アプリやゲーム等のエンターテインメントソフトウェア開発サービス(ソリューション事業、BtoB)を中心に、パソコン(PC)やモバイル向けゲームの開発・運営等(コンテンツプロパティ事業、BtoC)を手掛ける。ソリューション事業では、エンターテインメントソフトウェア開発で培ったインターフェイス系の強みを活かし、スマートフォンアプリ・WEBサイト開発・運営等の非エンターテインメント系企業向けサービスを育成・強化している。
グループは、同社の他、飲食店・病院・美容院・時間貸駐車場・エステサロン等の順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の基幹システム開発・保守を手掛ける連結子会社 株式会社EPARKテクノロジーズ(出資比率58.3%)、及びペットサロン・動物病院のポータルサイトを運営(予約・送客サービス)する持分法適用関連会社 イーペットライフ株式会社(同25.3%)
【企業コンセプトと行動指針】
企業コンセプトは、「まじめに面白いを
創る会社。未来の楽しいを
造る会社」。行動指針を、「スピード×クオリティ×チャレンジ」としている。
スピード。常にフルスピードを意識する。今日できる事は今日やる。今出る事は今やる。後回しにしない。
クオリティ。妥協せず常に最高のクオリティを目指す。量は質に転嫁する。多くのアイデア、多くの成果、多くの挑戦など、多くを生み出すことが、クオリティの高いものに結実する。全ての成果はお客様のためにある。お客様が満足するクオリティを目指す。
チャレンジ。失敗を恐れずに前に踏み出す。現状に満足せず、常に改善を心がける。
【沿革】
2005年5月にソフトウェアの開発・販売を目的に設立され、同年12月に受託開発サービス(ソリューション事業)を開始した。2006年4月には特定労働者派遣事業の届出を行い、同年5月に人材ソリューションサービス(同)を開始。コンテンツプロパティ事業では、2007年2月に任天堂Wii 「バーチャルコンソール」にてメサイヤゲームスの配信を開始し(日本コンピュータシステム(株)のゲームブランドを代理店契約の下で利用。2014年11月にブランドを譲受)、2008年3月にはソニー・コンピュータエンタテインメント「ゲームアーカイブス」で同様のサービスを開始した。自社開発ゲームでは、2008年9月にPCダウンロード型ゲーム「桃色大戦ぱいろん・ぷらす」のサービスを開始し、2011年4月にニコニコアプリ(PCブラウザゲーム)「桃色大戦ぱいろん・生」のサービスを開始。2014年12月に東証マザーズに株式を上場した。
2016年4月、非エンターテインメント系を強化するべく、通信・商業・サービス等で顧客を有する(株)ウィットネストを子会社化(2018年4月にグループ経営の一層の効率化を目的に吸収合併)。2018年5月には、順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の運営主体である(株)EPARKと資本業務提携すると共に(第三者割り当てにより5.51%の出資を受けた)、その孫会社で「EPARK(イーパーク)」の基幹システムの開発・保守を手掛ける(株)EPARKテクノロジーズに出資し(出資比率58.3%)、子会社化した。
【事業の概要】
事業は、ソリューション事業とコンテンツプロパティ事業に分かれ、18/3期はソリューション事業が連結売上高の98.4%を占めた。各事業の概要は次の通り。
ソリューション事業
開発・設計・企画技能を有する同社正社員の技術者(クリエイター&エンジニア)による人材ソリューション(人材派遣)や受託開発の人材事業(開発支援)を中心に、通信・商業・サービス等の非エンターテインメント系企業を主要顧客とするサーバ構築等の受託事業(吸収合併した子会社の事業領域)を手掛けており、19/3期以降は、2018年5月に連結子会社化した(株)EPARKテクノロジーズが手掛ける順番予約サイト「EPARK」関連の受託事業の収益も計上される。
顧客は、ゲーム等のエンターテインメント(エンタメ)系を主軸としつつも、近年ではIT・Web業界等の非エンタメ系の構成比が上昇しており、上場時は売上高全体の30%程度であった売上構成比が40%超に上昇している。これは、ゲーム開発等で培ったクリエイティブな開発スキルがWeb等の業界にシームレスに活用できるという同社独特の強みが生かされた結果であると考えられる。
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尚、人材事業は、契約形態の違いにより、人材ソリューションサービス(労働者派遣契約)と受託開発サービスに分かれ、人材ソリューションサービスが労働者派遣契約に基づき提供されるのに対して、受託開発サービスは請負契約に基づき提供される。同社は、人材ソリューションサービスに注力しており、売上に占める割合も人材ソリューションサービスの方が大きいが、プロジェクトの内容または取引先の意向によっては業務請負(委託)契約になる場合がある。
18/3期 人材ソリューションサービス売上高 144,328千円 |
= |
派遣社員数238名 × 派遣単価600千円+超過精算1,552千円 |
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18/3期 受託開発サービス売上高 104,283千円 |
= |
受注件数43件 × 受注単価2,425千円 |
コンテンツプロパティ事業
PC・スマホ向けゲームの企画・開発・運営を行うゲームサービス、ゲームキャラクター等の使用許諾のライセンスサービス、及び協業スタイルでの他社とのゲーム開発や運用を行う協業開発サービスに分かれる。
ゲームサービスでは、「つみにん ~うみにん大サーカス~」や「メサイヤゲームス」ブランドでの配信を行っている。ゲームサービスは競争激化で厳しい事業環境にあるが、自らが事業主体となって開発・運用を行う事は人材育成の面で大きな意義を持つ。
ライセンスサービスは、収益源の多様化を目的としたマルチユース戦略に基づくもので、同社が保有するゲームタイトルやキャラクターについて、第三者が制作、販売するマンガ、小説、フィギュア、カードゲーム、スマートフォンアプリ、ダウンロード形式ゲームソフト販売など様々な商材へ使用許諾を行い、ライセンス料を得ている。
協業開発サービスでは、SNSプラットフォーマーや大手ゲームパブリッシャー、或いは著名IP(Intellectual Property:知的財産)等を保有する版元企業等とのアライアンスの下、同社が開発及び運営・運用を担い、契約条件に応じて収益を得ている。契約形態は初期開発フェイズ、運営開発フェイズの2つに大別され、初期開発フェイズにおいては開発にかかる対価を受領し、運営開発フェイズにおいてはサーバ等の変動費用及び月次売上に応じた成功報酬を得るモデルが主流となっている。
ゲームサービス1日当たり売上高 |
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1日当たりプレイ人数×課金率×課金単価 |
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ライセンスサービス売上高 |
= |
契約金(ミニマムギャランティ) + ロイヤリティ単価×販売数 |
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協業開発サービス売上高 |
= |
初期開発費+ロイヤリティ単価×販売数 |