ブリッジレポート
(6552) 株式会社GameWith

スタンダード

ブリッジレポート:(6552)GameWith vol.8

ブリッジレポートPDF

 

 

今泉 卓也 社長

株式会社 GameWith(6552)

 

会社情報

市場

東証マザーズ

業種

サービス業

代表取締役社長

今泉 卓也

所在地

東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー20階

決算月

5月

HP

https://gamewith.co.jp/

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,013円

17,633,832株

17,863百万円

41.1%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

-

-

35.64円

28.3倍

147.00円

6.8倍

*株価は3/29終値。発行済株式数は直近期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2015年5月(実)

389

127

124

94

6.42

0.00

2016年5月(実)

994

300

329

220

13.45

0.00

2017年5月(実)

1,581

657

654

465

28.39

0.00

2018年5月(実)

2,677

1,168

1,168

816

48.73

0.00

2019年5月(予)

3,154

905

904

623

35.64

-

* 予想は会社側予想。
* 株式分割 2016年3月 1:40、2017年4月 1:50、2018年2月 1:2。EPSは遡及修正済み。
*単位:百万円

 

GameWithの2019年5月期第3四半期決算の概要と中期事業戦略の進捗状況及び通期の見通しについてブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年5月期第3四半期決算概要
3.中期事業戦略の進捗状況
4.2019年5月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 19/5期3Q(12-2月)は前年同期比13.1%の増収、同61.7%の営業減益。同32.6%増と伸びたタイアップ広告をけん引役に売上が増加したものの、人材関連費用の増加や中期事業戦略に基づく戦略投資が負担になった。3Q累計では前年同期比19.3%の増収、同33.0%の営業減益

     

  • 21/5期に売上高55億円超を目指す中期事業戦略が進行中である。国内メディア事業を安定成長させつつ、海外事業と新規事業を育成していく考え。海外事業では取扱いタイトル数の拡充で英語版「GameWith」が北米を中心にPV数を伸ばしている。新規事業では、eスポーツ事業において、「クラッシュ・ロワイヤル」チームがクラロワリーグ アジ2019へ出場予定の他、米国で開催の世界的な格闘ゲーム大会「Genesis6」にて同社所属のZACKRAY選手が世界Best5に入賞した。

     

  • 通期予想に変更はなく、前期比17.8%の増収、同22.5%の営業減益。戦略投資費用を除くと、同2.5%の営業増益となる見込みだが、通期予想に対する進捗率は、売上高73.8%、営業利益68.2%と経過期間を下回る。スマホゲームの主役がバトルロイヤル等のプレイヤースキルが求められるタイトルに移行しており、国内メディア事業において変化への対応が求められている。中期事業戦略の進捗と共に注目していきたい。

     

1.会社概要

ゲーム情報メディア「GameWith」の運営・管理を行うメディア事業を展開。「GameWith」はゲーム攻略情報、ゲームのレビュー、コミュニティ機能並びに動画配信等のコンテンツを提供。ゲームに必要な記事や機能を提供する事でユーザーを集客し、広告枠を広告主に提供する事で収益をあげている。

 

Mission
ゲームをより楽しめる世界を創る“Create a more enjoyable gaming experience”
ゲームに熱中し、ゲームで繋がり、ゲームを仕事にして誇れる。そんな「ゲームをより楽しめる世界」を、私たちGameWithが創り出していく。

 

Vision
世界のゲームインフラになる
ゲームをプレイするユーザーにとっても、ゲームを開発するメーカーにとっても、GameWithがいなければ提供できない体験や価値を提供し、ゲームを楽しむことに関わる全ての人たちのインフラのような存在になっていく。メディア事業にとどまることなく、ゲームをより楽しむための、あらゆる事業領域に進出していく。

 

【1-1沿革】

・2013年6月、ゲームの攻略情報メディアの運営を目的として設立
・2013年9月、ゲームの攻略情報メディア「GameWith」をリリース
・2016年9月、ゲーム攻略等の動画実況に係る広告の事業化を開始
・2017年3月、コミュニティ機能の提供を開始

 

【1-2事業内容】-ゲームユーザーとゲーム会社の間に立って、両者にとって必要なものを事業化-

ゲーム情報メディア「GameWith」を通してゲームに必要な記事や機能を提供する事でユーザーを集客すると共に、広告枠を広告主に提供する事で収益化している。インターネット広告市場は高い成長を続けており、またスマートフォンにおける広告市場も高い成長が続いている。

