ブリッジレポート
(3667) 株式会社enish

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ブリッジレポート:(3667)enish vol.22

(3667:東証1部) enish 企業HP
安徳 孝平 社長
安徳 孝平 社長

【ブリッジレポート vol.22】2017年12月期業績レポート
取材概要「「17/12期は赤字だったが、18/12期は投資回収」、「18/12期は利益にこだわる」と言うのが、安徳社長の考え。このため、17/12期第4四半期の・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年2月27日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社enish
社長
安徳 孝平
所在地
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年12月 4,970 -361 -401 -340
2015年12月 5,482 -964 -1,004 -1,447
2014年12月 6,452 149 151 22
2013年12月 6,624 1,109 1,078 653
2012年12月 4,430 666 654 373
2011年12月 2,590 526 523 298
2010年12月 415 64 71 55
2010年1月 22 -40 -41 -41
株式情報(2/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
993円 7,801,600株 7,747百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - - - 89.97円 11.0倍
※株価は02/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。BPSは前期末実績。
 
enishの2017年12月期決算の概要と今後の施策について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
レストラン経営シミュレーションゲーム「ぼくのレストランII」やアパレルショップの経営シミュレーションゲーム「ガルショ☆」等の人気作品を有するソーシャルアプリの企画・開発・運営会社。「Link with Fun」というスローガンの下、「世界中にenishファンを作り出す」事をミッションとして掲げている。社名の「enish(エニッシュ)」は、人と人との縁(えん、えにし)に由来する。

基本方針は、(1)IPタイトルの強化、(2)オリジナルタイトルの強化、(3)非ゲーム事業への投資。「欅のキセキ」を中心としたゲーム事業の更なる成長と非ゲーム事業の拡大により安定した収益基盤の構築を目指している。非ゲーム事業では、ファッションレンタルサービス「EDIST.CLOSET」、婚活アプリ「metune」、及び「Yahoo!ゲーム プレイヤー」といった新規事業を育成中である。
 
【沿革】
 
【人気アイドルグループ“欅坂46”の初となる公式アプリ「欅のキセキ」
(パズルゲーム)を10月18日にリリース】
 
10月18日に、App Store、Google Play、Yahoo!ゲーム プレイヤー上で、「欅のキセキ」の配信を開始した。グループが歩んだ成長の軌跡と、メンバーが努力し続ける事で起こした奇跡をたどるドキュメンタリータッチのパズルゲーム。ファンにグループやメンバーを知ってもらえるように工夫されており、メンバーが写真や動画で登場する。基本プレイは無料(アイテム課金制)。「新米マネージャー」になって、オーディションからメンバーの成長を見守ろう!

「欅のキセキ」は、リリースから3ヶ月でダウンロード数が250万ダウンロードを突破し、足元も増勢が続き、収益に貢献している。App Storeでは「4.8」と高い評価を得ており、レビュー数は9.4万件。2017年に著しい成長を遂げたスマホアプリを表彰する「App Ape Award 2017」にもノミネートされた。
 
 
「12オーディンズ」は、世界を滅ぼしかけた魔龍の爪あとが残るウルザールを舞台に、プレイヤーは「約束の地」を求めて旅立つ。個性豊かなキャラクターとの出会い、交錯する思いと人間模様、徐々に明らかになっていくストーリー。ジョブシステムと多彩な装備やスキルを駆使した戦略性と共に、派手なエフェクトと3Dで表現される爽快なリアルタイムバトルを堪能できる。2017年1月にリリース1周年を迎え、累計ダウンロードが200万ダウンロードを突破した。Funmily社との独占ライセンス契約の下、提携先を通して、台湾・香港・マカオでの配信も決まっている。
 
【非ゲーム事業】
旬の洋服をコーディネートして届ける月額ファッションレンタルサービス「EDIST. CLOSET」、占い婚活アプリ「metune」、及び「Yahoo!ゲーム プレイヤー」を育成中である。
 
