ブリッジレポート
(3134) Hamee株式会社

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ブリッジレポート:(3134)Hamee vol.6

(3134:東証1部) Hamee 企業HP
樋口 敦士 社長
樋口 敦士 社長

【ブリッジレポート vol.6】2018年4月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は、売上高75.7%(前年同期実績72.7%)、営業利益89.4%(同68.8%)、経常利益79.7%(同67.3%)、純利益・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年3月27日掲載
企業基本情報
企業名
Hamee株式会社
社長
樋口 敦士
所在地
神奈川県小田原市栄町2-12-10 Square O2
決算期
4月末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年4月 8,502 1,106 1,048 695
2016年4月 6,501 450 427 257
2015年4月 5,657 336 329 192
2014年4月 4,681 226 222 121
株式情報(3/14現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,942円 16,034,114株 31,138百万円 29.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
5.00円 0.3% 47.44円 40.9倍 204.19円 9.5倍
※株価は03/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
Hameeの2018年4月期第3四半期決算の概要と通期の見通しにつて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
happy mobile, easy e-commerce」(社名の由来でもある)を事業Domainと定め、「happy mobile」を実現するためのモバイルアクセサリーの企画・デザイン、インターネット販売及び卸販売事業(コマース事業)と「easy e-commerce」を実現するためのEC事業者向けクラウド型業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供事業(プラットフォーム事業)の2事業を展開している。モバイルアクセサリーECではトップクラス。プラットフォーム事業も業界トップのユーザーを有する。グループは、同社の他、Hamee Korea Co., Ltd.(韓国)、Hamee US ,Corp.(米国)、Hamee Taiwan ,Corp.(台湾)の連結子会社3社(いずれも100%出資)、及び持分法適用会社シッピーノ(株)。この他今期より、Hamee India Pvt. Ltd.(インド)、Hamee Shanghai Trade Co., Ltd.(中国)が連結子会社となった。
 
 
【事業概要】
事業は、コマース事業、プラットフォーム事業、及び18/4期から区分したその他(コマース事業、プラットフォーム事業のいずれにも明確に分類できない新たなサービスに係るもの)に分かれる。17/4期の売上構成比は、コマース事業88.0%、プラットフォーム事業12.0%だが、営業利益の構成比は、それぞれ81.7%、18.3%。
 
コマース事業     商品企画力を活かし流通の川上から川下までカバー、ネクストエンジンで自社ECを効率運営
モバイルアクセサリーを中心とした雑貨等の商品企画・製造(ファブレスメーカー)及び仕入を行い、一般消費者へのインターネット通信販売(小売)や大手雑貨量販店・大手家電量販店等への卸販売を行っている。インターネット通信販売は、国内に加え、海外子会社を通して、一般消費者向けの現地ECサイト運営や海外ECショッピングモール等への出店(越境EC)も行っている。
 
国内インターネット通信販売(小売)    自社ドメインサイトの運営や有力ECサイトへの出店を通して消費者に販売
自社ドメインサイトに加え、同じタイプの店舗を、楽天やYahoo!等、複数のECサイトに出店している他、コンセプトやターゲットの異なる店舗を同一のモールに出店する等、多店舗展開を進めている。例えば、総合店舗と位置付けられている「楽天店」は、老若男女を問わず、わかりやすい店舗づくりが特徴で、男性向けの「Hamee TV」、女性向けの「Ketchup!」、店舗関係者が“可愛い”と思ったものを集めた「Kawaii館」等がある。商品開発部(商品開発)、CRマネジメント部(接客)、WEBマーケティング部(店舗づくり)が一体となった事業展開が強みとなっている。

卸販売(卸売)    量販店及びEC業者に販売
大手雑貨量販店や大手家電量販店を中心にモバイルアクセサリーの卸売を行っている他、EC事業者向けにインターネット卸販売サイトの運営を行っている。小田原本社(神奈川県)の他、東京、大阪に拠点を設け、ラウンダーと呼ばれる実店舗の売場構築を支援する人材を配置している。

海外向け販売    韓国、米国、台湾、中国の子会社が一般消費者向けインターネット販売を展開
韓国、中国、米国、台湾、インドの連結子会社5社を通じてインターネット通信販売及び小売り事業者向けの卸販売を行っており、韓国子会社は商品企画・デザイン・選定等の業務も手掛けている。インドは米国ECのバックオフィス業務の機能も担っている。中国では自社ドメインサイト1店舗を含む3店舗を展開している。
 
