ブリッジレポート
(4829) 日本エンタープライズ株式会社

スタンダード

ブリッジレポート:(4829)日本エンタープライズ vol.47

ブリッジレポートPDF

 

植田 勝典 社長

日本エンタープライズ株式会社(4829)

 

 

会社情報

市場

東証1部

業種

情報・通信業

代表取締役社長

植田 勝典

所在地

東京都渋谷区渋谷1-17-8

決算月

5月

HP

http://www.nihon-e.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

183円

40,133,000株

7,344百万円

3.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

2.00円

1.1%

4.36円

42.0倍

121.40円

1.5倍

*株価は01/16終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2015年5月(実)

5,116

189

204

177

4.57

3.00

2016年5月(実)

5,530

219

252

327

8.07

3.00

2017年5月(実)

4,838

192

229

99

2.45

2.00

2018年5月(実)

3,892

174

257

166

4.11

2.00

2019年5月(予)

3,895

285

345

175

4.36

2.00

*予想は会社予想。2016年5月期より当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益については同様)。
*単位:百万円、円

 

日本エンタープライズの2019年5月期上期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年5月期上期決算
3.セグメント別の取り組み
4.2019年5月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 19/5期上期は前年同期比20.3%の減収、同8.3%の営業減益。売上面では、ビジネスサポートサービスやシステム開発・運用サービスが増加したものの、店頭アフィリエイトの事業譲渡やコンテンツ苦戦の影響をカバーできなかった売上の減少で営業利益も減少したが、店頭アフィリエイトは収益性が低く、中国でのスマートフォン販売の撤退(中国子会社の持分譲渡)効果も加わり、営業利益率が改善した。

     

  • 通期予想に変更はなく、前期比0.1%の増収、同62.9%の営業増益。下期は、ビジネスサポートサービスとシステム開発・運用サービスが堅調に推移する中、新規事業の寄与が見込まれ、売上が上期比1.4倍に拡大するとみている。事業や子会社の持分譲渡等で損益分岐点が下がっているため、営業利益は上期比2倍に拡大する見込み。配当は1株当たり2円の期末配当を予定している(予想配当性向45.9%)。

     

  • 中古端末買取販売サービスを開始した。携帯キャリアとの取引実績に加え、注力しているキッティングの取引先が中古端末の有力な仕入先になり得る事が強みだ。携帯電話料金引き下げの一環として端末とSIMの分離販売が議論されているが、実現すれば、中古端末の流通量増加による市場の活性化が期待でき、ビジネスチャンスが拡大する。中期的には、5Gの商用化も追い風になる可能性がある。5Gは、人が持つデバイスからIoTまで、幅広いニーズに対応できる通信技術とされており、同社は、クリエーション事業で培ったノウハウを活かしたトータルソリューションサービスの拡大を図る考え。

     

1.会社概要

モバイルソリューションカンパニーを標榜。個人向けスマートフォンアプリの開発・提供、企業向けシステム開発、モバイルキッティング、e コマース、AI チャットボット等のサービスを提供しており、事業セグメントは、自社IP(Intellectual Property)を活用したアプリケーションやシステムを提供する「クリエーション事業」と企業の業務用ソフトウェアやシステムの開発を請け負う「ソリューション事業」に分かれる。また、新たなサービスの創出に向け、IoT、ブロックチェーン、有線ドローンなどの実証事業に積極的に取り組んでいる。
2001年2月16日に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現JASDAQ市場)へ株式上場。2007年7月10日の東京証券取引所市場第二部への市場変更を経て、2014年2月28日に同市場第一部の指定を受けた。

 

 

