ブリッジレポート
(6044) 株式会社三機サービス

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ブリッジレポート:(6044)三機サービス vol.4

(6044:東証1部) 三機サービス 企業HP
中島 義兼 社長
中島 義兼 社長

【ブリッジレポート vol.4】2018年5月期第2四半期業績レポート
取材概要「売上、利益ともに前期実績及び計画に達しなかったメーカーメンテナンス事業の前第4四半期(3-5月)を受けて、前回のレポートでは、「前期の課題・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年1月30日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社三機サービス
社長
中島 義兼
所在地
兵庫県姫路市阿保甲576-1
決算期
5月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年5月 8,777 538 533 360
2016年5月 6,617 394 357 251
2015年5月 5,897 366 359 213
2014年5月 5,481 295 289 164
2013年5月 5,419 144 149 166
株式情報(1/16現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,586円 5,589,285株 8,864百万円 23.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
23.00円 1.5% 74.61円 21.3倍 330.81円 4.8倍
※株価 1/16終値。発行済株式数、BPSは直近期決算短信より。ROEは前期実績。
 
株式会社三機サービスの2018年5月期第2四半期決算概要などをお伝えします。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
店舗や各種施設を対象に空調設備、厨房機器、冷凍・冷蔵設備等のメンテナンスを一括して行う「トータルメンテナンス事業」、メーカーサービス指定店としてパナソニックグループ製大型空調機器のメンテナンスや設備更新、改修工事などを手掛ける「メーカーメンテナンス事業」、業務用大型空調機向けの省エネ化工事やLED工事などの省エネ化に関する「省エネ事業」を展開。高い技術力、安定したストックビジネスなどが大きな強み。メーカーメンテナンス事業の安定した成長をベースに、トータルメンテナンスサービス事業および海外事業の拡大と収益性向上を目指す。
 
【1-1 沿革】
大型空調機販売の全国展開を目指していた三洋空調システムサービス株式会社(現パナソニック産機システムズ株式会社)が、各地域における据付・組立・試運転及び保守管理業務を委託するメーカーサービス指定店を探していた中、1976年10月、株式会社兵庫機工が機械事業部の事業の一環として業務を受託する事となった。
1977年7月には、株式会社三機サービスを設立し、「メンテナンス事業」を本格的にスタートさせた。
三洋空調システムサービスの大阪センター事務所内に三機サービスの大阪センターを開設するなど、当初から両社の関係は強固なものであったことに加え、事業展開をスピーディーに進めたい三洋空調システムサービスのニーズに的確に対応し、社員の積極採用や技術訓練を含めた教育の充実など体制作りに注力したこと等を高く評価され、大阪地域以外での受託も行う事となり、1977年10月東京センター、1978年4月名古屋センターを相次いで開設し、東名阪での事業展開が加速した。
その後、神戸、札幌にも事業所を開設し、全国展開を進めていく。1998年9月には中国上海市に空調機器の保守・メンテナンス業務を目的とした上海三機大楼設備維修有限公司を設立した。
一方、2000年9月には24時間365日対応のコールセンターを開設。現在のもう一つの事業である「トータルメンテナンス事業」の全国展開を開始した。2012年2月には中国でのトータルメンテナンス事業を加速させるため上海市に24時間365日対応のコールセンターを開設。
2015年4月に東証JASDAQ市場に上場。2016年4月に東証2部へ、2017年4月には上場2年で東証1部へ市場変更となった。
 
【1-2 企業理念など】
 
この他、顧客からの「信頼を築く5つの行動」として、「約束」、「挨拶」、「対話」、「若さ」、「技能」を掲げている。
 
【1-3 市場環境など】
後述するように、空調、冷暖房、厨房などの各種機器を用いる飲食店、小売店においてはデフレ環境下、売上の大幅増が期待しがたい中で、競争を勝ち抜くためにはコスト管理が最重要ポイントとなる。
特にチェーン店化を進めている場合、各機器を全国規模・同一基準で管理することによるトータルコストの削減へのニーズが強い。
同社ではトータルメンテナンス事業の市場規模を約3兆円(※)と推定しており、この巨大市場の開拓を積極的に推進していく考えだ。
※主要顧客3業態(飲食、流通、娯楽関連)の全国チェーン売上高の3%をメンテナンスコストと仮定

