ブリッジレポート:(2708)久世 vol.23
(2708:JASDAQ) 久世 |
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企業名 |
株式会社久世 |
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社長 |
久世 真也 |
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所在地 |
東京都豊島区東池袋2-29-7 |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
卸売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2018年3月 | 62,865 | 429 | 545 | 415 |
2017年3月 | 61,570 | 568 | 663 | 487 |
2016年3月 | 67,193 | 439 | 593 | 485 |
2015年3月 | 68,044 | -365 | -199 | -412 |
2014年3月 | 62,268 | 41 | 238 | 100 |
2013年3月 | 56,060 | 544 | 697 | 367 |
2012年3月 | 51,053 | 380 | 408 | 173 |
2011年3月 | 46,774 | 230 | 342 | 80 |
2010年3月 | 42,666 | 271 | 394 | 123 |
2009年3月 | 42,181 | 225 | 334 | 171 |
2008年3月 | 42,540 | 283 | 443 | 240 |
2007年3月 | 42,847 | 402 | 507 | 262 |
2006年3月 | 41,491 | 336 | 390 | 246 |
2005年3月 | 39,087 | 255 | 297 | 126 |
株式情報(11/29現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【経営理念とC&G活動の取組み】
「フードサービス・ソリューション・カンパニー」として「頼れる食のパートナー」を目指し、次の経営理念を掲げている。私達は、明るい信頼される会社にします。 私達は、お客様の立場に立ち、最高の商品とサービスを提供します。 私達は、絶えず革新に挑戦し、たくましい会社にします。 私達は、お客様、お取引先の繁栄と株主、社員の幸福に貢献します。 私達は、そのために会社の成長と発展を果たします。 【事業内容】
事業は、食材卸売事業、食材製造事業、及びグループ会社向けが大半を占める不動産賃貸事業に分かれ、18/3期の売上構成比(連結調整前)は、それぞれ、92.5%、7.5%、0.2%(この他、調整額△0.3%)。また、販売チャンネル別では、居酒屋・パブ15.0%、ディナーレストラン・ホテル・専門店26.1%、惣菜・デリカ・ケータリング・娯楽施設・その他20.2%、ファーストフード・ファミリーレストラン・カフェ38.7%。
食材卸売事業
業務用食材全般に加え、割りばし、ナプキン、洗剤といった消耗品等のノンフードまでを幅広くカバーし、取扱品目は約40,000アイテムを数える。近年、プライベートブランド(PB)商品や生鮮三品の取扱いにも力を入れている。
食材製造事業
連結子会社キスコフーズ(株)が食品製造工場を有し、ソース、ブイヨン、スープ及び調理食品等の自社ブランド製品及びOEM製品の製造・販売を行っており、その子会社(久世の孫会社)キスコフーズ インターナショナル リミテッド(KISCO FOODS INTERNATIONAL LIMITED)が、ニュージーランド・クライストチャーチ市において、オリジナルのフォンドヴォー(仔牛骨、牛肉、野菜等を原料としたソース)やベシャメルソース(バターと小麦粉を原料としたホワイトソース)の製造を行っている。
【フードサービスソリューションカンパニーを標榜 -システムで運ぶ、つくる、考える 頼れる食のパートナー-】
同社は 「頼れる食のパートナー」 として、顧客へ様々な情報を提供し、顧客と共に、納品の方法、店舗経営、商品開発等について考え、問題の解決に取り組んでいる。目指すところは、「運ぶ」、「つくる」、「考える」それぞれの機能を総合的に組み合わせ、より高い付加価値を生み出す提案営業重視の「フードサービス・ソリューション・カンパニー」である。
