ブリッジレポート
(6461) 日本ピストンリング株式会社

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ブリッジレポート:(6461)日本ピストンリング vol.6

(6461:東証1部) 日本ピストンリング 企業HP
山本 彰 社長
山本 彰 社長

【ブリッジレポート vol.6】2017年度第2四半期業績レポート
取材概要「上期累計では増収増益であったが、第2四半期(7-9月)では前年同期に対し、売上高が4.3%増収にも拘らず、営業利益は17.8%減益であった・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年1月9日掲載
企業基本情報
企業名
日本ピストンリング株式会社
社長
山本 彰
所在地
さいたま市中央区本町東5−12−10
決算期
3月末日
業種
機械(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 52,121 3,238 2,898 2,415
2016年3月 52,199 2,549 2,442 1,605
2015年3月 51,657 1,946 2,172 2,173
2014年3月 50,430 1,759 1,733 1,352
2013年3月 47,018 2,225 2,184 2,013
株式情報(11/22現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,225円 8,374,157株 18,632百万円 8.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
70.00円 3.1% 255.32円 8.7倍 3,693.01円 0.6倍
※株価は11月22日終値。発行済株式数は直近期決算短信より。ROEは前期末実績。BPSは第2四半期末実績。
 
日本ピストンリングの2017年度上期決算概要、山本社長へのインタビューなどを紹介いたします。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
自動車エンジンの重要機能部品であるピストンリングやバルブシートなどを製造販売。日系自動車メーカー向けシェアはピストンリングで約3割、バルブシートで約4割。日系自動車メーカー全社のみならず非日系の有力自動車メーカー多数に製品を納入している。
金属材料・表面改質・精密加工等における高度な技術力が強み。金属粉末射出成形品事業、医療関連事業など非自動車エンジン部品分野への事業拡大や新製品の開発を進めている。
 
【沿革】
1935年8月に「自動車工業確立ニ関スル件」が閣議決定され、豊田自動織機製作所(現トヨタ)、日産などによる国産自動車の量産化がスタートする直前の1931年に鈴木友訓氏が、埼玉県川口町(現川口市)に日本ピストンリング製作所を創業。1934年には日本ピストンリング株式会社として川口工場を開設した。
第2次大戦時下、航空機用クロムめっきリングの量産も開始。1945年の終戦により工場を一時閉鎖したが、1949年の東京証券取引所における株式取引再開とともに、株式を公開した。
経済復興、高度経済成長、日本製自動車の輸出急増に伴い業績は急拡大する。
1970年代からは海外に進出しドイツ、アメリカの自動車メーカーへの納入をはじめ、2000年以降はタイ、インドネシア、中国、インドに海外生産拠点を設立し、グローバルな生産販売体制を整備した。
2014年度には非自動車エンジン部品事業への拡大を目指し、金属粉末射出成形品事業および歯科インプラント事業を譲り受け、2015年度に自社での操業を開始している。
 
 
【市場環境】
◎世界の自動車生産台数
6トン未満の車両での世界生産台数は、足元2016年の9,300万台から増加を続け、2020年に1億台を突破し、2024年には1億900万台に達するという。
内訳を見ると、欧米、日本など先進国が微増であるのに対し、中国を中心に、ASEAN、南米、インドなどの新興国は増加が続き、シェアは2016年の51%から2024年には58%まで上昇する。
 
 
◎パワートレイン(駆動方式)別生産台数
パワートレイン(駆動方式)別の生産台数予想では、環境意識の高まりから、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのシェアは若干低下し、ガソリンエンジンと電気両方で駆動するHV(ハイブリッド)またはPHV(プラグインハイブリッド)のシェアが上昇すると見られている。足元では世界的にEV(電気自動車)化が報道されるものの、2024年の1億900万台に占める割合は4.1%にすぎず、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが主流であることには変わりはない。
ピストンリングやバルブシートの需要は今後も堅調に推移すると見られる。
 
 
 
