ブリッジレポート:(9616)共立メンテナンス vol.56
(9616:東証1部) 共立メンテナンス |
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企業名 |
株式会社共立メンテナンス |
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会長 |
石塚 晴久 |
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社長 |
上田 卓味 |
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所在地 |
東京都千代田区外神田 2-18-8 |
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決算期 |
3月 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2018年3月 | 152,021 | 13,087 | 12,928 | 8,778 |
2017年3月 | 135,828 | 11,815 | 11,514 | 7,135 |
2016年3月 | 135,053 | 10,244 | 9,775 | 5,970 |
2015年3月 | 110,212 | 8,217 | 7,663 | 4,387 |
2014年3月 | 105,216 | 7,490 | 6,796 | 3,829 |
2013年3月 | 99,472 | 6,521 | 5,599 | 3,206 |
2012年3月 | 91,170 | 6,017 | 4,602 | 2,376 |
2011年3月 | 84,983 | 4,610 | 3,308 | 1,052 |
2010年3月 | 84,513 | 4,033 | 3,012 | 1,254 |
2009年3月 | 82,303 | 5,349 | 4,510 | 2,133 |
2008年3月 | 75,606 | 4,492 | 4,167 | 2,740 |
2007年3月 | 66,287 | 3,745 | 3,787 | 2,413 |
2006年3月 | 63,084 | 4,611 | 4,823 | 2,010 |
2005年3月 | 58,014 | 4,407 | 4,411 | 2,343 |
2004年3月 | 54,080 | 4,004 | 4,059 | 2,137 |
2003年3月 | 50,108 | 4,148 | 3,884 | 2,039 |
株式情報(8/20現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
“ライフステージにおける様々な場面での「食」と「住」さらに「癒し」のサービスを通じて、広く社会の発展に寄与する”と言う経営方針の下、「現代版下宿屋」(食事付きの寮の運営)を中心にした寮事業、「温泉感覚を取り入れた大浴場」と「美味しい朝食」といった寮事業のノウハウを活かしたホスピタリティ重視のビジネスホテルや「リーズナブルで質の高いリゾートライフ空間の創造と提供」をテーマに掲げたリゾートホテルのホテル事業、オフィス(事務所)・レジデンス(住居)のビルメンテナンス、ビル賃貸及び賃貸代行、駐車場運営等の総合ビルマネジメント事業、外食やレストラン運営受託のフーズ事業等を展開。知名度と実績で他社を凌駕する主力の寮事業を安定収益源とし、ホテル事業の育成により成長を加速している。
事業の種類別セグメントと売上構成(18/3期)は次の通りである。
【沿革】
設立は1979年9月。食の世界に長く携わった創業者 石塚晴久氏が調理人として企業の給食施設の運営受託を開始した。翌80年には千葉県佐倉市に、木造2階建て(四畳半が28室)の民間学生寮「学生会館」第一号棟が誕生。「食」を第一として、「学生の健康と元気こそが親の安心」との考えのもと、提携先の学校名を冠した学生会館事業を展開。東京・神奈川地区、名古屋地区、大阪地区へとエリアを拡大した。85年4月には、「一室から借りる事ができ、朝夕2食付き」を特徴とし、ゆっくり身体を癒せる「大浴場」も重視した社員寮事業を開始。87年5月には、学生寮、社会人寮、給食施設等の受託事業で培った「賄いのノウハウ」を活かし外食事業に展開。93年6月に本社移転(東京都千代田区)を経て、同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。翌94年9月、現在のJASDAQ市場へ上場(店頭登録)、99年3月の東証二部上場を経て、01年9月に東証一部上場となった。
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新中期経営計画「Kyoritsu Jump Up Plan」:18/3期~22/3期の5ヶ年計画 |
18/3期からスタートした新中期経営計画「Kyoritsu Jump Up Plan」は初年度から好調に推移している。計画を大きく上回って進捗しているため、いくつかの軌道修正をしながら進展している。
(1)「Kyoritsu Jump Up Plan」骨子
名称「Kyoritsu Jump Up Plan」
基本方針
Ⅰ.顧客満足度の向上
顧客満足度向上に繋がる商品・サービスを創造し、 顧客からの当社への評価を高め、さらなる信頼を得る。
Ⅱ.開発の先行的実施
事業拠点を拡大し、盤石な基盤を構築する。
期間 2017年4月~2022年3月
定量目標 年平均10%以上の利益成長