【経営理念】

同社の経営理念は「綱領・信条・五精神」及び「日エン経営原則」に刻まれており、「これを繰り返し学ぶ事で基本理念を永遠に堅持していく」事が同社社員の責務。こうした正しい考えと正しい行動の下にこそ、長い目で見た「株主価値の極大化」、すなわち「資本という大切な“お預かりもの”を1円もムダにせず、最大化していくことが可能である」と言うのが同社を率いる植田社長の考えである。
そもそも同社は、「社業を通じて社会のお役に立ちたい」という強い一念から植田社長が興した会社であり、様々なIT機器を通して便利で面白い多種多様なコンテンツを制作し提供する事でユーザーの満足度を高めると共に社会貢献していく事を目指している。
こうした植田社長の経営哲学の下、創業初年度の経常利益は、ほぼ全額が日本赤十字社・各地社会福祉協議会・児童養護施設等に寄付され、東日本大震災の折には、被災した方々の支援と東北地方の復興に寄与するべく日本赤十字社に寄付が行われた。

 

綱領
我々は商人たるの本分に徹しその活動を通じ社会に貢献し、文化の進展に寄与することを我々の真の目的とします。

 

信条
我々は以下に掲げる五精神をもって一致団結し力強く職に奉じることを誓います。

 

日本エンタープライズ株式会社の遵奉する精神
一、商業報国の精神
一、忘私奉職の精神
一、収益浄財の精神
一、力闘挑戦の精神
一、感謝報恩の精神

 

日エン経営原則
1.心を高める経営を行う
2.衆知を集めた全員経営を行う
3.公明正大に利益を追求する
4.原理原則にしたがう
5.お客様第一主義を貫く
6.経営家族主義で経営する
7.実力主義に徹する
8.「協力し、信頼する仲間」をベースに仕事を進める

 

【企業グループ  連結子会社8社、非連結子会社1社】

連結子会社は、IVR、アプリを活用したデジタルプロモーションの(株)ダイブ、交通情報を中心にした情報提供の交通情報サービス(株)、アプリ/システム開発~運用、デバッグ等の(株)フォー・クオリア、音声通信関連ソリューションの(株)and One、スマートフォン向けキッティング支援ツール等の(株)プロモート、アプリ/システム開発、HEMS、ドローン等の(株)会津ラボ、スマートコミュニティ事業の山口再エネ・ファクトリー(株)、電子商取引サービス「いなせり」の企画・開発・運営を手掛ける いなせり(株)の国内8社。非連結子会社は、コンテンツ運営等を行うNE銀潤(株)の国内1社。

 

 

(同社資料より)

 

【事業概要】

事業は、クリエーション事業とソリューション事業に分かれ、18/5期の売上構成比は、それぞれ51.6%、48.4%。

 

クリエーション事業
自社IP(Intellectual Property)を活用したアプリケーション・システムの提供
コンテンツサービス、ビジネスサポートサービス、東岐波太陽光発電所の運営など山口再エネ・ファクトリー(株)が山口県で展開しているエネルギー事業が含まれるその他に分かれる。コンテンツサービスでは、交通情報、エンターテインメント、ライフスタイル、アプリ広告等の収益が計上され、ビジネスサポートサービスでは、情報ライセンス(「ATIS交通情報サービス」)、エスクロー(鮮魚EC「いなせり」)、クラウド(教育クラウド「eマナビー」、車両動態管理クラウド「iGPS on NET」、観光クラウド「指さしナビ」)、パッケージサービス(IP電話サービス「AplosOne」、ビジネスメッセンジャー「BizTalk」、チャットエンジン「Fivetalk」、キッティングツール「Certino」)、音声サービス(IP音声シリーズ「Primus」)と言ったサービスを提供している。また、新規事業・サービスの開発につなげるべく、IoT・ブロックチェーン・自動運転等の実証実験を手掛ける。

 

ソリューション事業
企業の業務用ソフトウェアやシステムの受託開発
システム開発・運用サービス、広告代理サービス、及び海外等のその他に分かれる。システム開発・運用では、アプリ開発やサイト構築等の受託、サーバ設計~構築、運用監視、デバッグ、カスタマーサポート、コンサルティング等を手掛けている。

 

 

2.2019年5月期上期決算

(1)上期連結業績

 