ピストンリングを製造している国内上場企業は同社を含めて3社であり、各社他事業への展開も行っている。ピストンリングのトップシェアは5割近い(6462)リケンだが、企業規模、収益性では(6463)TPRが頭一つ抜けている。(6461)日本ピストンリングは営業利益率や株価指標は一番低い。認知度の向上とともに、収益性の向上が課題となる。
 
【事業内容】
◎主力製品
社名ともなっているピストンリングを中心に、バルブシートをはじめ、様々な自動車部品を製造・販売している。2016年度の自動車関連製品の売上構成比は87.0%である。
一方で、2014年度に金属粉末射出成形品(メタモールド)事業と歯科インプラント事業を譲り受けた。非自動車エンジン部品分野への事業拡大、新製品の開発も進めている。
 
 
 
ピストン外周の溝(みぞ)に装着され、ばねのような張りを持ち、閉じると真円になるピストンリングは、エンジン燃焼室の苛酷な条件の中で爆発ガスをシールし、潤滑油をコントロールする。また、熱を逃がし、摩耗や焼き付けを抑える役割を持ち、気筒あたり1stリング、2ndリング、オイルリングの3本を基本に構成される。
ピストンに装着されたピストンリングの張力が高すぎると、スムーズなピストン運動を阻害することによる燃費への悪影響、逆に低すぎると爆発ガスが抜けることによるエネルギーロスやオイルあがりによるオイル消費の増加につながる。
このためピストンリングの張力は最適設計が必要となる。

また、シリンダ内の高温下で高速運動をすることによる摩耗や焼き付きを防ぐために、シリンダ内壁にはエンジンオイルの油膜が形成されるが、この油膜も厚ければ良いという事ではなく、オイルリングによって適切な厚さを保つ必要がある。
このようにピストンリングには耐摩耗性、強靭性、耐熱性、熱伝導性、オイルの保持性など多くの機能が要求されており、これによってエンジンの性能と耐久性は飛躍的に向上してきた。
近年では、環境問題に対する意識が急速に高まるなか、NOx、HC等の低減を求めた低排出ガス車の認定制度、CO2削減の為の燃費規制などへの対応が急務で、低燃費ニーズに対応した高性能なピストンリングが求められている。

ピストンリングに求められるこれらの課題について、同社では、低フリクション対応のピストンリング構成、更なる薄幅化、新表面処理や高耐久性安価材料の開発、チューニング技術による最適設計などのテクノロジーを開発・提案している。

このように極めて高い技術力を要求されるピストンリングを安定的に製造・供給し、なおかつ常に技術革新を進めることが出来る企業は同社を含めて限られた数社のみとなっている。
 
 
<バルブシート>
シリンダヘッドのバルブ着座部分に圧入される。高温下でバルブに叩かれても摩耗・劣化しない耐久性と、燃焼ガスを確実にシールさせる高い気密性が求められる重要なパーツであり、焼結合金でつくられている。同社では、材料開発力を活かした豊富な材料バリエーションにより、自動車メーカーからのレベルの高い要求に応えたバルブシートを提供している。日系自動車メーカー向けでは約4割とトップシェアを誇り、非日系自動車メーカー向けにも拡販を図っている。


<カムシャフト>
各気筒のバルブを開閉する役割を担い、軽量、高耐面圧、設計の自由度が高いなど多くの特長を持つ組立式焼結カムシャフトは、国内では同社のみが対応できる独自技術となっている。SUBARUの全内製エンジンに搭載され、高い耐久性が要求されるトラックメーカーにも納入されている。
 
◎顧客
日系自動車メーカー全社にピストンリング、バルブシートを納入している。
これら製品は、エンジン性能向上のために極めて高い技術水準が要求される自動車部品であり、近年では環境問題の高まりから低燃費や代替燃料対応として、欧米自動車メーカーや中国のローカル自動車メーカー等非日系自動車メーカーへ拡販が進んでいる。
 
 
【生産拠点&販売拠点】
<国内>
4か所の製造拠点と7か所の販売拠点(東京[本社:さいたま市]、名古屋、大阪、広島、福岡、仙台、札幌)を有している。
 
<海外>
ピストンリング、バルブシートを中心に、アメリカ、中国、アセアン、インドなどで生産、販売を展開している。また、ドイツ、シンガポール、マレーシアにも販売拠点を有している。
 