 
尚、商品仕入については、500社を超える仕入先のネットワークを有し、モバイルアクセサリー関連の情報網としても機能している。また、社内に商品デザイナーを中心とした商品企画・デザイン専門チームを有し、海外を含む外部メーカーの協力を得て、利益率の高い自社企画商品の製作も手掛けている。この他、玩具や実用品等も取り扱っており、10,000種類を超える商品の卸販売を含めた販売状況を分析する事で、売れ筋商品をリアルタイムに把握し、商品仕入・企画に活用している。
 
 
プラットフォーム事業    自社ECの運営ノウハウ注入による差別化・優位性、アプリ充実でプラットフォームとしての魅力向上
自社サイトやインターネットショッピングモール等でインターネット通販を展開するEC事業者向けに、ネットショップ運営に必要なバックオフィス業務(受注、発注、仕入、在庫~分析等、ネットショップ運営に必要な業務)を一元管理できるマネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」を開発・提供している。「ネクストエンジン」は同社グループがECを展開する中で開発されたECのバックオフィスシステムであり、現在も同社グループのコマース事業において使用されている基幹システムである。
海外展開も視野に入れており、「海外現地法人で実際にECを運営し、各国のECショッピングモールとの連携等、ノウハウを蓄積したうえで現地(海外)版ネクストエンジンを開発、リリースする」事を基本戦略としている。

インターネット通信販売事業者向け業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」をクラウドで提供
「ネクストエンジン」は、メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携、商品ページ一括アップロード等の機能を有し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援するクラウド型のシステム。ネットショップのルーティーン業務を可能な限り自動化すると共に、自社ネットショップや大手ネットモール等、異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの一元管理や複数のネットショップの在庫数表示の同期が可能。業務効率アップにより残業削減はもちろん、販売戦略や商品開発のための時間創出にも寄与する。
 
メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」)でユーザーニーズに柔軟に対応
「ネクストエンジン」には、メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」)があり、ユーザーはニーズに合わせて機能を使い分ける事が可能。メイン機能はEC事業者の利便性に資する標準的な機能がワンパッケージで搭載されており、アプリはそれ以上の特殊なニーズに対応するためのオプションと位置付けられている。また、「ネクストエンジン」のOEM提供も手掛けており、GMOソリューションパートナー(株)が「ストックマネージャー」と言うサービス名で、GMOコマース(株)が「すごい!ネットショップ管理」と言うサービス名で、それぞれの顧客にサービス提供している。
「ネクストエンジン」の基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制(ユーザーの事業規模に応じた料金体系)。また、専用サーバープランやカスタマイズ(ネクストエンジンオーダーメイド)等のサービスもあり、この場合は顧客毎に個別料金を適用している。ネクストエンジン上の各種アプリについては、アプリによって異なる(無料、定額料金制、従量課金制)。
 
プラットフォーム化(システムからプラットフォームへ)
2013年12月に「ネクストエンジン」のAPI(※)を公開した事で、「ネクストエンジン」上で自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリの展開が可能となる等、いわゆるプラットフォーム化が実現した。プラットフォーム化により、アプリとネクストエンジンを連携させる事によるユーザー企業の環境に応じたシステムの構築・運用が可能になった。

※API(Application Programming Interface)
あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータ等を、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェイスのこと。ここで言うインターフェイスとは、機能の呼び出し手順や記述方法等を定めた仕様を指す。APIが提供されている機能は独自にゼロから開発する必要がないため、プログラムの開発を効率的に行うことが可能になる。
 
 
 
成長戦略  -コマース事業とプラットフォーム事業の相乗効果で“クリエイティブ魂に火をつける”-
 
相乗効果によるコマース事業とプラットフォーム事業の国内外での拡大と新たなソリューションの提供により成長力を高めていく考え。新たなソリューションは、コマース事業で培った製造・流通のノウハウとシステム、プラットフォーム事業が有する顧客資産と「ネクストエンジン」を通して得られるビッグデータ、更には研究開発を進めているIoTガジェット等のIoT・AI関連の技術を融合して創造する。
 
