ブリッジレポート
(6033) 株式会社エクストリーム

グロース

ブリッジレポート:(6033)エクストリーム vol.4

(6033:東証マザーズ) エクストリーム 企業HP
佐藤 昌平 社長CEO
佐藤 昌平 社長CEO

【ブリッジレポート vol.4】2019年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「大幅な減益が見込まれる19/3期だが、来期に向けて明るい話題が複数出てきた。一つは、新設した採用課によるブランディングを含めた採用強化・・・」続きは本文をご覧ください。
2019年1月30日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社エクストリーム
社長CEO
佐藤 昌平
所在地
東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年3月 3,261 295 298 174
2017年3月 3,289 436 433 278
2016年3月 2,403 188 185 120
2015年3月 1,667 185 176 109
2014年3月 1,332 2 2 -27
株式情報(12/6現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
3,695円 5,411,410株 19,995百万円 14.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 18.54円 199.3倍 493.81円 7.5倍
※株価は12/06終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
エクストリームの2019年3月期上期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
クリエイティブな開発スキルを有するデジタルクリエイターのプロダクションである。プログラミングやグラフィックの開発スキルを持った同社社員(クリエイター&エンジニア)が顧客企業に常駐してアプリやゲーム等のエンターテインメントソフトウェア開発を手掛けるソリューション事業、エンターテイメント系に加え、クラウドプラットフォームやCRM(Customer Relationship Management)構築等、持ち帰り形式で対応する受託開発事業、及びゲーム運営やライセンス事業等のその他事業を手掛けている。 グループは、同社の他、飲食店・病院・美容院・時間貸駐車場・エステサロン等の順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の基幹システム開発・保守を手掛ける連結子会社 株式会社EPARKテクノロジーズ(出資比率58.3%)、及びペットサロン・動物病院のポータルサイトを運営(予約・送客サービス)する持分法適用関連会社 株式会社EPARKペットライフ(同25.3%) 【企業コンセプトと行動指針】 企業コンセプトは、「まじめに面白いをる会社。未来の楽しいをる会社」。行動指針を、「スピード×クオリティ×チャレンジ」としている。 スピード。常にフルスピードを意識する。今日できる事は今日やる。今出来る事は今やる。後回しにしない。クオリティ。妥協せず常に最高のクオリティを目指す。量は質に転嫁する。多くのアイデア、多くの成果、多くの挑戦など、多くを生み出すことが、クオリティの高いものに結実する。全ての成果はお客様のためにある。お客様が満足するクオリティを目指す。チャレンジ。失敗を恐れずに前に踏み出す。現状に満足せず、常に改善を心がける。 【(株)EPARKと資本業務提携】 2018年5月に順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の運営主体である(株)EPARKと資本業務提携(第三者割り当てにより5.51%の出資を受けた)すると共に、その孫会社で「EPARK」の基幹システムの開発・保守を手掛ける(株)EPARKテクノロジーズに出資し(出資比率58.3%)、子会社化した。今後、(株)エクストリームと(株)EPARKはパートナーシップ体制を構築し、(株)EPARKテクノロジーズが(株)エクストリームの連結子会社として「EPARK」の基幹システムの開発を担っていく。 今回の資本業務提携により、「EPARK」基幹システムの安定的・継続的な開発業務の受託による収益の安定、同社グループにおける受託開発サービスの高付加価値化、グループ間における技術人材の交流によるスキルアップ、更には知名度の高いサービスの開発を担う事によるグループの技術人材採用マーケットでの知名度向上、等の効果が期待できる。これらの相互作用も顕在化させ、同社グループの成長基盤の確立や企業価値の向上につなげていきたい考え。 尚、「EPARK」とは、登録会員約2,000万人、提携店舗数約10万店舗の人気施設の予約・順番受付サイト。PC、スマートフォン等から無料で利用でき、飲食・歯科・病院・薬局・リラクゼーションサロン・ヘアサロン・駐車場といった様々なジャンルで、予約・順番受付が可能。三井アウトレット、ららぽーとを中心に各種商業施設での導入も進んでいる。 【事業の概要】 事業は、ソリューション事業、受託開発事業、及びその他事業に分かれる。各事業の概要は次の通り。 ソリューション事業 ゲーム・スマートフォンアプリ・WEB・IT企業等に対し、プログラミングやグラフィックの開発スキルを持った同社社員(クリエイター&エンジニア)が顧客企業に常駐して開発サービスを提供する。持続的に強化・拡充していく事ができる自社養成システム(研修・教育システム)を有し、登録型派遣会社とは異なり、タレント性や独自スキルを持った人材を柔軟に供給する事ができる事が強みである(⇒ 競合他社が少ない)。充実した研修・教育制度の下、社員はデバイスの流行廃りに左右されない技術を維持し、同社は社員の技術力を企業として担保している。また、クリエイター&エンジニアは営業マンとしての側面も持ち、常駐先での取引拡大にも貢献している。 受託開発事業 子会社(株)EPARKテクノロジーズが手掛けるEPARKプラットフォームに関わる各種開発・保守、及びナショナルクライアントからのシステム開発・保守・追加案件等の受託開発(持ち帰り型の開発)を手掛けている。ナショナルクライアント向けでは、ビッグデータ分析での分析基盤の設計開発及び分析、AIを利活用したシステム開発、リアルタイムコミュニケーションを実現する技術を活用した映像配信プラットフォーム開発、遠隔地にある設備をデバイス上の操作でオペレーション支援システムの開発等を手掛けている。 その他事業 ゲーム運営、同社が保有するゲームタイトルまたはキャラクター等の使用許諾を行うライセンス事業が含まれている。 ライセンス許諾による「ラングリッサー」の中国での配信 同社が商標権を保有するゲーム「ラングリッサー」の海外スマートフォン向けゲームアプリライセンス許諾を受けて、許諾先である中国のゲーム会社である天津紫龍奇点互動娯楽有限公司(中国・北京市)が、2018年8月(8月2日にi-os版、8月16日にandroid版)に配信を開始した。 i-os版は、2018年11月2日現在、App-Storeゲーム部門セールスランキングの5位(株式会社インタースペースが運営する世界各国のAppStoreランキング「AppGraphy」調べ)にランキングされている。台湾・香港・マカオでも、10月4日から配信を開始しており、各地域においてセールスランキング1位を記録した。
 
