ブリッジレポート
(9445) 株式会社フォーバルテレコム

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ブリッジレポート:(9445)フォーバルテレコム vol.50

(9445:東証2部) フォーバルテレコム 企業HP
谷井 剛 社長
谷井 剛 社長

【ブリッジレポート vol.50】2018年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「同社の18/3期第2四半期決算は、前年同期比7.1%の営業減益となったものの第1四半期の同31.2%の営業減益から大幅な改善となった。第2四半期・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年12月19日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバルテレコム
社長
谷井 剛
所在地
東京都千代田区神田錦町三丁目26番地 一ツ橋SIビル2F
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 15,049 695 700 462
2016年3月 13,842 644 672 441
2015年3月 12,385 581 567 305
2014年3月 12,145 446 435 272
2013年3月 11,990 436 438 269
2012年3月 13,470 323 302 177
2011年3月 13,560 391 391 155
2010年3月 13,956 347 327 194
2009年3月 15,042 391 388 133
2008年3月 13,466 337 344 192
2007年3月 12,461 845 840 975
2006年3月 11,024 859 868 841
2005年3月 7,740 470 452 726
2004年3月 6,114 214 205 205
2003年3月 7,746 93 40 69
株式情報(12/7現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
400円 16,693,200株 6,677百万円 21.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15.00円 3.8 % 28.45円 14.1倍 134.16円 3.0倍
※株価は12/7終値。ROEとBPSは2017年3月期実績、EPSは2018年3月期予想。
 
フォーバルテレコムの2018年3月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小・中堅法人向けにOA・ネットワーク機器の販売やサービスの取次ぎを展開するフォーバル(8275)の連結子会社。フォーバルの連結決算において、フォーバルテレコムビジネスグループとしてセグメントされている(17/3期はフォーバルの連結売上高の28.7%を占めた)。グループは同社の他、連結子会社4社、持分法適用関連会社1社。
 
【事業内容と企業グループ】
同社及び連結子会社(株)FISソリューションズによる法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)や法人向けFMC(Fixed Mobile Convergence)サービス「2way Smart」の提供と関連機器販売の「IP&Mobileソリューション事業」、連結子会社(株)トライ・エックスを中心にオン・デマンド印刷・印刷物のプランニング・デザイン等を手掛ける「ドキュメント・ソリューション事業」及び(株)保険ステーションによる保険やプライバシーマーク等に関する各種コンサルティング等の「コンサルティング事業」に分かれる。また、持分法適用関連会社(出資比率25%)で、(株)光通信(9435)グループの(株)アイ・イーグループとの合弁会社(株)ホワイトビジネスイニシアティブが「2way Smart」の企画開発及び関連するハードウエア開発を手掛けている。
 
 
 
 
主要なサービスの概要
 
(1)IP&Mobileソリューション
AmaVo
新たに提供を開始したサービスであり、iSmartひかり(同社NTT光コラボ回線)専用の法人向け電話サービス。同社が新たに開始したIP電話の「新しいあたりまえ」。AmazingVoIP(驚くべきVoIPサービス)の頭文字をとってネーミングされた。
 
 
 
iSmartひかり
NTT東日本・西日本が提供する光コラボレーションモデルを受け、同社がオリジナル料金で提供している光回線サービス。①バックボーンはNTTのフレッツ網を利用しているため品質が安定している、②請求の一本化ができるというメリットを持つ。おまか請求やワンビリングサービスで培われた請求一本化のノウハウが武器となっている。
 
 
iSmart接続-Fひかり
iSmart接続-Fひかりは、法人向けに提供している高品質なインターネット接続サービスを、個人でも利用しやすいように、サービス価格・内容を最適化したフレッツ光専用プロバイダサービス。
(サービスプラン)
 
メールアドレス10個、1GBのホームページ、スパムフィルタ、メール転送などがずっと無料なのが特徴。
 
(2)セキュリティコンサルティング
プライバシーマーク(Pマーク)や各種ISOのコンサルティング
認証取得支援から、運用支援、更新支援、規格改訂支援、各種セミナーなど、Pマークや各種ISOに関わるサポートを実施。
 
 
(3)ペーパレスソリューション
おまか請求
請求書・支払通知書・納品書をWeb化でコスト削減するツールを提供。顧客登録・受注登録・料金計算、請求書発行(WEB公開)・収納代行・督促支援業務などを含んだ請求代行サービス。請求に関する業務を代行し、顧客の請求コストの削減と業務負担の軽減を図る。また、おまか請求ではユーザーがクラウドサービスを安全に利用できるよう各種セキュリティ対策を実施している。
 