 
2017年12月期決算
 
 
2017年10月18日に「欅のキセキ」の配信を開始
2017年10月18日に、欅坂46公式ゲームアプリ「欅のキセキ」(iOS版、Android版、及びPC版)の配信を、App Store、Google Play、及びYahoo! ゲームプレイヤー上でそれぞれ開始した。
「欅のキセキ」の寄与で第4四半期(10-12月)の売上高は15億89 百万円と第3四半期比86.1%増加。売上の増加に伴い変動費(課金手数料/ロイヤリティ/CS等)も増加したが、売上総損益は1億68百万円の利益に転じ、第3四半期の79百万円の損失から2億47百万円改善した。TVCM等に伴う広告宣伝費の増加(第3四半期:84百万円→第4四半期:2億03百万円)で1億82百万円の営業損失となったものの、12月単月では黒字転換した。
 
 
 
 
通期では前期比11.8%の減収、営業損失9億14百万円
ブラウザタイトル譲渡と「欅のキセキ」の開発に注力したため、売上高は既存3タイトルを中心に43億82百万円と前期比11.8%減少した。新規タイトルの開発費を費用計上しているため、売上が減少する中、「欅のキセキ」の開発費が負担となり、営業損失が前期の3億61百万円から9億14百万円に増加した。
 
 
 
期末総資産は前期末と比べて4億95百万円減の16億82百万円。自己資本比率41.7%(前期末77.4%)。
尚、財務基盤の改善を目的に、2018 年1月10日に大和証券(株)を割当先とする第三者割当てによる行使価額修正条項付第10回新株予約権12,000個を発行した。発行価格は新株予約権1個当たり1,130円(新株予約権の払込総額13,560千円)。権利行使された場合の新株予約権1個当たりの発行株数は100株(潜在株式数1,200千株)。当初の行使価格は1,355円で、下限行使価格813円。2018 年2月15日に全ての行使が完了し(1,200千株を発行)、12億54百万円を調達済みである。
 
 
 
今後の施策
 
基本方針は、ゲーム事業において(1)IPタイトルの強化と(2)オリジナルタイトルの強化に取り組むと共に、(3)非ゲーム事業への投資を続ける。
 
ゲーム事業
10月にリリースした大型IPタイトル「欅のキセキ」は、リリースから3ヶ月でダウンロード数が250万ダウンロードを突破した。足元も増勢が続き、収益貢献が始まっている。App Storeの評価は「4.8」と高い評価を得ており、レビュー数は9.4万件。2017年に著しい成長を遂げたスマホアプリを表彰する「App Ape Award 2017」(スマホアプリ分析プラットフォーム「App Ape」を手掛けるフラー株式会社主催)にもノミネートされた。
 
 
18/12期は「欅のキセキ」に注力しつつ、「12オーディンズ」、「ぼくのレストランII」及び「ガルショ☆」の既存3タイトルの梃子入れを図る。
「欅のキセキ」については、更なるコンテンツの拡充とVR機能の実装に向けて準備を進める。また、サウンドプロデューサー秋元康氏によるオリジナル楽曲の投入も計画している。一方、既存3タイトルについては、ゲームアプリ「12オーディンズ」において大型アップデートに向けて世界観及び機能面を再構築し、「ぼくのレストランII」及び「ガルショ☆」のブラウザゲーム2タイトルにおいては、きめ細かな対応で運営を強化する。
パイプラインについては、他社の大型IPタイトルとオリジナルタイトルのバランスを念頭に計画が進行中である。他社IPタイトルについては、大型IPを活用した新規タイトル1~2本のリリースを予定しており、現在、大型IPホルダーと協議を進めている。オリジナルタイトルについては、自社のノウハウを活かした1タイトルのリリースを予定している。
 
非ゲーム事業
ゲーム事業に続く収益の柱とするべく、旬の洋服をコーディネートして届ける月額ファッションレンタルサービス「EDIST. CLOSET」、占い婚活アプリ「metune」、及び「Yahoo!ゲームプレイヤー」を、非ゲーム事業として育成中である。18/12期もこれら3事業への投資を継続していく。
最注力事業である「EDIST. CLOSET」については、スーツセットを新たに加えた春モデル9セットを展開すると共に、新サービス「EDIST.SELECT」&「EDIST.KIDS」の今春のリリースを予定している。また、顧客満足度向上につながる施策と積極的なプロモーションも実施してく。「metune」については機能面等を含めて、サービス内容の改善を図り、「Yahoo!ゲーム プレイヤー」については、2月下旬に「ドラゴンクエストライバルズ」のリリースを予定しており、その後も継続的に新規タイトルをリリースしていく。
 