 
2019年3月期上期決算
前年同期比61.9%の増収ながら、同22.6%の営業減益 売上高は前年同期比61.9%増の26億39百万円。売上の内訳は、既存(保守開発)案件が安定的に推移する中、5月に連結子会社化した(株)EPARKテクノロジーズが月商2億円ペースで寄与した受託開発事業の売上が11億14百万円、クリエイター&エンジニアによるエンターテイメント系開発のソリューション事業の売上が15億13百万円、ライセンスサービス等のその他事業が24百万円(この他、調整額△13百万円)。 営業利益は同22.6%減の1億16百万円。人材確保のための広告宣伝活動と企業認知活動の強化に加え、(株)EPARKテクノロジーズの組織・システム構築等の先行投資もあり、営業費用が25億22百万円と同70.5%増加した。持分法投資損失42百万円の計上による営業外費用の増加や税負担率の上昇もあり、最終利益は25百万円と同71.3%減少した。 第2四半期はパートナー企業プロジェクトの件数が想定を下回ったため(利益率も悪化)、プロジェクト数全体でも計画値を下回った。パートナー企業プロジェクトは稼働継続性等に課題があるため、今後は改めてプロパー(社員)プロジェクトに注力する方針。単価についてはほぼ計画値に近い水準の実績となった。顧客需要が引き続き旺盛なため、供給力を更に高める必要がある。 ※プロジェクト稼働数は、人材ソリューションサービス及び受託開発サービスを合算した期中累計から算出 ※取引先数は、期中において取引(売上)が発生した顧客企業数を1とした通期合算から算出 ※クリエイター&エンジニア数は期末日または四半期末時点における社外常駐プロジェクトに従事したクリエイター&エンジニア数 今期、新設した採用課によるブランディングを含めた採用強化が奏功し、減少傾向が続いていたクリエイター&エンジニア数が増加に転じた。
 
