ブリッジレポート:(3457)ハウスドゥ vol.7
(3457:東証1部) ハウスドゥ |
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企業名 |
株式会社ハウスドゥ |
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社長CEO |
安藤 正弘 |
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所在地 |
本社:東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館17F 本店:京都府京都市中京区烏丸通錦小路上ル手洗水町670 |
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決算期 |
6月末日 |
業種 |
不動産業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2017年6月 | 16,848 | 1,249 | 1,103 | 737 |
2016年6月 | 17,275 | 1,277 | 1,182 | 741 |
2015年6月 | 14,573 | 617 | 513 | 353 |
2014年6月 | 13,309 | 276 | 204 | 155 |
2013年6月 | 8,251 | 180 | 112 | 80 |
株式情報(3/1現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【1-1 沿革】
バブル崩壊後の1991年4月に1人で不動産仲介業を起ち上げた安藤社長は、それまで隆盛を誇っていた多くの不動産会社が倒産していく一方、価格低下と金利安を好機と見て住宅を購入する顧客が多数いることに驚きつつも、「お客様の方を見ておけば会社を危うくさせることは無い。」との確証を得た。情報をオープンにしないなど、本来顧客本位であるべきサービスが業界本位となっている現状に強い問題意識を持ちつつ、自らは顧客のニーズに的確に対応し、多くの物件情報をスピーディーに提供する事で顧客の信頼を得て順調に業績を拡大させていった。後に米国の不動産業界を視察した際、顧客を大事にしながら大手に対抗して地域密着で展開する不動産仲介フランチャイズのあり方に強い感銘を受ける。これを日本でも展開する事は日本の不動産業界の変革につながると大きな意義、価値を感じて日本での不動産売買仲介フランチャイズチェーン作りに取り組んだ。 2006年2月にフランチャイズ事業を開始。当初は同業者に声を掛けたところスムーズには立ち上がらなかったが、不動産に関心の深い建築、リフォームといった異業種に不動産実務を丁寧に指導していったところ、当時不動産実務を教えてくれる会社は無かったこともあり高く評価され、フランチャイズチェーンは順調に伸長した。2009年1月に現・株式会社ハウスドゥ設立。業容の拡大とともにブランド力も着実に強化され、2015年3月、東証マザーズに株式を上場。2016年12月には東証1部へ市場変更した。 【1-2 経営理念、ビジョン】
経営理念・企業理念・ブランド理念として以下を挙げている。いずれも沿革で触れたように、安藤社長の現在の日本の不動産業界に対する問題意識、想いを基礎としたものである。 【1-3 ビジネスモデル・成長戦略】
中核事業であるフランチャイズ事業とフランチャイズ店舗における売買仲介を起点に、ハウス・リースバック事業、不動産金融事業(不動産担保ローン、リバースモーゲージ保証事業など)、不動産売買事業、リフォーム事業など、住まいの関連サービスの拡大・強化に取り組んでいる。顧客のニーズやウォンツをくみ上げて、ワンストップで安心・便利で多様なサービスを提供する「不動産サービスメーカー」、「不動産セクターのSPA(製造小売)」として他の不動産関連企業には見られないユニークなビジネスを展開している。
【1-4 事業内容】
報告セグメントとして、「フランチャイズ事業」、「ハウス・リースバック事業」、「不動産金融事業」、「不動産売買事業」、「不動産流通事業」、「リフォーム事業」の各事業を展開している。
①フランチャイズ事業
(概要)
