期比5.5%減の185億93百万円。主力3事業とも減収。SICK社向け、中国向けが低調だったFA事業は2桁の減収。国内売上は同1.4%減の80億72百万円、海外売上は同8.4%減の105億21百万円だった。
営業利益は同49.6%減の13億15百万円。減収に加え、米中貿易摩擦に伴う関税対策として、米国向け製品を中国からベトナムへ生産移管することによる一時的なコストアップ、SS事業におけるプロダクトミックスで原価が上昇したことに加え、買収子会社の販管費増などが影響した。
売上、利益とも期初予想を下回った。

 

四半期業績

 

 

◎平均為替レート

 

18/12期 2Q

19/12期 2Q

米ドル

108.68円

110.05円

英ポンド

149.72円

142.42円

ユーロ

131.64円

124.32円

 

 

(2)セグメント別動向

①セグメント別売上高・利益動向

 

18/12期 2Q

構成比

19/12期 2Q

構成比

前年同期比

SS事業

10,190

51.8%

9,821

52.8%

-3.6%

FA事業

4,273

21.7%

3,544

19.1%

-17.1%

MVL事業

4,896

24.9%

4,713

25.3%

-3.7%

EMS事業

277

1.4%

259

1.4%

-6.5%

その他

36

0.2%

254

1.4%

+605.6%

連結売上高

19,674

100.0%

18,593

100.0%

-5.5%

SS事業

1,225

12.0%

763

7.8%

-37.7%

FA事業

790

18.5%

293

8.3%

-62.9%

MVL事業

630

12.9%

304

6.5%

-51.7%

EMS事業

41

14.8%

-32

-

-

その他

0

0.0%

-9

-

-

調整額

-77

-

-3

-

-

連結営業利益

2,609

13.3%

1,315

7.1%

-49.6%

*単位:百万円。営業利益の構成比は売上高利益率

 

②セグメント・地域別動向

 

18/12期 2Q

構成比

19/12 期 2Q

構成比

前年同期比

SS:防犯

6,939

100.0%

6,581

100.0%

-5.2%

日本

943

13.6%

1,151

17.5%

+22.1%

AMERICAs

1,584

22.8%

1,310

19.9%

-17.3%

EMEA

3,638

52.4%

3,437

52.2%

-5.5%

アジア

774

11.2%

683

10.4%

-11.8%

 

 

 

 

 

 

SS:自動ドア

2,170

100.0%

2,173

100.0%

+0.1%

日本

1,094

50.4%

1,037

47.7%

-5.2%

AMERICAs

524

24.1%

609

28.0%

+16.2%

EMEA

472

21.8%

466

21.4%

-1.3%

アジア

80

3.7%

61

2.8%

-23.7%

 

 

 

 

 

 

SS:その他

1,082

100.0%

1,068

100.0%

-1.3%

日本

930

86.0%

928

86.9%

-0.2%

アジア

152

14.0%

140

13.1%

-7.9%

 

 

 

 

 

 

FA

4,274

100.0%

3,544

100.0%

-17.1%

日本

1,828

42.8%

1,663

46.9%

-9.0%

AMERICAs

57

1.3%

56

1.6%

-1.8%

EMEA

1,569

36.7%

1,234

34.8%

-21.4%

アジア

820

19.2%

591

16.7%

-27.9%

 

 

 

 

 

 

MVL

4,896

100.0%

4,713

100.0%

-3.7%

日本

3,261

66.6%

2,952

62.6%

-9.5%

AMERICAs

412

8.4%

418

8.9%

+1.5%

EMEA

649

13.3%

770

16.3%

+18.6%

アジア

574

11.7%

573

12.2%

-0.2%

 

 

 

 

 

 

EMS事業

277

100.0%

260

100.0%

-6.1%

日本

98

35.4%

87

33.5%

-11.2%

アジア・オセアニア

179

64.6%

173

66.5%

-3.4%

*単位:百万円

 

◎SS事業
(防犯関連)
日本 :警備会社向けおよび空港など大型重要施設向け屋外警戒用センサー販売が順調に推移し増収。
AMERICAs :北米の販売子会社による大型重要施設向けセンサーの販売が伸び悩み減収。
EMEA :英国の販売子会社による南欧地域での一般住宅向けセンサーの販売が伸び悩み減収
アジア :豪州及び東南アジア向けの販売が伸び悩み減収

 

国内警備会社向け販売は回復基調。下期から新商品も投入。
南欧では屋外向けセンサーが低調も、新商品を投入。受注は回復基調。

 

(自動ドア関連)
日本 :国内大手顧客向け自動ドア用センサー販売が伸び悩み減収。
AMERICAs :北米大手顧客向け自動ドア用センサー販売が順調に推移し、増収
EMEA :欧州大手顧客向け自動ドア用センサー販売が堅調に推移したものの為替の影響により減収。
東京オリンピック関連受注はまだ寄与していない。