主な同業他社としては、上場企業では日本空調サービス株式会社(4658、東証1部)、シンメンテホールディングス株式会社(6086、東証マザーズ)などがあり、非上場企業も数社が競合となっている。トータルメンテナンス事業においては機器メーカーのサービス部門等も競合となる。
これら競合に対し同社は、「24時間365日対応のコールセンターの充実」、「全国緊急対応が可能」、「WEBを含めたシステム化が先行」、「メーカーの機種を問わず対応が可能」といった点が強みであると自己分析を行っている。
 
 
【1-4 事業内容】
1.事業分野
「トータルメンテナンス事業」、「メーカーメンテナンス事業」、「省エネ事業」の3事業を展開。
※前期までは、報告セグメントとして「空調機器メンテナンス事業」、「トータルメンテナンス事業」の2セグメントとしていたが、今期より各事業部別に配置していた営業担当を集約し窓口を一本化すること及び自社メンテナンスエンジニアを一括管理し多能工化を推進することによって、全社の生産性を上げ、迅速かつ付加価値の高いサービスを提供することを目的に、会社組織を変更している。こうした会社組織の変更を含む事業展開、経営管理体制の実態等を踏まえ、報告セグメントについて再考した結果、グループの事業を一体として捉えることが合理的であり、事業セグメントは単一セグメントが適切であると判断した。
 
①トータルメンテナンス事業
メーカーメンテナンス事業で培った技術を活かして更に大きな市場での事業展開を目指していくのがトータルメンテナンス事業である。
 
 
主な顧客である飲食業、小売業のチェーン店等を対象に、空調機器・厨房機器・冷凍冷蔵設備・電気設備・給排水衛生設備・消防設備等の保守・管理業務をメーカーや機器品種問わず一括してメンテナンスを請け負っている。

飲食・小売業界では長引くデフレ環境の下、資金力やスケールメリットで優位に立つチェーンストアがそのシェアを拡大している。しかしチェーンストアにおいても売上の急拡大は難しく、競争を勝ち抜くためにはコスト管理が最重要課題となっている。
通常チェーン本部は、各チェーン店舗ごとおよび、各機器ごとに店舗のある地域の業者に修理や点検、トラブル対応を依頼している。

これに対し同社ではチェーン本部と一括契約をすることにより各機器の全国規模での同一基準による管理を提供している。
 
 
これに加え、24時間365日対応のコールセンターによる即応体制、Webサイトを活用した修理報告のほか、機器の使用状況・経年劣化の状況等のデータから導き出したリスク予測フォーマットのリアルタイムでの提供なども行っており、トラブルで営業を止めるわけにはいかない飲食・小売業のニーズに的確に対応している。
また、年度予算作成や停電作業立会いといった代行業務や、法改正対応や行政届出対応などコンプライアンス対応、新規出店や店舗改装時の警備計画立案、清掃・防虫防鼠、テナント入れ替え対応もカバーしている。

このように、単純な修理や故障対応にとどまらず、アウトソーシングの活用による費用低減のみではない間接コストも含めた「トータルコストの最適管理」を提供できる点が同社の強みであり、経営資源を重点分野に集中させたい顧客企業から高い評価を得ている。

全国11拠点に在籍する約2,000名の同社メンテナンスエンジニアに加え、メンテナンス業務委託先であるパートナー(全国約2,000社)が顧客店舗へ赴き作業にあたる。売上高に占める内製化比率(自社社員による対応)は約2割。
内製化比率の向上が課題であると会社側は認識している。
 
≪トータルメンテナンス事業における提案例≫
【事例1.大手コンビニエンスストアチェーンに対する空調メンテナンス一括管理提案】
対象店舗数:約19,000店舗
対象エリア:全国
受付体制:24時間365日
 
(ヒアリングを通じた顧客の現状および課題)
従来は専門ではない業者に委託していたが、空調トラブルが減らず逆に増加傾向にあった。
蓄積されるデータが活用されず、改善に活かせていなかった。
 
