ブリッジレポート
(2462) ライク株式会社

プライム

ブリッジレポート:(2462)ライク vol.42

(2462:東証1部) ライク 企業HP
岡本 泰彦 社長
岡本 泰彦 社長

【ブリッジレポート vol.42】2018年5月期第1四半期業績レポート
取材概要「18/5期は順調なスタートを切った。通期予想に対する進捗率は、売上高が23.7%(前年同期は24.2%)にとどまるが、営業利益は42.2%(同19.0%・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年11月14日掲載
企業基本情報
企業名
ライク株式会社
社長
岡本 泰彦
所在地
大阪市北区角田町8番1号 梅田阪急ビルオフィスタワー19階
決算期
5月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年5月 40,051 1,524 2,493 810
2016年5月 31,844 953 1,426 1,795
2015年5月 18,067 470 502 331
2014年5月 14,951 303 374 259
2013年5月 15,196 798 906 599
2012年5月 17,518 914 1,044 603
2011年5月 15,905 901 955 489
2010年5月 13,522 789 834 475
2009年5月 14,162 913 953 340
2008年5月 12,404 885 907 489
2007年5月 9,605 812 786 444
2006年5月 6,657 594 552 274
2005年5月 4,684 284 281 152
2004年5月 3,271 142 141 56
2003年5月 2,222 90 88 45
株式情報(10/27現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,009円 18,767,194株 37,703百万円 12.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 1.0% 74.62円 26.9倍 - -
※株価は10/27終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ライクの2018年5月期第1四半期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」をグループの経営理念として掲げ、人生のどの段階においてもなくてはならない企業グループを目指して、保育・人材・介護サービスを営んでいる。
 
【事業セグメントとライクグループ】
事業セグメントは、人材派遣、業務受託、紹介予定派遣・職業紹介、及び採用・教育支援等の総合人材サービス事業、公的保育施設運営と受託保育の子育て支援サービス事業、介護施設運営の介護関連サービス事業、及び携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業に分かれる。

グループは、純粋持株会社である同社の他、連結子会社4社及び持分法非適用関連会社1社。連結子会社は、派遣や業務請負等の総合人材サービスと携帯電話キャリアショップの運営を手掛けるライクスタッフィング(株)、ライクキッズネクスト(株)とその傘下で受託保育事業と公的保育事業(認可保育園の運営)を手掛けるライクアカデミー(株)、及び介護施設運営のライクケアネクスト(株)。この他、ライクスタッフィング(株)が20%、携帯電話販売代理店最大手の(株)ティーガイア(東証1部:3738)が80%、それぞれ出資する合弁会社(株)キャリアデザイン・アカデミーが、法人顧客向け研修サービスを提供している。
 
 
19/5期に売上高552億円、経常利益35億円の達成を目指す中期経営計画が進行中である。「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」をグループの経営理念として掲げ、人生のどの段階においてもなくてはならない企業グループを目指して、保育・人材・介護の3事業を軸に事業展開を進めており、売上高・経常利益ともに計画を上回って進捗している。
 
【株主優待】
クオカードを、期末(5月末)時点で100株以上500株未満の株主に1,000円分、同500株以上の株主に2,000円分、それぞれ進呈している他、ライクケアネクスト(株)が運営する介護施設の入居金割引券300,000円分(有効期限:2019年8月末日/1枚につき1室分の利用)を同100株以上保有の株主に進呈している。
 
 
2018年5月期第1四半期決算
 
 
前年同期比20.1%の増収、同114.5%の経常増益
売上高は同20.1%増の111億29百万円。総合人材サービス事業(同24.6%増)と子育て支援サービス事業(同21.5%増)の売上が伸び、介護関連サービス事業(同5.1%増)も堅調に推移した。

利益面では、一時的な補助金の増加等があった子育て支援サービス事業と入居率の改善等による介護関連サービス事業の原価率が共に改善し連結ベースの原価率が3.4ポイント改善。事業拡大に向け人件費や採用教育費を中心に販管費が増加したものの、事業会社間のシナジーによる効率化等で販管費率も0.1ポイント改善した。この結果、営業利益が7億50百万円と同146.5%増加。設備補助金収入の増加(1億56百万円→2億23百万円)等で営業外収益も増加した。
 
 
 