忙しい女性に向けたフィッティングサービス「EDIST.SELECT」&「EDIST.KIDS」
「EDIST.SELECT」、「EDIST.KIDS」共に、トレンドに合わせたアイテムが自宅に届き、試着してから気に入ったアイテムだけの購入が可能だ。このうち「EDIST.SELECT」は、パーソナルカラー診断に基づき、「EDIST. CLOSET」と合わせて使える定番アイテム2セットを用意する(トップスからボトムスまで4~5点を提供)。一方、「EDIST.KIDS」は、2~5歳の子供向けのプライベートブランドによるコーディネートセット。サイズは90・100・110の3種類を男女別に用意し、自宅で子供と一緒に洋服を選ぶ事ができる。
 
 
今後の注目点
「17/12期は赤字だったが、18/12期は投資回収」、「18/12期は利益にこだわる」と言うのが、安徳社長の考え。このため、17/12期第4四半期の営業損失の主因となった広告宣伝費については、一旦、ニュートラルに戻し、18/12期は費用対効果を見ながら投下していく。「欅のキセキ」はリリースから4ヶ月が経過したが、引き続き新規のユーザー獲得が順調な上、継続率も高いようだ。課金率も想定内で推移している模様。また、既存の「12オーディンズ」、「ぼくのレストランII」、及び「ガルショ☆」については、CPA(1タイトル当たりの広告費用)を抑制しているが、想定した継続率を維持できているようだ。また、「EDIST. CLOSET」は、足元、「EDIST.SELECT」&「EDIST.KIDS」やアプリ開発等で新たな投資が発生しているが、18/12期は下期に単月黒字化を目指している模様。
12月の月次営業損益が黒字転換した事を考えると、18/12期第1四半期は14/12期第3四半期以来の営業黒字が期待できる(月次損益が開示されている訳ではないため、今の段階で利益水準を予想する事は難しいが)。ゴールデンウィーク前後に発表される第1四半期決算に注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書   更新日:2017年04月06日
基本的な考え方
当社は、企業価値を継続的に高めていくためには、迅速な意思決定や適切な業務執行と共に、経営の健全性と透明性を高める経営監視システムを強化し、機能させることが極めて重要だと認識し、ステークホルダーの信頼維持のため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。
 
<実施しない主な原則とその理由>
■原則5-2 経営戦略や経営計画の策定・公表
モバイルゲーム事業を取り巻く環境の変化が激しく、当社の業績も短期的に大きく変動する可能性があること等から、具体的な数値目標を算出することが困難となっているため、決算業績及び事業の概況のタイムリーな開示に努め、具体的な数値目標については開示を見合わせます。
 
<開示している主な原則>
■原則1-4 いわゆる政策保有株式
当社は、モバイルゲーム及び周辺サービス事業に注力するため、当面は、上場株式を保有しない方針であります。なお、今後、政策保有をする場合、中長期的な企業価値向上の観点から、個別に賛否を判断いたします。

■原則1-7 関連当事者間の取引
関連当事者取引については、取引条件及びその決定方法の妥当性について取締役会で審議し、意思決定を行う方針であります。
また、取締役会での意思決定後も、経理部門が取引の内容等の事後的なチェックを実施しています。

■原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針
当社は、株主との建設的な対話を促進するため、経営陣幹部等を中心に様々な機会を通じて株主と対話を持つよう努めております。
また、広くIR活動を行うため、IR担当役員として取締役執行役員管理部長を指定し、IR担当部署として管理本部経営企画を指定するとともに、経理、総務等の関連部門と有機的な連携に努めております。
アナリストや投資家および株主にタイムリーに情報提供するとともに、お問い合わせに迅速かつ適切に対応するよう努める一方で、対話に際してのインサイダー情報の管理を徹底するよう努めております。なお、株主の意見や懸念につきましては、必要に応じて経営陣幹部や取締役会に報告しております。