 
 
【特徴と強み】
常に高い信頼性を要求される自動車の機能部品メーカーとして80年以上にわたり存在感を示し、国内外多数の有力自動車メーカーに採用されてきた理由は、何にもまして同社の高い技術力である。近年では自動車用内燃機関の「熱効率50%超」達成・CO2低減・排出ガスクリーン化に貢献すべく主要製品の開発を進めている。

同社の中心技術は大きく以下の3点に分類される。
 
製品開発に当たり、これらの技術とエンジンに対するシミュレーション技術をかけ合わせる能力も同社の大きな強みである。
加えて、同社の高い技術力が不可欠な自動車メーカーは同社の企業価値を構成する重要な「顧客資産」と言えるだろう。
 
 
2016年度のROEは2015年度よりも2.8%上昇した。総資産回転率、レバレッジはほぼ前年度並みで、売上高当期純利益率の上昇によるものだが、これは法人税等調整額が一時的に減少したことが主要因であり、引き続き収益性向上に伴ったROEの上昇を期待したい。
 
 
2017年度上期決算概要
 
 
増収増益。売上高、利益共に期初予想を上回る。
売上高は前年同期比7.1%増の275億円となり、上期での過去最高を記録した。
国内売上高は前年同期比4億円減収の105億円。海外売上高は同22億円増収の170億円。海外売上高比率は2016年度の57.0%から61.8%へ4.8%上昇した。
営業利益は同2.5%増の15億9百万円。原材料の高騰影響等があったものの、増産影響等により増益となった。
経常利益は為替差益の発生により同33.5%増の16億82百万円。
売上高、利益共に期初予想値を上回った。
 
 
ピストンリングの販売が中国やASEANを中心に好調であったことから、構成比は50%を超え52%となり、前年同期に対しても12.4%増となった。
また、バルブシート、組立式焼結カムシャフトも、それぞれ前年同期比4.4%増となった。
 
 
売上債権の増加等により流動資産は前期末比12億3百万円増加。有形固定資産の減少で固定資産は同6億15百万円減少し、資産合計は同5億87百万円増加の677億23百万円となった。
有利子負債が増加した一方、設備投資代金の支払い等により、負債合計は同4億70百万円増加の367億23百万円となった。なお、有利子負債合計は同11億43百万円増加の180億90百万円となった。
利益剰余金の増加で株主資本が同6億21百円増加したのに対し、為替換算調整勘定が4億34百万円減少したこと等により、純資産は同1億16百万円増加の309億99百万円となった。
この結果、自己資本比率は44.9%となった。
 
 
 
税金等調整前四半期純利益の増加などで営業CFのプラス幅は拡大したが、有形固定資産の取得による支出が増加したため、フリーCFはマイナス5億55百万円となった。なお、2017年度上期末の「現金同等物残高」は45億43百万円となった。
 
(4)トピックス
◎ドイツ子会社の出資持分を一部譲渡等に関する基本合意書締結
2017年12月22日、NPRと大同メタル工業株式会社(7245、東証1部)は、NPRの100%連結子会社NPR of Europe Gmbh(NOE、所在地:ドイツ)の出資持分を大同メタル工業へ一部譲渡することに関して協議を進める「基本合意書」を締結した。

(基本合意書締結の背景)
NPRと大同メタル工業は、以前よりNOEを通じて欧州自動車メーカーや自動車エンジンメーカーへエンジン軸受等の大同メタル工業製品を販売するなど欧州市場において協働してきたが、両社の協働関係を強化することが、両社の欧州市場におけるプレゼンスを更に高めるとともに、相互の事業基盤強化並びに企業価値向上に繋がると両社は判断し、NOE出資持分の一部譲渡等に関する基本合意書を締結し、協議を進めることとした。
 
