ブリッジレポート
(2915) ケンコーマヨネーズ株式会社

プライム

ブリッジレポート:(2915)ケンコーマヨネーズ vol.2

(2915:東証1部) ケンコーマヨネーズ 企業HP
炭井 孝志 社長
炭井 孝志 社長

【ブリッジレポート vol.2】2019年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「(株)ダイエットクック白老は老朽化した旧工場からの生産移管のため、新工場の立ち上がりと生産の軌道化はほぼ想定通りに進んだようだが、人材・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年12月19日掲載
企業基本情報
企業名
ケンコーマヨネーズ株式会社
社長
炭井 孝志
所在地
東京都杉並区高井戸東3-8-13
決算期
3月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年3月 72,759 4,173 4,149 2,877
2017年3月 70,812 3,987 4,017 2,867
2016年3月 66,933 3,436 3,426 2,085
株式情報(11/22現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,180円 16,475,507株 35,917百万円 9.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
37.00円 1.7% 174.80円 12.5倍 1,880.61円 1.2倍
※株価は11/22終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ケンコーマヨネーズの2019年3月期上期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
サラダ類を主力とする業務用食品メーカー。業務用のマヨネーズ専門メーカーとしてスタートし、マヨネーズ・ドレッシング類を基盤としつつ、サラダ・総菜類やタマゴ加工品を拡大させており、連結子会社を通して食品スーパー向け等のフレッシュ総菜も手掛ける。日持ちのするサラダ「ロングライフサラダ」のパイオニアでもあり、ごぼうサラダやパンプキンサラダなどサラダとしてあまり使われていなかった食材を使用したサラダ等、特長ある商品を送り出し、ロングライフサラダでは、発売当時から現在に至るまで業界のパイオニアとして、トップシェアを堅持。マヨネーズ・ドレッシング類で2位、卵焼き類で3位(富士経済「食品マーケティング便覧」を基に同社推計)。

グループは同社の他、連結子会社7社10工場とインドネシアに拠点を置く持分法適用関連会社PT.Intan Kenkomayo Indonesia。同社がマヨネーズ・ドレッシングやタマゴ加工食品等の製造販売を行い(調味料・加工食品事業)、連結子会社がフレッシュ総菜等の食品スーパーへの販売等を行う(総菜関連事業等)。同社の生産拠点は、厚木、山梨、御殿場、静岡富士山、西日本(京都)、神戸、西神戸。
 
【企業理念(同社Webサイトより)】
「食を通じて世の中に貢献する。」
企業理念は、当社グループの社会における存在意義を示すものです。当初の企業理念は「食品を通じて世の中に貢献する。」であったのですが、インターネットの普及を背景に、Web等を利用しての様々な情報発信や地域住民の皆様との食育活動等、企業としての活動領域が「食品」から広がったことを受け、「食」に改めております。私たちは今後とも食に係る様々な商品・サービス・情報の提供を通じて少しでも社会のお役に立てるよう邁進いたします。
 
【グループ経営理念(同社Webサイトより)】
「心身(こころ・からだ・いのち)と環境」
グループ経営理念は、企業理念に基づく当社グループの思いを示すものです。当社が提供する食品を召し上がっていただいているお客様のみならず、企業活動を通じて関係するすべての方々の心と身体、生命を大切にしたい、また命の源となる食べ物を育む地球環境に係る問題に真摯に取組んでいきたいと私たちは考えています。
 
【グループ経営方針(同社Webサイトより)】
「サラダNo.1企業を目指す。」、「品質、サービスで日本一になる。」
グループ経営方針は、経営理念に基づき、当社グループの目指すべき方向性を示すものです。私たちはサラダが主役、サラダが主食、サラダが食卓の王様になれる企業作りを目指しています。また、サラダという切り口で市場を演出すること、サラダ料理というジャンルを確立すること等を目指しています。 更に、お客様の満足のために安全・安心・高品質な商品を提供することは私たちメーカーの責務であり、より高い品質・サービスを目指してたゆまぬ努力を続けています。
 
【事業内容】
事業セグメントは、サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の製造・販売を行うケンコーマヨネーズ本体の事業である調味料・加工食品事業、連結子会社の事業である、フレッシュ総菜(賞味期間1~2日の日配サラダ、総菜)の製造・販売とグループ内製造受託の総菜関連事業等、及びショップ事業(Salad Cafe)と海外事業のその他に分かれる。