(2)セグメント別動向
総合人材サービス事業
売上高53億42百万円(前年同期比24.6%増)、営業利益5億22百万円(同22.6%増)。業界・職種を問わず人材不足により需要が拡大する中、経験の有無にかかわらず求職者が活躍できるスキームが奏功し派遣契約が同19.5%増加する中、現場ニーズを反映した独自の運営オペレーションに対する需要が拡大した業務委託契約が同35.0%増と伸長。一方、紹介予定・職業紹介契約は派遣を希望する求職者の増加等で前期並みにとどまった。業界別では、求職者が経験の有無にかかわらず活躍できるスキームと独自の受託運営オペレーションに対する需要が拡大したモバイル業界向けが同23.4%増加する中、インターネット販売を支えるコールセンターや物流が、同24.7%増、同81.1%増、と伸長。アパレル業界向けも同30.1%増加した。
 
 
 
 
子育て支援サービス事業
売上高42億66百万円(前年同期比21.5%増)、営業利益3億40百万円(前年同期は22百万円の損失)。ライクスタッフィングとの連携と処遇改善により、保育士の採用数と定着率が向上。認可保育園2ヶ所の新規開設コストが発生したものの、一時的な補助金の増額等もあり、収益性が改善した。第1四半期末の施設数は、受託保育164施設、公的保育153施設。
 
 
介護関連サービス事業
売上高13億87百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益56百万円(同50.8%増)。ライクスタッフィングへの採用業務の委託が奏功し、介護士の充足が進み、サービス品質が向上している。ただ、ほぼすべての施設において実質満床状態であったため、2017年6月にサンライズ・ヴィラ藤沢羽鳥(神奈川県藤沢市)で33室の増床を実施したが、増床後、入居が順調に進んでいるようだ。
 
 
第1四半期末の総資産は前期末に比べて15億32百万円減の231億09百万円。配当の支払いや法人税・消費税等の納付等で現預金が減少した。自己資本比率29.3%(前期末26.6%)。
 
 
2018年5月期業績予想
 
 
上期及び通期の業績予想に変更はなく、通期で前期比17.3%の増収、同30.4%の経常増益
売上高は前期比17.3%増の470億円。入居率が高水準にある介護関連サービスの売上が前期並みにとどまるものの、旺盛な人材需要の取り込みで総合人材サービスの売上が同27.1%増と伸びる他、保育施設の増加(認可保育園の新規開設目標は20ヶ所)で子育て支援サービスの売上も同12.1%増加する見込み。利益面では、人件費・採用教育費等を中心に販管費が増加するものの、売上の増加で吸収して営業利益が17億80百万円と同16.7%増加。補助金収入の増加も見込まれ、経常利益は同30.4%増加する見込み。
 
 
(2)事業別戦略
総合人材サービス事業
全ての業界で人材確保が経営の課題になっている。こうした中、同社は、求職者への適性が高く、かつ、希望に適う仕事の提案と週3日や時短等の求職者の希望を反映したクライアントへの多様な提案によるマッチング、現場経験豊富な研修担当による座学と店舗でのOJTによる研修、そして、就業後の現場視点でのフォローによる定着率の向上、といった未経験者を戦力化するグループ独自のノウハウにより就業人口を増やしていく。今後の増加が期待される海外人材においても、スキルチェックや研修による戦力化が可能だ。

研修では、ライフスタイルやスキルを問わず活躍できる内容となっており、受講者が自分のペースで受講する事が可能。職種毎に現場に精通した講師が、顧客企業が必要とするスキル等を伝授している。また、業界・職務内容の説明だけでなく、実際に求職者様に現場を見学させ、魅力ややりがいを伝えする事で、就業人口の増加と定着率の向上につなげている。
 
 
子育て支援サービス事業(受託保育事業164施設、公的保育事業153施設)
待機児童問題(保育施設の不足と保育人材の不足)が深刻化している。保育施設の増設と保育人材の確保に取り組むと共に、質の高い保育サービスの提供に努める事で、売上・利益共に成長し続ける日本一の保育事業者を目指している。
 
保育施設の増設
受託保育事業においては、グループの豊富な取引先を活かして案件を選別し、適正利益での受託数の増加に注力する。一方、公的保育事業においては、待機児童問題解消後も利用者に選ばれ続ける保育施設を目指して、優れた施設の増設(ハードの拡充・充実)と保育サービスのコンテンツ(ソフト)の拡充・充実に力を入れていく。18/4期の認可保育園の新規開設目標は20ヶ所(第1四半期末で2ヶ所開設済み)。
 