18/5期 上期

構成比

19/5期 上期

構成比

前年同期比

売上高

2,021

100.0%

1,611

100.0%

-20.3%

売上総利益

807

39.9%

747

46.4%

-7.4%

販管費

723

35.8%

670

41.6%

-7.3%

営業利益

84

4.2%

77

4.8%

-8.3%

経常利益

111

5.5%

96

6.0%

-13.3%

四半期純利益

45

2.3%

27

1.7%

-39.1%

*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
*単位:百万円

 

前年同期比20.3%の減収、同8.3%の営業減益
売上高は前年同期比20.3%減の16億11百万円。内訳は、クリエーション事業がコンテンツサービスの減少で同9.0%減の9億17百万円、ソリューション事業が店頭アフィリエイトの事業譲渡や中国でのスマートフォン販売の撤退(中国子会社の持分譲渡)で同31.5%減の6億94百万円。利益面では、店頭アフィリエイトの事業譲渡(原価率80%~85%)や中国子会社の持分譲渡の効果で売上総利益率が46.4%と6.5ポイント改善する中、自然減や中国子会社の持分譲渡による人件費の減少(△28百万円)や広告宣伝費(74百万円→56百万円)の削減等で販管費が同7.3%減少し、営業利益率が0.6ポイント改善した。当期純利益が同39.1%減と落ち込んだのは、新規事業にかかる補助金収入の減少(27百万円→13百万円)や法人税等の増加(47百万円→50百万円)による。

 

クリエーション事業売上高・利益

 

18/5期 上期

構成比

19/5期 上期

構成比

前年同期比

コンテンツ

758

75.3%

640

69.9%

-15.6%

ビジネスサポート

216

21.5%

241

26.3%

+11.2%

その他(太陽光発電)

32

3.2%

34

3.7%

+8.7%

セグメント売上高

1,007

100.0%

917

100.0%

-9.0%

連結調整前利益

299

29.7%

271

29.6%

-9.5%

*単位:百万円

 

自社開発のサービスを活用した受託開発の好調でビジネスサポートサービスが増加したものの、キャリアプラットフォーム市場の縮小によるコンテンツサービスの減少が響いた。

 

ソリューション事業売上高・利益

 

18/5期 上期

構成比

19/5期 上期

構成比

前期比

システム開発・運用

654

64.6%

690

99.6%

+5.5%

その他

358

35.4%

3

0.4%

-98.9%

セグメント売上高

1,013

100.0%

694

100.0%

-31.5%

連結調整前利益

15

1.5%

75

10.8%

+383.2%

*単位:百万円

 

企業の活発なIT投資を受けてシステム開発・運用サービスの売上が増加したものの、店頭アフィリエイトの事業譲渡(2018年2月28日)及び、中国子会社の持分譲渡(2018年3月30日)に伴い、その他の売上が大きく減少した(上期はWeb系広告の売上を計上)。

 

(2)第2四半期(9-11月)連結業績

 

18/5-1Q

2Q

3Q

4Q

19/5-1Q

2Q

売上高

974

1,046

968

902

775

835

売上原価

584

629

567

476

405

458

販管費(うち広告宣伝費)

356(28)

366(46)

411(54)

324(41)

337(29)

332(26)

営業利益

33

50

-10

101

32

44

経常利益

37

74

30

115

43

52

原価率

60.0%

60.1%

58.6%

52.8%

52.3%

54.9%

販管費率

36.6%

35.0%

42.5%

36.0%

43.6%

39.8%

 

売上面では、クリエーション事業の売上が第1四半期比6.4%減少したものの、ソリューション事業の売上が同30.0%増加した。利益面では、ソリューション事業の売上構成比の上昇で原価率が2.6ポイント上昇したものの、研究開発費等の増加を広告投資の最適化やコスト削減で吸収して販管費率が3.8ポイント改善した。

 

クリエーション事業売上高・利益

 

