前年同期比11.8%の増収、同36.7%の営業増益
売上高は前年同期比11.8%増の327億52百万円。バルブ事業が同12.1%増の257億75百万円、伸銅品事業が同11.4%増の62億90百万円、その他が同5.0%増の6億86百万円。計画との比較では、イランの大型プロジェクトへの納入の一部が第2四半期に変更されたためバルブ事業の売上高が計画をわずかに下回ったものの、銅価上昇による販売価格の上昇で伸銅品事業の売上高が計画を上回った。海外売上高比率28.0%(前年同期27.3%)。
営業利益は同36.7%増の26億47百万円。銅市況変動の影響で伸銅品事業の利益が同21.1%減少したものの、収益性の改善でバルブ事業の営業利益が同30.1%増と伸びた。為替差損が増加したものの(△46百万円→△1億09百万円)、四半期純利益は17億12百万円と同68.4%増加した。
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バルブ事業
国内売上高は前年同期比9.9%増の167億86百万円。主力の建築設備向けが、前期及び5月の価格改定効果もあり、同7%増加した他、半導体製造装置向けが同35%増と伸びた。工業用バルブも、定修案件の他、既存プラントの保守・更新を中心に同14%増加したが、自治体の予算消化の遅れで水市場向けが同6%減少した。
海外売上高は同16.2%増の89億89百万円。地域別では、アジア向けが同15%増、前期に底打ちし回復傾向にある米州が同22%増、設備投資の低迷が続いている欧州・その他も同13%増加した。アジアでは、韓国・中国の半導体製造装置向けが好調を維持する中、イランの大型プロジェクトへの納入が始まり中東向けが同2.5倍に拡大。半導体を除く中国も前年同期並みを維持した。一方、欧州は増加したものの、総じて回復感は弱いようだ。
営業利益は前年同期と比べて7億96百万円増加した。内訳は、売上増(10.7億円)、原価低減(2.0億円)、為替(0.7億円)が増益要因となる一方、銅・ニッケル・亜鉛・スクラップ等の原材料市況(△2.0億円)や韓国のバタフライバルブメーカーであるCephasPipelinesCorp.(以下、Cephas社)の子会社化等による費用増(△3.4億円)が減益要因となった。
伸銅品事業
販売量がわずかに減少したものの、売価に影響を与える原材料相場の上昇に伴い販売価格が上昇し、売上高は62億90百万円と前年同期比11.4%増加した。一方、営業利益は、期初における原材料相場変動の影響もあり(4月に入り銅価格が上昇したが、4月初旬の製品価格は3月までの銅価格下落を反映した価格が続いた)、1億27百万円と同21.1%減少した。
その他
ホテル事業における国内の団体宿泊客の取込みが進み売上高が6億86百万円と前年同期比5.0%増加し、営業損失が18百万円と24百万円減少した。外部売上高の大半をホテル事業が占めるため、同事業の繁忙期である第2四半期がポイントになる。
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第1四半期末の総資産は前期末と比べて8億07百万円増の1,343億53百万円。借方では、イランの大型プロジェクト向けの他、業績が好調なキッツエスシーティー、新工場建設を前に在庫投資を行ったキッツメタルワークスを中心にたな卸資産が増加した他、積極的な設備投資により有形固定資産が増加し、韓国Cephas社の子会社化や基幹システム更新投資により無形固定資産も増加した。貸方では、有利子負債が増加した。自己資本比率56.5%(前期末57.1%)。
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イランの大型プロジェクトの納期変更等によるたな卸資産の増加や税金費用の増加等で営業CFが9億58百万円のマイナスとなった。投資CFについては、韓国Cephas社の子会社化や基幹システム更新投資に加え、長坂工場の水素ステーション建設、子会社の設備投資等が要因。財務CFは、配当金の支払いや有利子負債の返済が要因である。
(4)トピックス 「ACHEMA 2018」に出展
2018年6月、3年に1度開催される世界最大のケミカル分野の総合展示会「ACHEMA(アヘマ:国際化学・環境保護・バイオテクノロジー展) 2018」に出展した。会場となった「メッセフランクフルト」には、欧州を中心に世界各国から約14万人が来場した。
同社は、欧州のグループ会社(3社)と共同で出展し、ブースには、Perrrin GmbH(ドイツ)が開発・販売準備中の「超低温トップエントリーバルブ」の他、グループ各社の製品を「Oil&Gas、化学、石油精製・石油化学、クリーンエネルギー、汎用」の5つの分野のカテゴリーに分けて展示し、多彩な製品群とグループシナジーをPRした。