ブリッジレポート:(7839)SHOEI vol.55
(7839:東証1部) SHOEI |
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企業名 |
株式会社SHOEI |
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社長 |
石田 健一郎 |
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所在地 |
東京都台東区上野5-8-5 |
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決算期 |
9月 末日 |
業種 |
その他製品(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2017年9月 | 15,641 | 3,461 | 3,497 | 2,358 |
2016年9月 | 14,138 | 3,145 | 3,244 | 2,192 |
2015年9月 | 14,244 | 3,210 | 3,092 | 1,996 |
2014年9月 | 13,406 | 2,765 | 2,646 | 1,669 |
2013年9月 | 11,158 | 1,340 | 1,299 | 799 |
2012年9月 | 8,606 | 97 | 143 | 65 |
2011年9月 | 9,047 | 395 | 371 | 217 |
2010年9月 | 10,078 | 898 | 978 | 638 |
2009年9月 | 10,300 | 1,047 | 1,335 | 837 |
2008年9月 | 14,995 | 3,608 | 3,532 | 2,214 |
2007年9月 | 13,586 | 2,942 | 2,751 | 1,630 |
2006年9月 | 11,796 | 2,310 | 2,117 | 1,248 |
2005年9月 | 10,661 | 1,581 | 1,510 | 890 |
2004年9月 | 9,725 | 1,364 | 1,282 | 732 |
2003年9月 | 9,575 | 757 | 703 | 381 |
株式情報(5/8現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
世界ナンバーワンのヘルメット・メーカー。オートバイ用を中心に、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界約70ヵ国超を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力を持つ。
また、「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略も同社の特徴。三位一体の事業戦略を進める事で、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。グループは、同社の他、米国、独(2社)、仏、伊の連結子会社5社。
経営方針 3つの世界一を実現
【事業内容】
売上高の約90%を占める二輪乗車用ヘルメットでは、高品質・高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県一関市)の国内2工場で生産。国内生産にこだわる事で、高い品質の維持と技術の流出防止を実現している。
【中長期的安定成長と安定利益の実現に向けた基本方針】
1.健全な財務内容の堅持(自分の会社は自分で守る)
2.高付加価値化と生産合理化を両輪とするMade in Japanの維持
3.投資の継続
4.世界中のプレミアムヘルメット市場でナンバーワンを目指す
5.築城10年落城1日。不正につながりかねない理不尽なノルマは課さない愚直に、
しかし眼前の課題から逃げず着実に前進する
6.利益分配の伝統を堅持 株主(50%配当性向)、従業員、会社(内部留保)
短期的な支払い能力を示す流動比率が533.5%(16/9期末。以下同じ)、長期的な財務の安全性を示す固定比率が21.3 %、無借金経営で自己資本比率78.0%。(1)健全な財務内容の堅持(自分の会社は自分で守る)、が着実に実行されている事が貸借対照表から見て取れる。
また、茨城及び岩手の国内2工場で全量を生産する事で(2)Made in Japan(ものづくりの伝承)を実現し、(3)投資の継続(新製品開発、コストダウン、品質向上、より確かな安全)及び海外子会社と一体になって、(4)新市場を含め、世界中のプレミアムヘルメット市場でナンバーワンを目指している。
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2018年9月期上期決算 |
前年同期比11.3%の増収、同10.0%の営業増益
売上高は前年同期比11.3%増の73億81百万円。主力の欧州が同3.0%増の31億44百万円と堅調に推移する中、販売網の強化で北米が同80.6%増の12億79百万円と伸びた他、二輪車販売が好調な日本も21億52百万円と同8.7%増加。一方、その他の地域(アジア、オセアニア、南米)は前年同期に大きく伸びた反動で8億05百万円と同9.5%減少した。
利益面では、フル生産に伴う労務費の増加に加え、新製品発売に向けての材料費の増加や減価償却費の増加等もあり、売上総利益率が低下する中、人件費を中心に販管費も増加したが、売上の増加で吸収して営業利益が16億74百万円と同10.0%増加。為替差差損の減少(△54百万円→△24百万円)等で営業外損益も改善し、経常利益は16億57百万円と同13.5%増加した。
為替レートは、同社売上換算レートが、1ドル=109.32円(前年同期比2.51円の円高)、1ユーロ=133.28円(同13.64円の円安)、海外子会社換算レート(2017年12月29日)が、1ドル=113.00円(同3.49円の円高)、1ユーロ=134.94円(同12.24円の円安)。