18/5-1Q

2Q

3Q

4Q

19/5-1Q

2Q

コンテンツ

382

376

376

351

331

309

ビジネスサポート

97

119

107

137

122

118

その他

18

13

9

17

19

15

売上高

498

509

493

506

473

443

営業利益

153

146

141

72

145

125

 

キャリアプラットフォーム市場の縮小でコンテンツサービスの売上が第1四半期比6.6%、自社開発のサービスを活用した受託開発が堅調に推移したものの検収案件の減少でビジネスサポートサービスの売上が同3.5%、日照時間の減少(秋期)でその他(太陽光発電)の売上が同20.3%、それぞれ減少した。

 

ソリューション事業売上高・利益

 

18/5-1Q

2Q

3Q

4Q

19/5-1Q

2Q

システム開発・運用

296

358

323

391

300

390

その他

179

179

152

4

1

2

売上高

476

537

475

396

301

392

営業利益

2

13

-32

172

28

46

 

グループ連携を含めた提案営業の強化で企業のIT投資需要の取込みが進み、アプリ開発やCRM等を中心にシステム開発・運用サービスの売上が第1四半期比29.9%増加した。

 

(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

18年5月

18年11月

 

18年5月

18年11月

現預金

4,205

4,166

仕入債務

94

100

売上債権

434

487

未払法人税・消費税等

96

69

流動資産

4,827

4,909

退職給付に係る負債

51

54

有形固定資産

405

391

有利子負債

300

289

無形固定資産

432

415

負債

790

822

投資その他

339

267

純資産

5,213

5,160

固定資産

1,177

1,073

負債・純資産合計

6,004

5,983

*単位:百万円

 

上期末の総資産は前期末との比較で21百万円減の59億83百万円。自己資本比率81.4%(前期末82.1%)。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

18/5期 上期

19/5期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

79

111

+31

+39.3%

投資キャッシュ・フロー(B)

196

-61

-257

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

275

49

-226

-82.0%

財務キャッシュ・フロー

-105

-105

+0

-

現金及び現金同等物期末残高

3,560

4,077

+517

+14.5%

*単位:百万円

 

営業利益が減少したものの、店頭アフィリエイトの事業譲渡や中国子会社の持分譲渡等による運転資金の減少で営業CFは前年同期比39.3%増加した。

 

3.セグメント別の取り組み

【クリエーション事業】

コンテンツサービス
スマートフォンアプリについては、キャリアプラットフォーム向けサービス市場の縮小が避けられないため、効率運用で収益確保に努めつつ、キャリアプラットフォームに依存しない収益体質の構築に取り組む。このため、他社とのアライアンスによる新規コンテンツの開発を推進すると共に、既存アプリも含めて新たなプラットフォームへの展開も進める。

 

アプリ別の取り組み
消費意欲が旺盛で新しいトレンドに敏感なF1層(女性20~34歳)の利用が多い「女性のリズム手帳」(ヘルスケア)については、タイアップ広告等も含めて、女性の、「美」、「健康」をサポートするサービスへ進化する事でコンテンツ力を高め、利用者数の拡大を図る。「ATIS交通情報サービス」(交通情報)については、アプリの機能強化に取り組む他、ドライバー向けの新たなサービスを計画している。安心安全な個人取引環境を提供する「フリマjp」(フリマ)については、取扱商品の拡充等によるサービスの継続的な拡充とパートナー企業との連携による新しいビジネスモデルの創出に取り組む。キャリアプラットフォーム向けサービス(月額制・定額制)は効率的な運用で収益確保に努める。
上記に加え、新規ポータルサイト(プラットフォーム)の運営を2019年1月17日に開始する。マンガや写真集を配信する電子書籍ポータルサイトとしてスタートするが、中期的には書籍だけでなく、ゲームやライブチャット等、様々なコンテンツを提供していく予定。

 

