ブリッジレポート:(4767)テー・オー・ダブリュー vol.48
(4767:東証1部) テー・オー・ダブリュー |
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企業名 |
株式会社テー・オー・ダブリュー |
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社長兼CEO |
江草 康二 |
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所在地 |
東京都港区虎ノ門 4-3-13 ヒューリック神谷町ビル |
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決算期 |
6月 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2017年6月 | 16,251 | 1,811 | 1,823 | 1,206 |
2016年6月 | 15,230 | 1,678 | 1,682 | 1,083 |
2015年6月 | 13,442 | 1,335 | 1,349 | 818 |
2014年6月 | 12,188 | 1,026 | 1,035 | 638 |
2013年6月 | 12,346 | 850 | 864 | 428 |
2012年6月 | 13,935 | 973 | 987 | 508 |
2011年6月 | 10,570 | 378 | 377 | 131 |
2010年6月 | 12,575 | 671 | 670 | 357 |
2009年6月 | 14,210 | 1,401 | 1,392 | 876 |
2008年6月 | 14,397 | 1,362 | 1,343 | 729 |
2007年6月 | 13,070 | 1,051 | 1,041 | 551 |
2006年6月 | 12,341 | 781 | 784 | 423 |
2005年6月 | 10,705 | 771 | 782 | 465 |
2004年6月 | 9,638 | 781 | 765 | 466 |
2003年6月 | 9,441 | 1,103 | 1,073 | 537 |
株式情報(8/22在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
イベント・プロモーション業界で独立系No.1の東証一部上場会社。イベント及びプロモーションの企画・制作・運営や、セールスプロモーションに関するグッズ・印刷物の制作等を手掛ける。インターネットの影響力の拡大を踏まえ、長年培ってきたイベントの制作力とアイディア力にデジタルテクノロジーを加えたインタラクティブプロモーション(IP)に力を入れ、多くの実績を上げている。「世界一の“感動体験”をクリエイトし、笑顔を増やす」を経営理念とし、社名のテー・オー・ダブリューは、「Top Of The World」の頭文字に由来する。
グループは同社の他、イベントの制作・運営・演出及び映像制作を手掛ける(株)ティー・ツー・クリエイティブ(以下、T2C)、及び「スポーツ」の持つ様々な力を引き出し、「スポーツ」に関わる全ての領域で新しいビジネスの可能性を追求する(株)スポーツイズグッドの連結子会社2社。
尚、「インタラクティブ・プロモーション(IP)」とは、デジタル技術とアイディアで感動体験を創りだし、その体験を情報拡散・共感させるプロモーションである。
【事業内容】
イベントの企画から本番実施までの流れ
イベントは、主催者が何らかの目的(対象者に情報を発信したいとの意図)を持った時点で案件が発生する。同社は、主催者よりその目的についての説明を受け、企画の作成に入る。その後、幾度かのミーティングを繰り返す事で、企画書 → 基本計画書 → 実施計画書 → 詳細計画書へと段階的に移行し、最終的には進行台本、施工図面、タイムスケジュール表となり、各種資料に従い舞台作りやリハーサルが行われ、イベント当日を迎える。
同社の業務範囲
イベントの場合、同社は、上記の企画からイベント本番までを受注し、「企画」・「制作」・「運営」・「演出」を行うが、実際のイベント現場では多くの業務がある。具体的には、照明、音響、映像、舞台制作、モデル・コンパニオン・警備員の派遣、整理、撤収、清掃等種々雑多の業務があり、これらの専門業者を外注先として業務毎に発注し、イベント全体をトータルにディレクション、プロデュースする事で主催者の意図を来場者に伝える事が同社の業務である。連結子会社については、(株)ティー・ツー・クリエイティブがイベントの「制作」・「運営」を、(株)スポーツイズグッドがスポーツ体験のプランニング及びプロデュース業務を、それぞれ専業として行っている。
