18/12期は「進化への挑戦~第2章~」をスローガンとして掲げ、「事業の拡大と周辺ビジネスによる差別化」と「業界圧倒的No.1(シェア、生産性、利益)の実現」に向けた取り組みを進めている。
【グローバルWiFi事業】
クラウドWiFi活用促進
クラウド上でSIMを管理する次世代型の通信技術である「クラウドWiFi」を搭載したWi-Fiルーターは、SIMの挿入・交換をせずに世界中の通信回線を利用する事ができる。順調に利用が広がっており、第3四半期末現在、出荷レンタル端末の約92%を占めるに至っている(前年同期末:約41%)。ユーザーの利便性向上はもちろんだが、同社にとっても、①通信にかかる原価率低減(通信回線利用効率向上)、②出荷・運営オペレーション省力化(販売管理費低減)、③活用サービス・新手法(収益向上)といったメリットがある。
また、「クラウドWiFi」を活用した新サービスとして、「グローバルWiFi for Biz」の提供を開始している。同サービスは、オフィスに常備されるため利用の都度のレンタル手配が不要な事に加え、国内通信が月間3GBまで無料提供されるため普段使いも可能。旅行会社との提携による海外旅行商品への組み込みも進んでいる。機会損失を最小化するべく、空港カウンターの在庫拡充と対応エリアの拡大に取り組んでいる他、出発当日客へのサービス提供体制の整備も進めており、今後、同社WiFiルーターの更なる利用シェア向上が期待できる。
店舗スマート化戦略(テンスマ)
自動受渡しロッカー(Smart Pickup)、多言語対応・決済機能のセルフレジKIOSK端末(Smart Entry)、更にはQRコード活用受付カウンターである即時お客様識別カウンター(Smart Check)の設置により、店舗スマート化戦略を進めている。カウンターでの待ち時間短縮、混雑緩和、利便性向上を通して、CS向上、売上増が期待できる。騰勢が続くレンタル件数(受渡件数)や増加するオプションサービス(補償サービス、付帯品等)需要への対応強化はもちろん、海外へ渡航する日本人・訪日外国人旅行客にとって、より便利に、より快適で、より安心して利用できる店舗への進化を目指している。

尚、自動受渡しロッカー(Smart Pickup)は国内15の空港カウンターのうち5空港に計13機を設置済み。他の空港カウンターへの展開、移転、増設等で、更にユーザータッチポイントを強化していく考え。また、説明の必要がないリピーターは自動受渡しロッカーにより待ち時間をなくし、説明が必要なユーザーには空港スタッフが対応する等、サービスレベルをユーザーに応じて最適化していく。
“超”直前オンライン受注体制(テンスマ × クラウドWiFi × データベース)
テンスマ、クラウドWiFi、及びグローバルWiFi・NINJA WiFiのデータベースを連携させる事で「“超”直前オンライン受注体制」が整備され、これまで逃していた出発当日客へのサービス提供が可能になった(データベースと連携させる事で空港カウンター店舗目の前でのWEB申込への即時対応が可能)。出発当日客が増加しており、取り組みの成果も現れている。更なる利便性向上に取り組んでいく考え。
【情報通信サービス事業】
販売チャネル強化(流入チャネル拡大)の一環として、「ビマケ(Vision Business Market)」の育成に力を入れている。「ビマケ」は、スタートアップ・中小・ベンチャー企業向けビジネス支援サイトである。起業準備中の個人も対象とし、お役立ち情報と共に、同社サービスやタイアップパートナーの商材を案内している。
また、同社の事業ノウハウを活かした自社開発サービスの販売にも力を入れている。クラウド型で提供され、第1弾として、テレアポ事業支援トータルソリューション「VWS WEB CALL SYSTEM」がリリースされている。人員の稼働効率を高める機能や営業状況を把握する機能に優位性があり、固定費負担が軽く、小規模事業者でも導入が容易。加えて、「IT導入補助金」対象サービスでもある。今後もニーズの高いサービスを順次投入し、顧客深耕に取り組んでいく考え。
【旅行関連サービスプラットフォーム】
顧客基盤を活用し、海外渡航中の課題解決に役立つ情報(メディア)やウェアラブル翻訳デバイスレンタル・送迎サービス等のサービスを提供している。情報(メディア)の提供では広告収入を得ており、各種サービスの提供は客単価の向上につながっている。足元では特に訪日外国人旅行客向けメディア事業が好調だ。「グローバルWiFi」、「NINJA WiFi」、海外の提携サービスの利用者とのコンタクトポイントを活用した広告メディアで、海外渡航中の課題解決に役立つ情報やサービスを提供している。Wi-Fiルーターやサービスの利用者に浸透してきた事に加え、直接手渡し・属性別施策可能等が評価され、広告出稿企業が増加し、継続企業も増えている。
プロドラ(ProDrivers) 旅行関連サービスプラットフォーム拡充
「旅行関連サービスプラットフォーム」構想の一環として、空港送迎・ゴルフ場送迎・役員送迎等、ビジネス・日常共にあらゆる移動を快適にする送迎サービス「プロドラ(ProDrivers)」を開始した。グローバルWiFi事業の顧客基盤(訪日外国人旅行客含)の活用に加え、情報通信サービス事業の顧客や新規需要客もターゲットとしている。国内は同社グループで都内から開始し、パートナー展開も含め、順次全国主要都市にサービスを広げていく。海外は、資本業務提携先のディーエルジービー(株)が運営している「SmartRyde」を活用する。