ブランド、ネットワークを必要とする中小不動産事業者や新規に不動産流通事業への参入を検討している企業に対し、売買仲介事業、不動産売買におけるノウハウ(集客戦略、IT戦略、教育研修、モチベーションアップやシステム等)を提供している。市場全体へのブランドイメージの浸透を目的として、2013年7月より元プロ野球選手・監督、現野球解説者の古田敦也氏を起用したブランド戦略を展開。テレビ・ラジオCMをはじめ、看板、ちらし、マスメディアやWEBなどによる積極的なコミュニケーションを通じてハウスドゥ!を訴求し、一貫したブランド戦略を発信。古田氏の人柄や仕事に対する姿勢・誠実さをハウスドゥ!のイメージに重ねることにより、顧客からの安心・信頼感を獲得している。 全国チェーンを構築することで、同社が理念とする、情報のオープン化、顧客にとって安心・便利な窓口を全国に創ることを目指している。同社のフランチャイズシステムは、本部・直営店の実績に基づいた売上に繋がる多様な集客ノウハウや、同社が実際に行う人材教育をそのまま提供しているため、不動産仲介未経験の企業でも安心して参入することができ、高く評価されている。異業種からの新規参入加盟企業が7割と多いことからも明らかだ。 2017年12月には新たに「RENT Do!」という賃貸ブランドを設立した。 現在日本では、人口減少と住宅供給過多のアンバランスにより、賃貸物件も含めた空室・空家が増加しており、賃貸経営において大きな課題となっている。 「RENT Do!」ブランドで展開する賃貸事業は同社がこれまで行ってきた売買事業との相乗効果も期待され、大きなビジネスチャンスがあると考えている。 現在は自社所有の物件などでの試験運用の段階だが、多様な時間借りニーズを取り込み、利用は順調に推移している。この「タイムルームクラウド」を「RENT Do!」の展開と合わせて全国の加盟店や賃貸業者とも連携し、空家対策として取り組んでいく考えだ。 FC加盟店舗数は直近5年で約2倍と急増。目標としては、「国内 2020年700店舗、2025年までに1,000店舗」、その後「アジア 50,000店舗」を掲げている。 (主なサービス)
Webシステムの提供Webサイトでの検索をはじめとする情報提供、営業、業務支援、マッチングシステム等、同社が事業開始より現場で培ってきた実際に使えるシステムを提供している。 集客を増やし、効率的な追客・業務の最大効率化を追求した「DO NETWORK!」では、独自のチラシ作成、物件管理、顧客管理、営業マン管理等日常業務を軽減するさまざまな機能が備わっている。また、人工知能(AI)を活用した不動産の自動査定を行うサービス「10秒で不動産査定 10秒でDo!」の提供により、査定反響も増加している。 教育面では、不動産未経験者でも基礎から学べ、売れる営業マンに育成するためのセールス研修、ITを活用した営業活動、資金計画や物件査定から実務に至るまで、実践に即した研修を実施し、加盟店の業務能力アップをサポートしている。 研修においては、集合型研修だけでなく、「DO CHANNEL!」というWEB学習機能・e-ラーニングシステムを活用。1,000を超えるコンテンツを保有し、いつでも好きな時に、必要な研修をインターネット上で学習が可能のシステムとなっている。 開業後は、スーパーバイザーによる的確な指導、定期的なエリア勉強会等を実施。マーケティングから集客、営業行動数値・売上管理、店舗のマネージメントフォロー等、戦略的な指導を実施している。 この他、全国の加盟店が一同に会する「ハウスドゥ!全国FC大会」では、グループの次年度の目標や目的、不動産の最新情報を共有する他、成績優秀店舗の表彰が行なわれ、経営者はじめ社員のモチベーションアップに繋げている。また、ハウスドゥ!全国成功事例共有会では、加盟店の成功事例を共有し、互いに切磋琢磨しあう環境を提供している。 ②ハウス・リースバック事業
(概要)
同社が今後の主力事業の一つとして注力しているのがハウス・リースバック事業である。安藤社長が「今住んでいる家を売却してもそのまま住み続けられる。」というコンセプトを発案し、ラジオで放送したところ想定以上の大きな反響があったため事業化を進めたもので、発案から数カ月というスピードで事業化させた。 (ハウス・リースバックとは?)