こうした状況に対し、同社では以下の提案を行った。
 
空調の定期洗浄・定期点検を実施することで、突発修理の低減を図ることができる。
空調に強い同社が管理することで、データを活かした改善提案が可能である。
 
【事例2.日本最大級の大手中食(お弁当)チェーンへコールセンター修理受付提案】
対象店舗数:約3,000店舗
対象エリア:日本全国
受付体制:24時間365日
 
(ヒアリングを通じた顧客の現状および課題)
本部の管理負担が大きくなり、間接コスト(人件費)が増加している。
メンテナンス業者が複数あり、一括で管理できていないため修理総額が大きい。(スケールメリットを活かせていない)
店舗数の増減による人件費のコントロールが難しい。
十分な手配体制が無く、休日、夜間の機器修理に対応できておらず、機会損失の不安がある。
店舗や機器ごとに、修理業者が違うため、情報の集約や情報活用ができない。
 
こうした状況に対し、同社では以下の提案を行った。
 
メンテナンス業務を一括で代行することにより、機器の修理履歴を収集できるため、消耗品や他店舗で同機種の機器故障傾向などを予測することができる。
メンテナンス業務を、全て同社にアウトソーシングすることで、店舗数の増減による管理人員の変更が不要となる。
報告書や請求書の管理をWEBシステムにより容易に行うことができる。
24時間365日対応可能なため、緊急トラブルも即対応が可能で、機会損失を防ぐことができる。
 
 
(解決後の状況)
WEBシステムの履歴管理機能により、消耗品交換の計画をたてることができ、予算の把握が可能になった。
各店舗のメンテナンス進捗の状況を専用ページからWEBシステムでいつでも見ることができるため、顧客企業の部署内において各店舗状況を効率良く共有できるようになった。
メンテナンス管理業務の効率が改善され、人材を開発等のコア部門に集中、専念させることが可能になった。
消耗品劣化によるトラブルを未然に防ぐことができ、緊急トラブルが少なくなった。
 
【事例3.食品スーパー大手に対するFM(ファシリティマネジメント)提案】
対象店舗数:約60店舗
対象エリア:関西エリア
受付体制:24時間365日
 
(ヒアリングを通じた顧客の現状および課題)
本部の管理負担が大きくなり、間接コスト(人件費)が増加している。
メンテナンス業者が複数あり、一括で管理できていないため修理総額が大きい。(スケールメリットを活かせていない)
十分な手配体制が無く、休日、夜間の機器修理に対応できておらず、機会損失の不安がある。
店舗や機器ごとに、修理業者が違うため、情報の集約や情報活用ができていない。
設備担当部門社員の高齢化が進み、今後の体制に不安がある。
 
こうした状況に対し、同社では以下の提案を行った。
 
メンテナンス業務を一括で代行することにより、機器の修理履歴を収集できるため、消耗品や他店舗で同機種の機器故障傾向などを予測することができる。
警備・メンテナンスを含めた店舗管理業務を、全て同社にアウトソーシングすることで、本部負担の軽減となる。
 
②メーカーメンテナンス事業
パナソニックグループにおいて業務用設備機器およびシステムの販売・施工・サービスを担っているパナソニック産機システムズ株式会社のメーカーサービス指定店として、同グループが製造・販売した納入先において業務用大型空調機器等の定期点検、修理対応を行っている。
近年では大型空調機器に付随した省エネインバータ化工事(※)、大型空調機器以外の電気設備や給排水衛生設備などのメンテナンスも手掛けるほか、大型機器のリニューアルなど事業領域を拡大している。
 
 
※インバータ化工事
空調機器に使われるポンプはモーターの回転で水を循環させている。モーターは電気が流れると常にフル回転しているが、循環する水量が多すぎる場合もある。そこでモーターの回転速度を制御する装置「インバータ」でモーターの回転数を減らして水量を調整すると、モーターの消費電力が下がり節電となる。インバータを空調機器に取り付ける工事をインバータ化工事という。
 