保育人材の確保
ライクスタッフィング(株)の採用・就業後フォローのノウハウを活かす事で、採用力の強化と定着率の向上を図る。具体的には、グループ内人事交流によるノウハウ共有やマッチング力強化、更には研修コンテンツのグループ共有に取り組む。
尚、保育士が働きやすい環境整備の一環として、2016年2月に「イクボス企業同盟」に加盟した。「イクボス」とは、職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)の事(NPO法人ファザーリング・ジャパン)。
 
介護関連サービス事業(21施設・1,156室)
高品質の介護サービスを追求し、サービスの差別化と介護人材の確保に取り組んでいく。サービスの差別化では、24時間看護師が常駐し、医療機関と連携した看取り介護の他、他社との差別化を明確にした高品質の介護サービスを提供する事で、選ばれ続ける介護施設を実現する。介護人材の確保では、未経験者を戦力化するライクスタッフィングとの連携により介護人材を創出すると共に、定着率を向上させる事で就業人口の増加を図る。また、2016年11月28日に公布された「技能実習法」、「改正入国管理法」の施行状況を鑑み、海外人材の受入れに備え、研修コンテンツの拡充にも力を入れる。
尚、2017年6月にサンライズ・ヴィラ藤沢羽鳥を33室増床した。
 
(3)配当
配当は、上期末10円、期末10円の年20円を予定。9月1日付けで1株を2株に分割したため、実質年4円増配の40円となる。同社は、連結配当性向35%以上を目標とし、中間配当及び期末配当の年2回配当を実施する方針としている。
 
 
今後の注目点
18/5期は順調なスタートを切った。通期予想に対する進捗率は、売上高が23.7%(前年同期は24.2%)にとどまるが、営業利益は42.2%(同19.0%)。補助金増額のインパクトがどの程度だったかは分からないが、子育て支援サービス事業の損益改善が大きかった。また、介護関連サービス事業も、増床に伴う先行投資を吸収して利益が増加した。33室と室数全体からみると増床規模は大きくなかったが、事業規模の拡大に伴い、徐々に先行投資負担を吸収して利益を増やせる体質になってきた。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年08月28日
基本的な考え方
当社は、「…planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」をグループ理念とし、人生のどの段階においても社会になくてはならない企業集団を目指しており、コーポレート・ガバナンスへの取組みを重要な経営課題として認識しております。これを実現するために、当社グループの役員、従業員及びサービス利用者が、常に公正で機能的な行動をとることができるよう、持株会社体制であることを活かし、コンプライアンス体制を持株会社に集約し、持株会社の機能をグループ全体の経営管理に集中させることにより、グループ全体のコーポレート・ガバナンスの強化を図っております。

1.株主の権利・平等の確保
株主総会における議決権をはじめとする株主の権利が実質的に確保されるよう、適切な対応を行っております。
2.株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社のグループ理念に基づき、行動規範や行動原則を遵守し、サービス利用者、クライアント、株主、従業員等全てのステークホルダーの皆様に対し誠実に行動することにより、継続的に企業価値を拡大してまいります。
3.適切な情報開示と透明性の確保
法令に基づく情報開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報や非財務情報の提供にも積極的に取り組んでまいります。
4.取締役会等の責務
取締役会は、グループの経営の基本方針や戦略の策定、事業会社の管理・監督を行っており、グループ全体における業務の意思決定及び取締役会による業務執行を監督する機関として位置付け、運営しております。なお、社外取締役は、経営規律の強化を図るとともに、透明性をより一層高める役割を担っております。
5.株主との対話
グループの企業価値の極大化のため株主との対話を重視しており、株主からの対話の申し込みに対しては随時対応しております。株主との対話は、IR担当部署、IR担当役員、経営陣幹部が必要に応じて行っております。
 
<開示している主な原則>
【原則5-1】
・当社は、当社グループのIR活動全般を行うIR担当役員とIR担当部署を設置し、株主との建設的な対話の促進を図っております。
・情報開示については、基本的な考え方をまとめた「ディスクロージャー・ポリシー」を定め、これに則り、公正かつ適時・適切な開示に取り組んでおります。
・ディスクロージャー・ポリシーについては、当社HP(https://www.like-gr.co.jp/ir/policy.html)において開示しております。
・IR活動の詳細につきましては、本報告書の「株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の2.に記載のとおりであります。