売上高は前年同期比21.3%増収、営業利益は同39.1%増益
売上高は前年同期比21.3%増の229億24百万円(約40.2億円増加)。求人サイトは、同22.9%増の146億78百万円の売上高となった。主力のエン転職において売上高が同20.6%増の100.2億円(約17.1億円増加)と市場を上回る高い伸びが継続した他、その他のサイトも市場を上回る成長が持続した。特に、課金モデルを変更した人材紹介会社向けサイトが同45.5%増と好調に推移した。人材紹介は、同20.2%増の54億28百万円の売上高となった。エン エージェントは想定通りの進捗であったが、子会社のEWJは主力事業の人材紹介が好調に推移し、会社の想定を上回る前年同期比25.8%増となった。また、海外子会社は引き続きベトナム子会社が伸長したものの、インド子会社において体制再構築を図っていること等から、売上高の伸びが軽微となった。
利益面では、営業及び求人広告の原稿制作に関連した人件費や業務効率化に伴う業務委託費用などを中心に費用(売上原価+販管費)が前年同期比15.2%増加。会員獲得のプロモーション費用は効率的な運用が進み、同8.2%増と会社の想定を下回る推移となった。営業利益は前年同期比39.1%増の66億92百万円。売上総利益率は前年同期比0.8ポイント低下し、売上高対販管費比率は同4.6ポイント低下した。持分法による投資利益の増加や為替差益の計上などにより営業外収益が前年同期比で増加し、経常利益の増益率が営業利益の増益率を上回った。その他、特別損益の大きなものはなく親会社株主に帰属する四半期純利益は同41.9%の増加となった。
販管費の主な費用

19/3期第2四半期の販管費は、前年同期比12.9%増加。営業及び求人広告の原稿制作に関連した人件費、業務効率化に伴うアウトソース費用等が増加したものの、会員獲得のプロモーション費用は効率的な運用が進み、上期は想定を下回る水準となった。しかし、広告宣伝・販促費は、下期に新サービスのプロモーションの発生が見込まれ通期では会社想定通りとなる見込み。

売上高面は、海外子会社で上期会社計画を下回ったものの、人材紹介を中心に上期会社計画を上回った。費用面は、人件費や広告宣伝・販促費中心に上期会社計画を大幅に下回った。
採用事業
当事業には、求人サイトの運営、人材紹介、海外子会社等が属している。求人サイトは、各サイトとも市場を上回る成長が持続した。主力のエン転職の売上高は、営業強化による掲載件数増加に加えて単価の向上施策が順調に進み前年同期比20.6%増の100.2億円(約17.1億円増加)と市場を上回る高い伸びが継続した。また、人材紹介会社向けサービスの「ミドルの転職」 において、顧客である人材紹介会社のサイト活用度向上や掲載案件数が増加したことや、2017年4月にスタートした若手ハイクラス向けサービス「AMBI」において、良質な案件やターゲット会員の獲得が奏功したことなどにより売上高が前年同期を大幅に上回った。その他、エン派遣は2018 年5月にサイトリニューアルを実施し、更なる利便性の向上を図ったことが寄与し、引き続きシェアが拡大した。
人材紹介は、エン・ジャパンの人材紹介「エン エージェント」において、同社が保有する人材データベースの特性を生かした案件の獲得及び人員の増強等を図ったことにより、引き続き好調に推移した。 子会社のEWJは、主力事業の人材紹介の伸長に加えてスペシャリスト派遣事業が好調な結果となった。
以上の結果から、採用事業セグメントの売上高は、223億07百万円と前年同期比21.8%増、セグメント利益は人件費や広告宣伝費や業務効率化に関連した業務委託費などを中心とした販管費の増加を吸収し、66億30百万円と同37.0%の増益となった。
採用事業の売上高推移(四半期)

採用事業の四半期売上高は、エン転職(求人広告)、その他求人サイト、エン エージェントなどの拡大に加え、海外子会社の連結開始により、順調に拡大している。
エンワールド・ジャパン株式会社の業績推移

エンワールド・ジャパンの19/3期第2四半期は、主力事業の人材紹介及びスペシャリスト派遣事業が好調に推移し業績を牽引した他、新規サービスのRPO(Recruitment Process Outsourcing)も期初から業績寄与が始まり、売上高の増加に貢献した。
利益面は、売上高と比較した伸び率は低いものの、事業ミックスの変化及び先行投資の人員増による一時的な要因が影響しており、会社計画を上回る進捗となった。
海外子会社の業績推移

主力国であるベトナムは順調に推移し、想定通りの業績となった。インドは、体制の再構築により、本格的な回復は来期以降も底打ち傾向が確認された。
教育・評価事業
当事業には、企業の人材活躍を支援する各種サービス、人事関連システムの提供等が属している。人材活躍支援サービスでは、同社が目標とする「入社後活躍」をより一層推進するため、今期から採用事業の適性テスト販売を当セグメントに計上したことが業績拡大に寄与した。これに加え、採用事業部門との連携強化、離職防止ツールである「HR OnBoard」の導入拡大等に取り組んだ効果も出た。この結果、19/3期第2四半期の教育・評価事業の売上高は6億71百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は63百万円(前年同期比116.6%増)となった。

18/9月末の総資産は前期末比18億63百万円増加の424億63百万円。資産サイドでは、現預金や前払費用や投資有価証券等が、負債・純資産サイドでは、利益剰余金や非支配株主持分等が主な増加要因。総資産の75%以上を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も72.9%と、高水準を維持している。

CFの面から見ると、税金等調整前四半期純利益の増加などにより営業CFのプラス額が拡大。無形固定資産の取得による支出額の増加などにより投資CFのマイナス額が拡大したものの、フリーCFのプラス額は増加した。また、配当金の支払額の増加などにより財務CFのマイナス額が拡大したものの、四半期末のキャッシュポジションは更に向上した。
(4)最近のトピックス
プロモーション
9月よりテレビCMを放映、交通広告も連動した積極的なプロモーションを展開している。
LINEキャリア
10月22日よりLINEキャリアがスタートした。国内7600万人の圧倒的なアクティブユーザ数を誇るLINEアプリ上に、LINEキャリアを展開。 新たな応募導線で新規ユーザー会員と応募の獲得を目指す方針。また、エン転職への求人掲載をLINEキャリアへ自動連携することで、LINEキャリアの新規会員を増加させ、応募効果を高めることで新規・リピート両方での顧客企業の獲得を狙う。
サイトリニューアル
ミドルの転職において、9月27日よりサイトリニューアルを実施した。「次に進むハイクラスのミドル世代へ」をサイトコンセプトとして、 企業の採用意欲が高い、経営中核を担うミドル世代の転職支援を強化した。「転職体験レポート」に年収1,000万円以上の転職成功事例を多数掲載した他、求人企業のロゴをトップページで紹介するなど、より魅力的な求人が見つけやすくなった。