一方、プロモーションの場合は、「企画」、「デザイン」、「制作」が主な業務だが、印刷、プレミアム、グラフィックデザイン、事務局運営、OOH(Out of Home:交通広告や屋外広告等)、Web制作等の業務もあり、同社は、イベント同様、トータルにディレクション・プロデュースし納品する。
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中期的方針 |
中期的方針日本初の「体験デザイン・プロダクション」
「体験デザイン」とは、買い方、作り方、売り方も含めたトータルなブランド体験を設計(デザイン)する事。ブランドとのWow!な体験を起点に、体験者がそのブランドのファンとなり、特にSNSをハブに多様なメディアで体験の拡散・共有を最大化させる仕組みを設計する。同社は日本初の「体験デザイン・プロダクション」を目指すと共に、2020年案件の取込みと更に踏み込んだアライアンス戦略を推進していく。また、規模拡大(=高い収益力維持×戦力増)も図る。
「体験デザイン・プロダクション」
強みである「リアルプロモーション(イベント)」を軸に、IPアライアンス・ユニットの活用とデータ活用&成果追及により、IPの次のフェイズを目指す。具体的には、「ネット(SNS)プロモーション」、「AR、VR、アプリ等のデジタル技術を活用した体験イベント」、及び「動画制作・プロモーション」による統合プロモーションに「データに基づくPRプロモーション」等を組み合わせる事でIP力を強化していく。
更に踏み込んだアライアンス戦略の推進
「リアル」、「デジタル」、「動画」、「PR」、「データ」等で強みを持つ企業と更に踏み込んだアライアンス関係を構築するべく、出資及びM&Aに積極的に取り組んでいく。「デジタル」ではCRブティック(株)ワン・トゥー・テン・デザイン及びコンテンツ制作会社(株)カヤックの2社と、「映像」では太陽企画(株)及び(株)ギークピクチュアズの映像制作会社2社と、「PR」ではPR会社(株)マテリアルと、それぞれアライアンス関係にある。「データ」では、ソーシャルメディア上でのトレンド分析が可能なブームリサーチを全社で導入した。全社員のパソコンからアクセスが可能で企画や効果検証に活用できる。
規模拡大
新卒を定期採用しており、若手(14年4月11人、15年4月15人、16年4月17人、17年4月20人)の増員と戦力化に取り組んでいる。17/6期末のグループ社員は16/6期末の 169人(TOW:133人、T2C:36人)から188人(TOW138人、T2C50人)、18/6期末には210人に増加した。19/6期以降も、高い収益力の維持を前提に戦力増を図っていく。
18/6期を含めた中期方針のレビューと対策
① 一部大手顧客の変革への対応
対応・適応力がまだ不十分
⇒“個の力”から“組織の力への変革
全社の営業を統括できる役員体制とし、営業・管理ナレッジの均質化を図り、中期的視点で受注力を向上
② 高い収益力維持×戦力増=規模拡大
高粗利・高勝率を維持しながら社員増
4年前から新卒を定期採用してきた若手の育成・成長は順調
③ 日本初の『体験デザイン・プロダクション』の深化
体験デザイン力も評価され体験デザイン型の中・大型案件も増加
デザイン力の更なる深化を目指す
⇒データ活用とアライアンスを含め、デザイン力向上と更なる深化を全社的に推進してゆく
広告市場では“非マス領域が伸びており、対応を進める
バイリンガルからマルチリンガルへ、「課題に合わせたデータ活用・メニューを開発し、体験デザインの精度と成果を追求する」
④ “2020年案件の取込み
案件の出現が見込みより遅く、受注はまだ少ない
⇒2年前、500日前、1年前、100日前・・・継続して積極的に仕掛ける
⑤ さらに踏み込んだアライアンス戦略
随時各社とコンタクト中⇒継続
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2018年6月期決算概要 |
前期比2.7%の増収、同2.7%の経常増益
売上高は前年同期比2.7%増の166億88百万円。前期に引き続きマス広告から総合プロモーション(デジタルを含む)へとシフトする顧客ニーズに応えるべく、同社の強みである「リアルプロモーション(イベント)」を軸として「ネット(SNS)プロモーション」、「AR/VR/アプリなどのデジタル技術を活用した体験イベント」、「動画制作・プロモーション」、「データに基づくPRプロモーション」等の新たな領域を組み合わせる“日本初の体験デザイン・プロダクション”を目指し、推進中。データ活用を含めた“体験デザイン力”は徐々に向上し、顧客の評価も高まりつつある中、体験デザイン型の中・大型案件の受注が増加した。