(1)事業別の取り組み
コマース事業
コマース事業の成長戦略のポイントは、商品起点のブランディング、IT強化、新たな販売チャネルの開拓、の3点。また、売上拡大よりも利益重視で臨むと共に、コマース事業のノウハウをプラットフォーム事業に注入していく。
商品起点のブランディングとは、ユニークな商品を開発・投入する事で「Hamee」ブランド力を強化してく事。実際、大ヒットしている「iFaceシリーズ」は言うまでもなく、高い人気を誇るディズニーのキャラクターを使ったBluetooth Speaker等、ユニークな自社企画商品がブランド力の強化と粗利率の改善に寄与している。IT強化では、自動化の徹底と生産力向上のためのシステム開発投資に力を入れる。後述する「アパレル全自動アプリ」はその一例であり、“委託販売” での業務効率化に寄与している(プラットフォーム事業で外販もしている)。新たな販売チャネルの開拓では、ターゲットを明確にした店舗(サイト)づくりに注力すると共に、卸販売において、アパレルやカバン・バッグ等のファッション関係等の新たな販売チャネルの開拓を進めていく。
 
「アパレル全自動アプリ」
2016年8月に同社のスマホアクセサリー販売部門が「ZOZOTOWN」に出店した際に開発したアプリであり、「ZOZOTOWN」で採用されている “委託販売”方式(指定された倉庫へ在庫を預託して販売する)での業務を効率化する。「ZOZOTOWN」に限らず、データ連携を済ませているアパレル通販サイトであれば利用でき、「SHOPLIST」や「ロコンド」とシステム連携に向けて話し合いを進めている。
 
プラットフォーム事業
プラットフォーム事業では、当面の目標であるユーザー数5,000社の早期達成に向け、システム連携によるプラットフォームの付加価値向上に取り組んでいく。この一環として、「アパレル全自動アプリ」(前述)をリリースした他、2017年10月にはGMOペイメントゲートウェイ株式会社(東証一部3769、以下、GMO-PG)が提供する決済データ等を活用したEC事業者向け融資サービス「GMO-PGトランザクションレンディング」と「ネクストエンジン」のデータを連携させ、「ネクストエンジン」ユーザー(EC事業者)限定の融資サービスアプリ「GMO-PGトランザクションレンディング連携アプリ」の提供を開始した。

また、2018年4月には販売コンサルティングを手掛ける株式会社JSコンサルティング(東京都渋谷区、代表取締役CEO寺田昇平)を100%子会社化する(2018年1月30日に株式譲渡契約締結)。ネクストエンジンのサービス領域をバックオフィスからフロントオフィスへ拡張し、EC事業者の成長ステージにあわせたサービスの創造に取り組んでいく。中期的には、「ネクストエンジン」上で管理する膨大な受発注や在庫等のデータを活用したAI・ビッグデータ・ソリューション(販売支援)を展開していく考えで、サービス領域のフロントオフィスへの拡張と販売コンサルティング強化はその布石である。
 
グローバル展開
① Eコマースの現地化を進めながら必要なシステムを自社開発し、その後、②システムを現地版の「ネクストエンジン」に進化させプラットフォーム事業を開始する。中長期的には、③各国のプラットフォームをネットワーク化する事で、「ネクストエンジン」をECに不可欠なグローバルプラットフォームに育てていく。 現在は、いずれの国も①の投資フェーズにあるが、18/4期については収益貢献が一段と高まる見込み。尚、現在、韓国(hamee.co.kr)、中国(taobao:strapya.world.taobao.com)、米国(hamee.cm)、台湾(Yahoo!:tw.mall.yahoo.com/store/hamee_taiwan)、でEC事業を展開している。
 
(2)成長イメージ
自社企画商品の強化によるブランド力向上と自動化の徹底による生産性の向上でコマース事業を安定成長させ、これをベースに、プラットフォーム事業を成長ドライバーとして利益成長を加速させる。プラットフォーム事業では、アプリの充実と外部システムとの連携強化や新たな顧客層の獲得に加え、中期的にはAI・ビッグデータ・ソリューションの展開がポイントになる。更に、海外におけるコマース事業の深耕、ネクストエンジンのリリース、そして各国のプラットフォームのネットワーク化に取り組み、コマース&プラットフォームによるグローバル展開を進める。
 
 
2018年4月期第3四半期決算
 
 
前年同期比14.0%の増収、同36.4%の営業増益
売上高は前年同期比14.0%増の70億51百万円。このうちコマース事業は同12.6%(6億83百万円)増の61億24百万円、メイン機能契約社数・アプリ契約社数共に増加したプラットフォーム事業が同23.2%(1億73百万円)増の9億14百万円。コマース事業では、Amazon等の主要モール、自社サイト共に好調推移した国内小売が3億19百万円増と増収をけん引し、国内卸売も、iPhoneX向け商材が伸び悩んだものの、iPhone6~8用の増加で同39百万円増加。海外は米国卸売の増加に加え、連結範囲変更(2社)の影響もあり、同3億24百万円増加した。