ビジネスサポートサービス
CATVやバス会社等へのライセンス提供でストック型ビジネス化に成功している交通情報サービスにおいて、法人向けの新サービス「ATIS on Cloud」を9月26日にリリースした。自社開発の商品を活用した受託サービスでは、eコマース関連の受託開発やチャット機能を活用したアプリの受託開発が進行中であり、キッティングや「いなせり」等、同社グループが開発した独自ブランドやパッケージサービスの拡大も見込まれる。この他、福島県浪江町で実際の公道での自動運転レベル3の実証実験を開始した。

 

交通情報サービス
2018年9月26日に交通情報サービス「ATIS on Cloud」の提供を開始した。全国の高速・一般道路の渋滞、事故、規制情報など最新の交通事象をマップ上で確認できるクラウド型の交通情報サービスであり、高速・貸切バス等の運送業、運輸・物流業、配送・引越業等の法人をターゲットにしている。
「ATIS on Cloud」の特徴は5つ。(1)インターチェンジ区間毎の所要時間を確認する事ができる「ATISマップ」、(2)渋滞状況や路面状況の把握を可能にする「ライブカメラ動画、静止画」、(3)交通情報が把握可能な詳細な地図データ、(4)トラック等の大型車両向けの地図、そして(5)登録ルートの通常時と渋滞加味の所要時間比較機能、である。

 

キッティングサービスの強化(全ての支援ツールを連携させたキッティングのRPAを開発)
キッティングとは、企業において、社員が使用するPC・スマホ等の端末や周辺機器を、それぞれの環境に最適な状態に設定・カスタマイズする事。同社グループでは連結子会社(株)プロモートが、キッティング支援ツール「Certino」、エビデンス(作業証明)支援ツール「SSA」(2018年8月23日リリース)、及び画像比較ツール「SC2000」(同)を連携させたキッティングのRPA(Robotic Process Automation)を開発した。キッティングから品質問題(設定漏れやミス)の確認までをカバーするワンストップソリューションを展開していく。

 

いなせりにおける一般消費者向けサービス(いなせり市場)の開始(2018年11月)
2016年12月に仲卸業者向けインターネット水産物販売サービス「いなせり」を開始し(2018年10月12日に豊洲市場でサービス開始)、2018年8月には大口顧客向けリバースオークション「いなオク」の営業を開始した。「いなオク」は同社のリバースオークションシステムを導入し、セリ下げを実現するサービスを提供する。更にサービス対象を一般消費者にも広げ、2018年11月に、仲卸の目利きに適った海鮮物を購入できる一般消費者向けECサイトサービス「いなせり市場」をリリースした。また、2019年1月~3月の期間限定だが、毎週土曜日に豊洲市場場外の実店舗「いなせりマルシェ」で一般消費者に鮮魚の直接販売を行う。

 

「いなせり市場」
一般消費者がインターネット上で、仲卸の目利きによる豊洲市場の高品質な魚介商品を購入できるECサイト。豊洲市場から直接自宅に商品が届くので、家庭で本物の味を楽しむことができる。

 

「いなせりマルシェ」
2019年1月12日より3月30日までの毎週土曜日に開催される「豊洲市場Oishiiマルシェ」にて、移動式販売車で、豊洲仲卸から買い付けた鮮魚の販売を実施する。「いなせりマルシェ」は、豊洲市場で一般の来場者が唯一鮮魚を購入できる初の店舗となる。

 

実証事業
自動運転実証試験
福島県が実施する「平成30年度地域復興実用化開発等促進事業」に採択され、「自動運転に係る情報基盤の構築及びまちなか巡回車両の実用化に向けた実証試験」が進行中である。福島トヨペットと協業し、実際に公道にて実走段階であるレベル3(ドライバーが介入できる状態での自動運転)を検証しており、2018年12月3日、福島県浪江町にて、公道での実証試験開始セレモニーを開催し、浪江駅前~浪江町役場を結ぶ約1kmにおいて、公道での自動走行を実施した。今後は、実証範囲を拡大させていくと共に、自動運転によるソフトウェア開発や運行に係るノウハウを習得する事で新規事業の創出につなげていきたい考え。