 
◎「東京モーターショー2017」に出展
2017年10月27日から11月5日まで東京ビッグサイト(江東区・有明)で開催された東京モーターショーに出展した。
今年は同社女性社員の意見を多く取り入れ、緑と水色を基調に自然をイメージしたブースにおいて、「環境にやさしい製品」として、DLC(Diamond Like Carbon)被膜のピストンリングやディンプルライナなどを展示した。DLCの摩擦力を低減してエンジンの燃費向上を実現する技術には多くの来場者が関心を寄せた。
また、メタモールド製品では、電動パワステや電動ブレーキ用部品をはじめとする高品質かつ多種多様な用途で使用可能な部品も紹介した。
加えて、EV化を見据えたモーターコア等の新製品開発への取り組みも紹介した。
 
 
 
2017年度業績予想
 
 
業績予想に変更無し。為替の影響で売上高横這いも、原価低減効果等で増益
通期業績予想に変更は無い。売上高は前年度比0.7%増の525億円を予想。下期の為替レートは108円/USD、115円/ユーロで設定している。営業利益は同1.9%増の33億円の予想。
国内外自動車メーカーとの取引拡大や、主要製品における革新的モノづくりによる原価低減に邁進する。経常利益は同6.9%増の31億円、当期純利益は同13.0%減の21億円を見込む。
配当は前年度より5円増の70円/株、配当性向は27.4%を予定する。
 
 
山本社長へのインタビュー
 
山本社長に、足元の状況、今後の取り組みなどを伺った。
 
Q:「2017年度上期決算についてどのような自己評価をされていますか?」
A:「売上高は順調に拡大。営業利益の積み上げがやや不十分だったが下期に挽回する。」
好調な受注環境により、売上高は上期での最高を記録し順調であった。上期累計では増収増益であったが、第2四半期は売上高が前年同期比4.3%の増収にも拘わらず、営業利益は17.8%の減益となった。外部環境要因では原材料高騰影響等があったが、それにも増して、原価低減が進捗せず営業利益の積み上げができなかった。結果として決算発表後直ぐに株価が約1割下落した。現在では、工場の改善は進んでいる。ただし、それが直ぐに営業利益へ結びつくものばかりではないが、改めて原価低減活動に邁進する。
工場はほぼフル操業。自動化、少人化投資も行っていくが、繊細な工程などでは「ヒト」による作業が残る。これまでにも取り組んできた多能工化をより積極的に進める必要があり、継続的に教育・訓練を行っていく。
 
Q:「第六次中期経営計画終了まで半年となりました。進捗はいかがでしょうか?」
A:「売上高および営業利益率の可能な限りの上積みを目指す。重点施策は着実に進展している。」
第六次中期経営計画の目標値である「売上高550億円以上、営業利益率7%以上」に対し、現時点での2017年度見通しは「売上高525億円、営業利益率6.3%」と、達成は難しい状況だ。計画設定時の為替レートよりも円高に推移していることや、メーカーでの量産時期の遅れ、企画台数に対して需要が減少していることが要因である。目標値に近づけるよう国内自動車メーカーへの拡販を推し進め、売上高の嵩上げを目指している。海外売上高比率に関しては目標値59.0%に対して上期では61.8%と上回っている。
営業利益率に関しても未達の見通しではあるが、2014年度からの改善幅は2.5ポイントとなり、一定の評価はできるだろう。こちらも拘りを持って更なる原価低減を推し進めることにより挽回を図る。

「製品の差別化による戦略機種の獲得」に関しては、ピストンリングでは表面処理技術により、摩擦力を低減してエンジンの燃費向上を実現するDLC(Diamond Like Carbon)により多くの販売機会を得た。バルブシートでは新素材の開発を進めることができた。また、シリンダライナでは内周面に微細なディンプルを形成することで、ピストンリングとの摩擦を低減するとともにエンジンの燃費向上を実現するディンプルライナを製品化したなど、継続的に開発に注力したことが堅調な売上高の増加や顧客からの信頼向上に繋がっている。

「革新的モノづくりの推進」においては、ピストンリング、バルブシート、組立式焼結カムシャフト、軸受補強材ともに新たなコンセプトのもと、生産ラインの編成にも取り組んでいる。