18/3期の売上構成比は、それぞれ82.6%(17/3期82.6%)、15.6%(同15.6%)、1.8%(同1.7%)。商材別では、サラダ類44.6%(同43.7%)、タマゴ類28.8%(同28.7%)、マヨネーズ・ドレッシング類24.4%(同24.8%)、その他2.2%(同2.8%)。販売先分野別では、コンビニ28.3%(同27.9%)、ファーストフード・ファミリーレストラン等の外食26.1%(同27.4%)、食品スーパー等の量販店21.9%(同20.0%)、製パンメーカー等のパン13.5%(同14.4%)、給食4.6%(同4.8%)、生協や業務用キャッシュ&キャリー等のその他5.6%(同5.5%)。
 
調味料・加工食品事業
① サラダ・総菜類 (ロングライフサラダ、フレッシュサラダ、和惣菜等)
同社は日本で初めて日持ちするサラダを開発した。「ごぼうサラダ」や「パンプキンサラダ」などを世の中に広めたのも同社が初めてである。この日持ちするロングライフサラダは“FDF®(ファッションデリカフーズ®)”というブランドで、外食産業・製パン業・コンビニエンスストア等で利用されている。業界初のロングライフサラダの販売メーカーとして、更にはNo.1シェアを誇り市場を牽引するメーカーとして継続的に商品開発に取り組んでいる。
 
 
② タマゴ加工品 (フレッシュエッグ、卵焼き、錦糸卵)
サンドイッチや総菜パンの具材として使われるタマゴサラダ、弁当に入れる厚焼き卵、冷し中華にのせる錦糸卵、おでんの煮卵等、タマゴ加工品全般を生産。2014年4月には殻付卵から製品までの一貫ラインを整備した焼成たまご工場静岡富士山工場が稼働した。
 
 
③ マヨネーズ・ドレッシング類 (マヨネーズ、ドレッシング、クッキングソース等)
同社の基盤事業であり、創業期から業務用メーカーとしてプロフェッショナルな顧客の要望に応えて、様々なマヨネーズやドレッシングを開発してきた。冷凍食品向けに開発したダイス状の固形タイプ、ポテトチップスなどの菓子類に振りかけてマヨネーズ味にする粉末タイプのもの等はその一例である。
 
 
総菜関連事業等
スーパーマーケットや量販店向けのフレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)類の製造・販売を担っている。主要商品であるポテトサラダは、常に高品質な商品をお届けするために、産地・季節ごとの品種・産地リレーを行い、素材を生かした商品づくりに徹している。
 
その他
サラダカフェ事業
ケンコーマヨネーズグループの中で唯一エンドユーザーとの接点を持ち、ショップ、Webの双方からエンドユーザーの声をグループ全体に届けると共に、エンドユーザーに対して情報発信している。出店は、主要ターミナル駅にある百貨店や駅ビル、スーパー等。
現在の店舗数は16店舗。
 
海外事業
同社は40を超える国と地域に商品を輸出している。東南アジア最大の人口を誇るインドネシアは、急速な経済成長によって食文化の多様化が進んでおり、更なる需要拡大が見込まれるため、2012年にPT.Intan Kenkomayo Indonesia を設立。2013年には製造工場が竣工し、現地での製造・販売体制を確立した。また、2015年には北米や欧州を中心とする食にまつわる情報収集拠点として、カナダに Vancouver Research Office を開設した。市場演出型企業として、新しい食文化をいち早くキャッチし、情報発信していく考え。
※海外事業は持分法適用会社のため、売上高には含まれない。
 
製造・販売ネットワーク(国内:自社7工場、連結子会社7社10工場)
全国に自社7工場、連結子会社7社10工場を展開し、地域に密着した生産体制を構築している。フレッシュ化への対応、変種定量、顧客仕様への対応等、顧客ニーズに対応した生産が強み。
 
 
 
グループ生産拠点構想と中期経営計画
「KENKO Value Action ~価値の創造~」(19/3期~21/3期)
 