 

【ソリューション事業】

企業の活発なIT投資に加え、働き方改革や2020年のオリンピック開催も追い風となり、良好な事業環境が続く見込み。特に、AI、IoT、セキュリティ関連システムの需要増が見込まれる。こうした中、同社はクリエーション事業で培ったノウハウを活かし、受託開発(スクラッチ開発)を中心としたトータルソリューションサービスの提供に取り組むと共に、端末周辺事業(中古端末買取販売サービス)を育成していく。

 

トータルソリューションサービスの実績例
・CtoCフリマアプリ開発
・スポーツ専用コミュニケーションアプリ開発
・ECサイト構築・社員教育管理システム
・AIチャットボットアプリ開発
・自治体向け生活支援アプリ開発

 

中古端末買取販売サービ

(同社資料より)

 

中古端末買取販売サービスを拡大させ、端末周辺事業を育成していく。

 

2018年9月に企業が所有している使用済みのスマートフォン、携帯電話、タブレット、パソコンなどの法人向け中古端末買取販売サービスを開始した。

 

これまでの関係を活かし、携帯電話販社から中古端末の買取りが順調な事に加え、同社グループ独自開発のキッティングツールの導入をきっかけに、携帯電話販社を中心に中古端末の仕入先開拓も順調に進んでいる。

 

取引量の安定化を図ると共に新規取引先の獲得を進め、業容を拡大させていく考え。

 

4.2019年5月期業績予想

通期連結業績

 

18/5期 実績

構成比

19/5期 予想

構成比

前期比

売上高

3,892

100.0%

3,895

100.0%

+0.1%

営業利益

174

4.5%

285

7.3%

+62.9%

経常利益

257

6.6%

345

8.9%

+34.0%

当期純利益

166

4.3%

175

4.5%

+5.3%

*単位:百万円

 

前期比0.1%の増収、同34.0%の経常増益予想
店頭アフィリエイトの事業譲渡や中国子会社の持分譲渡の影響をビジネスサポートサービスとシステム開発・運用サービスで吸収して売上高が38億95百万円と前期比0.1%増加する見込み。利益面では、店頭アフィリエイトの事業譲渡と中国子会社の持分譲渡による収益性の改善で営業利益が同62.9%増の2億85百万円と伸びる見込み。補助金収入が減少するものの、経常利益も3億45百万円と同34.0%の増加を見込む。

 

配当は1株当たり2円の期末配当を予定している(予想配当性向45.9%)。

 

 

5.今後の注目点

通期予想に対する進捗率は、売上高41.4%、営業利益27.0%、経常利益28.0%、当期純利益16.0%。進捗が遅れているが、下期は、売上高を上期比1.4倍に、営業利益を同2倍に、それぞれ拡大させキャッチアップを図る考え。売上面では、キッティングで2件の大型商談が進んでいる事に加え、マンガや写真集を配信する新規ポータルサイトや「いなせり」等の豊洲関連事業の寄与を見込んでいる模様。利益面では、「店頭アフィリエイト」や「中国子会社」の譲渡による収益率の改善が進む、としている。
また、中古端末買取販売サービスにも期待がかかる。携帯キャリアとの取引実績に加え、注力しているキッティングの取引先が中古端末の有力な仕入先になり得る事が強みだ。携帯電話料金引き下げの一環として端末とSIMの分離販売が議論されているが、実現すれば、中古端末の流通量増加による市場の活性化が期待でき、ビジネスチャンスが拡大する。中期的には、5Gの商用化も追い風になる可能性がある。5Gの通信環境では、4Gの1000倍の大容量データの送受信が可能になり、多接続、低遅延も実現する。5Gは、人が持つデバイスからIoTまで、幅広いニーズに対応できる通信技術とされており、同社は、クリエーション事業で培ったノウハウを活かしたトータルソリューションサービスの拡大を図る考え。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
更新日:2018年12月18日
<基本的な考え方>
当社グループは、経営目標の達成の為に取締役会が行う意思決定について、事業リスク回避または軽減を補完しつつ、監査役会による適法性の監視・取締役の不正な業務執行の抑止、また、会社の意思決定の迅速化と経営責任の明確化を実現する企業組織体制の確立により、株主利益の最大化を図ることがコーポレート・ガバナンスと考えております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
<補充原則4-1-3:CEOなどの後継者計画>
 当社は、経営陣幹部向けに「植田塾」を開催し、経営者として求められる「戦略思考」「リーダーシップ」等の資質の醸成を図っておりますが、現在、最高経営責任者等の後継者計画の策定を行っておりません。今後、後継者候補の育成計画の策定及び監督を検討してまいります。なお、計画の策定にあたっては、十分な時間と資源をかけて後継者候補の育成が行われていくよう努めます。