将来の環境変化に打ち勝つ強固な事業基盤を早期に構築するため「顧客第一」を再認識し、顧客からのさらなる信頼を得ながら、 「先行的開発」を実施する方針。
(2)顧客満足度向上のための重点施策
1.人材育成強化
事業の拡大スピードに応じた人材確保を図る。
積極的に新卒採用をするとともに、顧客の気持ちに応えることのできる、能力の高い人材の安定確保に取り組む。
*人材の安定的確保・・・採用力の更なる強化に加え、定着(離職防止)の促進
必要新卒社員採用数
18/3期は留学生38名を採用。外国籍の採用人数に制限はなく、優秀な人材は積極的に採用する。
採用ルート・・・寮事業で培った学校との良好な関係を活用。学校からの紹介により、18/3期に採用した寮利用校出身者は全採用者の47%に相当する145名であった。
↓
*研修プログラムの充実・・・サービスレベルの維持・向上、階層別研修制度の充実
↓
*多様な人材の活用・・・グローバル化へ対応すべく、多様な人材の確保と活用
↓
*顧客満足度の向上
2.寮事業
商品ラインナップの拡充と付加価値の向上
3.ホテル事業
ドーミーインにおいて、RevPARが当初予定以上の伸びとなる見込み
訪日外客数は16年2,404万人、17年2,869万人、18年には3,342万人が見込まれ、政府が目指す20年4,000万人も射程圏内に入ってきた。こうしたことを背景に稼働率、客室単価ともに好調に推移しており、RevPARは中期計画の想定を上回って推移している。
(注)RevPARは客室単価×稼働率を指す、ホテル事業のKPI(Key Performance Indicatorの略で、企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標)として重視される
(3)開発計画
開発予定室数は寮事業で7,000室、ドーミーインで9,000室、リゾートで1,400室を計画する。
しかし下表のように進捗率は寮事業で57.6%、ドーミーインで進捗率93.0%、リゾートでは96.6%に達している。
特に大阪地区南部では稼働率が100%近い上、顧客の多くがインバウンド顧客で国内の予約が取れない状態であり、同地区で3棟の開発を予定している。
(4)定量目標の見通し
飛躍のための「開発先行型」プラン
18/3期~19/3期を「開発先行期」と位置付け、20/3期~22/3期に加速した成長を目指す考え。
尚、下図予想は当初の見通しから開発先行期においても利益成長をするプランに軌道修正されている。
(5)財務方針
開発投資は5年間で総額1,400億円が見込まれる。
キャッシュ・フロー700億円、オフバランス(セール&リースバック)650億円(当初計画の300億円から増額)、外部資金調達400億円で賄う考え。
これまでと同様にネットD/Eレシオ1.0倍以下で財務健全性を維持させる。
尚、不動産の流動化で上記650億円のほかに、追加でオフバランス300億円(原価ベース)を計画する。
(6)目標配当性向
13/3期以降連続して増配しつつも10%台にとどまる配当性向は、22/3期までに20%超を目指す。
(7)追加施策昨年12月に中期計画に絡んだ新たな施策を打ち出した。
新たに社長直轄の組織として、顧客との関係構築を進める「総合顧客ネットワーク室」を設立した。同社の利点である、学生、社会人、中高年、シニア、そして次世代へ生涯を通じて各事業との接点を保ち、同社の全商品、サービスをタイムリーに届ける。具体的には、顧客の情報を統合、分析し、宿泊申し込みからチェックアウトまでより簡素に迅速化する。
自社サイトを活性化させ、チャネルコストの削減を目指す
同社への宿泊に際して、予約は楽天トラベルなどを通じたものが多い。
こうしたことを受けて、自社サイトからの予約の誘導を進め、チャネルコスト(支払手数料)の削減を目指す。
自社サイト比率を15.2%に高めることで、22/3期単年度約5億円のコスト削減を目指す。
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2019年3月期第1四半期決算 |
前年同期比7.5%の増収、同2.9%の経常減益
売上高は前年同期比7.5%増の368億80百万円。主力事業の寮事業が高い期初稼働率を維持するとともに、ホテル事業も顧客の好評を得て、ドーミーイン(ビジネスホテル)事業、リゾート(リゾートホテル)事業ともRevPAR(客室稼働率×平均客室単価)が前年同期に比べ増加した。営業利益は前年同期比1.7%増の25億49百万円。開業準備費用等5億20百万円や、顧客満足度向上のための大規模リニューアル費用2億19百万円を吸収した。尚、経常利益が減益となったのは、前年同期において投資事業組合運用益1億43百万円を営業外収益に計上した影響などによるもの。
グループを取り巻く環境は、進学率の上昇やインバウンド需要の続伸などが見られた一方で、労働力不足の問題や、住宅宿泊事業法(民泊法)の影響なども語られた。こうした中、中期経営計画の骨子である「顧客満足度の向上」及び「開発の先行的実施」を着実に推進した。
営業利益率は前期比0.4ポイント低下して6.9%。寮事業、ホテル事業とも前年同期に比べ、開業準備費と大規模修繕費を多く計上したためで、会社計画内の結果となった。その他の事業はフーズ事業が黒字に転じ、デベロップメント事業は大きく改善した。
寮事業
売上高は前年同期比4.1%増の124億55百万円、営業利益は同0.4%減の19億93百万円。