利益面では、卸販売比率の低下と自社企画商品効果でコマース事業の売上総利益率が49.5%と4.9ポイント改善した事で連結ベースの売上総利益率も50.2%と3.2ポイント改善。支払手数料や人件費を中心にした販管費の増加を吸収して営業利益が10億37百万円と同36.4%増加した。関係会社株式の減損処理に伴う持分法投資損失の増加や為替差損の増加を吸収して経常利益も9億21百万円と同30.6%増加した。
尚、プラットフォーム事業は、成長加速に向けた「ネクストエンジン」の機能開発、サポート人員の増加、及び契約社数5,000社達成に向けたサーバー投資の影響で売上総利益率が54.6%と9.7ポイント低下した。
 
 
 
 
同社の業績には季節性があるが、トレンドとして増収・増益基調が続いており、先行投資を吸収して利益も大きな伸びを示している。
 
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末と比較して5億59百万円増の47億99百万円。借方では現預金や本社移転で有形固定資産が増加し、貸方では純資産が増加した。自己資本比率68.2%(前期末63.6%)。
 
(3)トピックス
ものづくり系スタートアップ支援事業「IGNICTION」を開始
2017年11月、スマートフォン関連プロダクトを製造するスタートアップ・ベンチャー企業の販売・生産のサポートを目的とするプロダクト・インキュベーション・プロジェクト「IGNICTION(イグニクション)」を開始し、第一弾プロジェクトとして、大事なヒトや大切なモノを見守る事ができるキーホルダー型IoT見守りタグ「biblle(ビブル)」を発売した。

近年、クラウドファンディング等の拡大やスタートアップを支援するものづくり施設・企業の増加により、スタートアップ・ベンチャー企業発の新たなイノベーションになりうるプロダクトが数多く誕生している。しかし、販路確立等、売るためのノウハウ不足により、一般流通までに至るケースは限られる。このため、同社が持つ「販路、量産、販売ノウハウ」を活かしたサポートでプロダクトを世の中に広めていく事と「新たな市場」の創出を目的として、プロダクト・インキュベーション・プロジェクト「IGNICTION(イグニクション)」を開始した。サポートとしては、①同社の持つB2C、B2Bチャネルを用いたプロダクト販売展開や②同社のメーカー経験を活かしたプロダクト量産サポート等を予定しており、同社が創業から今日までに築きあげてきたノウハウを最大限に活かしていく。支援第一弾プロダクトとして、「キーホルダー型IOT見守りタグ biblle(ビブル)」(価格3,700円(税込 3,996円)を発売した。
URL : https://www.strapya.com/products/482873.html
 
EC事業者向けコンサルティング事業会社 株式会社JSコンサルティング(東京都渋谷区、代表取締役CEO寺田昇平)の子会社化
2018年1月30日に、株式会社JSコンサルティング(以下、JSC)の発行株式を100%取得する株式譲渡契約を締結した(67,802株を概算3億50百万円で取得)。JSCは2014年11月に設立され、資本金14百万円(17/10期末)。『ECサイト運営者様の最強パートナーに』をモットーに掲げ、自社ECサイト・楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon等のサイト分析・コンサルティングや制作代行を手掛ける。サイト分析やレポート作成を一部自動化する事で運営の最適化を図り、「1か月無料お試し」や「1か月単位契約」など導入ハードルを下げつつ、分析や施策の提案から実行・検証まで一貫して行う販売支援サービスを提供している。会社設立から3年目の17/10期は事業が軌道に乗り、売上高1億73百万円、営業利益25百万円を計上した。

Hamee株式会社は、JSCをグループに加える事で、「ネクストエンジン」のサービス領域をバックオフィスからフロントオフィスへ広げ、EC事業者の成長ステージに合わせたサービスの提供に取り組んでいく。JSCは株式譲渡実行日の2018年4月1日にHameeコンサルティング株式会社への社名変更を予定している。
 
 
3年連続7回目の楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2017を受賞!~スマートフォン・タブレット・周辺機器 ジャンル大賞に輝く~
オンラインモール「楽天市場」に出店している『Hamee楽天市場店( URL : http://www.rakuten.ne.jp/gold/keitai/ )』において、4万店以上の店舗の中から選出される「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2017(以下、楽天SOY)」のスマートフォン・タブレット・周辺機器 ジャンル大賞を受賞した。楽天SOYの受賞は3年連続、7回目の受賞。また同社が開発・提供を行っている「ネクストエンジン」のユーザー22社も受賞した。
 