日本市場は、126cc以上の二輪新車販売が増加に転じており、ヘルメット市場はシニア層を中心に高級品、複数個所有の傾向が続いている。欧州市場は、ドイツ、フランス、イギリスの二輪新車販売は2017年度が前年を下回ったが、足元、底堅く推移しており、ヘルメット市場も堅調に推移。北米市場は、二輪新車販売が停滞しており、ヘルメット市場も横ばいで推移した。アジア市場は総じて拡大傾向にあり、中国は中大型二輪車販売に以前程の伸びはないものの増勢は続いており、ヘルメット市場も堅調に推移した。
こうした中、同社の上期は、タイトな生産状況が続いたものの、日本・海外を合わせた販売数量が前年同期比5%増加した。欧州市場では悪天候の影響で販売数量が同9%減少したものの、為替が円安水準で推移した事と単価の上昇で売上高は増加した。北米市場では、昨年10月より販売代理店を1代理店制から2代理店制へ移行した効果と3月より出荷の新製品の好調で販売数量が同112%増加(前年同期に既存代理店が2代理店制への移行に先立ち在庫を圧縮した影響もある)。日本市場もリターンライダー効果等で販売数量が同5%増加した。一方、アジア市場では、全体の販売数量が微増。中国市場についても、同横ばいにとどまった。
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2018年9月期業績予想 |
通期予想に変更はなく、通期で前期比4.0%の増収、同2.8%の営業増益予想
上期のルメット販売数量は前年同期比5%増加したが、通期予想の前提は前期の506千個を1.4%下回る499千個と保守的。通期予想に対する進捗率は、売上高45.4%(通期実績ベースの前年同期進捗率42.4%)、営業利益47.0%(同44.0%)、経常利益46.4%(同41.8%)、純利益46.2%(同42.3%)。
為替の前提(同社期中平均レート及び海外子会社換算レート)は、1ドル=110.00円(前期:110.92円)、1ユーロ=130.00円(前期:122.36)。為替感応度は、概ね、ドルが1円の変動で、売上高19百万円・営業利益11百万円、ユーロが1円の変動で、売上高45百万円・営業利益27百万円。
設備投資は、生産性向上のための設備更新や需要増加に対応した設備増強で12億68百万円(前期比18.2%増)を計画しており、減価償却費は9億28百万円(同53.4%増)を織り込んだ。
配当は1株当たり3円増配の期末配当88円を予定している(予想配当性向49.9%)。
(2)中国国務院による工業製品認証基準の変更
現在、中国へのヘルメット販売は、安全規格として日本工業規格(JIS)の製品を輸出しているが、昨年9月に発表された中国国務院による工業製品認証基準の変更により(10月11日に対象品目の公告)、2018年8月1日以降、中国(香港を除く)では新しい安全規格(*GB811-2010)が施行される事になった。現在販売中のヘルメットの中には中国当局の新規格認証を得る事が困難なものもあるため、仕様変更検討すると共に商品戦略の見直しを行なっている。また、この影響を踏まえて、今期の中国市場での販売個数を前期並みの約17,000個と当初予想から約5,700個引き下げた。ただ、損益への影響は軽微であるため、期初予想に変更はない。
GB811-2010規格の主な特徴
・耐貫通性試験 :3kg×3mからの貫通テストにおいてストライカが人頭模型に接触しないこと。
・ヘルメットの重量制限 :フルフェース/ジェット(Aタイプ)の全サイズにおいて1,600g以下であること。
日本工業規格(JIS)
・耐貫通性試験 :3kg×2mからの貫通テストにおいてストライカが人頭模型に接触しないこと。
・ヘルメットの重量制限 :特になし。
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
基本的な考え方
当社は、中長期的な安定成長と安定利益、企業価値の向上を経営の重要課題としております。その実現のために、株主やお客様をはじめ、取引先や従業員、各ステークホルダーとの良好な関係を築くとともに、お客様に満足いただける製品を提供することが重要と考えております。この考え方は、当社の経営方針でもある三つの世界一(世界一の品質、世界一のコスト競争力、世界一楽しい会社)並びに「基本方針」にも記載し、社内に周知しております。このような中でコーポレート・ガバナンスの充実に向け、様々な施策を実施してまいります。
<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-2】取締役会の役割・責務(2)
当社において、役職員の立場は常に公平であり、提案を妨げる環境にはありません。経営陣幹部(当社においては「参与及び部長」をいいます。)は担当する職務を遂行する上での課題を認識し、経営会議等の議論の場において、問題点とその解決策の提示を行います。提案者と取締役及び経営陣幹部とは、闊達で公明正大な議論を行っております。また、経営陣幹部の報酬は、生活給的要素を考慮し、能力並びに前年度の業績貢献等に基づき評価した年俸ランクに応じた固定給としております。
<開示している主な原則>
【原則1-4】いわゆる政策保有株式
政策保有株式を保有しないことはもちろん、リスクの高い有価証券投資を行わないことが当社の基本方針であり、その旨の開示を有価証券報告書やコーポレート・ガバナンス報告書等で説明しております。
【原則1-7】関連当事者間の取引
当社は、子会社との販売代理店取引、代理店管理委託取引、マーケティング委託取引及びこれらに付随関連する取引以外に関連当事者取引を行う予定はなく、過去にもこれらの取引以外の関連当事者取引の実績はありません。また、役職員並びにその関係者の支配する会社との取引を、コンプライアンス規程にある「行動指針」にて公私の区別を厳しくする旨定めており、子会社との取引以外の関連当事者取引に関しては、一切行いません。
【原則5-1】株主との建設的な対話に関する方針
株主、投資家の皆様には、常に公平な姿勢で接するように努めており、経営陣並びにIR担当部署(経営管理部)による、個人投資家向け説明会の開催並びに機関投資家、マスコミ、金融機関対象の決算説明会を始めワンオンワンミーティング等により、積極的な対話に努めております。また、外国人投資家の持株比率は33%前後であり、外国人投資家との透明度の高い誠実な対話とIR活動を続けております。
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