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ブリッジレポート:(9416)ビジョン vol.6

(9416:東証1部) ビジョン 企業HP
佐野 健一 社長
佐野 健一 社長

【ブリッジレポート vol.6】2018年12月期第1四半期業績レポート
取材概要「日本政府観光局によると、2018年1-3月の旅行市場は、日本から海外への渡航者が462万人(前年同期比1.9%増)、訪日外国人が761万人(同16.5%増・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年5月30日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ビジョン
社長
佐野 健一
所在地
東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年12月 17,554 1,788 1,795 1,208
2016年12月 14,843 1,290 1,298 813
2015年12月 12,485 804 807 585
2014年12月 10,185 286 324 275
2013年12月 9,203 10 29 75
株式情報(5/17現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
3,820円 16,271,844株 62,158百万円 15.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 93.45円 40.9倍 526.19円 7.3倍
※株価は5/17終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ビジョンの2018年12月期第1四半期決算の概要と上期及び通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「世の中の情報通信産業革命に貢献します」と言う経営理念の下、世界200以上の国と地域で利用可能なパケット定額制WiFiルーターのレンタルを行うグローバルWiFi事業と、情報通信関連のディストリビューターとして、固定通信、移動体通信、ブロードバンド等の事業活動に必要な通信インフラ環境やオフィス機器を扱う情報通信サービス事業を展開している。 国内外の連結子会社16社とグループを形成しており、国内子会社は、請求業務の代行や固定電話サービスの加入取次ぎ等を行う(株)メンバーズネット、ブロードバンドサービスの加入取次ぎを手掛けるベストリンク(株)の4社。海外は、グローバルWiFi事業の海外拠点となる、韓国、シンガポール、英国、香港、ハワイ、台湾、中国(上海)、フランス、イタリア、カリフォルニア、ニューカレドニアの現地法人とシステム開発及びデータベース構築のオフショア拠点であるベトナムの現地法人の計12社。
 
【事業内容】
グローバルWiFi事業
海外の通信会社と提携して、海外への渡航者に現地のインターネットサービスを安価で利用できるWiFiルーターをレンタルする「グローバルWiFi」及び訪日外国人等へ日本国内で利用できるWiFiルーターをレンタルする「NINJA WiFi」といったサービスを提供しており、進出先(韓国、台湾、カリフォルニア)において、海外to海外の渡航者向けサービスにも取り組んでいる。
 
 
強み ①割安な定額制、②最多エリア、③快適、④安心・安全、⑤サポート拠点、及び法人営業力 ⇒ No.1クラスの顧客数
「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」のサービス上の強みは、①国内携帯会社の海外パケット定額プランとの比較で最大89.9%のコストメリット(渡航先によっては1日のレンタル料金が300円から)を有し、②カバレッジは業界最多クラスの200以上の国と地域。また、③世界中の通信事業者との提携による高速通信、④セキュア24時間365日世界47の拠点、⑤業界最多クラスの空港カウンター設置拠点数。 また、事業としては、安定した需要が見込める法人の利用が約50%を占めている事も強みであり、この結果、シェアナンバーワンクラスの利用者数を誇る。
 
 
情報通信サービス事業
新設法人、ベンチャー企業、及び外食チェーン等の多店舗展開企業を主要ターゲットとして、連結子会社ベストリンク(株)を中心に、全国7か所の営業所、及びパートナー企業との連携の下、ビジネスフォン、固定電話・加入電話・ヒカリ電話の取次ぎ、法人携帯、OA機器・セキュリティ製品(UTM)等の販売・保守、ホームページ制作、更には事業者向け新電力サービスの取次ぎ等のサービスを提供している。 主要ターゲットでもある新設法人(設立後6ヶ月以内の企業)の開拓に強みを有し、法務省のデータ(2017年全国法人登記件数118,811社)を基にすると、国内で新規設立される法人の約6~7社に1社と取引がある計算。独自のWebマーケティング(インターネットメディア戦略)による強い集客力がこの背景にあり、独自ノウハウのCRM(顧客関係・取引継続)戦略により、継続的収益の最大化(ストックビジネス化)、高生産性追加販売(アップセル/クロスセル)につなげている。回線の取次であれば、サービスが解約されない限りキャリアから手数料を受け取る事ができ、複写機等であれば継続的に保守料を得る事ができる。更にカスタマー・ロイヤリティ・チームによるアフターフォローにより、顧客の成長と共に増加する回線や機器の需要取り込みや、成長ステージに応じた最適なサービスの提供(アップセルやクロスセルによる生産性の高い追加販売)で収益が積み上がっていくストック型ビジネスモデルを確立している。
 