 

ゲーム情報メディア「GameWith」の主なコンテンツ
「GameWith」の主なコンテンツは、ゲームを有利に進めるための情報を提供する「ゲーム攻略」、ゲームを見つけるための情報を提供する「ゲームレビュー」、ゲームユーザー同士で交流できる機能を提供する「コミュニティ」、専属のゲームタレントがYouTube等で動画を配信する「動画配信」の4つ。ゲーム攻略情報で集客したユーザーをゲームレビュー等の各サービスへ循環させる事で、相乗効果を生み出している。

 

ゲーム攻略
主にスマートフォンゲーム等の攻略情報に関する記事を提供している。人気ゲームの上位ランカーをライターとして採用・教育し、組織的に記事作成を行う事で、イベントに素早く対応し、正確な記事を高頻度で更新する仕組みを構築。ゲーム内でのイベントやアップデー卜に合わせて夕イムリーに記事を提供している。

 

ゲームレビュー
利用者が新たにゲームを始めるきっかけとなるゲームのレビュー情報を提供。新作ゲームの情報が発表されると同社所属のライターがレビュー記事を作成する(一部のゲームについては自社スタジオで動画制作も行い、よりゲームの良さが伝わりやすいレビュー記事が作成される)。また、ゲームの紹介記事の他、速報性に優れた同社独自のランキング情報や網羅的なゲームのデータベースも提供されている。

 

コミュニティ
会員登録(無料)する事でゲーマー同士がコミュニケーションを取る事が出来る機能を提供。同じゲームでプレイするゲーマーを繋げる事でゲームへの熱量を向上させる事を目的としており、メディア全体の活性化や媒体価値の向上に繋がるだけでなく、ゲーム自体をより長くプレイしてもらうことでゲーム会社にも寄与する。

 

動画配信
リアルタイムでのゲームプレイ動画の配信や動画ならではの魅力的なコンテンツの企画・運営を行っている。動画出演者は同社所属の攻略情報のライターからの選出や専属マネジメント契約を締結したクリエーター。2016年9月から動画中に広告を挿入する事で広告収入を得ている他、動画出演者が、ゲームのプロモーションだけでなく、商品の販売促進を行うサービスも広告商材として販売している。

 

ゲーム情報メディア「GameWith」を介した広告収入が収益源
同社はコンテンツを提供するなかで、広告主または広告代理店に対して、アドネットワーク等を利用した「ネットワーク広告」または「タイアップ広告」として広告枠を販売する事等で収益を得ている(アドネットワークとは、広告媒体のWebサイ卜を多数集めて形成される広告配信ネットワークの事)。

 

ネットワーク広告は、「GameWith」のインターネット広告枠、攻略情報アプリ内の広告枠、及び動画配信を行う際の広告枠を、アドネットワークを通して販売する事で広告収入を得るもの。一方、タイアップ広告は広告主となるゲーム会社との相対の交渉の下で行う広告であり、アプリゲームの認知度向上やユーザーの定着率向上等を目的としたプロモーションの一環としてゲーム会社は同社に広告を発注する。

 

ゲームレビューでは無料でアプリゲームの紹介を行っているが、無料サービスは効果が限定的。このため、バナー広告やゲーム紹介動画を含む記事広告、ゲームの攻略情報の作成・管理・運用等の付加価値(有料)サービスが用意されている。ゲーム会社は付加価値サービスを利用(同社に広告を発注)する事でゲームの認知度向上やユーザーの定着率改善を図る事ができる。

2.2019年5月期第3四半期決算

(1)第3四半期(12-2月)非連結業績

 

18/5-1Q

2Q

3Q

4Q

19/5-1Q

2Q

3Q

前年同期比

前四半期比

売上高

671

614

666

725

761

813

753

+13.2%

-7.3%

営業費用

323

337

368

479

517

553

640

+73.7%

+15.6%

営業利益

347

277

297

246

244

259

113

-61.7%

-56.1%

経常利益

345

276

297

248

242

259

113

-62.0%

-56.5%

四半期純利益

246

197

212

159

170

178

68

-67.6%

-61.4%

営業利益率

51.8%

45.1%

44.7%

34.0%

32.1%

31.9%

15.1%

 -

 -

同 戦略投資等調整後

-

-

-

41.0%

38.7%

39.2%

25.4%

 -

 -

※数値には参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。単位:百万円

 