営業利益は前年同期比0.8%増の18億25百万円。これらの施策が成果を上げ、受注領域の拡大や案件単価の上昇につながり、収益率も改善したが、先行投資である17年4月入社の新卒社員の人件費が増加したこと等により、営業利益の伸びは限定的となった。
期初計画比(17年8月8日発表)では、売上高は15百万円(0.1%)増、経常利益は22百万円(1.2%)増、親会社株主に帰属する当期純利益は32百万円(2.7%)増となり、期初計画を上回る結果となったが、営業利益については、一部の大型案件が低収益案件であったこと等により、25百万円(1.4%)減となった。
売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は3期連続で過去最高を更新した。
18/6期初に関西+名古屋支社をT2Cに統合した。17/6期の移管エリアを除いた実質の個別業績は前期比5.3%増収、7.3%経常増益となった。
カテゴリー別は、販促が堅調に推移、文化・スポーツも2桁増となった。尚、制作物が減少したのは、前期に大きく伸びた反動によるもの。
業種別は、スマートフォン、ゲーム関連が牽引した情報通信が大幅に伸びた他、大型の試乗会が増加した自動車も2桁増。食品・飲料・嗜好品、化粧品・トイレタリー・日用品の減少は前期に大きく伸びた反動によるもの。
多くの1億円超の大型案件を受注している。これは顧客との信頼関係の深化と体験デザイン力の深化を示す。
勝率(制作移行件数÷全体企画本数)は同社がガイドラインとする30%を維持している。
18/6期末の総資産は、前期末比12億47百万円増加し、130億55百万円となった。
流動資産は11億42百万円増の113億57百万円となった。これは主に、未収入金が24億24百万円減少したが、電子記録債権が19億70百万円、受取手形及び売掛金が9億71百万円、現金及び預金が6億1百万円増加したこと等によるもの。
固定資産は1億5百万円増の16億97百万円となった。固定資産のうち有形固定資産は、前期比7百万円減の84百万円となった。これは主に、減価償却によるもの。無形固定資産は3百万円増加の21百万円となった。これは主に、ソフトウエアの購入によるもの。投資その他の資産は1億8百万円増加の15億92百万円となった。これは主に、投資有価証券が1億1百万円増加したこと等によるもの。
流動負債は5億12百万円増37億2百万円となった。これは主に、電子記録債務が77百万円減少したが、買掛金が3億66百万円、その他が1億38百万円増加したこと等によるもの。
固定負債は36百万円増の5億20百万円となった。これは主に、繰延税金負債が13百万円、退職給付に係る負債が9百万円、役員退職慰労引当金が8百万円増加したこと等によるもの。
純資産は6億99百万円増加の88億32百万円となった。これは主に、利益剰余金が6億23百万円、その他有価証券評価差額金が57百万円増加したこと等によるもの。
自己資本比率は前期末比1.3ポイント減の66.9%となった。
営業CFは12億40百万円の獲得(前期は8億72百万円の獲得)となった。売上債権の増加額が29億41百万円、法人税等の支払額が6億11百万円あったが、未収入金の減少額が24億24百万円、税金等調整前当期純利益が18億74百万円、仕入債務の増加額が2億89百万円、その他流動負債の増加額が1億6百万円あったこと等によるもの。
投資CFは53百万円の使用(前期は6百万円の使用)となった。有形固定資産の取得による支出が22百万円、投資有価証券の取得による支出が15百万円、無形固定資産の取得による支出が9百万円あったこと等によるもの。
フリーCFは11億87百万円の獲得(前期は8億65百万円の獲得)となった。
財務CFは5億85百万円の使用(前期は5億56百万円の使用)となった。配当金の支払額が5億84百万円あったこと等によるもの。
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2019年6月期業績予想 |
19/6期計画は7.5%減収、8.5%経常減益
19/6期予想は売上高が前期比7.5%減の154億36百万円、経常利益は同8.5%減の17億14百万円を計画する。18/6期は受注が拡大した大手顧客があった一方、一部大手顧客ではイベント・プロモーション領域の度重なる組織改革で商流が細分化・複雑化し内製化も進行、同社の営業的対応が追いつかず受注は低調となった。18/6期にみられたような大型案件が19/6期は見込めないことや、一部の大手顧客の受注を慎重に見込んだ。
受注ペースは前期並み。更なる良質の竹梅獲得を継続する考え。
A:イベントの規模(金額)、実施時期等が決定している案件
B:受注決定だが、金額・実施時期等に不確定要素のある案件
松:同社がほぼ受注する見込みにある案件(80%以上の確度)
竹:企画・提案案件のうち、同社が受注する確度の高い案件(50%以上の確度)
梅:企画・提案中の案件
(2)配当
