ブリッジレポート:(4783)日本コンピュータ・ダイナミクス vol.51
(4783:JASDAQ) 日本コンピュータ・ダイナミクス |
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企業名 |
日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社 |
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社長 |
下條 治 |
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所在地 |
東京都品川区西五反田 4-32-1 |
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決算期 |
3月 |
業種 |
情報・通信 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2018年3月 | 16,237 | 783 | 807 | 526 |
2017年3月 | 15,405 | 347 | 333 | 249 |
2016年3月 | 13,843 | 382 | 389 | 205 |
2015年3月 | 13,115 | 243 | 257 | 41 |
2014年3月 | 11,946 | 278 | 310 | 124 |
2013年3月 | 11,790 | 238 | 289 | 119 |
2012年3月 | 11,272 | 252 | 307 | 68 |
2011年3月 | 10,658 | -83 | 11 | -113 |
2010年3月 | 11,542 | 56 | 129 | 26 |
2009年3月 | 12,521 | 415 | 460 | 212 |
2008年3月 | 9,539 | 553 | 581 | 315 |
2007年3月 | 9,292 | 261 | 315 | 186 |
2006年3月 | 8,851 | 409 | 424 | 199 |
2005年3月 | 7,607 | 321 | 348 | 228 |
2004年3月 | 7,570 | 340 | 368 | 160 |
2003年3月 | 6,859 | 322 | 283 | 74 |
株式情報(7/4現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
独立系ソフトウェア開発会社のパイオニア。コンサルティングからシステム運用までを手掛けるシステム開発事業、システムの運用管理とテクニカル・サポートを主体としたサポート&サービス事業、及び自転車駐輪場システムの開発・運用を行なうパーキングシステム事業を展開。システム開発事業やサポート&サービス事業は優良顧客との継続的な取引が特徴。また、電磁ロック式駐輪場での導入実績No.1を誇るパーキングシステム事業は成長性に富み、収益性も高い。
事業拠点は本社(東京都品川区)のほか、江東サービスセンター(東京都江東区)、福岡営業所(福岡県福岡市)、長崎営業所(長崎県長崎市)を構えている。連結子会社は、国内にはIT関連事業、パーキングシステム事業を行うNCDテクノロジー(株)(東京都品川区)、IT関連事業を行う(株)ゼクシス(大阪府大阪市)、アジア諸国より人材を斡旋するEast Ambition(株)がある。2018年3月には、品質の高い駐輪場管理の実現を目的としてNCDプロス(株)(東京都品川区)を設立した。海外では中国天津市に天津恩馳徳信息系統開発有限公司(NCD China)があり、アジア日系企業向けサービスや日本向けオフショア開発を行っている。
社名の"日本コンピュータ・ダイナミクス"には、「コンピュータをダイナミックユースして社会に貢献する(Dynamic use of Computer)」と言う創業時の思いが込められている。尚、2017年3月16日付けで創立50周年を迎えた。
18/3期の売上構成比はシステム開発事業35.3%、サポート&サービス事業27.9%、パーキングシステム事業36.6%、その他0.2%。
【特徴と強み】
「システム開発事業・サポート&サービス事業」
システム開発事業とサポート&サービス事業では、長期継続を特徴とする優良な顧客資産が強みの一つだ。主な取引先として、東京ガス、西部ガス、マニュライフ生命、メットライフ生命、三井住友海上火災、日本生命、東京海上日動火災、富士ゼロックスグループ、パナソニックグループ、ソニーグループ、ウシオ電機、商船三井、日本水産、KADOKAWA、エスアールエル、ぐるなび、高砂熱学工業、竹中工務店、東京鐵鋼、福岡県庁、ヤクルト本社、日本トイザらス、久月、匠大塚等、一般企業から官公庁まで幅広い業種に対応している。
システム開発事業では、アプリケーションからインフラまでの企画・提案と設計構築までを行う。
サポート&サービス事業ではアプリケーションシステムからインフラまでの保守・運用と業務サポートを提供する。
サポート&サービスの成長
◆保守運用のリモートサービス
