ブリッジレポート:(2317)システナ vol.42
(2317:東証1部) システナ | ![]() |
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企業名 |
株式会社システナ |
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会長 |
逸見 愛親 |
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社長 |
三浦 賢治 |
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所在地 |
東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階 |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
情報・通信 |
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項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2018年3月 | 54,320 | 5,170 | 5,147 | 3,542 |
2017年3月 | 46,255 | 3,693 | 3,407 | 2,197 |
2016年3月 | 42,695 | 3,172 | 3,208 | 2,249 |
2015年3月 | 36,951 | 2,226 | 2,322 | 940 |
2014年3月 | 33,969 | 1,656 | 1,746 | 1,797 |
2013年3月 | 31,662 | 2,244 | 2,292 | 1,203 |
2012年3月 | 30,630 | 1,822 | 1,918 | 904 |
2011年3月 | 39,176 | 2,579 | 2,661 | 2,957 |
2010年3月 | 3,636 | 490 | 536 | 340 |
2009年10月 | 8,161 | 1,261 | 1,258 | 1,180 |
2008年10月 | 9,603 | 1,816 | 2,153 | 1,275 |
2007年10月 | 7,930 | 1,595 | 1,555 | 849 |
2006年10月 | 5,917 | 961 | 967 | 602 |
2005年10月 | 4,180 | 717 | 691 | 561 |
2004年10月 | 3,093 | 677 | 643 | 391 |
2003年10月 | 2,461 | 516 | 511 | 280 |
株式情報(11/8現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社9社及び持分法適用会社3社と共にグループを形成している。
![]() ・安定した高配当 ・高い株主資本利益率 ・高い売上高営業利益率目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円(2018年6月の株式分割を反映せず)の実施(配当性向40%以上)。 【事業内容】 事業は、ソリューションデザイン事業(18/3期売上構成比34.7%)、フレームワークデザイン事業(同8.5%)、ITサービス事業(同12.9%)、ソリューション営業(同42.1%)、クラウド事業(同1.8%)、コンシューマサービス事業(同0.9%)、海外事業(同0.1%)及び投資育成事業(同0.0%)に分かれる(調整額△1.0%)。 ソリューションデザイン事業 (株)システナ、(株)ProVision、(株)IDY、HISホールディングス(株)、Systena Vietnam Co.,Ltd. モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「スマートデバイス/ロボット/AI」及びワークフローや受発注システム等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発及び検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。 フレームワークデザイン事業 (株)システナ、(株)ProVision、Systena Vietnam Co.,Ltd. 国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co.,Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。 ITサービス事業 (株)システナ、東京都ビジネスサービス(株) システムやネットワークの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。 ソリューション営業事業 (株)システナ ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。 クラウド事業 (株)システナ クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや本年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.\キャンバスドット」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。 コンシューマサービス事業 (株)GaYa 連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。(株)GaYaは、スマートフォン向けゲームコンテンツを開発し、大手SNSサイトへ提供している他、他社が開発・リリースしたゲームの運営受託も手掛けている。 海外事業 Systena America Inc. Systena Vietnam Co.,Ltd. 米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査・インキュベーションを二本柱とし、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点との位置づけ。 投資育成事業 2016年4月1日に設立した戦略子会社(株)インターネットオブシングスが、Iot、ロボット、FinTech、ソーシャルメディア関連の企画・開発・販売・サービス提供を手掛けている。 |
2019年3月期上期決算 |
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セグメント別動向と見通し |
ソリューションデザイン事業
売上高100億02百万円(前年同期比13.8%増)、営業利益17億09百万円(同82.3%増)。継続的に取り組んでいる選択と集中の成果で、ネットビジネス、eコマース、車載で収益性の高いシステム開発が増加。ベトナム子会社を活用したオフショア開発が軌道に乗りつつあり、ブリッジSEとして国内の地方開発拠点も活性化している。収益性の高いシステム開発の増加と開発面でのコスト低減及び率改善で営業利益率が17.1%と6.4ポイント改善した。
通期予想は売上高212億16百万円(前期比12.7%増)、営業利益32億75百万円(同23.2%増)。車載システム、インターネットサービス、ロボットの売上が増加する。車載システムでは、インフォテイメント(情報・娯楽システム)やエコカー(HV・EV)のエンジンECUといった成長分野で受注が増えており、インターネットサービスでは、大手通販企業のeコマース・ペイメント分野やスマートデバイスを活用したWebビジネス分野といった高収益分野で受注が増えている。ロボットでは、サービスロボットを活用したソリューションやコンサルティングが拡大する。自動運転、IoT・AIをキーワードとしたインターネットサービス、RPAやAIをキーワードとしたロボット活用関連での営業を強化する。