前年同期比13.1%の増収、同61.7%の営業減益
売上高は前年同期比13.1%増の7億53百万円。特定のゲームタイトルにおいてより多くの情報や動画など付加価値の高い広告枠を制作し同社サイトで提供するタイアップ広告が同32.6%増の2億12百万円と伸びた他、ネットワーク広告売上高(動画)も66百万円と同61.6%増加。一方、ネットワーク広告売上高(Web・アプリ)は同0.5%減の4億53百万円で横ばいの推移となった。

 

営業利益は同61.7%減の1億13百万円。18/5期第4四半期以降に計上された増床等に係わる一過性コスト、株主優待費用、及び人材関連費用の増加や中期事業戦略に基づく戦略投資(新規事業、海外展開及び組織・人材戦略に係る総費用)が負担になった。営業利益率は15.1%に低下したが、戦略投資等調整後では25.4%。

 

営業費用の増加要因
第2四半期(9-11月)から第3四半期(12-2月)にかけて、人材関連費用を中心に営業費用が増加した。主な増加要因は、19/5期第2四半期中に採用した人材関連費用の増加、新卒採用関連の人材採用費の増加、及びブロックチェーンゲームやeスポーツ等のイベント制作に係る外注費の増加である。人材関連費用以外では、拠点拡充に伴う地代家賃の増加も目立った。
尚、人材関連費用とは、売上原価及び販管費に計上される役員報酬、給与手当、賞与及び賞与引当金繰入、法定福利費、株式報酬費用、外注費、人材採用費及び人材育成費の合計である。

 

※ 人員数は、役員及び従業員(含む臨時従業員)の月中での在籍ベース合計(同社資料を基に作成)。

 

(2)主要商材の動向 

 

18/5-1Q

2Q

3Q

4Q

19/5-1Q

2Q

3Q

構成比

前年同期比

前四半期比

ネットワーク広告(Web,アプリ)

511

448

456

470

459

464

453

60.2%

-0.5%

-2.4%

ネットワーク広告(動画)

27

37

40

63

61

70

66

8.8%

+61.6%

-5.7%

タイアップ広告

106

119

160

187

228

268

212

28.2%

+32.6%

-20.9%

その他

27

10

10

5

13

11

22

2.7%

+120.0%

+100.0%

売上高合計

671

614

666

725

761

813

753

100.0%

+13.2%

-7.4%

*単位:百万円

 

前年同期比では、広告商材開発や新規顧客の開拓が進んだタイアップ広告をけん引役に増収となったものの、前四半期比では、主要商材がそろって減収となった。もっとも、タイアップ広告の売上構成比が前年同期の24.1%から28.2%へ、ネットワーク広告(動画)が6.1%から8.8%へ上昇する一方、ネットワーク広告(Web,アプリ)が68.5%から60.2%に低下する等、収益バランスは良化しており、1つの商材に依存しない強固な収益モデルの構築が進んでいる事がわかる。

 

主力のネットワーク広告(Web,アプリ)については、運用体制構築(2017年1月)とその後の運用強化の成果で四半期毎の月間平均PV単価指標が引き続き上昇傾向にあるものの(19/5期3Qは特需のあった18/5期第1四半期を超える過去最高の水準)、スマートフォンゲームで目立ったヒット作がない中で国内ゲーム業界の市場環境が変化しており、PV数が減少傾向にある。

 

※1 広告運用体制を構築した2017年1月次の月間平均PV単価を基準値100とした場合のPV単価の変化(同社資料を基に作成)。
※2 月間平均PV数を算出して掲載。
※3 2019年5月期第2四半期から海外分をPV数とPV単価指標に算入。

 

同社を取り巻く国内ゲーム業界の市場環境の変化
ゲームアプリ市場全体に占めるTop15タイトルの売上比率は2016年から2018年にかけて低下傾向が続いている。また、ゲームタイトル別では、MAUMonthly Active User)ランキングTop15において、従来の攻略ニーズがあるタイトル(モンスターの評価、入手方法、パーティー編成等へのニーズが高いタイトル)数が減少傾向にある一方、バトルロイヤル等のプレイヤースキルが求められるタイトルが増加傾向にある。今後、バトルロイヤル等のタイトルへの対応を強化していく考え。

 

 