他社が構築したアプリケーションを、同社がリモートで保守運用を行うマネージドサービスセンターを2004年に立上げた。現在では、24時間365日のリモートシステム監視、AWS等のクラウドサービス構築を主力サービスとし、立上げ当初から3倍の規模に成長している。また、業務拡大に伴い2018年度は、長崎営業所に第2マネージドサービスセンターを開設する予定。
◆保険会社向けサポートサービス
従来より取り組んできたヘルプデスクサポート業務、インフラサポート業務での実績を積み重ね、顧客のもとでサポートを行うオンサイト業務は、200名を超える体制でサービスを行っている。
パッケージソリューションビジネスの成長
◆基幹業務システム「奉行シリーズ」
オービックビジネスコンサルタントより販売及び導入実績を評価され 『OBC Partner Award 2016-2017 優秀賞』を受賞した。
<導入実績>保険業、電気機器、鉄鋼、卸売業、小売業、食料品、他
●オリジナルパッケージツール
◆グローバル対応ERPパッケージ 日本企業のメキシコ現地法人への導入実績が評価され、同社タイ現地法人へと実績を重ねている。
<導入実績>化学関連企業(メキシコ、タイ)の現地法人
◆中国国内シェアNo.1のERPパッケージ「用友」
豊富な導入実績を元に、NCD Chinaとともに中国・東南アジアの現地法人をサポート。
<導入実績>化学関連企業〈中国(山東省青島市、広東省佛山市)、タイ、インドネシア〉の現地法人
●オリジナルパッケージツール
◆世界No.1のCRMプラットフォーム「salesforce」
導入及び個別開発支援とともに、オリジナルパッケージツールが評価され販売実績を重ねている。
<導入実績>情報・通信業、卸売業、小売業、食料品、不動産業、サービス業、他
●オリジナルパッケージツール
将来に向けた取り組み
◆新しいライフスタイル提案型サイクルショップ「STYLE-B(スタイルビー)」がオープン。
2018年3月13日に、東急池上線五反田駅~大崎広小路駅間の高架下の山手通り沿いにオープンした。日本初上陸となるカリフォルニア発の自転車『Pure Cycles(ピュアサイクル)』を販売するとともに、洗練されたデザインの『コインランドリー』を展開する。また、手づくりドーナッツ専門店『DOUGHNUT PLANT(ドーナッツプラント)』 と、新鮮・おいしい・適正価格をモットーにした大人気の『旬八青果店(シュンパチ)』も出店する。
◆自転車ライフをより豊かにする商品展開
同社のWEBセレクトショップ「B's supply(ビーズサプライ)」にて販売している。
「パーキングシステム事業」
IT企業としては異色である、成長の牽引役であるパーキングシステム事業であるが、放置自転車問題が社会問題化していた1999年にいち早く参入している。IT技術とコンサルティング力を人々の暮らしに役立てたいという同社の思いと、オフィス街及び駅周辺での放置自転車に悩む自治体の要望がマッチし、IT化された駐輪場は順調に増加し放置自転車は減少、社会課題の解決にも大いに貢献した。
2017年5月1日に施行された自転車活用推進法では、自治体に「自転車専用道路の整備」や「シェアサイクル施設の整備」など、自転車に関連する15項目について、計画や実施を求めている。また、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、公共交通手段に代わる自転車(コミュニティサイクル)の活用の機運も高まっている。同社は「ITと自転車で街と未来を変えていく」をコンセプトに、IT技術とコンサルティング力で挑戦していく。
主なサービスは以下の通り
・駐輪場総合コンサルティング(土地活用・導入・運営)
・自転車駐輪場管理システムの販売(設計・施工・開場)/運用管理
・自転車駐輪場管理システムの運用管理
パーキングシステムの成長
◆電磁ロック式駐輪場 導入実績No.1
時間貸し無人駐輪場(EcoStation21)でのノウハウにより、2009年にコミュニティサイクル(ecoport)、2013年に月極駐輪場(ECOPOOL)へとサービス領域を拡大した。同社は電磁ロック式駐輪場での導入実績No.1を誇る。
◆自治体と共に街づくりを支援
自治体より指定管理者に選定され、官民協働による施設の設置・運営を行っている。また、2017年9月に東京都知事より感謝状を授与された。
全国で1,639箇所 425,189台(18/4/1現在)を展開
以下のように多くの自治体や事業者を顧客としている。
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2018年3月期決算 |
前期比5.4%の増収、142.1%の経常増益
売上高は前期比5.4%増の162億37百万円。システム開発事業、サポート&サービス事業、パーキングシステム事業がいずれも増収、特にパーキングシステム事業が大幅な増収となった。
経常利益は同142.1%増の8億7百万円。前期と比較して利益率が大幅に向上した。中期経営計画のグループ重点施策として掲げた「業務プロセスの改善による収益性の向上」のための諸施策が効果を現し、安定した収益を生み出した。売上総利益率が16.5%と前期比2.7ポイント増の大幅な改善、販管費率は微増にとどまり、営業利益は同125.7%増の7億83百万円となった。営業外では補助金収入の増加や前期に計上した自己株式取得費用がなくなり、経常利益を押し上げた。減損損失の計上や法人税等の正常化等により純利益は同111.2%増の5億26百万円。
