ブリッジレポート:(6033)エクストリーム vol.3
(6033:東証マザーズ) エクストリーム |
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企業名 |
株式会社エクストリーム |
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社長CEO |
佐藤 昌平 |
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所在地 |
東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル |
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決算期 |
3月末日 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2018年3月 | 3,261 | 295 | 298 | 174 |
2017年3月 | 3,289 | 436 | 433 | 278 |
2016年3月 | 2,403 | 188 | 185 | 120 |
2015年3月 | 1,667 | 185 | 176 | 109 |
2014年3月 | 1,332 | 2 | 2 | -27 |
株式情報(7/12現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
アプリやゲーム等のエンターテインメントソフトウェア開発サービス(ソリューション事業、BtoB)を中心に、パソコン(PC)やモバイル向けゲームの開発・運営等(コンテンツプロパティ事業、BtoC)を手掛ける。ソリューション事業では、エンターテインメントソフトウェア開発で培ったインターフェイス系の強みを活かし、スマートフォンアプリ・WEBサイト開発・運営等の非エンターテインメント系企業向けサービスを育成・強化している。
グループは、同社の他、飲食店・病院・美容院・時間貸駐車場・エステサロン等の順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の基幹システム開発・保守を手掛ける連結子会社 株式会社EPARKテクノロジーズ(出資比率58.3%)、及びペットサロン・動物病院のポータルサイトを運営(予約・送客サービス)する持分法適用関連会社 イーペットライフ株式会社(同25.3%)
【企業コンセプトと行動指針】
企業コンセプトは、「まじめに面白いを創る会社。未来の楽しいを造る会社」。行動指針を、「スピード×クオリティ×チャレンジ」としている。
スピード。常にフルスピードを意識する。今日できる事は今日やる。今出る事は今やる。後回しにしない。クオリティ。妥協せず常に最高のクオリティを目指す。量は質に転嫁する。多くのアイデア、多くの成果、多くの挑戦など、多くを生み出すことが、クオリティの高いものに結実する。全ての成果はお客様のためにある。お客様が満足するクオリティを目指す。チャレンジ。失敗を恐れずに前に踏み出す。現状に満足せず、常に改善を心がける。
【沿革】
2005年5月にソフトウェアの開発・販売を目的に設立され、同年12月に受託開発サービス(ソリューション事業)を開始した。2006年4月には特定労働者派遣事業の届出を行い、同年5月に人材ソリューションサービス(同)を開始。コンテンツプロパティ事業では、2007年2月に任天堂Wii 「バーチャルコンソール」にてメサイヤゲームスの配信を開始し(日本コンピュータシステム(株)のゲームブランドを代理店契約の下で利用。2014年11月にブランドを譲受)、2008年3月にはソニー・コンピュータエンタテインメント「ゲームアーカイブス」で同様のサービスを開始した。自社開発ゲームでは、2008年9月にPCダウンロード型ゲーム「桃色大戦ぱいろん・ぷらす」のサービスを開始し、2011年4月にニコニコアプリ(PCブラウザゲーム)「桃色大戦ぱいろん・生」のサービスを開始。2014年12月に東証マザーズに株式を上場した。
2016年4月、非エンターテインメント系を強化するべく、通信・商業・サービス等で顧客を有する(株)ウィットネストを子会社化(2018年4月にグループ経営の一層の効率化を目的に吸収合併)。2018年5月には、順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の運営主体である(株)EPARKと資本業務提携すると共に(第三者割り当てにより5.51%の出資を受けた)、その孫会社で「EPARK(イーパーク)」の基幹システムの開発・保守を手掛ける(株)EPARKテクノロジーズに出資し(出資比率58.3%)、子会社化した。
【事業の概要】
事業は、ソリューション事業とコンテンツプロパティ事業に分かれ、18/3期はソリューション事業が連結売上高の98.4%を占めた。各事業の概要は次の通り。
ソリューション事業