「運ぶ」 多様な要望に応える事の難しさ
同社においては「個店向け配送」と「チェーン店向け配送」の2通りがあり、「個店向け配送」は、幅広い品揃えで様々な業態(洋食、和食、中華、ホテル、居酒屋、バル、カフェ、病院、商業施設等)に対応し、自社の物流センターから配送。一方、「チェーン店向け配送」はチェーン店独自の品揃えに対応し、自社の物流センターと外部倉庫を利用した久世全国ネットワーク(KZN)の併用で、北海道から九州まで全国にチェーン展開している顧客に食材を届けている。
「つくる」 食材専門商社の枠を超えた事業展開で収益力の強化と顧客満足度の向上を両立
厨房での手間やコスト削減を念頭に新しいメニューやプライベート(PB)商品を開発し、顧客のニーズに合った商品提供を行っている。
「考える」 情報提供で顧客のビジネスを側面から支援
「顧客ニーズ」、「メニュートレンド」、「メニューの差別化」等を基本に顧客ごとのオリジナルメニューの開発やムリ・ムダのない調理オペレーションの提案、更には同社の商品を使用したメニューレシピやトレンド情報の提供等、日々の顧客支援に加え、プロ向け展示会「FOOD SERVICE SOLUTION」の定期開催で「食のヒントとなる情報」の発信も行っている。
「品質管理」 商品はもちろん、営業、物流、受発注等のサポート部門を含め、全ての業務で品質向上を推進
1981年に社内に品質管理部門を設け、取引先の品質に関する要望や問い合わせに対し、迅速に対応できる体制を構築しており、細菌検査、生産委託先工場の製造管理、商品規格書の作成・提供、物流センター、各営業拠点の衛生管理チェック等を実施している。また、2010年に「久世グループ品質方針」及びISO22000に基づいた久世グループの品質保証の仕組みである「久世クオス(久世QUALITY SYSTEM)」を策定し、新しい品質への取組みをスタート。13年4月には、キスコフーズ(株)が、同年8月には同社と久世フレッシュ・ワンが、それぞれISO22000の認証を取得した。商品の品質だけでなく、営業、物流、受発注等のサポート部門を含め、全ての業務の品質の向上を推進し、「お客様満足度No.1」を目指している。
外食の店舗数は、居酒屋、レストラン、ホテル、カフェ、給食など約60万店舗。一方、食材の提供も、冷食メーカー、畜肉メーカー、調味料メーカー、水産メーカー、農協等、数多い。店舗数(企業)もメーカー数も共に多いため、外食産業には情報・物流の仲立ちをする機能(専門卸=業務用食材卸)が不可欠。 業務用食材卸には、商品を届けるだけでなく、食材を調理してメニューを提供するためのノウハウやトレンド等の情報等が求められる。家庭用食材卸の機能は、商品を確実に届ける事であり(物流面の手伝い)、大規模化・システム化により効率化・合理化が図られている。主な企業は、三菱食品、国分、日本アクセス、伊藤忠食品、三井食品等、商社系企業が中心。一方、プロの料理人が調理を顧客とする業務用卸は、外食産業のきめ細かいニーズに対応する必要があり、きめ細かい対応が可能な独立系企業が多い。 業務用食品卸売業年鑑2017年版によると、業務用食材市場は全国で約4.7兆円。内訳は、首都圏(一都六県)約1兆9,800億円、中部圏(愛知・三重・岐阜・静岡)約4,850億円、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)約9,600億円、その他。同社は首都圏売上高トップクラスだが、首都圏のマーケットシェアは未だ約3.1%(全国では約1.3%)にとどまり、首都圏はもちろん、三大都市圏で更なる成長の可能性を秘めている。 |
2019年3月期上期決算 |
前年同期比4.5%の増収、同82.9%の営業減益
売上高は前年同期比4.5%増の324億55百万円。食材製造事業の売上が20億81百万円と同1.1%の増加にとどまったものの、上海日生食品物流有限公司を連結子会社化した効果もあり、食材卸売事業の売上が303億80百万円と同4.7%増加した。利益面では、集中購買及びアイテム集約等の効果や生鮮鮮魚等を扱う子会社の粗利率改善等で売上総利益率が改善したものの、物流の効率化に向けた取り組みが一時的なコスト増要因となり、営業利益は8百万円と同82.9%減少した。ただ、受取事務手数料や受取配当金の増加等で営業外損益が改善した他、固定資産売却益54百万円を特別利益に計上した事等で四半期純利益は72百万円と同29.4%の減少にとどまった。 効率化に向け、物流改革を推進
