前年同期比21.2%の増収、同35.1%の営業増益
売上高は前年同期比21.2%増の29億26百万円。ソーシャルゲーム市場の拡大を追い風にゲームサポートが同21.0%増と増収をけん引する中、ビットコイン本人認証サービスの寄与等でソーシャルサポートの売上が同9.1%、既存顧客中心にBPOサービスの需要取り込みが進んだアド・プロセスの売上が同9.6%、それぞれ増加。電子デバイスのデバッグを主業務とする(株)アイティエスの寄与(2017年1月に子会社化)等でその他の売上も同81.8%増と伸びた。
営業利益は同35.1%増の5億20百万円。業容拡大に加え、子会社の増加や拠点の新設もあり、販管費が5億11百万円と同11.6%増加したものの、売上の増加とセンターの稼働率向上で営業利益率が17.8%と1.8ポイント改善した。
E-Guardian Philippines Inc.の設立・本格稼働
2017 年7月にE-Guardian Philippines Inc.を完全子会社として新規設立し、同年11月に本格稼働した(11月10日、開所式)。イー・ガーディアン(株)は、2016年4月にセコムグループの(株)TMJと戦略的パートナーシップを締結し、フィリピンに多言語運用センターを構え、カスタマーサポートサービスを提供してきた。ソーシャルゲーム市場において、日本市場に参入する中国系、韓国系等海外ゲーム企業の多言語カスタマーサポートのニーズが増加しており、フィリピンにおけるサービスが順調に推移している。このため、子会社として独立させ事業展開を加速する考え。同子会社は、海外へ進出する日系企業や日本へサービスを提供する外資系企業向けに投稿監視等のネットパトロールや広告BPO、Webセキュリティ診断サービス、更にはビットコイン取引所に関連するサービスのグローバル展開拠点としての役割を担っていく。
イー・ガーディアン東北(株)郡山センターがオープン
イー・ガーディアン東北(株)が2018年3月29日付けで福島県郡山市に郡山センターを開設し、同年5月1日、サイバーセキュリティや仮想通貨事業のグローバル展開に向けて本格稼働した。同センターでは、投稿監視等の既存サービスに加え、今後、更なるニーズの高まりが予想されるフィンテックやソーシャルゲーム等の最新ITサービスに特化した部隊を配置し、より専門性の高いサービスの提供を目指している。
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ソーシャルサポート
売上高9億39百万円(前年同期比9.1%増)。2017年1月に開始した「ビットコイン本人認証サービス」の通期寄与等が増収要因。「ビットコイン本人認証サービス」はビットコイン口座開設時に本人確認資料の審査を行うサービスで、2016年5月に成立し、2018年4月に施行された改正資金決済法(いわゆる仮想通貨法)が追い風になっている。同法により、仮想通貨取引所が登録制となり、口座開設時の本人確認が義務付けられた。
2018年1月30日付けで「TextVoice(テキストボイス)」の提供を開始した。「TextVoice」は、動画コンテンツが著作権侵害や薬機法違反に該当していないか等を監視するAIシステム。スマートフォンの普及により動画視聴が定着し、ライブ動画配信や動画広告等のサービスが増加している一方、著作権侵害や薬機法違反等配信コンテンツの安心・安全性の担保が課題となっている事に対応したもの。同社はこれまでに、AI を活用したテキスト投稿監視システム「E-Trident」や東京大学と連携し、業界初となる人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」、画像内物体検知システム「Kiducoo AI」を開発し、投稿監視で培ったビッグデータ解析ノウハウと掛け合わせる事で、実用的な AI ソリューションを提供していた。「TextVoice」は、人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION(ロカ ソリューション)」や画像内物体検知システム「Kiducoo AI(キヅコウ エーアイ)」等、既存のAIソリューションと組み合わせる事で、多角的視点からの動画監視が可能になる。
ゲームサポート
売上高12億4百万円(前年同期比21.0%増)。新規案件獲得等で既存顧客の深耕が進んだ事に加え、日本に進出する海外企業の需要取り込みが進んだ。
既に説明した通り、2017年11月に、日本市場に参入する中国系・韓国系等の海外ゲーム企業の多言語CSや、多様化する顧客ニーズに対応するべく、多言語対応のE-Guardian Philippines Inc.が本格的に稼働した。また、下期に入り2018年4月19日にゲームサポート業務に特化した大阪GAMELABO(大阪市北区 梅田)を開設した。大阪GAMELABOはゲーム関連サービスのハブ拠点としての役割を担うもので、ゲームに精通した人員のみで構成されている。これまで同社は、国内外9箇所のセンターでゲームに留まらず幅広くインターネット関連のサービス提供を行ってきたが、VRやAR、eスポーツ等、ゲーム自体が多様化し、更なる専門性が求められるようになってきた。こうしたニーズに応えるべく、ゲームに精通した人員のみで構成するゲーム関連サービスのハブ拠点として大阪GAMELABOを開設した。
アド・プロセス
売上高3億54百万円(前年同期比9.6%増)。働き方改革を背景としたBPOニーズの取込みにより、既存顧客の深耕が進んだ。
2018年2月8日付けで、仮想通貨取引所や広告代理店を対象に仮想通貨に関する広告の審査代行を行う「仮想通貨広告パトロール」の提供を開始した。このサービスは、仮想通貨関連広告の大手メディアへの掲載制限や広告コンテンツの規制厳格化に対応するもの。ブロックチェーン主要団体等が発表する広告配信における留意事項や顧客企業の基準、ガイドラインや景品表示法等の広告関連法に基づき、専門スタッフが掲載前や掲載中の広告の原稿をチェックする。
その他
売上高4億29百万円(前年同期比81.8%増)。2017年1月に子会社化した電子デバイスのデバッグを手掛ける(株)アイティエスが期初から寄与した他、EGセキュアソリューションズ(株)がWebアプリケーション脆弱性診断を中心に売上を伸ばした。
2018年1月9日付けで、EGセキュアソリューションズ(株)が無線LAN診断を開始した。情報家電や自動車、オフィス機器、工場設備等あらゆるモノがネットワークを介してつながるIoTのセキュリティが重要な経営課題となっている事に対応したサービスである。ディーアイエスソリューション株式会社(東京都品川区、取締役社長 小峰伴之)が有する無線LANの技術とEGセキュアソリューションズのセキュリティの知見を組み合わせて、専門スタッフが現地にて管理外の無線アクセスポイントの存在を調査し、不正アクセスにつながる危険性が無いかをレポートで提出する。
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18/9期第2四半期(1-3月)の営業利益の前四半期比減少はセンター投資によるもの。上記グラフが示す通り、営業利益は右肩上がりの傾向が続く中で一時的に減少する事があるが、これはセンター等への投資やM&Aの影響によるもので、いわゆる先行投資。
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上期末の総資産は前期末との比較で3億47百万円増の35億34百万円。主な増加科目は、現預金、純資産、及び拠点開設等による有形固定資産。期末自己資本比率は72.2%(前期末70.4%)。
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税金費用の増加等があったものの、営業CFは前年同期比30.8%増の3億42百万円を確保。投資CFの出超の減少は、M&A関連支出の減少による。