前期比69.3%の増収、同77.8%の営業増益
売上高は前期比69.3%増の26億77百万円。2017年1月に広告運用体制を構築しPV単価アップに取り組んでいる成果と特定タイトルの大型プロモーションによる押し上げ(第1四半期)でWebやアプリに配信するネットワーク広告の売上が同50%強増加する中、攻略ニーズのテキストから動画への広がりを捉え、動画を介したネットワーク広告も同2.6倍に拡大。特定のゲームタイトルにおいて、より多くの情報や動画など付加価値の高い広告枠を制作し同社サイトで提供するタイアップ広告も同2.9倍に拡大した。
営業利益は同77.8%増の11億68百万円。海外展開や新規事業に加え、上場に伴う管理部門強化もあり、人材を積極的に採用したため人材関連費用が増加した他、増床に関する一過性費用や株主優待引当金等の計上もあり、販管費が78.7%増加したものの、売上の増加と、PV単価アップ、タイアップ広告の売上構成比上昇等による売上総利益率の改善(3.4ポイント)で吸収し大幅な営業増益となった。
尚、期初予想は、売上高20億70百万円、営業利益7億87百万円、経常利益7億85百万円、当期純利益5億27百万円。
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第4四半期は売上高7億25百万円、営業利益2億46百万円。売上面では、一時的なプロモーション特需のあった第1四半期を超過し過去最高を更新した。利益面では、増床等に伴う一過性コスト、株主優待費用、及び中期事業戦略に基づく戦略投資(海外展開、新規事業及び組織・人材戦略に係る総費用)に伴う費用計上で営業利益率が低下した(この影響を除いた営業利益率は41.0%)。
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月間平均PV数が高水準を維持する中、月間平均PV単価指標は経常的な運用改善により上昇基調が続いている(一過性の影響があった第1四半期を除き過去最高)。
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ネットワーク広告は、ネットワーク広告売上高(動画)が収益貢献し、同(Web・アプリ)との合計は、プロモーション特需のあった第1四半期を除くと過去最高。タイアップ広告売上高も、需要は強く、売上の伸びはネットワーク広告を上回る。同売上高は、売上構成比が上昇傾向にあり、過去最高を更新中である。
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ネットワーク広告(動画)は、合計チャンネル登録数が340万を超え、収益化してきた。ユーザーの攻略ニーズがテキストから動画に広がりつつあり、その取り込みに成功している。
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「さよどら」(左から5番目)は、バトル系トップの人気を有する。
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第4四半期は、海外展開、新規事業、及び経営管理人材を積極的に採用したため人材関連費用が増加した。また、増床に関する一過性費用や株主優待引当金等の計上もあった。
尚、人材関連費用とは、売上原価及び販管費に計上される役員報酬、給与手当、賞与及び賞与引当金繰入、法定福利費、外注費、人材採用費、及び人材育成費の合計。人員数は、役員及び従業員(含む臨時従業員)の合計である。
(3)第4四半期のトピックス
第4四半期は中長期の成長に向けた先行投資を積極的に行ったが、eスポーツ事業への参入も、その一つであり、この他にも、ゲームサーバ企業Game Server Services(株)や東南アジア向け攻略メディアを運営するGCUBE ASIA PTE. LTD.への出資(シード投資)を行った。
eスポーツ事業への参入
リアルタイム対戦型モバイルカードゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」発足(2018年3月)にあたり、2018年3月にプロチーム「GameWith」(監督:大庭 仙充)を結成した。出資も含めて大会運営のノウハウを蓄積し、様々なeスポーツ事業関連を展開していく考え。同社チームは2018年4月27日(金)から7月15日(日)まで開催された「クラロワリーグ アジア」1stシーズンに参戦し、2位となった。
eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームを使った対戦を競技として捉える際の名称。プレイヤー同士が競い合い、その内容を様々なメディアを通じて観客は楽しむ事ができる観戦型エンターテインメントである。また、「クラッシュ・ロワイヤル」は、Supercell Oy(フィンランド)が提供するモバイルゲーム。2017年には、賞金総額約1億円のeスポーツイベント「クラロワ 世界一決定戦(CROWN CHAMPIONSHIP)」が開催され、全世界187カ国から2,700万人以上のプレイヤーが参加したと言う。
※eスポーツプロチーム結成の詳細
https://gamewith.co.jp/1466
シード投資
2018年3月に、スマートフォンゲームに最適化したゲームサーバを提供するGame Server Services(株)に出資し、2018年5月には、東南アジア向け攻略メディアを運営するGCUBE ASIA PTE. LTD.に出資した。今後も積極的に投資を進め、パートナーと新たな事業機会・価値の共創に取り組んでいく考え。
Game Server Services(株)への出資
2018年3月30日、モバイルゲーム開発に特化したバックエンドサーバ mBaaS (Mobile Backend as a Service)を提供するGame Server Services株式会社(本社:愛知県北名古屋市、代表 取締役:丹羽 一智、以下「GS2」)の第三者割当増資に応じて出資した。
GS2は、「脱ゲームサーバ開発 ~ゲームサーバは作るものから使うものへ~」をスローガンに、ゲーム開発者に対して、スマートデバイス向けゲームを開発する際のゲームサーバをクラウドで提供する。ゲーム開発者は、GS2のサーバを利用する事で、サーバ開発に関する深い知識を持たなくても、大量のトラフィックを安全に確実に処理できる。言い換えると、ゲームサーバの開発・運用をする事なくゲーム事業を展開できる環境を実現できる。
(株)GameWithは、GS2との関係強化を通じてゲーム業界により良いサービスを提供し、企業理念である「ゲームをより楽しめる世界を創る」の実現を目指していく。
GCUBE ASIA PTE. LTD.への出資
2018年5月30日、インドネシアでゲーム攻略メディアを運営するGCUBE ASIA PTE. LTD.(本社:シンガポール、Director:Liang Zhenlong、以下「GCUBE社」という)の第三者割当増資に応じて出資した(出資比率:16.6%)。
GCUBE社は、「東南アジアのユーザーに対して母国語でゲーム情報を提供する事でゲームが楽しめる世界を作る」をコンセプトに、東南アジア最大のゲームコミュニティになる事を目指している。
(株)GameWithの取り組むべき課題の一つに海外展開があり、昨年12 月に台湾版「GameWith」をリリースした。モバイルゲーム市場の成長著しい東南アジアにおいて、GCUBE社との関係強化は海外展開をより迅速に行うためにも有益であると判断し、今回の第三者割当増資を引き受けた。