【グループ生産拠点構想】
食品スーパーにおける日配のフレッシュ総菜やコンビニエンスストア(CVS)等における弁当・惣菜等をけん引役に中食市場は拡大が続いており、外食市場でも、人手不足による調理の簡便化ニーズに対応したロングライフサラダ・冷凍品等の需要が増加している。同社は、こうした需要の増加に安定供給で応えるべく、グループ生産拠点構想の下、2工場の新設と2工場でのライン増設による生産体制の強化と生産能力の平準化に取り組んでいる。
 
 
進捗状況
(株)ダイエットクック白老
北海道白老郡白老町字石山68-11
素材系冷凍ポテト・チルドポテトや日配のフレッシュ総菜・和惣菜等の生産を担う新工場が4月に稼働した。工場の老朽化が新設の要因で、新工場では生産能力が年間約3,000トン増加し、生産効率も改善する。人手不足からオペレーションの効率化ニーズを強めている外食企業に素材系冷凍ポテト・チルドポテトの提案を強化する他、日配フレッシュ総菜・和惣菜を道内の食品スーパーに供給する事で中食市場の拡大に伴うニーズを取り込んでいく。
 
(株)関東ダイエットクック
神奈川工場神奈川県小田原市国府津字北桃重2880-6
首都圏の食品スーパー向け日配フレッシュ総菜・和惣菜を生産する新工場が6月に稼働した。食材に含まれる水分や栄養素は残しつつ、ふっくらジューシーな美味しい商品を製造することが可能な加熱水蒸気オーブンを活用し、主食の一品として利用できる肉類・魚類を使用した惣菜も製造している。(株)関東ダイエットクック 神奈川工場は首都圏食品スーパーを中心に、旺盛な中食需要の高まりに対応した工場で、ゼロからの立ち上げとなった。年商ベースで最大約60億円の生産能力を有する。

上記2工場の他、同社の静岡富士山工場と西日本工場で工場の増設を進めている。2019年2月の稼働を予定している静岡富士山工場は厚焼き卵や錦糸卵等の卵焼き製品の生産を行っており、今回の増設で年間の生産能力が約3,020トン増加する。2019年3月の稼働を予定している西日本工場は小型形態のポテトサラダを含めたロングライフサラダの生産を行い、今回の増設で年間の生産能力が約4,300トン増加する。2019年度以降、4拠点の着実な稼働により、生産体制の強化と生産能力の平準化を進め更なる成長・発展につなげていく考え。
 
【中期経営計画「KENKO Value Action ~価値の創造~」(19/3期~21/3期)】
基本方針と5つのテーマ
CSV経営(Creating Shared Value)「共通価値の創造」を基本方針とし、社会と企業の双方に価値を生み出す企業活動を推進していく。CSV経営を実践するに当たって、地域貢献、環境・資源、サプライチェーン、ソリューション、働き方、の5つのテーマを掲げている。
 
①地域貢献
社会貢献度No.1企業を目指して、地産地消の推進と地域特産品の活用に取り組むと共に、農業生産活動の維持に向けた共同運営・育成等の貢献活動や地域人材の採用活動を推進していく。
 
②環境・資源
資源・エネルギー利用の効率化に向け、CO2 排出量削減を目指した物流改革、原材料・商品ロスの削減、更には包装資材の見直し等に取り組む。
 
③サプライチェーン
サプライチェーンの短縮と事業活動改革を進め、産地から最終消費者へのサービスまでの短縮を図る。
 
④ソリューション
技術・サービスの事業化に取り組む。具体的には、商品・メニュー開発を進め、料理教室やワークショップ展開、レシピ資産の提供(Web サイト)、メニュー開発コンサルティング等を展開していく。また、品質保証に関する知識や技術の向上を図り、顧客サポート体制の進化、HACCP 導入支援、検査・衛生指導支援等につなげる。
 
⑤働き方
働きやすい職場環境づくり、人材育成や研修制度の充実、及び人事評価制度の見直し等により、従業員満足度の向上を図る。
 
目標と3つの事業戦略
数値目標として、最終の21/3期に売上高850億円、経常利益46億円の達成を掲げている。CSV経営と共に、目標を達成するべく、(1)お客様と共にビジネスを創造、(2)“創り・応え・拡げる” 生産体制、(3)サラダ料理を世界へ、という3つの事業戦略を推進している。
 