フレームワークデザイン事業
売上高25億46百万円(前年同期比17.5%増)、営業利益3億86百万円(同38.0%増)。メガバンクの決済システムの開発が保守フェーズに向け収束する中、大型保険システムと基盤構築の拡大等で既存金融顧客向けの売上が増加。新規サービス分野の育成に向け、業務自動化ソリューションのライセンス販売や導入支援を中心に展示会やセミナー等のプロモーションを積極化した。プロモーション展開に伴い先行投資的な費用が増加したが、これを吸収して利益率が改善した。
通期予想は売上高51億00百万円(前期比10.9%増)、営業利益7億円(同5.7%増)。収益性の高い案件ヘのシフ卜を進めると共に、品質と生産性の向上で競争力を強化している。下期は、損害保険会社のシステム再構築案件を中心に堅調な推移が見込める中、「保険システム」、「決済」、「社会インフラ」を軸とした開発プロジェクトへの参画に力を入れていく。また、本部間連携やメーカーとの連携(営業・マーケティングチャネルの活用)により、業務自動化(RPA)、クラウド、データ分析等の商材を拡充し、ライセンス販売や導入支援サービスの拡大にも取り組んでいく。利益面では、展示会出展や人員増強で営業利益率が13.7%と0.7ポイント低下する見込み。
ITサービス事業
売上高37億01百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益4億96百万円(同32.5%増)。人材動員力を強みとした「ヘルプデスク」、「システムオペレーター」等の従来の派遣型サービスから、「ITサポート」や「インフラ構築」といった付加価値の高い請負型業務へのシフトを進めている。この上期は提案営業の成果で顧客のプロフィット部門への「ITサポート」や「インフラ構築」、社内IT部門への「Windows10移行」とそれに伴う「スマートデバイスの導入」等、高付加価値なスポット案件の受注に成功。「AIチャットボット」、「セキュリティ商材」を営業フックに新規顧客の開拓も進んだ。
通期予想は売上高77億78百万円(前期比11.0%増)、営業利益10億01百万円(同22.0%増)。顧客のビジネス展開に直結したサービス提供による質的な変革(高付加価値化・高収益化)と新商材の展開・拡充による顧客数の増加と売上の拡大に取り組んでいく。高収益化に向けては、「へルプデスク」、「システムオペレー夕ー」等、従来からの人員動員力を強みとしたビジネスを脱し、プロジェクトで培ってきた丿ウハウ、英語対応力を活かせる「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO(Project Management Office:プロジェクトの統括的な管理やサポートを行うための機能)」、「LABO(研究開発)」といったサービス単位での請負型業務へのシフトを加速していく。
ソリューション営業
売上高102億99百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益5億71百万円(同4.6%増)。「働き方改革」をキーワードにした、モバイル・セキュリティ・クラウドでの需要喚起に取り組んだ結果、モバイルPCを中心としたWindows7から10への大型リプレース案件の受注に成功。懸念されていた前年同期のPC大型リプレース案件の反動減を回避できた。ロードマップ(中長期のIT投資計画)を把握し、タイムリーな提案でIT機器の導入案件を受注し、インフラ構築やシステム開発につなげ、更には保守運用を受注する、という高付加価値なワンストップサービス案件が拡大している。
通期予想は205億円(前期比10.4%減)、営業利益8億93百万円(同10.4%減)。大型PCリプレース案件が18/3期の収益押し上げ要因になった事や、ソリューション領域の拡大に向けたサービスメニューの拡充とリソース増強、オンプレミス(自社所有・運用)からハイブリッド環境への対応強化等の先行投資を計画しているため、保守的に減収・減益を予想している。ALL Systenaによる全てのサービスの提供やアプリを基軸とした新たなワンストップサービスの立ち上げにより収益力の強化を図る。また、(株)インターネットオブシングスとの連携強化によるセキュリティをキーワードとしたIoT関連商材(IDY、米国子会社等の商材)の販売・構築にも取り組んでいく。
クラウド事業
売上高5億45百万円(前年同期比24.5%増)、営業利益1億円(同108.1%増)。展示会やテレビCM等のプロモーションによる「データドリブン(データの分析・活用)」や「IT経営」をキーワードにした需要喚起が成果をあげ、ビジネスアプリケーションプラットフォーム「Canbus.(キャンバスドット)」の受注が伸びた。また、「働き方改革」の一環でグループウェアのクラウド化が進んでおり、「G Suite」や「Microsoft Office365」と連携する自社開発のグループウェア「Cloudstep」も堅調に推移した。
通期予想は売上高10億円(前期比2.8%増)、営業利益1億円(同35.5%減)。「Canbus.」の販売強化やブロックチェーン・AI・IoTといった新サービスの研究開発費負担を踏まえて減益予想としているが、「Canbus.」については、足元、Webプロモーションを中心とした販促活動の成果で引き合いが増加している。「Cloudstep」については、「G Suite」や「Microsoft Office365」との連携を深めたサービスを強化する。
海外事業(Systena America Inc.以下、米国子会社)
上期の米国子会社は、売上高46百万円(前年同期比9百万円増)、営業損失21百万円(同51百万円改善)。ソリューションデザイン事業とのシナジーによる日系企業からの開発・評価案件の受注で単月の損益が黒字化した。StrongKey社(セキュリティ)及びONE Tech社(IoT)とのビジネスを推進し、新規の顧客開拓に取り組んだ。
通期予想は売上高1億77百万円(前期比1億25百万円増)、営業利益5百万円(同1億51百万円増)。StrongKey社及びONE Tech社との新規事業を本格的に開始する他、全米屈指のIoTプラットフォーム提供企業であるPlasma社との協業によるEnd to End IoTソリューションをグローバルに展開していく。後者については米国のIoT ExpoにシステナのIoTソリューションを出展し、米国内外での販売を強化する。また、LPWA機器、センサー、IoT Gatewayといった機器販売にも力を入れる。従来からの現地の日系企業向けビジネスについては、既存顧客を維持しつつ、技術支援により日系製造企業の新規開拓・案件獲得に取り組んでいく。
コンシューマサービス事業
売上高2億05百万円(前年同期比22.5%減)、営業損失6百万円(前年同期は営業利益83百万円)。既存タイトルの売上が減少する中、新規タイトルの開発費が負担となり営業損失となった。
通期予想は売上高4億84百万円(前期比3.4%減)、営業利益31百万円(同52.3%減)。新規受注した受託タイトルの運営が第3四半期に始まる。また、第4四半期のリリースを予定していたソーシャルゲーム1タイトルのリリースを第3四半期に前倒しするべくリソースを集中して開発を進めている。
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2019年3月期業績予想と中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期) |
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<参考:コーポレート・ガバナンスについて> |
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