同社の物流センターは外部委託の変動費センターと自社運営の固定費センターに分かれ、大手チェーン向けは外部委託の変動費センターが適し、エリア戦略の下で展開する顧客向け(混載が前提)は自社運営の固定費センターが適している。しかし、一部大手チェーンの店舗等で自社運営の固定費センターが対応しているケースがあったため、19/3期は、こうした配送先を外部委託の変動費センターに移管する作業を進めている。このため、19/3期は移管に伴い変動費センターのコストが増える中で、一時的に自社運営の固定費センターの稼働率が下がり物流効率が悪化する。ただ、長期的には、事業拡大時に物流費の伸びを抑える事ができ、不況期には物流費を抑制できる体制が整う。また、外部委託の変動費センターは特定顧客向けの専用センターとなり、顧客が物流を管理しやすくなる。
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2019年3月期業績予想 |
通期予想に変更はなく、前期比8.2%の増収、同23.1%の営業減益予想
新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に加え、連結子会社化した上海日生食品物流有限公司の寄与(20億円)もあり、売上が伸びる(この影響を除くと同5.0%の増収)。物流改革に伴う一時的な負担増で下期も前年同期比減益が見込まれるが、上期比では収益性の改善が進む見込み。配当は1株当たり12円の期末配当を予定している(予想配当性向17.1%)。 (2)来春、日本外食流通サービス協会「JFSA」に加盟
2019年4月1日付けで、同社は日本外食流通サービス協会(JFSA)に加盟する。JFSAは、全国に加盟企業を有する業務用食材卸売協業体であり、賛助会員メーカーとの販促協力を活動の中心としつつも、その他国内外メーカーからの一括共同購入やプライベートブランド商品の企画開発、共同流通システムの運用、マーケティング情報の収集と営業支援情報の提供等にも力を入れており、強固な共同販売体制を構築している。今後、同社は自らの商品政策に従い、JFSA協賛企業のメーカー商品・JFSAプライベートブランド商品をJFSA販促スケジュールに沿って販売すると共に、同社PB商品及び独自調達商品の中で市場性ある商品をJFSA加盟企業と共に拡販していく。また、JFSA加盟企業との相互情報交換により、各社の先進的な取り組みや地域産品等の優良商品の情報を活用する他、協業関係構築可能な地域についてはJFSA加盟企業のネットワークを活用して相互の効率的な物流体制の構築にも取り組んでいく。 |
中期経営計画(19/3期~21/3期) |
「Challenge NEXT ONE」事業戦略 「変化への挑戦」、「収益改善」、「ひとりひとりのリーダーシップ」
ポイントは、「物流」、「情報システム」、「マーケティング」、「海外」、及び「グループシナジー」、の5つ。高効率でフレキシブルな物流網の構築と安定性・戦略性を備えた情報システムの構築、マーケティング強化、及び製造事業・生鮮事業とのシナジーにより、国内食材卸売事業を変化する事業環境に対応させ収益の改善を図る。また、輸出入事業と中国及びニュージーランドでの現地事業の拡大により海外の成長も取り込む。物流については、外部委託の変動費センターと自社運営の固定費センターの役割分担等、中身を変えながらキャパシティを広げていく。全国物流、エリア物流、狭域物流(首都圏の小規模顧客密集エリアでの配送)、産直対応も含めた生鮮物流、のバランスの取れた高効率でフレキシブルな物流網の構築に取り組む。足元では、センター長の育成も進んでいる。 情報システムについては、災害時の事業継続性も念頭に入れた新基幹システムの構築と並行して、顧客管理、在庫管理、更にはCRMへと、順次、情報システムの整備を進めていく。現在、顧客管理システムの整備が進んでおり、従来、営業社員の裁量で決められていた販売価格が、顧客別・商品別のシステマチックな価格設定に変わった(取引状況、取引条件、事業性等を基に、情報システムが価格設定を支援する)。次のステップである在庫管理システムの整備も動き出しており、アイテム毎・商品毎の滞留日数や回転数等の在庫管理の精度が向上する。 マーケティングによる市場分析にも力を入れ、情報システムと連動させる事でPDCAを回していく。これにより営業効率の向上を図る他、魅力のあるPB商品の開発とプロモーション強化につなげる。また、「全てが揃う」から「顧客ニーズに応じた意志ある品ぞろえによるフルライン対応」へと意識改革にも取り組む。 更に、海外子会社も含めてグループシナジーを追及していく。旭水産が手掛ける日本産の鮮魚は、東南アジアに加え、中東でも人気が高まっており、日本からの直送を強みに事業を拡大させていく。また、中国では和食人気を反映して子会社の売上が伸びている。このため、国内卸売事業の主体である久世本体、青果を含めた生鮮子会社、更には製造子会社の連携を国内外で強化していく。 |