 
2018年4月期業績予想
 
 
通期予想に変更はなく、前期比9.6%の増収、同5.0%の営業増益
売上高は前期比9.6%増の93億20百万円。売り場の広がりによる卸売の増加と商品の充足(前期は需要が急増した卸販売への供給を優先した)による小売の増加でコマース事業の売上が同9.4%増加し、ネクストエンジンメイン機能の契約社数の増加(前期末比16.0%増を想定)でプラットフォーム事業も同11.1%増加するとみている(専用アプリのカスタマイズ対応等は織り込んでいない)。
営業利益は同5.0%増の11億61百万円。サポート人員の増員とインフラ投資の積極化でプラットフォーム事業の利益が前期並みにとどまるものの、コマース事業は支払手数料の増加や物流費の増加等を吸収して同6.2%の増益。為替差損を見込んでいないため、経常利益は11億57百万円と同10.4%増加し、本社移転に伴う特別損失を吸収して最終利益は同8.5%増の7億55百万円が見込まれる。

配当は1株当たり50銭増配の期末配当5円を予定している。当面は配当性向10%を目処に配当を実施していく考えだが、将来的には20%~30%の安定配当を目指している。
 
 
 
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は、売上高75.7%(前年同期実績72.7%)、営業利益89.4%(同68.8%)、経常利益79.7%(同67.3%)、純利益82.8%(同70.3%)。通期業績が上振れする可能性は高いが、年度末商戦を控えている事もあり、着地点の正確な予想が難しいため業績予想を据え置いたものと思われる。Hameeブランドが、選ばれるブランド、使われるブランドに育ちつつある事が好業績の背景あり、第3四半期までのペースを維持できれば、通期の営業利益は14~15億円程度での着地が期待できるのではないか。ただ、同社は、コマース事業が好調な間は、プラットフォーム事業において積極的に先行投資を続ける考え。足元、機能開発、サポート人員の増員及びインフラ投資(サーバー投資)が続いており、先行投資を上積みする可能性もある。ネクストエンジンのメイン機能やアプリの契約数と共に、株式会社JSコンサルティングの子会社化に伴い、来期以降本格化するコンサルティングサービスにも注目していきたい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書      更新日:2017年7月27日
<基本的な考え方>
当社グループは、「We Create the Best“e”for the Better“e”World.(より“e”世界につながるもっと“e”を創造する。)」をPhilosophy(経営理念)に掲げ、企業の継続的な発展と株主価値向上のため、コーポレート・ガバナンスに関する体制の強化と経営理念の推進を経営の最重要課題としております。また、当社では、社外取締役(2名)及び社外監査役(3名)により取締役会の監督機能を高め、経営の健全性・透明性の確保に努めております。今後も、取締役及び全従業員が法令・定款を遵守し、健全な社会規範のもとにその職務を遂行し、リスク管理、監督機能の強化を図り、経営の健全性・透明性を高めていく所存であります。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則5-2】
当社の属するEC市場は、技術革新や業界の変遷が激しい分野であり、将来収益を見通すことが著しく困難なため、定量的な中長期業績予測を掲げることは、必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないと考えており、中期経営計画における数値目標を公表しておりません。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4】
当社では、原則としていわゆる政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。現状において政策保有株式を保有しておりません。

【原則1-7】
当社は、関連当事者取引について、取引を行うこと自体に対する合理性があり、取引条件の妥当性があることが担保され、グループの利益が損なわれる状況にないもの以外は、これを行わないことを基本方針としております。関連当事者との取引を開始する際には、上記内容が担保されているかを慎重に判断し、会社法並びに当社稟議規程、職務権限規程に則り、取締役会決議等の決裁を受けることとしております。また、役員に対し定期的に関連当事者間の取引の有無を確認しており、有価証券報告書で開示しております。

【原則5-1】
当社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主等との建設的な対話を重視しており、代表取締役社長及びIR担当取締役ならびにIR&コミュニケーション室を中心に様々な機会を通じて株主や投資家との対話を持つように努めております。なお、IR&コミュニケーション室は、経理部門及び総務部門と一週間に一度の定例ミーティングを実施し、有機的な連携につとめております。現在のところ、社長が出席する決算説明会を年に2回開催しているほか、随時国内外の機関投資家とのミーティングを実施しており、電話取材、年に複数回の個人投資家説明会等も実施しています。それらの結果は、適宜、取締役会に報告しています。なお、株主との対話に際してはインサイダー情報の漏洩防止を徹底しています。