「ハウス・リースバック」とは、不動産オーナーが所有物件を同社に売却後も、買取った同社とリース契約を結ぶことによって今迄と同様に居住できるセールアンドリースバックシステムのこと。「不動産を売却する」という選択肢しかなかった従来の買取システムにとどまらず、「不動産を活用する」という発想でサービスを提供している。 (ハウス・リースバック成長の背景、市場環境)
ハウス・リースバックには以下のようなニーズがある。
*高齢者・相続ニーズ
人生を謳歌する一方、長く住まい続けた家を終の棲家としたい。
子や孫に不動産で相続させるのではなく、現金で生前贈与したい。
*資金需要ニーズ
子供の学校の学区域を変える引越はしたくない。
長期ローンの返済が苦しい。
家を買い換えたいが手付金がない。
リース契約を結んでリース料を支払いながら事業資産を利用して事業を継続することができるのは大きなメリットである。この事業用カテゴリーは「アセット・リースバック」と名付け、2015年8月よりサービスを開始した。 「2013年 住宅・土地統計調査」(総務省)によれば、全世帯数と、うち持ち家世帯が占める構成比は以下のようになっている。 少子化、核家族化が進む中、相続人がいない又は少数世帯の場合、自宅を保有し続ける必要性は小さくなり、それよりもゆとりある暮らしを送るために、キャッシュを保有したいと考える高齢者が増加するものと推察され、高齢者の住まい方には今後ますます大きな変化が生じることが予想される。 自宅を担保に金融機関から借り入れを行い、死亡時には金融機関が抵当権を行使して担保物件を競売にかけて返済に充当する「リバースモーゲージ」に、近年3メガバンクが揃って参入したこともそうした変化が大きな流れとなっていることを裏付けるものであり、ハウス・リースバックも同様に大きな成長が見込まれる。 (同社のハウス・リースバック事業)
2013年からハウス・リースバック事業をスタートさせた同社は、長年培ってきた査定能力に基づく正当な市場評価、販売力、店舗ネットワークによる全国対応などを強みとしている。
不景気時の資金ニーズにより、需要が更に高まる。
潜在的な売り物件を確保できる。(実際に在庫100件のうち毎月約1件が売却されている。)
仕入から販売まで、「買取時手数料」、「毎月の家賃収入」、「売却時のキャピタルゲイン」と、3段階で収益を見込める。
といった点が大きな魅力である。
保有総額(取得時価格の累計、未償却)は91億10百万円で前年同期比48.5%増。17年6月末比でも約3割増加した。保有件数は626件で前年同期比57.7%の増加。
地域別では、首都圏が44.2%、首都圏・中部・近畿の3大都市圏で90.6%となっている。
③不動産金融事業
(概要)
不動産を活用した資金調達として個人・法人向けに不動産担保ローンを提供している。ハウス・リースバックサービスに関する問い合わせの顧客の中には、不動産担保余力があるケース、必要な資金が不動産を処分するほどではない案件も多い。 また、売買価格が不透明になりやすく、銀行融資が受けにくい親族・親子間売買、セカンドハウスや収益不動産の購入、事業主の運転資金や設備投資資金、外国籍顧客向け不動産担保ローンなど多様な資金ニーズに対し、ハウスドゥ!チェーンを活かした全国の不動産情報により、適正でスピーディな評価を基に不動産担保融資で対応している。ハウス・リースバック事業の補完的事業として今後の成長を見込んでいる。 また、2017年10月より大阪信用金庫との提携によるリバースモーゲージ保証事業を開始した。100%子会社フィナンシャルドゥが、同行が提供するリバースモーゲージ商品における担保評価及び保証事業を行う。 今後は対応エリアや事業拡大に向けて他の金融機関との提携も進めていく。 ④不動産売買事業
(概要)
中古住宅買取再生販売、新築戸建住宅建売、住宅用地の開発、一棟収益不動産の再生販売等、同社自ら不動産を取得し、付加価値を付け、一般顧客・投資家へ販売している。グループ直営店及びフランチャイズ加盟店からの情報、不動産業者との共同事業である「プロジェクトパートナーシステム」からの情報などが物件仕入の主たる情報ルート。 同社では、不動産仲介業と不動産売買業を一体で運営しているため、売り手と買い手双方のニーズを把握しており、また、全国に窓口を有しているため、地域性、需要を見極めた仕入れや販売が可能となっている。 (主なサービス)