 
2019年3月期業績予想
通期業績予想に変更はなく、前期比74.5%の増収ながら、同44.6%の営業減益 売上高は前期比74.5%増の56億90百万円。既存顧客の保守案件を中心に利益確保を優先する旧ウィットネストの受託開発事業(持ち帰り型)が2億90百万円と同47.8%減少するものの、人員の充足が進むソリューション事業が34億円と同27.1%増加する中、EPARK関連の受託開発事業の売上20億円が上乗せされる。 営業利益は同44.6%減の1億63百万円。人材確保のための広告宣伝活動と企業認知活動、及び(株)EPARKテクノロジーズの組織・システム構築等の先行投資が負担になる。 配当は未定。同社は配当性向20%を目安として株主還元を実施していく考えだが、19/3期については、EPARK関連売上、利益水準によって予想値の変動が想定される事から、現段階においては「未定」としている。 (2)事業別見通し ソリューション事業 これまでの実績を踏まえ、合理的な積み上げ予測に基づき売上高34億円(前期比27.1%増)を想定。プロジェクト稼働数は、各部門の前期末プロジェクト数をベースに、当期採用予定数及び実績を基にした退職係数を勘案しており、稼働単価については、期初の単価をベースに契約更新時(3ヶ月毎)の単価上昇率実績を勘案した。採用計画については、過去実績を踏まえ合理的に見込まれる採用数を前提としている(月次4~5名の高スキル保有者、同1~2名の中スキル保有者の採用を想定)。 受託開発事業 旧ウィットネストの持ち帰り型は売上高2億90百万円(同47.8%減)を想定。売上種別を、新規受注案件、既存保守案件、既存追加案件、の3つに大別し、それぞれで、過去実績も含めて商談中の案件の受注確度を勘案し、受注済案件に上乗せした。 売上1(新規受注案件)  受注済みまたは受注確度が高い案件の積み上げにより策定 売上2(既存保守案件)  受注済み案件の積み上げ(約30案件)により策定 売上3(既存追加案件)  受注済み、受注確度が高い案件、過去実績を勘案して策定 EPARK関連では、資本業務提携契約に基づいた開発委託契約の内容を勘案して売上高20億円(受注高20億円)と想定。今期以降、EPARKプラットフォーム(登録会員数約2,000万人、提携店舗数約10万店舗)に係る基幹システムの開発を、同社子会社が資本業務提携契約に基づき継続的に受託する。 その他事業 同社が商標権を保有するゲーム「ラングリッサー」の海外スマートフォン向けゲームアプリライセンス許諾を受けて、許諾先である中国のゲーム会社である天津紫龍奇点互動娯楽有限公司(中国・北京市、以下「紫龍」)が、2018年8月(8月2日にi-os版、8月16日にandroid版)に配信を開始した。 i-os版は、2018年11月2日現在、App-Storeゲーム部門セールスランキングの5位(株式会社インタースペースが運営する世界各国のAppStoreランキング「AppGraphy」調べ)にランキングされている。台湾・香港・マカオでも、10月4日から配信を開始しており、各地域においてセールスランキング1位を記録した。 第3四半期からロイヤルティ収益を計上する予定だが、ロイヤルティ料率等の取引条件については、「紫龍」との守秘義務契約があるため非開示となっている。また、プラットフォーム側の収益計算の締め日とライセンス許諾先からの収益報告にタイムラグある事等で、収益計上が遅れる可能性もある。
 
 
今後の注目点
大幅な減益が見込まれる19/3期だが、来期に向けて明るい話題が複数出てきた。一つは、新設した採用課によるブランディングを含めた採用強化が奏功し、クリエイター&エンジニア数が増加に転じた事。顧客需要が引き続き旺盛なため、供給力を更に高める事ができれば、収益性の高いソリューション事業を伸ばす事ができる。もう一つは、中国での「ラングリッサー」の好調。足元で、台湾、香港、マカオへと配信エリアが広がっている事に加え、「ラングリッサー」は5タイトルからなるシリーズ作品のため、中期的にはヒットの連鎖が広がっていく可能性もある。一方で、暴力的な作品でないため中国政府から規制を受ける可能性は低いようだ。また、今期は先行投資負担が重い(株)EPARKテクノロジーズも、来期は真価を示したいところ。来期は3期ぶりの増収増益が期待できそうだ。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年07月09日 基本的な考え方 当社は、企業活動を支えるあらゆるステークホルダーの利益を重要視しており、長期的、継続的また効率的な株主価値の最大化を実現する上でも、コーポレート・ガバナンスの確立を重要な経営課題であると認識しております。企業の社会的責任については、株主のみならず、多くのステークホルダー、また直接的な利害関係者でない社会全般に対してもコーポレート・ガバナンスを基盤として会社全体で使命を共有し、事業の根幹たる「お客様を幸せにする」においてたゆまぬ付加価値創造に注力すべく、従業員に対し基本的な心構え・指針となるよう「社内規程」の整備・徹底を図っております。 <実施しない原則とその理由> 当社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則を実施しております。