 

<原則5-2:経営戦略や経営計画の策定・公表>
 当社は中期経営計画を公表しておりませんが、毎期初において、当該期の目標額を開示しております。その目標額の策定にあたっては、資本コストを考慮した上で、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資、研究開発投資、人材投資を含めた経営資源の配分について計画を策定しておりますが、目標達成に向けた具体的な施策については、決算短信や決算説明会の他、日常のIR活動を通じて株主に分かりやすく説明、伝えるよう努めてまいります。

 

<開示している主な原則>
<原則3-1:情報開示の充実>(1)会社の経営理念、経営戦略及び経営計画
 当社の経営理念(「経営理念(綱領・信条・五精神)」、「日エン経営原則」、「私たちの行動規範」)を当社ウェブサイトに掲載しております。また、当社は、単年度の事業計画を元にして、3事業年度を期間とする中期事業計画を策定しておりますが、当社が属するモバイルコンテンツ市場は事業環境変化の予測が困難であり、途中で変更がある場合が多く、開示すると混乱をまねく可能性があるため、中期事業計画については、開示しておりませんが、今後の事業展開等を記載した決算説明資料を当社ウェブサイトに掲載しております。

 

  ●経営理念(綱領・信条・五精神)、日エン経営原則、私たちの行動規範

URL:

http://www.nihon-e.co.jp/company/concept.html

 

  ●決算説明資料

URL:

http://www.nihon-e.co.jp/ir/data.html

<原則5-1:株主との建設的な対話に関する方針>
 当社では、「IR活動の基本姿勢と開示基準」、「情報開示の方法と情報の公平性」、「将来の見通しについて」、「IR自粛期間について」からなるIR基本方針を策定しており、当社ウェブサイトにて公表しております。
  ●IR基本方針

URL:

http://www.nihon-e.co.jp/ir/management/line.html

 

 現在、当社ではこのIR基本方針に基づき、株主との建設的な対話という観点から、以下の取り組みを積極的に実施しております。
(1)当社では常務取締役管理本部長を内部情報管理責任者に指定し、経理部、総務部、人事・広報部等のIR活動に関連する部署を管掌し、日常的な部署間の連携を図っております。
(2)社内各部門の会社情報については、内部情報管理責任者が一元的に把握・管理し、的確な経営判断のもと、有機的な連携に努め、IRに関連する他部署との情報共有を密にすることで、連携強化を図るよう努めております。
(3)広報・IRグループにおいて、株主・投資家からの電話取材やスモールミーティング等のIR取材を積極的に受け付けると共に、アナリスト向けに決算説明会を開催し、社長又は常務取締役が説明を行っております。
(4)IR活動及びそのフィードバック並びに株主異動等の状況については、適宜取締役会へ報告を行い、取締役や監査役との情報共有を図っております。
(5)投資家と対話をする際は、当社の公表済みの情報を用いた企業価値向上に関する議論を対話のテーマとすることにより、インサイダー情報管理に留意しております。
東証コーポレート・ガバナンス情報サービス:http://www2.tse.or.jp/tseHpFront/CGK010010Action.do?Show=Show

 

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