 

◎FA事業
日本 :半導体、二次電池、電子部品業界向けの販売が伸び悩み減収。
EMEA :世界経済における景況感の悪化の拡大により、OEM先への販売が伸び悩み減収。
アジア :中国の景気減速に伴う設備投資需要の鈍化により、変位センサーの販売が伸び悩み減収。

 

米中問題の影響を大きく受けている。
利益率の高い変位センサ―の数量減が利益にも影響した。

 

◎MVL照明事業
日本 :半導体、スマートフォン業界において投資の減速が影響し減収。
AMERICAs :新規案件は増加したものの、既存顧客向け大型案件の反動により横這い。
EMEA :2018年4Qに子会社化したフランスの画像検査用LED照明メーカーが売上に寄与し増収。
アジア :中国での投資鈍化が影響し、現地子会社の売上が伸び悩み横這い。

 

減収ではあるが、UV関連は好調。
ソリューション提供力強化のためテスティングルーム投資を積極的に実施している。

 

(3)財政状態とキャッシュフロー

◎主要BS

 

18/12末

19/6末

 

18/12末

19/6末

流動資産

29,530

28,804

流動負債

6,470

6,771

 現預金 

11,563

11,682

 仕入債務

1,997

1,779

 売上債権

8,938

8,187

 短期借入金

1,409

2,380

 たな卸資産

7,339

7,439

固定負債

4,477

3,675

固定資産

13,760

14,172

 長期借入金

1,706

579

 有形固定資産

4,678

5,381

 退職給付に係る負債

1,219

1,197

 無形固定資産

4,243

4,048

負債

10,945

10,447

 投資その他の資産

4,837

4,743

純資産

32,345

32,529

資産合計

43,291

42,976

負債・純資産合計

43,291

42,976

*単位:百万円

 

売上債権減で資産合計は前年末比3億15百万円減少の429億76百万円。
仕入債務の減少で負債合計は同4億98百万円減少の104億47百万円。
純資産は同1億84百万円増加の325億29百万円。
自己資本比率は前期末から0.9ポイント上昇し75.4%。

 

◎キャッシュ・フロー

 

18/12期 2Q

19/12期 2Q

増減

営業CF

-82

1,674

+1,756

投資CF

-181

-531

-350

フリーCF

-263

1,143

+1,406

財務CF

8

-816

-824

現金同等物残高

11,755

11,682

-73

*単位:百万円

 

売上債権の減少などで営業CF、フリーCFはプラスに転じた。
長期借入による収入の減少で財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションはほぼ変わらず。

 

(4)トピックス

◎自己株式の取得
経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するとともに、株主還元の向上を図るために自己株式の取得を実施することとした。

 

金額

上限10億円

株式数

上限80万株。発行済株式総数(自己株式除く)の2.17%

取得期間

2019年8月6日~2019年10月31日

 

◎創立40周年記念配当を実施予定
今年、創立40周年を迎え、株主に感謝の意を表するため、2019年12月期の中間配当において、2.50円/株の記念配当を実施することとした。年間配当は期末配当15円/株と合わせ、32.50円/株となる予定。

 

3.2019年12月期業績予想

(1)業績概要

 

18/12月期

構成比

19/12月期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

売上高

40,113

100.0%

40,000

100.0%

-0.3%

-7.0%

46.5%

営業利益

4,989

12.4%

3,400

8.5%

-31.9%

-35.8%

38.7%

経常利益

5,038

12.6%

3,400

8.5%

-32.5%

-37.0%

36.4%

当期純利益

3,775

9.4%

2,500

6.3%

-33.8%

-37.5%

36.9%

*単位:百万円。利益の構成比は売上高利益率

 

業績予想を下方修正。減収減益へ。
業績予想を下方修正。売上高は前期比横這いの400億円を予想。国内は同0.1%増の171億円、海外は同0.6%減の228億円を見込む。営業利益は同31.9%減の34億円の予想。
配当は上記の通り32.50円/株を予定。予想配当性向は47.8%。

 

 

19/12期上期

19/12期下期(予)

対上期

前年同期比

売上高

18,593

21,407

+15.1%

+4.7%

営業利益

1,315

2,085

+58.6%

-12.4%

経常利益

1,237

2,163

+74.9%

-12.3%

当期純利益

923

1,577

+70.9%

-13.6%

*単位:百万円

 

下期からの回復を予想している。
売上高は対上期で30億円の増収。SS事業(防犯)における屋外センサーの回復(南欧)、国内大手警備会社向け新機種投入に加え、MVL事業におけるUV関連、仏エフィルクスの寄与などが主要因。
また、米国向け製品のベトナムへの生産移管も組立のみでなく現地生産も軌道に乗るため原価率も約3ポイント低下する見込み。