(1)お客様と共にビジネスを創造
この上期は簡便性に加え、ロス削減にも寄与する「和彩万菜®」や健康・ヘルシー志向に応える「トリプルバランス®」等、高付加価値商品のラインナップ拡充を進めた他、少人数制料理教室「キッチンスペース831」や業務用の顧客向けワークショップの展開等でサラダ料理の体現に向けた取り組みも進めた。
 
(2)“創り・応え・拡げる” 生産体制
既に説明した通り、グループ生産拠点構想を進めており、第1四半期に(株)ダイエットクック白老と(株)関東ダイエットクックの新工場が稼働し、第4四半期には静岡富士山工場と西日本工場の新ラインが稼働する予定。
 
(3)サラダ料理を世界へ
世界のテイスト、インバウンド、輸出対応等、グローバル対応商品の拡充に取り組んでおり、2018年9月末現在、42の国と地域に販路が広がっている。また、情報発信の一環として、海外展示会に積極的に参加している。上期は(2018年4月~9月実績)、米国・英国等で7つの展示会に参加した。
 
 
 
2019年3月期上期決算
 
 
前年同期比1.0%の増収、同30.8%の経常減益
売上高は前年同期比1.0%増の374億09百万円。
(株)ダイエットクック白老及び(株)関東ダイエットクック神奈川工場の稼働による生産能力の増強で食品スーパー向け日配サラダ等が増加した総菜関連事業等の売上が増加したものの、主力商品のポテトサラダを中心とするサラダ・総菜類の減少に加え、製品全般に天候不順や自然災害の影響を受けた調味料加工食品事業の売上がわずかに減少した。
経常利益は同30.8%減の15億12百万円。原材料価格の高騰や人件費上昇等に加え、生産の立ち上げから軌道化に向けた新工場関連の費用計上で原価率が75.6%と1.5ポイント上昇し、売上総利益が91億17百万円と同4.8%減少。一方、販管費は76億60百万円と同3.2%増加し、営業利益率が3.9%と1.9ポイント低下した。
 
期初予想との差異要因
サラダ・総菜類の苦戦と自然災害の影響で売上が下振れする中、新工場の立ち上げ・軌道化費用が想定を上回った。
 
 
 
 
 
調味料・加工食品事業
<サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類、その他>
売上高304億98百万円(前年同期比1.3%減)、販売重量同1.5%減、販売単価同0.1円/Kg減。このうち、サラダ・総菜類は売上高が同8.9%減、販売重量が同7.8%減。主力商品の1㎏形態や小型形態のポテトサラダが減少した他、外食チェーン等のメニュー変更でパンプキンサラダや明太子、コーン等を使用した商品も減少した。一方、タマゴ加工品は売上高が同3.8%増、販売重量が同3.6%増。麺用の錦糸卵、オムライス用のスクランブルエッグがコンビニを中心に増加した他、茹で卵も外食を中心に幅広く使用され増加した。マヨネーズ・ドレッシング類は売上高が同0.8%増、販売重量が同0.3%減。10kg形態や1㎏形態のマヨネーズが減少したものの、ファーストフード向けのナゲットソース等が伸びた他、海外向けのドレッシングも増加した。
 
総菜関連事業等
<フレッシュ総菜(日配サラダ、惣菜)、グループ内生産受託>
売上高63億10百万円(前年同期比14.7%増)。食品スーパー向けにシーフード(イカ、カニ、明太子他)を使用した商品や定番商品のポテトサラダが好調に推移した。また、棒棒鶏サラダ等の夏場商品も寄与した。
 
その他<ショップ事業(Salad Cafe)、海外事業(海外事業は持ち分法適用会社が手掛けているため売上に含まれない)>
売上高5億99百万円(前期比5.8%減)。関東地区2店舗(いもたまや伊勢丹新宿店、WaSaRa そごう横浜店)を閉店した影響等で売上が減少した。ただ、関東ではグリーンサラダ、コールスローなど葉物系サラダが、関西ではフルーツサラダ、ポテトサラダ、ゴボウサラダ等のロングセラー定番商品が根強い人気を維持した。尚、関東地区では、旗艦店「Salad Cafe 小田急百貨店新宿店」を新ブランド「SAROUND」にリニューアルした。
 