期初稼働率前年比0.6ポイント減の97.7%となったが、これは新規の学校専用寮の竣工時期に伴う一時的な空室発生等によるもの。学生寮事業において契約数が前年同期の水準を上回り従来の増加傾向に戻ったことに加え、社員寮事業においても新たに寮制度を導入する企業が増加したことなどにより契約数は増加した。費用面では、新規事業所オープンに伴う開業準備費用等1億33百万円と、既存事業所の大規模リニューアル費用80百万円が発生した。
ホテル事業
売上高は前年同期比14.5%増の177億4百万円、営業利益は同4.4%増の13億41百万円。今後オープン予定の新規事業所分を含めた開業準備費用等3億86百万円や、既存事業所の大規模リニューアル費用1億38百万円を吸収した。また、一部の事業所においては、大阪府北部地震など自然災害による影響もあったが増益となった。
ドーミーイン(ビジネスホテル)事業
今1Qに「天然温泉 南部の湯 ドーミーイン本八戸」がオープンした。また、既存の事業所においては、インバウンド顧客の大幅な増加や、国内の顧客の利用も堅調に増加したことも寄与し、客室稼働率、客室単価共に前年同期を上回り、好調に推移した。
リゾート(リゾートホテル)事業
リゾート事業では、今期に誕生したブランドロゴのもと、広く愛され、親しまれるリゾート創りを進めてきた。既存事業所では、前年同期を上回る客室稼働率にて推移したほか、稼働状況に応じた柔軟な人員配置をすることなどにより、コストコントロールを徹底した。
その他の事業
売上高は前年同期比8.8%減の117億15百万円、営業利益は66百万円(前年同期は20百万円の損失)。
総合ビルマネジメント事業の売上高は前年同期比17.3%増の35億16百万円、営業利益は同85.3%減の6百万円。建設案件の増加に伴い増収となったが、ビル管理部門における一部の契約終了などにより減益となった。
フーズ事業の売上高は前年同期比3.9%増の16億14百万円、営業利益は8百万円(前年同期は営業損失6百万円)。ホテルレストラン受託事業の案件増加に伴い増収増益となった。
デベロップメント事業の売上高は前年同期比34.5%減の34億76百万円、営業利益は同51.7%増の1億20百万円。建設案件の減少に伴い減収となったが、利益率の高い設計案件が増加したことなどにより増益となった。
シニアライフ事業(高齢者向け住宅の管理運営事業)、PKP事業(自治体向け業務受託事業)、単身生活者支援事業、保険代理店事業、総合人材サービス事業、融資事業及び事務代行業が該当するその他事業は、売上高が前年同期比4.1%増の31億9百万円、営業損失68百万円(前年同期は営業損失1億35百万円)となった。
1Q末の総資産は前期末比25億9百万円増の1,934億39百万円となった。主な要因は、土地及び建設仮勘定の増加などによるもの。
負債は同17億92百万円増の1,208億82万円となった。主な要因は、短期借入金の増加などによるもの。
純資産は同7億17百万円増の725億56百万円となった。主な要因は、利益剰余金の増加などによるもの。
自己資本比率は37.5%となり、前期末比0.1ポイント減少した。
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2019年3月期業績予想 |
前期比8.3%の増収、同5.2%の経常増益予想
通期予想に修正はなく、19/3期は売上高が前期比8.3%増の1,646億円、経常利益は同5.2%増の136億円を計画する。
寮事業では、期初稼働率が前年比0.6 ポイント減の97.7%となったが、これは新規の学校専用寮の竣工時期に伴う一時的な空室発生等によるものであり、1Q期中(19/3 4~6月)に契約数が前年同期を上回り、契約数は従来の増加傾向に戻って推移している。
ホテル事業では、今期中にドーミーイン11棟、リゾートホテル3棟を計画しており、中期経営計画達成に向けさらに開発を加速させる。
配当は年43.0円(うち上期20.0円)を予定している。
上期予想も修正なく、以下の通り。
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<参考:コーポレート・ガバナンスについて> |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
コーポレートガバナンス・コード適用後の直近のコーポレート・ガバナンス報告書提出日、2018年7月23日。
<基本的な考え方>
当社は、創業以来「顧客第一を会社の心とする」を経営理念として、「食と住のサービスを通じ、広く社会の発展に寄与する」ことを経営方針として
おります。また、永続的発展と長期的な株主利益の最大化を目指すため、コーポレート・ガバナンスの充実が不可欠と考え、経営の意思決定の迅
速化、経営の監督機能の強化、説明責任の重視・徹底、迅速かつ適切な情報開示等を行っており、透明性、健全性等を確保することが重要な経
営課題であると認識しております。
また、当社は会社法に基づく機関として、株主総会、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しており、これらの機関のほかに、コンプライア
ンス委員会、グループ経営情報交換会を設置しております。
<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
同社は各原則すべてを実施しているが、原則3-1(Ⅳ)及び(Ⅴ)並びに4-3については、2018年6月改訂前のコーポレートガバナンス・コードに沿った実施状況を記載しているため、コード改訂を踏まえた実施状況について、2018年中の更新を予定している。
<開示している主な原則>
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