こうした事業の性格上、同事業の顧客は基本的に、パナソニック産機システムズの1社となる。
空調機器管理は、メーカーグループ内の機器管理会社が複数のメンテナンス業者にメンテナンスを委託する形となっており、各メーカー間には技術と機器の壁があるため新規参入がほぼないニッチな業界である。
 
 
同社の全国シェア(パナソニック産機システムズの社内シェア)は約20%でNo.1。東名阪に限れば約4割となっている。沿革でも触れたように早い時期からパナソニックグループ製の空調機器メンテナンスを手掛けたことでパナソニックグループとの関係が強固であることに加え、パナソニック系空調機器メンテナンス会社の中で従業員250名以上の規模は同社のみであり、全国規模でメンテナンスを手掛けることができるのは実質的に同社のみであること等がシェアNo.1の背景である。
メーカーは技術力の高さや効率性などの観点から実績のある大企業に管理を集中する傾向があるため、同社ではメンテナンス技術を更に磨き上げて、断トツのトップシェア確保を目指している。

トップシェアであることは事業の安定性のみでなく、新たなビジネス展開にも繋がっている。
空調機器管理の現場では提案の機会を同社がほぼ独占しているため、例えば前述の省エネインバータ化工事においては、現場の調査、効果の試算と導入提案、工事、アフターケアまでワンストップでサービスを提供することができる。大手リース会社との提携により初期投資負担無く最新のインバータ機器を導入することができるため、エンドユーザーは大きな節電効果を得る事が可能である。また同社も電力節減量に応じた成果報酬という新たな収益を得る事となる。さらに、この省エネ提案を「トータルメンテナンス事業」において展開することで、より大きな事業機会を獲得することができると考えている。

メンテナンスに携わるスタッフはほぼ全員が同社社員であり、徹底した社員教育により技術力の更なる高度化およびノウハウの蓄積を進めている。
 
③省エネ事業
トータルメンテナンス事業、メーカーメンテナンス事業の顧客に対して、省エネ化工事やLED工事などの提案、施工を行っている。
 
【事例.店舗数20店舗以上の菓子メーカーへの省エネ提案】
(ヒアリングを通じた顧客の現状および課題)
もともと、コスト意識が高く、削減する箇所と機会をさがしていた。
年間冷房で24時間稼働しているため、その稼働コストの削減が見込めた。
 
そこで同社は、「24時間稼働している空調機器(吸収冷温水機)にインバータ制御システムを組み込むことで電力調整が可能となるため、大幅なコスト削減ができ、3年で設置費用の回収が実現できる。」との提案を行った。
 
 
(解決後の状況)
1年目の計画数値が試算通りの数値となり、3年での投資回収が見込めたため、2台目の取り付けを行った。
※24時間稼働させる場合の回収期間。
 
【1-5 特長と強み】
◎安定したストックビジネス
メーカーメンテナンス事業は、顧客が基本的にはパナソニック産機システムズ1社のみであるため急速な成長を望むことはできないが、定期点検や修理等、安定した売上の拡大を見込むことができる。また新規参入による価格競争が起こる可能性も低く、安定した利益率を維持している。
 
◎高い技術力
前述の様にメーカーメンテナンス事業においてはメンテナンスに対応するスタッフはほぼ100%が同社社員であるため、実地研修やOJTによる社員教育を徹底して実施することができる。
これにより技術力のブラッシュアップ、ノウハウの蓄積が進んでおり、メーカーメンテナンス事業のみならず、今後の更なる拡大を目指しているトータルメンテナンス事業においても同業他社に対する大きな競争優位性となっている。
 
 
利益が着実に積み上がっているためレバレッジは低下しているが、売上高当期純利益率の上昇を主要因に、ROEは再び20%台に乗せた。
今期の予想売上高当期純利益率は4.17%であり、引き続き高いROEを維持しよう。
 