【成長戦略】
グローバルWiFi事業では、「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」の顧客基盤を拡大させ、この顧客基盤を活用して新ビジネス「旅行関連サービスプラットフォーム」を展開していく。また、リピーターの積み上げや法人需要の取り込み、更にはコスト抑制・生産性向上により事業基盤を強化して収益性も高めていく。一方、情報通信サービス事業では、ターゲット層を、成長予備軍から、成長過程の企業へとシフトさせつつ、ストック型ビジネスモデルを進化せていく。 拡大が続くグローバルWiFi事業だが、利用シェア(利用浸透率)は、アウトバウンド(「グローバルWiFi」)で11.7%、インバウンド(「NINJA WiFi」)で2.2%にとどまり(アウトバウンド+インバウンド5.8%)。未だ顧客基盤の拡大余地は大きいい。 一方、顧客基盤を活用して展開する新ビジネス「旅行関連サービスプラットフォーム」は、ガイドブック、販促物配付、動画配信、施設、SNS、メール等による渡航先での活動支援情報を提供する「お役立ち情報(メディア)」と、オンライン、オフラインで63言語に対応するウエアラブル翻訳デバイス“ili(瞬間翻訳)”及び“POKETALK(双方向翻訳)”をレンタルする「お役立ちサービス」の二本柱。国内15拠点、海外45拠点(提携先拠点を含む)の空港カウンター等で、「グローバルWiFi」年間利用者150万人、「NINJA WiFi」同390万人、同社海外拠点及び海外提携先同200万人の合計740万人に直接リーチできる事が強み。属性に合わせ、旅マエ/旅ナカ/旅アトの各シーンで最適コミュニケーションが可能だ。 尚、「お役立ち情報(メディア)」は情報提供元を広告主として広告料や送客手数料を得る広告ビジネスであり、「お役立ちサービス」ではレンタル料を得る。
 
 
 
 
2018年12月期第1四半期決算
 
 
前年同期比13.8%の増収、同43.4%の営業増益
売上高は前年同期比13.8%増の49億22百万円。グローバルWiFi事業が同23.3%増と増収をけん引する中、情報通信サービス事業が同0.4%増と堅調に推移した。 営業利益は同43.4%増の7億36百万円。グローバルWiFi事業における、回線調達コストの低減、クラウドWiFi導入、回線使用効率向上、出荷工程削減、更には問合せに対するAIの活用や自動受け取りロッカー「スマートピックアップ」増設等の効果に加え、情報通信サービス事業における、より収益性の高いサービスの強化やアップセル・クロスセル戦略による利益率向上もあり、売上総利益率が59.5%と1.2ポイント改善する一方、販管費率44.6%と1.8ポイント低下した。 為替差益6百万円(前年同期は△11百万円)の計上等で営業外損益が改善した他、税負担率も低下(32.2%→31.1%)し、当期純利益は5億14百万円と同50.4%増加した。
 
 
グローバルWiFi事業
売上高30億89百万円(前年同期比23.3%増)、セグメント利益7億01百万円(同50.4%増)。学生旅行(卒業旅行)や例年より早まった桜シーズンの需要の取り込みが進み、新規、リピート利用共にレンタル件数が増加。継続的な原価及びオペレーションコストの低減施策により、収益性も向上した(利益率:18.6%→22.7%)。具体的には、クラウドWiFiの活用(クラウドWiFi技術搭載ルーター出荷比率:17年12月約50%→18年3月約67%)やボリュームディスカウントによる通信回線等の仕入単価の引き下げで原価低減を図り、AIを活用した問合せ対応(コールセンター費用抑制)やオペレーションの自動化・簡素化・省力化でオペレーションコストも低減した。
 