 

(2)セグメント・地域別動向

 

18/12期

構成比

19/12 期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

SS:防犯

14,382

100.0%

14,267

100.0%

-0.8%

-5.1%

46.1%

日本

2,377

16.5%

2,659

18.6%

+11.9%

+5.9%

43.3%

AMERICAs

2,991

20.8%

2,934

20.6%

-1.9%

-3.6%

44.6%

EMEA

7,407

51.5%

7,114

49.9%

-4.0%

-5.0%

48.3%

アジア

1,607

11.2%

1,560

10.9%

-2.9%

-21.4%

43.8%

 

 

 

 

 

 

 

 

SS:自動ドア

4,455

100.0%

4,704

100.0%

+5.6%

+3.7%

46.2%

日本

2,308

51.8%

2,358

50.1%

+2.2%

+0.4%

44.0%

AMERICAs

1,099

24.7%

1,237

26.3%

+12.6%

+8.7%

49.2%

EMEA

896

20.1%

969

20.6%

+8.1%

+10.7%

48.1%

アジア

152

3.4%

140

3.0%

-7.9%

-20.0%

43.6%

 

 

 

 

 

 

 

 

SS:その他

2,320

100.0%

2,489

100.0%

+7.3%

-1.7%

42.9%

日本

1,952

84.1%

2,049

82.3%

+5.0%

-0.1%

45.3%

アジア

368

15.9%

440

17.7%

+19.6%

-8.5%

31.8%

 

 

 

 

 

 

 

 

FA

8,548

100.0%

7,606

100.0%

-11.0%

-14.6%

46.6%

日本

3,763

44.0%

3,513

46.2%

-6.6%

-11.5%

47.3%

AMERICAs

123

1.4%

161

2.1%

+30.9%

+2.5%

34.8%

EMEA

3,218

37.6%

2,475

32.5%

-23.1%

-23.1%

49.9%

アジア

1,444

16.9%

1,457

19.2%

+0.9%

-6.5%

40.6%

 

 

 

 

 

 

 

 

MVL

9,485

100.0%

9,759

100.0%

+2.9%

-8.8%

48.3%

日本

6,207

65.4%

5,851

60.0%

-5.7%

-10.8%

50.5%

AMERICAs

796

8.4%

906

9.3%

+13.8%

+3.2%

46.1%

EMEA

1,342

14.1%

1,849

18.9%

+37.8%

-11.4%

41.6%

アジア

1,140

12.0%

1,153

11.8%

+1.1%

-2.7%

49.7%

 

 

 

 

 

 

 

 

EMS事業

565

100.0%

590

100.0%

+4.4%

-7.7%

44.1%

日本

194

34.3%

169

28.6%

-12.9%

-12.9%

51.5%

アジア・オセアニア

371

65.7%

421

71.4%

+13.5%

-5.4%

41.1%

*単位:百万円

 

4.事業戦略:センサーとカメラの連動による画像確認

SS事業とFA事業の両輪によりバランスのとれた成長を目指す同社は、SS(防犯)において新たなビジネスモデルを構築した。
今年中のリリース、来期以降の収益貢献を見込んでいる。

 

(1)アラームモニタリングの市場規模

屋外センサーを用いたアラームモニタリングの契約件数は、全世界で9,000万件以上。うち、北米4,000万件、EMEA2,000万件(うち、英国300万件)と北米と英国でほぼ半数を占めている。

 

(2)アラームモニタリングの現状・課題

海外では多数導入されているアラームモニタリングではあるが、警備通報の95%は誤報という。ユーザーの機械操作ミスが圧倒的に多いが、屋外センサーの誤動作のケースもある。

 

現在のアラームモニタリングにおいては下記の図のように、センサーからのアラーム信号と監視カメラからのカメラ映像が連動することなくモニタリング会社に送信されている。
このため、モニタリング会社はアラーム信号を受信しても改めてカメラ映像を探したのち初めてユーザーや警察へ通報することとなる。
ただ場合によってはカメラ映像を未確認のまま通報するケースもあり、これが誤報の原因ともなっている。
また、米国では、モニタリング会社から通報を受けるのは警察であるが、誤報による出動の場合はユーザーが罰金を支払う義務があるなど、実際の稼働には様々な課題がある。

 

(同社資料より)

 

屋外センサーで世界的に高い評価・信頼を得ている同社は、こうした誤報問題が解決できればアラームモニタリングの普及に繋がると考え、新たなアラームモニタリングシステムを開発することとした。

 

(3)画像確認システム

①仕組み
新たなシステムではアラームモニタリングシステムと監視カメラシステムを連動させるゲートウェイを設置する。
既存システムにゲートウェイとオペレーションソフトを増設することでモニタリング会社は常にアラーム信号とリンクしたカメラ映像を受信できるため、誤報の発生率を大幅に引き下げることができる。