開発・設計・企画技能を有する同社正社員の技術者(クリエイター&エンジニア)による人材ソリューション(人材派遣)や受託開発の人材事業(開発支援)を中心に、通信・商業・サービス等の非エンターテインメント系企業を主要顧客とするサーバ構築等の受託事業(吸収合併した子会社の事業領域)を手掛けており、19/3期以降は、2018年5月に連結子会社化した(株)EPARKテクノロジーズが手掛ける順番予約サイト「EPARK」関連の受託事業の収益も計上される。
顧客は、ゲーム等のエンターテインメント(エンタメ)系を主軸としつつも、近年ではIT・Web業界等の非エンタメ系の構成比が上昇しており、上場時は売上高全体の30%程度であった売上構成比が40%超に上昇している。これは、ゲーム開発等で培ったクリエイティブな開発スキルがWeb等の業界にシームレスに活用できるという同社独特の強みが生かされた結果であると考えられる。
尚、人材事業は、契約形態の違いにより、人材ソリューションサービス(労働者派遣契約)と受託開発サービスに分かれ、人材ソリューションサービスが労働者派遣契約に基づき提供されるのに対して、受託開発サービスは請負契約に基づき提供される。同社は、人材ソリューションサービスに注力しており、売上に占める割合も人材ソリューションサービスの方が大きいが、プロジェクトの内容または取引先の意向によっては業務請負(委託)契約になる場合がある。
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2018年3月期決算 |
前期比0.8%の減収、同32.3%の営業減益
売上高は前期比0.8%減の32億61百万円。このうち、主力のソリューション事業の売上は同1.0%増の32億13百万円。子会社(株)ウィットネストで発生した、大型のエンターテイメント向けサービスの開発案件や大手SIer からの中規模システムの開発案件の失注が響いた。一方、エクストリーム本体が手掛ける人材事業(人材ソリューション+受託開発)は、Web関連顧客との取引拡大等、旺盛な需要を背景に同5.3%増加した。ただ、人材採用の計画未達で想定には届かなかった模様。コンテンツプロパティ事業は収益性の高いライセンスサービス中心に展開したため、売上が52百万円と同51.2%減少した。
営業利益は、広告宣伝費、給与水準の見直し、システム投資等が負担となり、2億95百万円と同32.3%減少した。ソリューション事業は同12.7%減の7億22百万円。エクストリーム本体が手掛ける人材事業の利益が給与水準見直しの影響等で同9.7%減少した他、(株)ウィットネストも失注の影響で利益が減少。一方、コンテンツプロパティ事業は収益性の高いライセンスサービスの寄与で24百万円と前期の3百万円から増加した。
売上高が8億10百万円~8億20百万円で安定的に推移したが、給与水準の見直し等による労務コストの上昇で前期と比べて利益水準が低下した。労務コスト上昇分の派遣単価への転嫁に取り組んでいる。
月次プロジェクト数(期中累計)が、前期の4,240件から4,428件へ前期比4.4%増加し、派遣単価も1月を除いて計画を上回った。ただ、人材採用の遅れで、プロジェクト数は期を通して計画を下回る水準で推移し、月を追う毎に計画と実績の乖離が大きくなった。
11月に開始した採用改革効果が徐々に現れ、第4四半期は売上が伸びた。ただ、顧客需要は引き続き旺盛。一段の供給力強化が課題である。採用改革とは採用基準の引き下げによる採用人員の増員。ただ、教育・研修により一定水準以上にスキルアップを図った上で稼働させる。現在、非稼動人員はないが、トラックレコードがないため当初の単価は低くなる。
主要KPI プロジェクト稼働数、取引先数、クリエイター&エンジニア数
Web系顧客の開拓効果等で取引先数は増加した。右肩上がりの傾向が続いている事が確認できる。ただ、クリエイター&エンジニアの採用が追い付かず、プロジェクト稼働数が伸び悩んだ。
プロジェクト稼働数は、人材ソリューションサービス及び受託開発サービスを合算した期中累計から算出。
取引先数は、期中において取引(売上)が発生した顧客企業数を1とした通期合算から算出。
クリエイター&エンジニア数は、期末日または四半期末時点における社外常駐プロジェクトに従事したクリエイター&エンジニア数。
コンテンツプロパティ事業
「改造町人シュビビンマン」のパッケージソフト復活、メサイヤ版権レトロゲーム8タイトルのダウンロード販売開始、「桃色大戦ぱいろん」のスマホアプリのライセンスアウト、生誕25周年記念「超兄貴祭」開催等、ライセンスサービスを中心に展開した。
期末総資産は前期末と比べて37百万円増の20億99百万円。現預金及び純資産が主な増加要因。無形固定資産の大半はウィットネストの子会社化に伴う、のれん1億51百万円(2億52百万円を5年償却。減損の兆候なし)。自己資本比率59.9%(前期末55.1%)。
税金費用の増加(△28百万円→△2億19百万円)で営業CFが減少したものの、前期を上回る1億33百万円のフリーCFを確保した。財務CFのキャッシュアウトは有利子負債の減少と配当の支払いによる。