法人向けサービス「良質な不動産情報を活かしきる。」という考え方のもと、全国の加盟店や不動産会社とパートナーシステムや事業モデルを展開している。 「プロジェクトパートナーシステム」(不動産共同購入)は、フランチャイズ加盟店・全国の不動産会社から寄せられた情報と同社の資金力、販売力を組合わせて不動産の購入・販売を行う新たなビジネスモデルである。 直営店、加盟店との全国ネットワークを活かした直接買取を行っている。 同社は顧客より依頼を受けた際、その日中に即日訪問することも可能であり、訪問時にその場で価格を提示する「即価格提示」は同社が評価される理由の一つとなっている。 査定価格については、仲介で「3ヶ月程度で売却できる金額」、「1ヶ月程度で売却できる金額」、「すぐに買取できる金額」の3段階で提案を行う。 また、情報をオープンにするというブランド理念に基づき、不動産取引物件情報開示システム「DO TOUCH! MAP」の活用により近隣事例を公開するなど、一般の顧客にも安心・信頼して取引ができるようにサービスを提供している。 「家・不動産買取専門店」として店舗を展開している。 また、不動産流通事業のサテライト店の併設店舗としても展開しており、仲介での売却と共に買取価格の提案も行っている。 ⑤不動産流通事業
(概要)
同社が展開する不動産流通事業は、「建売住宅仲介」、「中古住宅仲介」、「土地仲介」の単一的な提案にとどまらず、顧客のニーズを確実にくみ取ることにより、「土地仲介と新築建築」、「中古住宅仲介とリフォーム」、「売却計画と住み替え」等、複合的な提案を行っている。さらに、資金計画や保険についても、初期段階から提案し、安心してマイホームを購入できるように総合的な支援を行っている。 同社ではこれまでの日本の不動産業界のあり方を根本から変え、顧客のライフステージに即した理想の住宅に積極的に住み替えることができるような、住まいの新しい流通システムを築くことを目指しており、その主導権を不動産業界ではなく、住まう顧客側に引き寄せたいと考えている。 そのために、物件情報をオープンにし、問い合わせに対し24時間以内に情報を届けることによって、安心・納得して売買できる透明性と流動性の高い流通システムの構築を目指している。 具体的には、インターネット、ホームページ等のWEB媒体、新聞折り込み広告、住宅関連情報誌、店舗エリアを網羅し各戸配布を実現するポスティングシステム等、多様な方法で顧客にいち早く、鮮度の高い物件情報を提供している。 不動産物件検索サイト 全国の加盟店とハウスドゥ!直営店の不動産物件を、一括検索することができる「Housedo.com」と、各店舗専用の不動産物件検索サイト「DO-search!」を備えている。 「Housedo.com」は、エリア・沿線・駅・おすすめの住まい特集・全国の店舗等の検索軸から物件検索が行なえ、ハウスドゥ!FC本部が運営を行うポータルサイト。全国の顧客へ広く物件を紹介することを目的としている。 「DO-search!」は、各店舗物件を検索でき、店舗が主体となって運営を行っている。チラシやポスティング広告等と組み合わせた地域密着型の展開により地元の顧客へ、いち早く情報を提供することを目的としている。 ロードサイド型大型店舗「住宅情報モール」、売買仲介業を中心とした「サテライト店」の直営店で不動産仲介を行っている。物件紹介のみにとどまらず、リフォームの提案や、資金計画や保険についても、初期段階から提案し、ワンストップサービスの提供を行っている。 ⑥リフォーム事業
(概要)
21世紀は「リサイクル」と「エコロジー」の融合である「リコロジー」という概念を提唱し、「住まいの再生」100年リフォームを目指している。中古住宅の原状回復のためのリフレッシュリフォーム、機能性やデザイン性等付加価値を付けた大規模リフォームやリノベーション、引き渡し後のメンテナンスや課題に対応する小工事リフォームまで、幅広い客層や価格帯に対応したサービスメニューを揃えている。 標準仕様でホームインスペクション(住宅検査)と耐震診断を実施、充実した保証制度(全ての工事に保証書発行、最高10年保証、最高3億円の請負賠償責任契約加入、住宅設備の10年延長保証サービス等)等、顧客目線で安心感を与えている点が大きな特徴となっている。 (サービス概要)