 

(同社資料より)

 

同システムは、戦略的提携先である米国「チェクト社」の画像確認ソリューションを組み入れたゲートウェイ利用することで実現した。
チェクト社は2014年に設立されたベンチャー企業で、CEOは警備会社のオーナー兼CEOでもあるため、警備業界に関する知識が深い。
このため、警備会社の業務経験を元に開発された現場ニーズに適したソリューションを提供することができる。また、高度なITスキルを必要とせず、業界標準規格のネットワークカメラに接続可能なシステムを構築しているほか、無料の使いやすいオペレーションソフトを提供していることも強みである。

 

②ビジネスモデル
オプテックスグループは、北米及び英国で同システムを販売する独占的権利を有している。
従来主流であった単品売りだけではなく、システムの提供によるサブスクリプション型課金ビジネスを展開する。

 

低コストでの取り付けが可能で誤報の可能性の低い同システムはユーザー、モニタリング会社、警察を含むすべての関係者にメリットがあると考えており、WIN-WINなビジネスモデルの普及を目指していく。

 

(同社資料より)

 

③ターゲットと数値目標
北米・EMEA地域において、商業施設・事務所、高級住宅などハイエンド層をターゲットに同システムを提供。
売上高目標を2023年25億円(北米20億円、英国5億円)、2028年100億円(北米80億円、英国20億円)としている。

 

5.今後の注目点

残念ながら上期は減収・大幅減益となったが、会社側は下期からの回復に自信をもっているようで、7月時点で上期のみでなく通期予想も修正したことにもそれが現れているようだ。
ただFA事業に関しては米中貿易摩擦の行方もあり、不透明感は残るため、まずは第3四半期の動向を見守りたい。
一方で、SS事業におけるセンサーとカメラの連動による画像確認システムは、システムの内容と共に、新たなビジネスモデルとしてサブスクリプションモデルに着手した点が注目される。
本格的なスタートは来期からということになるが、進捗を大いに期待したい。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成>

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

11名、うち社外4名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
更新日: 2019年3月28日

 

<基本的な考え方>
当社グループは、株主、投資家をはじめ、顧客、社会からの信頼を獲得しつつ、継続的に企業価値を向上させることが最大の使命であると認識しております。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題の一つと位置づけ、経営の透明性向上と、公正かつ迅速な意思決定を伴う経営システムの維持及び経営監視機能の強化を目指しております。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

開示内容

【補充原則4-11-1.取締役会の全体としてのバランス、多様性及び規模】

当社はこれまで、性別・国籍にとらわれることなく取締役候補者を選定しており、結果として現在は女性、外国人の取締役は選任しておりません。

しかしながら、当社の取締役会は、企業経営・経営管理、技術開発、生産、営業販売、海外での勤務経験、会計並びに法務(弁護士の資格等)の専門性等を有効に活用する取締役(監査等委員でない。)7名(その員数を9名以内としております。)と、大企業での経営経験並びに監査経験、公認会計士・税理士の資格を有する等、高い見識と知見を有する監査等委員である取締役4名(その員数は4名以内としております。)で構成されており、中長期的な当社の経営戦略を推し進めるうえで、現状、当社及び当社グループの規模等を勘案し、適切な構成バランスであると考えております。

 なお、多様性や専門性のバランスについては今後とも引き続き最適化に向けて検討を進めてまいります。

 

<コーポレートガバナン・コードの各原則に基づいて開示している主な原則>

原則

開示内容

【原則1-4政策保有株式】

得し、保有いたします。また、保有する株式につきましては、毎年取締役会においてその意義について検証を行い、目的とする合理的価値が乏しいと判断した場合には、市場動向等を勘案して売却し、縮減に努めております。

 

 現在当社が保有する政策保有上場株式 : 1銘柄 34百万円(貸借対照表計上額)

 

 なお、保有する株式の議決権行使については、当該企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与するか、株主価値が大きく毀損されないかを判断基準として個別に精査し、総合的に判断して賛否を決定します。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、IR部門を設置しており、株主の皆様との積極的かつ建設的な対話をなし得るよう、当社の経営方針や経営状況について判りやすい説明をするよう努めております。また、IR担当者と担当役員は、機関投資家向け説明会、個人投資家向け説明会を計画的に実施しており、機関投資家からの面談には随時対応しております。

定時株主総会においては、多様な株主様のご出席を賜われるよう会場を設定して、その終了後には、今後の当社方針をご理解いただけるように「株主説明会」「株主懇親会」を実施しております。

また昨年から、株主様がより一層便利にお越しいただけるよう、総会会場をJR京都駅ビル内のホテルでの開催に変更いたしました。

 

 

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