 
上期末の総資産は8億89百万円増の657億27百万円。生産拠点構想の推進(静岡富士山工場、西日本工場、(株)ダイエットクック白老、(株)関東ダイエットクック神奈川工場の4工場立ち上げ)に伴い固定資産が増加する一方、現預金が減少した。また、上期末が休日だったため、売上債権・仕入債務が一時的に滞留した。自己資本比率48.3%(前期末47.8%)。
 
 
税引前利益の減少や未払金の決済が進んだ事等で前年同期比では減少したものの、21億91百万円の営業CFを確保した。投資CFは主に設備投資によるもので、財務CFは新規の長期借入が減少したため。
 
 
2019年3月期業績予想
 
【事業環境】
女性の社会進出、単身世帯の増加、更には少子高齢化による中食市場の拡大、食に対する価値観の多様化やインバウンド需要に伴う高付加価値・グローバル対応商品の需要増、人手不足や外国人労働者の増加に伴う調理の簡便化ニーズの高まり等を背景に食を取り巻く国内の市場環境は良好。同社は市場ニーズを意識した販売戦略と商品開発でビジネスチャンスを捉えていく考え。
 
 
前期比2.4%の増収、同27.7%の経常減益
期初予想を下回った上期業績を反映すると共に、下期の見通しを引き下げた。売上高は前期比2.4%増の745億円。ポテトサラダを中心としたサラダ・総菜類の減収で調味料・加工食品事業の売上が同0.5%減少するものの、新工場の稼働による増産で需要の取り込みが進む総菜関連事業等の売上(期初予想を上方修正)が同18.7%増と伸びる。

経常利益は同27.7%減の30億円。(株)関東ダイエットクック神奈川工場の生産軌道化が若干遅れている事に加え、第4四半期に同社の静岡富士山工場と西日本工場で新ラインが稼働するため、これに伴い新たに立ち上げ費用や生産軌道化費用が発生する(新工場・新ラインの立ち上げ費用や生産軌道化費用が通期で12億86百万円の減益要因となる)。

期末配当は1株当たり15円を予定しており、上期末配当と合わせて年30円(業績予想に連動させ、上期末18円、期末19円、年37円の期初予想を修正した)。
 
 
 
調味料・加工食品事業では、分野別・業態別の取り組みを更に強化すると共に、生産が軌道化してきたダイエットクック白老製素材系冷凍ポテト・チルドポテトの販売にも力を入れる。また、和惣菜の新ブランド「和彩万菜®」(サラダ・総菜類)、味や品質が高く評価されている静岡富士山工場製の厚焼き卵とだし巻き卵のシリーズ「惣菜亭®」(タマゴ加工品)、低カロリー、低糖類、減塩を実現したノンオイルドレッシング「トリプルバランス」(マヨネーズ・ドレッシング類)といった商材別シリーズのラインナップ拡充にも取り組んでいく。
総菜関連事業等では、関東ダイエットクック神奈川工場製品及び各社フレッシュ惣菜の販売拡大に注力し、ショップ事業においては、店舗やWeb等で和サラダの更なる追及と情報発信を強化する。
 
 
今後の注目点
(株)ダイエットクック白老は老朽化した旧工場からの生産移管のため、新工場の立ち上がりと生産の軌道化はほぼ想定通りに進んだようだが、人材採用等、ゼロからのスタートとなった(株)関東ダイエットクック 神奈川工場は、立ち上げで手間取り、生産の軌道化も若干遅れているようだ。ただ、来期に向け改善が進む見込み。下期に稼働する2工場は第4四半期稼働のため今期はコストが先行するが、既存工場内でのラインの増設のため、立ち上げと生産の軌道化は想定に沿って進むものと思われる。
調味料・加工食品事業の主力商品であるポテトサラダの苦戦も上期業績のポイントとなった。昨夏に(株)フレッシュコーポレーションが展開する惣菜チェーン店で発生した食中毒やコンビニ業界再編の影響を受けたようだ。食中毒は同チェーン店で提供されたサラダ類(コールスローサラダ、マリネ、ポテトサラダ等)が原因とみられており、同社は関与していないが、ポテトサラダのイメージが悪化し、その余波を受けた。これまでの経験から1年程度は影響が続くと言う。1年が経過する下期の動向に注目したい。
主力商品の苦戦で売上が下振れする中、新工場関連費用が負担となり、19/3期の業績予想を引き下げたが、中期経営計画の売上・利益目標に変更はなかった。中食市場の拡大や人手不足による外食市場の簡便化ニーズの高まり等、良好な事業環境に変化はない。このため下期に成長軌道への回帰に道筋を付ける事ができれば、中期経営計画の達成についての不安が払拭されよう。新工場の早期生産軌道化とサラダ・総菜類の回復がポイントになる。
 