サイト運営リフォーム全般に関してのポータルサイトのほか、水回り専門、屋根と外壁の専門のリフォームサイトを運営している。 京都中央ショールーム、京都北ショールーム、上尾桶川ショールーム、直営店である住宅情報モールのショールームでサービスを行っている。 【1-5 特長と強み】
①フランチャイズ加盟店に対する指導力
主力事業であるフランチャイズ事業におけるフランチャイズ加盟店にとって最も重要なのは「いかにして多くの顧客を集客するか?」ということであるが、この集客力向上に向けた指導力は同社最大の強みであると安藤社長も強調している。集客力向上は、「お客様に多くの情報をいち早く提供することこそがお客様の要望に応えるということである。」という同社創業時からの理念の実践であり、WEBシステム「DO NETWORK!」や加盟店研修を通じたノウハウの提供は加盟店から高く評価されており、フランチャイズチェーン成長の大きな原動力となっている。 ②地域密着の査定力・販売力・全国対応
「2025年 国内1,000店舗」を目標に、フランチャイズチェーンネットワークの構築・拡大を進めているが、この店舗網をベースとした、地域密着による「査定力」、「販売力」は大きな強みである。加えてこうした力を、全国規模で発揮・展開できる事は、強力なネットワークを有する同社ならではの競争優位性となっている。 フランチャイズ事業に加え、ハウス・リースバック事業、不動産金融事業など収益性の高いストック型収益事業の成長により今後も高ROEを維持するものと見られる。 |
2018年6月期第2四半期決算概要 |
増収増益。第2四半期の過去最高を記録。
売上高は前年同期比11.1%増の95億32百万円。主力のフランチャイズ事業が好調。前期の特殊要因を考慮すると全セグメントで増収。売上総利益は同20.5%増の39億15百万円。ストック型収益事業の伸長で売上総利益率も3.2ポイント上昇し41.1%となった。ストック型収益事業注力のため人件費、広告宣伝費など中心に販管費も増加したが増収効果で吸収し、営業利益は同38.7%増の8億88百万円。期初予想に対しても売上、利益ともに上回った。 ①フランチャイズ事業
増収増益。ストック型収益事業の主力であるフランチャイズ事業は、都市部の不動産業者への加盟促進とテレビ・ラジオCM等による広告宣伝効果に加え、東証1部上場企業としての信用力の向上やコーポレートブランド価値の向上効果、「家・不動産買取専門店」併設店舗ニーズなどから、新規加盟契約数は63件と順調に増加し、累計加盟契約数は501件となった。また、スーパーバイザーの加盟店フォロー体制の構築や各種サービスコンテンツの充実の効果もあり、新規開店店舗数は65店舗、累計開店店舗数は415店舗となった。 新ブランド「RENT Do!」を立ち上げ、賃貸事業に参入した。(事業開始は2018年2月。) ②ハウス・リースバック事業
減収減益。テレビ・ラジオCM等の広告宣伝効果によるサービスの認知度向上と東証1部上場企業としての信用力の向上効果で問い合わせ及び取扱件数が増加した。 前年同期に一棟収益売却3億7百万円、高額物件売却1億77百万円があったため減収減益となったが、この特殊要因を除いたベースでは前年同期比31.3%増収、同51.0%増益と好調だった。 契約件数は前年同期1件増の151件、物件取得数は同2件増の142件、売却件数は同7件増の24件で売却売上高は5億66百万円。 保有する不動産は累計626件、保有総額(取得時価格の累計、未償却)は91億10百万円となった。 三大都市圏に加え福岡県にも展開し、取扱エリアを拡大した。 ③不動産金融事業
大幅増収増益。グループの強みである不動産査定力を活かした不動産担保融資の提供により、顧客のさまざまな資金ニーズに柔軟に対応することで販路開拓を行った。また、ハウス・リースバック事業の補完事業としてシナジーを効かせるとともに、フランチャイズ加盟店との連携に注力、金融機関との提携も積極的に推進した。2017年10月には少子高齢化社会のニーズに対応すべく、リバースモーゲージ保証事業をスタートさせた。 不動産担保融資とリバースモーゲージ保証合計の実行件数は前年同期比41件増の88件、融資残高は同22億40百万円増の32億58百万円となった。 ④不動産売買事業