システム開発事業は売上高57億38百万円(前期比1.2%増)、営業利益5億49百万円(同41.2%増)。営業体制強化策が功を奏し順調に案件獲得が進むとともに、地道なプロジェクト進捗管理活動、品質管理強化活動によりプロジェクト採算性が大幅に向上したことにより、大幅な増益となった。
サポート&サービス事業は売上高45億24百万円(前期比5.0%増)、営業利益2億67百万円(同109.5%増)。順調な増員要請に基づく事業拡大が続いたこと、さらにIT基盤事業拡大や新規領域獲得のための投資に対する回収が進み、安定した収益を生み出せる体質となり、大幅な増益となった。
パーキングシステム事業は売上高59億48百万円(前期比10.3%増)、営業利益9億25百万円(同24.2%増)。自治体向けの機器販売における大型案件の獲得や、駐輪場利用料収入が引き続き堅調に推移したこと、さらに業務効率化推進策により収益が改善し、大幅な増収増益となった。
18/3期末の総資産は前期末比2億19百万円増加し、110億70百万円となった。建物及び構築物(純額)が2億96百万円、受取手形及び売掛金が1億35百万円増加した。一方、リース債権及びリース投資資産が3億66百万円減少した。
負債は前期末比3億18百万円減少し、79億81百万円となった。リース債務が2億94百万円、退職給付に係る負債が1億49百万円減少した。
純資産はおもに利益剰余金の増加により、前期末比5億38百万円増加し、30億89百万円となった、
自己資本比率は、前期末4.3ポイントと大幅に上昇し、27.8%となった。
18/3期末の現金及び現金同等物の残高は前期末比33百万円減少し、27億円となった。
営業CFは前期比9百万円増加し7億91百万円となった。主な流入要因は、税金等調整前当期純利益7億84百万円及び減価償却費2億27百万円。一方、主な流出要因は、法人税等の支払額2億14百万円及び売上債権の増加額1億35百万円。
投資CFは前期比4億81百万円減少し、5億54百万円の流出となった。主な流出要因は、有形固定資産の取得による支出6億18百万円。一方、主な流入要因は、有形固定資産の売却による収入1億24百万円。
財務CFは前期比44百万円減少し、2億71百万円の支出となった。主な流出要因は、長期借入金の返済による支出1億60百万円及び配当金の支払額1億円。一方、主な流入要因は、長期借入による収入1億円。
*2017年3月期が減益となったのは、金利低下に伴い退職給付債務に用いる割引率が低下したことによる数理計算上の差異が発生し、これを1年で償却するため。これら特殊要因を除外すると増益である。
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2019年3月期業績予想 |
増収・増益予想
19/3期の売上高は4.7%増収の170億円、経常利益は17.6%増の9.5億円を計画する。
配当は14.00円/株 (うち上期7.00円)、予想配当性向は17.4%を見込む。
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中期経営計画「Vision 2020」(2018年3月期~2020年3月期)の上方修正 |
2017年5月に公表した中期経営計画「Vision 2020」の数値目標を2018年5月、下記の通り修正した。
同社は「お客様の“ありがとう”のために、価値あるサービスを」を基本コンセプトに、18/3期を初年度とする中期経営計画「Vision2020」を策定し、以下の基本方針を掲げている。
① 収益性の高い企業になる
② NCDブランドを高め、世の中に認知される企業になる
③ 社員が仕事に誇りとやりがいを持った活力ある企業になる
中期経営計画で掲げている基本方針・重点施策に変更はなく、引き続き新たなライフスタイルや技術環境の変化に迅速かつ適切に対応できる、更なる成長企業を目指す。
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年7月3日。
<基本的な考え方>
同社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、継続繁栄の条件として、機動性のある業務執行体制とコンプライアンスを重視した経営を念頭に、内部統制の充実に努めることである。
<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
ジャスダック上場企業として、基本原則をすべて実施している。
<その他>
指名・報酬委員会の設置
コーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目的とし、平成29年6月に任意の委員会である「指名・報酬委員会」を設置した。取締役会の諮問機関として経営陣の選任・解任や報酬等に関する方針を審議し、その決定プロセスの客観性及び透明性を確保している。
指名・報酬委員会の構成
3名(うち2名は独立社外取締役、委員長は独立社外取締役から選定)
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