情報通信サービス事業
売上高18億18百万円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益2億96百万円(同5.0%増)。主要ターゲット層(新設法人・ベンチャー企業)の取り込みとCRMによる継続取引の積み上げで増収基調を維持しつつ、アップセル・クロスセル戦略の推進で収益性の向上を図った(利益率:15.6%→16.3%)。クロスセルでは、電力サービス「ハルエネでんき」の加入取り次ぎが好調だった。
 
 
 
 
 
第1四半期末の総資産は前期末と比べて4億13百万円増の118億97百万円。売上債権や固定資産が増加したが、現預金が総資産の50%を超える優れた財政状態に大きな変化はなく、自己資本比率も75.2%(前期末74.6%)と高い水準が維持されている。
 
 
2018年12月期の取り組みと進捗状況
 
18/12期は「進化への挑戦~第2章~」をスローガンとして掲げ、「事業の拡大と周辺ビジネスによる差別化」と「業界における圧倒的な地位の確立」に向けた取り組みを進めている。第1四半期における取り組み状況についてのアップデートは以下の通り。
 
 
クラウドWiFi活用(収益性向上) クラウド上でSIMを管理する次世代型の通信技術(クラウドWiFi)搭載Wi-Fiルーターの投入により、出荷オペレーションの省力化(=出荷関連費用低減)が進んだ他、顧客の手元に常備する法人向け「グローバルWiFi for Biz」の展開が可能になった(個人向けも予定)。2018年3月末現在、クラウドWiFi技術搭載Wi-Fiルーターは出荷したWi-Fiルーターの約67%にまで上昇している(2017年12月:約50%)。旅行会社向け海外旅行商品組み込みソリューションも提供を開始した。 送迎予約及び送迎サービス(旅行関連サービスプラットフォーム拡充) 「旅行関連サービスプラットフォーム」構想の一環として、送迎予約及び送迎サービスを開始した。国内は同社グループで展開し(都内から開始)、パートナー展開も含め、順次全国主要都市に展開していく。一方、海外は、資本業務提携先のディーエルジービー(株)「SmartRyde」を活用する。グローバルWiFi事業の既存顧客だけでなく、新規需要客の開拓や情報通信サービス事業の顧客の取り込みにも力を入れていく考えで、本格展開は今秋以降を予定している。 店舗スマート化戦略(テンスマ) 自動受渡しロッカー、セルフレジKIOSK端末(多言語対応・決済機能)、更には即時お客様識別カウンター(QRコード活用受付カウンター)の設置により、店舗スマート化戦略を進めている。レンタル件数(受渡件数)やオプションサービス(補償サービス、付帯品等)の増加への対応強化はもちろん、海外へ渡航する日本人・訪日外国人旅行客にとって、より便利に、より快適で、より安心して利用できる店舗への進化を目指している。 また、クラウドWiFi、テンスマ、及び顧客データベースを連携させる事で「“超”直前オンライン受注体制」が整備され、これまで逃していた出発当日客へのサービス提供も可能になった(データベースと連携させる事で空港カウンター店舗目の前でのWEB申込への即時対応が可能)。 企業のための総合支援サイト「ビマケ(Vision Business Market)」https://vision-bizmarket.com/ 「ビマケ(Vision Business Market)」は、スタートアップ・中小・ベンチャー企業向けビジネス支援サイトである。起業準備中の個人も対象とし、お役立ち情報と共に、同社サービス及びタイアップパートナーの商材を案内する。
 
 
2018年12月期業績予想
 
 
上期及び通期の業績予想に変更はなく、通期で前期比17.3%の増収、同25.9%の営業増益予想
グローバルWiFi事業は、チャネル拡大(旅行会社等の販売パートナーによる販売委託契約や法人契約等の増加)とインバウンドの取り込みで前期比24.6%の増収を見込んでいる。売上の増加とオペレーション効率の改善で旅行関連サービスプラットフォーム等の先行投資を吸収して利益が同22.2%増加する見込み。一方、情報通信サービス事業は販売チャネルの強化とアップセル・クロスセルの積み上げで同5.6%の増収、同12.5%の増益が見込まれる。
 