 
ワンビリングサービス
複数サービスの請求書をひとつにまとめて請求するサービス。請求書が何通も届くことなく、1請求書にまとめて請求される。請求書を一本化することで、各社からの請求書の煩雑さの解消や事務処理の簡素化が図られるなど、業務効率が向上する。
 
 
 
2018年3月期第2四半期決算
 
 
前年同期比4.4%の増収、同1.9%の経常減益
売上高は前年同期比4.4%増の75億69百万円。売上面は、ネット系ストック収益である「iSmart接続」の拡大等によりIP&Mobileソリューション事業で増加した他、(株)保険ステーションにおいて保険業法の改正の影響を受けつつも一人当たりの売上高が増加したこと等によりコンサルティング事業で増加した。一方、大型案件が終了した影響を受けたドキュメント・ソリューション事業で減少した。
営業利益は同7.1%減の2億62百万円。収益性の高いストック収益が増加したIP&Mobileソリューション事業や売上が増加したコンサルティング事業で増加したものの、売上減少の影響を受けたドキュメント・ソリューション事業で減少した。売上総利益率は、29.8%と前年比0.7ポイント低下した。また、ISPサービスの獲得に伴う営業費用(前払販売奨励金の償却費)の増加や正社員化に伴う人件費の増加などがあったものの、売上高対販管費比率は、26.4%と同0.2ポイント低下した。その他、経常利益は同1.9%減の2億71百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同0.8%増の1億82百万円となった。
 
 
 
 
連結の売上総利益は43百万円の増加。売上総利益率は0.7%ポイントの低下となった。個別ベースの売上総利益は、ネット系他のストック収益の拡大に加え、新サービスの契約獲得により通話系サービスにかかる課金収入も増加したことが寄与し、全体として1億3百万円増加した。一方、大型案件の終了した影響を受けたドキュメント・ソリューション事業において減少したことから子会社の売上総利益は、59百万円の減少となった。
 
 
販管費は、IP&Mobileソリューション事業における収益性の高いネット系ストック収益(「iSmart接続」)の獲得に伴う前払販売奨励金の償却費の増加やコンサルティング事業における人員の増加に伴うコスト増などにより前年同期比64百万円増加した。
 
 
IP&Mobileソリューション事業  売上高55億58百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント利益1億63百万円(同30.0%増)
主にVoIPサービス、モバイルサービス等の情報通信サービス全般を提供。ネット系ストック収益である「iSmart接続」の拡大等により前年同期比で増収、増益となった。また、売上総利益率の高いネット系ストック収益(iSmart接続)が堅調に推移したことから同事業の売上高総利益率は27.3%と前年同期比0.2ポイント上昇した。
 
ドキュメント・ソリューション事業  売上高8億1百万円(前年同期比7.8%減)、セグメント利益19百万円(同80.2%減)
主に普通印刷、印刷物のプランニング・デザイン等を行う。厳しい競争環境に加え、大型案件が終了した影響を受け前年同期比で減収、減益となった。同事業の売上高総利益率は28.7%と前年同期比6.9ポイント低下した。しかし、第2四半期会計期間(7‐9月)においては、前年同期比増収となりセグメント利益も改善傾向となった。また、主要顧客からの受注も増加トレンドを維持した。
 
コンサルティング事業  売上12億9百万円(前年同期比9.3%増)、セグメント利益84百万円(同22.9%増)
主に経営支援コンサルティング、保険サービス及びセキュリティサービス等を行う。(株)保険ステーションにおいて、保険業法の改正の影響を受けつつも一人当たりの売上高が増加したことなどにより前年同期比で増収増益となった。また、情報セキュリティを中心とするコンサルティングサービス(セキュリティ本舗)が紹介等により堅調に推移した他、業務受託サービスも堅実に拡大した。一方、同事業の売上高総利益率は43.7%と前年同期比1ポイント低下した。
 
 
17/9月末の総資産は、17/3期末比2億72百円減の69億46百万円。資産サイドでは現預金と売上債権等が、負債・純資産サイドでは、短期借入金と未払法人税等が主な減少要因。17/9月末の自己資本比率は33.0%と17/3期末の31.0%から2.0ポイント上昇した。
 