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
◎コーポレートガバナンス報告書 更新日:2018年06月26日
基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスの考え方は、経営理念を基本としております。経営理念 私達は、明るい信頼される会社にします。 私達は、お客様の立場に立ち、最高の商品とサービスを提供します。 私達は、絶えず革新に挑戦し、たくましい会社にします。 私達は、お客様、お取引先の繁栄と株主、社員の幸福に貢献します。 私達は、そのために会社の成長と発展を果たします。 これらの考え方に基づき、当社は企業目的を達成し、企業価値を向上させるために経営の有効性と効率化を高め、変化する経営環境に対して迅速な意思決定や、意思決定に基づく機動性の向上を図っていく必要があると考えております。また、経営の健全性を高めるために、経営の監視機能として、内部統制システム構築による自主点検と内部監査による法令遵守(コンプライアンス)チェックがますます重要性を増してきていると認識しております。その上で、安定的な企業活動を継続していくために、コーポレート・ガバナンスの強化を図ってまいります。 <実施しない原則とその理由>
【基本原則1 株主の権利の平等性の確保】当社は常に株主の権利が実質的に確保されるように適切に対応していくとともに、株主総会の集中日を避けての実施や、情報の適宜開示により株主がその権利を適切に行使できる環境作りに努めております。今後もこの考え方に則り、株主総会招集通知の早期発送やWEB開示の検討を進めるとともに、少数株主にも配慮して株主の実質的な平等性の確保を図ってまいります。 【基本原則2 株主以外のステークホルダーとの適切な協働】 当社には「経営理念」、社員の行動基準である「KUZE WAY」、「食品安全方針」とグループの品質保証の仕組み「久世クオス」があり、これらの考え方をベースに様々なステークホルダーの要望に応えるべく活動しております。当社取締役会は、当社の活動が経営理念をはじめとするこれらの考え方に合致しているかを監督し、それが実践されるような企業文化を形成するよう代表取締役を中心に対応しております。 【基本原則3 適切な情報開示と透明性の確保】 当社は情報開示担当役員責任の下、経営企画部が中心に経営戦略・経営課題あるいはリスクやガバナンスの状況、また決算説明会や個人投資家説明会、当社WEBサイトを通じて非財務情報についても積極的に提供するよう努めております。当社取締役会は、こうした情報提供が受け手であるステークホルダーの皆様にとって有益・有用であるよう監督・指導にあたります。 【基本原則4 取締役会等の責務】 当社では取締役会は株主の為に諸施策を示し実行していく最高機関と考えております。当社は業務執行の意思決定の妥当性および適正性を確保し、取締役会が有効に機能するよう独立性を有する社外取締役が取締役会に出席しております。さらに経営監視機能の強化を図るため、常勤社内監査役1名と非常勤社外監査役2名の計3名体制で監査役会を組織して監査役相互の情報交換を緊密にするとともに、監査役も取締役会に出席し適宜、意見の表明を行っており、健全性かつ透明性の高い経営を維持する体制になっております。 【基本原則5 株主との対話】 当社では株主総会の場以外でも株主との対話の場は必要と考えております。そこで、個人投資家説明会や個別ミーティング等を通じ投資家とのコミュニケーションづくりにも取り組んでおりますが、特定のステークホルダーとの対話については、その都度状況に応じて合理的な配慮の中で対応してまいります。 以上の通り、当社は基本原則すべてについて実施しております。 |
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