 
 
 
今後の注目点
日本政府観光局によると、2018年1-3月の旅行市場は、日本から海外への渡航者が462万人(前年同期比1.9%増)、訪日外国人が761万人(同16.5%増)。訪日外国人数は各月全てで過去最高を記録したと言う。同社のグローバルWiFi事業においては、価格訴求力や充実したサービスネットワークを強みに季節需要の取り込みが進んだ。第1四半期は第3四半期に次ぐ繁忙期だが、右肩上がりの業績を反映して、この第1四半期は前期第3四半期を上回る売上を計上した。増収トレンドが続く中でも、コスト低減と生産性の向上に余念がない事も同社の特長であり、この面でも成果を上げている事が確認できた。 一方、情報通信サービス事業については、収益性の改善を伴いながら安定成長を続けている。成長力や収益力が、どのように変化していくか注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年4月2日
基本的な考え方 当社グループは、お客様の期待を感動に変えるため、常に自らを磨き、理想を実現させるため、ためらうことなく変革への挑戦を続け、常に多くの人々(ステークホルダー)に支えられていることに感謝し、謙虚な気持ちで事業活動を行っております。この行動規範に従って、法令、社内規則、方針を遵守し誠実に取り組み、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めております。 <実施しない主な原則とその理由> 【原則4-1-3 取締役会の役割・責務(1)(最高経営責任者等の後継者の計画の監督)】 最高経営責任者等の選定においては、都度変化する経営環境の中、経営理念や経営戦略に沿った形で、候補者の人格、知識、実績等を勘案して相応と認められる者の中から取締役会で選定する等、十分に議論してまいります。後継者の計画の監督については今後の検討課題といたします。 <開示している主な原則> 【原則1-4 いわゆる政策保有株式】 当社では、中長期的な企業価値向上に資すると認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。議決権行使につきましては、案件ごとに賛否を判断する方針であり、当社の中長期的な企業価値向上の観点に立って、慎重に判断してまいります。 【原則1-7 関連当事者間の取引】 当社では、会社経営の健全性の観点より、関連当事者との取引を開始する際には、留意すべき必要性が高いことを認識し、その取引が当社グループの経営の健全性を損なってはいないか、その取引が合理的判断に照らしあわせて有効であるか、また取引条件は他の外部取引と比較して適正であるか等に特に留意して、稟議規程、職務権限規程等に則り、取締役会決議等、適正な決裁を受けることとしております。なお、関連当事者取引等を把握するため、役員就任時及び事業年度末に全役員対象に関連当事者リスト及び取引の有無に関する調査票の提出を求めております。 【原則3-1 情報開示の充実】 (1)当社の経営理念や経営戦略等は、当社ホームページ等にて開示しております。 (2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針については、コーポレート・ガバナンス報告書及び有価証券報告書にて開示しております。 (3)各取締役の報酬額は、株主総会で決議された報酬総額の限度内で、当社の業績や会社への貢献度等を勘案し取締役会にて決定しております。 (4)経営陣幹部の選任と取締役及び監査役候補者の指名を行うに当たっては、各人の知識、経験、能力等を総合的に勘案し、取締役会にて決議しております。 (5)各社外役員候補者の選任理由については、株主総会招集通知の参考書類にて開示しております。なお、今後は、全ての取締役及び監査役候補者の選任理由について開示する予定です。 【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】 当社は、株主等からの対話の申込みに対しては、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で前向きに対応することとしております。現在のところ、社長またはIR担当役員が出席する説明会を年に2回以上開催しているほか、随時機関投資家とのミーティングや、年に複数回の個人投資家向け説明会等も実施しております。それらの結果については、適宜、取締役会等で、得られた情報等の共有を図っております。なお、インサイダー情報の漏洩防止を徹底しております。