2016年

2017年

2018年

ゲームアプリ市場全体に占めるTop15タイトルの売上比率推移

48%

45%

40%

ゲームタイトル別MAUランキングTop15に占める従来の攻略ニーズがあるタイトル数

8

6

5

※ 同社資料を基に作成(出所:App Annie社データ)

 

(3)第3四半期(累計)非連結業績  

 

18/5期 3Q(累計)

構成比

19/5期 3Q(累計)

構成比

前年同期比

売上高

1,952

100.0%

2,328

100.0%

+19.3%

売上総利益

1,344

68.9%

1,358

58.3%

+1.0%

販管費

422

21.6%

740

31.8%

+75.3%

営業利益

922

47.2%

617

26.5%

-33.0%

経常利益

919

47.1%

615

26.4%

-33.0%

四半期純利益

656

33.7%

417

17.9%

-36.4%

*単位:百万円

 

前年同期比19.3%の増収、同33.0%の営業減益
通期予想に対する進捗率は、売上高73.8%、営業利益68.2%、経常利益68.1%、当期純利益67.0%。売上高・各利益共に経過期間(75%)を下回った。

 

商材別売上高

 

18/5期 3Q(累計)

構成比

19/5期 3Q(累計)

構成比

前年同期比

ネットワーク広告(Web,アプリ)

1,415

72.5%

1,376

59.1%

-2.8%

ネットワーク広告(動画)

104

5.3%

197

8.5%

+89.4%

タイアップ広告

385

19.7%

708

30.4%

+83.9%

その他

47

2.4%

46

2.0%

-2.1%

売上高合計

1,952

100.0%

2,328

100.0%

+19.3%

※ 構成比、前年同期比は、百万円単位の数値で計算した概算値。単位:百万円

 

(4)財政状態

 

18年5月

19年2月

 

18年5月

19年2月

現預金

2,414

2,574

未払金

99

111

売上債権

362

354

未払費用

84

103

流動資産

2,817

2,983

未払法人税等

265

22

有形固定資産

84

101

負債

636

430

投資その他

279

340

純資産合計

2,544

2,993

固定資産合計

363

441

負債純資産合計

3,181

3,424

*単位:百万円

 

第3四半期末の総資産は前期末との比較で2億43百万円増の34億24百万円。借方では、現預金や拠点拡充に伴う敷金・保証金(投資その他の資産)が増加し、貸方では純資産が増加した。自己資本比率87.4%(前期末79.9%)。

 

東京証券取引所市場第一部への市場変更に向け、立会外分売を実施
同社は、2017 年6月に東京証券取引所マザーズ市場に上場したが、更に社会的な認知や信用力を高め、企業価値向上を図る事を目的として、東京証券取引所市場第一部への市場変更申請を行った。市場第一部への市場変更に向けて、形式要件である流通株式比率の充足を図るために下記の通り立会外分売を実施した(何らかの理由で市場第一部の基準を満たさないと判断された場合には、市場変更が認められない可能性がある)。

 

株数

139,500株(自己株式控除後の第3四半期末発行済株式数17,633,832株)

分売実施日

2019年2月26日(火)

分売の値段

1,142円

上限株数

買付顧客1人につき、4,000株(売買単位:100株)

実施取引所

東京証券取引所

 

3.中期事業戦略の進捗状況

Mission
ゲームをより楽しめる世界を創る“Create a more enjoyable gaming experience”
ゲームに熱中し、ゲームで繋がり、ゲームを仕事にして誇れる。そんな「ゲームをより楽しめる世界」を、私たちGameWithが創り出していく。

 

Vision
世界のゲームインフラになる
ゲームをプレイするユーザーにとっても、ゲームを開発するメーカーにとっても、GameWithがいなければ提供できない体験や価値を提供し、ゲームを楽しむことに関わる全ての人たちのインフラのような存在になっていく。メディア事業にとどまることなく、ゲームをより楽しむための、あらゆる事業領域に進出していく。

 

【中期事業戦略の概要】
21/5期に売上高55億円超(既存事業38.5億円超、海外8.3億円超、新規事業8.3億円超)を目指している。収益基盤である国内メディア事業を安定成長させつつ、主要言語である英語圏への本格展開により海外事業を拡大させると共に、メディア以外の領域でゲーム関連の新規事業を育成していく。
英語圏への展開については英語版「GameWith」の事業性評価が完了し、事業開発が加速している。新規事業では、eスポーツ事業やブロックチェーンゲーム事業等の育成に取り組んでいる。