同社は、利益配分の指標として、連結ベースの配当性向及び株価配当利回りの二つを用いている。具体的には、連結ベースの配当性向40%で算出された1株当たりの予想配当金と、同決算発表日の前日(2018年8月7日)の終値に株価配当利回り4.5%を乗じて算出された1株当たりの配当金のいずれか高い方を最低配当金として配当金を決定している(内部留保を確保するため、連結配当性向換算で50%を上限としている)。
上記計算に基づき算出された19/6期の1株当たり配当金は25.14円。これを踏まえて、通期の予想配当金を前期に比べて1円減配の26円(うち上期配当13円)を予定している。
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<参考:コーポレート・ガバナンスについて> |
基本的な考え方
当社では、コーポレート・ガバナンスの意味を「企業価値の継続的な向上を目指して、経営層による適正かつ効率的な意思決定と業務執行、並びにステークホルダーに対する迅速な結果報告、及び健全かつ公正で透明性の高い経営を実現する仕組みの構築・運用」と考えております。株主をはじめ、顧客、従業員その他のステークホルダーに対する責任を果たすとともに、当社の継続的成長と中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として、以下の基本方針に則って、実効性あるコーポレート・ガバナンスを実現してまいります。
1.株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
2.株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、適切に協働する。
3.会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
4.取締役会による業務執行に対する監督機能の実効性を向上させる。
5.中長期的な株主の利益と合致する投資方針を有する株主との間で建設的な対話を行う。
<実施しない主な原則とその理由>
2016年10月7日の開示において未実施として開示していた補充原則3-1-5【取締役会が経営陣幹部の選任と取締役候補の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明】は以下のとおり対応いたしました。
補充原則3-1-5【取締役会が経営陣幹部の選任と取締役候補の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明】
各取締役候補者の指名の理由については、当該取締役の選任議案に係る株主総会参考書類に記載しております。
<開示している主な原則>
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主・投資家との双方向の建設的な対話を促進し、これにより当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた実効的なコーポレート・ガバナンスの実現をはかることを、当社の責任を果たす上での最重要課題の1つと位置付けます。
このような考えに基づき、当社は以下のような施策を実施します。
1.株主との対話に関する担当取締役の指定
当社は、経営トップ自らが株主との対話に取り組み、管理本部長がIR実務を統括します。
2.社内部署の有機的な連携のための方策
当社は、IR担当部署でもある総務チームが経理チームと日常的に打ち合わせや意見交換を実施しており、開示資料作成に際しても連携し、経営トップを交えて内容の検討を行っております。
3.個別面談以外の対話の手段の充実に関する取組み
当社は、株主総会を株主との重要な対話の場と位置付け、株主総会において、当社事業に関する十分な情報開示の確保をはじめ、株主の皆様からの信認を得られるような運営につとめます。また、当社は、定期的に決算説明会を開催することにより、株主・投資家の皆様とのより緊密なコミュニケーションの実現につとめます。
4.株主の意見・懸念のフィードバックのための方策
当社は、株主・投資家との対話において把握されたご意見や当社に関する懸念を担当部署において取りまとめ、その重要性や性質に応じ、これを定期的に経営陣幹部や取締役会に報告するための体制を整備します。
5.インサイダー情報の管理に関する方策
当社は、株主・投資家の実質的な平等性を確保すべく、公平な情報開示につとめることを基本方針とします。当該方針に基づき、当社に関する重要情報については、適時かつ公平にこれを開示することとし、一部の株主・投資家に対してのみこれを提供することがないよう、その情報管理の徹底につとめます。
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