増収増益。都市部を中心とする投資用不動産や高価格帯の商品においては、リスクを勘案し仕入を選別した。住宅ローンの超低金利が続く中、低価格で良質な中古不動産の購入ニーズは強いため、仲介顧客のニーズに合った物件を仕入れる方針を徹底し、前期後半より安全重視型から通常型へ方針を戻し直営店エリアの仕入れを積極化したことで取引件数は増加した。たな卸資産は前期末とほぼ同水準の56億円。残高ではなく回転率を重視し50億円程度を継続する。 ⑤不動産流通事業
増収増益。仲介件数は前年同期比139件増の1,546件。新たに沖縄県、愛知県に出店した。住宅ローンの超低金利継続の効果もあり、実需の動きは引き続き堅調に推移した。ホームページ等のWeb広告宣伝戦略、新聞折り込み広告、テレビ・ラジオCM等のメディアを利用した広告宣伝戦略に加え、地域密着型のポスティング戦略を通じて直営店への集客に注力した。 ⑥リフォーム事業
減収増益。リフォーム事業では、不動産売買事業と不動産流通事業の連携による中古住宅販売に加えたリフォーム受注の獲得を目指すほか、住宅設備メーカーとのコラボレーションによるリフォームイベントを積極的に開催することで集客に繋げている。前年同期に新築請負による売上2億円があったため減収となっているが、実質増収で足元の受注も堅調に推移。 自己資本比率は前期末の13.7%から13.2%上昇し26.9%となった。 投資CFはほぼ同水準で、フリーCFのマイナス幅は縮小した。株式の発行による収入があったが、長期借入による収入の減少、同返済による支出の増加で財務CFのプラス幅は縮小した。キャッシュポジションは上昇した。 (4)トピックス
2017年12月、欧米の不動産取引で主流のビジネススキームを取り入れた、従来の雇用形態に捉われない登録型エージェント制度「欧米流エージェント」の募集を開始した。◎不動産営業の登録型エージェント制度を本格的に開始 (欧米流エージェントとは?) 不動産営業のプロフェッショナルがエージェントとして同社と業務委託契約を締結、エージェントは同社が有する多様な経営資産を自由に活用しつつ、個人事業主として不動産取引を行うことが可能となる。 不動産流通先進国の米国の不動産取引においては一般的に取り入れられている仕組みで、米国でのエージェントは不動産仲介業務を行う資格を持つ不動産会社に所属するが、雇用契約ではなく独立した個人事業者として所属する不動産会社との業務委託契約に基づき不動産営業を行う。 売主側・買主側はそれぞれ別のエージェントに依頼し、エージェントはそれぞれの顧客の代理人として適正かつ効率的に取引を進め、取引の成立により成功報酬を得るのが一般的。 同社では、顧客により品質の高いサービスを提供することを目指し、2014年から一部で試験的に実施していたが、本格的に始動することとした。 欧米流エージェントの登録者は、イニシャルコスト不要で、同社の「ブランド力」、「集客力」、「信用力」、「顧客や物件の管理システム」、「全国500超の店舗ネットワーク」といった優れた経営資産を活用しつつ、独立した事業主として不動産販売・仲介業務に専念することができる。 エージェントは登録後、売買契約成立時には営業利益の48%から最大90%のインセンティブが支給される。また、就業時間などは自由に裁量できることに加え、兼業・副業も可能であるため、個人に合わせたワークライフバランスを選択できる。 同社においては、少子高齢化により労働力人口が減少し、人材確保がより一層難しくなる状況が予測される中、即戦力となる優秀な不動産のプロフェッショナルを確保することができる点が大きなメリットとなる。 まず首都圏を中心に募集を開始し、今期のエージェント登録数100名を目指している。 |
2018年6月期業績見通し |
ストック型収益事業が拡大し増収増益見込む。