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2019年3月期業績予想 |
2018年4月にグループ経営の一層の効率化を目的に、サーバ構築等の受託事業を手掛ける(株)ウィットネストを吸収合併した。また、2018年5月には、順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の運営主体である(株)EPARKと資本業務提携すると共に(第三者割り当てにより5.51%の出資を受けた)、その孫会社で「EPARK」の基幹システムの開発・保守を手掛ける(株)EPARKテクノロジーズに出資し(出資比率58.3%)、子会社化した。(株)エクストリームと(株)EPARKはパートナーシップ体制を構築し、(株)EPARKテクノロジーズが(株)エクストリームの連結子会社として「EPARK」の基幹システムの開発を担っていく。
尚、「EPARK」とは、登録会員約2,000万人、提携店舗数約10万店舗の人気施設の予約・順番受付サイト。PC、スマートフォン等から無料で利用でき、飲食・歯科・病院・薬局・リラクゼーションサロン・ヘアサロン・駐車場といった様々なジャンルで、予約・順番受付が可能。三井アウトレット、ららぽーとを中心に各種商業施設での導入も進んでいる。
前期比74.5%の増収ながら、同44.6%の営業増益予想
売上高は前期比74.5%増の56億90百万円。既存顧客の保守案件を中心に利益確保を優先する旧ウィットネストの受託事業(持ち帰り型)が2億90百万円と同47.8%減少するものの、人員の充足が進む人材事業が34億円と同27.1%増加する中、EPARK関連の受託事業の売上20億円が上乗せされる。
営業利益は同44.6%減の1億63百万円。人材確保のための広告宣伝強化と企業認知活動の成果が前期後半から顕在化しつつあるものの、引き続き人材確保のための取り組みが必要と考えている。また、EPARK関連の組織・システム構築等の先行投資も負担となる。
配当は未定。同社は配当性向20%を目安として株主還元を実施していく考えだが、19/3期については、EPARK関連売上、利益水準によって予想値の変動が想定される事から、現段階においては「未定」としている。
(2)事業別見通し
人材事業
これまでの実績を踏まえ、合理的な積み上げ予測に基づき売上高34億円(前期比27.1%増)を想定。プロジェクト稼働数は、各部門の前期末プロジェクト数をベースに、当期採用予定数及び実績を基にした退職係数を勘案しており、採用計画については、過去実績を踏まえ合理的に見込まれる採用数を前提としている。具体的には、月次4~5名の高スキル保有者、1~2名の中スキル保有者の採用を想定。稼働単価については、現単価をベースに契約更新時(3ヶ月毎)の単価上昇率実績を勘案した。
プロジェクト数については、採用状況が回復傾向にある事と採用基準を見直して増員を図る事を前提に、月次9~25の増加ペースを想定している。クリエイター&エンジニアの採用基準を引き下げで積極採用するものの、社員のスキル教育・研修は同社の強みであり、採用後の教育・研修でクオリティを一定レベル確保する考え。
単価については、既存社員は実績及び需給環境を勘案し、期首から期末にかけて13千円程度の単価上昇を想定しているが、プロジェクト数達成のために、①正社員以外の協力会社プロジェクト(SES:平均単価555千円)と②積極採用(経験値は浅いが教育研修で一定技術レベルを確保:平均単価300千円)による、期中稼働数増加の影響を織り込んだ。もっとも、②は、将来的に単価上昇余地があり、一過性の現象である。
受託事業(持ち帰り型)
売上高2億90百万円(同47.8%減)を想定。売上種別を、新規受注案件、既存保守案件、既存追加案件、の3つに大別し、それぞれで、過去実績も含めて商談中の案件の受注確度を勘案し、受注済案件に上乗せした。
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<参考:コーポレート・ガバナンスについて> |
基本的な考え方
当社は、企業活動を支えるあらゆるステークホルダーの利益を重要視しており、長期的、継続的また効率的な株主価値の最大化を実現する上でも、コーポレート・ガバナンスの確立を重要な経営課題であると認識しております。企業の社会的責任については、株主のみならず、多くのステークホルダー、また直接的な利害関係者でない社会全般に対してもコーポレート・ガバナンスを基盤として会社全体で使命を共有し、事業の根幹たる「お客様を幸せにする」においてたゆまぬ付加価値創造に注力すべく、従業員に対し基本的な心構え・指針となるよう「社内規程」の整備・徹底を図っております。
<実施しない原則とその理由>
当社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則を実施しております。
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