 
CFの面では、売上債権の減少幅の拡大や前払費用の増加幅の縮小などにより営業CFがプラスへ転じた。投資CFは無形固定資産の取得による支出の拡大などによりマイナスが拡大したものの、フリーCFもプラスに転換した。一方、短期借入金の減少などにより財務CFはマイナスが拡大した。
 
 
2018年3月期業績予想
 
 
前期比3.1%の増収、同2.8%の経常増益
18/3期の会社計画は、売上高が前期比3.1%増の155億20百万円、経常利益が同2.8%増の7億20百万円の期初予想から修正なし。売上高は、ISPサービス(「iSmart接続」)を中心とするネット関連やおまか請求などから生じるストック収益の拡大を図りつつ、iSmartひかり(光コラボレーションモデル)・AmaVoの提供を通じて通話系のストック収益の拡大を図る計画。ドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の回復は想定していない。
営業利益は、同3.5%増の7億20百万円の計画。利益面も、増収効果によりIP&Mobileソリューション事業で増加を予想。ドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業においては、売上同様概ね横ばいを予想している。収益性の高い各種ストック収益の拡大が見込まれるものの、前払販売奨励金の増加などを織り込み、売上高営業利益率は4.6%と前期並みの計画となっている。
配当も、17/3期と同額(上期末7円、期末8円)の1株当たり年間15円の予定を据え置き。
 
 
 
同社は、顧客ニーズに合わせ、一次事業者として、或いは一次事業者の業務委託先として、光コラボ事業を営む。業務受託の範囲としては、受注受付、案件ステータス管理、料金計算、請求など多岐にわたる。今後は、再卸先及び業務委託先企業数を積極的に拡大する方針。
 
 
同社は、保険ショップである「みんなの保険工房」を譲受した。同ショップは、集客の高い店舗であり、今後出店増加と人員増強による保険事業の業績拡大が期待される。
 
 
 
今後の注目点
同社の18/3期第2四半期決算は、前年同期比7.1%の営業減益となったものの第1四半期の同31.2%の営業減益から大幅な改善となった。第2四半期決算会計期間(7-9月)は前年同期比で増益に転じており業績の底打ちが確認された四半期決算であった。中でも、IP&Mobileソリューション事業において、収益性の高いネット系ストック収益(iSmart接続)が着実に増加しており同社の成長性加速を期待させる内容となっている。ストック収益が積み上がる中、償却資産の減少により前払販売奨励金償却額の増加ペースが鈍化してきたことがその背景である。続く第3四半期においても、ストック収益の増加と前払販売奨励金償却額の増加ペース鈍化が鮮明となるのか、IP&Mobileソリューション事業の今後の業績動向が注目される。
更に、保険業法の改正の影響を受け減少基調にあったコンサルティング事業においても、(株)保険ステーションで一人当たりの売上高が増加し、前年同期比で増収増益基調が定着してきたことは先行き明るい。こうした中、同社は保険ショップである「みんなの保険工房」を譲受した。同ショップは、集客力が高い店舗の模様である。今後出店増加と人員増強により保険事業の成長性が高まってくるのか、第3四半期のコンサルティング事業の業績動向にも注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
コーポレート・ガバナンス・コード適用以降直近のコーポレート・ガバナンス報告書提出日、2017年6月21日。

<基本的な考え方>
当社では、取締役会を唯一の経営意思決定機関として位置付けております。
定例取締役会を毎月開催するほか、重要案件が生じる都度臨時取締役会を機動的に開催し、迅速かつ的確な経営判断を行っております。
また、企業経営情報の積極的な開示を目的として、適時に当社のホームページにおいて財務情報に限定されないディスクロージャーを行っております。
当社は、監査等委員設置会社形態を採用しており、同形態により十分にガバナンスが機能していると認識しております。

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
実施をしないコード:7項目、そのおもな原則と理由
 
<開示している主な原則>
 
<その他>
同社は、社是(*1)を基本とし、中期経営計画の策定(未公表)や取締役の選定を行っている。
株主総会は集中日を避けて6月21日に開催。
議決権の電子行使や英文による情報開示、信託銀行名義の実質株主の総会参加は今後の検討項目としている。
今年からは補充原則4-11-3 取締役会実効性の分析評価がエクスプレインからコンプライに変更されており、コーポレート・ガバナンス・コードの各原則について実施する・しないを会社の状況に応じて適宜検討・更新をしている。

*1 社是 補充原則4-1-2 中期計画達成状況の株主説明を実施しない理由を参照。