 

海外展開
-英語版「GameWith」のPV数が順調に拡大-
2018年7月、ゲームユーザー数が国内の約8倍と成長ポテンシャルが大きい英語圏において、英語版「GameWith」をリリースした。英語版「GameWith」は、順次、取扱いタイトル数を増やしており、リリースから5ヶ月で月間1,000万PV、 7ヶ月で月間1,300万PV、とPV数が順調に伸びている。国別PV数をみると、北米からの流入が全体の58.7%を占めており、次いで、英国9.8%、豪州3.7%、その他27.8%。
同社の資料によると(出所NewzooInternational B.V.)、国内のゲームユーザーが65百万人であるのに対して、英語圏のゲームユーザー数は推定で5億20百万人(北米1億80百万人、英国32百万人、豪州11百万人、その他2億96百万人)。スマホゲームが中心の日本と異なり、PCゲームやコンソールゲームが中心と言う。

 

新規事業
-eスポーツチーム運営、GamingMonk社への投資、ブロックチェーンゲーム開発、「クラウドゲーム」への対応-
eスポーツチーム運営
既存の「クラッシュ・ロワイヤル」(Supercell Oy社が提供するリアルタイム対戦型モバイルカードゲーム)に加え、新たに「FORTNITE」(Epic Games社が提供するバトルロイヤルゲーム)及びコンシューマー格闘ゲームの2タイトルで新規eスポーツチームを組成した。
尚、「クラッシュ・ロワイヤル」チームは2018年シーズン1でアジア2位と躍進した。2019年はeスポーツにおける「GameWith」の更なる認知度向上を目指す。また、アメリカ・カリフォルニア州・オークランドで開催された世界的な格闘ゲーム大会「Genesis6」(現地時間2019年2月1日~3日)にて同社所属のZACKRAY選手が世界Best5に入賞した。


(同社資料より)

 

GamingMonk社への投資
2019年3月、インドのeスポーツ大会の企画・運営会社GamingMonk Entertainment Private Limited (以下、GamingMonk社)の発行する強制転換条項付転換社債を6,906,000インドルピー(1インドルピー=1.6円換算で約11,050千円)で取得した。

 

GamingMonk社は、インドにおけるeスポーツ大会イベントの企画・運営会社。コアゲーマーが集うeスポ ーツのプラットフォームを軸に「インド最大のゲーマーコミュニティの創造」を目指しており、インド8都市でオフライン大会を運営している。インドではオンライン・ゲーマー人口が急増しており、2016年の1.2億人から2021年の3.1億人への拡大が見込まれている。同社は、GamingMonk社との関係強化を通じてインドゲーム市場の成長を取り込んでいく考え。

 

ブロックチェーンゲーム開発
ブロックチェーンゲーム「EGGRYPTO」(エグリプト)の開発を(株)Kyuzan(東京都文京区、代表 高橋卓巳)と共同で進めている。「EGGRYPTO」の特長は、「無料」、「簡単」。従来のブロックチェーンゲームと異なり、無料でゲームを楽しむ事ができ、かつ、ブロックチェーンゲームに馴染みのないユーザーでも簡単にプレイできる事。従来のブロックチェーンゲームは、その多くがゲームに参加するためにはアイテム等の事前購入が必要であり、その際、アイテムの購入に必要なウォレット(仮想通貨を専用で管理する口座)の開設も必要となる。これに対して、「EGGRYPTO」は、アイテム等を事前購入する必要がなく、無料で始める事ができるため、ウォレットの開設も不要だ(プレセールでのアイテム購入やマーケットプレースでの売買等の際は代金や手数料が発生する)。

 

「ブロックチェーンゲームはゲームに費やした時間やゲーム内での活動がデジタルアイテムとなり、交換や売買を通じ資産化が可能となるため、“ゲームをより楽しめる世界を創る”というMission達成に向けた新たな事業モデルになり得る」というのが同社の考え。

 

「クラウドゲーム」への対応
ゲームの新しい楽しみ方である「クラウドゲーム」に大手IT企業が参入を発表した。同サービスでは、専用ゲーム機の購入を必要とせず、汎用PC・スマートフォンでもプレイ可能となる見込み。同社は、従来の攻略情報や動画配信に限らず、ユーザーのニーズに合わせた体験・価値を提供する方針。