「新製品の事業化推進」においては、金属粉末射出成形品(メタモールド)が非自動車エンジン部品分野への拡がりを見せており、新たな顧客の獲得にも繋がっている。
メタモールドは一体成形により、低コストかつ複雑形状を実現する製品である。特にボールねじは、電動ブレーキや電動パワステなどの自動車分野に加え産業用機械分野でも採用されている。
 
Q:「次期中期経営計画でのポイントはどんな点でしょうか?」
A:「引き続き、主力製品の拡充、海外売上高の拡大、収益性の向上などに取り組んでいく。」
次期中期経営計画(第七次)は来年5月の発表に向け現在策定中であるが、「主力製品の拡充」、「海外売上高の拡大」、「収益性の向上」などが重要なポイントとなると考えている。
具体的な施策については、海外における国内外自動車メーカーへの取引拡大、新たな発想に基づく原価低減などが主体となる。
「海外売上高の拡大」に関しては、中国や欧米などの主要市場での技術提案可能な販売機能の拡充を図っていく。そのためには、外国人SE(セールス・エンジニア)の増員が必要と考えている。生産に関しては、国内拠点と海外拠点との生産量のバランスを考慮し、適量とすることで生産性の向上に繋げていく。
また、主力製品のグローバルシェア拡大を大きな目標として追求していきたい。ピストンリング、バルブシートともにシェアは上昇しているものの、拡販余地は大きい。日系自動車メーカーの海外現地開発エンジンにも参入することで海外における日系自動車メーカーへの拡販に繋げることや、非日系自動車メーカーへの取引拡大によりグローバルシェア拡大を図っていく。
 
 
今後の注目点
上期累計では増収増益であったが、第2四半期(7-9月)では前年同期に対し、売上高が4.3%増収にも拘らず、営業利益は17.8%減益であった。
営業利益が減益となった理由を会社側は内部要因として明確に捉え、対策を講じ下期の挽回を図っている。第六次中期経営計画最終年度後半、どの程度の営業利益の上積みを行うか注目したい。
 
 
 
一方、足元では世界的なEV(電気自動車)化に向けたニュースが大量に報道されるなか、その動向が気になるところではあるが、IHS Automotiveの直近での調査結果では、EVが自動車の主流を占めるのはまだ暫く先の予想である。
会社側は、既存事業を主体に取り組んでいくが、非自動車エンジン部品分野への事業拡大や新製品の開発も進める考えだ。
来年5月発表予定の第七次中期経営計画の内容に注目したい。
 
 
 
<参考1:第六次中期経営計画>
 
① 第六次中期経営計画概要
2014年12月に創立80周年を迎えた同社は、「100年企業への土台作り」を進め、既存製品の拡販と新市場の開拓を目指し、2017年度を最終年度とする第六次中期経営計画に取り組んでいる。
 
 
 
最終年度となる2017年度の予想については、為替が中期経営計画設定時に比べ円高に推移したことに伴い、売上高、営業利益率共に目標値を下回る。
ただし、世界の自動車生産台数が増加基調にあることや、世界的な環境問題対応強化から低燃費、排ガス規制へのニーズが一層高まることが想定されており、国内外自動車メーカーへの拡販余地も多い。
また、合理化を追求した革新的モノづくりの進捗が図られていることから、目標達成に向け、更なる原価低減に磨きをかけている。
 
 
予想売上高を製品別にみると、ピストンリング、バルブシート共に過去最高の水準にあり、数量も大きく増加している。
特に非日系売上比率が伸長しており、目標値の11.9%を超え、12.5%にまで上昇する。
 
 
2016年度の設備投資実績は、メーカーの立上げスケジュール変更により、当初予定の69億円を下回ったが、ピストンリングの革新的生産ラインなど必要な投資は実施することができた。
2017年度は67億円を予定する。高水準とはなるが、将来のポジショニング確立のためには不可欠な投資である。

2017年度の生産能力はピストンリングにおいては国内外が均衡、バルブシートに関しては海外生産能力が全体の7割を占める予定である。
 
 
 
<参考2:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2017年6月29日
 
 
同社は、外国人投資家にビジネスモデルなどをより良く理解してもらう必要があると考えており、引き続き積極的な英語での開示を進めていく考えだ。