通期業績予想に変更は無い。売上高は前期比1.8%増収の171億46百万円の予想。主力のフランチャイズ事業は引き続き拡大。ハウス・リースバック事業は前期の特殊要因の為減収となるが、その他のセグメントは全て増収を見込む。営業利益は同28.4%増の16億3百万円の予想。人件費、広告宣伝費など一段の業容拡大に向けた投資を行うが、利益率の高いストック型収益事業の拡大で2桁の増益へ。会社側は下期に向けたストック型収益事業の更なる伸張を見込んでいる。配当は前期比7円/株増配の27.00円/株を予定。予想配当性向は25.0%以上。 ①フランチャイズ事業
増収増益。引き続き契約件数及び店舗数の拡大に注力する。 不動産仲介事業、不動産買取事業とのシナジーで、「サテライト店」と「家・不動産買取専門店」の併設を推進する。 加盟契約数は前期比105件増の573件、新規開店店舗数は同79店舗増の457店舗を計画している。 ②ハウス・リースバック事業
減収微増益。前期にあった高額案件の売却5件、売上高8億33百万円、利益1億32百万円の反動で減収、利益も横ばいだが、これを除けば前期比40.1%の増収予想。一棟収益を含まない同事業(単独)の営業利益は同47.9%増益予想。 ニーズは旺盛で、人材および広告宣伝を更に強化し、成長角度を加速させる。 平均契約件数は前期比11件増の36.3件、物件取得件数は同51.4%増の436件を計画している。累計の保有件数は同68.2%増の863件で保有総額(取得時価格の累計、未償却)は同65.7%増の119億7百万円となる。 ③不動産金融事業等
大幅な増収増益。ハウス・リースバック事業との連携による不動産担保ローンが続伸する。リバースモーゲージ保証との合計融資実行件数は約倍増の207件、融資残高は前期比25億円増の54億円を見込んでいる。 ④不動産売買事業
増収増益。引き続き実需は堅調と判断しており、直営店エリアでは積極的な仕入れを行う。 回転率も重視しつつ、たな卸資産は50億円程度の水準を維持する方針。取引件数は305件を見込む。 ⑤不動産流通事業
増収減益。FC店舗数増加などによる認知度向上により、仲介件数は堅調に増加。前期比5.4%増の2,881件を計画。 引き続きストック型収益事業への人材シフトを進めると同時に、買取、リフォーム、火災保険、住宅ローンなど関連ビジネスに繋げシナジー効果を追求する。 ⑥リフォーム事業
増収減益。リフォーム契約件数、引渡し件数はそれぞれ前期比2.3%増の2,180件、同10.0%増の2,283件を計画している。 |
中期経営計画と成長戦略 |
同社は2016年8月、2017年6月期をスタートとする3年間の中期経営計画を発表し、現在進行中である。 ◎成長戦略 不動産流通事業、不動産売買事業、リフォーム事業による「労働集約型収益」から、フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産金融事業による「ストック型収益」への転換を図る。 このために17年6月期に広告宣伝及び人材投資を積極的に展開。フランチャイズ事業およびハウス・リースバック事業のそれぞれ1億円、合計2億円を計上している。 (2)更なる成長のために 現在の日本の不動産業界に対する問題意識、想いの下、「全てのエリアにハウスドゥ!お客様のより近くに安心、便利な窓口を創り出す。」とのビジョンを掲げて不動産業界の変革に挑戦する同社は、今後の更なる成長を目指す中で、空家・空室の増加や高齢化など日本の社会問題解決を新たなビジネスチャンスととらえ「RENT Do!」や「タイムルームクラウド」をスタートさせたほか、「ハウス・リースバック」、「不動産担保ローン」に加え新たに「リバースモーゲージ保証」をスタートさせるなど、不動産を所有する高齢者の資金需要に対応して資産を活かして資金を供給する「不動産+金融」の展開にも注力していく。 また、人工知能を利用した査定とフィンテックによる不動産担保融資を実行する「ハウスドゥ!BANK構想」の確立・普及も重要な成長ドライバーと考えている。 |
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2017年9月27日
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