 
2018年5月期第2四半期決算概要
 
 
2桁の増収増益。期初計画も超過し過去最高を更新。
売上高は前年同期比24.2%増の52億79百万円。前期から開始した大手コンビニ向け業務が想定以上の受注となったことに加え、第3四半期に予定していた省エネ工事が前倒し受注となった。
営業利益は同40.7%増の3億81百万円。増員による人件費増、次期システム構築のためのコンサル費など販管費増を吸収し大幅な増益となった。メンテナンス部門の稼働率向上で粗利率、営業利益率はそれぞれ0.9ポイント、0.8ポイント上昇した。
前年実績及び期初計画を売上、利益とも上回り、過去最高を更新した。
 
 
同社の売上、利益は第2四半期、第4四半期に偏重する季節特性があるが、今2四半期は32.5%増収、43.8%増と前年同期比を大きく上回った。
 
 
小売業向け売上がここ2年で大きく拡大している。今後の成長余地も大きいと会社側は考えている。
 
 
収益性の高い定期業務の構成比が上昇し、利益率の上昇につながっている。
 
 
売上債権等の増加で流動資産は前期末に比べ4億71百万円の増加。投資有価証券の増加で固定資産は同78百万円増加し、資産合計は同5億49百万円増加の40億22百万円となった。
工事未払金の増加などで負債合計は同3億97百万円増加の21億72百万円となった。
利益剰余金の増加などで純資産は同1億52百万円増加の18億49百万円。自己資本比率は前期末より2.9%低下し46.0%となった。通期では50%台に戻ると計画している。
 
 
売上債権の増加などで営業CFのプラス幅は縮小した。
投資CFのマイナス幅はほぼ変わらず、フリーCFはプラスに転じた。
財務CFのマイナス幅もほぼ変わらず。
キャッシュポジションは低下した。
 
 
2018年5月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更無し。2桁の増収増益を見込む
上期業績予想を上方修正したが、上期案件の期ずれ、大口案件対応のための人員増を考慮し、通期予想は据え置いている。売上高は前期比13.9%増の100億円の予想。引き続き堅調なトータルメンテナンス、省エネ工事需要を取り込む。
営業利益は同16.9%増の6億30百万円を見込む。生産性の向上および販管費のコントロールを進め、営業利益率は0.2%上昇する。配当は前期より3円/株増配の23.00円/株を予定。予想配当性向は30.8%
 
 
今後の取り組み
 
(1)同社の目指すメンテナンス
①突発修理から予防保全へ
メンテナンス事業には突発修理が多いが、これは十分な保全メンテナンスを行っていない顧客先が依然として多数あることが大きな要因。
突発的な修理は、機会損失に加え費用が割高になるため顧客にとってマイナスが大きいが、対応スピードにも限界があり顧客満足度向上という観点からサービス会社にとってもメリットはない。
そこで同社では、突発修理を減らすために予防保全のための定期メンテナンスの実施に注力している。
今後は機器の状況をリアルタイムで遠隔監視するためにIoTを活用することも想定している。

②価格統制、適正価格の提示
大企業がいない同業界においてサービス提供価格は業界として統制が取れているとは言えない状況にあると同社では考えている。
そこで、小売業向けメンテナンス等における圧倒的シェアを背景に適正価格が提示できるよう価格統制を進めていく。

(2)中期・長期成長イメージ
安定した高利益率のメーカーメンテナンス事業をベースに、大きな潜在市場を背景に高成長が見込まれるトータルメンテナンス事業および海外ビジネスを展開して相乗効果により成長を加速させ、国内トータルメンテナンスビジネスを軸として、早期の売上高200億円実現を目指している。
海外事業については、今期より重慶エリアを拡大し中国ビジネスの加速を図るほか、2018~2019年にASEANへの進出を計画している。
 
 
今後の注目点
売上、利益ともに前期実績及び計画に達しなかったメーカーメンテナンス事業の前第4四半期(3-5月)を受けて、前回のレポートでは、「前期の課題克服のための組織体制の大幅変更がスムーズに機能を発揮するのかを注目したい。」と書いた。今第2四半期は売上、利益ともに計画超過で過去最高更新と好調な結果となったが、小売業向けトータルメンテナンスの大幅な拡大、期ずれ受注などの要因も大きく、組織体制変更の効果が通期ではどの程度現れるのかに注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書(最終更新日:2017年9月4日)