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書   更新日:2018年07月13日
基本的な考え方
当社グループは、企業としての社会的責任を果たし信頼される企業であり続けるために、法令遵守はもとより経営基盤の整備、強化に取り組み
続けていくことがコーポレート・ガバナンスの基本と考えております。そして、ガバナンス体制のより一層の確立、徹底を図り、適時かつ適切な情報開示により企業活動の透明性を高める事で、より開かれた企業になることを目指しております。

(1)株主の権利・平等性の確保
(2)株主以外のステークホルダーとの適切な協働
(3)適切な情報開示と透明性の確保
(4)取締役会等の責務
(5)株主との対話
 
<開示している主な原則>
原則1-4 政策保有株式
1.政策保有に関する方針
 事業会社の株式保有については、株式保有に伴う一層の関係強化により、事業拡大及び収益力強化に繋がることが見込まれ、そのキャッシュ・フロー増加効果により投資資金を回収できる株式について政策保有するものとしております。金融取引先の株式保有については、当社グループの成長に向けた資金調達の円滑化及び財務基盤の安定強化に繋がると判断した株式について政策保有するものとしております。
2.政策保有株式に係る議決権の行使
 保有目的である中長期的な安定株主となる事で取引先との円滑な関係を維持、また更なる関係を強固なものとする事で事業拡大及び収益力強化に繋がることを原則としつつ、当社及び投資先企業の企業価値を毀損しないことを基準として、議案ごとに検討し、判断いたします。また、原案が現状の経営成績・財政状態から著しく乖離しており、適正性に欠けると判断した場合は、担当部門を通じた対話を進めたうえで、株主として適切に議決権の行使を判断いたします。

原則3-1 情報開示の充実
(1)経営理念、経営戦略及び経営計画
当社コーポレートサイトにおいて開示しております。
https://www.kenkomayo.co.jp/company/philosophy
https://www.kenkomayo.co.jp/ir/policy/managementplan
(2)当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
本報告書1.基本的な考え方に記載のとおりです。
(3)取締役報酬の決定方針と手続き
 常勤取締役の報酬は固定報酬と業績連動報酬からなり、中長期的な業績と評価に基づき決定しています。社外取締役は固定報酬のみとなります。決定手続は独立社外取締役からの助言を踏まえつつ、取締役会で決定しています。
(4)取締役・監査役候補の指名方針と手続き
 その経験、見識、専門性等を総合的に評価・判断して適当と判断できる者を候補とすることを方針とし、決定手続は独立社外取締役からの助言を踏まえつつ、取締役会で決定しています。監査役については独立社外取締役からの助言を踏まえつつ、監査役会の同意を得た上で取締役会において決定しています。
(5)取締役・監査役候補者の個々の選任理由
本報告書別表に記載の通りです。

原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針
 当社では株主等との建設的な対話を重視し、経営陣幹部を中心に様々な機会を通じて対話を持つように努めております。IR担当責任者である経営企画室長が経営企画室、財務経理本部、総務法務本部等のIR活動に関連する部署を統括し連携を図っています。経営企画室にて、投資家からの電話取材やスモールミーティング等のIR取材を積極的に受け付けるとともに、決算説明会を半期に1回開催し、社長、IR担当責任者が説明を行っています。それらの結果は、IR担当執行役員が毎月2回進捗報告会で取締役に報告しています。また、投資家との対話については、当社の事業内容や中期経営計画における成長戦略をテーマとすることにより、インサイダー情報管理に留意しています。決算期末日から決算発表日までをサイレント期間としております。