 

尚、「クラウドゲーム」とは、コンピュータゲームをストリーミング配信するサービス。コントローラーによる操作情報の処理は全て「クラウドサーバー」上で行われ、その操作結果の映像がインターネット回線を介してゲーム機と繋がったモニターで表示される。汎用のPCやスマートフォンでのプレイが可能なため、ユーザーは高価な専用ゲーム機を購入する必要がない。

(同社資料より)

 

4.2019年5月期業績予想

通期非連結業績

 

18/5期 実績

構成比

19/5期 予想

構成比

前期比

売上高

2,677

100.0%

3,154

100.0%

+17.8%

営業利益

1,168

43.6%

905

28.7%

-22.5%

経常利益

1,168

43.6%

904

28.7%

-22.6%

当期純利益

816

30.5%

623

19.8%

-23.6%

*単位:百万円

 

通期予想に変更はなく、前期比17.8%の増収ながら、戦略投資に伴い同22.5%の営業減益
タイアップ広告及びネットワーク広告(動画)をけん引役に売上高が31億54百万円と前期比17.8%増加するものの、海外展開、新規事業及び組織・人材戦略への戦略投資費用2億91百万円を織り込んだため、営業利益は9億05百万円と同22.5%減少する見込み。戦略投資費用を除くと、地代家賃(43百万円増)やサーバ費用の増加(23百万円増)等を吸収して、営業利益は11億97百万円と同2.5%増加する見込み。

5.今後の注目点

中期事業戦略に基づく取り組みでは、海外展開と新規事業で一定の成果をあげている。初年度としてはまずまずの成果と考えるが、来期はその成果を収益面でも示したいところだ。一方、収益基盤と位置付けて安定成長を目指す国内メディア事業では市場環境の変化への対応、具体的には、バトルロイヤル等のタイトルへの対応という課題が出てきた。通期業績予想に対する進捗が遅れ気味だが、その主因にもなっている。中期事業戦略の進捗と共に、課題克服に向けた取り組みに注目していきたい。来期は中長期的な成長を占う上で重要な決算期となりそうだ。

 

参考:コーポレート・ガバナンスについて

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

3名、うち社外1名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
更新日:2018年08月22日
基本的な考え方
当社は、「ゲームをより楽しめる世界を創る」というミッションのもと、ゲームに携わる全ての人や企業にとって最適な環境を作る事業運営体制の構築に向け、健全性と透明性が確保された迅速な意思決定を可能とする体制の整備を進めるとともに、コンプライアンスの徹底やリスク管理を含めた内部統制の強化を図っております。これらの取組みを通じて、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を目指し、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

<開示している主な原則>
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、企業価値の持続的成長を目的とし、株主とのより強固な信頼関係を構築するため、コーポレート・ガバナンス、経営戦略、資本政策、業績・財務状況、サービス内容とそのリスク等について、中長期的な視点から、株主との建設的な対話を継続する体制を整備しています。
- 株主との対話は、代表取締役社長による統括のもと、個別面談については実施責任者である経営戦略室長が、面談の目的と効果、株主の属性などを考慮の上、代表取締役社長等の参加も含め、対応者と対応方法を検討、実施しております。
- IR担当者は、事業部門や管理部門をはじめとする社内各部門から必要情報を収集するとともに、緊密な社内連携を通じて、わかりやすい説明を工夫し、株主との対話を充実させています。
- 当社は株主の皆様に、当社の経営方針、コーポレート・ガバナンス、戦略、事業の現状などについて、理解を深めていただく活動を継続しています。
- 機関投資家との対話としては、個別面談の他、半期毎の決算説明会を適宜開催しております。また、ホームページの株主・投資家向け専用ページを通して、これらのイベント情報を個人投資家へも開示するとともに、個人投資家向けの会社説明会も開催しています。
- 株主との対話を通して把握した株主の関心や懸念などは、部室長以上の経営幹部に随時報告し、経営分析や情報開示のあり方の検討などに生かしております。
- 株主との対話においては、社内規則の定めるところに従い、インサイダー情報を適切に管理しております。
- 当社では決算情報に関する対話を控える「沈黙期間」を設定しております。

 

東証コーポレート・ガバナンス情報サービス:http://www2.tse.or.jp/tseHpFront/CGK010010Action.do?Show=Show

 

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